特許第6468051号(P6468051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6468051
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】遠隔送電制御機器用簡易試験器
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20190204BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   H02J13/00 311Z
   G01R31/00
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-87600(P2015-87600)
(22)【出願日】2015年4月22日
(65)【公開番号】特開2016-208662(P2016-208662A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 俊浩
【審査官】 高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−13091(JP,A)
【文献】 特開昭61−235762(JP,A)
【文献】 特開2007−74862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R31/00,
G01R31/24−31/25,
H02J13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に対してそれぞれ並列に接続される第1発光体及び第2発光体と、
第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子及び第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子と、
遠隔送電制御機器に電気的に接続する単相2線式用の第1無停電端子及び単相3線式用の第2無停電端子と、
前記第1無停電端子に接続された遠隔送電制御機器に対する電流の供給をオンオフする第1負荷メインスイッチと、
前記第2無停電端子に接続された遠隔送電制御機器に対する電流の供給をオンオフする第2負荷メインスイッチと、
前記遠隔送電制御機器を載置するエリアを有し、前記第1発光体、前記第2発光体、前記第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子、前記第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子、前記第1無停電端子、前記第2無停電端子、前記第1負荷メインスイッチ及び前記第2負荷メインスイッチが固定される基台と、を備え、
前記第1無停電端子及び前記第1負荷メインスイッチは、前記第1発光体と前記第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子とに対して直列に接続され、
前記第2無停電端子は、単相3線にそれぞれ流れる3相の電流の中の2相の電流が前記遠隔送電制御機器に流れるように、前記遠隔送電制御機器に接続される一次側端子及び二次側端子の対を2組有し、
一方の二次側端子及び前記第2負荷メインスイッチは、前記第2発光体と前記第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子とに対して直列に接続され、他方の二次側端子は前記第1負荷メインスイッチに接続されることを特徴とする遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【請求項2】
電源からの電流が、2つの前記一次側端子のいずれかに流れるように切り替える相切替スイッチと、
前記第2無停電端子が有する2つ一次側端子を短絡状態及び短絡解除状態のいずれかに切り替える動作試験確認スイッチと、を更に備えることを特徴とする請求項1記載の遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【請求項3】
前記第1発光体及び前記第2発光体は、電球からなることを特徴とする請求項1又は2記載の遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【請求項4】
前記第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子及び前記第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子は、任意の電気機器を接続した状態で到達電圧も同時に測定可能な2口コンセントを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔送電制御機器用簡易試験器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社等の電力供給者(電力供給側)から一般家庭等の電力需要者(電力需要側)へ電力を供給する場合は、電力供給者は需要者毎に電力量計(積算電力量計)を取付けて、各電力量計の計測に応じた電気料金を計算して各需要者から徴収している。
【0003】
ここで、電力需要者が電気料金の支払を一定期間滞納すると、電力供給者は規定により電力需要者に対して電力を供給停止する措置をとる。一方、電力の供給停止後に、電力需要者が電気料金を支払った場合には、電力供給者は電力の供給停止を解除して、電力需要者に対して電力の供給を開始する。
【0004】
このように電力供給者が電力需要者への電力供給を停止又は停止解除する場合に、電力供給者は、一般に専門的知識を有する作業員を営業所や電気工事会社から、電力供給停止対象の需要者宅に派遣して、電力を停止又は停止解除する電気工事を行っている。
【0005】
この場合、電気料金の支払を一定期間滞納した電力需要者が現れる毎に、この電力供給停止対象の需要者宅に作業員を派遣することになるため、電力供給者にとって負担が大きくなる。
【0006】
そこで、近年、電力供給者の遠隔操作によって電力供給の停止及び停止解除を切り替える遠隔送電制御機器を電力量計とともに電力需要者宅に設置している。これにより、特に専門的知識を有する作業員でなくとも、電力供給者は必要に応じて遠隔送電制御機器を遠隔制御することにより、電力供給の停止及び停止解除を切り替えることができるようになる。
【0007】
遠隔送電制御機器としては、単相2線式の電力量計に接続する機器、及び単相3線式の電力量計に接続する機器がある。単相2線式の電力量計に接続する遠隔送電制御機器は、単相2線を構成する黒相の線(電圧線)と白相の線(接地線)とにおける、黒相の線を流れる電流を、遮断及び遮断解除する機能を備えている。単相3線式の電力量計に接続する遠隔送電制御機器は、単相3線を構成する黒相の線(電圧線)と、赤相の線(電圧線)と、白相の線(接地線)とにおける、黒相と赤相の線を流れる電流を、それぞれ遮断及び遮断解除する機能を備えている。
【0008】
また、従来、この種の技術として、特許文献1に記載された技術が提案されている。特許文献1には、電力供給停止対象の電力需要者を1回訪問するだけで微小電力を供給するための電流制限器を取付けることができ、かつ電流制限器を必要とする該当者を精度よく選定することができる遠隔送電制御機器用簡易試験器及び遠隔送電制御システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−17597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、遠隔送電制御機器に不具合が発生した場合、修理の可否を判断するために、遠隔送電制御機器の動作試験を行う必要がある。しかし、従来、遠隔送電制御機器の動作試験を行うための試験器がないため、各営業所に設置してある、計量器工事訓練用模擬装置盤を代用して動作試験を実施している。
【0011】
ここで、計量器工事訓練用模擬装置盤は、作業員が電力需要者宅の現場において電力供給の停止及び停止解除を切り替える作業を行うための訓練に用いるものであり、停止及び停止解除の作業が正しく行われている場合には、その旨を報知する機能を備えている。計量器工事訓練用模擬装置盤を遠隔送電制御機器の動作試験に代用する際には、計量器工事訓練用模擬装置盤の所定の端子に試験対象の遠隔送電制御機器を電気的に接続し、外部から遠隔送電制御機器に切替信号を送り、停止及び停止解除の作業が正しく行われている旨の報知を確認する、といった作業が行われる。
【0012】
しかしながら、計量器工事訓練用模擬装置盤は大規模な設備であって移動が困難である。このため、遠隔送電制御機器を遠隔操作する端末がある部屋と、計量器工事訓練用模擬装置盤が設置されている部屋とが別々になり、試験の際に、端末を操作する作業員と計量器工事訓練用模擬装置盤を操作する作業員とが必要になる。その結果、別々の部屋の作業員が連絡を取り合いながら試験を進めることになるため作業効率が悪く、しかも複数の作業員が必要となるためその分人件費がかかってしまう。
【0013】
また、計量器工事訓練用模擬装置盤を代用するため、例えば、ドライバー等の工具を使用して外装カバーを取り外し、端子を外部に露出させる、といった試験準備のための作業、更には試験後に外装カバーを再度取り付けるといった試験前の状態に戻す作業が発生する。このため、遠隔送電制御機器の試験時間が長くなるおそれがある。
【0014】
本発明は、このような問題点を解決し、遠隔送電制御機器の試験における作業性の向上、人件費の低減、作業時間の短縮を実現する試験器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0016】
(1) 電源に対してそれぞれ並列に接続される第1発光体及び第2発光体と、第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子及び第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子と、遠隔送電制御機器に電気的に接続する単相2線式用の第1無停電端子及び単相3線式用の第2無停電端子と、前記第1無停電端子に接続された遠隔送電制御機器に対する電流の供給をオンオフする第1負荷メインスイッチと、前記第2無停電端子に接続された遠隔送電制御機器に対する電流の供給をオンオフする第2負荷メインスイッチと、前記遠隔送電制御機器を載置するエリアを有し、前記第1発光体、前記第2発光体、前記第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子、前記第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子、前記第1無停電端子、前記第2無停電端子、前記第1負荷メインスイッチ及び前記第2負荷メインスイッチが固定される基台と、を備え、前記第1無停電端子及び前記第1負荷メインスイッチは、前記第1発光体と前記第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子とに対して直列に接続され、前記第2無停電端子は、単相3線にそれぞれ流れる3相の電流の中の2相の電流が前記遠隔送電制御機器に流れるように、前記遠隔送電制御機器に接続される一次側端子及び二次側端子の対を2組有し、一方の二次側端子及び前記第2負荷メインスイッチは、前記第2発光体と前記第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子とに対して直列に接続され、他方の二次側端子は前記第1負荷メインスイッチに接続されることを特徴とする遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【0017】
(1)によれば、試験対象の遠隔送電制御機器を第1無停電端子又は第2無停電端子に接続し、第1負荷メインスイッチ又は第2負荷メインスイッチを操作して、第1発光体又は第2発光体が発光するか否かを確認する。更に遠隔送電制御機器を遠隔制御して第1発光体又は第2発光体が消灯するか否かを確認することにより、遠隔送電制御機器の動作試験を行うことができる。これにより、試験対象となる遠隔送電制御機器の取付準備、簡易試験器への取付、更には遠隔送電制御機器と簡易試験器との電気的な接続に係る作業負担を軽減することが可能になる。更に、従来、大掛かりな装置を用いて実施されてきた遠隔送電制御機器の試験を1人の作業員で容易に行うことが可能になり、遠隔送電制御機器の試験に係る設備費や人件費を大幅に削減することが可能になる。しかも、作業負担の軽減により、試験に要する時間を短縮することが可能になり、試験待ちの遠隔送電制御機器の数を低減することが可能になる。
【0018】
(2) (1)において、電源からの電流が、2つの前記一次側端子のいずれかに流れるように切り替える相切替スイッチと、前記第2無停電端子が有する2つ一次側端子を短絡状態及び短絡解除状態のいずれかに切り替える動作試験確認スイッチと、を更に備えることを特徴とする遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【0019】
(2)によれば、相切替スイッチと、動作試験確認スイッチと、を有することにより、単相3線式用の遠隔送電制御機器を試験する際に、遠隔送電制御機器における黒相の電流値と、赤相の電流値と、をそれぞれ測定することが可能になり、遠隔送電制御機器が通常状態において正常に動作しているかを正確に試験することが可能になる。
【0020】
(3) (1)、(2)において、前記第1発光体及び前記第2発光体は、電球からなることを特徴とする遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【0021】
(3)によれば、遠隔送電制御機器に電流が流れていることが電球の発光によって報知されるため、作業員はより正確に報知結果を把握することが可能になる。
【0022】
(4) (1)〜(3)において、前記第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子及び前記第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子は、任意の電気機器を接続した状態で到達電圧も同時に測定可能な2口コンセントを備えることを特徴とする遠隔送電制御機器用簡易試験器。
【0023】
(4)によれば、遠隔送電制御機器の黒相回路及び赤相回路の遮断器等の接触不良に起因する電圧低下を、第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子、第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子にてテスター等の電圧測定機器を用いて正確に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、遠隔送電制御機器の試験における作業性の向上、人件費の低減、作業時間の短縮を実現する遠隔送電制御機器用簡易試験器を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態における遠隔送電制御機器用簡易試験器1の外観を示す斜視図である。
図2図1を下方から視認した外観を示す斜視図である。
図3】本実施形態における簡易試験器1の電気回路系統を示す配線図である。
図4】遠隔送電制御機器100の試験に必要な機器を示す図である。
図5】営業所端末200のディスプレイに表示される遠隔送電制御機器100の状態の確認画面を示す説明図である。
図6】営業所端末200のディスプレイに表示される遠隔送電制御機器100の状態の確認画面を示す説明図である。
図7】営業所端末200のディスプレイに表示される遠隔送電制御機器100の状態の確認画面を示す説明図である。
図8】営業所端末200のディスプレイに表示される遠隔送電制御機器100の状態の確認画面を示す説明図である。
図9】営業所端末200のディスプレイに表示される遠隔送電制御機器100の状態の確認画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態における遠隔送電制御機器用簡易試験器1の外観を示す斜視図、図2は、図1を下方から視認した外観を示す斜視図である。遠隔送電制御機器用簡易試験器1(以下、簡易試験器1と略称する)は、基台10と、電源コード20と、ブレーカ22と、赤色電球24と、第1無停電端子26と、電源コネクタ28と、相切替スイッチ32と、第2無停電端子30と、動作試験確認スイッチ34と、第1負荷メインスイッチ36と、第2負荷メインスイッチ38と、第1電球40と、第2電球42と、第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44と、第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46と、配線接続箱48と、を備えている。
【0028】
基台10は、天板と、天板の裏面に立設される4本の脚材とを有する小型のテーブル体である。基台10の天板の表面の中央部には、試験対象の遠隔送電制御機器100を載置するエリアが確保されており、このエリアの周囲に、ブレーカ22と、第1無停電端子26と、相切替スイッチ32と、第2無停電端子30と、第1負荷メインスイッチ36と、第2負荷メインスイッチ38とが固定されている。通常、遠隔送電制御機器100は、机上の営業所端末200よりも小さく基台10よりも小さい機器であり、基台10は、営業所端末200とともに机上に載置可能な大きさである。
【0029】
基台10の天板の裏側には、赤色電球24と、動作試験確認スイッチ34と、第1電球40と、第2電球42と、第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44と、第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46と、配線接続箱48とが配設されている。
【0030】
天板は、複数枚の板材(本実施形態においては4枚)を、若干の隙間を空けて並べてなるものであり、板材の隙間から、赤色電球24、第1電球40及び第2電球42の発光態様を視認することが可能である。
【0031】
そして、基台10に取り付けられた、電源コード20と、ブレーカ22と、赤色電球24と、第1無停電端子26と、電源コネクタ28と、相切替スイッチ32と、第2無停電端子30と、動作試験確認スイッチ34と、第1負荷メインスイッチ36と、第2負荷メインスイッチ38と、第1電球40と、第2電球42と、第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44と、第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46と、配線接続箱48とによって、簡易試験器1の電気回路系統が構成される。
【0032】
電源コード20は、コンセントに差し込まれる電源プラグと、電源プラグを先端に取り付けたコード体とからなり、この電源コード20から簡易試験器1に電力が供給される。
【0033】
ブレーカ22は、電源コード20に接続され、負荷側に過大な電流が流れた場合に自動的に電気の供給を遮断するものである。なお、ブレーカ22は、負荷側に漏電が発生した場合も自動的に電気の供給を遮断できる漏電遮断機能を兼ねたものでもよい。
【0034】
赤色電球24は、簡易試験器1に通電されている場合、すなわち電源コード20がコンセントに差し込まれかつブレーカ22が「入」の場合に発光する。
【0035】
第1無停電端子26は、試験対象となる遠隔送電制御機器100が接続される単相2線式用の端子台であり、一次側端子26a及び二次側端子26bを備えている。第1無停電端子26には、単相2線式の電力量計用の遠隔送電制御機器100が接続され、遠隔送電制御機器100には、単相2線を構成する黒相の線(電圧線)と白相の線(接地線)とにおいて、黒相の線が第1無停電端子26の一次側端子26a及び二次側端子26bに接続される。
【0036】
電源コネクタ28は、試験対象の遠隔送電制御機器100の電源端子に接続され、遠隔送電制御機器100に駆動電力を供給するものである。
【0037】
第2無停電端子30は、試験対象となる遠隔送電制御機器100が接続される単相3線式用の端子台であり、一次側端子30aと二次側端子30bとの対と、一次側端子30cと二次側端子30dとの対との2組の端子対を備えている。第2無停電端子30には、単相3線式の電力量計用の遠隔送電制御機器100が接続され、遠隔送電制御機器100には、単相3線を構成する黒相の線(電圧線)と赤相の線(電圧線)と白相の線(接地線)とにおいて、黒相の線が第2無停電端子30の一次側端子30a及び二次側端子30bに接続され、赤相の線が第2無停電端子30の一次側端子30c及び二次側端子30dに接続される。
【0038】
相切替スイッチ32は、電源コード20から供給される電流が流れる経路を、第2無停電端子30における黒相の一次側端子30a及び赤相の一次側端子30cのいずれかに切り替えるスイッチである。
【0039】
動作試験確認スイッチ34は、第2無停電端子30における黒相の一次側端子30aと赤相の一次側端子30cとを接続する短絡状態、及び接続を解除する非短絡状態のいずれかに切り替えるスイッチである。動作試験確認スイッチ34は、詳細については後述するが、遠隔送電制御機器100の状態を正確に確認する際に用いられる。
【0040】
第1負荷メインスイッチ36は、第1無停電端子26又は第2無停電端子30に接続された試験対象の遠隔送電制御機器100に対する電流の供給を、作業員の操作によってオンオフするスイッチである。第1負荷メインスイッチ36を「オン」にすることによって遠隔送電制御機器100における黒相の電流が流れる回路に、電流が流れる。以下の説明の便宜上、遠隔送電制御機器100における黒相の電流が流れる回路を黒相回路と称する。
【0041】
第2負荷メインスイッチ38は、第2無停電端子30に接続された試験対象の遠隔送電制御機器100に対する電流の供給を、作業員の操作によってオンオフするスイッチである。第2負荷メインスイッチ38を「オン」にすることによって遠隔送電制御機器100における赤相の電流が流れる回路に、電流が流れる。以下の説明の便宜上、遠隔送電制御機器100において、赤相の電流が流れる回路を赤相回路と称する。
【0042】
第1電球40は、第1無停電端子26又は第2無停電端子30に接続された遠隔送電制御機器100における黒相回路に電流が流れていることを確認するためのものである。作業員が、第1負荷メインスイッチ36を「オン」にした場合に第1電球40の点灯を確認することによって、遠隔送電制御機器100の黒相回路に電流が正常に流れていることが確認できる。
【0043】
第2電球42は、第2無停電端子30に接続された遠隔送電制御機器100に赤相回路に電流が流れていることを確認するためのものである。作業員が、第2負荷メインスイッチ38が「オン」にした場合に第2電球42の点灯を確認することによって、遠隔送電制御機器100の赤相回路に電流が正常に流れていることが確認できる。
【0044】
第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44は、黒相回路に電流を流す電気回路に負荷を追加する場合又は遠隔送電制御機器100の黒相回路の負荷側(無停電端子の二次側)に正常な電圧が到達しているかの電圧測定に使用される。第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46は、赤相回路に電流を流す電気回路に負荷を追加する場合又は遠隔送電制御機器100の赤相回路の負荷側(無停電端子の二次側)に正常な電圧が到達しているかの電圧測定に使用される。
【0045】
[負荷電流増加試験]
例えば、消費電力1kWの機器を第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44又は第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46に差し込むことにより、遠隔送電制御機器100に黒相又は赤相の負荷電流を約10A増加させた場合での試験も可能となる。
【0046】
なお、上述した[負荷電流増加試験]における第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44及び第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46は、負荷電流を増加させた場合での遠隔送電制御機器100の負荷側電圧の測定を同時に行えるよう2口にしてもよい。
【0047】
配線接続箱48は、電源コード20、ブレーカ22、赤色電球24、第1無停電端子26、電源コネクタ28、第2無停電端子30、相切替スイッチ32、動作試験確認スイッチ34、第1負荷メインスイッチ36、第2負荷メインスイッチ38、第1電球40、第2電球42、第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44、第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46の配線接続を一箇所に集約し接続箇所を保護及び電気的に絶縁するための箱である。
【0048】
[回路構成]
図3は、本実施形態における簡易試験器1の電気回路系統を示す配線図である。
赤色電球24、電源コネクタ28、第1電球40及び第2電球42は、ブレーカ22からの延びる電源コード20に対してそれぞれ並列に接続されている。
【0049】
第1無停電端子26及び第1負荷メインスイッチ36は、電源コード20から分岐して第1電球40に接続されるリード線に、第1電球40に対して直列に接続される。
【0050】
相切替スイッチ32、第2無停電端子30及び第2負荷メインスイッチ38は、電源コード20から分岐して第2電球42に接続されるリード線に、第2電球42に対して直列に接続される。詳細には、第2無停電端子30の赤相の二次側端子30dが第2負荷メインスイッチ38に接続されている。また、第2無停電端子30における黒相の二次側端子30bは、リード線を介して第1無停電端子26と第1負荷メインスイッチ36との間に接続される。
【0051】
第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44は第1電球40に対して並列に接続される。第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46は第2電球42に並列に対して接続される。
【0052】
動作試験確認スイッチ34は、通常状態においては「オン」、すなわち第2無停電端子30における黒相の一次側端子30aと赤相の一次側端子30cとは短絡状態となっている。このため、相切替スイッチ32の切替状態にかかわらず、第2無停電端子30における黒相の一次側端子30a及び赤相の一次側端子30cに電流が流れる。なお、動作試験確認スイッチ34が「オフ」の場合には、相切替スイッチ32による切替先、すなわち第2無停電端子30における黒相の一次側端子30a又は赤相の一次側端子30cのいずれかに電流が流れる。
【0053】
[試験手順]
次に、本実施形態における簡易試験器1を用いた遠隔送電制御機器100の試験手順について説明する。なお、本手順は、通常試験によるもので「負荷電流増加試験」及び「電圧測定試験」についての説明は、省略する。遠隔送電制御機器100の試験の際には、図4に示すように、簡易試験器1の他に、遠隔送電制御機器100と通信可能な営業所端末200を用意する。この際、営業所端末200が載置されている机上に、簡易試験器1を載置する。
【0054】
(1)遠隔送電制御機器100を取り付ける前の簡易試験器1の確認
まず、作業員は、簡易試験器1に通電がなされていないことを確認する。具体的には、簡易試験器1の電源コード20のプラグがコンセントに差し込まれていないこと、ブレーカ22が「切」になっていること、赤色電球24が消灯していること等を確認する。
【0055】
(2)遠隔送電制御機器100の取り付け
次に、作業員は、試験対象の遠隔送電制御機器100を基台10の中央に載置する。この時、遠隔送電制御機器100の銘板と遠隔送電制御機器100の本体に設けられている状態表示ランプ(図示せず)が見えるように設置する。
【0056】
(3)遠隔送電制御機器100の配線接続
次に、作業員は、遠隔送電制御機器100を第1無停電端子26あるいは第2無停電端子30に接続する。作業員は、単相2線式の電力量計に対応する遠隔送電制御機器100の場合には第1無停電端子26に接続し、単相3線式の電力量計に対応する遠隔送電制御機器100の場合には第2無停電端子30に接続する。
【0057】
次に、作業員は、電源コネクタ28を遠隔送電制御機器100に接続する。
次に、作業員は、第1負荷メインスイッチ36及び第2負荷メインスイッチ38が「切」になっていることを確認する。特に、第2無停電端子30に遠隔送電制御機器100を接続した場合には、動作試験確認スイッチ34が「入」になっていることを確認する。なお、以下の説明の便宜上、第2無停電端子30に遠隔送電制御機器100を接続した場合については、単相3線式の場合と称することにする。また、第1無停電端子26に遠隔送電制御機器100を接続した場合ついては、単相2線式の場合と称することにする。
【0058】
(4)簡易試験器1への通電
次に、作業員は、電源コード20のプラグをコンセントに差し込み、ブレーカ22を「入」に切り替えることにより、簡易試験器1に通電する。この時、赤色電球24が点灯していることを確認するとともに、遠隔送電制御機器100の電波受信状態表示ランプ(ANT)が良(緑点灯又は緑点滅)であることを確認する。状態表示ランプ点灯は電源投入後30秒間であるため、確認し忘れた場合には、ブレーカ22を一旦「切」にしてから再度「入」に切り替えて、改めて表示を確認する。
【0059】
(5)営業所端末200の確認
次に、作業員は、営業所端末200を操作して、顧客に関する情報が記憶されているデータベースから営業所端末200に付されている遠隔送電制御機器100の銘板記載の端末番号を検索し、契約番号及び計器番号が端末番号に関連付けて登録されていないことを確認する。言い換えれば、試験対象の遠隔送電制御機器100が需要者宅に設置されていない機器であることを確かめる。
【0060】
(6)営業所端末200による遠隔送電制御機器100の選択
次に、作業員は、営業所端末200を操作して遠隔送電制御機器100を通信相手として選択し、営業所端末200と遠隔送電制御機器100との間で通信可能な状態とする。
作業員は、営業所端末200を操作して、図5に示す、機器状態の確認画面をディスプレイに表示させ、「選択中」という文字情報が赤い文字で表示されていることを確認する。更に、遠隔送電制御機器100の選択状態ランプ(POW)が赤点灯であることを確認する。これにより、作業員は、営業所端末200が遠隔送電制御機器100を選択しており、通信可能な状態であることを確かめることができる。
【0061】
図5(a)は単相2線式の遠隔送電制御機器100の機器状態の確認画面を示す説明図であり、図5(b)は単相3線式の遠隔送電制御機器100の機器状態の確認画面を示す説明図である。機器状態の確認画面には、「選択中」という文字情報と、制御状態を表示する項目と、2次側電圧を表示する項目と、2次側電流を表示する項目がある。
【0062】
単相2線式の場合には、遠隔送電制御機器100の黒相回路に電流が流れるため、制御状態の項目には「黒」という文字情報と、制御状態として「遮断」及び「投入」のいずれかの文字情報が表示される表示欄が備えられており、2次側電圧の項目には、「黒」という文字情報と、電圧の有無を表示する表示欄が備えられている。2次側電流の項目には電流値を表示する表示欄が備えられている。
【0063】
単相3線式の場合には、遠隔送電制御機器100の黒相回路及び赤相回路に電流が流れるため、制御状態の項目には「黒」及び「赤」という文字情報と、「黒」及び「赤」という文字情報にそれぞれ対応して「遮断」及び「投入」のいずれかの文字情報を表示する欄が備えられており、2次側電圧の項目には、「黒」及び「赤」という文字情報と、「黒」及び「赤」という文字情報にそれぞれ対応して電圧の有無を表示する欄が備えられている。
【0064】
なお、上述した(6)の段階では、制御状態の表示欄には「遮断」、2次側電圧の表示欄には「無」、第1負荷メインスイッチ36及び第2負荷メインスイッチ38が「切」になっており、遠隔送電制御機器100の黒相回路又は赤相回路に電流が流れていないため、2次側電流の表示欄には「0.00A」と表示される。
【0065】
(7)簡易試験器1の負荷メインスイッチを入れる
次に、単相2線式の場合、作業員は、第1負荷メインスイッチ36(黒相側)を「入」にする。単相3線式の場合、作業員は、第1負荷メインスイッチ36及び第2負荷メインスイッチ38(赤相側)の両方を「入」にする。
【0066】
(8)投入操作
次に、作業員は、営業所端末200を操作して、遠隔送電制御機器100が電力供給を実施している状態になるように、遠隔送電制御機器100を遠隔操作する。
単相2線式の場合、作業員は、簡易試験器1の第1電球40(黒相側)の点灯及び遠隔送電制御機器100の開閉器状態表示ランプ(STA)の赤点灯を確認する。また、作業員は、営業所端末200の機器状態の確認画面を見て、図6(a)に示すように、制御状態の表示欄が「投入」、2次側電圧の表示欄が「有」であることを確認する。更に、2次側電流の表示欄に、第1電球40の消費電力は90Wであるため、約0.90Aの値が表示されていることを確認する。なお、第2電球42の消費電力は54Wである。
【0067】
また、単相3線式の場合に、作業員は、簡易試験器1の第1電球40(黒相側)及び第2電球42(赤相側)の点灯及び遠隔送電制御機器100の開閉器状態表示ランプ(STA)の赤点灯を確認する。また、作業員は、営業所端末200の機器状態の確認画面を見て、図6(b)に示すように、制御状態の「黒」と「赤」の表示欄が「投入」、2次側電圧の「黒」と「赤」の表示欄が「有」であることを確認する。ここで、2次側電流の表示欄には、黒相の電流と赤相の電流の差分が表示されてしまうため、作業員は、黒相回路を流れる電流値及び赤相回路を流れる電流値の正確な値を把握ことができない。そこで、作業員は、動作試験確認スイッチ34を「切」にする。次に、作業員は、相切替スイッチ32を一次側端子30a(黒相側)に切り替えた後、営業所端末200を操作して確認画面を更新して、2次側電流を確認する。図7(a)は更新後の確認画面の一例である。同様に、相切替スイッチ32を一次側端子30c(赤相側)に切り替えた後、営業所端末200を操作して確認画面を更新し、2次側電流を確認する。図7(b)は更新後の確認画面の一例である。作業員が、2次側電流(黒相回路及び赤相回路を流れる電流値)を確認した後、動作試験確認スイッチ34を再度「入」に戻す。
【0068】
(9)遮断操作の準備(無負荷時の電流表示試験)
次に、単相2線式の場合、作業員は、第1負荷メインスイッチ36を「切」にし、第1電球40が消灯したことを確認する。そして、作業員は、営業所端末200を操作して確認画面を更新し、図8(a)に示すように、制御状態の表示欄が「投入」、2次側電圧の表示欄が「有」であることを確認するとともに、2次側電流の表示欄が0.00Aになっていることを確認する。
【0069】
単相3線式の場合、作業員は、第1負荷メインスイッチ36及び第2負荷メインスイッチ38を「切」にし、第1電球40及び第2電球42が消灯したことを確認する。そして、作業員は、営業所端末200を操作して確認画面を更新し、図8(b)に示すように、制御状態の「黒」と「赤」の表示欄がともに「投入」、2次側電圧の「黒」と「赤」の表示欄がともに「有」であることを確認するとともに、2次側電流の表示欄が0.00Aになっていることを確認する。
【0070】
次に、単相2線式の場合、作業員は、第1負荷メインスイッチ36を再度「入」にして、第1電球40の点灯を確かめる。単相3線式の場合であれば第1負荷メインスイッチ36及び第2負荷メインスイッチ38を再度「入」にして、第1電球40及び第2電球42の点灯を確かめる。
【0071】
(10)遮断操作
次に、作業員は、営業所端末200を操作して、遠隔送電制御機器100が電力供給を遮断する状態になるように、遠隔送電制御機器100を遠隔操作する。
単相2線式の場合、作業員は、簡易試験器1の第1電球40の消灯及び遠隔送電制御機器100の開閉器状態表示ランプ(STA)の緑点灯を確認する。更に、作業員は、営業所端末200のディスプレイを視認して機器状態における制御状態の表示欄が「遮断」であること、2次側電圧の表示欄が「無」であること、2次側電流の表示欄が0.00Aであることを確認する(図9(a)参照)。
【0072】
単相3線式の場合、作業員は、簡易試験器1の第1電球40及び第2電球42の消灯及び遠隔送電制御機器100の開閉器状態表示ランプ(STA)の緑点灯を確認する。更に、作業員は、営業所端末200のディスプレイを視認して機器状態における制御状態の「黒」と「赤」の表示欄がともに「遮断」であること、2次側電圧の「黒」と「赤」の表示欄がともに「無」であること、2次側電流の表示欄が0.00Aであることを確認する(図9(b)参照)。
【0073】
(11)営業所端末200による遠隔送電制御機器100の選択解除
次に、作業員は、営業所端末200を操作して、営業所端末200が遠隔送電制御機器100を選択している状態を解除する。
作業員は、営業所端末200において、機器状態の表示画面における「選択中」という文字情報が赤い文字でなくなったことを確認する。更に、遠隔送電制御機器100の状態表示ランプの選択(接続)状態ランプ(POW)が緑点灯であることを確認する。
【0074】
(12)簡易試験器1への通電停止
次に、作業員は、第1負荷メインスイッチ36及び第2負荷メインスイッチ38を「切」にし、ブレーカ22を「切」にして、赤色電球24が消灯したことを確認し、遠隔送電制御機器100の状態表示ランプが消灯していることを確認した後電源コード20のプラグをコンセントから抜き取る。
【0075】
(13)遠隔送電制御機器100の取り外し
最後に、作業員は、電源コネクタ28を遠隔送電制御機器100から取り外し、遠隔送電制御機器100の入力端子及び出力端子を第1無停電端子26あるいは第2無停電端子30の入力端子及び出力端子から取り外す。
【0076】
以上の手順を踏むことにより、遠隔送電制御機器100の通常試験が完了する。前述の通常試験において、全ての確認事項をクリアした場合に、遠隔送電制御機器100は正常であると判断される。
【0077】
以上説明したように構成された本実施形態によれば、試験対象となる遠隔送電制御機器100の取付準備、簡易試験器1への取付、更には遠隔送電制御機器100と簡易試験器1との電気的な接続に係る作業負担を軽減することが可能になる。これにより、従来、大掛かりな装置を用いて実施されてきた遠隔送電制御機器100の試験を1人の作業員で容易に行うことが可能になり、遠隔送電制御機器の試験に係る設備費や人件費を大幅に削減することが可能になる。しかも、作業負担の軽減により、試験に要する時間を短縮することが可能になり、試験待ちの遠隔送電制御機器100の数を低減することが可能になる。これにより、遠隔送電制御機器100が不足するといった事態の発生を低減することが可能になる。
【0078】
また、本実施形態によれば、相切替スイッチ32と、動作試験確認スイッチ34と、を有することにより、試験時に簡易試験器の電源を机上コンセント電源(単相2線式100V)より取得して単相3線式用の遠隔送電制御機器100を試験する際に、遠隔送電制御機器100における黒相の電流値と、赤相の電流値と、をそれぞれ測定することが可能になり、遠隔送電制御機器100の黒相回路及び赤相回路の電流計測が通常状態において正常に計測しているかを試験することが可能になる。
【0079】
また、本実施形態によれば、遠隔送電制御機器100の黒相回路及び赤相回路に電流が流れている場合に、第1電球40及び第2電球42を発光させるため、第1電球40及び第2電球42が発光していることを正確に把握することが可能になる。
【0080】
また、本実施形態によれば、第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44及び第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46に任意の電気機器を差し込むことにより遠隔送電制御機器100に流れる負荷電流を増加させた場合の試験をすることが可能になる。
【0081】
また、本実施形態によれば、遠隔送電制御機器100の黒相回路及び赤相回路の遮断器等の接触不良に起因する電圧低下を第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子44及び第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子46にてテスター等の電圧測定機器を用いて正確に把握することが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
1 遠隔送電制御機器用簡易試験器
10 基台
20 電源コード
22 ブレーカ
24 赤色電球
26 第1無停電端子
26a、30a、30c 一次側端子
26b、30b、30d 二次側端子
28 電源コネクタ
30 第2無停電端子
32 相切替スイッチ
34 動作試験確認スイッチ
36 第1負荷メインスイッチ
38 第2負荷メインスイッチ
40 第1電球
42 第2電球
44 第1任意負荷用コンセント兼電圧測定端子
46 第2任意負荷用コンセント兼電圧測定端子
48 配線接続箱
100 遠隔送電制御機器
200 営業所端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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