(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6468097
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】管体接続構造
(51)【国際特許分類】
F16L 33/00 20060101AFI20190204BHJP
F16L 33/22 20060101ALI20190204BHJP
F16L 33/24 20060101ALI20190204BHJP
F16L 21/02 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
F16L33/00 A
F16L33/22
F16L33/24
F16L21/02 K
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-129706(P2015-129706)
(22)【出願日】2015年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-15114(P2017-15114A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須田 真弘
(72)【発明者】
【氏名】三吉 啓司
(72)【発明者】
【氏名】和田 紳一郎
【審査官】
藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−086089(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0326724(US,A1)
【文献】
実開昭60−047987(JP,U)
【文献】
特開平09−242962(JP,A)
【文献】
実開平2−146297(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 29/00−35/00
F16L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路を形成する二つの管体を接続する管体接続構造であって、
両端部に、該両端部の内側部位より外径の大きな係合突起(43,44)を有する接続管体(40)と、
該接続管体(40)の一方の端部から一方の前記係合突起(43)を乗り越えて装着される第1の管体(20)と、
前記接続管体(40)の他方の端部から他方の前記係合突起(44)を乗り越え、更に先に前記装着された前記第1の管体(20)の一部に積層する位置まで装着される第2の管体(30)とを備え、
前記第1の管体(20)の装着側ホース端部(22)から管路方向に沿った所定の位置に、前記第2の管体(30)の装着時の位置決め部材として機能する一または複数の凸部(21)を、前記第1の管体(20)の外周の一部に設け、
前記第1の管体(20)は、前記第2の管体(30)が積層する領域の管体外周壁に、前記第1の管体(20)の拡径を阻害しない高さで凸とされた凸条(23)を有し、
前記凸条(23)は、前記一方の係合突起(43)よりも凸高さが小さく、
前記凸条(23)の凸高さは、0.1mm〜0.3mmである、管体接続構造。
【請求項2】
前記凸部(21)は、前記第1の管体(20)の外周回りに点在して設けられている、請求項1に記載の管体接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の管路をなすホースは、接続して用いられることが多々ある。ホースの接続に当たっては、ホースにその接続対象となる管体を圧入して接続する構造や、ホースとは別の接続管体を用いてホース同士を接続する構造が提案されている(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−326975号公報
【特許文献2】特開2005−48857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に見られるように、二つの管体を接続する構造は種々提案されているが、二つの管体の接続を確実にしようとすると、構造が複雑にならざるを得ない。また、管体を固定するための構造が複雑となり、接続される部分の外径が大きくなってしまう。本願は、こうした課題を解決し、二つの管体をコンパクトに接続する接続構造を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態として実施することができる。
[形態1]
管路を形成する二つの管体を接続する管体接続構造であって、
両端部に、該両端部の内側部位より外径の大きな係合突起を有する接続管体と、
該接続管体の一方の端部から一方の前記係合突起を乗り越えて装着される第1の管体と、
前記接続管体の他方の端部から他方の前記係合突起を乗り越え、更に先に前記装着された前記第1の管体の一部に積層する位置まで装着される第2の管体とを備え、
前記第1の管体の装着側ホース端部から管路方向に沿った所定の位置に、前記第2の管体の装着時の位置決め部材として機能する一または複数の凸部を、前記第1の管体の外周の一部に設け、
前記第1の管体は、前記第2の管体が積層する領域の管体外周壁に、前記第1の管体の拡径を阻害しない高さで凸とされた凸条を有し、
前記凸条は、前記一方の係合突起よりも凸高さが小さく、
前記凸条の凸高さは、0.1mm〜0.3mmである、管体接続構造。
この形態によれば、接続管体の一方の係合凸部に第1の管体を係合し、他方の係合凸部に第2の管体を係合して、両管体を接続管体を介して接続した上で、接続管体に装着済みの第1の管体に第2の管体を積層させた状態とできる。よって、この形態の管体接続構造によれば、第2の管体が拡径しただけで外径が小さく、且つ二つの管体を確実に固定することができる。また、こうした管体接続構造を採る上で、次の利点がある。第1の管体を一方の係合凸部の側から接続管体に装着する際、第1の管体は、拡径する。この第1の管体は、装着側ホース端部から管路方向に沿った所定の位置に凸部を有するので、第1の管体は、その装着に際して、凸部の形成箇所でも拡径して係合凸部を乗り越えることになる。凸部はその形成箇所の剛性を高める補強機能を発揮するが、この形態の管体接続構造では、凸部を第1の管体の外周の一部にしか有しないので、凸部のない箇所では補強機能を発揮させないことから、凸部の形成箇所における第1の管体の拡径を阻害しない。よって、この形態の管体接続構造によれば、第1の管体の装着性を高めた上で、第1の管体に第2の管体を積層させた新たな管体接続構造を提供できる。これに加え、第2の管体の装着前に、既に第1の管体は接続管体に装着済みであることから、第1の管体の凸部を第2の管体の位置決めとできるので、第2の管体の位置決め用のマーキング作業が不要となる。このことから、この形態の管体接続構造によれば、第2の管体の装着作業性も高まる。またこの形態によれば、第1の管体と第2の管体の積層箇所において、凸状によりシール性を発揮できるので、シール性が高まる。また凸条は、その高さが0.1〜0.3mmであるので、第1の管体の拡径を阻害しない。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、管体接続構造が提供される。この管体接続構造は、管路を形成する二つの管体を接続する管体接続構造であって、両端部に、該両端部の内側部位より外径の大きな係合突起を有する接続管体と、該接続管体の一方の端部から一方の前記係合突起を乗り越えて装着される第1の管体と、前記接続管体の他方の端部から他方の前記係合突起を乗り越え、更に先に前記装着された前記第1の管体の一部に積層する位置まで装着される第2の管体とを備え、前記第1の管体の装着側ホース端部から管路方向に沿った所定の位置に、前記第2の管体の装着時の位置決め部材として機能する一または複数の凸部を、前記第1の管体の外周の一部に設けた。
【0007】
この形態の管体接続構造では、接続管体の一方の係合凸部に第1の管体を係合し、他方の係合凸部に第2の管体を係合して、両管体を接続管体を介して接続した上で、接続管体に装着済みの第1の管体に第2の管体を積層させた状態とできる。よって、この形態の管体接続構造によれば、第2の管体が拡径しただけで外径が小さく、且つ二つの管体を確実に固定することができる。また、こうした管体接続構造を採る上で、次の利点がある。第1の管体を一方の係合凸部の側から接続管体に装着する際、第1の管体は、拡径する。この第1の管体は、装着側ホース端部から管路方向に沿った所定の位置に凸部を有するので、第1の管体は、その装着に際して、凸部の形成箇所でも拡径して係合凸部を乗り越えることになる。凸部はその形成箇所の剛性を高める補強機能を発揮するが、この形態の管体接続構造では、凸部を第1の管体の外周の一部にしか有しないので、凸部のない箇所では補強機能を発揮させないことから、凸部の形成箇所における第1の管体の拡径を阻害しない。よって、この形態の管体接続構造によれば、第1の管体の装着性を高めた上で、第1の管体に第2の管体を積層させた新たな管体接続構造を提供できる。これに加え、第2の管体の装着前に、既に第1の管体は接続管体に装着済みであることから、第1の管体の凸部を第2の管体の位置決めとできるので、第2の管体の位置決め用のマーキング作業が不要となる。このことから、この形態の管体接続構造によれば、第2の管体の装着作業性も高まる。
【0008】
(2)上記形態の管体接続構造において、前記凸部は、前記第1の管体の外周回りに点在して形成されているようにしてもよい。こうすれば、第2の管体をその装着側ホース端部の端部周回りにおいて均等に位置決めでき、第2の管体の装着形態を安定化できる。また、第2の管体を装着する際の位置決め目安として凸部が点在するので、第2の管体の装着が容易となる。
【0009】
(3)上記いずれかの形態の管体接続構造において、前記第1の管体は、前記第2の管体が積層する領域の管体外周壁に、前記第1の管体の拡径を阻害しない高さで凸とされた凸条を有するようにしてもよい。こうすれば、第1の管体と第2の管体の積層箇所において、凸状によりシール性を発揮できるので、シール性が高まる。凸条は、その高さが0.1〜0.3mmであれば、第1の管体の拡径を阻害しない。
【0010】
(4)上記いずれかの形態の管体接続構造において、前記第1の管体は、前記装着側ホース端部を前記第2の管体の内壁に当接するよう拡径して形成したようにしてもよい。こうすれば、第1の管体の装着側ホース端部と第2の管体の内壁との当接箇所において、シール性を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る管体接続構造にて得られるホースアッシー品の概略分解図である。
【
図2】第1ホースを
図1における2−2線に沿って断面視して示す説明図である。
【
図3】ホースアッシー品をホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。
【
図4】第1変形例のホースアッシー品をホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。
【
図5】第2変形例のホースアッシー品をホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は実施形態に係る管体接続構造にて得られるホースアッシー品10の概略分解図であり、
図2は第1ホース20を
図1における2−2線に沿って断面視して示す説明図であり、
図3はホースアッシー品10をホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。
【0013】
図示するように、ホースアッシー品10は、流体の管路を形成する第1ホース20と第2ホース30に加え、接続管体40を備える。第1ホース20は、ナイロンなどのポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)等の適宜な樹脂から形成されており、任意の経路を採って図示しない配設箇所、例えば車両のエンジンルーム等に配設される。
図1および
図2に示すように、第1ホース20は、その一端である装着端22から接続管体40に装着され、ホース外周壁に凸部21をホース外周壁回りに等ピッチで4個備える。つまり、凸部21は、第1ホース20のホース外周壁回りの一部領域に設けられていることになる。ホース経路方向の凸部21の形成位置については後述する。
【0014】
第2ホース30は、ポリブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系等の適宜なゴム材料から形成され、拡径して第1ホース20に重なることができる内径とされている。この第2ホース30は、後述の接続管体40を用いて第1ホース20と接続された後、任意の経路を採って第1ホース20と共に配設される。この第2ホース30と上記した第1ホース20は、共に拡径して、後述の接続管体40に装着されるので、拡径可能な硬さであればよい。
【0015】
接続管体40は、第1ホース20と第2ホース30の接続に用いられ、直管本体42の一端に第1係合凸部43を、他端に第2係合凸部44を備える。接続管体40は、直管本体42の管形状および両係合凸部の形状を恒常的に維持できるよう、ポリアセタール、ポリアミド等の熱可塑樹脂から型成形される。
【0016】
次に、ホースアッシー品10を得るまでのホース組み付けて順について説明する。まず、第1ホース20を、第1係合凸部43の側から接続管体40に装着する。つまり、第1ホース20の装着端22のホース開口に第1係合凸部43を差し込み、第1ホース20に接続管体40を圧入する。この圧入により、第1ホース20は、
図3に示すように、装着端22を第2係合凸部44に到る手前に位置させて第1係合凸部43と係合する。この係合は、第1ホース20が拡径しつつ第1係合凸部43を乗り越え、第1係合凸部43を取り囲む拡径領域でなされる。第1ホース20は、装着端22を第2係合凸部44に到る手前に位置させた圧入完了状態において、凸部21が直管本体42の経路途中に位置するよう、凸部21を装着端22から離間して備える。よって、第1ホース20は、凸部21の形成箇所においても一旦拡径して第1係合凸部43を乗り越え、接続管体40の更なる圧入により、凸部21を直管本体42の経路途中に位置させる。
【0017】
第1ホース20の圧入完了後、第2ホース30を、第2係合凸部44の側から接続管体40に装着する。つまり、第2ホース30の装着端31のホース開口に、第1ホース20が装着済みの接続管体40の第2係合凸部44を差し込み、第2ホース30に第1ホース20が装着済みの接続管体40を圧入する。この圧入により、第2ホース30は、
図3に示すように、装着端31が接続管体40に装着済みの第1ホース20の凸部21に到るまで、第1ホース20に積層され、第2ホース30の装着が完了する。この装着完了の状態において、第2ホース30は、接続管体40の第2係合凸部44に係合し、この係合は、第2ホース30が拡径しつつ第2係合凸部44を乗り越え、第2係合凸部44を取り囲む拡径領域でなされる。第2ホース30の装着完了により、接続管体40の第1係合凸部43に第1ホース20が係合し、第2係合凸部44に第2ホース30が係合して、接続管体40に装着済みの第1ホース20に第2ホース30を積層させたホースアッシー品10が得られる。
図3では、装着端31が隙間を持って凸部21に対向している状態を示しているが、装着端31が凸部21に当接するまで、第2ホース30を装着するようにしてもよい。
【0018】
以上説明したように、本実施形態のホースアッシー品10では、接続管体40の第1係合凸部43に第1ホース20を係合し、第2係合凸部44に第2ホース30を係合して、両ホースを接続管体40を介して接続した上で、接続管体40に装着済みの第1ホース20に第2ホース30を積層させた状態とできる。よって、本実施形態のホースアッシー品10によれば、第2ホース30が拡径しただけで外径が小さく、且つ二つのホースを確実に固定することができる。
【0019】
本実施形態のホースアッシー品10では、第1ホース20に第2ホース30を積層した管体接続構造を採るに当たり、装着端22が第2係合凸部44に到る手前に位置する第1ホース20の装着完了となるまで、第1ホース20を第1係合凸部43の乗り越え箇所において拡径させる。本実施形態のホースアッシー品10における第1ホース20は、装着完了の状態で、凸部21を直管本体42において第1係合凸部43の側に位置させるので、第1ホース20は、接続管体40への装着に際して、凸部21の形成箇所でも拡径して第1係合凸部43を乗り越える。第1ホース20が凸部21の形成箇所で拡径して第1係合凸部43を乗り越える際、凸部21はその形成箇所の剛性を高める補強機能を発揮するが、本実施形態のホースアッシー品10では、
図1や
図2に示すように、凸部21をホース外周壁回りに等ピッチで4個しか備えないので、凸部21のない箇所では補強機能を発揮させないようにできる。よって、本実施形態のホースアッシー品10によれば、凸部21の形成箇所における第1ホース20の拡径を阻害しないようにできるので、第1ホース20の装着性を高めた上で、第1ホース20に第2ホース30を積層させた新たな管体接続構造を提供できる。
【0020】
本実施形態のホースアッシー品10では、第2ホース30の装着前に、既に第1ホース20を接続管体40に装着済みとするので、第1ホース20の凸部21を第2ホース30の位置決めとできる。この結果、本実施形態のホースアッシー品10によれば、第2ホース30を装着する際の位置決め用のマーキング作業が不要となるので、第2ホース30の装着作業性を高めることができる。また、マーキング作業工程の省略により、作業効率の向上や作業コストの低減も図ることができる。
【0021】
本実施形態のホースアッシー品10では、凸部21を第1ホース20のホース外周壁回り等ピッチで点在させた。よって、本実施形態のホースアッシー品10によれば、第2ホース30を装着端31の端部周回りにおいて均等に位置決めして、第2ホース30の装着形態を安定化できる。また、第2ホース30を装着する際の位置決め目安として凸部21が点在するので、第2ホース30を第1ホース20に積層するよう容易に装着できる。
【0022】
次に、変形例について説明する。
図4は第1変形例のホースアッシー品10Aをホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。
【0023】
図示するように、第1変形例のホースアッシー品10Aは、既述したホースアッシー品10と同様、第1ホース20と第2ホース30とを接続管体40を用いて接続し、第1ホース20のホース外周壁に複数筋の小凸条23を有する点に特徴がある。この小凸条23は、第1ホース20のホース外周壁から0.1〜0.3mmの高さで形成され、第1ホース20に積層された第2ホース30の内周壁に凸頂上を接合させる。小凸条23の形成箇所にあっても、第1ホース20の装着の際に、拡径して第1係合凸部43を乗り越えるが、凸高さが0.1〜0.3mmという高さであるので、その形成箇所における第1ホース20の拡径を阻害しない。そして、小凸条23は、第2ホース30の内周壁への凸頂上の接合により、第1ホース20と第2ホース30の積層箇所、詳しくは第1ホース20の外周壁と第2ホース30の内周壁との間において、シール性を発揮する。よって、この変形例のホースアッシー品10Aによれば、第1ホース20の装着性を損なうことなく、第1ホース20と第2ホース30の積層箇所のシール性を高めることができる。
【0024】
図5は第2変形例のホースアッシー品10Bをホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。
【0025】
図示するように、第2変形例のホースアッシー品10Bは、既述したホースアッシー品10と同様、第1ホース20と第2ホース30とを接続管体40を用いて接続し、第1ホース20の装着端22aを拡径開口端とした点に特徴がある。図示するように拡径した装着端22aは、接続管体40の第2係合凸部44の手前に位置した上で、第2ホース30の内壁に当接する。よって、この変形例のホースアッシー品10Bによれば、第1ホース20の内壁面と接続管体40、詳しくは第1係合凸部43および直管本体42の外壁面との隙間をリークする流体を、拡径した装着端22aと第2ホース30の内壁との当接箇所においてシールできる。
【0026】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0027】
上記の実施形態では、凸部21を第1ホース20のホース外周壁回りに等ピッチで設けたが、凸部21を一つだけとすることもできる。また、凸部21の形成箇所での上記したホース拡径を阻害しない範囲で、凸部21を等ピッチで複数個設けたり、不等ピッチで複数個設けてもよい。
【0028】
第1変形例のホースアッシー品10Aにおいて、第1ホース20のホース外周壁に、第2変形例のホースアッシー品10Bの小凸条23を形成してもよい。また、
図4に示す第1変形例のホースアッシー品10Aにおいて、ホースバンドHbにて、第1ホース20と第2ホース30の積層範囲を緊縛してもよく、こうすれば、シール性がより高まる。なお、ホースバンドHbは、
図1や
図3に示すホースアッシー品10は元より、
図5のホースアッシー品10Bに用いることができる。
【0029】
また、管路を形成する二つの管体を接続する管体接続構造とするに当たり、両端部に、該両端部の内側部位より外径の大きな係合突起を有する接続管体と、該接続管体の一方の端部から一方の前記係合突起を乗り越えて装着される第1の管体と、前記接続管体の他方の端部から他方の前記係合突起を乗り越え、更に先に前記装着された前記第1の管体の一部に積層する位置まで装着される第2の管体とを備える構造とすれば、第2の管体が拡径しただけで外径が小さく、且つ二つの管体を確実に固定することができる。
【符号の説明】
【0030】
10,10A,10B…ホースアッシー品
20…第1ホース
21…凸部
22,22a…装着端
23…小凸条
30…第2ホース
31…装着端
40…接続管体
42…直管本体
43…第1係合凸部
44…第2係合凸部
Hb…ホースバンド