(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と重ならない位置に設置されることを特徴とする請求項2に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と前記モータの少なくとも一部が重なる位置に設置されることを特徴とする請求項2に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
前記最近接部を含む少なくとも一部の前記吸気管の前記放熱源側の外周壁を所定の隙間を有しながら覆うと共に、前記最近接部に通じる開口である窓部を有するカバー壁をさらに備え、
前記遮蔽板は、前記吸気管と前記カバー壁との間の前記隙間によって形成される収納空間において移動可能に設置され、
前記閉位置は前記窓部を覆う状態であり、前記開位置は前記窓部を覆わない状態であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
前記遮熱板の前記開位置は、前記閉位置よりも、前記エンジンのシリンダブロックと離れた位置にあることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインテークマニホールドの遮熱装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ラジエータやコンデンサといった放熱源からの熱の影響は、これらの放熱源に近づくほど大きくなる傾向がある。例えば、特許文献1の前方吸気後方排気のエンジンでは、エンジンの車両前方側に吸気管が接続されており、ラジエータやコンデンサに向けて突出するように吸気管は湾曲している。そして、吸気管は、このような湾曲部においてラジエータやコンデンサなどの放熱源に最も接近しており、この湾曲部において、放熱源からの授受熱量が最大となる。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、放熱源に最も近接する吸気管の部分(最近接部)からの主に放射伝熱による吸気温度の上昇を抑制可能な吸気管の遮熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るインテークマニホールドの遮熱装置は、
車両に搭載されるエンジンのインテークマニホールドの遮熱装置であって、
放熱源と、
前記エンジンの吸気が流れる吸気管であって、前記放熱源に最も近接する最近接部を含む所定の範囲で湾曲する湾曲部を有する少なくとも1つの吸気管からなるインテークマニホールドと、
前記湾曲部の放熱源側の外周壁に沿って移動可能に配置される遮蔽板と、
前記遮蔽板を、前記最近接部を覆う状態である閉位置と前記最近接部を覆わない状態である開位置との間において前記吸気管に沿って移動させる駆動機構と、を備える。
【0007】
上記(1)の構成によれば、放熱源と湾曲部との間に設置される遮蔽板の位置は駆動機構によって、閉位置と開位置との間で移動される。そして、遮蔽板が閉位置に移動された状態では、吸気管の湾曲部における最近接部が遮蔽板で覆われるため、放熱源からの放射熱などがこの最近接部に直接到達することが阻害される。このため、放射熱などによって吸気管内の吸気が加温されることの低減を図ることができる。逆に、遮蔽板が開位置に移動された状態では最近接部の放熱源側の外周壁を覆うものはなく、エンジンルーム内の温度やエンジンから最近接部は受熱しやすくなる。このため、例えば暖機時などの吸気の加温が必要な場合に、遮蔽板を開位置とすることで暖機を促進することができる。また、吸気管の形状に沿って遮蔽板は移動されるため、エンジンルーム内の限られたスペースに遮蔽板を設置することができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記駆動機構は、
モータと、
前記モータによって回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸と前記遮蔽板とを連結するアーム部と、を有し、
前記エンジンのクランク軸視において、
前記モータは、前記吸気管の湾曲部の内側に形成される内側領域に設置され、
前記駆動軸は、前記エンジンのクランク軸の軸方向に沿って延在する。
上記(2)の構成によれば、クランク軸視において、吸気管の湾曲部の内側(湾曲部を有する吸気管によって囲まれた内側空間)に形成される内側領域にモータが設置されると共に、クランク軸の軸方向に沿って駆動軸が延在する。また、遮蔽板は、吸気管を挟んだ湾曲部の外側(放熱源側)に設けられる。このため、アーム部は、吸気管と交差しながら駆動軸と遮蔽板とを連結することになる。つまり、アーム部により所定の間隔だけ離されて駆動軸に連結された遮蔽板を、駆動軸を回転中心として回動することができ、吸気管の湾曲部に沿った遮蔽板の移動を容易に行うことができる。
【0009】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と重ならない位置に設置される。
上記(3)の構成によれば、駆動機構のモータは、吸気管の湾曲部の内側に形成される内側空間の外側に設置される。このため、モータは吸気管の湾曲部に囲まれておらず、モータのメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0010】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記モータは、前記放熱源から前記エンジンのクランク軸と直交する方向に前記吸気管を視認したときに、前記吸気管と前記モータの少なくとも一部が重なる位置に設置される。
上記(4)の構成によれば、駆動機構の体積の大部分を占めるモータを、吸気管の湾曲部の内側に形成される内側空間を利用して設置するので、狭いエンジンルームであっても駆動機構を設置することができる。
【0011】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の構成において、
前記最近接部を含む少なくとも一部の前記吸気管の前記放熱源側の外周壁を所定の隙間を有しながら覆うと共に、前記最近接部に通じる開口である窓部を有するカバー壁をさらに備え、
前記遮蔽板は、前記吸気管と前記カバー壁との間の前記隙間によって形成される収納空間において移動可能に設置され、
前記閉位置は前記窓部を覆う状態であり、前記開位置は前記窓部を覆わない状態である。
上記(5)の構成によれば、遮蔽板はカバー壁と吸気管の外壁との間に形成される空間(収納空間)に設置される。このため、遮蔽板が開位置にある状態では、遮蔽板が収納空間に収納され、遮蔽板の汚損を防止することができる。
【0012】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記インテークマニホールドは、複数の前記吸気管からなる。
上記(6)の構成によれば、複数の吸気管に対して、上記(1)〜(5)と同様の効果を得ることができる。
【0013】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の構成において、
前記駆動機構を制御する制御部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記エンジンの暖機度合いを判定する判定部と、
前記判定部による前記暖機度合いの判定結果に基づいて前記駆動機構を駆動する駆動部と、を有する。
上記(7)の構成によれば、制御部によって、エンジンの暖機度合に応じて遮蔽板は閉位置と開位置との間で移動されるので、エンジンの状態に応じて遮蔽板の位置を自動で制御することができる。
【0014】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記判定部は、エンジンの冷却水の温度である冷却水温と、前記最近接部の下流の吸気温度と、に基づいて前記暖機度合を判定し、
前記駆動部は、前記冷却水温が水温閾値より高く、かつ、前記吸気温度が所定の吸気温閾値より高い場合には前記遮蔽板を閉位置とし、前記冷却水温が前記水温閾値以下、あるいは、前記吸気温度が前記吸気温閾値以下の場合には、前記遮蔽板を開位置とするように前記駆動機構を駆動する。
上記(8)の構成によれば、冷却水温と吸気温度とに基づいて判定される暖機度合の判定結果に基づいて、遮熱板の位置が決定される。これによって、暖機運転時には遮熱板を開位置とすることでエンジンルーム内の熱を積極的に暖機に利用し、暖機を促進することができる。逆に、暖機後には遮熱板を閉位置とすることで、最近接部を介した放熱源からの受熱による吸気温の上昇を低減することができ、ノックなどの防止を図ることができる。また、最近接部の下流における吸気温度に基づいて暖機度合は判定される。このため、冷却水温は高くても、吸気温が低い場合には、遮蔽板を開位置にして燃料の噴霧化および暖機を促進するなど、最近接部を通過した吸気の温度に基づいて遮蔽板の位置を自動で制御することができる。
【0015】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の構成において、
前記遮熱板の前記開位置は、前記閉位置よりも、前記エンジンのシリンダブロックと離れた位置にある。
上記(9)の構成によれば、遮蔽板の開位置はシリンダヘッドから離された位置にある。例えば、車両の前方に吸気管が位置する後方排気のエンジンにおいて、吸気管がシリンダヘッドの上方に伸びるように設置される場合には、遮蔽板の開位置は、閉位置に比べて、吸気流れの上流側(バルブ装置側)となる。そして、暖気時は遮蔽板を開位置とするような場合には、シリンダブロックと吸気管の間に遮蔽板が位置するようなことがない。このため、エンジンから吸気管へ伝わる熱が遮蔽板によって遮られることがなく、暖機を迅速に行うことができる。
【0016】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の構成において、
前記放熱源は、ラジエータまたはエアコンデンサである。
上記(10)の構成によれば、ラジエータやエアコンデンサから吸気管の湾曲部に到達する放射熱などを遮蔽板によって遮ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、放熱源に最も近接する吸気管の部分(最近接部)からの主に放射伝熱による吸気温度の上昇を抑制可能なインテークマニホールドの遮熱装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る吸気管31の遮蔽装置1の構成をクランク軸視で概略的に示す図である。
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、吸気管31の遮蔽装置1(以下、遮蔽装置1)は、放熱源2と、少なくとも1つの吸気管31からなるインテークマニホールド3と、放熱源2と吸気管31との間に設置される遮蔽板4と、遮蔽板4の駆動機構5と、を備える。また、遮蔽装置1は、自動車などの車両においてエンジン9(内燃機関)に隣接して設けられる。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、エンジン9は車両に対して横向きに配置されており、クランク軸94が車幅方向に沿って延びている。また、シリンダヘッド91の車両の前方側に吸気管31が連結され、車両の後方側に排気管(不図示)が連結されており、前方吸気後方排気のレイアウトとなっている。
【0021】
放熱源2は、自動車などの車両の運転時に高温となる機器であり、
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、車両に搭載されるエンジン9に隣接する。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、放熱源2は、ラジエータやエアコンデンサなどである。ラジエータは、エンジン9の冷却水が循環する冷却通路に設けられており、エンジン9を通過することによって高温となった冷却水の熱はラジエータによって放熱される。また、エアコンデンサは、エアコンの冷凍サイクルを構成する凝縮器であり、コンプレッサによって高温高圧となったガス状のエアコン冷媒の熱がエアコンデンサから放熱される。このようにして、ラジエータやエアコンデンサからは熱が放出され、放熱源2となり得る。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、ラジエータやエアコンデンサなどの放熱源2は、エンジン9よりも車両前方において不図示のバンパーの後方に設けられている。なお、エアコンデンサは、ラジエータに重ねて設置されている場合が多く、ラジエータの裏面あるいは前面に設けられても良い。
【0022】
吸気管31は、エンジン9の吸気が流れる吸気通路である。また、吸気管31は、
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、放熱源2に最も近接する最近接部34を含む所定の範囲で湾曲する湾曲部32を有する。より詳細には、吸気管31は、エンジン9のシリンダヘッド91の吸気ポートに連結されている。そして、エンジン9の外部から吸入された空気は、スロットル装置82を経て、湾曲部32を有する吸気管31を通ってエンジン9(燃焼室)に吸入される。
図1、
図3、
図6、
図7に示される例示では、シリンダヘッド91の車両前方側に連結された吸気管31は、その車両前方側から湾曲してシリンダヘッド91の上方に延びている。言い換えると、吸気管31は湾曲部32おいて、シリンダヘッド91の吸気ポートから車両前方に突出するように弓なりの形状となっている。そして、この突出する湾曲部32の頂部は放熱源2から距離L1だけ離れて位置しており、この頂部において吸気管31は、車両前方に配置された放熱源2に最も近接している。つまり、
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、この湾曲部32の頂部が最近接部34となっており、放熱源2から放射される授受熱量が最大となる部位となる(ランバートの法則)。
【0023】
また、インテークマニホールド3は、
図1〜
図7(特に、
図2、
図4、
図5)に示される実施形態のように、複数の吸気管31からなる。すなわち、吸気管31は、シリンダヘッド91の対応する吸気ポートに連結されると共に、上流においてサージタンク81に連結される。また、このサージタンク81の上流にスロットル装置82が連結される。
図2、
図4、
図5は、放熱源2からエンジン9のクランク軸94と直交する方向に吸気管31を視認した図(車両前方から後方を見た図)である。
図2、
図4、
図5の例示では、インテークマニホールド3は4本の吸気管31を備えており、その吸気管31に、個別に、下記に説明する遮蔽板4が設置されている。
【0024】
遮蔽板4は、
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、湾曲部32の放熱源側の外周壁に沿って移動可能に配置される。このように、遮蔽板4は、放熱源2と吸気管31との間に移動可能に設置されることで、放熱源2などから吸気管31が授受する熱を制御する。すなわち、遮蔽板4が移動することで、遮蔽板4によって最近接部34が覆われている状態(閉位置C)が作られた場合には、最近接部34に到達する放熱源2の熱を遮蔽することで、放熱源2による最近接部34の加温が抑制される。また、遮蔽板4によって吸気管31の壁厚が実質的に増加されることで、エンジンルーム内の温度(エンジンルーム雰囲気温)からの伝熱を抑制する(特に、
図6参照)。逆に、遮蔽板4が移動することで、遮蔽板4によって最近接部34が覆われていない状態(開位置U)が作られた場合では、放熱源2からの放射熱などを遮るものはなく、放熱源2による熱によって最近接部34は直接加温される。また、開位置Uでは、遮蔽板4によって吸気管31は覆われないので、エンジンルーム内の温度(エンジンルーム雰囲気温)からの受熱がその分だけ直接的になる(特に、
図6参照)。そして、この遮蔽板4は、少なくとも放熱源2に対向する面で大きな反射率を有しており、放熱源2からの放射熱の反射が図られている。例えば、遮蔽板4を樹脂で形成し、その表面を白色で塗装したり、遮蔽板4をアルミニウム等で形成することで、70〜85%の反射率が得られる。
【0025】
また、遮蔽板4は、少なくとも最近接部34を覆うことが可能な大きさを有しており、最近接部34を含む所定の範囲を覆うように構成されていてもよい。例えば、最近接部34において湾曲部32が放熱源2に平行するような形状を有している場合には、少なくとも、この平行する領域を覆うような大きさを遮蔽板4が有する。ところで、エンジン9が格納されるエンジンルームのスペースは狭く、さらに、遮蔽板4は移動するため、このような狭いスペースに設置できる遮蔽板4の大きさは制限されてしまう。このため、遮蔽板4を吸気管31に沿って移動可能に配置することで、狭い設置スペースへの設置を可能としている。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、遮蔽板4は平らな板状の形状をしている。他の幾つかの実施形態では、遮蔽板4は、湾曲部32に沿うように、湾曲部32と同じかこれよりも大きい曲率半径を有するように湾曲した板状の形状を有しても良い。そして、下記に説明する駆動機構5によって、吸気管31の外周壁に沿って移動するように構成される。
【0026】
駆動機構5は、
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、遮蔽板4を、最近接部34を覆う状態である閉位置C(例えば、実線で図示された状態)と最近接部34を覆わない状態である開位置U(例えば、破線で図示された状態)との間において吸気管31の外周壁に沿って移動させる。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、駆動機構5は、モータ51と、モータ51と遮蔽板4とを連結するアーム部54とを有しており、モータ51によりアーム部54が駆動されることで、遮蔽板4を吸気管31の外周壁に沿って移動させている。
【0027】
上記の構成によれば、放熱源2と湾曲部32との間に設置される遮蔽板4の位置は駆動機構5によって、閉位置Cと開位置Uとの間で移動される。そして、遮蔽板4が閉位置Cに移動された状態では、吸気管31の湾曲部32における最近接部34が遮蔽板4で覆われるため、放熱源2からの放射熱などがこの最近接部34に直接到達することが阻害される。このため、放射熱などによって吸気管31内の吸気が加温されることの低減を図ることができる。逆に、遮蔽板4が開位置Uに移動された状態では最近接部34の放熱源側の外周壁を覆うものはなく、エンジンルーム内の温度やエンジン9から最近接部34は受熱しやすくなる。このため、例えば暖機時などの吸気の加温が必要な場合に、遮蔽板4を開位置Uとすることで暖機を促進することができる。また、吸気管31の形状に沿って遮蔽板4は移動されるため、エンジンルーム内の限られたスペースに遮蔽板4を設置することができる。
【0028】
また、他の幾つかの実施形態では、
図1〜
図7に示されるように、駆動機構5は、モータ51と、モータ51によって回転駆動される駆動軸52と、駆動軸52と遮蔽板4とを連結するアーム部54と、を備える。そして、
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、エンジン9のクランク軸視において、モータ51は、吸気管31の湾曲部32の内側(内側空間S)に形成される内側領域Aに設置される。また、駆動軸52は、エンジン9のクランク軸94の軸方向に沿って延在する。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、吸気管31は、シリンダヘッド91の車両前方側からシリンダヘッド91の上方に向けて湾曲しているため、吸気管31(湾曲部32)に囲まれる内側空間Sが湾曲部32の車両後方側に形成されている。そして、モータ51は、クランク軸の延在方向に視認(クランク軸視)した時に、この吸気管31の内側に形成された内側空間Sが位置する領域(内側領域A)に設置されている。なお、
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、モータ51の全体が内側領域Aに入っているが、後述するように、モータ51が内側空間Sの外部にある場合には(
図4参照)、モータ51の少なくとも一部が内側領域Aに重なっている場合も、ここで述べた内側領域に設置されることに含まれる。
【0029】
また、駆動軸52はモータ51の中心から突出するように設けられると共に、クランク軸94に沿うように延びている。そして、この駆動軸52にアーム部54が連結されている。
このアーム部54は、その一端が上述の通り、駆動軸52に連結されると共に、アーム部54の他端が遮蔽板4に連結される。このアーム部54によって、駆動軸52と遮蔽板4は所定の間隔を有して連結される。つまり、駆動軸52と遮蔽板4との離間距離が一定の間隔となるような固定長を有するアーム部54によって駆動軸52と遮蔽板4とが連結されることで、モータ51による駆動軸52の回転駆動に伴って、アーム部54及びこれに連結される遮蔽板4が回動するように移動する。
【0030】
また、アーム部54は、幾つかの実施形態では、
図1〜
図7に示されるように、モータ51から遮蔽板4に延びるモータ連結部55と、このモータ連結部55および遮蔽板4に連結される遮蔽板連結部56と、を備え、これによって、モータ51と遮蔽板4とが連結されている。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、図示されるように、遮蔽板4の形状は四角形であり、遮蔽板4の長手方向と吸気管31の長手方向が一致している。そして、モータ連結部55は、それぞれ駆動軸52との連結部から遮蔽板4に向けて延びる2本の棒状の連結部材55aと、この2本の部材を相互に連結して補強する補強部材55bと、で構成されている。この2本の連結部材55aのなす角は180度より小さく、
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、45度より小さい。ただし、この実施形態には限定されず、モータ連結部55は、1本以上の連結部材55aを有していても良い。また、補強部材55bの設置は任意であり、連結部材55aの強度などを考慮してモータ連結部55は補強部材55bを有していなくても良い。
【0031】
一方、遮蔽板連結部56は、
図2、
図4、
図5に示されるように、クランク軸94の方向に沿って設けられる棒状や板状の部材(例示された図では棒状の部材)であり、吸気管31の外周において、その一端が上記のモータ連結部55に連結される。そして、吸気管31の最近接部34の位置を覆うことが可能となるように、遮蔽板連結部56に遮蔽板4が設置されている。この遮蔽板4は、幾つかの実施形態では、
図2、
図4に示されるように、複数の吸気管31(吸気管31)のそれぞれの最近接部34に対応する位置を個別に覆うように、複数の遮蔽板4で構成されても良い。また、他の幾つかの実施形態では、
図5に示されるように、遮蔽板4は、全ての吸気管31(吸気管31)の最近接部34を、1つの遮蔽板4の全体で覆うような形状をしていても良い。また、
図2、
図4、
図5の例示では、遮蔽板連結部56は、四角形の形状を有する遮蔽板4の吸気流れの上流側の端部と下流側の端部同士をそれぞれ連結する2本の棒状の部材で構成されている。
【0032】
また、アーム部54は、
図2、
図4、
図5に示されるように、上記のモータ連結部55が連結されていない遮蔽板連結部56の他方の端部を支持する支持部材57を備えても良い。これによって、遮蔽板連結部56を片持ちした状態ではなく、両持ちした状態となり、駆動機構5の設置の安定性を向上することができる。
図2、
図4、
図5の例示では、この支持部材57は、モータ連結部55と同様の構成を有する第1支持部57aと、この第1支持部57aを支持する第2支持部材57bと、で構成されている。すなわち、第1支持部57aは、モータ連結部55と同様な三角形状を有しており、補強部材55bに相当する三角形の一辺が遮蔽板4におおよそ平行となるように設置されている。また、三角形状の他の二辺で形成される角部には上記の第2支持部材57bが連結されており、その連結箇所からクランク軸94の軸方向に沿ってモータ51に連結されている。ただし、この実施形態に限定されず、支持部材57は、遮蔽板連結部56を安定的に支持できればどのような形態をしていても良い。例えば、第1支持部57aとモータ連結部55とは異なる形状を有しても良い。また、支持部材57によって、遮蔽板4が吸気管31に直接支持されても良い。具体的には、モータ連結部55から最も離れた吸気管31(吸気管31d)に支持部材57が連結されることで遮蔽板連結部56が支持されても良いし、それぞれの吸気管31に支持部材57を設けても良く、遮蔽板4の移動に伴って第1支持部57aが一緒に動くように構成されても良い。また、エンジンルーム内の他の固定箇所にまで支持部材57が延びることで、遮蔽板連結部56を支持しても良い。
【0033】
上記の構成によれば、クランク軸視において、吸気管31の湾曲部32の内側(湾曲部32を有する吸気管31によって囲まれた内側空間S)に形成される内側領域Aにモータ51が設置されると共に、クランク軸94の軸方向に沿って駆動軸52が延在する。また、遮蔽板4は、吸気管31を挟んだ湾曲部32の外側(放熱源側)に設けられる。このため、アーム部54は、吸気管31と交差しながら駆動軸52と遮蔽板4とを連結することになる。つまり、アーム部54により所定の間隔だけ離されて駆動軸52に連結された遮蔽板4を、駆動軸52を回転中心として回動することができ、吸気管31の湾曲部32に沿った遮蔽板4の移動を容易に行うことができる。
【0034】
また、上述した実施形態では、
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、エンジン9のクランク軸視において、モータ51は、吸気管31の湾曲部32の内側に形成される内側領域Aに設置されている。この場合において、幾つかの実施形態では、
図1〜
図2に示されるように、モータ51は、放熱源2からエンジン9のクランク軸94と直交する方向に吸気管31を視認したときに、吸気管31と重ならない位置に設置される。
図2の例示では、モータ51は、インテークマニホールド3の右側(車幅方向の左側)において、最も近接する吸気管31となる吸気管31a(吸気管31)と所定の距離L2だけ離されて設置されている。また、駆動軸52は、モータ51から吸気管31aに向かって延びている。なお、駆動軸52が上述した第2支持部材57bの役割も担いながら、アーム部54のモータ連結部55と支持部材57(第1支持部57a)とを共に回動するように構成しても良い。
【0035】
上記の構成によれば、駆動機構5のモータ51は、吸気管31の湾曲部32の内側に形成される内側空間Sの外側に設置される。このため、モータ51は吸気管31の湾曲部32に囲まれておらず、モータ51のメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0036】
また、他の幾つかの実施形態では、
図4に示されるように、モータ51は、放熱源2からエンジン9のクランク軸94と直交する方向に吸気管31を視認したときに、吸気管31とモータ51の少なくとも一部が重なる位置に設置される。すなわち、モータ51は、吸気管31(湾曲部32)の内側に形成される内側空間Sに格納されるように設置されている。
図3の例示では、モータ51の一部が内側空間Sに格納されているが、モータ51の全てが内側空間Sに格納されても良い。そして、駆動軸52が上記の内側空間Sから外側に延びており、この内側空間Sの外側でアーム部54のモータ連結部55と連結されている。
【0037】
上記の構成によれば、駆動機構5の体積の大部分を占めるモータ51を、吸気管31の湾曲部32の内側に形成される内側空間Sを利用して設置するので、狭いエンジンルームであっても駆動機構5を設置することができる。
【0038】
また、他の幾つかの実施形態では、
図6に示されるように、最近接部34を含む少なくとも一部の吸気管31の放熱源側の外周壁を所定の隙間62を有しながら覆うと共に、最近接部34に通じる開口である窓部64を有するカバー壁6をさらに備える。また、遮蔽板4は、吸気管31とカバー壁6との間の上記の隙間62によって形成される収納空間63において移動可能なように設置される。そして、遮蔽板4の閉位置Cは窓部64を覆う状態であり、開位置Uは窓部64を覆わない状態となる。
図6の例示では、吸気管31が連結されるシリンダヘッド91の吸気ポートからサージタンク81までの外周がカバー壁6によって覆われており、吸気管31とカバー壁6の間に隙間62が設けられている。言い換えると、吸気管31により形成される吸気通路は、吸気管31の外壁とカバー壁6によって二重構造となっており、空気層による断熱層が形成されている。
【0039】
また、カバー壁6は、最近接部34を覆う部分が取り除かれており、窓部64が形成されている。そして、二重構造の間に遮蔽板4は設置されており、窓部64と吸気管31の外周壁との間において窓部64を閉じるように遮蔽板4が位置している状態を閉位置Cとし、窓部64の少なくとも一部が開けられるように遮蔽板4が位置している状態が開位置Uとなっている。この開位置Uの状態では、遮蔽板4は上記の隙間62に格納されており、この隙間62は遮蔽板4が収納される収納空間63の役割を担っている。
図6の例示では、開位置Uにおいて窓部64は全て空けられるよう構成されている。なお、
図6の例示では、カバー壁6は吸気管31の周囲の一部を覆っているが、これには限定されず、カバー壁6は吸気管31の全周を覆っても良い。
図6の例示では、吸気管31の全長(吸気ポートからサージタンク81まで)がカバー壁6によって覆われているが、これには限定されず、全長の一部であっても良い。すなわち、吸気管31の最近接部34を含む一部がカバー壁6によって覆われる。
【0040】
上記の構成によれば、遮蔽板4はカバー壁6と吸気管31の外壁との間に形成される隙間62(収納空間63)に設置される。このため、遮蔽板4が開位置Uにある状態では、遮蔽板4が収納空間63に収納され、遮蔽板4の汚損を防止することができる。
【0041】
また、他の幾つかの実施形態では、
図7に示されるように、遮蔽装置1は、駆動機構5を制御する制御部7を、さらに備える。また、制御部7は、エンジン9の暖機度合いを判定する判定部71と、判定部71による暖機度合いの判定結果に基づいて駆動機構5を駆動する駆動部72と、を有する。この制御部7は、プロセッサを備える電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)で構成されても良い。
上記の構成によれば、制御部7によって、エンジン9の暖機度合に応じて遮蔽板4は閉位置Cと開位置Uとの間で移動されるので、エンジン9の状態に応じて遮蔽板4の位置を自動で制御することができる。
【0042】
具体的には、幾つかの実施形態では、
図7に示されるように、判定部71は、エンジン9の冷却水の温度である冷却水温と、最近接部34の下流の吸気温度と、に基づいて暖機度合を判定する。また、駆動部72は、冷却水温が水温閾値Twより高く、かつ、吸気温度が所定の吸気温閾値Tiより高い場合には遮蔽板4を閉位置Cとし、冷却水温が水温閾値Tw以下、あるいは、吸気温度が吸気温閾値Ti以下の場合には、遮蔽板4を開位置Uとするように駆動機構5を駆動してもう良い。すなわち、
図7の例示では、水温センサ74が、冷却水が循環する冷却通路における、エンジン9(エンジン9を含む)とラジエータとの間に設置されており、エンジン9を通過した冷却水の温度を検出している。また、吸気温センサ75が、吸気管31の最近接部34の下流側に設置されており、吸気管31の内部の吸気の温度(吸気温)を検出している。そして、水温センサ74および吸気温センサ75のそれぞれの検出結果は判定部71に入力されており、判定部71はこれらの入力情報に基づいて暖気度合いを判定している。また、この判定部71の判定結果は駆動部72に入力されており、この判定結果に基づいて駆動機構5を制御することで、駆動部72によって駆動されることで、遮蔽板4が閉位置Cと開位置Uとの間で移動する。
【0043】
図8は、幾つかの実施形態における制御部7による遮蔽板4の位置の決定フロー図である。以下、
図8のフローについて説明する。
図8のステップS81において、エンジン9の暖機度合を判定する。このステップS81は、例えば、イグニッションスイッチがON(投入)状態になったり、キーが回転されたときなど、暖機運転が判定される場合に行われる。この暖機度合は、
図8の例示では、冷却水温と所定の閾値(水温閾値Tw)との比較、および、吸気温と所定の閾値(吸気温閾値Ti)との比較により行われている。次のステップS82において、遮蔽板4の位置を閉位置Cと開位置Uのどちらにすべきかを、エンジン9の暖機度合(S81)に基づいて判定する。
図8の例示では、冷却水温が水温閾値Tw(例えば、60度〜80度の値)以下、あるいは、吸気温が吸気温閾値Ti以下であるとの条件(開位置条件)を満たす場合には、遮蔽板4の位置は開位置Uとされている。逆に、冷却水温が水温閾値Twより大きく、かつ、吸気温が吸気温閾値Tiより大きいとの条件(閉位置条件)を満たす場合には、遮蔽板4の位置は閉位置Cとされている。
【0044】
そして、ステップS82において遮蔽板4を開位置Uにすると判定される場合には、ステップS83において遮蔽板4が開位置Uにある状態にする(開位置Uに移動する)。すなわち、吸気管31の壁(
図1、
図3、
図7参照)、あるいは、吸気管31およびカバー壁6による壁(
図6参照)の厚さを低減することにより、エンジン雰囲気温からの伝熱を促進し、インジェクタにより噴射される燃料の噴霧化および暖機の促進を図る。
【0045】
次のステップS84では、開位置Uにある遮蔽板4を閉位置Cに駆動するためのタイミングが判定される。
図8に示される実施形態では、冷却水温と吸気温度により判定されており、具体的には、上記の閉位置条件を満たすか否かが監視される。すなわち、冷却水温が水温閾値Twより高くなり、サーモスタットが開弁し始めると、ラジエータへの通水が始まる。このようなサーモスタットの開弁直後ではラジエータへの通水量は少なく、エンジンルーム内の雰囲気温は上昇する。そこで、吸気温が吸気温閾値Ti以下の場合には、開位置Uを維持することで、この雰囲気温を利用して暖機の促進を図っている。
【0046】
その後、上記の閉位置条件が満たされると、ステップS85において遮蔽板4は閉位置Cに駆動される。この閉位置条件を満たした直後において、サーモスタット弁が完全に開弁していない場合にはラジエータへの冷却水の通水量は少なく、エンジンルーム雰囲気温は上昇することが想定される。しかし、吸気温は吸気温閾値Tiより高いため、エンジンルーム雰囲気温からの伝熱による吸気温度の上昇の抑制を図っている。また、さらに暖機が進み、サーモスタットが完全に開弁した場合には、遮蔽板4は閉位置Cにあるため、ラジエータ(放熱源2)からの放射熱の最近接部34への到達は阻害される。これに加えて、吸気管の壁厚が遮蔽板4によって増すため、エンジン雰囲気温からの伝熱も抑制さる。このようにして、遮蔽板4が閉位置Cとされることで、吸気温の上昇が抑制され、充填効率向上およびノックの低減が図られる。
【0047】
以上の実施形態では、放熱源2がラジエータとして説明したが、放熱源はエアコンデンサでも同様となる。この場合には、エアコンの作動を条件に加えても良い。例えば、遮蔽板4の閉位置条件は、エアコン作動時でエアコンデンサ内温度が高いとき時としても良い。これによって、エアコンデンサからの放射熱の吸気管31の最近接部34への到達を阻害するなど、吸気温の上昇を抑制することができる。また、エアコンが非作動時で、かつ、エンジン9の暖機後という条件を閉位置条件に加えても良い。この場合には、遮蔽板4により吸気管31の壁厚を増加させることで、吸気への伝熱を抑制することができる。一方、遮蔽板4の開位置条件は、エアコンの非作動時、かつ、エンジン9の暖機過程としても良く、この暖機過程を上述した冷却水温と吸気温を用いた暖機度合の判定に基づいて行っても良い。これによって、エンジンルーム雰囲気温からの吸気への伝熱を促進し、暖機の促進を図ることができる。
【0048】
上記の構成によれば、冷却水温と吸気温度とに基づいて判定される暖機度合の判定結果に基づいて、遮蔽板4の位置が決定される。これによって、暖機運転時には遮蔽板4を開位置Uとすることで、エンジンルーム内の熱を積極的に暖機に利用し、暖機を促進することができる。逆に、暖機後には遮蔽板4を閉位置Cとすることで、最近接部34を介した放熱源2からの受熱による吸気温の上昇を低減することができ、ノックなどの防止を図ることができる。また、最近接部34の下流における吸気温度に基づいて暖機度合は判定される。このため、冷却水温は高くても、吸気温が低い場合には、遮蔽板4を開位置Uにして燃料の噴霧化および暖機を促進するなど、最近接部34を通過した吸気の温度に基づいて遮蔽板4の位置を自動で制御することができる。
【0049】
また、他の幾つかの実施形態では、
図1、
図3、
図6、
図7に示されるように、遮蔽板4の開位置Uは、閉位置Cよりも、エンジン9のシリンダブロック92と離れた位置にある。
図1、
図3、
図6、
図7の例示では、吸気管31は、シリンダヘッド91の吸気ポートから、シリンダヘッド91の上方に延びている。このため、遮蔽板4は、破線で図示されるように、閉位置Cよりも吸気流れの上流に跳ね上げられている。
上記の構成によれば、遮蔽板4の開位置Uはシリンダヘッド91から離された位置にある。例えば、車両の前方に吸気管31が位置する後方排気のエンジン9において、吸気管31がシリンダヘッド91の上方に伸びるように設置される場合には、遮蔽板4の開位置Uは、閉位置Cに比べて、吸気流れの上流側(スロットル装置82側)となる。そして、暖気時は遮蔽板4を開位置Uとするような場合には、シリンダブロック92と吸気管31の間に遮蔽板4が位置するようなことがない。このため、エンジン9から吸気管31へ伝わる熱が遮蔽板4によって遮られることがなく、暖機を迅速に行うことができる。
【0050】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。