(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パッド部に対応する反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、前記金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された凹部を夫々有することを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDパッケージ。
前記金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に形成された貫通孔を有し、
前記貫通孔が、前記第1の凹部に連通し、
前記金属板の両側の前記リフレクタ樹脂部が、前記貫通孔を介して一体形成されていることを特徴とする請求項6に記載の多列型LED用リードフレーム。
前記金属板の上面側における、前記パッド部に対応する反射用めっき層のLED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、該金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された第2の凹部を夫々有することを特徴とする請求項6又は7に記載の多列型LED用リードフレーム。
LED用リードフレーム領域が複数配列され、個々のリードフレーム領域が、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に形成された反射用めっき層と、前記金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に形成された外部接続用めっき層と、前記金属板における、前記パッド部に対応する外部接続用めっき層と前記リード部に対応する外部接続用めっき層との間と、当該リードフレーム領域における外部接続用めっき層と隣り合う他のリードフレーム領域の外部接続用めっき層との間に、該金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された第1の凹部と、を有し、前記第1の凹部により、前記金属板の下面側がハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画され、さらに、前記金属板の上面側の前記パッド部及び前記リード部におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むとともに、該パッド部と該リード部との間に該金属板の下面側から所定の深さで介在し、該パッド部及び該リード部の外周を囲み、該パッド部及び該リード部を固定するリフレクタ樹脂部を有する多列型LED用リードフレームを準備する工程と、
前記金属板の上面側から、前記パッド部に対応する外部接続用めっき層と前記リード部に対応する外部接続用めっき層との間の前記第1の凹部に形成された前記リフレクタ樹脂部が露出するように、エッチングを行い、該パッド部と該リード部との間を分離する工程と、
前記金属板の上面側において、前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、
前記金属板の上面側において、前記パッド部及び前記リード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、該LED素子が搭載された内部空間及び該パッド部と該リード部との間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、
前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を切断する工程と、
を有することを特徴とするLEDパッケージの製造方法。
前記パッド部と前記リード部との間を分離する工程において、前記金属板の上面側からのエッチングを行う前に、前記反射用めっき層の露出部位に耐エッチング性を有する保護膜を形成することを特徴とする請求項12に記載のLEDパッケージの製造方法。
前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に形成された貫通孔を有し、前記貫通孔が、前記第1の凹部に連通し、前記金属板の両側の前記リフレクタ樹脂部が、前記貫通孔を介して一体形成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のLEDパッケージの製造方法。
前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記金属板の前記パッド部に対応する前記反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、該金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された第2の凹部を夫々有することを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載のLEDパッケージの製造方法。
前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記第1の凹部の面に粗化処理が施されていることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載のLEDパッケージの製造方法。
前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記第2の凹部の面に粗化処理が施されていることを特徴とする請求項15又は請求項15に従属する請求項16に記載のLEDパッケージの製造方法。
前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記貫通孔の面に粗化処理が施されていることを特徴とする請求項14、請求項14に従属する請求項15〜17のいずれかに記載のLEDパッケージの製造方法。
前記パッド部と前記リード部との間を分離する工程において、前記金属板の上面側からのエッチングにより、分離される該パッド部と該リード部の露出する側面を粗化処理することを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載のLEDパッケージの製造方法。
前記エッチング用レジストマスクを形成する工程において、前記反射用めっき層を含む略全領域を覆うエッチング用レジストマスクを、前記金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に対応する、該金属板の上面側の所定位置を除く領域を覆うように形成し、
前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の両側からハーフエッチングを施すことにより、該金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に貫通孔を形成し、前記貫通孔を前記第1の凹部に連通させ、
前記リフレクタ樹脂部を形成する工程において、前記金属板の両側の前記リフレクタ樹脂を、前記貫通孔を介して一体形成することを特徴とする請求項20に記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
前記エッチング用レジストマスクを形成する工程において、前記反射用めっき層を含む略全領域を覆うエッチング用レジストマスクを、前記金属板の前記パッド部に対応する反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、該金属板の上面側からのハーフエッチングにより第2の凹部を形成しうる所定形状に形成し、
前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の上面側からハーフエッチングを施すことにより、該金属板の上面側におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、該金属板の前記パッド部に対応する反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層のワイヤボンディング領域の外周に、前記第2の凹部を形成し、
前記リフレクタ樹脂部を形成する工程において、前記第2の凹部にリフレクタ樹脂を充填する
ことを特徴とする請求項20又は21に記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の下面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第1の凹部の面を粗化処理することを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の上面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第2の凹部の面を粗化処理することを特徴とする請求項22又は請求項22に従属する請求項23に記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の両側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記貫通孔の面を粗化処理することを特徴とする請求項21又は請求項21に従属する請求項22〜24のいずれかに記載の多列型LED用リードフレーム
の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、LEDパッケージの製造においては、一度に多数のLEDパッケージを得るために、
図7(b)に示したような、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12を、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部18と連結させるための連結部17を介して繋げた多列型リードフレームが用いられる。
【0009】
ところで、上述の多列型リードフレームを用いて製造されるLEDパッケージは、一般的にリードフレームの裏面側に外部接続用の端子面が露出する表面実装型のパッケージである。表面実装型のLEDパッケージにおいては、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が要求され、パッド部やリード部の段差、変形や反り等も不具合につながるため厳しい制約がある。
【0010】
しかるに、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを、夫々連結部を介して繋げた構成にすると、連結部の強度や、連結部に接続されるパッド部及びリード部の形状、接続位置によっては、連結部に変形が生じてパッド部やリード部に段差、変形、反り等が生じ易くなり、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が損なわれて、外部機器との接続に悪影響を与える虞がある。
リードフレーム全体の反り及び変形を抑制するためには、連結部にはある程度の強度を持たせることが要求され、そのためには、連結部の幅や厚さを大きくする必要がある。しかも、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要があり、パッド部やリード部の設計の自由度も制限される。
【0011】
また、上述のように、連結部を構成する金属は、反りや変形対策となる厚さや幅を必要とするため、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを連結する連結部の長さを、縮めることができない。
その結果、連結部が多列型リードフレームに占める専有面積は無視できない大きさになる。しかも、上述のように、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がある。
このため、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数が制限されて、多列型LEDパッケージ製造時におけるLEDパッケージ領域の集積化を阻害する。
【0012】
他方、連結部の幅や厚さを小さくして、連結部がブレードに与える悪影響を弱めることで、ブレードの幅を薄くし、ブレードによる切断幅を薄くすることにより、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを連結する連結部の長さを短くして、組立部位として構成されるパット部、リード部及び個々のリードフレーム領域の連結部エリアを縮小して、多列型LEDパッケージ製造時におけるLEDパッケージ領域の集積化を図ろうとすると、上述のように、個々のリードフレームを連結する連結部の強度が弱くなり、連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りなどが多く発生し、LEDパッケージの組立歩留りを低下させる問題が生じる。このため、特許文献1、2に記載のLEDパッケージのような連結部を有する多列型リードフレームを用いた従来のLEDパッケージでは、ブレードによる切断幅を、0.3〜0.5mm程度は設けざるを得ず、パッケージ領域の集積化が制限されていた。
【0013】
また、一般的に、連結部を有する多列型リードフレームにおいては、LEDパッケージの組立工程における、連結部の変形や反りなどを原因とするLEDパッケージの組立歩留りの低下を抑制するために、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止する手段として、樹脂製テープが貼り付けられる。この樹脂製テープは、外部接続用端子表面へのモールド樹脂(リフレクタ樹脂)の回り込みを防止する役目も果たす。
【0014】
しかし、この樹脂製テープは、搭載したLED素子をパッド部に固定するダイボンディング、LED素子とリード部とを電気的に接続するワイヤボンディング、リフレクタ樹脂部や透明樹脂部を形成するためのモールド樹脂充填など、種々の過熱条件下での使用に耐えることができるように、高価な耐熱性ポリイミドフィルムと耐熱性シリコン接着剤で構成されている。このため、LEDパッケージの製造に際し、多列型リードフレームの裏面に樹脂製のテープを貼り付けると、コスト高となってしまう。
【0015】
更には、この樹脂製テープには、最終のモールド樹脂充填後に引き剥がして廃棄する際、樹脂製テープの接着剤層が外部接続用の端子面やモールド樹脂側に残存するという問題がある。また、樹脂製テープに耐熱性の材料を用いても、種々の加熱条件下では、耐熱性の限界を超えて、樹脂製テープに熱収縮が生じ、樹脂製テープの熱収縮に伴いパッド部やリード部の位置が変動して個々のLEDパッケージの寸法精度にバラツキが生じてしまうという問題もあった。
【0016】
しかるに、本件発明者は、試行錯誤を重ねた末に、本発明を導出する以前に、個々に配置されるLEDパッケージの集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減可能な、LEDパッケージ及び多列型LED用リードフレーム、並びにその製造方法の発明を着想した。
そして、本件発明者が、更に検討・考察を重ねたところ、着想した前段階の発明のLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレーム、並びにその製造方法には、LED素子搭載部を充填する透明樹脂部のエッチング用薬液との接触による影響、LED素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入、樹脂形成工程の回数、反射用めっき層を構成する金属のマイグレーション等の改良すべき課題があることが判明した。
【0017】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、個々に配置されるLEDパッケージの集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、しかも、LED素子搭載部を充填する透明樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、LED素子搭載部へエッチング用薬液の浸入の虞がなく、樹脂形成工程の回数を低減し、反射用めっき層を構成する金属のマイグレーションを防止可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明によるLEDパッケージは、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、金属板から、夫々所定形状に形成されたパッド部及びリード部と、前記金属板の上面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に
のみ形成された反射用めっき層と、前記金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に
のみ形成された外部接続用めっき層と、前記金属板の上面側の前記パッド部及び前記リード部におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むとともに、該パッド部
のLED素子搭載面と前記金属板の下面との間に位置する側面と
、該リード部
のワイヤボンディング面と前記金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に前記金属板の下面側から
該金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、該パッド部及び該リード部の外周
の側面を囲み、該パッド部及び該リード部を固定するリフレクタ樹脂部と、前記金属板の上面側の前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部と、を有し、前記パッド部及び前記リード部は、互いに離間し、前記透明樹脂部が、前記パッド部
のLED素子搭載面と前記金属板の下面との間に位置する側面と
、前記リード部
のワイヤボンディング面と前記金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に前記金属板の上面側から
該金属板の厚さの略25〜50%の深さで介在し、該金属板の下面側から
該金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在する前記リフレクタ樹脂部と一体化していることを特徴としている。
【0019】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記パッド部及び前記リード部は、互いに対向する側を除いた夫々の周縁領域に、前記金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された板状部を有し、前記多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面が、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む前記リフレクタ樹脂部の外周面と、該パッド部及び該リード部の周縁領域に形成された前記板状部の端面を含むのが好ましい。
【0020】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記パッド部に対応する反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、前記金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された凹部を夫々有するのが好ましい。
【0021】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記凹部の面は、粗化処理が施されているのが好ましい。
【0022】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記パッド部の側面と前記リード部の側面は、粗化処理が施されているのが好ましい。
【0023】
また、本発明による多列型LED用リードフレームは、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に
のみ形成された反射用めっき層と、前記金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に
のみ形成された外部接続用めっき層と、前記金属板における、前記パッド部に対応する外部接続用めっき層と前記リード部に対応する外部接続用めっき層との間と、当該リードフレーム領域における外部接続用めっき層と隣り合う他のリードフレーム領域の外部接続用めっき層との間に、該金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された第1の凹部と、を有し、前記第1の凹部により、前記金属板の下面側がハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画され、さらに、前記金属板の上面側の前記パッド部に対応する反射用めっき層及び前記リード部に対応する反射用めっき層におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むとともに、該パッド部
のLED素子搭載面と前記金属板の下面との間に位置する側面と
、該リード部
のワイヤボンディング面と前記金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に該金属板の下面側から
該金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、該パッド部及び該リード部の外周
の側面を囲み、該パッド部及び該リード部を固定するリフレクタ樹脂部を有することを特徴としている。
【0024】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に形成された貫通孔を有し、前記貫通孔が、前記第1の凹部に連通し、前記金属板の両側の前記リフレクタ樹脂部が、前記貫通孔を介して一体形成されているのが好ましい。
【0025】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記金属板の上面側における、前記パッド部に対応する反射用めっき層のLED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、該金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された第2の凹部を夫々有するのが好ましい。
【0026】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記第1の凹部の面は、粗化処理が施されているのが好ましい。
【0027】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記第2の凹部の面は、粗化処理が施されているのが好ましい。
【0028】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記貫通孔の面は、粗化処理が施されているのが好ましい。
【0029】
また、本発明によるLEDパッケージの製造方法は、LED用リードフレーム領域が複数配列され、個々のリードフレーム領域が、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に形成された反射用めっき層と、前記金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に形成された外部接続用めっき層と、前記金属板における、前記パッド部に対応する外部接続用めっき層と前記リード部に対応する外部接続用めっき層との間と、当該リードフレーム領域における外部接続用めっき層と隣り合う他のリードフレーム領域の外部接続用めっき層との間に、該金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された第1の凹部と、を有し、前記第1の凹部により、前記金属板の下面側がハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画され、さらに、前記金属板の上面側の前記パッド部及び前記リード部におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むとともに、該パッド部と該リード部との間に該金属板の下面側から所定の深さで介在し、該パッド部及び該リード部の外周を囲み、該パッド部及び該リード部を固定するリフレクタ樹脂部を有する多列型LED用リードフレームを準備する工程と、前記金属板の上面側から、前記パッド部に対応する外部接続用めっき層と前記リード部に対応する外部接続用めっき層との間の前記第1の凹部に形成された前記リフレクタ樹脂部が露出するように、エッチングを行い、該パッド部と該リード部との間を分離する工程と、前記金属板の上面側において、前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、前記金属板の上面側において、前記パッド部及び前記リード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、該LED素子が搭載された内部空間及び該パッド部と該リード部との間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有することを特徴としている。
【0030】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記パッド部と前記リード部との間を分離する工程において、前記金属板の上面側からのエッチングを行う前に、前記反射用めっき層の露出部位に耐エッチング性を有する保護膜を形成するのが好ましい。
【0031】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に形成された貫通孔を有し、前記貫通孔が、前記第1の凹部に連通し、前記金属板の両側の前記リフレクタ樹脂部が、前記貫通孔を介して一体形成されているのが好ましい。
【0032】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記金属板の前記パッド部に対応する前記反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、該金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された第2の凹部を夫々有するのが好ましい。
【0033】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記第1の凹部の面に粗化処理が施されているのが好ましい。
【0034】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記第2の凹部の面に粗化処理が施されているのが好ましい。
【0035】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記多列型LED用リードフレームを準備する工程において、準備する前記多列型LED用リードフレームは、前記貫通孔の面に粗化処理が施されているのが好ましい。
【0036】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記パッド部と前記リード部との間を分離する工程において、前記金属板の上面側からのエッチングにより、分離される該パッド部と該リード部の露出する側面を粗化処理するのが好ましい。
【0037】
また、本発明による多列型LED用リードフレームの製造方法は、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームの製造方法であって、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に反射用めっき層を形成するとともに、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に外部接続用めっき層を形成する工程と、前記金属板の上面側に、反射用めっき層を含む略全領域を覆う、エッチング用レジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、外部接続用めっき層を覆うエッチング用レジストマスクを形成する工程と、前記金属板にハーフエッチングを施し、該金属板の下面側を、ハーフエッチングを施した深さにおいて、前記パッド部と前記リード部とに区画するとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画する第1の凹部を形成する工程と、前記金属板に形成した前記エッチング用レジストマスクを除去する工程と、前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部にリフレクタ樹脂を充填し、該金属板の下面側で区画された前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在するとともに、該金属板の上面側の前記パッド部及び前記リード部におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、を有することを特徴としている。
【0038】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記エッチング用レジストマスクを形成する工程において、前記反射用めっき層を含む略全領域を覆うエッチング用レジストマスクを、前記金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に対応する、該金属板の上面側の所定位置を除く領域を覆うように形成し、前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の両側からハーフエッチングを施すことにより、該金属板における、少なくとも前記パッド部に対応する領域と前記リード部に対応する領域との間の所定位置を含む、該パッド部及び該リード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に貫通孔を形成し、前記貫通孔を前記第1の凹部に連通させ、前記リフレクタ樹脂部を形成する工程において、前記金属板の両側の前記リフレクタ樹脂を、前記貫通孔を介して一体形成するのが好ましい。
【0039】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記エッチング用レジストマスクを形成する工程において、前記反射用めっき層を含む略全領域を覆うエッチング用レジストマスクを、前記金属板の前記パッド部に対応する反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層の前記ワイヤボンディング領域の外周に、該金属板の上面側からのハーフエッチングにより第2の凹部を形成しうる所定形状に形成し、前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の上面側からハーフエッチングを施すことにより、該金属板の上面側におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、該金属板の前記パッド部に対応する反射用めっき層の前記LED素子搭載領域の外周と、前記リード部に対応する反射用めっき層のワイヤボンディング領域の外周に、前記第2の凹部を形成し、前記リフレクタ樹脂部を形成する工程において、前記第2の凹部にリフレクタ樹脂を充填するのが好ましい。
【0040】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の下面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第1の凹部の面を、粗化処理するのが好ましい。
【0041】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の上面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第2の凹部の面を、粗化処理するのが好ましい。
【0042】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記第1の凹部を形成する工程において、前記金属板の両側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記貫通孔の面を粗化処理するのが好ましい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、個々に配置されるLEDパッケージの集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、しかも、LED素子搭載部を充填する透明樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、LED素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入の虞がなく、樹脂形成工程の回数を低減し、反射用めっき層を構成する金属のマイグレーションを防止可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
上述のように、本件発明者は、試行錯誤を重ねた末に、本発明を導出する以前に、個々に配置されるLEDパッケージの集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減可能な、LEDパッケージ及び多列型LED用リードフレーム、並びにその製造方法の発明として、
図8に示すLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレーム、並びにその製造方法を着想した。
【0046】
本発明を導出する以前に着想した発明
本発明を導出する以前に着想した発明にかかるLEDパッケージは、
図8(f)に示すように、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、金属板10から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されたパッド部11及びリード部12と、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲み、パッド部11及びリード部12を固定するリフレクタ樹脂部15を有している。また、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面が、パッド部11及びリード部12の外周を囲む樹脂部(リフレクタ樹脂部15、補強用樹脂部15’)の外周面にのみ存在し、且つ、パッド部11及びリード部12の一部が、リフレクタ樹脂部15におけるLED素子20を搭載する側とは反対側においてリフレクタ樹脂部15の外周面に形成された切断面よりも内側の領域に露出している。なお、
図8中、14はボンディングワイヤ、16は透明樹脂部である。
【0047】
図8(f)に示すLEDパッケージによれば、個々のLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造した段階(
図8(d)、
図8(e)参照)において、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の金属板10における図示しない外枠部とが、リフレクタ樹脂部15や補強用樹脂15’等の樹脂部のみで固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部が存在しない構成となる。
その結果、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部(不図示)とを固定するリフレクタ樹脂部15や補強用樹脂部15’等の樹脂部の幅を狭くすることができ、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数を増やすことができ、製造時において格段の集積化が可能となる。しかも、特許文献1、2に記載のLEDパッケージとは異なり、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がないため、パッド部やリード部の設計の自由度が大きくなる。
【0048】
また、本発明を導出する以前に着想した発明にかかる多列型LED用リードフレームは、
図8(a)に示すように、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、金属板10の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置に形成された反射用めっき層13aと、金属板10の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置に形成された外部接続用めっき層13bと、金属板10における、パッド部11に対応する反射用めっき層13aとリード部12に対応する反射用めっき層13aとの間及び当該リードフレーム領域における反射用めっき層13aと隣り合う他のリードフレーム領域における反射用めっき層13aとの間に、ハーフエッチングにより形成された凹部19a,19bと、を有する。そして、凹部19a,19bにより、金属板10の上面側がハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画されている。
【0049】
図8(a)に示す多列型LED用リードフレームによれば、
図8(b)に示すように、金属板10の上面に形成された凹部19a,19bに、区画されたパッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15を形成し、次いで、
図8(c)に示すように、金属板10の上面側において区画されたパッド部11の面にLED素子20を搭載するとともに、金属板10の上面側において区画されたリード部11とLED素子20とをワイヤボンディングし、金属板の上面側において区画されたパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部16を設け、次いで、
図8(d)に示すように、金属板10の下面に形成された外部接続用めっき層13bをエッチングマスクとして、下面側からリフレクタ樹脂部15が露出するようにエッチングを行うことで、金属板10におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他のLEDパッケージ領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他のLEDパッケージ領域におけるパッド部11又はリード部12がリフレクタ樹脂部15のみで固定されるようにすることができ、上述した
図8(f)に示すLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造可能となる。
【0050】
そして、
図8(a)に示す多列型LED用リードフレームを用いて、
図8(d)に示すLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程において、金属板10の下面に形成された外部接続用めっき層13bをエッチングマスクとして、下面側からリフレクタ樹脂部15が露出するようにエッチングを行うまでは、リードフレームの裏面側は金属が、例えばリードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がっているため、個々のリードフレーム領域の変形が生じることがなく、パッド部11やリード部12の段差、変形、反り等が生じず、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が保たれる。このため、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止するための耐熱性ポリイミドフィルムや耐熱性シリコン接着剤で構成される高価な樹脂製のテープが不要となり、コストを低減できる。
【0051】
また、
図8(a)に示す多列型LED用リードフレームにおいて、
図8(b)に示すように、凹部19a,19bには、区画されたパッド部11とリード部12の間との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15が形成されるようにすれば、リードフレームの裏面側の金属が、例えばリードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がっていることに加えて、リフレクタ樹脂部15がパッド部11及びリード部12を固定するため、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程に用いたときの、個々のリードフレーム領域の変形がより一層生じ難くなり、パッド部11やリード部12の段差、変形、反り等がより一層生じず、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性がより一層保たれる。
【0052】
なお、上述した
図8(f)に示すLEDパッケージは、金属板10の上面側より、パッド部11とリード部12がハーフエッチングによる凹部19a,19bが形成されて区画され、パッド部11とリード部12の上面には反射用めっき層13aが形成され、パッド部11とリード部12の下面には外部接続用めっき層13bが形成された多列型LED用リードフレームを準備する工程(
図8(a)参照)と、金属板10の上面側におけるハーフエッチングにより形成された凹部19a,19bにリフレクタ樹脂15を充填し、区画されたパッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15を形成する工程(
図8(b)参照)と、金属板10の上面側において区画されたパッド部11の面にLED素子20を搭載するとともに、金属板10の上面側において区画されたリード部12とLED素子20とをワイヤボンディングする工程と、金属板10の上面側において区画されたパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部16を設ける工程(
図8(c)参照)と、金属板10の下面に形成された外部接続用めっき層13bをエッチングマスクとして、下面側からリフレクタ樹脂部15が露出するようにエッチングを行い、金属板10におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他のLEDパッケージ領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他のLEDパッケージ領域におけるパッド部11又はリード部12がリフレクタ樹脂部15のみで固定されるようにする工程(
図8(d)参照)と、金属板の下面側からエッチングされて凹んだ部分に補強用樹脂を充填して補強用樹脂部を形成する工程(
図8(e)参照)、樹脂部(リフレクタ樹脂部15、補強用樹脂15’)における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を切断する工程(
図8(f)参照)と、を有することによって製造できる。
【0053】
本発明を導出する以前に着想した発明における課題
本件発明者が、更に検討・考察を重ねたところ、
図8に示すLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレーム、並びにその製造方法には、後述するように、LED素子搭載部を充填する透明樹脂部のエッチング用薬液との接触による影響、LED素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入、樹脂形成工程の回数、反射用めっき層を構成する金属のマイグレーション等の改良すべき課題があることが判明した。
【0054】
(1)LED素子搭載部を充填する透明樹脂部に対するエッチング用薬液の影響
図8に示すLEDパッケージの製造方法においては、多列型LED用リードフレームにリフレクタ樹脂部15を形成(
図8(b)参照)後に、LED素子20を搭載するとともにワイヤボンディングし、次いで、LED素子20が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部16を設け(
図8(c)参照)、その後に金属板の下側部分で繋がっているパッド部11とリード部12とを分離するために、下面側からリフレクタ樹脂部15が露出するようにエッチングを行っている(
図8(d)参照)。
しかるに、透明樹脂部16を設けた後にエッチングを行うと、透明樹脂部16がエッチング液と接触することにより、その表面が変質して透過率が低下し、製造後のLED装置からの照射光量が弱められる等の品質劣化が懸念される。
【0055】
(2)LED素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入
また、透明樹脂部16を設けた後にエッチングを行うと、エッチング液が透明樹脂部16とリフレクタ樹脂部15との界面からLED素子搭載領域に浸入して、LED装置の回路に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0056】
(3)樹脂形成工程の回数
図8に示すLEDパッケージの製造方法においては、
図8(d)に示すように、下面側からリフレクタ樹脂部15が露出するようにエッチングを行うことにより、金属板におけるパッド部11とリード部12とが分離し、分離したパッド部11とリード部12がリフレクタ樹脂部のみで固定されるようにしている。
ところで、
図8(d)に示すように、金属板の下面側からエッチングを行うと、エッチングされた部分が金属板の厚さの約50〜75%程度の深さで凹み、パッド部11とリード部12の下面側の部分がリフレクタ樹脂部15で固定されていない分、個々のリードフレーム領域の変形し難さが弱められる。
そこで、
図8に示すLEDパッケージの製造方法においては、下面側からのエッチングにより変形し難さが弱められた個々のリードフレーム領域を補強するため、
図8(e)に示すように、金属板の下面側からのエッチングにより凹んだ部分に補強用樹脂15’を充填してパッド部とリード部の側面を金属板の厚み全体にわたって固定する工程を備えるようにした。
しかし、金属板の下面側からのエッチングにより凹んだ部分に補強用樹脂15’を充填する工程を備えると、LEDパッケージの完了までの間に、リフレクタ樹脂部の形成と、透明樹脂部の形成と、補強用樹脂部の形成、の3回の樹脂形成工程が必要となり、その分、工程が煩雑化する。
【0057】
(4)反射用めっき層を構成する金属のマイグレーション
図8に示すLEDパッケージの製造方法により製造されるLEDパッケージは、
図8(f)に示すように、パッド部11とリード部12との間に介在するLED素子20を搭載する側のリフレクタ樹脂部15の面がパッド部11とリード部12の反射用めっき層13aの面と略面一に形成される。
しかし、リフレクタ樹脂部15の面をパッド部11とリード部12の反射用めっき層13aの面と面一に形成されていると、パッド部11、リード部12にそれぞれ形成された反射用めっき層13aの最上面のAgイオンがリフレクタ樹脂部15の面を経由して移動し易くなるため、リード部11とパッド部12とが電気的ショートを起こす虞が懸念される。
【0058】
本発明の作用効果
そこで、本件発明者は、
図8に示した発明における上記(1)〜(4)の課題を鑑み、更なる検討・考察、試行錯誤を重ねた結果、
図8に示した発明による上述の効果を維持し、且つ、上記(1)〜(4)の課題を解決する本発明を着想した。
【0059】
本発明のLEDパッケージは、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、金属板から、夫々所定形状に形成されたパッド部及びリード部と、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に
のみ形成された反射用めっき層と、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に
のみ形成された外部接続用めっき層と、金属板の上面側のパッド部及びリード部におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むとともに、パッド部
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、パッド部及びリード部の外周
の側面を囲み、パッド部及びリード部を固定するリフレクタ樹脂部と、金属板の上面側のリフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部と、を有し、パッド部及びリード部は、互いに離間し、透明樹脂部が、パッド部
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の上面側から
金属板の厚さの略25〜50%の深さで介在し、金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在するリフレクタ樹脂部と一体化している。
【0060】
また、本発明の多列型LED用リードフレームは、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に
のみ形成された反射用めっき層と、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に
のみ形成された外部接続用めっき層と、金属板における、パッド部に対応する外部接続用めっき層とリード部に対応する外部接続用めっき層との間と、当該リードフレーム領域における外部接続用めっき層と隣り合う他のリードフレーム領域の外部接続用めっき層との間に、金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された第1の凹部と、を有し、第1の凹部により、金属板の下面側がハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部とリード部とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画され、さらに、金属板の上面側のパッド部に対応する反射用めっき層及びリード部に対応する反射用めっき層におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むとともに、パッド部
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、パッド部及びリード部の外周
の側面を囲み、パッド部及びリード部を固定するリフレクタ樹脂部を有する。
【0061】
本発明のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームのように、パッド部
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、パッド部及びリード部の外周
の側面を囲み、パッド部及びリード部を固定するリフレクタ樹脂部を有した構成にすれば、個々のLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造した段階において、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とが、分離されずに一体に繋がっており、しかも、金属板の下面側からリフレクタ樹脂部で固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部が存在しない構成となる。
その結果、
図8に示した発明のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームと同様、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを固定するリフレクタ樹脂部の幅を狭くすることができ、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数を増やすことができ、製造時において格段の集積化が可能となる。しかも、特許文献1、2に記載のLEDパッケージとは異なり、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がないため、パッド部やリード部の設計の自由度が大きくなる。
【0062】
また、本発明の多列型LED用リードフレームのように構成すれば、金属板の上面側から、パッド部に対応する外部接続用めっき層とリード部に対応する外部接続用めっき層との間の第1の凹部に形成されたリフレクタ樹脂部が露出するように、エッチングを行い、パッド部とリード部との間を分離した後、金属板の上面側において、パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、リード部とLED素子とをワイヤボンディングし、金属板の上面側においてパッド部及びリード部におけるリフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設けることで、上述した本発明のLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造可能となる。
【0063】
そして、本発明の多列型LED用リードフレームを用いて、本発明のLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程において、リードフレームの上面側は金属が、例えばリードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がっており、しかも、金属板の下面側からリフレクタ樹脂部で固定されているため、
図8に示した発明の多列型LED用リードフレームに比べて、より一層、個々のリードフレーム領域の変形が生じ難くなり、パッド部やリード部の段差、変形、反り等が生じず、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が保たれる。このため、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止するための耐熱性ポリイミドフィルムや耐熱性シリコン接着剤で構成される高価な樹脂製のテープが不要となり、コストを低減できる。
【0064】
さらに、本発明の多列型LED用リードフレームのように、リフレクタ樹脂部を、パッド部
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、パッド部及びリード部の外周
の側面を囲む構成にすれば、金属板の下面側でパッド部とリード部が夫々区画されるため、
図8に示した発明のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームとは異なり、LEDパッケージの製造工程において、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設けた後に下面側からリフレクタ樹脂部が露出するようにエッチングする必要がなくなる。
その結果、透明樹脂部がエッチング液と接触することがなく、その表面が変質して透過率が低下し、製造後のLED装置からの照射光量が弱められる等の品質劣化の懸念もなくなる。
また、LEDパッケージの製造工程において、透明樹脂部を設けた後にエッチングを行う必要がなくなる結果、エッチング液が透明樹脂部とリフレクタ樹脂との界面から透明樹脂部を充填しているLED搭載領域に浸入してLED装置の回路に悪影響を及ぼす虞がなくなる。
また、LEDパッケージの製造工程において、下面側からリフレクタ樹脂部が露出するようにエッチングする必要がなくなる結果、金属板の下面側に凹んだ部分が形成されずに済む。このため、
図8に示した発明のLEDパッケージの製造方法のような金属板の下面側からのエッチングにより凹んだ部分に補強用樹脂を充填する工程を設ける必要がなくなり、その分、LEDパッケージの製造を完了するまでの間の樹脂形成工程の回数を減らし、工程を簡素化することができる。
【0065】
また、本発明のLEDパッケージのように、パッド部及びリード部が、互いに離間し、透明樹脂部が、パッド部
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の上面側から
金属板の厚さの略25〜50%の深さで介在し、金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在するリフレクタ樹脂部と一体化した構成にすれば、
図8に示した発明のLEDパッケージとは異なり、LED素子を搭載する側のリフレクタ樹脂部の面がパッド部とリード部の反射用めっき層の面と略面一に形成されず、透明樹脂部によって、パッド部の反射用めっき層とリード部の反射用めっき層との間の直線的な経路が遮断される。
その結果、反射用めっき層を構成する金属(例えば、Ag)のマイグレーションを抑制し易くなる。
【0066】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、好ましくは、パッド部及びリード部は、互いに対向する側を除いた夫々の周縁領域に、金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された板状部を有し、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面が、パッド部及びリード部の外周を囲む前記リフレクタ樹脂部の外周面と、パッド部及びリード部の周縁領域に形成された板状部の端面を含むように構成する。
本発明のLEDパッケージのように、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面が、パッド部及びリード部の外周を囲むリフレクタ樹脂部の外周面と、パッド部及びリード部の周縁領域に形成された板状部の端面を含む構成にすれば、
図8に示した発明のような、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面がリフレクタ樹脂部の外周面にのみ存在するLEDパッケージとは異なり、LED装置から生じた熱を、パッド部及びリード部の周縁領域に形成された板状部の端面から外部に放出できるようになる。
しかも、本発明のLEDパッケージのように、板状部が、パッド部及びリード部における、互いに対向する側を除いた夫々の周縁領域に、金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成されるように構成すれば、板状部を形成する金属が、例えば、リードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がり、パッド部及びリード部における互いに対向する側を除いた夫々の周縁領域に及ぶようになる。このため、多列型LEDパッケージを切断することによって形成される切断面において板状部の端面を形成する金属の面積を大きくとることができ、LED装置から生じた熱の外部への放出量を大きくすることができる。
【0067】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、好ましくは、パッド部に対応する反射用めっき層のLED素子搭載領域の外周と、リード部に対応する反射用めっき層のワイヤボンディング領域の外周に、金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された凹部を夫々有する。
このようにすれば、金属板の上面側のリフレクタ樹脂部が、凹部に介在した状態で形成されるため、リフレクタ樹脂部の金属板の上面側での密着性が向上する。
【0068】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、好ましくは、凹部の面は、粗化処理が施されている。
このようにすれば、リフレクタ樹脂部の密着性が向上する。
【0069】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、好ましくは、パッド部の側面とリード部の側面は、粗化処理が施されている。
このようにすれば、パッド部及びリード部の外周におけるリフレクタ樹脂部の密着性や、パッド部とリード部との間における透明樹脂部の密着性が向上する。
【0070】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、好ましくは、金属板における、少なくともパッド部に対応する領域とリード部に対応する領域との間の所定位置を含む、パッド部及びリード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に形成された貫通孔を有し、貫通孔が、第1の凹部に連通し、金属板の両側のリフレクタ樹脂部が、貫通孔を介して一体形成されている。
このようにすれば、金属板の両面に形成されるリフレクタ樹脂部の金属板への密着度が強まり、金属板からのリフレクタ樹脂部の抜けを阻止できるようになる。
【0071】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、好ましくは、金属板の上面側における、パッド部に対応する反射用めっき層のLED素子搭載領域の外周と、リード部に対応する反射用めっき層のワイヤボンディング領域の外周に、金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された第2の凹部を夫々有する。
このようにすれば、金属板の上面側のリフレクタ樹脂部が、第2の凹部に介在した状態で形成されるため、リフレクタ樹脂部の金属板の上面側での密着性が向上する。
【0072】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、好ましくは、第1の凹部の面、第2の凹部の面、貫通孔の面、の少なくともいずれかの面は、粗化処理が施されている。
このようにすれば、リフレクタ樹脂部の密着性が向上する。
【0073】
なお、上述した本発明のLED用パッケージは、LED用リードフレーム領域が複数配列され、個々のリードフレーム領域が、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に形成された反射用めっき層と、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に形成された外部接続用めっき層と、金属板における、パッド部に対応する外部接続用めっき層とリード部に対応する外部接続用めっき層との間と、当該リードフレーム領域における外部接続用めっき層と隣り合う他のリードフレーム領域の外部接続用めっき層との間に、金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された第1の凹部と、を有し、第1の凹部により、金属板の下面側がハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部とリード部とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画され、さらに、金属板の上面側のパッド部及びリード部におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むとともに、パッド部とリード部との間に金属板の下面側から所定の深さで介在し、パッド部及びリード部の外周を囲み、パッド部及びリード部を固定するリフレクタ樹脂部を有する多列型LED用リードフレームを準備する工程と、金属板の上面側から、パッド部に対応する外部接続用めっき層とリード部に対応する外部接続用めっき層との間の第1の凹部に形成されたリフレクタ樹脂部が露出するように、エッチングを行い、パッド部とリード部との間を分離する工程と、金属板の上面側において、パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、リード部とLED素子とをワイヤボンディングする工程と、金属板の上面側において、パッド部及びリード部におけるリフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間及びパッド部とリード部との間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、リフレクタ樹脂部における、パッド部及びリード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有することによって製造できる。
【0074】
なお、好ましくは、パッド部とリード部との間を分離する工程において、金属板の上面側からのエッチングを行う前に、反射用めっき層の露出部位に耐エッチング性を有する保護膜を形成するようにする。
このようにすれば、反射用めっき層をエッチングレジストとして用いずに済み、反射用めっき層がエッチング液の影響を受けず、表面に凹凸が形成されることなく平滑に保つことができる。このため、LED搭載側のめっき層の表層に光沢Agめっき層を形成するLED用リードフレームを製造する場合、光沢Agめっき層の反射率の低下を防止できる。
【0075】
また、好ましくは、パッド部とリード部との間を分離する工程において、金属板の上面側からのエッチングにより、分離されるパッド部とリード部の露出する側面を粗化処理する。
このようにすれば、透明樹脂部の密着性が向上する。
【0076】
また、上述した本発明の多列型LED用リードフレームは、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に反射用めっき層を形成するとともに、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に外部接続用めっき層を形成する工程と、金属板の上面側に、反射用めっき層を含む略全領域を覆う、エッチング用レジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に、外部接続用めっき層を覆うエッチング用レジストマスクを形成する工程と、金属板にハーフエッチングを施し、金属板の下面側を、ハーフエッチングを施した深さにおいて、パッド部とリード部とに区画するとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画する第1の凹部を形成する工程と、金属板に形成したエッチング用レジストマスクを除去する工程と、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部にリフレクタ樹脂を充填し、金属板の下面側で区画されたパッド部とリード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在するとともに、金属板の上面側のパッド部及びリード部におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、を有することによって製造できる。
【0077】
なお、好ましくは、エッチング用レジストマスクを形成する工程において、反射用めっき層を含む略全領域を覆うエッチング用レジストマスクを、金属板における、少なくともパッド部に対応する領域とリード部に対応する領域との間の所定位置を含む、パッド部及びリード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に対応する、金属板の上面側の所定位置を除く領域を覆うように形成し、第1の凹部を形成する工程において、金属板の両側からハーフエッチングを施すことにより、金属板における、少なくともパッド部に対応する領域とリード部に対応する領域との間の所定位置を含む、パッド部及びリード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に貫通孔を形成し、貫通孔を第1の凹部に連通させ、リフレクタ樹脂部を形成する工程において、金属板の両側のリフレクタ樹脂を、貫通孔を介して一体形成する。
このようにすれば、金属板の両面に形成されるリフレクタ樹脂部の金属板への密着度が強まり、金属板からのリフレクタ樹脂部の抜けを阻止可能な多列型LED用リードフレームが得られる。
【0078】
また、好ましくは、エッチング用レジストマスクを形成する工程において、反射用めっき層を含む略全領域を覆うエッチング用レジストマスクを、金属板のパッド部に対応する反射用めっき層のLED素子搭載領域の外周と、リード部に対応する反射用めっき層のワイヤボンディング領域の外周に、金属板の上面側からのハーフエッチングにより第2の凹部を形成しうる所定形状に形成し、第1の凹部を形成する工程において、金属板の上面側からハーフエッチングを施すことにより、金属板の上面側におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、金属板のパッド部に対応する反射用めっき層のLED素子搭載領域の外周と、リード部に対応する反射用めっき層のワイヤボンディング領域の外周に、第2の凹部を形成し、リフレクタ樹脂部を形成する工程において、第2の凹部にリフレクタ樹脂を充填するようにする。
このようにすれば、金属板の上面側のリフレクタ樹脂部が、第2の凹部に介在した状態で形成されるため、リフレクタ樹脂部の金属板の上面側での密着性が向上した多列型LED用リードフレームが得られる。
【0079】
また、好ましくは、第1の凹部を形成する工程において、金属板の下面側からのハーフエッチングにより、形成される第1の凹部の面、金属板の上面側からのハーフエッチングにより、形成される第2の凹部の面、金属板の両側からのハーフエッチングにより、形成される貫通孔の面、の少なくともいずれかの面を粗化処理する。
このようにすれば、リフレクタ樹脂部を形成したときのリフレクタ樹脂部の密着性が向上する。
【0080】
従って、本発明によれば、個々に配置されるLEDパッケージの集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、しかも、LED素子搭載部を充填する透明樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、LED素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入の虞がなく、樹脂形成工程の回数を低減し、反射用めっき層を構成する金属のマイグレーションを防止可能で、さらには、LED装置が発する熱を外部に放出する効果を高めることの可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法が得られる。
【0081】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるLEDパッケージの概略構成を示す図で、(a)は切断されて一個の製品となった状態のLEDパッケージの断面図、(b)は切断される前の一括製造された多列型LEDパッケージにおける切断部を示す部分断面図である。
図2は
図1に示すLEDパッケージの製造に用いる多列型LED用リードフレームの概略構成を示す図で、(a)は個々のリードフレーム領域におけるパッド部とリード部の配置を上面側からみた部分平面図、(b)は個々のリードフレーム領域におけるパッド部とリード部の配置を下面側からみた部分平面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図、(e)は(a)の部分拡大図、(f)は
図1(a)に示すLEDパッケージに用いる多列型LED用リードフレームの個々のリードフレーム領域における構成を示す断面図である。
図3は
図1に示すLEDパッケージの製造に用いる多列型LED用リードフレームに設ける貫通孔の配置例を夫々上面側からみて示す部分平面図である。
図4は
図2に示す多列型LED用リードフレームの製造工程の一例を示す説明図である。なお、便宜上、
図4では一つのリードフレーム領域のみを示してある。
【0082】
本実施形態のLEDパッケージは、
図1(a)に示すように、パッド部11と、リード部12と、反射用めっき層13aと、外部接続用めっき層13bと、LED素子20と、ボンディングワイヤ14と、リフレクタ樹脂部15と、透明樹脂部16を有して構成されている。
パッド部11及びリード部12は、リードフレームの基材をなす金属板から、夫々互いに離間した所定形状に形成されている。
また、パッド部11及びリード部12は、互いに対向する側を除いた夫々の周縁領域に、金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成された板状部33を有している。
板状部33は、後述する本実施形態の多列型LED用リードフレームにおいて金属板の下面側からのハーフエッチングにより凹部19b(第1の凹部)が形成されたときに残存する上側の金属部分であり、パッド部11及びリード部12の周縁領域に形成されている。
反射用めっき層13aは、パッド部11及びリード部12の上面側に
のみ形成されている。
外部接続用めっき層13bは、パッド部11及びリード部12の下面側に
のみ形成されている。
また、パッド部11に対応する反射用めっき層13aのLED素子搭載領域の外周と、リード部12に対応する反射用めっき層13aのワイヤボンディング領域の外周には、金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された凹部19c(後述する本実施形態の多列型LED用リードフレームにおける第2の凹部)が夫々形成されている。
【0083】
リフレクタ樹脂部15は、
図2(a)、
図2(b)においてハッチングで示した領域に形成された後、パッケージの外形ラインが残るように切断されている。また、リフレクタ樹脂部15は、
図1(a)に示すように、金属板の下面側か
ら金属板の厚さの
略50〜75
%、上面側に入り込んで金属板の側面と密着している。そして、リフレクタ樹脂部15は、パッド部11
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部12
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板10の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、パッド部11及びリード部12の外周
の側面を囲むとともに、金属板の上面側のパッド部11及びリード部12におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周を、凹部19cに介在しながら、パッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲み、パッド部11及びリード部12を固定している。
LED素子20は、反射用めっき層13aが形成されたパッド部11の面に搭載されている。
ボンディングワイヤ14は、LED素子20と反射用めっき層13aが形成されたリード部12の面とを接合している。
透明樹脂部16は、金属板の上面側において区画されたパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間を封止するとともに、パッド部11
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部12
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の上面側から
金属板の厚さの略25〜50%の深さで介在し、金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在するリフレクタ樹脂部15と一体化している。
そして、本実施形態のLEDパッケージでは、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面は、パッド部11及びリード部12の外周を囲むリフレクタ樹脂部15の外周面と、パッド部11及びリード部12の周縁領域に形成された板状部33の端面を含んでいる。
また、パッド部11の側面とリード部12の側面は、粗化処理が施されている。
【0084】
また、本実施形態のLEDパッケージの製造に使用されるリードフレームは、
図2(a)、
図2(b)に示すように、多数のLEDパッケージを一度に得るために、パッド部11とリード部12の組合せからなる個々のリードフレーム領域(
図2においては夫々一点鎖線の矩形で示すパッケージ外形ラインが相当する。)がマトリックス状に配列された多列型リードフレームとして形成されている。
個々のリードフレーム領域は、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置に
のみ形成された反射用めっき層13aと、金属板の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置に
のみ形成された外部接続用めっき層13bを有している。
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームは、金属板における、パッド部11に対応する外部接続用めっき層13bとリード部12に対応する外部接続用めっき層13bとの間及び当該リードフレーム領域における外部接続用めっき層13bと隣り合う他のリードフレーム領域における外部接続用めっき層13bとの間に、例えば、金属板の厚さの約50〜75%程度の深さのハーフエッチングにより形成された第1の凹部19a,19bを有している。
そして、第1の凹部19a,19bにより、金属板の下面側は、ハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画されている。なお、
図2(a)、
図2(b)、
図2(c)中、18は多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部である。
また、第1の凹部19a,19b、第2の凹部19cの面には、粗化処理が施されている。
【0085】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームは、
図2(a)、
図2(b)、
図2(c)に示すように、金属板における、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間の所定位置(ここでは、パッド部11、リード部に対応する夫々の領域の角部近傍)に形成された貫通孔34を有している。
貫通孔34は、第1の凹部19a,19b(
図2の例では、第1の凹部19b)に連通するように設けられている。
そして、
上述した金属板の両側のリフレクタ樹脂部15は、貫通孔34を介して一体形成されている。
また、貫通孔34の面には、粗化処理が施されている。
【0086】
なお、貫通孔34は、
図2(a)、
図2(b)、
図2(c)に示す配置に限定されるものではなく、少なくともパッド部に対応する領域とリード部に対応する領域との間の所定位置を含んでいれば、パッド部及びリード部に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に設けてもよい。
より詳しくは、例えば、
図3(a)に示すように、貫通孔34は、
図2(a)、
図2(b)、
図2(c)に示した例と同様、個々のリードフレーム領域において、金属板のパッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間のパッド部11、リード部に対応する夫々の領域の角部近傍に、スリット形状に形成された貫通孔34aのみ配置してもよい。
また、例えば、
図3(b)に示すように、貫通孔34は、
図3(a)に示した貫通孔34aの配置に加えて、当該リードフレーム領域の周囲における、当該リードフレーム領域の4つの角部近傍であって、他のリードフレーム領域の周囲における、当該他のリードフレーム領域のいずれかの角部と共通する位置に、円形状に形成された貫通孔34bを配置してもよい。
また、例えば、
図3(c)に示すように、貫通孔34は、
図3(a)に示した貫通孔34aの配置に加えて、個々のリードフレーム領域において、当該リードフレーム領域の周囲における、当該リードフレーム領域の4つの角部近傍に、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間を区画する方向と平行な方向(図における縦方向)のスリット形状に形成された貫通孔34cを配置してもよい。
また、例えば、
図3(d)に示すように、貫通孔34は、
図3(a)に示した貫通孔34aの配置に加えて、個々のリードフレーム領域において、当該リードフレーム領域の周囲における、当該リードフレーム領域の4つの角部近傍に、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間を区画する方向に対し垂直な方向(図における横方向)のスリット形状に形成された貫通孔34dを配置してもよい。
また、例えば、
図3(e)に示すように、貫通孔34は、
図3(a)に示した貫通孔34aの配置に加えて、当該リードフレーム領域の周囲における、当該リードフレーム領域の4つの角部近傍であって、他のリードフレーム領域の周囲における、当該他のリードフレーム領域のいずれかの角部と共通する位置に円形状に形成された貫通孔34bと、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間を区画する方向と平行な方向(図における縦方向)の領域におけるLED装置の中央位置に円形状に形成された貫通孔34eと、を配置してもよい。
また、例えば、
図3(f)に示すように、貫通孔34は、
図3(a)に示した貫通孔34aの配置に加えて、個々のリードフレーム領域において、当該リードフレーム領域の周囲における、当該リードフレーム領域の4つの角部近傍に、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間を区画する方向と平行な方向(図における縦方向)と、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間を区画する方向に対し垂直な方向(図における横方向)の2方向にまたがる、フック形状に形成された貫通孔34fを配置してもよい。
また、例えば、
図3(g)に示すように、貫通孔34は、
図3(a)に示した貫通孔34aの配置に加えて、個々のリードフレーム領域において、当該リードフレーム領域の周囲における、当該リードフレーム領域のリード部12側の2つの角部近傍に、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間を区画する方向と平行な方向(図における縦方向)と、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間を区画する方向に対し垂直な方向(図における横方向)の2方向にまたがる、フック形状に形成された貫通孔34fを配置してもよい。
なお、貫通孔34の配置箇所が多いほど、金属板の両面に形成されるリフレクタ樹脂部15の金属板への密着度が強まり、金属板からのリフレクタ樹脂部15の抜けを阻止する効果が大きくなる。他方、貫通孔34の配置箇所が少ないほど、パッド部11及びリード部12の周囲に残存する金属の体積が増えるため、製造後のLEDパッケージにおけるパッド部11及びリード部12の周縁領域に形成された板状部33の端面の面積が増えて、LED装置から発する熱を外部へ放出する効果が大きくなる。
図3(g)の例は、金属板からのリフレクタ樹脂部15の抜けを阻止する効果を大きくし、且つ、LED装置から発する熱の外部へ放出効果を効率よく大きくするために、
図3(a)に示した貫通孔34aの配置に加えて配置する貫通孔34fの配置箇所を、リード部12側のみとすることで、貫通孔の配置箇所を増やしながらも、LED素子を搭載するパッド部11の周囲に残存する金属の体積が大きくなるようにした配置例である。
【0087】
このように構成される本実施形態の多列型LED用リードフレームは、例えば、次のようにして製造する。なお、製造の各工程において実施される、薬液洗浄や水洗浄等を含む前処理・後処理等は、便宜上説明を省略する。
【0088】
まず、基材となる金属板(例えば、Cu材)(
図4(a)参照)の両面にめっき用のレジストマスク30を形成し、露出している金属板の面に必要なめっき層(上側の面には反射用めっき層13a、下側の面には外部接続用めっき層13b)を形成する(
図4(b)参照)。
なお、本実施形態及び後述の実施例のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームの製造工程において用いるレジストマスクの形成は、金属板の両面に例えばドライフィルムレジストをラミネートし、両面のドライフィルムレジストに対し、所定位置に、パッド部及びリード部の基部を形成するパターンが形成されたガラスマスクを用いて、両面を露光・現像することによって行う。なお、露光・現像は従来公知の方法により行う。例えば、ガラスマスクで覆った状態で紫外線を照射し、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたドライフィルムレジストの部位の現像液に対する溶解性を低下させて、それ以外の部分を除去することで、レジストマスクを形成する。なお、ここでは、レジストとしてネガ型のドライフィルムレジストを用いたが、レジストマスクの形成には、ネガ型の液状レジストを用いてもよい。さらには、ポジ型のドライフィルムレジスト又は液状レジストを用いて、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたレジストの部分の現像液に対する溶解性を増大させて、その部分を除去することでレジストマスクを形成するようにしてもよい。
【0089】
露出している金属板の上側及び下側の面に夫々必要なめっき層(反射用めっき層13a、外部接続用めっき層13b)を形成後、めっき用のレジストマスク30を剥離し(
図4(c)参照)、上面側には形成した反射用めっき層13aを覆うとともに、パッド部11に対応する反射用めっき層13aのLED素子搭載領域の外周とリード部12に対応する反射用めっき層13aのワイヤボンディング領域の外周とに設ける第2の凹部19cの外側領域を第2の凹部を形成しうるように覆い、さらに、金属板における、少なくともパッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間の所定位置を含む、パッド部11及びリード部12に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に対応する、金属板の上面側の所定位置(即ち、貫通孔34が形成される位置)を除く領域を覆う、所定のパターン形状のエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、下面側には形成した外部接続用めっき層13bを覆い、パッド部11とリード部12とに区画しうる、所定のパターン形状のエッチング用のレジストマスク31を形成する。
なお、上面側のエッチング用のレジストマスク31は、露出した金属板をハーフエッチングしたときに、反射用めっき層13a直下の金属が溶解除去されない程度、反射用めっき層13aを覆うように形成する。
露出した金属板をハーフエッチングしたときに、反射用めっき層13a直下の金属が溶解除去されて、金属が溶解除去された部位の反射用めっき層13aが露出すると、反射用めっき層13aは薄いため,露出した部分がめっきバリとなって割れや欠けを生じ易くなる。そして、めっきバリが割れると、めっきバリ近傍の反射用めっき層13aも一緒に剥がれて、反射率を低下させる等の製品の品質劣化を招く虞がある。
そこで、反射用めっき層13a直下の金属が溶解除去されない程度、反射用めっき層13aを覆うように上面側のエッチング用のレジストマスク31を形成することによって、ハーフエッチングしたときの、めっきバリの発生を防止する。
【0090】
次に、金属板の下面側から、例えば、金属板の厚さの約50〜75%程度の深さで、ハーフエッチングを施し、金属板の下面側におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とが区画されるように、第1の凹部19a,19bを形成する。また、同時に、上面側から、例えば、金属板の厚さの約25〜50%程度の深さで、ハーフエッチングを施し、金属板の上面側におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、金属板のパッド部11に対応する反射用めっき層13aのLED素子搭載領域の外周と、リード部12に対応する反射用めっき層13aのワイヤボンディング領域の外周に、第2の凹部19cを形成する(
図4(d)参照)。さらに、これら金属板の両側からのハーフエッチングにより、金属板における、少なくともパッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間の所定位置を含む、パッド部11及びリード部12に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に貫通孔34を形成し、貫通孔34を第1の凹部19a,19bに連通させる。このとき、上面側のエッチング用のレジストマスク31が、反射用めっき層13a直下の金属(ここでは、Cu)が溶解除去されない程度、反射用めっき層13aを覆っているため、反射用めっき層13a直下の金属は、ハーフエッチングによって溶解除去されることなく残存する。
なお、金属板の上面側及び下面側からのハーフエッチングは、好ましくは、形成される第2の凹部19cの面、第1の凹部19a,19bの面及び貫通孔34の面を粗化処理するように行う。
【0091】
次に、エッチング用のレジストマスク31を除去する(
図4(e)参照)。
【0092】
次に、金属板の下面側におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部19a,19bにリフレクタ樹脂を充填し、区画されたパッド部11とリード部12と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在するとともに、金属板の上面側のパッド部11及びリード部12におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15を、モールド金型を用いて形成する(
図4(f)参照)。これにより、
図2(f)に示した本実施形態の多列型LED用リードフレームが完成する。なお、リフレクタ樹脂部15を形成する工程においては、第2の凹部19cにもリフレクタ樹脂を充填するとともに、金属板の両側のリフレクタ樹脂を、貫通孔34を介して一体形成する。
【0093】
次に、本実施形態のLEDパッケージの製造工程を説明する。
図5は
図4に示す製造工程を経て得た多列型LED用リードフレームを用いたLEDパッケージの製造工程の一例を示す説明図である。なお、便宜上、
図5では一つのパッケージ領域のみを示してある。
まず、反射用めっき層13aの露出部位に、例えば、有機皮膜保護層などの耐エッチング性を有する保護膜を形成する。次に、金属板の上面側から、パッド部11に対応する外部接続用めっき層13bとリード部12に対応する外部接続用めっき層13bとの間の第1の凹部19aに形成されたリフレクタ樹脂部15が露出するように、エッチングを行い、パッド部11とリード部との間を分離する(
図5(a)参照)。
なお、金属板の上面側からのエッチングは、好ましくは、分離されるパッド部11とリード部12の露出する側面を粗化処理するように行う。
次に、金属板の上面側において区画されたパッド部11の面にLED素子20を搭載・固定する(
図5(b)参照)とともに、金属板の上面側において区画されたリード部12とLED素子20とをボンディングワイヤ14を介して接続する(
図5(c)参照)。さらに、金属板の上面側において区画されたパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間及びパッド部11とリード部12との間に透明樹脂を充填し、透明樹脂部16を形成して、このリフレクタ樹脂部15で囲まれた内部空間を封止する(
図5(d)参照)。このとき、パッド部11とリード部12との間に金属板の上面側から所定の深さで介在する透明樹脂部16は、金属板の下面側から所定の深さで介在するリフレクタ樹脂部15と一体化する。
次に、リフレクタ樹脂部15における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を、金属板における第1の凹部19bが形成されている部位とともに切断する。これにより、
図1(a)に示した本実施形態のLEDパッケージが完成する。
【0094】
本実施形態のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームによれば、パッド部11
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部12
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、パッド部11及びリード部12の外周
の側面を囲み、パッド部11及びリード部12を固定するリフレクタ樹脂部15を有した構成にしたので、個々のLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造した段階において、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部18とが、分離されずに一体に繋がっており、しかも、金属板の下面側からリフレクタ樹脂部15で固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部が存在しない構成となる。
その結果、
図8に示した発明のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームと同様、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを固定するリフレクタ樹脂部の幅を狭くすることができ、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数を増やすことができ、製造時において格段の集積化が可能となる。しかも、特許文献1、2に記載のLEDパッケージとは異なり、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がないため、パッド部やリード部の設計の自由度が大きくなる。
【0095】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、金属板の上面側から、パッド部11に対応する外部接続用めっき層13bとリード部12に対応する外部接続用めっき層13bとの間の第1の凹部19aに形成されたリフレクタ樹脂部15が露出するように、エッチングを行い、パッド部11とリード部12との間を分離した後、金属板の上面側において、パッド部11の面にLED素子20を搭載するとともに、リード部12とLED素子20とをワイヤボンディングし、金属板の上面側においてパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部16を設けることで、上述した本実施形態のLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造可能となる。
【0096】
そして、本実施形態の多列型LED用リードフレームを用いて、本実施形態のLEDパッケージを得る前段階の、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程において、リードフレームの上面側は金属が、例えばリードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がっており、しかも、金属板の下面側からリフレクタ樹脂部15で固定されているため、
図8に示した発明の多列型LED用リードフレームに比べて、より一層、個々のリードフレーム領域の変形が生じ難くなり、パッド部やリード部の段差、変形、反り等が生じず、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が保たれる。このため、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止するための耐熱性ポリイミドフィルムや耐熱性シリコン接着剤で構成される高価な樹脂製のテープが不要となり、コストを低減できる。
【0097】
さらに、本実施形態のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームによれば、リフレクタ樹脂部15を、パッド部11
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部12
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在し、パッド部11及びリード部12の外周
の側面を囲む構成にしたので、金属板の下面側でパッド部11とリード部12が夫々区画されるため、
図8に示した発明のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームとは異なり、LEDパッケージの製造工程において、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設けた後に下面側からリフレクタ樹脂部が露出するようにエッチングする必要がなくなる。
その結果、透明樹脂部がエッチング液と接触することがなく、その表面が変質して透過率が低下し、製造後のLED装置からの照射光量が弱められる等の品質劣化の懸念もなくなる。
また、LEDパッケージの製造工程において、透明樹脂部を設けた後にエッチングを行う必要がなくなる結果、エッチング液が透明樹脂部とリフレクタ樹脂との界面から透明樹脂部を充填しているLED搭載領域に浸入してLED装置の回路に悪影響を及ぼす虞がなくなる。
また、LEDパッケージの製造工程において、下面側からリフレクタ樹脂部が露出するようにエッチングする必要がなくなる結果、金属板の下面側に凹んだ部分が形成されずに済む。このため、
図8に示した発明のLEDパッケージの製造方法のような金属板の下面側からのエッチングにより凹んだ部分に補強用樹脂を充填する工程を設ける必要がなくなり、その分、LEDパッケージの製造を完了するまでの間の樹脂形成工程の回数を減らし、工程を簡素化することができる。
【0098】
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、パッド部11及びリード部12が、互いに離間し、透明樹脂部16が、パッド部11
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部12
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の上面側から
金属板の厚さの略25〜50%の深さで介在し、金属板の下面側から
金属板の厚さの略50〜75%の深さで介在するリフレクタ樹脂部15と一体化した構成にしたので、
図8に示した発明のLEDパッケージとは異なり、LED素子20を搭載する側のリフレクタ樹脂部15の面がパッド部11とリード部12の反射用めっき層13aの面と略面一に形成されず、透明樹脂部16によって、パッド部11の反射用めっき層13aとリード部12の反射用めっき層13aとの間の直線的な経路が遮断される。
その結果、反射用めっき層を構成する金属(例えば、Ag)のマイグレーションを抑制し易くなる。
【0099】
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面が、パッド部11及びリード部12の外周を囲むリフレクタ樹脂部15の外周面と、パッド部11及びリード部12の周縁領域に形成された板状部33の端面を含む構成にしたので、
図8に示した発明のような、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面がリフレクタ樹脂部の外周面にのみ存在するLEDパッケージとは異なり、LED装置から生じた熱を、パッド部及びリード部の周縁領域に形成された板状部の端面から外部に放出できるようになる。
しかも、本実施形態のLEDパッケージによれば、板状部33を、パッド部11及びリード部12における、互いに対向する側を除いた夫々の周縁領域に、金属板の下面側からのハーフエッチングにより形成されるように構成したので、板状部33を形成する金属が、例えば、リードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がり、パッド部及びリード部における互いに対向する側を除いた夫々の周縁領域に及ぶようになる。このため、多列型LEDパッケージを切断することによって形成される切断面において板状部33の端面を形成する金属の面積を大きくとることができ、LED装置から生じた熱の外部への放出量を大きくすることができる。
【0100】
また、本実施形態のLEDパッケージよれば、パッド部11に対応する反射用めっき層13aのLED素子搭載領域の外周と、リード部12に対応する反射用めっき層13aのワイヤボンディング領域の外周に、金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された凹部19cを夫々有するようにしたので、金属板の上面側のリフレクタ樹脂部15が、凹部19cに介在した状態で形成されるため、リフレクタ樹脂部15の金属板の上面側での密着性が向上する。
【0101】
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、凹部19cの面は、粗化処理が施された構成にしたので、リフレクタ樹脂部15の密着性が向上する。
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、パッド部11の側面とリード部12の側面は、粗化処理が施された構成にしたので、パッド部15及びリード部12の外周におけるリフレクタ樹脂部15の密着性や、パッド部15とリード部12との間における透明樹脂部16の密着性が向上する。
【0102】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、金属板における、少なくともパッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間の所定位置を含む、パッド部11及びリード部12に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に形成された貫通孔34を有し、貫通孔34が、第1の凹部19a,19bに連通し、金属板の両側のリフレクタ樹脂部15が、貫通孔34を介して一体形成された構成にしたので、金属板の両面に形成されるリフレクタ樹脂部15の金属板への密着度が強まり、金属板からのリフレクタ樹脂部15の抜けを阻止できる。
【0103】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、金属板の上面側における、パッド部11に対応する反射用めっき層13aのLED素子搭載領域の外周と、リード部12に対応する反射用めっき層のワイヤボンディング領域の外周に、金属板の上面側からのハーフエッチングにより形成された第2の凹部19cを夫々有する構成にしたので、金属板の上面側のリフレクタ樹脂部15が、第2の凹部19cに介在した状態で形成されるため、リフレクタ樹脂部15の金属板の上面側での密着性が向上する。
【0104】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、第1の凹部19a,19bの面、第2の凹部19cの面、貫通孔34の面は、粗化処理が施された構成にしたので、リフレクタ樹脂部15の密着性が向上する。
【0105】
従って、本実施形態によれば、個々に配置されるLEDパッケージの集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、しかも、LED素子搭載部を充填する透明樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、LED素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入の虞がなく、樹脂形成工程の回数を低減し、反射用めっき層を構成する金属のマイグレーションを防止可能で、さらには、LED装置が発する熱を外部に放出する効果を高めることの可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法が得られる。
【0106】
実施例
次に、本発明の実施例について、説明する。
本実施例では、洗浄処理や乾燥処理など各工程の前処理、後処理は、一般的な処理であることから記載を省略する。
【0107】
最初に、帯状で厚さ0.2mmのCu材をリードフレームの基材として準備し(
図4(a)参照)、外枠部における縁部にパイロットホールを形成した後、両面にレジスト層を形成した。
次に、リードフレームの基材の上面側には、反射用めっき層を形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、下面側には、外部接続用めっき層を形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して露光・現像を行うことでリードフレームの基材の両面にめっき用のレジストマスク30を形成した。
次に、Cuが露出しているリードフレームの基材の上側の面に反射用めっき層13aを形成するとともに、下側の面に外部接続用めっき層13bを形成し(
図4(b)参照)、めっき層を形成後、両面に形成されためっき用のレジストマスク30を剥離した(
図4(c)参照)。
なお、反射用のめっき層13aは、まず設定厚さ2.0μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、次に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成し、最後に設定厚さ2.0μmのAgめっきを形成することによって得た。
また、外部接続用めっき層13bは、まず設定厚さ2.0μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、最後に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成することによって得た。
【0108】
次に、再び両面にレジスト層を形成し、露光・現像を行って、上面側には形成した反射用めっき層13a直下のCuが溶解除去されない程度、反射用めっき層13aを覆うとともに、パッド部11に対応する反射用めっき層13aのLED素子搭載領域の外周とリード部12に対応する反射用めっき層13aのワイヤボンディング領域の外周とに設ける第2の凹部19cの外側領域を第2の凹部19cを形成しうるように覆い、さらに、金属板における、少なくともパッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間の所定位置を含む、パッド部11及びリード部12に対応する夫々の領域の周囲の所定位置に対応する、金属板の上面側の所定位置(即ち、貫通孔34が形成される位置)を除く領域を覆うことで、パッド部11とリード部12とその他必要な形状を得るためのエッチング用のレジストマスク31を形成し、下面側には形成した外部接続用めっき層13bを覆い、パッド部11とリード部12とに区画しうる、所定のパターン形状のエッチング用のレジストマスク31を形成した。
【0109】
次に、エッチング処理を行って約0.12mmの深さとなるハーフエッチング加工を行い(
図4(d)参照)、リードフレームの基材におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とが区画されるように、第1の凹部19a,19bを形成するとともに、金属板の上面側における、パッド部11に対応する反射用めっき層13aのLED素子搭載領域の外周と、リード部12に対応する反射用めっき層13aのワイヤボンディング領域の外周に、第2の凹部19cを夫々形成し、さらに、
図2(a)〜
図2(c)、
図3(a)に示すように、金属板における、パッド部11に対応する領域とリード部12に対応する領域との間のパッド部11、リード部12に対応する夫々の領域の角部近傍に、スリット形状の貫通孔34を形成し、貫通孔34を、第1の凹部19aに連通させた。なお、第2の凹部19cを形成するハーフエッチングの深さは0.05mmであった。
次に、両面に形成したエッチング用のレジストマスク31を剥離した(
図4(e)参照)。
【0110】
次に、モールド金型を用いてリフレクタ樹脂部15を形成し、本実施例の多列型LED用リードフレームが得られた(
図4(f)参照)。
LED用リードフレームの上面側は約0.08mmの厚さでリードフレームの基材(Cu材)が残存しているため、リフレクタ樹脂は下面側のハーフエッチング加工部分に充填され、区画されたパッド部11
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部12
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する。また、リフレクタ樹脂部15はリードフレームの基材の上面側のパッド部11及びリード部12におけるLED素子搭載領域及びワイヤボンディング領域の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出して囲むように形成される。また、リフレクタ樹脂部15は第2の凹部19cにも充填されるとともに、金属板の両側のリフレクタ樹脂部15は、貫通孔34を介して一体形成される。なお、リフレクタ樹脂部15に囲まれる、パッド部11のLED素子が搭載固定される部分とリード部12のボンディング部分は、先に形成した反射用めっき層13aが露出した状態となっている。
【0111】
次に、反射用めっき層13aの露出部位に、例えば、有機皮膜保護層などの耐エッチング性を有する保護膜を形成し、金属板の上面側から、パッド部11に対応する外部接続用めっき層13bとリード部12に対応する外部接続用めっき層13bとの間の第1の凹部19aに形成されたリフレクタ樹脂部15が露出するように、残存している約0.08mmのリードフレームの基材(Cu材)をエッチング加工し、パッド部11とリード部12との間を分離した(
図5(a)参照)。
次に、リフレクタ樹脂部15が形成されたLED用リードフレームのパッド部11にLED素子20を搭載・固定する(
図5(b)参照)とともに、LED素子20とリード部12とをワイヤボンディングし(
図5(c)参照)、さらに、リフレクタ樹脂部15に囲まれるLED素子20が搭載された内部空間及びパッド部11とリード部12との間に透明樹脂を充填し、LED素子20とボンディングワイヤ14を封止する透明樹脂部16を形成した(
図5(d)参照)。このとき、パッド部11
のLED素子搭載面と金属板の下面との間に位置する側面と
、リード部12
のワイヤボンディング面と金属板の下面との間に位置する側面とにおいて、互いに対向する領域の間に金属板の上面側から
約0.08mmの深さで介在する透明樹脂部16は、金属板の下面側から
約0.12mmの深さで介在するリフレクタ樹脂部15と一体化した。
【0112】
次に、複数のLEDパッケージ領域がリフレクタ樹脂部15によって固定された状態で形成された多列型LEDパッケージから個々のLEDパッケージを得るために、リフレクタ樹脂部15における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を、リードフレームの基材における凹部19bが形成されている部位とともに切断加工した。これにより、パッド部11とリード部12とが独立してリフレクタ樹脂部15によって固定され、切断面が、パッド部11及びリード部12の外周を囲むリフレクタ樹脂部15の外周面と、パッド部11及びリード部12の周縁領域に形成された板状部33の端面を含むLEDパッケージが得られた(
図1(a)参照)。