(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る構造物の一例としてのデータセンター10について説明する。なお、平面視における直交する二方向をX方向及びY方向とし、鉛直方向をZ方向とする。
【0018】
<構造>
まず、データセンター10の全体構造について説明する。
【0019】
図1に示すように、データセンター10は、第一電子機器の一例としての高負荷サーバー170と第二電子機器の一例として低負荷サーバー172との両方を設置することが可能な建物とされている。また、データセンター10は、これら高負荷サーバー170及び低負荷サーバー172以外の図示していないメインフレーム等の各種コンピュータやデータ通信装置等が設置されている。
【0020】
なお、高負荷サーバー170及び低負荷サーバー172は、それぞれサーバーラックに収納されている。また、各図では高負荷サーバー170及び低負荷サーバー172は、サーバーラックに収納されている状態が図示されている。
【0021】
データセンター10は、免震装置12で支持された四階建ての免震構造の鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物となっている。データセンター10の一階10A及び二階10Bには、熱源機械室、高圧サブ変電室、及び特高電気室等が配置された設備室14や図示していないエントランスや居室等が設けられている。また、三階(N階)10Cと四階(N+1階)10Dとには、前述した高負荷サーバー170と低負荷サーバー172とが設置可能なサーバー設置ルーム30が設けられている。
【0022】
図1、
図7、
図8に示すように、サーバー設置ルーム30の基本構造は、上層32と下層34との二層構造となっており、サーバー設置ルーム30の上層32(四階10D)の天井部分と下層34(三階10C)の床部分とは、それぞれ梁46で支持されたスラブ42、44で構成されている。
【0023】
図7に示すように、サーバー設置ルーム30における上層32と下層34との間は、梁52及び梁54と、梁52及び54に支持された平面格子状に配置された根太56と、で構成されている。
【0024】
図1、
図2、
図8に示すように、サーバー設置ルーム30は、高負荷サーバー170を設置する高負荷サーバーエリア100(
図3参照)と、低負荷サーバー172を設置する低負荷サーバーエリア200(
図4参照)と、を有している。高負荷サーバーエリア100と低負荷サーバーエリア200とは、上層32と下層34とが、それぞれ移設可能で耐火性能を有する乾式鋼製間仕切パネル300で仕切られることで形成されている。
【0025】
図5に示すように、乾式鋼製間仕切パネル300は、レール状の上側取付部310及び下側取付部320とパネル本体302とを有している。パネル本体302は、上側取付部310と下側取付部320との間に配置され、ビス312によって上側取付部310及び下側取付部320に固定されている。
【0026】
なお、乾式鋼製間仕切パネル300のパネル本体302は、上側取付部310及び下側取付部320から取り外し、別の場所の上側取付部310及び下側取付部320に取り付けることが可能な構成となっている。つまり、パネル本体302(乾式鋼製間仕切パネル300)は、移設可能となっている。なお、
図5の左図は、パネル本体302が取り付けられていない状態を示すため、パネル本体302を想像線(二点破線)で図示している。
【0027】
図7及び
図8に示すように、乾式鋼製間仕切パネル300を構成する上側取付部310及び下側取付部320は、上層32のスラブ42及び下層34のスラブ44を支持する梁46に対応する位置に、それぞれ固定されている。前述したように、乾式鋼製間仕切パネル300(パネル本体302)は、上側取付部310及び下側取付部320が固定されている位置であれば、自由に設置し、仕切ることができる。
【0028】
図8に示すように、高負荷サーバーエリア100では、上層32と下層34との間を構成する根太56に床パネル91が支持されている。床パネル91は、矩形状のフリーアクセスフロアプレート92と通風可能な矩形状のグレーチング94とで構成されている。そして、床パネル91のフリーアクセスフロアプレート92の上に高負荷サーバー170を収容したサーバーラックが設置されている。つまり、高負荷サーバー170は、高負荷サーバーエリア100の上層32に設置されている(
図1及び
図3も参照)。なお、床パネル91でなく、根太56の上に高負荷サーバー170を収容したサーバーラックが設置されていてもよい。また、以降、高負荷サーバー170がサーバーラックに収容された状態であっても便宜上「高負荷サーバー170」として説明する。
【0029】
図2に示すように、高負荷サーバーエリア100の上層32に設置された高負荷サーバー170は、X方向に沿って列をなして配置されると共に、この列がY方向に間隔をあけて配置にされている。また、高負荷サーバー170は、前面と背面とが向かい合うように設置され、
図8に示すように高負荷サーバー170の前面同士が向かい合う列と列との間のコールドアイルに対応する床面に、通風可能なグレーチング94が設置されている。
【0030】
図1、
図3、
図8に示すように、高負荷サーバーエリア100の下層34は、通風空間35とされると共に、メンテナンスエリアとしても利用される。また、高負荷サーバーエリア100の下層34には、バスダクト37や後述する補助冷却装置76が設けられている。
【0031】
図2に示すように、サーバー設置ルーム30のX方向外側には、空調室60が設けられている。
【0032】
図3に示すように、空調室60における高負荷サーバーエリア100に対応する高負荷空調エリア62(
図2も参照)には、高負荷空調装置70が設けられている。本実施形態においては、高負荷空調装置70は、第一熱交換器72A及び第二熱交換器72Bと空調ファン74とを有するシステム構成となっている。
【0033】
第一熱交換器72Aは、高負荷空調エリア62の上層62Aの天井部分を構成するスラブ42の近傍に設置されている。第二熱交換器72Bは、高負荷空調エリア62の下層62Bの床部分を構成するスラブ44の上に設置されている。また、空調ファン74は、高負荷空調エリア62の上層62Aの床66の上に設置されている。
【0034】
このような構成の高負荷空調装置70によって、矢印Kで示すように、高負荷サーバー170が設置された上層32の空気が冷却され下層34(通風空間35)に送風される。下層34の空気は、通風可能なグレーチング94(
図8参照)から上層32に噴き出される。この上層32に噴き出された空気によって高負荷サーバー170が冷却されると共に、温度が上昇した空気が高負荷空調装置70によって冷却され下層34(通風空間35)に送風される。このように高負荷サーバーエリア100では、空調された空気が上層32と下層34との間で循環するようになっている。なお、矢印Kのドットは、空気の温度が高いことを示している。
【0035】
また、本実施形態では、高負荷サーバーエリア100の下層34には、補助冷却装置76が設置されている(
図8も参照)。補助冷却装置76は、局所的に冷却するタスク空調機で構成されている。そして、下層34の空気は、補助冷却装置76によって、更に冷却されて、上層32に噴き出されている。
【0036】
なお、空調室60に設置されている高負荷空調装置70が高負荷サーバー170を冷却する能力を十分有していれば、補助冷却装置76は設置されていなくてもよい。或いは、補助冷却装置76が設置されていても稼動を停止してもよい。
【0037】
図8に示すように、低負荷サーバーエリア200では、上層32と下層34との間を構成する梁52及び梁54に、断熱機能を有する断熱パネル202が支持され敷き詰められている(
図4も参照)。よって、低負荷サーバーエリア200では、上層32と下層34との間は、断熱パネル202で仕切られ、上層32と下層34との間の通風が遮断されると共に、断熱されている。言い換えると、上層32と下層34との間が、断熱パネル202によって水平区画されている。なお、本実施形態では、断熱パネル202は、耐火性及び耐然性を併せ持つパネル、例えば、オートクレーブ養生(高温高圧多湿養生)した軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight aerated Concrete(ALC))で構成されている。
【0038】
また、低負荷サーバーエリア200では、上層32と下層34との間を構成する根太56に、二重床(フリーアクセスフロア)210が支持されている。また、下層34のスラブに二重床(フリーアクセスフロア)210が支持されている。
【0039】
二重床210の床面(上面)を構成する床パネル93は、矩形状のフリーアクセスフロアプレート92と通風可能な矩形状のグレーチング94とで構成されている。そして、上層32及び下層34のそれぞれの二重床210の床パネル93のフリーアクセスフロアプレート92の上に、低負荷サーバー172を収容したサーバーラックが設置されている。つまり、低負荷サーバーエリア200の上層32と下層34とにそれぞれ低負荷サーバー172が設置されている(
図1及び
図4も参照)。なお、根太56やスラブ44に置かれた架台の上に低負荷サーバー172を収容したサーバーラックが設置されていてもよい。また、以降、低負荷サーバー172がサーバーラックに収容された状態であっても便宜上「低負荷サーバー172」として説明する。
【0040】
図2に示すように、低負荷サーバーエリア200の上層32及び下層34にそれぞれ設置された低負荷サーバー172は、X方向に沿って列をなして配置されると共に、この列がY方向に間隔をあけて配置にされている。また、低負荷サーバー172は、前面と背面とが向かい合うように設置され、
図8に示すように低負荷サーバー172の前面同士が向かい合う列と列との間のコールドアイルに対応する床面に通風可能なグレーチング94が設置されている。
【0041】
図4に示すように、空調室60における低負荷サーバーエリア200に対応する低負荷空調エリア64(
図2も参照)の上層64Aの床66と下層64Bの床部分を構成するスラブ44とに、それぞれ低負荷空調装置78が設置されている。低負荷空調装置は、熱交換器と空調ファンとが一体となった構成とされている。
【0042】
これら低負荷空調装置78によって、矢印Kで示すように、低負荷サーバー172が設置された上層32の天井近傍の空気が冷却され、二重床210の床パネル93と断熱パネル202との間の通風空間212に送風される。この通風空間212の空気は、二重床210の床パネル93の通風可能なグレーチング94(
図8参照)から床上に噴き出される。床上に噴き出された空気によって低負荷サーバー172が冷却されると共に、温度が上昇した空気が低負荷空調装置78によって冷却され、二重床210の床パネル93と断熱パネル202との間の通風空間212に送風される。
【0043】
同様に低負荷サーバー172が設置された下層34においても、低負荷空調装置78に下層34の天井近傍の空気が冷却され、二重床210の床パネル93とスラブ44との間の通風空間212に送風する。この通風空間212の空気は、二重床210の床パネル93の通風可能なグレーチング94(
図8参照)から床上に噴き出される。床上に噴き出された空気によって低負荷サーバー172が冷却されると共に、温度が上昇した空気が低負荷空調装置78によって冷却され、二重床210のスラブ42と断熱パネル202との間の通風空間212に送風される。
【0044】
このように低負荷サーバーエリア200では、上層32と下層34との間が断熱パネル202で仕切られて通風が遮断され、これにより空調された空気が上層32と下層34とで、それぞれ独立して循環するようになっている。
【0045】
(高負荷サーバー及び低負荷サーバー)
ここで、高負荷サーバー170及び低負荷サーバー172について説明する。
【0046】
本実施形態の高負荷サーバー170は皮相電力が8kVAの電力仕様とされ、本実施形態の低負荷サーバー172は皮相電力が4kVAの電力仕様とされている。また、高負荷サーバー170は皮相電力が8kVAであるので発熱量が多く、低負荷サーバー172は皮相電力が4kVAであるので発熱量が少ない。
【0047】
なお、高負荷サーバー170及び低負荷サーバー172は、上記仕様に限定されるものではない。二つの異なる仕様のサーバーのうち、電力使用量が多く発熱量の大きなサーバーが高負荷サーバー(第一サーバー)170であり、電力使用量が少なく発熱量の少ないサーバーが低負荷サーバー(第二サーバー)172である。
【0048】
<レイアウト変更>
つぎに、一例として、
図1に示すサーバー設置ルーム30における右側の低負荷サーバーエリア200が左側の高負荷サーバーエリア100よりも広いレイアウトから、竣工後に
図6に示す左側の高負荷サーバーエリア100が右側の低負荷サーバーエリア200よりも広いレイアウトに変更する場合について説明する。
【0049】
なお、前述したように、
図1及び
図8に示すように、サーバー設置ルーム30は、上層32と下層34とが移設可能な乾式鋼製間仕切パネル300(
図5も参照)で仕切られることで、高負荷サーバーエリア100と低負荷サーバーエリア200とが形成されている。
【0050】
まず、
図9に示すように、乾式鋼製間仕切パネル300(パネル本体302)で新たに仕切る位置の上側取付部310及び下側取付部320に、パネル本体302を取り付ける。また、乾式鋼製間仕切パネル300の外側を養生シート350で養生する。そして、左右の乾式鋼製間仕切パネル300間の低負荷サーバー172を撤去する。
【0051】
図10に示すように、左右の乾式鋼製間仕切パネル300間の二重床210と断熱パネル202とを撤去する。
【0052】
図11に示すように、左右の乾式鋼製間仕切パネル300間における上層32と下層34との間に床パネル91(フリーアクセスフロアプレート92及びグレーチング94)を配置して根太56に支持させる。そして、高負荷サーバー170を追加設置する。また、養生シート350を撤去する。
【0053】
図示は省略するが、空調室60における高負荷空調エリア62(
図2参照)を広げ、高負荷空調装置70を増設する。
【0054】
このように、乾式鋼製間仕切パネル300を移設して、右側の低負荷サーバーエリア200の一部が高負荷サーバーエリア100に変更される。
【0055】
<作用及び効果>
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0056】
サーバー設置ルーム30における高負荷サーバーエリア100は、上層32に高負荷サーバー170を設置し、下層34を通風空間35として利用している。よって、高負荷サーバーエリア100が設置されている上層32は高い冷却能力を有するので、電力使用量が多く発熱量の多い高負荷サーバー170を設置することができる(
図3を参照)。
【0057】
一方、サーバー設置ルーム30における低負荷サーバーエリア200は、上層32と下層34とをそれぞれ二重床210として、電力使用量が少なく発熱量の少ない低負荷サーバー172を設置することで、多くの低負荷サーバー172を設置することができる。
【0058】
このように高負荷サーバーエリア100と低負荷サーバーエリア200とを一棟のデータセンター10内に併設することで、発熱量が異なる高負荷サーバー170と低負荷サーバー172とを効率的に設置することができる。言い換えると、空調仕様が異なる高負荷サーバー170と低負荷サーバー172とを効率的に設置することができる。
【0059】
なお、本実施形態のように、高負荷サーバーエリア100の下層34の通風空間35に補助冷却装置76を設置することで、高負荷サーバーエリア100の冷却能力が更に向上する。よって、本実施形態の皮相電力が8kVAである高負荷サーバー170よりも皮相電力が大きな、例えば、30kVAの超高負荷サーバーにも容易に対応することができる。
【0060】
なお、前述したように、高負荷空調装置70が十分な冷却能力を有していれば、補助冷却装置76は設置されていなくてもよい。或いは、補助冷却装置76を設置しても稼動を停止していてもよい。
【0061】
また、乾式鋼製間仕切パネル300(パネル本体302)で仕切る位置によって、サーバー設置ルーム30における高負荷サーバーエリア100が占める領域と低負荷サーバーエリア200が占める領域とを自由に設定することができる。つまり、
図1及び
図8に示すように、サーバー設置ルーム30のY方向の左端側を乾式鋼製間仕切パネル300(パネル本体302)で仕切ることで高負荷サーバーエリア100よりも低負荷サーバーエリア200が占める領域が大きくなるように設定される。逆に
図6及び
図11に示すように、サーバー設置ルーム30のY方向の右側を乾式鋼製間仕切パネル300(パネル本体302)で仕切ることで、低負荷サーバーエリア200よりも高負荷サーバーエリア100が占める領域が大きくなるように設定される。
【0062】
また、サーバー設置ルーム30の上層32と下層34との間は、梁52、54及び根太56で構成されている。よって、根太56に床パネル91(フリーアクセスフロアプレート92及びグレーチング94)を支持させることで高負荷サーバーエリア100となり、梁52、54及び根太56に断熱パネル202と二重床210を支持させることで低負荷サーバーエリア200となる。
【0063】
つまり、サーバー設置ルーム30の上層32と下層34との間を梁52、54及び根太56で構成することで、高負荷サーバーエリア100の床と低負荷サーバーエリア200との床を容易に構成することできると共に、高負荷サーバーエリア100の床と低負荷サーバーエリア200の床との変更を容易に行うことができる。
【0064】
したがって、前述したように、低負荷サーバーエリア200の一部を高負荷サーバーエリア100に容易に変更することができる。なお、詳しい説明は省略するが、前述した工程を逆に行うことで高負荷サーバーエリア100の一部を低負荷サーバーエリア200にすることも容易である。
【0065】
また、高負荷サーバーエリア100と低負荷サーバーエリア200との間を仕切る壁は、簡易に取り外し付け替えができる乾式鋼製間仕切パネル(耐火間仕切りパネルシステム)300を採用することで、粉塵を極力抑えて乾式鋼製間仕切パネル300(のパネル本体302)を移設することができる。
【0066】
また、低負荷サーバーエリア200の上層32と下層34との間に断熱パネル202を設けて仕切ることで、上層32と下層34との間で空調空気の移動が遮断されると共に熱伝導が抑制される。したがって、冷却効率が向上し、上層32及び下層34のそれぞれに設置された低負荷サーバー172を効率よく冷却することができる。また、耐火性能も向上する。
【0067】
また、本実施形態では、サーバー設置ルーム30の下層34には、構造ブレースを入れることなく、強度が確保されている。よって、下層34を二重床210として低負荷サーバー172を設置することが可能となっている。なお、一般的なラーメン構造では梁成が大きくなりすぎるため、本実施形態では、梁52及び梁54をスパン中央に追加し、荷重を分散して梁成を小さくすることで、階高を抑えている。
【0068】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0069】
また、例えば、上記実施形態では、上層32と下層34との二層で構成されたサーバー設置ルーム30を、乾式鋼製間仕切パネル300(パネル本体302)で仕切って高負荷サーバーエリア100と低負荷サーバーエリア200とを形成したが、これに限定されない。乾式鋼製間仕切パネル300(パネル本体302)以外のパネルや壁で仕切って、高負荷サーバーエリア100と低負荷サーバーエリア200とを形成してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、高負荷サーバーエリア100と低負荷サーバーエリア200とが左右に並んで配置されているが、これに限定されない。
【0071】
例えば、
図12(A)に示すように、サーバー設置ルームの30の両側に高負荷サーバーエリア100が設けられ、これら高負荷サーバーエリア100の間に低負荷サーバーエリア200が設けられた構成であってもよい。
【0072】
或いは、
図12(B)に示すように、サーバー設置ルームの30の一方側に高負荷サーバーエリア100が設けられ、他方側に低負荷サーバーエリア200が設けられ、これらの間はサーバー未設置ルーム150とした構成であってもよい(
図10も参照)。なお、このサーバー未設置ルーム150は、将来、高負荷サーバーエリア100又は低負荷サーバーエリア200として利用することが可能である。
【0073】
また、竣工当初は、低負荷サーバーエリア200の上層32及び下層34の一方のみを二重床210にして低負荷サーバー172を設置して、後から上層32と下層34と両方を二重床210にして低負荷サーバー172を追加設置してもよい。
【0074】
また、竣工当初のサーバー設置ルーム30は、
図7に示すような高負荷サーバーエリア100及び低負荷サーバーエリア200となっていない基本構造の状態とし、その後、適宜、高負荷サーバーエリア100及び低負荷サーバーエリア200(
図8や
図11を参照)として高負荷サーバー170及び低負荷サーバー172を順次設置していってもよい。
【0075】
また、例えば、上記実施形態では、三階及び四階にサーバー設置ルーム30を設けた四階建てのデータセンター10であったが、これに限定されるものではない。データセンターは、どのような構造であってもよい。また、三階及び四階以外にサーバー設置ルーム30を設けてもよい。例えば、六階建てのデータセンターの場合は、五階及び六階にサーバー設置ルーム30を設けてもよい。更に、二階及び三階にサーバー設置ルーム30を設け、更に五階及び六階にサーバー設置ルーム30を設けてもよい。つまり、連続するN層及びN+1層にサーバー設置ルームを設ければよい。
【0076】
更に、
図13に示すように、上層512に高負荷サーバーが設置可能とされ下層514が通風空間として利用可能な高負荷サーバーエリア510と、上層522と下層524とをそれぞれ二重床210とし低負荷サーバー172が設置可能な低負荷サーバーエリア520と、が正面視で斜めに離れた位置に配置されたデータセンター500であってもよい。或いは、図示は省略するが、平面視で、高負荷サーバーエリア510と低負荷サーバーエリア520とが離れた位置に配置されていてもよい。なお、図示は省略するが、高負荷サーバーエリア510及び低負荷サーバーエリア520を空調する空調機器が設置された空調室が、高負荷サーバーエリア510と低負荷サーバーエリア520とにそれぞれ隣接して設けられている。
【0077】
要は、「上層に第一サーバーが設置可能とされ、下層が通風空間として利用可能な第一エリア」と「上層と下層とをそれぞれ二重床とし、第二サーバーが設置可能な第二エリア」とが、一つの構造物内に設けられていればよい。また、第一サーバー(高負荷サーバー)と第二サーバー(低負荷サーバー)とは、例えば竣工当初は設置されていなくても、設置が可能であればよい。
【0078】
また、上記実施形態では、サーバーを設置するサーバー設置ルームに本発明を適用したが、これに限定されない。サーバー以外の電子機器、例えば、ストレージ、ネットワークスイッチなどの電子機器を設置する電子機器設置ルームにも本発明を適用することができる。
【0079】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。