特許第6468987号(P6468987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6468987
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】栽培具及び植木鉢
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20180101AFI20190204BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20190204BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   A01G9/00 J
   A01G9/02 101W
   A01G9/00 G
   A01G7/00 602D
   A01G9/02 101J
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-214273(P2015-214273)
(22)【出願日】2015年10月30日
(65)【公開番号】特開2017-79680(P2017-79680A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年4月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515303089
【氏名又は名称】椎名 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】椎名 肇
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0056215(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3039323(JP,U)
【文献】 特開2014−217383(JP,A)
【文献】 特開昭62−253323(JP,A)
【文献】 特開2005−323578(JP,A)
【文献】 特開昭61−149026(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0320367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00 − 9/10
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢の土や肥料を部分的に交換する栽培具であって、
植物の根が通過する外枠孔を有する外枠体と、
内枠孔を有し前記外枠体から着脱自在な内枠体と、を有することを特徴とする栽培具
【請求項2】
植木鉢の少なくとも一つの隅部に請求項1記載の栽培具を外枠体と植木鉢とを一体形成にして設けたことを特徴とする植木鉢
【請求項3】
植木鉢の側面若しくは底面に請求項1記載の栽培具を設けたことを特徴とする植木鉢
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を育成する栽培具及び植木鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
植物は根が伸長している内は活力ある成長をする。鉢植えの場合は根が鉢内の全体に張り巡らされると、生育が停滞し水もち、肥料もちも低下する。また、古い根を切ると、新しい根が成長し始め、株全体が若返る。従来、植木鉢やプランター等の容器を用いた野菜等の植物を栽培する手法として、サイズアップした鉢に植え替える手法や、植物の育成段階に応じて必要な肥料を含んだ用土を順次追加する手法がある。後者の手法について言えば、複数個の容器を用意し、植物若しくは苗が所定の各育成段階に至った時に、植物の各育成段階に応じた用土を容器に入れ、随時容器をつぎ足しながら育成をする。このような手法の栽培容器として、凹凸連結部にて係合する組立式植木鉢に係る考案が開示されている(例えば、[特許文献1])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3197745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、[特許文献1]に記載の考案では、植物の育成段階に応じて順次容器を重ねていくことで、根の発達から植物の活力ある成長を継続させる必要があるので、その分容器全体の高さが増えるという問題点がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は省スペースで効率的に用土を入れ替えることが可能な栽培具及び植木鉢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以上の目的を達成するため、植木鉢の土や肥料を部分的に交換する栽培具であって、植物の根が通過する外枠孔を有する外枠体と、内枠孔を有し前記外枠体から着脱自在な内枠体と、を有することを特徴とする栽培具を提供する。又、植木鉢の少なくとも一つの隅部に上記記載の栽培具を外枠体と植木鉢とを一体形成にして設けたことを特徴とする植木鉢を提供する。更に、植木鉢の側面若しくは底面に上記記載の栽培具を設けたことを特徴とする植木鉢を提供する
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る栽培具及び植木鉢は、内枠体を適宜引き出して用土の交換が可能なため、容器スペースが増大しない。又、用土を入れ替える際に内枠体に侵入した古い根を同時に断根するため、植物の新しい根が張るスペースを確保し旺盛な成長を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る栽培具を示す図である。
図2】本発明に係る栽培具の外枠体と内枠体を示す図である。
図3】本発明に係る栽培具の模式断面図である。
図4】本発明に係る第一の形態の植木鉢を示す図である。
図5】本発明に係る第一の形態の植木鉢の他の例を示す図である。
図6】本発明に係る第一の形態の植木鉢の他の例を示す図である。
図7】本発明に係る第二の形態の植木鉢を示す図である。
図8】本発明に係る第二の形態の植木鉢の他の例を示す図である。
図9】本発明に係る第二の形態の植木鉢の他の例を示す図である。
図10三の形態の植木鉢を示す図である。
図11三の形態の植木鉢の模式断面図である。
図12】本発明に係る栽培具の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る栽培具及び植木鉢の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1(a)に示す本発明に係る栽培具50は、外枠体40と用土を入れ替える内枠体30と、を有する。外枠体40及び内枠体30は円筒形状が好ましいが、外枠体40及び内枠体30は円筒状に限らず、三角柱、四角柱等の他の多角柱等の形状でもよい。図1(c)は四角柱の栽培具を示している。尚、栽培具50は後述する植木鉢60に挿入して使用する。上面と底面の大きさは同一あるいは底面を小さくする。上面と底面の形状は異型でも良い。図1に示すように、上面の縁に高低差30a、30b、40a、40bを設けることが好ましい。
【0010】
次に、栽培具50の外枠体40及び内枠体30について図1及び図2を用いて説明する。図2は本発明に係る栽培具50の外枠体40及び内枠体30を示す図である。外枠体40の素材は合成樹脂素材が好ましいが、必ずしも合成樹脂素材を用いる必要はなく木材や金属素材等を用いてもよい。また、外枠体40の側面には、栽培する植物の根が通過する複数個の外枠孔44を有する。当該外枠孔44は等間隔にあけられ、図1(b)に示すように楕円状を呈することが好ましい。尚、外枠孔44の形状は楕円状でなく円や三角形、四角形等のいかなる形状でも良い。外枠孔44は直線状又は千鳥状に、一列又は複数列設けることが望ましい。そして、上面の縁が低い側40aの側面に配列することが好ましい。図2(b)に示すように栽培具50が四角柱の場合は、上面の縁が低い側40aの2面に外枠孔44を配列することができる。
【0011】
次に、内枠体30は外枠体40に対して着脱自在に構成される。内枠体30の素材も外枠体40と同様、合成樹脂素材が好ましいが、必ずしも合成樹脂素材を用いる必要はなく木材や金属素材等を用いてもよい。また、内枠体30の側面には、栽培する植物の根が通過する内枠孔34を有する。内枠孔34は直線状又は千鳥状に、一列又は複数列設けることが望ましい。当該内枠孔34は等間隔にあけられ、外枠孔44と略同位置で略同等形状が好ましい。よって、内枠体30を外枠体40に装着し、土を栽培具50に補充する場合、内枠孔34は外枠孔44と孔の位置が一致する。外枠孔44と内枠孔34を一致させた時、上面の縁の低い側30a、40aも一致する。これにより、植木鉢60本体に入れられている土にかけた水を栽培具50側に流入させることができる。そして土を栽培具50に補充する前においては外枠孔44と内枠孔34を一致させないように逆にセットすることで、図1(a)に示すように上面の縁の高い側30bで壁を作り、水やり時の水の流入を防ぐと共に、植木鉢60本体中の土や、土中の水分も栽培具50側に流入することを防ぐ。尚、栽培具50の形状が円柱状の場合、内枠体30は外枠体40内にて回転し、外枠孔44と内枠孔34との位置をずらすことができる。また、栽培具50の形状が多角形状の場合は、図1(d)に示すように、一度外枠体40から内枠体30を取り出し、回転させてから再度挿入することで、外枠孔44と内枠孔34との位置をずらすことができる。
【0012】
図3(a)は本発明に係る栽培具50のX−X断面図である。また、図3(b)は栽培具50の縦方向の断面図である。図3(b)に示すように外枠体40は底面からやや上の位置に外枠体40の内側に水平に突出する外突条46を有する。外突条46は連続でもよく断続していても良い。そして、外突条46の上に内枠体30の底面が当接する。このため、外枠体40に内枠体30を設置したときに内枠体30が外枠体40の上端と同一高さになるように、内枠体30の高さを設定することが好ましい。この外突条46は土が外枠体40内に落ちた時に内枠孔34と外枠孔44との位置がずれないようにするためのものである。尚、外突条46が無い場合、土が外枠体40内に落ちた時に詰まり、外枠孔44と内枠孔34の位置が一致しなくなるが、この外突条46を有することで、外枠体40内に落ちた土は外突条46の下に落下し、これらのことを防止することができる。また、外枠体40及び内枠体30の底面には、水捌けのための例えば楕円状の外底孔42及び内底孔32を有する。尚、外底孔42及び内底孔32の形状は楕円状ではなく他の円形や三角形、四角形等のいかなる形状でも良い。
【0013】
図4(a)(b)は栽培具50を植木鉢60に一体形成した本発明に係る第一の形態の植木鉢60aを示すである。植木鉢の容量に特に限定はない。形状としてはトマトやナスなどの野菜や木本類のように高く伸びる植物は縦長にし、背の低い葉物の野菜や草花は浅型、盆栽類は更に浅型にすることが望ましい。植木鉢60aは角にアールを有する略四角形の形状を呈し、外枠体40が少なくとも一つの角に位置するように一体成形する。好ましくは、順次土の入れ替えをする際、断根時の一時的なダメージを和らげるため、栽培具50を複数設けることが好ましい。尚、植木鉢60aの形状は図6(a)(b)(c)に示すように四角柱や三角柱等の多角柱状や円柱でもよく、また、栽培具50の形状は植木鉢60aの形状に合わせて適宜変更が可能である。図5は四角柱の栽培具50を設けた植木鉢60aである。植木鉢60aの側面は上方を広く形成することが望ましいが、底面に対して垂直に形成してもよい。また、植木鉢60aの底面には水捌けのための円形状の鉢底孔62を有する。尚、鉢底孔62は必ずしも円形である必要はなく他の三角形、四角形等のいかなる形状でも良い。また、植木鉢60aの下部側面には、鉢土の水分の確認及び根の成長状態を目視可能な観察窓64を有していても良い。観察窓64には無色透明なアクリル板64aをはめ込むことが望ましい。観察窓64は図4(c)に示すように植木鉢60の側面に枠64bを設け、無色透明なアクリル板64aを差し込む。なお、観察窓は図5(a)に示すように、単にスリット64c又はメッシュ64dを設けるのでも良い。そして、観察窓の形状は長方形、円形、楕円などいかなる形状でも良い。このとき、外枠体40及び内枠体30の下部側面にも観察窓64を有していてもよい。外枠孔44と内枠孔34の側とは反対側に、植木鉢60の側面に設けられた観察窓64と同じ高さで観察窓64を設け、可視化を図る。栽培具50に土を補充した際、上面の縁の低い側30a、40aと外枠孔44と内枠孔34を合致させると、内枠体30及び外枠体40に設けた其々の観察窓64が一致し、鉢土の水分の確認及び根の成長状態が目視可能となる。観察窓64は植木鉢60、外枠体40及び内枠体30の下部側面に有することが好ましいが、上部側面等の位置に有していても良い。尚、観察窓64は他の実施例においても外枠体40や内枠体30、植木鉢60に設けることができる。
【0014】
図7は本発明に係る栽培具50を植木鉢60の底面に横方向に設けた第二の形態の植木鉢60bを示す図である。この時、植木鉢60の底面に面する部分について、下部の内枠体30と外枠体40は開口していることが好ましい。また、植木鉢60bは栽培具50を着脱自在に保持する係止具66を有する。係止具66の素材は合成樹脂であることが望ましいが、木材や金属素材等を用いてもよい。また、係止具66は図7(c)に示すように例えば一端に回転軸67aを有し、回転軸67aを起点に回転する。また、係止具66の他端には係止爪67bを備え、係止爪67bが栽培具50の側面に形成された係止受け52と係合することで、植木鉢60bと栽培具50を固定する。
【0015】
植木鉢60の底面63に、底面方向垂直に突出した直方体(図7(d)(f))又は円筒型(図7(e)(g))の底凸部68を設ける。底凸部68から、栽培具50との接する面が突出し、表面積が大きくなるので発根を促進する。図7(b)(d)に示すように直方体の底凸部68はスライド式、また、図7(e)に示すように円筒型はネジ式で、キャップ69がそれぞれ装着される。キャップ69には水抜き用の孔71が設けられる。底凸部68の部分まで根が発達した後にキャップ69を取り外して栽培具50と接すると、栽培具50側への発根が促進される。また、内枠体30の奥の上部縁には凹部70を設けて底凸部68の通過を妨げないようにしておくことが好ましい。
【0016】
図8は本発明に係る栽培具50を植木鉢60の底面に横方向に設けた第二の形態の植木鉢60bの他の例を示す図である。この時、植木鉢60の底面には、外枠体40が接している。この場合、鉢底孔62と外枠孔44は垂直方向に配列し、略同位置とすることが好ましい。内枠体30の上部は開口しており、鉢底孔62及び外枠孔44を通って栽培具50側に発根が促される。尚、植木鉢60の底面を図7(f)(g)のような構成にする場合は、底凸部68の形状に合わせて外枠孔44を設けると共に、後述する図9で示されるように、内枠体30の奥の上部縁に凹部70を設けて底凸部68の通過を妨げないようにしておくことが好ましい。
【0017】
図9は植木鉢60bと外枠体40を一体成型とし、植木鉢60bの下部に内枠体30を引き出し可能に設けた第二の形態の植木鉢60bの他の例を示す図である。植木鉢の底面63の構成については上述した実施例と同様に、図7(f)及び(g)のような構成とすることができる。観察窓64も植木鉢60bの側面や内枠体30に設けることができる。さらに、内枠体30の奥の上部縁には凹部70を設けて底凸部68の通過を妨げないようにしておくことが好ましい。
【0018】
図10は栽培具50を植木鉢60の底面に設けた三の形態の植木鉢60cを示す図である。この植木鉢60cでは上面が開口した栽培具50を着脱可能に構成する。そして、植木鉢60cは栽培具50を着脱自在に保持するための植木鉢60bと同様の係止具66を有する。また、図11に示すように植木鉢60cの底面には、鉢底孔62の他に底面方向垂直に突出した円筒形の底凸部68を有する。尚、底凸部68にはネジ条を形成し、底凸部68を覆うキャップ69を装着可能とすることが好ましい。そして、植木鉢60c内に植物の根が張ったとき、キャップを外して栽培具50を装着することで、底凸部68内に張った根が底面から突出し、栽培具50内の用土に接触するので植物の根の成長を促進することができる。尚、底凸部68は円筒形に限らず、三角、四角等のいかなる形状でもよく、上述した実施例と同様に、図7(f)及び(g)のような構成とすることができる。
【0019】
次に、本発明に係る栽培具50の使用方法を、図12を用いて説明する。まず、市販の植木鉢60を用意する。次に、図12に示すように市販の植木鉢60の中に栽培具50を任意の数挿入する。次に、植木鉢の中に用土を入れて植物を植える。この時、内枠体30を回転させ、内枠孔34と外枠孔44との位置を異なる位置にし、内枠体30内には用土は入れない。尚、初めから内枠体30の中に用土を入れると肥料・水分過多となり、植物が軟弱になる可能性がある。次に、植物の根が植木鉢60に対し十分に張ってきたことを確認したら、内枠体30を回転させ、内枠体30の内枠孔34と外枠体40の外枠孔44との位置を同位置にする。そして、内枠体30に植物の育成段階に合わせた用土を投入する。尚、この時、肥料の添加を多くした用土を用いて、いわゆる深層施肥の栽培具として使用することも可能である。
【0020】
次に、植物の根が内枠体30中に成長が進み根詰まり状態となって、土の交換が必要になった場合、内枠体30を外枠体40から抜き取る。そして、植物の成長に応じた用土への入れ替えを行う。尚、内枠体30内に成長した古い根を内枠体30の抜き取りと同時に断根することにより、養分の吸収率が良い若い根が成長するため、植木鉢の容量を広げることなく、植物の成長効率を向上させることができる。尚、栽培具50を複数本差しておくことにより、用土の入れ替えを順次行うことができるため、植物の根に対する断根時の一時的なダメージを分散して、効果的に土の入れ替えを行うことができる。
【0021】
次に、本発明に係る第一の形態の植木鉢60aの使用方法を説明する。まず、図4に示す植木鉢60aの中に用土を入れて植物を植える。この時、内枠体30を回転させ、内枠体30の内枠孔34と外枠体40の外枠孔44との位置を異なる位置にし、内枠体30内には用土は入れない。次に、第一形態の植木鉢60aの下部に付いている観察窓64にて植木鉢内部を確認し、植物の根が植木鉢60aに対し十分に張ってきたことを確認したら、内枠体30を回転させ内枠孔34と外枠孔44との位置を同位置にする。そして、内枠体30に植物の育成段階に合わせた用土を投入する。尚、内枠体30及び外枠体40が多角柱の場合は、一旦内枠体30を引き抜いて回転させ、再度外枠体40へ挿入する。
【0022】
次に、外枠体40及び内枠体30側の観察窓64を確認し、例えば植物の根が内枠体30中で根詰まり状態となり、土の交換が必要になった場合、内枠体30を外枠体40から抜き取る。そして、植物の成長に応じた用土への入れ替えを行う。尚、内枠体30内に成長した古い根は内枠体30の抜き取りと同時に断根されるため、養分の吸収率が良い若い根が成長し、植木鉢の容量を広げることなく、植物の成長効率を向上させることができる。尚、内枠体30による用土の入れ替えを順次行うことにより、植物の根に対する断根時の一時的なダメージを分散して、効果的に土を入れ替えることができる。
【0023】
次に、本発明に係る第二の形態の植木鉢60bの使用方法を説明する。まず、図7に示す植木鉢60bの中に用土を入れて植物を植える。このとき、係止具66の係合状態を解除して、栽培具50は取り外しておく。次に、植木鉢60b内に根が張ってきたことを確認したら、係止具66を用いて植木鉢60bに栽培具50を装着する。尚、最初から植木鉢60bと栽培具50を係合しておく場合は、植木鉢60b内に根が張るまで、土を内枠体30内にはまだ入れないでおくことが好ましい。次に、外枠体40から内枠体30を引き出し、植物の育成段階に合わせた用土を投入する。次に、内枠体30を外枠体40に挿入する。
【0024】
次に、外枠体40及び内枠体30の観察窓64を確認し、植物の根が内枠体30中で根詰まり状態となって、土の交換が必要になった場合、内枠体30を外枠体40から抜き取る。そして、植物の成長に応じた用土への入れ替えを行う。尚、内枠体30内に成長した古い根は内枠体30の抜き取りと同時に断根されるため、養分の吸収率が良い若い根が成長し、植木鉢の容量を広げることなく、植物の成長効率を向上させることができる。尚、内枠体30による用土の入れ替えを順次行うことにより、植物の根に対する断根時の一時的なダメージを分散して、効果的に土を入れ替えることができる。
【0025】
次に、図10に示す第三の形態の植木鉢60cの使用方法を説明する。まず、植木鉢60cの中に用土を入れて植物を植える。このとき、係止具66の係合状態を解除して、栽培具50は取り外しておく。尚、キャップ69は装着しておく。次に、植木鉢60c内に根が張ってきたことを確認したら、栽培具50に植物の育成段階に合わせた用土を投入し、キャップ69を取り外し、係止具66を用いて植木鉢60cに栽培具50を装着する。尚、底凸部68内に根が張ることにより、植木鉢60cの植物の根が栽培具50内の用土と密接しやすくなり、植物の根の成長を促進することができる。最初から植木鉢60cと栽培具50を係合しておく場合は、植木鉢60c内に根が張るまで、土を栽培具50内にはまだ入れないでおくことが好ましい。
【0026】
次に、栽培具50の観察窓64を確認し、植物の根が栽培具50中に根詰まり状態となり、土の交換が必要になった場合、栽培具50を取り外し、栽培具50内に植物の成長に応じた用土の入れ替えを行う。尚、このとき栽培具50内に成長した古い根を栽培具50の取り外しと同時に断根することにより、養分の吸収率が良い若い根が成長するため、植木鉢の容量を広げることなく、植物の成長効率を向上することができる。尚、栽培具50を複数使用することにより、用土の入れ替えを順次行うことができるため、植物の根に対する断根時の一時的なダメージを分散して、効果的に土を入れ替えることができる。
【0027】
以上のように、本発明に係る栽培具50は市販の植木鉢60に使用することで簡単に土や肥料を部分的に交換できるので、新しく育成スペースを設ける必要がなく、経済的に植物の成長効率を向上させることができる。又、用土を入れ替える際に内枠体30に侵入した古い根を同時に断根することにより、植物の新しい根が張るスペースを確保し旺盛な成長を維持することができる。更に、栽培具50を複数本組み込むことで時期をずらして順次土の入れ替えを行うことにより、断根による植物のダメージを分散して効果的に土を入れ替えることができる。加えて、ナス、キュウリ等の野菜の場合は用土の入れ替えと断根により、収穫期間を長くすることができる。
【0028】
尚、本例で示した栽培具50及び植木鉢60は一例であり、本発明は発明の範囲を逸脱しない範囲で変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
30 内枠体
34 内枠孔
40 外枠体
44 外枠孔
50 栽培具
60 植木鉢
60a 第一の形態の植木鉢
60b 第二の形態の植木鉢
60c 第三の形態の植木鉢
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12