(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469046
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】縦型ウエハボート
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20190204BHJP
H01L 21/22 20060101ALI20190204BHJP
H01L 21/324 20060101ALI20190204BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20190204BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
H01L21/31 F
H01L21/22 511G
H01L21/324 Q
C23C16/458
H01L21/68 N
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-140126(P2016-140126)
(22)【出願日】2016年7月15日
(65)【公開番号】特開2018-11011(P2018-11011A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2018年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】507182807
【氏名又は名称】クアーズテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100187506
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 優子
(72)【発明者】
【氏名】荻津 健
【審査官】
宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−251919(JP,A)
【文献】
特開平10−022227(JP,A)
【文献】
特開平01−168030(JP,A)
【文献】
特開平04−144124(JP,A)
【文献】
特開平05−234949(JP,A)
【文献】
特開平06−224146(JP,A)
【文献】
特開平08−102486(JP,A)
【文献】
特開平08−130192(JP,A)
【文献】
特開平09−129567(JP,A)
【文献】
特開平09−082648(JP,A)
【文献】
特開平09−139352(JP,A)
【文献】
特開平09−186228(JP,A)
【文献】
特開平09−251961(JP,A)
【文献】
特開平10−041236(JP,A)
【文献】
特開2000−232151(JP,A)
【文献】
特開2005−005379(JP,A)
【文献】
特開2004−179600(JP,A)
【文献】
特開2005−311291(JP,A)
【文献】
特開2007−201417(JP,A)
【文献】
特開2008−108926(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/131547(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンウエハを搭載するための棚板部が形成された複数本の支柱と、前記支柱の上下端部を固定する天板及び底板とを備えた縦型ウエハボートであって、
前記棚板部の上面側と下面側とがボート中心側に向かって下方に傾斜すると共に、その先端部に、上方に突起して前記シリコンウエハの縁部と当接するウエハ支持部が形成されていることを特徴とする縦型ウエハボート。
【請求項2】
前記棚板部の傾斜角度は、1°以上2°以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載された縦型ウエハボート。
【請求項3】
前記ウエハ支持部の上面は、水平面状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された縦型ウエハボート。
【請求項4】
前記棚板部の径方向の長さ寸法は、40mm以上80mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された縦型ウエハボート。
【請求項5】
前記ウエハ支持部の径方向の長さ寸法は、5mm以上10mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された縦型ウエハボート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型ウエハボートに関し、例えば半導体デバイスの製造工程で使用される縦型減圧CVD装置において、シリコンウエハを保持する縦型ウエハボートに関する。
【背景技術】
【0002】
処理対象であるシリコンウエハの表面に成膜する場合、化学的気相成長による成膜を行うCVD装置が用いられる。
図3に従来の縦型減圧CVD装置30を示す。このCVD装置30は、炉本体31と、炉本体31内に収容され、複数のシリコンウエハWが収容されるプロセスチューブ32と、炉本体31とプロセスチューブ32との間に配置されるヒータ(図示せず)とを備えている。プロセスチューブ32は、高純度石英や炭化珪素(SiC)によって形成され、その内部が加熱されることによって高温の状態が維持されるようになっている。また、プロセスチューブ32は、真空ポンプ(図示せず)に接続され、プロセスチューブ32の内部を所定気圧(例えば1.3kPa)以下に減圧可能となされている。
【0003】
前記プロセスチューブ32によって覆われるベース33の中央部には、ボート受け34が設けられ、このボート受け34の上に、縦型ラック状のウエハボート1が配置される。このウエハボート1には、複数のシリコンウエハWが上下方向に所定の間隔を空けて保持されている。また、ウエハボート1の側部には、反応ガスを炉内に導入するためのガス導入管35が配設され、また、炉内の温度を測定する熱電対を内蔵した熱電対保護管36が設けられている。
【0004】
このような縦型減圧CVD装置30においては、ウエハボート1に複数のシリコンウエハWが保持され、炉本体31内に収容される。
次いで、炉内を所定圧(例えば1.3kPa以下)に減圧するとともに、例えば600〜900℃の高温に加熱し、ガス導入管35を介してキャリアガス(H
2など)とともにSiH
4などの反応性ガス(原料ガス)を炉内に導入することで、シリコンウエハWの表面に多結晶シリコン膜や窒化珪素膜(Si
3N
4)等の形成が行われる。
【0005】
従来のウエハボート1は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されるウエハボート1は、
図4に示すように、収納するシリコンウエハWよりも大きい外径を有する上下一対の天板3及び底板4と、それらを連結する複数(図では3本)の支柱2とにより構成されている。尚、天板3及び底板4は、シリコンウエハWと同様に円板状に形成されている。
【0006】
また、
図5に一部拡大して示すように、前記支柱2には、シリコンウエハWを支持するための複数の支持溝2aが設けられ、これにより支柱側面から突出した複数の棚板部2bが多段に形成され、その上面にウエハ支持部2b1が形成されている。このウエハ支持部2b1によりシリコンウエハWの周縁部が支持される。
【0007】
しかしながら、前記棚板部2bの上面であるウエハ支持部2b1によりシリコンウエハWを支持すると、ウエハ支持部2bとウエハ周縁部下面とが面接触するため、ウエハ搬入出の際の摺接によってシリコンウエハWの裏面に多数のパーティクルが発生し付着することがあった。
また、シリコンウエハWの表面にも、その上側のシリコンウエハWの裏面で発生したパーティクルが落下し、付着するという課題があった。
また、熱処理の際にシリコンウエハWが加熱されると、
図5に示すようにウエハ周縁部に多少の反りが生じ、上方の棚板部2bとの間隔(クリアランスCL)が小さくなり、ウエハ端部が棚板部2b下面に接触することがあった。
【0008】
前記課題に対し、特許文献2においては、
図6に示すように支柱2に形成された棚板部2bのウエハ支持部2b1を水平面に対し傾斜した傾斜面とした縦型ボートが開示されている。
このようにウエハ支持部2b1が傾斜することにより、略水平状態で支持されるシリコンウエハWに対しては、線接触により支持することになる。そのため、パーティクルの発生が抑制される。
また、図示するように棚板部2b全体が傾斜することにより、熱処理の際にシリコンウエハWの端部に多少の反りが生じても、ウエハ端部と上方の棚板部2bとの間隔(クリアランスCL)が大きく確保されるため、ウエハ端部と棚板部2b下面との接触を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−277781号公報
【特許文献2】特開平9−82648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、近年にあっては、シリコンウエハWの大口径化が進み、シリコンウエハWを略水平な状態に保持することが困難となってきている。
即ち、シリコンウエハWの中央部が自重により下方に撓み、熱処理とは関係なくウエハ周縁部が上方に跳ね上がる状態となる。このようにウエハ周縁部が上方に跳ねると、傾斜したウエハ支持部2b1とウエハ周縁部とが平行となる部分が生じ、線接触ではなく面接触となる。
そのため、摺接によるパーティクルが発生したり、シリコンウエハW全体に対する応力が大きくなり、スリップが発生しやすいという課題があった。
【0011】
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、処理対象のシリコンウエハを多段に設けた棚板部により支持する縦型ウエハボートにおいて、大口径のシリコンウエハであっても、シリコンウエハの撓みを抑制しつつ、ウエハ外周部の反りに対して棚板部との接触のリスクを低減することのできる縦型ウエハボートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するためになされた、本発明に係る縦型ウエハボートは、シリコンウエハを搭載するための棚板部が形成された複数本の支柱と、前記支柱の上下端部を固定する天板及び底板とを備えた縦型ウエハボートであって、前記棚板部
の上面側と下面側とがボート中心側に向かって下方に傾斜すると共に、その先端部に、上方に突起して前記シリコンウエハの縁部と当接するウエハ支持部が形成されていることに特徴を有する。
尚、前記棚板部の傾斜角度は、1°以上2°以下の範囲内であることが望ましい。
また、前記ウエハ支持部の上面は、水平面状に形成されていることが望ましい。
また、前記棚板部の径方向の長さ寸法は、40mm以上80mm以下の範囲内であって、前記ウエハ支持部の径方向の長さ寸法は、5mm以上10mm以下の範囲内であることが望ましい。
【0013】
このような構成によれば、棚板部がボート中心側に向かって下方に傾斜しているため、シリコンウエハを保持して熱処理する際に、ウエハ周縁部が上方に反った状態になっても、上方の棚板部との間隔(クリアランスCL)を充分に確保することができ、ウエハ周縁部と棚板部下面との接触を防止することができる。
また、棚板部の先端に、シリコンウエハと当接するウエハ支持部が設けられているため、シリコンウエハの支持位置がウエハ周縁端部よりも径方向内側となり、大径のシリコンウエハの中央が自重によって下方に撓んだとしても、その撓み量を小さく抑制することができる。
また、ウエハ支持部は水平面状とされ、それに対し撓みによって傾斜したシリコンウエハの下面が当接するため、当接部は線接触となり、シリコンウエハへの応力が小さく抑えられることによってスリップの発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、処理対象のシリコンウエハを多段に設けた棚板部により支持する縦型ウエハボートにおいて、大口径のシリコンウエハであっても、シリコンウエハの撓みを抑制しつつ、ウエハ外周部の反りに対して棚板部との接触のリスクを低減することのできる縦型ウエハボートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の縦型ウエハボートが備える複数の支柱のうち、1本を一部拡大して示す側面図である。
【
図2】
図2は、
図1の支柱に形成された一棚板部が有するウエハ支持部の平面図である。
【
図3】
図3は、
図3に従来の縦型減圧CVD装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、従来のウエハボートの斜視図である。
【
図5】
図5は、従来のウエハボートの支柱を一部拡大した側面図である。
【
図6】
図5は、従来の他のウエハボートの支柱を一部拡大した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る縦型ウエハボートの実施形態について図面に基づき説明する。尚、本発明に係る縦型ウエハボートにあっては、既に
図3、
図4を用いて説明した従来のウエハボートとは、シリコンウエハを支持する棚板部の構成のみが異なるため、その他の構成部分については詳細な説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明の縦型ウエハボート(ウエハボート1)が備える複数の支柱のうち、1本を一部拡大して示す側面図である。
図1に示すように、支柱2の内側には、その長手方向に沿って複数の支持溝2aが所定の間隔を空けて形成されている。また、複数の支持溝2aが形成されることによって板状の棚板部2bが形成されている。棚板部2bの先端には上方に所定の高さh(好ましくはh=0.3mm以上1.0mm以下)で突起するウエハ支持部2b1が形成され、ウエハ支持部2b1は
図2に平面図で示すように所定面積を有する水平面状となされている。
シリコンウエハWは、その周縁部下面が、複数の支柱2にそれぞれ形成された前記棚板部2bのウエハ支持部2b1に当接して支持され、ウエハボートに保持される。
【0018】
前記棚板部2bは、その上面側と下面側とが平行な状態で径方向に延設され、ウエハボート中心に向かって下方に傾斜している。この傾斜角度θは、好ましくは1°以上2°以下とされる。これは、傾斜角度θが2°を超えると、シリコンウエハWの搬送、載置時にウエハ支持部2b1上面とシリコンウエハWの周縁下面が接触する虞があるためである。一方、傾斜角度θが1°未満の場合には、シリコンウエハWの変形時(反り発生時)に、その周縁部上面がウエハ支持部2b1下面に接触する虞があるためである。
【0019】
また、前記棚板部2bの径方向の長さ寸法d1は、40mm以上80mm以下に形成されている。この径方向の長さ寸法d1は、支持するシリコンウエハWの径によって最適値が異なる。例えば、シリコンウエハWの径が300mmの場合には、前記寸法d1は80mmとするのが好ましい。このように棚板部2bの径方向の長さを調整し、ウエハ支持部2b1による支持位置を設定することによって、ウエハ支持部2b1の位置がウエハ周縁端部からウエハ径方向内側に寄るため、シリコンウエハWの自重による撓みの変形量を小さくすることができる。
【0020】
また、前記棚板部2bのウエハ支持部2b1は、
図2に示すように先端の左右角部が面取りされている。好ましくは面取り幅d3が0.5mm以上2mm以下とされ、2mm以上8mm以下のR面取りがなされている。
また、ウエハ支持部2b1の径方向の長さ寸法d2は、5mm以上10mm以下に形成されている。周方向の幅寸法d4は、支柱2の形状によった所望の長さに形成してよい。
ウエハ支持部2b1の表面は、好ましくは粗面化された状態(表面粗さRaが0.2μm以上0.8μm以下)とされる。この粗面化処理によって、ウエハ裏面へのスクラッチやスリップが抑制され、また、ウエハ支持部2b1のシリコンウエハWへの貼り付きが抑制されるようになっている。
【0021】
このように構成されたウエハボート1によれば、棚板部2bがボート中心に向かって下方に傾斜しているため、シリコンウエハWを保持して熱処理する際に、シリコンウエハW周縁部が上方に反った状態になっても、上方の棚板部2bとの間隔(クリアランスCL)を充分に確保することができ、シリコンウエハW周縁部と棚板部2b下面との接触を防止することができる。
また、棚板部2bの先端に、シリコンウエハWと当接するウエハ支持部2b1が設けられているため、シリコンウエハWの支持位置がウエハ周縁端部よりも径方向内側となり、大径のシリコンウエハWの中央が自重によって下方に撓んだとしても、その撓み量を小さく抑制することができる。
また、ウエハ支持部2b1は水平面状とされ、それに対し撓みによって傾斜したシリコンウエハWの下面が当接するため、当接部は線接触となり、シリコンウエハWへの応力が小さく抑えられることによってスリップの発生を防止することができる。
【実施例】
【0022】
本発明に係る縦型ウエハボートについて、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に示した縦型ウエハボートを製造し、得られたウエハボートの性能を検証した。
【0023】
具体的には、支柱を形成するため、SiC質基材に、シリコンウエハを載置するための複数の支持溝を回転切削具により形成した。
次いで、前記支持溝により形成された棚板部の上面(係止面)をサンドブラスト処理により粗面化した(Ra0.5μm)。
また、得られた支柱を酸洗浄した後、純水による洗浄を行い、乾燥することにより支柱の完成形を得た。また、必要本数の支柱を同様に形成後、これらに天板、底板を組み付け、組み立て式縦型ウエハボートを製造した。
さらに、製造した縦型ウエハボートにより口径300mmのシリコンウエハ50枚を支持し、炉内において750℃で1時間の熱処理を行った。
【0024】
実施例1〜8においては、棚板部の好ましい径方向長さ、及びウエハ支持部の径方向長さについて、熱処理後にシリコンウエハ表面に付着したパーティクルの個数(φ300mmシリコンウエハ表面に付着した0.2μm以上のパーティクル個数)並びにシリコンウエハ裏面のスリップの発生状態を見ることにより検証を行った。
表1に実施例1〜8の条件とその検証結果を示す。表1に示す検証結果において、“パーティクル付着個数”の○は、φ300mmシリコンウエハ表面に0.2μm以上のパーティクル付着が認められない状態を示し、△は、微量(φ300mmシリコンウエハ表面に0.2μm以上のパーティクル20個以下)のパーティクル付着が認められた状態を示し、×は、多量(φ300mmシリコンウエハ表面に0.2μm以上のパーティクル20個超50個以下)のパーティクル付着が認められた結果を示す。また、“スリップ発生状態”の○は、スリップが発生しなかった状態を示し、×は、スリップが発生した状態を示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1に示すように実施例1〜4の結果、特に棚板部の径方向の長さ寸法は、40mm以上80mm以下の場合(ウエハ支持部の径方向長さは7mmに固定)において、パーティクルが付着せず、良好な結果が得られた。
また、実施例5〜8の結果、特にウエハ支持部の径方向の長さ寸法は、5mm以上10mm以下の場合(棚板部の径方向長さは60mmに固定)において、パーティクルが付着せず、良好な結果が得られた。
【0027】
実施例9〜12においては、棚板部の好ましい傾斜角度について、熱処理後にシリコンウエハ表面に付着したパーティクルの個数並びにスリップの発生状態を見ることにより検証を行った。
表2に棚板部の傾斜角度の条件及び検証結果を示す。表2に示す検証結果において、“パーティクル付着個数”の○は、φ300mmシリコンウエハ表面に0.2μm以上のパーティクル付着が認められない状態を示し、△は、微量(φ300mmシリコンウエハ表面に0.2μm以上のパーティクル20個以下)のパーティクル付着が認められた状態を示し、×は、多量(φ300mmシリコンウエハ表面に0.2μm以上のパーティクル20個超50個以下)のパーティクル付着が認められた結果を示す。また、“スリップ発生状態”の○は、スリップが発生しなかった状態を示し、×は、スリップが発生した状態を示す。
【0028】
尚、表2に、本実施例に続けて行った比較例の結果を示す。比較例1は、棚板部は傾斜しているが、上方に突起したウエハ支持部を持たない構成である。比較例2は、棚板部は傾斜せず水平であって、先端に上方に突起したウエハ支持部を持つ構成である。比較例3は、棚板部は傾斜せず水平であって、先端に上方に突起したウエハ支持部を持たない構成である。
【0029】
【表2】
【0030】
表2に示すように実施例9〜12の結果、特に棚板部の傾斜角は、1.0°以上2.0°以下の場合において、パーティクルが付着せず、良好な結果が得られた。
また、比較例1(棚板部が傾斜、支持部は突起せず)では、シリコンウエハの口径が大きいために撓みが大きくなり、棚板部と面接触になり、多量のパーティクル付着とスリップが発生した。比較例2(棚板部は水平、突起した支持部あり)では、スリップは発生しなかったが、多量のパーティクルが付着した。比較例3(棚板部は水平、支持部は突起せず)では、多量のパーティクル付着とスリップが発生した。
【0031】
以上の実施例の結果、本発明の構成により、シリコンウエハの撓みを最小にしつつ、シリコンウエハ外周部の反りに対して棚板部との接触のリスクを低減することで、パーティクルの発生を抑制し、且つスリップの発生を防止できることを確認した。
【符号の説明】
【0032】
1 ウエハボート
2 支柱
2a 支持溝
2b 棚板部
2b1 ウエハ支持部
3 天板
4 底板
W シリコンウエハ