特許第6469077号(P6469077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許64690774−アミノ−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン3−イル)−イソインドリン−1,3−ジオンを使用する中枢神経の癌の治療及び管理のための方法及び組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469077
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】4−アミノ−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン3−イル)−イソインドリン−1,3−ジオンを使用する中枢神経の癌の治療及び管理のための方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/454 20060101AFI20190204BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190204BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190204BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190204BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190204BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190204BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   A61K31/454
   A61P25/00
   A61P35/00
   A61P43/00 105
   A61P27/02
   A61P9/00
   A61P11/02
【請求項の数】25
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2016-506360(P2016-506360)
(86)(22)【出願日】2014年4月1日
(65)【公表番号】特表2016-515621(P2016-515621A)
(43)【公表日】2016年5月30日
(86)【国際出願番号】US2014032483
(87)【国際公開番号】WO2014165482
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2017年3月31日
(31)【優先権主張番号】61/807,605
(32)【優先日】2013年4月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509307635
【氏名又は名称】セルジーン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ハン ダブリュー.ツン
【審査官】 鶴見 秀紀
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−530784(JP,A)
【文献】 Drug MetabolismReviews,2011年,Vol.43,No.Suppl.2,,p.81
【文献】 Cancer Immunology Immunotherapy,2008年,57(12),pp.1849-1859
【文献】 British Journal of Haematology,2007年,Vol.140,pp.36-45
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61P 9/00
A61P 11/02
A61P 25/00
A61P 27/02
A61P 35/00
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンを含む、中枢神経系の癌を有するヒトにおける腫瘍微小環境中のマクロファージ又はナチュラル・キラー細胞を増加させるための医薬組成物。
【請求項2】
中枢神経系の癌を有するヒトにおける腫瘍微小環境中のマクロファージを増加させるための、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
中枢神経系の癌を有するヒトにおける腫瘍微小環境中のナチュラル・キラー細胞を増加させるための、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記癌が、再発した、難治性である又は従来の治療法に対して抵抗性である、請求項1〜3のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記癌が、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系固形腫瘍、神経芽細胞腫、中枢神経系癌状態、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、又はマントル層リンパ腫である、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記癌が、神経上皮腫瘍、髄膜の腫瘍、神経鞘腫瘍、膠芽細胞腫又は星状細胞腫である、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記癌が神経上皮腫瘍であり、該神経上皮腫瘍が上衣腫瘍である、請求項記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記癌が、髄膜の腫瘍、神経上皮腫瘍、神経鞘腫瘍、膠芽細胞腫、星状細胞腫、リンパ腫、血管腫、又は新生物である、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記癌が髄膜の腫瘍である、請求項記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記癌が、髄膜、下垂体、松果腺、鼻腔、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、大脳、脳室、小脳、脳幹、脊髄、馬尾、又は脳神経に確認されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記癌が、髄膜腫、膠芽細胞腫、下垂体の腫瘍、神経鞘腫瘍、神経上皮腫瘍、頭蓋咽頭種、リンパ腫、胚細胞腫瘍、星状細胞腫、乏突起膠腫、又は胚芽腫である、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記癌が神経膠腫である、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記神経膠腫が、膠芽細胞腫、星状細胞腫、乏突起膠星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫瘍、又は悪性神経膠腫NOSである、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記癌が中枢神経系リンパ腫である、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記中枢神経系リンパ腫が原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)である、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、約0.1乃至約50mg/日の量で投与されるように用いられる、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、約1、2、3又は4mg/日の量で投与されるように用いられる、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、約4mg/日の量で投与されるように用いられる、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが鏡像異性的に純粋である、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンがS鏡像異性体である、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンがR鏡像異性体である、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記組成物が、経口投与用に製剤化されている、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記組成物が、カプセル又は錠剤の形態である、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記組成物が、28日周期において、21日間投与されその後7日間停止されるように使用される、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、28日周期において、約1〜約5mg/日の量で21日間投与されその後7日間停止されるように使用される、請求項24記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている2013年4月2日に出願された米国仮特許出願第61/807,605号に対して優先権を主張している。
【0002】
1. 技術分野
本明細書において提供されるのは、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの単独又は他の治療薬との組合せでの投与による、あるタイプの中枢神経系の癌、及び原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、中枢神経系癌状態を包含するがそれらに限定されない他の疾患の治療、予防及び/又は管理方法である。詳しくは、本明細書において提供されるのは、薬物及び他の治療、例えば、従来の治療法では難治性であるものを包含するこれらの特定の癌を治療するための放射線療法の、特定の組み合わせ又は「カクテル」の使用である。本技術分野はまた、医薬組成物及び投薬方式に関する。
【0003】
本明細書において提供されるのは、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと、他の治療、例えば、放射線療法又は抗癌剤、免疫抑制薬及びステロイド類のような抗炎症薬を包含するがこれらに限定されない他の化学療法薬、との特定の組み合わせ又は「カクテル」の使用である。本技術分野はまた、治療薬として前記化合物を単独で使用する医薬組成物及び投薬方式に関する。
【背景技術】
【0004】
2. 背景
癌は、第一には、所与の正常組織に由来する異常な細胞の数の増加、これらの異常細胞による隣接する組織の浸潤、又は悪性細胞の局所リンパ節及び遠隔部位へのリンパ液又は血液を介した広がり(転移)によって特徴付けられている。臨床データ及び分子生物学の研究は、癌が、ある状況下において新生組織発生に進むかもしれない、新生物発生前の小さな変化で始まる多段階プロセスであることを示している。新生物発生病変は、特に、新生物細胞がホストの免疫監視を免れる状況下において、クローン的に進化し得且つ蔓延、成長、転移及び異質化のために容量増加を進展させ得る。ロイット アイ(Roitt, I.)、ブロストフ ジェイ(Brostoff, J)及びケール ディー(Kale, D.)の文献、Immunology、17.1-17.12(第3版、モズビー、セントルイス、ミズーリ州、1993)。
【0005】
医学書に詳細に記載されている、膨大な種類の癌がある。その例は、血液、肺、結腸、直腸、前立腺、乳房、脳及び腸の癌を包含する。リンパ腫のような様々な形態の癌が、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている2002年5月17日に出願された米国仮出願第60/380,842号に記載されている(例えば、第2.2.節 癌のタイプを参照されたい)。
【0006】
癌の多くのタイプが、新たな血管の形成、血管形成として知られている方法に関連している。腫瘍が誘導した血管形成に包含されるメカニズムのいくつかは解明されている。これらのメカニズムの最も直接的なものは、血管形成特性を伴う、腫瘍細胞によるサイトカインの分泌である。これらのサイトカインの例は、酸性及び塩基性線維芽細胞成長因子(「a,b-FGF」)、アンギオゲニン、血管内皮成長因子(「VEGF」)、及びTNF-αを包含する。代わって、腫瘍細胞は、プロテアーゼの産生と、数種のサイトカイン(例えば、「b-FGF」)が貯蔵されている細胞外マトリックスのその後の機能停止を通じて、血管形成性ペプチドを放出できる。血管形成は、炎症性細胞(特にはマクロファージ)の補充及び血管形成性サイトカイン(例えば、TNF-α、b-FGF)のその後の放出を通じて、間接的に誘導され得もする。
【0007】
つまり、血管形成を制御できるか又はTNF-αを包含するある種のサイトカインの産生を阻害できる化合物が、様々な癌性疾患及び癌状態の治療及び予防において有用であり得る。
【0008】
リンパ腫は、網内系及びリンパ系において生じる新生物の不均質なグループである。ザ メルク マニュアル(The Merck Manual)、955(第17版 1999)。非ホジキンリンパ腫(「NHL」)は、リンパ節、骨髄、脾臓、肝臓及び消化(「GI」)管を包含する免疫系における、リンパ系細胞の悪性の単クローン性増殖に関する。ザ メルク マニュアル(The Merck Manual)、958。
【0009】
マントル細胞リンパ腫(「MCL」)は、非ホジキンリンパ腫の中で全く別個のものである。ドゥラッヒ ジェイ(Drach J.)らの文献、Expert Review of Anticancer Therapy、2005、5(3)、477-485頁。国際リンパ腫分類プロジェクトにおいて、MCLは、全ての非ホジキンリンパ腫の8%を占めた。MCLは、改訂ヨーロッパ−アメリカリンパ腫分類及び世界保健機構分類において、臨床病理学的に全く別個のものとして認識されている。MCLは、従前のリンパ腫分類スキームにおいては認識されておらず、且つ、それは、しばしば、国際ワーキング製剤によってびまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫として、又は、キール分類によって中心細胞性リンパ腫として分類されていた。ザ メルク マニュアル(The Merck Manual)、958-959。
【0010】
MCLは、一次卵胞又は二次卵胞のマントル領域に局在する未感作前胚(pregerminal)中心細胞の小集団に由来するリンパ増殖性疾患である。MCLは、特定の染色体転座、t(11;14)(q13;q32)によって特徴付けられている。ドゥラッヒ ジェイ(Drach J.)らの文献、Expert Review of Anticancer Therapy、2005、5(3)、477-485頁。この転座は、第14染色体上の免疫グロブリン重鎖遺伝子及び第11染色体上のBCL1遺伝子座を包含している。ドゥラッヒ ジェイ(Drach J.)らの文献、477頁。転座の分子帰結は、タンパク質である(切断点の近くに配置されたPRAD1遺伝子によってコードされた)シクリンD1の過剰発現である。同文献。シクリンD1は、シクリン依存性キナーゼの活性化により、細胞周期の調節及びG1相からS相への細胞の進行において、鍵となる役割を果たしている。同文献。
【0011】
NHLは、ウイルス感染(エプスタイン(Ebstein)・バール・ウイルス、HIV、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型、ヒトヘルペスウイルス6)、環境因子(農薬、毛髪染料)、並びに一次及び二次免疫不全と関連している。MCL又は他のタイプのNHLの大部分の患者について、原因因子が同定されていない。MCLは、臨床転帰がよくなく、且つ、再発したか又は難治性の疾患の患者には限られた治療法の選択肢しかない不治性のリンパ腫である。ドゥラッヒ ジェイ(Drach J.)らの文献、477頁。
【0012】
原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)は、中枢神経系(「CNS」)に限定された最も頻度の高いびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(「DLBCL」)であり、且つ、予後が不良である。フェレーリ エイ ジェイ(Ferreri, A.J.)らの文献、Blood、2011、118、510-522頁。CNS腫瘍の微小環境は、CNSリンパ腫の生態に重要な役割を果たしている。標準的な治療法は、放射線照射を伴う又は伴わない、メトトレキサート大量療法及びシタラビン大量療法からなる。これらの治療によって生存は改善されているが、CNSリンパ腫の予後は、全身性DLBCLと比べて依然としてよくない。同文献。現在の治療剤は、リンパ腫細胞を標的としており、且つ、腫瘍の微小環境には、顕著な影響はない。血液脳関門は、CNSリンパ腫の有効な治療のための大きな支障である。それゆえ、より有効性が高く、優れたCNS浸透を示し、且つリンパ腫細胞のみならず腫瘍の微小環境にも影響を与える新しい方法、治療剤、及び組成物に対し、非常に大きな需要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
3. 要約
本明細書において提供されるのは、再発した、難治性である又は従来の化学療法に対して抵抗性である癌は勿論のこと、リンパ腫、原発性及び転移性の癌を含むあるタイプの癌を治療、予防又は管理するための方法及び組成物である。詳しくは、本明細書における方法は、再発した、難治性である又は抵抗性であるリンパ腫を含んで、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、中枢神経系癌状態、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、及びマントル層リンパ腫のような様々な形態の癌を治療、予防又は管理するための方法及び組成物を包含する。
【0014】
当該方法は、治療的に又は予防的に有効な量の、本明細書において提供される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、もしくはプロドラッグを、そのような治療、予防又は管理が必要な患者に投与することを含む。好ましい実施態様においては、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、単独で、即ち他の化学療法薬なしに使用される。
【0015】
他の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、癌を治療、予防又は管理するために従来使用されていた治療法との組み合わせにおいて投与される。そのような従来の治療方法の例は、これらに限定されないが、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法、免疫療法及びそれらの組合せを包含する。
【0016】
本明細書において提供されるのは、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、もしくはプロドラッグと、第二の、もしくは追加の活性薬剤もしくは成分とを含む医薬組成物、単一単位の投薬形態、及び投薬方式である。第二の活性薬剤又は成分は、特定の組合せ、又は、薬物もしくは治療法の又はその両者の「カクテル」を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
4. 図面の簡単な説明
図1図1は、雄性CD-IGSラットにおける、50mg/kg(n=3)での1回の経口投与後のポマリドミドの非結合血液及び脳濃度−時間プロファイルを示す。
【0018】
図2図2は、ポマリドミド(「POM」)が、二つのイン・ビボCNSリンパ腫モデルにおいて、生存の延長を伴う著しい前臨床治療活性を示したことを示す。Rajiモデル:A-1、A-2及びA-3。OCI-LY10モデル:B-1、B-2、及びB-3。A-1.及びB-1. 腫瘍移植後18日目のCNSリンパ腫の生物発光画像。A-2.及びB-2. 25,000Raji細胞又は1×105 OCI-LY10細胞の脳内接種後のリンパ腫成長の発光シグナル。データは、n=8について、平均±標準偏差(平均輝度 %ベースライン)として示された。Pom-3mg/kg群、Pom-10mg/kg群及びPom-30mg/kg群におけるイン・ビボ腫瘍成長は、対照群における腫瘍成長よりも著しく遅かった。、p<0.05、対照と比べた場合。A-3.及びB-3. カプラン−マイヤー(Kaplan-Meier)解析は、Pom-3mg/kg処置群、Pom-10mg/kg処置群及びPom-30mg/kg処置群における生存の延長を示した(p<0.05、n=8)。
【0019】
図3図3は、ポマリドミド(「POM」)が、RajiモデルにおけるCNSリンパ腫の微小環境において、マクロファージに大きな影響を有していたことを示す。A. POMは、脳マクロファージを著しく増加させた。A-1. 反対側の脳及び腫瘍における脳マクロファージのIba-1染色。A-2. 反対側の脳におけるIba-1陽性細胞の定量。A-3. 腫瘍におけるIba-1陽性細胞の定量。B. ポマリドミドは、頭蓋内リンパ腫異種移植片において、Ym1-発現細胞を著しく低減させ且つiNOS発現細胞を増加させた。B-1. 腫瘍中のiNOS及びYm1染色マクロファージ。B-2. 腫瘍中のiNOS染色細胞の定量。B-2. 腫瘍中のYm1染色細胞の定量。(、対照群と比べてP<0.05)。
【0020】
図4図4は、ポマリドミド(「POM」)が、OCI-LY10モデルにおけるCNSリンパ腫の微小環境において、マクロファージに大きな影響を有していたことを示す。A. ポマリドミドは、脳マクロファージを著しく増加させた。A-1. 反対側の脳及び腫瘍における脳マクロファージのIba-1染色。A-2. 反対側の脳におけるIba-1陽性細胞の定量。A-3. 腫瘍におけるIba-1陽性細胞の定量。B. ポマリドミドは、頭蓋内リンパ腫異種移植片において、Ym1の発現を著しく低減させ且つiNOS活性を増加させた。B-1. 腫瘍中のiNOS及びYm1染色マクロファージ。B-2. 腫瘍中のiNOS染色細胞の定量。B-2. 腫瘍中のYm1染色細胞の定量。(、対照群と比べてP<0.05)。
【0021】
図5図5は、ポマリドミド(「POM」)が、Raji及びOCI-LYマウスCNSリンパ腫モデルにおいて、CNSリンパ腫の微小環境でNK細胞を著しく増加させたことを示す。A-1.及びB-1. POMは、CNS腫瘍において、CD335陽性NK細胞を著しく増加させた。(元の倍率×200)。A-2.及びB-2. 腫瘍中のCD335染色細胞の蛍光強度。CD335が、NK細胞のためのマーカーとして使用された。(、対照群と比べてP<0.05)。
【0022】
図6図6は、ポマリドミドが、IL-4で処置されたヒト単球U937の極性化状態をM2からM1に変換させたことを示す。ポマリドミドは、FXIII A及びpSTAT6発現によって示されたようなヒト単球のIL-4が誘導したM2極性化を、iNOS及びpSTAT1発現によって示されたようなM1極性化に変換させた。CD11bは、ヒト単球のマーカーである。最終的な元の倍率、×400 oil。
【0023】
図7図7は、ポマリドミドが、NK細胞の存在下において、リンパ腫(Raji)関連マクロファージの極性化状態をM2からM1に変換させたことを示す。U937細胞は、それらがRajiリンパ腫細胞と共培養された際に、FXIIIA及びpSTAT6発現で示されたように、M2極性化された。U937細胞のM2極性化は、POMでの処理によって無効とされた(A)。U937細胞は、それらがRajiリンパ腫細胞及びYTS NK細胞と共に培養された際に、M2極性化された。三種培養がPOM処理で処理されたとき、U937細胞のM1極性化は、iNOS及びpSTAT1発現によって示されたように検出された(B)。CD11bは、ヒト単球のマーカーである。最終的な元の倍率、×400 oil。
【0024】
図8図8は、ポマリドミドが、NK細胞の存在下において、リンパ腫(OCI-LY10)関連マクロファージの極性化状態をM2からM1に変換させたことを示す。U937細胞は、それらがOCI-LY10リンパ腫細胞と共培養された際に、FXIIIA及びpSTAT6発現で示されたように、M2極性化された。U937細胞のM2極性化は、POMでの処理によって無効とされた(A)。U937細胞は、それらがOCI-LY10リンパ腫細胞及びYTS NK細胞と共に培養された際に、M2極性化された。三種培養がPOM処理で処理されたとき、U937細胞のM1極性化は、iNOS及びpSTAT1発現によって示されたように検出された(B)。CD11bは、ヒト単球のマーカーである。最終的な元の倍率、×400 oil。
【0025】
図9図9は、ポマリドミドが、一次マウス小膠細胞(A)及びヒト単球U937細胞(B)の食細胞活性を著しく増加させたことを示す。(、対照群と比べてP<0.05)。
【0026】
図10図10は、ポマリドミド(「POM」)へのデキサメタゾン(「DEX」)の週一回の添加が、Raji CNSリンパ腫モデルにおける生存のさらなる改善を導いたことを示す。A. C. E. 25,000Raji細胞の脳内接種後4日目、8日目、11日目、15日目及び18日目におけるリンパ腫成長の発光シグナル。データは、n=8について、平均±標準偏差(平均輝度)として示された。、対照と比べてP<0.05;**、対照及びDEXと比べてP<0.05;***、対照、DEX単独及びPOM単独処理群と比べてP<0.05。B.D.F. カプラン−マイヤー解析は、POM単独処理群と比べて、DEX+POM 10mg/kg処置群及びDEX+POM 30mg/kg処置群での生存の延長を示す(p<0.05、n=8)。
【0027】
図11図11は、ポマリドミドが、IL-4処理一次マウス小膠細胞の極性化状態をM2からM1に変換させたことを示す。ポマリドミドは、FXIIIA及びpSTAT6発現で示されたように、小膠細胞のIL-4で誘導されたM2極性化を、iNOS及びpSTAT1発現によって示されたように、M1極性化に変換させた。CD11bは、ヒト単球のマーカーである。最終的な元の倍率、×400 oil。
【0028】
図12図12は、ポマリドミドが、IL-4処理一次マウス腹膜マクロファージの極性化状態をM2からM1に変換させたことを示す。ポマリドミドは、FXIIIA及びpSTAT6発現で示されたように、マクロファージのIL-4で誘導されたM2極性化を、iNOS及びpSTAT1発現によって示されたようなM1極性化に変換させた。CD11bは、ヒト単球のマーカーである。最終的な元の倍率、×400 oil。
【0029】
図13図13は、ポマリドミドが、一次マウスNK細胞の存在下において、リンパ腫(Raji)関連一次マウス小膠細胞の極性化状態をM2からM1に変換させたことを示す。小膠細胞は、それらがRajiリンパ腫細胞と共培養された際に、FXIIIA及びpSTAT6発現で示されたように、M2極性化された。それらのM2極性化はPOMでの処理によって無効とされた(A)。それらは、それらがRajiリンパ腫細胞及び一次NK細胞と共に培養された際に、M2極性化された。三種培養がPOM処理で処理されたとき、小膠細胞のM1極性化は、iNOS及びpSTAT1発現によって示されたように検出された(B)。F4/80は、マウス小膠細胞のマーカーである。最終的な元の倍率、×400 oil。
【0030】
図14図14は、ポマリドミドが、一次マウスNK細胞の存在下において、リンパ腫(OCI-LY10)関連一次マウス小膠細胞の極性化状態をM2からM1に変換させたことを示す。小膠細胞は、それらがOCI-LY10リンパ腫細胞と共培養された際に、FXIIIA及びpSTAT6発現で示されたように、M2極性化された。それらのM2極性化はPOMでの処理によって無効とされた(A)。それらは、それらがOCI-LY10リンパ腫細胞及び一次NK細胞と共に培養されたとき、M2極性化された。三種培養がPOM処理で処理されたとき、小膠細胞のM1極性化は、iNOS及びpSTAT1発現によって示されたように検出された(B)。F4/80は、マウス小膠細胞のマーカーである。最終的な元の倍率、×400 oil。
【発明を実施するための形態】
【0031】
5. 発明の詳細な説明
第一の実施態様は、癌を治療、管理又は予防する方法であって、そのような治療、管理又は予防が必要な患者に、治療的又は予防的に有効な量の本明細書において提供される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、もしくはプロドラッグを投与することを含む方法を包含する。
【0032】
詳しくは、方法は、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、中枢神経系癌状態、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、マントル層リンパ腫、及び顕微鏡下で見ることができるいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫(結節性、びまん性、芽球性及びマントル層リンパ腫)を含むがそれらに限定されない様々な形態の癌を治療、予防又は管理するための方法を包含する。一の実施態様において、当該癌は、難治性であるか、再発したか、又は4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン以外の化学療法に対して抵抗性である。
【0033】
単独且つ独特の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、癌を治療、管理もしくは予防するための他の薬物(「第二の活性薬剤又は成分」)又は他の治療法との組み合わせで投与される。第二の活性薬剤は、小分子のものと大分子のもの(例えば、タンパク質及び抗体)を包含し、それらの例は、幹細胞又は臍帯血同様、本明細書において提供される。本明細書において提供される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの投与との組み合わせにおいて使用され得る方法又は治療法は、これらに限定されないが、手術、輸血、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、及び癌を治療、予防もしくは管理するために現在使用されている他の薬物に基づかない治療法を包含する。
【0034】
他の実施態様は、癌以外の病気又は疾患の治療、管理又は予防方法であって、望ましくない血管形成によって特徴付けられている方法を包含する。これらの方法は、治療的又は予防的に有効な量の4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、もしくはプロドラッグの投与を含む。
【0035】
本明細書において提供されるのは、本明細書において開示される方法において使用され得る医薬組成物(例えば、単一単位投薬形態)である。具体的な医薬組成物は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、もしくはプロドラッグ、及び第二の活性薬剤又は成分を含む。
【0036】
5.1 ポマリドミド
従前はCC-4047として参照されていたポマリドミド(ポマリスト(Pomalyst(登録商標))としても知られている)は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの化学名を有する。ポマリドミドは、例えばLPSに誘導された単球TNFα、IL-1β、IL-12、IL-6、MIP-1、MCP-1、GM-CSF、G-CSF、及びシクロオキシゲナーゼ-2産生を阻害し、且つ、様々な疾患の治療において使用され得る化合物である。例えば、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第5,635,517号、同第6,316,471号、同第6,476,052号、同第7,393,863号、同第7,629,360号及び同第7,863,297号;並びに米国特許出願公開第2005/0143420号、同第2006/0166932号、同第2006/0188475号、同第2007/0048327号、同第2007/0066512号、同第2007/0155791号、同第2008/0051431号、同第2008/0317708号、同第2009/0087407号、同第2009/0088410号、同第2009/01317385号、同第2009/0148853号、同第2009/0232776号、同第2009/0232796号、同第2010/0098657号、同第2010/0099711号、及び同第2011/0184025号を参照されたい。当該化合物は、T細胞の活性化を共刺激するとしても知られている。ポマリドミドは、直接的な抗骨髄腫殺腫瘍活性、免疫調節活性を有し、且つ、多発性骨髄腫の腫瘍細胞成長のための間質細胞支持を阻害する。具体的には、ポマリドミドは、造血腫瘍細胞の増殖を阻害し且つアポトーシルを誘導する。同文献。加えて、ポマリドミドは、レナリドミド抵抗性多発性骨髄腫細胞株の増殖を阻害し、且つ、レナリドミド感受性とレナリドミド抵抗性の両者の細胞株において、デキサメタゾンと相乗的に作用して、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する。ポマリドミドは、T細胞及びナチュラル・キラー(「NK」)細胞によって調節されている免疫力を高め、且つ、単球により、炎症反応促進性サイトカイン(例えば、TNF-α及びIL-6)の産生を阻害する。ポマリドミドはまた、内皮細胞の移動及び接着を阻止することにより、血管形成を阻害する。その多様化された薬理学的性質のために、ポマリドミドは、様々な病気又は疾患の治療、予防及び/又は管理に有用である。
【0037】
ポマリドミド及び当該化合物を合成する方法は、例えば、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第5,635,517号、同第6,335,349号、同第6,316,471号、同第6,476,052号、同第7,041,680号、同第7,709,502号、及び同第7,994,327号、並びに米国特許出願公開第2006/0178402号及び同第2011/0224440号に記載されている。
【0038】
最も好ましい実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは次の化学構造を有する:
【化1】
。本明細書において使用されているように、そして別段の指示がない場合、本明細書において「ポマリドミド」、「CC-4047」、「4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン」、又は「POM」として参照されている化合物は、本明細書において、遊離塩基、薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、アイソトポログ、重水素化誘導体、共結晶、プロドラッグ、立体異性体、ラセミ体、鏡像異性体等を指すように使用され得るが、これらに限定されない。
【0039】
別段特定されなければ、用語「固形(単数)」、「固形(複数)」、及び関連する用語は、本明細書においてポマリドミドを指すために使用される場合には、大部分は液体又は気体の状態ではない、ポマリドミドを含む物理的形態を指す。本明細書において使用される場合、用語「固形(単数)」及び「固形(複数)」は、半固形を包含する。固形は、結晶の、非晶質の、部分的結晶の、部分的非晶質の、又は形態の混合物であることができる。ポマリドミドを含む「単一成分」固形は、本質的にポマリドミドからなる。ポマリドミドを含む「多成分」固形は、その固形中に、一又は二以上のイオン及び/又は分子のような追加の種を、有意な量で含む。例えば、具体的な実施態様において、ポマリドミドを含む結晶多成分固形は、その結晶格子中において通常の位置に非共有結合した一又は二以上の種をさらに含む。
【0040】
別段特定されなければ、本明細書において使用される場合、用語「結晶の」及び関連する用語は、物質、成分、生成物、又は形態を説明するために使用される際には、当該物質、成分、生成物、又は形態が、例えばX線回折で測定された場合に実質的に結晶であることを意味する。(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、マック出版、イーストン、ペンシルベニア州、173(1990);アメリカ合衆国薬局方、第23版、1843-1844(1995)を参照されたい。)
【0041】
別段特定されなければ、本明細書における用語「結晶形態(単数)」、「結晶形態(複数)」、及び関連する用語は、単一成分結晶形及び多成分結晶形を包含する、そしてこれらに限定されないが、その多形体、溶媒和物、水和物、共結晶、他の分子錯体、塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、塩の共結晶、及び塩の他の分子錯体、並びにその多形体を包含する、所定の物質を含む結晶変態を指す。いくつかの実施態様において、ある物質の結晶形態は、非晶質形態及び/又は他の結晶形態を実質的に含まないかもしれない。他の実施態様において、ある物質の結晶形態は、一又は二以上の非晶質形態及び/又は他の結晶形態を、重量基準で約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%未満含有し得る。ある物質の結晶形態は、多くの方法によって得られ得る。そのような方法は、これらに限定されないが、溶融再結晶化、溶融冷却、溶剤再結晶化、例えばナノ細孔又はキャピラリー中のような閉所における再結晶化、例えばポリマー上のような表面又は型板上での再結晶化、例えば共結晶カウンター分子のような添加物の存在における再結晶化、脱溶媒和、脱水和、急速な蒸発、急冷、徐冷、蒸気拡散、凝華、研削、及び溶媒滴下研削を包含する。
【0042】
別段特定されなければ、本明細書における用語「多形体(単数)」、「多形形態(単数)」、「多形体(複数)」、「多形形態(複数)」、及び関連する用語は、本質的に同じ分子(単数)、分子(複数)又はイオン(複数)からなる、二又は三以上の結晶形態を指す。異なる多形体は、結晶格子中における分子又はイオンの異なる配置又は配座の結果として、異なる物性、例えば融点、融解熱、溶解度、溶解速度、及び/又は振動スペクトルのような物性、を有し得る。多形体によって示された物性における相違は、保存安定性、圧縮率及び密度(製剤及び製品製造において重要である)、及び溶解速度(生体利用効率において重要な因子である)のような医薬パラメータに影響を与え得る。安定性における相違は、化学反応性の変化(例えば、異なる酸化、その結果、ある投薬形態は、一の多形体からなるときに、他の多形体からなるときよりも、より急速に変色する)又は機構変化(例えば、速度論的に好ましい多形体が熱力学的により安定な多形体に変質するにしたがって、保存において錠剤が粉々になる)又はその両者(例えば、一の多形体の錠剤は、高湿度における崩壊の影響をより受け易い)によってもたらされ得る。極端なケースにおいて、溶解性/溶解の相違の結果として、いくつかの多形遷移が有効性の欠如をもたらし得、又は、他の極端なケースでは、毒性をもたらし得る。加えて、結晶の物性が、加工において重要であり得る。例えば、一の多形体は、溶媒和物をより形成し易いかもしれず、又は、濾過を行って不純物が無くなるように洗浄することが難しいかもしれない(例えば、粒子の形状及び大きさの分布が、多形体間で異なるかもしれない)。標準的な実施態様において、本明細書において提供されるのは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれている2013年2月19日に出願された国際出願第PCT/US2013/026662号及び2013年3月26日に出願された米国仮出願第61/805,444号に開示されているような、ポマリドミドの固体の形態である。
【0043】
別段特定されなければ、本明細書において使用される場合、用語「共結晶(cocrystal)」又は「共結晶(co-crystal)」は、非共有相互作用によって結晶格子中において一緒に結合している二又は三以上の不揮発性(non-volative)化合物からなる結晶物質を指す。
【0044】
別段特定されなければ、本明細書において使用される場合、医薬品有効成分(「API」)の用語「医薬共結晶」又は「共結晶」は、APIと一又は二以上の(本明細書において、コホーマー(coformer)として参照されている)不揮発性(non-volative)化合物からなる結晶物質を指す。APIとコホーマーは、結晶格子中において、非共有力を通じて相互作用する。標準的な実施態様において、本明細書において提供されるのは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている2013年3月26日に出願された米国仮出願第61/805,444号に開示されているような、ポマリドミドの共結晶である。一の実施態様において、本明細書において提供されるのは、ポマリドミドの固体の形態(例えば、共結晶)である。
【0045】
別段特定されなければ、本明細書において使用される場合、用語「非晶質」、「非晶質形態」、及び関連する用語は、参照された物質、成分、又は生成物が、X線回折で測定した場合に実質的に結晶でないことを意味する。ある種の実施態様において、ある物質の非晶質形態は、実質的に結晶形態を含まないかもしれない。他の実施態様において、ある物質の非晶質形態は、一又は二以上の結晶形態を、重量基準で約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%未満含有し得る。他の実施態様において、ある物質の非晶質形態は、追加の化学成分又は成分(例えば、非晶質形態をさらに安定させるのに役立ち得る添加物、ポリマー、又は賦形剤)を含有し得る。いくつかの実施態様において、非晶質形態は、固溶体であり得る。ある物質の非晶質形態は、多くの方法によって得られ得る。そのような方法は、これらに限定されないが、加熱、融液冷却(melt cooling)、急速融液冷却、溶媒蒸発、急速溶媒蒸発、脱溶媒和、凝華、研削、ボールミル粉砕、冷凍研削、噴霧乾燥、及び凍結乾燥を包含する。
【0046】
本明細書において提供される化合物は、そのような化合物を構成している原子の一又は二以上における異常な比率の原子同位体も含有し得る。例えば、当該化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、硫黄-35(35S)、又は炭素-14(14C)のような、放射性同位元素で放射性標識されていてよい。放射性標識されている化合物は、治療剤、例えば癌の治療剤、研究試薬、例えば結合試験試薬、及び診断薬、例えばイン・ビトロ造影剤として有用である。本明細書で提供される化合物の全ての同位体変種は、放射活性であってもそうでなくても、本明細書に包含されることが意図されている。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、水素(1H)、重水素(2H)、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)、及びヨウ素-131(131I)を含むがこれらに限定されない一又は二以上の同位体を、異常な比率で含有する。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、安定な形態において、即ち、非放射性の、水素(1H)、重水素(2H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、リン-31(31P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、及びヨウ素-127(127I)を含むがこれらに限定されない一又は二以上の同位体を、異常な比率で含有する。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、不安定な形態において、即ち、放射性の、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、フッ素-18(18F)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-35(35S)、塩素-36(36Cl)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-129(129I)、及びヨウ素-131(131I)を含むがこれらに限定されない一又は二以上の同位体を、異常な比率で含有する。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物中、いずれかの水素は例えば2Hであることができ、又はいずれかの炭素は例えば13Cであることができ、又はいずれかの窒素は例えば15Nであることができ、又はいずれかの酸素は例えば18Oであることができ、これらは、当業者の判断に従って実現可能である。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、異常な比率で重水素(「D」)を含有する。標準的な実施態様において、本明細書において提供されるのは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている2011年6月22日に出願された米国仮出願第61/500,053号に開示されているような、ポマリドミドのアイソトポログである。一の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供されるポマリドミドのアイソトポログの固体形態(例えば、結晶形態、非晶質形態、又はそれらの混合物)である。
【0047】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「約」及び「およそ」は、投与量、量、又は組成物もしくは投薬形態の成分の重量百分率に関連して使用される際には、特定された投与量、量、又は重量百分率から得られる効果と等価の薬理学的効果を提供すると当業者によって認められている投与量、量、又は重量百分率を意味する。ある種の実施態様において、用語「約」及び「およそ」は、このような状況において使用される際には、、特定された投与量、量、又は重量百分率の30%以内、20%以内、15%以内、10%以内、又は5%以内の投与量、量、又は重量百分率を予期する。
【0048】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「薬学的に許容され得る塩」は、その用語が参照する化合物の非毒性の酸及び塩基付加塩を包含する。許容され得る非毒性酸付加塩は、例えば、塩酸、 臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニチン酸、サリチル酸、フタル酸、塞栓(embolic)酸、エナント酸等を包含する当該技術分野で公知の有機及び無機酸又は塩基に由来するものを包含する。
【0049】
その性質が酸性である化合物は、様々な薬学的に許容され得る塩基とともに、塩を形成することができる。そのような酸性化合物の薬学的に許容され得る塩基付加塩を調製するために使用され得る塩基は、非毒性塩基付加塩、即ち、アルカリ金属 又はアルカリ土類金属塩、そして具体的にはカルシウム、マグネシウム、ナトリウム又はカリウム塩のような、しかしこれらに限定されない薬学的に許容され得る陽イオンを含有する塩を形成するものである。適切な有機塩基は、これらに限定されないが、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(meglumaine)(N-メチルグカミン)、リシン及びプロカインを包含する。
【0050】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「プロドラッグ」は、ある化合物の誘導体であって、当該化合物を提供するように、生物学的状況(イン・ビトロ又はイン・ビボ)の下で加水分解され得、酸化され得、又は反応し得るものを意味する。プロドラッグの例は、これらに限定されないが、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの誘導体であって、生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カーバメート、生物加水分解性カーボネート、生物加水分解性ウレイド、及び生物加水分解性ホスフェイト類似体のような生物加水分解性部分を含むものを包含する。プロドラッグの他の例は、-NO、-NO2、-ONO、又は-ONO2部分を含む、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの誘導体を包含する。プロドラッグは、標準的には、1 Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery、172-178、949-982 (マンフレッド イー ウォルフ(Manfred E. Wolff)編、第五版 1995)、及びDesign of Prodrugs (エイチ バンドガード(H. Bundgaard)編、エルゼビア、ニューヨーク 1985)に記載されているようなよく知られた方法を使用して調製され得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「生物加水分解性アミド」、「生物加水分解性エステル」、「生物加水分解性カーバメート」、「生物加水分解性カーボネート」、「生物加水分解性ウレイド」、及び「生物加水分解性ホスフェイト」は、1) 当該化合物の生物活性を妨げず、摂取、作用の継続、又は作用の発現のようなイン・ビボにおける当該化合物の有利な性質をもたらし得るか、又は2)生物学的に不活性であるが、イン・ビボで生物学的に活性な化合物に変えられるかのいずれかの化合物の、それぞれ、アミド、エステル、カーバメート、カーボネート、ウレイド、又はホスフェイトを意味する。生物加水分解性エステルの例は、これらに限定されないが、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(アセトキシメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、及びピバロイルオキシエチル・エステルのような)、ラクトニルエステル(フタリジル及びチオフタリジル・エステルのような)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(メトキシカルボニル−オキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル及びイソプロポキシカルボニルオキシエチル・エステルのような)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、及びアシルアミノアルキルエステル(アセタミドメチル・エステルのような)を包含する。生物加水分解性アミドの例は、これらに限定されないが、低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドを包含する。生物加水分解性カーバメートの例は、これらに限定されないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環及びヘテロ芳香族環アミン、及びポリエーテルアミンを包含する。
【0052】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、不斉中心を含み、したがって、R及びS鏡像異性体のラセミ混合物として存在し得る。本明細書において提供されるのは、この化合物の立体化学的に純粋な形態の使用と、それらの形態の混合物の使用である。例えば、鏡像異性体を同量で又は異なる量で含む混合物は、方法及び組成物において使用され得る。これらの異性体は、キラル・カラム又は光学分割剤のような標準的な技術を使用して、非対称に合成され得又は分割され得る。例えば、ジャック ジェイ(Jacques, J.)らの文献、Enantiomers, Racemates and Resolutions(ワイリー・インターサイエンス、ニューヨーク、1981);ウィラン エス エイチ(Wilen, S. H.)らの文献、Tetrahedron 33:2725 (1977);エリール イー エル(Eliel, E. L.)らの文献、Stereochemistry of Carbon Compounds(マグロウヒル、ニューヨーク、1962);及びウィラン エス エイチ(Wilen, S. H.)らの文献、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions、 268頁(イー エル エリール(E. L. Eliel)編、ノートルダム大学出版、ノートルダム、インディアナ州, 1972)を参照されたい。
【0053】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「立体異性的に純粋」は、ある化合物の一つの立体異性体を含み、且つ、当該化合物の他の立体異性体が実質的に含まれていない組成物を意味する。例えば、一つの不斉中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、当該化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まないであろう。二つの不斉中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、当該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないであろう。標準的な立体異性的に純粋な化合物は、約80重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約20重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを、より好ましくは、約90重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約10重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを、さらにより好ましくは、約95重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約5重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを、そして最も好ましくは約97重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約3重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを含む。本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「立体異性的に濃縮されている」は、約60重量%を超えるある化合物の一つの立体異性体、好ましくは約70重量%を超える、より好ましくは約80重量%を超えるある化合物の一つの立体異性体を含む組成物を意味する。本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「鏡像異性的に純粋」は、一つの不斉中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物を意味する。同様に、用語「立体異性的に濃縮されている」は、一つの不斉中心を有する化合物の立体異性的に濃縮されている組成物を意味する。換言すれば、当該方法において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンのR又はS鏡像異性体の使用が包含される。
【0054】
仮に、表現された構造とその構造に与えられた名称との間に食い違いがあるならば、表現された構造により多くのウェイトが与えられることとなっていることに気づくべきである。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、ボールド体又は破線で示されていないならば、その構造又はその構造の一部は、その構造の全ての立体異性体を包含しているとして解釈されることとなっている。
【0055】
この節におけるいずれかの参照例の引用は、そのような参照例が本出願に対する先行技術であるという自白として理解されることとなっているわけではない。
【0056】
5.2 第二の活性薬剤
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、方法及び組成物において、他の薬学的に活性な化合物(「第二の活性薬剤又は成分」)とともに使用され得又は組み合わされ得る。ある種の組み合わせが、特定のタイプの癌の治療において相乗的に働くと考えられている。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンはまた、ある種の第二の活性薬剤に関連する副作用を緩和するようにも働き得、そして、いくつかの第二の活性薬剤は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンに関連する副作用を緩和するために使用され得る。
【0057】
一又は二以上の第二の活性成分又は活性薬剤は、方法及び組成物において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと共に使用され得る。第二の活性薬剤は、大分子(例えば、タンパク質)であることができ又は小分子(例えば、合成無機、有機金属、又は有機分子)であることができる。
【0058】
大分子活性薬剤の例は、これらに限定されないが、造血成長因子、サイトカイン、並びに単クローン性及び多クローン性抗体を包含する。標準的な大分子活性薬剤は、天然に存在する又は人工的に作られたタンパク質のような生物学的分子である。特に有用なタンパク質は、イン・ビトロ又はイン・ビボにおいて、造血前駆細胞及び免疫学的に活性な形成(poietic)細胞の生存及び/又は増殖を刺激するタンパク質を包含する。他の物質が、イン・ビトロ又はイン・ビボにおいて、細胞中の委ねられた赤芽球前駆細胞の分裂及び分化を刺激する。具体的なタンパク質は、これらに限定されないが、IL-2(組み換えIL-II(「rIL2」)及びカナリア痘IL-2を包含して)、IL-10、IL-12、及びIL-18のようなインターロイキン;インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-Ia、及びインターフェロンγ-Ibのようなインターフェロン;GM-CF及びGM-CSF;及びEPOを包含する。
【0059】
方法において使用され得る具体的なタンパク質は、これらに限定されないが、フィルグラスチム(filgrastim)、これは、米国において商品名Neupogen(登録商標)(アムジェン(Amgen)、サウザンド・オーク、カリフォルニア州)で販売されている;サルグラモスチム(sargramostim)、 これは、米国において商品名Leukine(登録商標)(イムネックス(Immunex)、シアトル、ワシントン州)で販売されている;及び組み換えEPO、これは、米国において商品名Epogen(登録商標)(アムジェン(Amgen)、サウザンド・オーク、カリフォルニア州)で販売されている、を包含する。
【0060】
GM-CSFの組換え体及び突然変異型は、それらの全てが、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第5,391,485号、同第5,393,870号、及び同第5,229,496号に記載されているようにして、調製され得る。G-CSFの組換え体及び突然変異型は、それらの全てが、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第4,810,643号、同第4,999,291号、同第5,528,823号及び同第5,580,755号に記載されているようにして、調製され得る。
【0061】
本明細書において提供されるのは、天然の、自然発生の、又は組み換えタンパク質の使用である。本明細書において提供されるのは、自然発生のタンパク質の突然変異体及び誘導体(例えば、修飾体)であって、その突然変異体及び誘導体が基礎としているタンパク質の薬学的活性の少なくともいくつかをイン・ビボで示すものである。突然変異体の例は、これらに限定されないが、タンパク質であって、それらのタンパク質の自然発生型における対応する残基とは異なる一又は二以上のアミノ酸残基を有するものを包含する。また、「突然変異体」の用語によって包含されるものは、タンパク質であって、それらの自然発生型には通常は存在する糖質部分を欠くもの(例えば、非グリコシル化型)である。誘導体の例は、これらに限定されないが、IgG1もしくはIgG3がタンパク質もしくは対象のタンパク質の活性部分に融合することによって形成されたタンパク質のような、ペグ化された誘導体及び融合タンパク質を包含する。例えば、ペニチェット エム エル(Penichet, M.L.)及びモリソン エス エル(Morrison, S.L.)の文献、J. Immunol. Methods 248:91-101 (2001)を参照されたい。
【0062】
本明細書において提供される化合物との組み合わせで使用され得る抗体は、単クローン性抗体及び多クローン性抗体を包含する。抗体の例は、これらに限定されないが、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、ペルツズマブ(Omnitarg(商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))、及びG250を包含する。本明細書において提供される化合物は、また、抗-TNF-α抗体と組み合わせられ得、又は、抗-TNF-α抗体との組み合わせにおいて使用され得る。
【0063】
大分子活性薬剤は、抗癌ワクチンの形態で投与され得る。例えば、IL-2、G-CSF、及びGM-CSFのようなサイトカインを、分泌するか又は分泌を引き起こすワクチンが、方法、医薬組成物、及びキットにおいて使用され得る。例えば、エメンス エル エー(Emens, L.A.)らの文献、Curr. Opinion Mol. Ther. 3(1):77-84 (2001)を参照されたい。
【0064】
本明細書において提供される一の実施態様において、大分子活性薬剤は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの投与に関連する副作用を低減し、除去し、又は予防する。治療を始める病気又は疾患にもよるが、副作用は、これらに限定されないが、眠気(drowsiness)及び眠気(somnolence)、目まい及び起立性低血圧、好中球減少症、好中球減少症の結果としての感染症、HIVウイルス量の増加、除脈、スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症、並びに発作(例えば、けいれん大発作)を包含し得る。具体的な副作用は、好中球減少症である。
【0065】
小分子である第二の活性薬剤は、また、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの投与に関連する副作用を軽減するために使用され得る。しかしながら、いくつかの大分子と同様に、多くのものは、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと共に(例えば、前、後、又は同時に)投与されたときに、相乗効果を提供できると考えられている。小分子第二の活性薬剤の例は、これらに限定されないが、抗癌剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロイドを包含する。
【0066】
抗癌剤の例は、これらに限定されないが、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;二メシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ボルテゾミブ(Velcade(登録商標));ブレキュイナール・ナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴル;セレコキシブ(シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤);クロルアンブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デユアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチン・ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロックスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;フォスキドン;フォストリエシン・ナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモフォシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソール・ナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサート・ナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガセ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポリフィマー・ナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴル;塩酸サフィンゴル;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセート・ナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール;タリソマイシン;テコガラン・ナトリウム;タキソテール;テガファー;塩酸テレキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシル・マスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンリューロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及び塩酸ゾルビシンを包含する。
【0067】
他の抗癌薬は、これらに限定されないが、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TK拮抗薬;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸、アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗新生物薬;アンチセンス・オリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子調節剤;アポトーシス制御剤;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;β-ラクタム誘導体;β-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;b-FGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニン・スルフォキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨組織由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルランズ(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コムブレタスタチンA4;コムブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタクソール、9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エデレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;フォルフェニメクス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウム・テキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレン・ビスアセタミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタット;イマチニブ(例えばGleevec(登録商標));イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメルラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;リュープロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;線状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリンアミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルートテカン;ルテチウム・テクサフィリン;リソフィリン;細胞溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックス・メタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;エルビタックス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリアの細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節剤;窒素酸化物抗酸化剤;ニツルリン(nitrullyn);オブリメルセン(Genasense(登録商標));O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;口腔サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼルリプチン;ペガスパルガセ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化物質阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピル ビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫制御薬;プロテインキナーゼC阻害剤(単数);プロテインキナーゼC阻害剤(複数);ミクロアルガル;プロテイン・チロシン・ホスファターゼ阻害剤;プリン・ヌクレオシド・ホスフォリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビン・ポリオキシエチレン接合体;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテルリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロクイニメクス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴル;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣薬;セムスチン;セネスセンス由来阻害剤1;センス・オリゴヌクレオチド;シグナル変換阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作動性腸管ペプチド拮抗薬;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タルリムスチン;タモキシフェンメチオダイド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガファー;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣薬;チマルファシン;チモポエチン受容体作動薬;チモトリナン;チロイド刺激ホルモン;エチルエチオプルプリン錫;チラパザミン;チタノセン・ビクロリド;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルディンス(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタンチン・スチマラマーを包含する。
【0068】
具体的な第二の活性薬剤は、これらに限定されないが、リツキシマブ、ボルテゾミブ、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(Decadron(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチン、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、ギリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテール、フルオロウラシル、リューコボリン、イリノテカン、ゼローダ、CPT-11、インターフェロンα、ペギ化インターフェロンα(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームのダウノルビシン、シタラビン、ドセタキソール、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロネート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、リン酸エストラムスチンナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、及びエトポシドを包含する。
【0069】
5.3 治療及び予防方法
本明細書において提供される方法は、様々なタイプの癌を治療、予防又は管理する方法を包含する。好ましい実施態様において、方法は、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、中枢神経系癌状態、神経芽細胞腫、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、マントル層リンパ腫、及び顕微鏡下で見ることができるいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫(結節性、びまん性、芽球性及びマントル層リンパ腫)を包含するがこれらに限定されない、様々なタイプの癌を治療、予防又は管理する方法を包含する。
【0070】
ある種の実施態様において、癌は、神経上皮腫瘍(例えば、上衣腫瘍)、髄膜の腫瘍、神経鞘腫瘍、膠芽細胞腫、及び星状細胞腫(例えば、毛様細胞性星状細胞腫)からなる群から選択される。上衣腫瘍及び他の神経上皮腫瘍は、子供(年齢0−19歳)に一般的である。
【0071】
ある種の実施態様において、癌は、髄膜の腫瘍、神経上皮腫瘍(例えば、上衣腫瘍)、神経鞘腫瘍、膠芽細胞腫、星状細胞腫(例えば、毛様細胞性星状細胞腫)、リンパ腫、血管腫、及び新生物(neoplasam)からなる群から選択される。髄膜の腫瘍は、成人(年齢20歳以上)に一般的である。
【0072】
ある種の実施態様において、癌は、髄膜、下垂体、松果腺、鼻腔、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、大脳、脳室、小脳、脳幹、脊髄、馬尾、脳神経、脳の他の個所、又は神経系の他の個所に見出される。
【0073】
ある種の実施態様において、癌は、髄膜腫、膠芽細胞腫、下垂体の腫瘍、神経鞘腫瘍(例えば、聴神経腫)、神経上皮腫瘍(例えば、上衣腫瘍)、頭蓋咽頭種、リンパ腫、胚細胞腫瘍、星状細胞腫、乏突起膠腫、及び胚芽腫からなる群から選択される。
【0074】
ある種の実施態様において、癌は神経膠腫である。いくつかの実施態様において、当該神経膠腫は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、大脳、脳室、小脳、脳幹、脊髄、馬尾、脳神経、脳の他の個所、及び神経系の他の個所に見出される。いくつかの実施態様において、当該神経膠腫は、膠芽細胞腫、星状細胞腫(例えば、未分化星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫)、乏突起星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫瘍、及び悪性神経膠腫NOSからなる群から選択される。
【0075】
一の実施態様において、癌は、難治性であるか、再発したか、又は4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン以外の化学療法剤に対して抵抗性である。
【0076】
本明細書において使用される場合、別途特定されなければ、用語「治療する」は、特定の癌の症状の発症後における、化合物、又は他の追加の活性薬剤の投与を示す。本明細書において使用される場合、別途特定されなければ、用語「予防する」は、特に癌のリスクのある患者に対する、症状の発症前における投与を示す。用語「予防」は、特定の癌の症状の阻害を包含する。特に、癌の家族歴のある患者は、予防療法の好ましい候補である。本明細書において使用される場合、別途特定されなければ、用語「管理する」は、特定の癌に罹患した患者において、当該特定の癌の再発を防止し、当該特定の癌に罹患した患者が寛解状態にある時間を長くし、及び/又は当該患者の死亡率を低減することを包含する。
【0077】
本明細書において使用される場合、用語「癌」は、これらに限定されないが、固体癌及び血液感染性腫瘍を包含する。用語「癌」は、これらに限定されないが、膀胱、骨又は血液、脳、中枢神経系、乳房、頸部、胸郭、結腸、子宮内膜、食道、目、頭、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口、首、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽喉、及び子宮の癌を包含する、皮膚組織、臓器、血液、及び血管の疾患を示す。具体的な癌は、これらに限定されないが、進行性悪性腫瘍、アミロイド症、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、膠芽細胞腫多形型、膠芽細胞腫、脳幹神経膠腫、予後不良の悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、再発性悪性神経膠腫、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、デュークスC&D大腸癌、切除不能大腸癌、転移性肝細胞癌、カポジ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、顕微鏡下で見ることができるいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫(結節性、びまん性、芽球性及びマントル層リンパ腫)、悪性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸膜浸出中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭漿液性癌、婦人科癌、軟部組織の肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球増加症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維形成異常症、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除された高リスク軟部組織肉腫、切除不能肝細胞癌、ヴァンデンストレームのマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫、卵管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性ステージIV非転移性前立腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、甲状腺乳頭癌、濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、及び平滑筋腫を包含する。特定の実施態様において、癌は転移性である。他の実施態様において、癌は難治性であるか、又は、化学療法もしくは放射線療法に対して抵抗性である。
【0078】
用語「リンパ腫」は、細網内皮系及びリンパ系において発生する、腫瘍の異種グループである。非ホジキンリンパ腫(「NHL」)は、リンパ節、骨髄、脾臓、肝臓及び消化管を包含する、免疫系の部位におけるリンパ球様細胞の悪性単クローン性増殖を示す。NHLは、これらに限定されないが、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、及び顕微鏡下で見ることができるいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫(結節性、びまん性、芽球性及びマントル層リンパ腫)を包含する。用語リンパ腫は、中枢神経系に関連するタイプも包含する。
【0079】
用語「再発した」は、治療後に癌の寛解に至った患者が、癌状態に戻るという状況を示す。用語「難治性又は抵抗性」は、集中的な治療の後でさえ、患者が、残留癌状態を有している状況を示す。
【0080】
本明細書において提供されるのは、前もって癌の治療がなされたが、標準治療に対して反応性ではない患者も、前もっての治療が行われていない患者をも治療する方法である。また、本明細書において提供されるのは、いくつかの癌は、ある年齢群においてより一般的であるけれども、患者の年齢にかかわらず、患者を治療する方法である。さらに、本明細書において提供されるのは、問題となっている癌を治療するための試みにおいて手術を受けた患者も、そして手術を受けていない患者をも、治療する方法である。癌患者は、均一ではない臨床兆候及び多様な臨床上の経過及び結果を有するので、患者になされる治療は患者の予後によって多様であり得る。熟練した臨床医は、過度の実験なしに、個々の癌患者を治療するために有効に使用され得る、具体的な第二薬剤、手術のタイプ、及び薬物に基づかない標準治療のタイプを、容易に決定することができるであろう。
【0081】
本明細書において提供されるのは、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、もしくはプロドラッグを、癌に罹患しているか又は罹患しているらしい患者(例えば、ヒト)に投与することを含む方法である。
【0082】
一の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、約0.10乃至約150mg/日の単一の又は分割された一日用量で経口投与され得る。好ましい実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、一日当たり約0.1乃至約150mg、一日当たり約0.5乃至約50mg、又は一日当たり約1乃至約10mgの量で投与され得る。1日当たりの具体的用量は、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50mg/日を包含する。
【0083】
好ましい実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、一日当たり約0.1乃至50mgの量で、又は、一日当たり約0.5乃至約25mgの量で、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、中枢神経系癌状態、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、マントル層リンパ腫、及び顕微鏡下で見ることができるいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫(結節性、びまん性、芽球性及びマントル層リンパ腫)を包含するがこれらに限定されない、様々なタイプの癌の患者に投与され得る。
【0084】
特に、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、マントル細胞リンパ腫の患者に、一日当たり約0.1乃至50mg、又は、一日当たり約0.5乃至25mgの量で投与され得る。具体的な実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、癌患者に、一日当たり、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25又は50mgの量で投与され得る。具体的な実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、癌患者に、約4mg/日の量で投与され得る。
【0085】
一の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの推奨された開始容量は、0.5mg/日である。当該用量は、一日当たり、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5及び10mgとなるように、毎週、段階的に上昇され得る。最初は4mgの容量であり、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン療法を開始してから最初の4週の中又はそれが過ぎた後に発症する血小板減少症又は好中球減少症を経験する患者は、血小板数又は絶対好中球数(「ANC」)にしたがって、彼らの投薬量を調節させることができる。
【0086】
5.3.1 第二の活性薬剤を使用する組合せ療法
具体的な方法は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、もしくはプロドラッグを、一又は二以上の第二の活性薬剤との組み合わせで、及び/又は、放射線療法、輸血又は手術との組み合わせで、投与することを包含する。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの例は、本明細書に開示されている(例えば、5.1節を参照されたい)。第二の活性薬剤の例も、本明細書に開示されている(例えば、5.2節を参照されたい)。
【0087】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと第二の活性薬剤との患者に対する投与は、同じ又は異なる投与経路で、同時に又は連続して生じ得る。特定の活性薬剤のために採用される特定の投与経路の適切性は、活性薬剤それ自体(例えば、血流に入る前に分解することなく、経口で投与され得るか否か)及び治療される疾患に依存するであろう。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの好ましい投与経路は、経口である。本明細書において提供される第二の活性薬剤又は成分の好ましい投与経路は、当業者によって知られている。例えば、Physicians’ Desk Reference、(2006)を参照されたい。
【0088】
一の実施態様において、第二の活性薬剤は静脈内又は皮下投与され、1日に1回又は2回、約1乃至約1000mg、約5乃至約500mg、約10乃至約375mg、又は約50乃至約200mgの量で投与される。第二の活性薬剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理される疾患のタイプ、疾患の重症度又はステージ、並びに4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン及び患者に同時に投与される任意の追加の活性薬剤の量に依存するであろう。特定の実施態様において、第二の活性薬剤は、リツキシマブ、ボルテゾミブ、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、GM-CSF、G-CSF、EPO、タキソテール、イリノテカン、デカルバジン、トランスレチノイン酸、トポテカン、ペントキシフィルリン、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン, ドキソルビシン、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、IL2、IL8、IL18、IFN、シタラビン、ビノレルビン、又はそれらの組合せである。
【0089】
具体的な実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、リツキシマブとの組み合わせで癌患者に投与される。特定の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、一日当たり約0.1乃至約25mgの量で、毎週1回の静脈注射による375mg/m2の量のリツキシマブとの組み合わせで、癌患者に投与される。
【0090】
好ましい実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、単独で、又はリツキシマブとの組み合わせで、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、中枢神経系癌状態、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、マントル層リンパ腫、及び顕微鏡下で見ることができるいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫(結節性、びまん性、芽球性及びマントル層リンパ腫)を包含するがこれらに限定されない、様々なタイプの癌の患者に投与される。
【0091】
他の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、単独で、又はビンブラスチンもしくはフルダラビンのような第二の活性成分との組み合わせで、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、中枢神経系癌状態、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、マントル層リンパ腫、及び顕微鏡下で見ることができるいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫(結節性、びまん性、芽球性及びマントル層リンパ腫)を包含するがこれらに限定されない、様々なタイプの癌の患者に投与される。
【0092】
他の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、次のような第二の活性成分との組み合わせで投与される:再発したもしくは進行性の脳腫瘍又は再発性神経芽細胞腫の小児の患者にテモゾロミド;再発した又は進行性のCNS癌にセレコキシブ、エトポシド及びシクロホスファミド;再発性又は進行性の髄膜腫、悪性髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、再発した脳腫瘍、又は新たに診断された多形性膠芽腫の患者にテモダール;再発性膠芽細胞腫の患者にイリノテカン;脳幹神経膠腫の小児の患者にカルボプラチン;進行性悪性神経膠腫の小児の患者にプロカルバジン;予後が不良な悪性脳腫瘍、新たに診断された又は再発性多形性膠芽腫の患者にシクロホスファミド;高悪性度の再発性神経膠腫にGliadel(登録商標);未分化星状細胞腫にテモゾロミド及びタモキシフェン;又は神経膠腫、膠芽神経腫、未分化星状細胞腫又は未分化乏突起膠腫にトポテカン。
【0093】
他の実施態様において、GM-CSF、G-CSF又はEPOは、4又は6週サイクルにおいて約5日間、約1乃至約750mg/m2/日の量、好ましくは約25乃至約500mg/m2/日の量、より好ましくは約50乃至約250mg/m2/日の量、そして最も好ましくは約50乃至約200mg/m2/日の範囲の量で、皮下に投与される。ある種の実施態様において、GM-CSFは、約60乃至約500 mcg/m2の量で2時間にわたって静脈内に、又は、約5乃至約12mcg/m2/日の量で皮下に、投与され得る。具体的な実施態様において、G-CSFは、初めは約1mcg/kg/日の量で皮下に投与され得、そして、総顆粒球数の増加に応じて調節され得る。G-CSFの維持投与量が、約300(より低年齢の患者)又は480mcgの量で皮下に投与され得る。ある種の実施態様において、EPOは、週に3回、10,000単位の量で皮下に投与され得る。
【0094】
また、本明細書において提供されるのは、患者に安全且つ有効に投与され得る抗癌薬又は抗癌剤の用量を増加させる方法であって、患者(例えばヒト)に、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る誘導体、塩、溶媒和物(例えば、水和物)、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法である。この方法によって恩恵を得られる患者は、血液、皮膚、皮下組織、中枢神経系、リンパ節、脳、肺、肝臓、骨、小腸、大腸、心臓、膵臓、副腎、腎臓、前立腺、乳房、結腸直腸、又はそれらの組合せにおける具体的な癌の治療のための抗癌薬に関連する副作用に罹っているらしい患者である。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの投与は、抗癌薬の量を制限させるかもしれないような重症度である副作用を、緩和もしくは低減させる。
【0095】
一の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、経口で、そして毎日、約0.10乃至約150mg、そして好ましくは約0.5乃至約50mg、より好ましくは約1乃至約25mgの量で、患者への抗癌薬の投与に関連した副作用の発生の前、発生の間、又は発生の後に投与され得る。特定の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、好中球減少症又は血小板減少症のような、しかしこれらに限定されない抗癌薬に関連する副作用を避けるために、ヘパリン、アスピリン、クマディン、又はG-CSFのような特定の薬剤との組み合わせにおいて投与される。
【0096】
他の実施態様において、本明細書において提供されるのは、癌を治療、予防及び/又は管理する方法であって、手術、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、又は、現在、癌を治療、予防、又は管理するために使用されている薬に基づかない他の治療を含むがこれらに限定されない従来の治療法ととも(例えば、その前、その間、又はその後)に、本明細書において提供される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法である。本明細書において提供される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと従来の治療法とを組み合わせた使用は、ある種の患者には予想外に有効である、優れた治療計画を提供し得る。理論によって制限されることはないが、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、従来の治療法とともに実施されると相加又は相乗効果を提供し得るということが信じられる。
【0097】
どこかで議論されているように、本明細書において提供されるのは、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法及び免疫療法を包含するがこれらに限定されない、従来の治療法に関連する副作用又は望ましくない作用を低減し、治療し及び/又は予防する方法である。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと、他の活性成分とが、従来の治療法に伴う副作用の発生の前、その発生の間、又はその発生の後に、患者に投与され得る。
【0098】
一の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、約0.10乃至約150mg、そして好ましくは約0.5乃至約50mg、より好ましくは約1乃至約25mgの量で、経口で且つ毎日、単独で又は本明細書に開示された第二の活性薬剤(例えば、5.2節を参照されたい)との組み合わせで、従来の治療法の使用の前、使用の間、又は使用の後に投与され得る。
【0099】
5.3.2 移植療法を伴う使用
本明細書において提供される化合物は、移植片対宿主疾患(「GVHD」)のリスクを低減するために使用され得る。それゆえ、本明細書において提供されるのは、癌を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、移植療法とともに、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法である。
【0100】
当業者はよく知っているように、癌の治療は、しばしば、疾患のステージ及びメカニズムに基づく。例えば、癌のある種のステージにおいて、不可避の白血病性形質転換が進展するにしたがって、末梢血幹細胞、造血幹細胞製剤又は骨髄の移植が必要となり得る。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと、移植療法との組合せ使用は、優れた且つ予期されなかった相乗効果を提供する。特に、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、癌患者において、移植療法と共に与えられると、相加又は相乗効果を提供し得る免疫調節活性を示す。
【0101】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、移植療法との組み合わせにおいて、侵襲的移植方法と関連する合併症及びGVHDのリスクを低減するように働き得る。本明細書において提供されるのは、癌を治療、予防及び/又は管理する方法であって、臍帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞製剤又は骨髄の移植の前、その移植の間又はその移植の後に、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを患者(例えば、ヒト)に投与することを含む方法である。本明細書において提供される方法における使用に適する幹細胞の例は、その全てが参照によって本明細書に組み込まれている、アール ハリーリ(R. Hariri)らによる米国特許公報第2002/0123141号、同第2003/0235909号及び同第2003/0032179号に開示されている。
【0102】
この方法の一の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、自己末梢血前駆細胞の移植の前、その移植の間、又はその移植の後に、リンパ腫の患者に投与される。
【0103】
他の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、幹細胞移植の後に、再発したリンパ種の患者に投与される。
【0104】
5.3.3 周期療法
ある種の実施態様において、本明細書において提供される予防又は治療剤は、患者に周期的に投与される。周期療法は、ある期間における活性薬剤の投与と、その後のある期間における停止、そしてこの順次投与の繰り返しを包含する。周期療法は、一又は二以上の療法に対する抵抗性の発現を低減することができ、当該療法の一つにおける副作用を避け又は低減でき、及び/又は治療の有効性を改善することができる。
【0105】
前述の理由により、一の具体的な実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、約1週間又は2週間の停止期間を伴う4乃至6週周期において、1回量又は分割した量で、毎日投与される。当該実施態様は、さらに、投与周期の頻度、数、及び長さが増加されることを許容する。したがって、本明細書において提供される他の具体的な実施態様は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの、それが単独で投与されるときに標準的である周期よりもより多くの周期の投与を包含する。さらに他の具体的な実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、第二の活性成分も投与されることとはなっていない患者において標準的に用量を制限する毒性を生じさせるであろう周期数よりも、より多くの周期数で投与される。
【0106】
一の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、毎日、そして3又は4週間連続して、約0.10乃至約150mg/日の用量で投与され、その後1又は2週間中断される。特定の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、4又は6週周期において、約1乃至約50mg/日の量で、好ましくは約4mg/日の量で、3乃至4週間投与され、その後1又は2週間停止される。
【0107】
好ましい実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、様々なタイプの癌の患者に、28日周期において、一日当たり、約0.5mg、1mg、2mg、3mg又は4mgの量で21日間投与され、その後7日間停止される。最も好ましい実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、難治性の又は再発した癌の患者に、28日周期において、一日当たり約4mgの量で21日間投与され、その後7日間停止される。
【0108】
一の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと、第二の活性薬剤又は成分とは、第二の活性成分に30乃至60分先立って生じる4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの投与を伴って、4乃至6週間の周期の間、経口で投与される。他の実施態様において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは経口投与され、且つ、第二の活性成分は、静脈内注射で投与される。
【0109】
具体的な実施態様において、一周期は、3乃至4週間の約0.1乃至約25mg/日の4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと約50乃至750mg/m2/日の第二の活性成分の毎日の投与と、その後の1又は2週間の停止と含む。
【0110】
一の実施態様において、様々なタイプの癌の患者に、追加の活性薬剤として、リツキシマブが375mg/m2の量で投与され得る。好ましい実施態様において、難治性の又は再発した癌の患者に、追加の活性薬剤として、リツキシマブが375mg/m2の量で投与され得る。好ましい実施態様において、一周期は、21日間の毎日経口で与えられる4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの投与とその後7日間の停止、及び375mg/m2のリツキシマブの週1回の4週にわたる静脈内注射と含む。
【0111】
標準的には、患者に組合せ治療が施される間の周期数は、約1乃至約24周期、より標準的には約2乃至約16周期、そしてさらにより標準的には約4乃至約3周期であろう。
【0112】
5.4 医薬組成物及び投薬形態
医薬組成物は、個々の、単一単位投薬形態の製剤において使用され得る。本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(たとえば、水和物)、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを含有する。本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態は、さらに、一又は二以上の賦形剤を含むことができる。
【0113】
本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態は、一又は二以上の追加の活性成分をも含むことができる。それゆえ、本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態は、本明細書において開示される活性成分(例えば、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン及び第二の活性薬剤)を含む。任意の第二の、又は追加の活性成分の例は、本明細書に開示されている(例えば、5.2節を参照されたい)。
【0114】
本明細書において提供される単一単位の投薬形態は、患者に対する経口の、経粘膜の(例えば、鼻の、舌下の、腟の、頬の、又は直腸の)、非経口の(例えば、皮下の、静脈内の、ボーラス注入法、筋肉内の、又は動脈内の)、局所の(例えば、点眼薬又は他の眼科製剤)、経皮の(transdermal)、又は経皮的(transcutaneous)な投与に適している。投薬形態の例は、これらに限定されないが、錠剤;カプレット;軟ゼラチンカプセル剤のようなカプセル剤;カシェー;トローチ;薬用キャンディー;分散剤;座薬;粉末;エアロゾル(例えば、経鼻スプレー又は吸入具);ゲル;懸濁液(例えば、水性又は非水性懸濁液、水中油型乳化物、又は油中水型乳化液)、溶液及びエリキシル剤を含む、患者への経口又は経粘膜投与に適する液状の投薬形態;患者への非経口投与に適する液状の投薬形態;局所投与に適する点眼薬又は他の眼科製剤;及び患者への非経口投与に適する液状投薬形態を提供するように水で戻され得る滅菌固体(例えば、結晶性又は非晶質固体)を包含する。
【0115】
本明細書において提供される投薬形態の組成、形状及びタイプは、標準的には、それらの用途に応じて多様であろう。例えば、疾患の急性治療において使用される投薬形態は、同じ疾患の慢性治療において使用される投薬形態よりも、それが含有する活性成分の一種又は二種以上をより多量に含有し得る。同様に、非経口の投薬形態は、同じ疾患の治療のために使用される経口の投薬形態よりも、それが含有する活性成分の一種又は二種以上をより少量で含有し得る。本明細書に包含される具体的な投薬形態が他のものとは異なるものになっているであろうという、これらの及び他の観点は、当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、マック出版、イーストン、ペンシルベニア州(1990)を参照されたい。
【0116】
標準的な医薬組成物及び投薬形態は、一又は二以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、薬剤の当業者にはよく知られており、適切な賦形剤の非限定的な例は、本明細書において提供されている。特定の賦形剤が、医薬組成物及び投薬形態への組込みに適切であるか否かは、その投薬形態が患者に投与されるであろうそのやり方を包含するがこれらに限定されない、その分野でよく知られている様々な因子による。例えば、錠剤のような経口投薬形態は、非経口の投薬形態における使用には適さない賦形剤を含有し得る。特定の賦形剤の適切性は、その投薬形態内における具体的な活性成分にも依存し得る。例えば、いくつかの活性成分の分解は、乳糖のようないくつかの賦形剤によって、又は水に曝露されたときに促進され得る。第一又は第二アミンを含む活性成分は、そのような促進された分解の影響を特に受けやすい。それゆえ、本明細書において提供されるのは、単糖又は二糖ではなくて乳糖を、仮にあったとしても殆どない量で含有する医薬組成物及び投薬形態である。本明細書において使用されているように、用語「乳糖−フリー」は、存在する乳糖の量が、仮にあったとしても、活性成分の崩壊速度を実質的に増大させるのには不十分であることを意味する。
【0117】
本明細書において提供される乳糖−フリーの組成物は、その分野においてよく知られており、且つ、例えば米国薬局方(USP)25-NF20(2002)に掲載されている賦形剤を含有し得る。一般的に、乳糖−フリーの組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、及び滑沢化剤を、薬学的に混合可能であり且つ薬学的に許容され得る量で含む。好ましい乳糖−フリーの投薬形態は、活性成分、微晶質セルロース、まえもって糊化された澱粉、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0118】
さらに本明細書において提供されるのは、活性成分を含む、無水の医薬組成物及び投薬形態である。水は、いくつかの化合物の分解を促進し得るからである。例えば、水の添加(例えば5%)は、保存可能期間又は経時による製剤の安定性のような特徴を決定するために、長期にわたる保存をシミュレーションするための手段として、調剤の分野において広く受け入れられている。例えば、ジェンズ ティー カーステンセン(Jens T. Carstensen)の文献、Drug Stability: Principles & Practice、第二版、マーセルデッカー、ニューヨーク、ニューヨーク州、1995、379-80頁を参照されたい。実際、水と熱は、いくつかの化合物の分解を促進する。したがって、製剤の製造、処理、包装、貯蔵、輸送及び使用の間に、水分及び/又は湿分には一般的に遭遇するので、製剤における水の影響は大きな意義を有し得る。
【0119】
本明細書において提供される無水の医薬組成物及び投薬形態は、無水又は低水分含有量の成分と、低水分又は低湿分状況を使用して調製され得る。乳糖及び第一もしくは第二アミンを含む少なくとも一種の活性成分を含有する医薬組成物及び投薬形態は、製造、包装、及び/又は貯蔵の間に、水分及び/又は湿分との実質的な接触が予期されるならば、好ましくは無水である。
【0120】
無水の医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように、調製され且つ貯蔵されなければならない。つまり、無水の組成物は、好ましくは、水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して包装され、その結果、それらは適切な方式のキットに組み入れられ得る。適切な包装の例は、これらに限定されないが、密封されているフォイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスター包装、及びストリップ包装である。
【0121】
本明細書において提供されるのは、活性成分が分解する速度を低減させる一又は二以上の化合物を含む、医薬組成物及び投薬形態である。そのような化合物は、本明細書において「安定化剤」として示されており、これらに限定されないが、アスコルビン酸のような抗酸化剤、pH緩衝液、又は塩緩衝液を包含する。
【0122】
賦形剤の量及びタイプのように、投薬形態中における活性成分の量及び具体的なタイプは、それが患者に投与されることとなっているその経路のような、しかしこれらに限定されない因子に依存して、異なり得る。しかしながら、本明細書において提供される標準的な投薬形態は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを、約0.10乃至約150mgの量で含む。標準的な投薬形態は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを、約0.1、1、1.5、2、2.5、3、4、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150又は200mgの量で含む。具体的な実施態様において、好ましい投薬形態は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンを、約0.1、0.5、1、2.5、3、4、5、7.5、10、15、20、25又は50mgの量で含む。標準的な投薬形態は、第二の活性成分を、1乃至約1000mg、約5乃至500mg、約10乃至約350mg、又は約50乃至約200mgの量で含む。勿論、抗癌薬の具体的な量は、使用された具体的な薬剤、治療又は管理される癌のタイプ、並びに4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン及び患者に同時に投与される任意の追加の活性薬剤の量に依存するであろう。
【0123】
5.4.1 経口の投薬形態
本明細書において提供される経口投与に適する医薬組成物は、錠剤(例えばチュアブル錠)、カプレット、カプセル剤、及び液体(例えば、香味付けされたシロップ)のような、しかしこれらに限定されない、個別の投薬形態として提供され得る。そのような投薬形態は、前もって決められた量の活性成分を含有し、且つ、当業者にはよく知られた調剤学の方法によって調製され得る。一般的に、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、マック出版(Mack Publishing)、イーストン、ペンシルベニア州(1990)を参照されたい。
【0124】
一の実施態様において、好ましい投薬形態は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンを約0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25又は50mgの量で含むカプセル剤又は錠剤である。具体的な実施態様において、好ましいカプセル剤又は錠剤の投薬形態は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンを約1、2、3又は4mgの量で含む。
【0125】
本明細書において提供される標準的な経口の投薬形態は、従来の調剤学の配合技術にしたがって、緊密な混合物中において活性成分を少なくとも一種の賦形剤と組み合わせることによって調製される。賦形剤は、投与のために所望される製剤の形態に応じて、多種多様の形態をとり得る。例えば、経口の液体又はエアロゾル投薬形態における使用に適する賦形剤は、これらに限定されないが、水、グリコール、油、アルコール、香味付け剤、防腐剤、及び着色剤を包含する。固体の経口投薬形態(例えば、粉末、錠剤、カプセル剤、及びカプレット)における使用に適する賦形剤の例は、これらに限定されないが、澱粉、糖、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢化剤、結合剤、及び崩壊剤を包含する。
【0126】
それらの投与の容易さのために、錠剤及びカプセル剤が最も有利な経口投薬の単位形態を示しており、その場合、固体の賦形剤が使用される。所望であれば、錠剤は、標準的な水を含む又は水を含まない技術によって被覆され得る。そのような投薬形態は、調剤学の方法のいずれかによって調製され得る。一般的には、医薬組成物及び投薬形態は、活性成分を、液体の担体、微粉化した固体担体、又はその両者と均一且つ緊密に混ぜ、且つ、その後、必要であれば生成物を所望の体裁に成形することによって調製される。
【0127】
例えば、錠剤は、圧縮又は成形によって調製され得る。圧縮された錠剤は、任意に賦形剤と混合された、粉末又は顆粒のような自由流動形状の活性成分を、適切な機械で圧縮することによって調製され得る。成形された錠剤は、不活性な液状希釈剤で湿らされた粉末化された化合物の混合物を、適切な機械で成形することによって製造され得る。
【0128】
本明細書において提供される経口の投薬形態において使用され得る賦形剤の例は、これらに限定されないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢化剤を包含する。医薬組成物及び投薬形態における使用に適する結合剤は、これらに限定されないが、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、又は他の澱粉、 ゼラチン、アカシアゴム、 アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化されたトラガカント、グアーガムのような天然及び合成ゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース・カルシウム、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム )、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、前もって糊化された澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、Nos. 2208, 2906, 2910)、微晶質セルロース、及びそれらの混合物を包含する。
【0129】
微晶質セルロースの適切な形態は、これらに限定されないが、アビセル(AVICEL)-PH-101、アビセル-PH-103 アビセルRC-581、アビセル-PH-105(エフ・エム・シー・コーポレーション、アメリカのビスコース部、アビセル販売課、マーカスフック、ペンシルベニア州から入手可能)として販売されている物質、及びそれらの混合物を包含する。具体的な結合剤は、アビセルRC-581として販売されている、微晶質セルロースとカルボキシメチルセルロース・ナトリウムとの混合物である。適切な無水又は低水分量の賦形剤又は添加剤は、アビセル-PH-103(商標)及び澱粉1500LMを包含する。
【0130】
本明細書に開示された医薬組成物及び投薬形態における使用に適する充填剤の例は、これらに限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微晶質セルロース、粉末化セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、澱粉、前もって糊化された澱粉、及びこれらの混合物を包含する。本明細書において提供される医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、標準的には医薬組成物又は投薬形態の約50乃至約99重量%で存在する。
【0131】
本明細書において提供される組成物において、水を含む環境にさらされたときに崩壊する錠剤を提供するために、崩壊剤が使用される。過剰量の崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵中に崩壊し得、一方、過少量の崩壊剤を含有する錠剤は、所望の速度で又は所望の状況下で崩壊し得ないであろう。したがって、活性成分の放出に悪影響を及ぼすような過剰でも過少でもない充分な量の崩壊剤が、本明細書において提供される固体の経口投薬形態を形成するために使用されるべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプに基づいて多様であり、且つ、当業者には容易にわかる。標準的な医薬組成物は、約0.5乃至約15重量%の崩壊剤を、好ましくは約1乃至約5重量%の崩壊剤を含む。
【0132】
本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態において使用され得る崩壊剤は、これらに限定されないが、寒天-寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、クロスカルメロース・ナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリン・カリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、ジャガイモ又はタピオカ澱粉、他の澱粉、前もって糊化された澱粉、他の澱粉、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びそれらの混合物を包含する。
【0133】
本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態において使用され得る滑沢化剤は、これらに限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素添加された植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びそれらの混合物を包含する。追加の滑沢化剤は、例えば、シロイド(syloid)シリカゲル(アエロジル(AEROSIL)200、メリーランド州バルチモアのダブリュー・アール・グレース・カンパニー製)、合成シリカの凝固したエアゾール(テキサス州プラーノのデグッサ・カンパニーによって市販されている)、CAB-O-SIL(マサチューセッツ州ボストンのカボット・カンパニーによって販売されている発熱性二酸化珪素製品)、及びそれらの混合物を包含する。とにかく使用されるのであれば、滑沢化剤は、標準的には、それらが添加される医薬組成物又は投薬形態の約1重量%未満の量で使用される。
【0134】
本明細書において提供される好ましい固体の経口での投薬形態は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン、無水乳糖、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンを含む。
【0135】
5.4.2 遅延放出性の投薬形態
本明細書において提供される活性成分は、当業者によく知られている、制御された放出手段又は搬送装置によって投与され得る。例は、これらに限定されないが、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第 3,536,809号、同第3,598,123号、同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、及び同第5,733,566号に記載されているものを包含する。そのような投薬形態は、様々な比率で所望の放出プロフィールを提供するために、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマー・マトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組合せを使用して、一種又は二種以上の活性成分のゆっくりとした又は制御された放出を提供するように使用され得る。本明細書に記載されているものを含んで、当業者に知られている適切に制御された放出製剤は、本明細書において提供される活性成分を伴う使用のために、容易に選択され得る。したがって、本明細書において提供されるのは、制御された放出に適応させられている錠剤、カプセル剤、ジェルキャップ、及びカプレットのような、しかしこれらに限定されない、経口投与に適する単一単位の投薬形態である。
【0136】
すべての制御された放出型の医薬製品は、制御されない同等品によって達成された到達点を超えた、薬物治療を改善さする一般的な終着点を有する。理想的には、薬物療法における最適に設計された制御された放出型製剤の使用は、最少時間でその状態を治療又は制御するために使用される最少の薬物によって特徴付けられる。制御された放出型製剤の利点は、薬物の長時間の活性、低減された投薬頻度、及び患者の薬物服用順守の増加を包含する。加えて、制御された放出型製剤は、作用の発現時間又は薬物の血中レベルのような他の特徴に影響を与えるために使用され得、したがって、副作用(例えば、悪影響)の発生に影響を与え得る。
【0137】
大部分の制御された放出型の製剤は、所望の治療効果を即座に生ずるある量の薬物(活性成分)を初めに放出し、そして、このレベルの治療又は予防効果を長時間にわたって維持するために、薬物の他の量を徐々に且つ連続的に放出するように設計される。体内における薬物のこの一定レベルを維持するために、薬物は、代謝され且つ体から排出される薬物量を置換するような速度で、投薬形態から放出されなければならない。活性成分の制御された放出は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的な状態又は化合物を包含するがこれらに限定されない様々な状態によって刺激され得る。
【0138】
5.4.3 非経口の投薬形態
非経口の投薬形態は、皮下、静脈内(ボーラス注入法を含む)、筋肉内、及び動脈内を包含するがこれらに限定されない、様々な経路によって患者に投与され得る。それらの投与は、標準的には混入物質に対する患者の自然免疫能を概して回避するので、非経口の投薬形態は、好ましくは殺菌されており、又は患者への投与の前に殺菌され得る。非経口の投薬形態の例は、これらに限定されないが、注入の準備ができた溶液、薬学的に許容され得る注入用ビヒクル中での溶解又は懸濁の準備ができた乾燥製品、注入の準備ができた懸濁物、及び乳化物を包含する。
【0139】
本明細書において提供される、非経口の投薬形態を提供するために使用され得る適切なビヒクルは、当業者によく知られている。例は、これらに限定されないが、米国薬局方の注射用蒸留水、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸加リンゲル注射液のような、しかしこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールのような、しかしこれらに限定されない水混和性ビヒクル;及びトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルのような、しかしこれらに限定されない非水性ビヒクルを包含する。
【0140】
本明細書において開示される活性成分の一種又は二種以上の溶解性を高める化合物もまた、本明細書において提供される非経口の投薬形態に組み込まれ得る。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体が、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン及びその誘導体の溶解性を高めるために使用され得る。例えば、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第5,134,127号を参照されたい。
【実施例】
【0141】
6. 実施例
本明細書によって提供されるある種の実施態様が、次の非限定的な例によって説明される。
【0142】
6.1 中枢神経系リンパ腫の治療
6.1.1 導入
原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)は、中枢神経系(「CNS」)に限定された、最も頻度の高いびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(「DLBCL」)であり、且つ、予後の不良をもたらす。フェレーリ エイ ジェイ(Ferreri A.J.)らの文献、Blood、2011、118、510-522頁。CNS腫瘍の微小環境は、CNSリンパ腫の生態において重要な役割を果たす。標準的な治療は、放射線照射を伴うか又は伴わない、高用量のメトトレキサート及び高用量のシタラビンからなる。これらの治療によって生存率の改善は為されるけれども、CNSリンパ腫の予後は、全身性DLBCLと比べて不良のままである。同文献。現在の治療剤は、リンパ腫細胞を標的としており、且つ腫瘍の微小環境に多大な影響を及ぼしてはいない。血液脳関門は、CNSリンパ腫の有効な治療のための大きな障壁である。したがって、より有効性に優れ、優れたCNS浸透を示し、且つリンパ腫細胞同様腫瘍の微小環境に影響を及ぼす治療剤が開発される必要がある。
【0143】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)、サリドマイド類似体であり且つ新規の免疫調節剤が、リンパ腫細胞株に対するイン・ビトロ活性を示しており、且つ、マウス・モデルにおいて、全身性リンパ腫に対してイン・ビボ前臨床活性を示している。ヘルナンデス−イリザリツーリ エフ ジェイ(Hernandez-Ilizaliturri, F.J.)らの文献、Cancer、2011、117、5058-5066頁。レナリドミド、免疫調節活性を有する他のサリドマイド類似体は、PCNSLの95%超においてみられたDLBCLのサブタイプである全身性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の活性化されたB細胞サブタイプに対して、治療活性を示している。ヘルナンデス−イリザリツーリ(Hernandez-Ilizaliturri)の文献、2011;カミレリ−ブロエット エス(Camilleri-Broet, S.)等の文献、Blood、 2006、107、190-196頁。症例報告もまた、難治性眼内リンパ腫と、CNSに影響を与えている芽球様マントル細胞リンパ腫におけるレナリドミドの活性を示している。ルビンスタイン ジェイ エル(Rubenstein, J.L.)らの文献、J. Clin. Oncol.、2011、29、e595-597頁;コックス エム シー(Cox, M.C.)らの文献、Am. J. Hematol.、2011、86、957頁。
【0144】
中枢神経系リンパ腫に対する4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの治療における使用を決定するために、包括的な前臨床研究が行われた。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンのCNS浸透を評価するために、ラットにおいて、中枢神経系(「CNS」)薬物動態解析が行われた。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの前臨床評価が、2匹のマウス・モデルにおいて、CNSリンパ腫に対するその治療活性を評価するために実施された。CNSリンパ腫免疫微小環境における4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの影響が、免疫組織化学及び免疫蛍光法によって評価された。マクロファージの生態における4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの影響をさらに研究するために、イン・ビトロ細胞培養実験が行われた。
【0145】
化合物4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、約39%のCNS浸透を伴って、血液脳関門を横断した。前臨床評価は、(1)それは、腫瘍成長速度の著しい低減と生存の延長を伴って、CNSリンパ腫に対して著しい治療活性を有していた;(2)それは、マクロファージ及びナチュラル・キラー細胞の増加を伴って、腫瘍微小環境に大きな影響を有していた;及び(3)それは、マクロファージが極性化状態に基づいて評価されたときに、M2極性化腫瘍関連マクロファージを低減させ且つM1極性化マクロファージを増加させたことを示した。様々なマクロファージ・モデルを使用したイン・ビトロ研究は、(1)4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、IL-4で刺激されたマクロファージの極性化状態を、M2からM1に変換した;(2)Bリンパ腫細胞と共培養されたマクロファージの極性化状態において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンによるM2からM1への変換は、NK細胞の存在に依存する;(3) 4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、STAT6シグナリングの不活性化及びSTAT1シグナリングの活性化により、マクロファージの極性化において、M2からM1への変換を誘導した、及び(4)機能的には、それはマクロファージの貪食活性を増強させたことを示した。
【0146】
その研究結果は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、優れたCNS浸透、著しい前臨床治療活性、腫瘍の微小環境における大きな影響を有し、且つCNSリンパ腫のための約束された治療剤であることを示している。さらに、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、腫瘍関連マクロファージにおいて、著しい生態変化を誘導することができ、これは、おそらくは、CNSリンパ腫に対する治療活性において、大きな役割を果たす。
【0147】
6.1.2 材料と方法
セルジーン研究所において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンのCNS薬物動態解析が行われた。フロリダのメイヨー・クリニックのツン(Tun)研究所が、他の実験の全てを行った。
【0148】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンのCNS薬物動態解析: セルジーンからの、化合物4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド、分子量 273.25、C13H11N3O4)及びCC-6032(分子量 287.27、C14H13N3O4)が、薬物動態解析に使用された。CC-6032は、微小透析実験において、プローブ・キャリブレーターとして使用された。
【0149】
微小透析: 合計で3匹の雄性CD-IGSラットが使用された。チャールス・リバー研究所によって供給された胃にカニューレが装着されたCD-IGSラット(雄性、重量範囲:250-300g)が、この研究において使用された。手術の後、すべての動物は、標準的な寝床材料を有するBASi Raturn(登録商標)封じ込めシステム中で飼育された。ラットの食事と水は、自由にとることができ、且つ、すべての動物は、午前6時から午後6時までの12時間点灯するというスケジュールの下、常温室に保持された。
【0150】
動物の手術は、IACUCプロトコルにしたがって、頸動脈にCMA/20 14/10PC血管微小透析プローブ(部品番号第8309571番、シー・エム・エー ミクロダイアリシス(CMA Microdialysis)、ノース・チェルムスフォード、マサチューセッツ州)を埋め込むことからなっていた。各動物は、その後、線条体の頂点に向けられた大脳内ガイドを使用して、ラットの定位地図に従って、定位埋め込みが為された(A/P: 0.7、L/M: -3.0、D/V: -3.0;脳天より)。パキノス ジー エフ ケイ(Paxinos G.F.K.)らの文献、The mouse brain in stereotaxic coordinates(アカデミック出版、サンディエゴ、カリフォルニア州)(2001)。BASi BR-4脳微小透析プローブ(部品番号第MD-2204番、BASi、ウェストラフィエット、インディアナ州)が、回復前に挿入され、且つ、プローブには、殺菌された乳酸加リンゲル液(脳)又はダルベッコのリン酸緩衝生理食塩液(D-PBS;血液)がゆっくりと潅流された(0.5μL/分)。動物は、投薬前に少なくとも24時間、回復が許された。投薬の日、ブランクの潅流液が、プローブ・キャリブレーターを含有する潅流液で置換され、且つ、流量は、1.25μL/分に設定された。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、0.5%カルボキシメチルセルロース/0.25%ツイーン(Tween(登録商標))80懸濁液製剤中において、50mg/kg(5mL/kg)で、胃カニューレを通じて単回経口投与として投与された。
【0151】
微小透析液は、投薬後、25分間のインターバルで10時間、4℃にセットされた冷却フラクション・コレクター(Eicom # EFC-82、EFR-82、エイコム、サン・ディエゴ、カリフォルニア州)中に集められた。曲線下面積(AUC)を計算するために、集められた各サンプルの濃度には、サンプルが集められたインターバル、この場合には25分が掛けられ、且つ、1時間当たり60分で割られた。これらの値の合計が、特定の時間範囲に亘る総AUC値に相当した。グラフを作成するため、各時点における濃度が、各収集インターバルの中間点にプロットされた。微小透析液は、特定の時点で集められ、且つ、液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC-MS/MS)アッセイを使用して、12時間以内に、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン濃度が解析された。一時的な保存は、4℃であった。
【0152】
質量スペクトル解析: 微小透析液サンプルは、処理することなく、LC-MS/MS系に直接注入された。フェノメネクス・シナージ(Phenomenex Synergi)C18カラム(50×4.6mm、4μm)を使用して、水中0.1%ギ酸及びアセトニトリル中0.1%ギ酸の勾配溶出で、クロマトグラフィーによる分離が達成された。検出及び定量は、ウォーターズ・ミクロマス・ウルティマ(Waters Micromass Ultima)タンデム質量分析機において、多重反応−モニタリング(「MRM」)モードで、陽性電気スプレーを使用して行われた。測定された遷移イオンは、被分析物についてm/z 274.1乃至m/z 84.3であり、且つ、プローブ・キャリブレーターCC-6032について、m/z 288.0乃至m/z 98.0であった。較正は、ピーク面積の重み付け(1/x2)二次回帰を使用して行われた。リン酸緩衝生理食塩水中及び乳酸加リンゲル液中の4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンについて、1.28、2.56、5.12、10.2、25.6、64.0、160、400、1000、及び2000ng/mL濃度の標品を使用して、二つの較正曲線が構築された。較正曲線の回帰のために、1/(x2)の重み付けを伴う二次回帰モデルが使用された。定量限界未満(「BLOQ」)の濃度は、計算においてはゼロとして扱われた。
【0153】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの前臨床での評価: 化合物4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド、分子量273.25、C13H11N3O4)は、セルジーン・コーポレイションから入手した。
【0154】
動物及び飼育室: 雌性無胸腺マウス(研究開始時、8-10週齢且つ体重20-25g)は、ハーラン(Harlan)研究所から購入された。それらは、12時間点灯/消灯サイクルの温度が制御されて殺菌された部屋(23±2℃)で、且つ、研究の間中、食べ物及び水を自由に摂取できる状態で飼育された。動物の使用は、メイヨー財団法人組織の動物使用及び世話委員会で承認され、且つ、研究所動物の世話と使用のためのNIHガイドラインに沿ったものであった。
【0155】
同所マウスCNSリンパ腫モデル: 無胸腺マウスにおいて、麻酔下で、定位固定台を使用して、2.5×104のルシフェラーゼ−導入Raji又は1×105のルシフェラーゼ−導入OCI-LY10Bリンパ腫細胞の大脳内注入により、二匹のマウスCNSリンパ腫モデルが作られた。8週齢の無胸腺マウスは、手術前に、最少で7日間、順化/隔離を経験した。手術は、殺菌条件下において、ラミナー・フロー・フード内において行われた。鎮痛のために、タイレノールの300mg/kgでの経口投与が、手術の24時間前になされ、手術の48時間後まで継続された。麻酔は、1-2%のイソフルランの吸入によって達成された。マウスがよく麻酔された状態となった後、マウスは、コプフ(Kopf)の定位装置内に置かれた。手術中の感染及び角膜損傷を防ぐために、少量のBNP抗菌クリーム(バチトラシン、ネオマイシン及びポリミキシンの混合物)が、その両目に塗布された。手術中の過剰な熱損失を防ぐため、柔らかい布の一片が、マウスの体と尾の上に置かれた。頭皮領域は、ベタジンの2%溶液で清浄にされ、且つ、綿棒で乾燥された。頭皮に、正中線の矢状の切れ込みが形成された。フランクリン(Franklin)及びパキノス(Paxinos)によるマウス脳地図を参照して決定された座標(AP:0.5mm、LM:2.5mm)にしたがって、手術用ドリル(コプフ(Kopf))又はドレメル(Dremel)ドリルで、小さな穿頭孔が左の頭蓋骨にドリルで形成された。パキノス(Paxinos)の文献、2001。硬膜が手術で露出され、並びに、26Sゲージの勾配付き針が装着された10μl−ハミルトン注射器が、深さ3mmまで、左大脳半球内に向かって下げられ、且つ、5μlの腫瘍細胞がゆっくりと(0.5μl/分)注入された。逆流を防ぐために、針は、所定位置に5分間そのままとされ、その後、ゆっくりと取り去られた。皮膚は、創傷クリップで閉じられた。マウスは、温かい環境において、麻酔及び手術から回復し、且つ、自発運動量が戻るまで、それらのケージには戻されなかった。回復の間、体温の損失を最小化するため、ケージは加熱パッドの頂上の上に置かれた。マウスは、5日間又は回復が達成されるまで、少なくとも1日2回、術後監視が為された。
【0156】
マウスの生物発光画像法: リアルタイムでイン・ビボの腫瘍成長をモニターするために、リンパ腫細胞の大脳内注入の後、すべてのマウスは、大脳内注入後4日目から開始して週2回、生物発光画像法(「BLI」)に供された。BLIは、キセノゲン(Xenogen)・ルミナ(Lumina)光学的画像システム(キャリパー・ライフ・サイエンス(Caliper Life Sciences)、ホプキントン、マサチューセッツ州)を使用して行われた。ルシフェラーゼ酵素の飽和基質濃度を提供するルシフェリンの150mg/kg用量の腹腔内注入の前に、マウスはイソフルランで麻酔された。ピーク発光信号が、ルシフェリン注入後10分間記録された。信号の頭蓋内領域を包含する関心のある領域が、リビング・イメージ・ソフトウェア(Living Image software)(キセノゲン(Xenogen))を使用して決定され、且つ、総光子/s/ステラジアン/cm2が記録された。
【0157】
マウスCNSリンパ腫モデルにおける4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンのイン・ビボ前臨床評価: マウスは、大脳内注入後4日目に画像化され、且つ、等価平均BLI信号を用いて、異なる処置群に分配された。リアルタイムでの腫瘍の成長は、BLIによってモニターされた。腫瘍の成長と生存率のデータは、群間における統計学的差異について解析された。マウスは、Rajiモデルにおいて、4実験群と一つのビヒクル対照群とに割り当てられた。実験群のマウスは、28日間毎日、共生経口投与によって、0.3 mg/kg、3 mg/kg、10 mg/kg、又は30 mg/kgの4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンを受領した。対照群は、28日間毎日、同じ容量のビヒクルを経口で受領した。OCI-LY10モデルには、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン0.3mg/kg用量レベルは含まれていなかった。
【0158】
マクロファージのための免疫組織化学(「IHC」)評価: パラフィン切片(10μm厚)が、固定され、ブロックされ、且つ適切な抗体:マクロファージ用にはIba-1(BD Biosciences)、M2極性化のためのマーカーとしてはYm1(Stemcell Technologies)、M1極性化のためのマーカーとしてはiNOS(Calbiochem)で免疫染色された。マクロファージの定量評価のために、アペリオ・スキャンスコープ・エックス・ティー(Aperio ScanScope XT)スライド・スキャナー及び画像解析システム(アペリオ・スペクトラム(Aperio Spectrum)、ビスタ、カリフォルニア州)が使用された。マクロファージ−高密度領域における三つの同サイズ(0.4mM2)領域が、カウントするため、反対側に位置する脳及び腫瘍において選択された。データは、三領域の平均として示された。
【0159】
ナチュラル・キラー細胞のための免疫蛍光法: 凍った切片(10μm厚)が、リン酸緩衝生理食塩水−0.2%トリトン(Triton)X-100で5分間、浸透化処理がなされた。リン酸緩衝生理食塩水−5%ヤギ血清−0.02%トリトン(Triton)X-100を用い、37℃で45分間ブロッキングした後、切片は、4℃で一晩、ラット単クローン性CD335抗体(NK細胞のためのマーカー、1:200、Biolegend)とインキュベートされた。洗浄後、切片は、37℃で1.5時間、アレキサ・フラワー(Alexa Fluor)594ヤギ抗ラット免疫グロブリンG第二抗体(1:1000、Life Technologies)とインキュベートされた。最後に、DAPI(Vector Laboratories)を伴うベクタシールド(Vectashield)H-1200封入剤が、核を染色するために使用された。ゼイス エルエスエム510エムイーティーエー(Zeiss LSM 510 META)共焦点顕微鏡で、画像が得られた。NK高密度領域における六つの同サイズ(0.2mM2)領域が、写真を取るために腫瘍中において選択された。蛍光強度データは、Zeiss LSM 510によって作成され、且つ、六領域の平均として示された。
【0160】
統計分析: 一方向性のANOVAが、各時点における群間の違いを比べるために使用された。双方向性反復測定ANOVAが、時間と処理との間の相互作用を解析するために使用された。生存率解析は、カプラン・マイヤー(Kaplan Meier)法で行われた。カプラン・マイヤー(Kaplan Meier)生存率曲線は、プリズム(Prism)4ソフトウェアを使用して作成され、且つ、曲線間の統計的差異は、ログランク検定で導かれた。P<0.05は、有意と考えられた。
【0161】
マクロファージの生態における4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの影響を研究するためのイン・ビトロ細胞培養実験: 細胞培養及び処理: Rajiリンパ腫細胞(ATCC)、U937ヒト単球細胞(ATCC)及びYTS NK細胞(パメーラ エー ベッカー博士(Dr. Pamela A. Becker)から贈与)が、37℃において、5%CO2及び95%空気の下、加湿されたインキュベーター中で、20%FCS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシン及び1%非必須アミノ酸が補われたRPMI-1640中で培養された。
【0162】
OCI-LY10リンパ腫細胞(アーサー エル シャッファー三世(Arthur L. Shaffer III)から贈与)が、37℃において、5%CO2及び95%空気の下、加湿されたインキュベーター中で、20%FCS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補われたIMDM中で培養された。リンパ腫細胞とU937単球細胞との共培養:Raji及びU937単球細胞が、37℃において、5%CO2及び95%空気の下、加湿されたインキュベーター中で、20%FCS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシン及び1%非必須アミノ酸が補われたRPMI-1640中で培養された。OCI-LY10及びU937単球細胞が、37℃において、5%CO2及び95%空気の下、加湿されたインキュベーター中で、20%FCS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補われたIMDM中で培養された。リンパ腫細胞、U937単球細胞及びYTS細胞の三種培養:Raji、U937及びYTS細胞が、37℃において、5%CO2及び95%空気の下、加湿されたインキュベーター中で、20%FCS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシン及び1%非必須アミノ酸が補われたRPMI-1640中で培養された。OCI-LY10、U937及びYTS細胞が、37℃において、5%CO2及び95%空気の下、加湿されたインキュベーター中で、20%FCS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補われたIMDM中で培養された。
【0163】
処理: マクロファージのM2極性化を誘導するためにIL-4が使用された実験において、細胞はIL-4(20ng/ml)で48時間処理され、その後、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン(10ug/ml)又はDMSO対照で48時間処理された。リンパ腫細胞、マクロファージ、及びNK細胞の三種類の細胞の培養実験においては、処理は、DMSO又は4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン(10ug/ml)を使用して48時間であった。
【0164】
細胞培養実験におけるマクロファージ極性化の解析のための免疫蛍光法: 生細胞が、室温において30分間、10%ホルマリン中で固定され、その後、リン酸緩衝生理食塩水−0.2%トリトン(Triton)X-100で2分間、浸透化がなされた。37℃で30分間、リン酸緩衝生理食塩水−5%ヤギ血清−0.02%トリトン(Triton)X-100でブロッキングを行った後、細胞は、4℃にて一晩、ラット単クローン性F4/80抗体(一次小膠細胞用、1:200 Abcam)、ラット単クローン性CD11b(U937用、1:200 Biolegend)、ウサギ多クローン性Ym1抗体(一次小膠細胞及び一次腹膜マクロファージ用、1:200、Stemcell Technologies、バンクーバー、カナダ)、ウサギ多クローン性FXIII A抗体(U937用、1:200、Abcam)、マウス単クローン性p-STAT1抗体(1:200、Abcam)、ウサギ多クローン性p-STAT6抗体(1:200、Abcam)又はウサギiNOS抗体(1:200、Calbiochem)と共にインキュベートされた。洗浄後、細胞は、37℃で45分間、Alexa Fluor 594ヤギ抗ラットIgG第二抗体(1:1000、Life Technologies)及びFITCロバ抗ウサギIgG第二抗体(1:1000、Life Technologies)又はFITCヤギ抗マウスIgG第二抗体(1:1000、Sigma)と共にインキュベートされた。最後に、ベクタシールド(Vectashield)H-1200封入剤とディーエーピーアイ(DAPI)(Vector Laboratories)とが、核を染色するために使用された。画像は、ゼイス エルエスエム510エムイーティーエー(Zeiss LSM 510 META)共焦点顕微鏡で得られた。
【0165】
貪食アッセイ: マクロファージの貪食活性における4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの影響が、一次小膠細胞及びヒト単球細胞(U937)で評価された。細胞は、完全培地で4日間培養された。細胞は、その後、集められ且つ106細胞/mlでOpti-MEM培地に再懸濁され、そして、96穴プレートに、100,000生存細胞/ウェルで蒔かれた。実験用ウェルは、3又は10ug/mlの4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンで処理された。処理48時間後、培養培地は、100ulのピーエイチロド・バイオパーティクルズ(pHrodo BioParticles)懸濁液(Life technologies)で急いで置換され、且つ、細胞は、その懸濁液中で37℃で2-3時間、インキュベートされた。インキュベーションに続いて、プレートは、蛍光プレート・リーダーを使用して、550nm/600nm(励起/発光)においてスキャンされた。蛍光活性は、マクロファージの貪食活性を反映している。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理の影響(影響%)が、陽性対照ウェルにおける貪食活性に対する割合として計算された。ワン シー ピー(Wan, C.P.)らの文献、J. Immunol. Methods、1993、162、1-7頁。
【0166】
6.1.3 結果
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、優れたCNS浸透を有する: 4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、従前の研究で、ラットにおいて望ましい薬物動態特性を有することが示されていた。ズー ディー(Zhu, D.)らの文献、Cancer Immunol. Immunother.、2008、1849-1859。それは、相対的に遅いクリアランス(12.3mL/分/kg)、妥当な分配量(1.75L/kg)、及び受容可能な生体利用効率(47.4%)を有していた。表1及び図1は、脳の微小透析データを要約している。ラットに対するポマリドミドの50mg/kgでの経口投与の後に、血中の非結合濃度は、4.6±2.4時間において1100±82ng/mLのCmax値に到達し、付随するAUC(0 10)値は6800±2000 ng・時間/mLであった。しかしながら、脳内における非結合4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、4.1±1.5時間において430±63ng/mLのCmax値と2700±740 ng・時間/mLのAUC(0 10)値を有しており、0.39±0.03の非結合のAUC血液に対するAUCの比を与えた。これらの値は、優れた血液−脳関門浸透と一致している。この研究で得られた結果は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンのマウスへの経口投与後におけるその全脳含有量から判断して、同時に行われた研究において見られた結果と一致していた。
【0167】
表1: 絶食した雄性CD-IGSラットにおける、ポマリドミドの単回静注及び経口投与(それぞれ、5mg/kg及び50mg/kg)後の薬物動態パラメーター。雄性CD-IGSラットにおける、50mg/kgでのポマリドミドの単回経口投与後の平均非結合血液及び脳微小透析パラメーター。
【表1】
【0168】
単一薬剤経口4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、マウス・モデルにおけるCNSリンパ腫に対して、著しい前臨床治療活性を有する: 4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、RajiとOCI-LY10の両者のマウス同所モデルにおいて、CNSリンパ腫に対して、著しい前臨床治療活性を示した。発見は、統計的に有意な治療活性を示す、CNSリンパ腫に対する容量依存的な治療活性は、腫瘍成長の減少及び生存の延長の観点から、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの3mg、10mg、及び30mg/kgの容量レベルであったことを示した(図2を参照されたい)。腫瘍成長の制御と生存の延長との間には、良好な関係があった。Rajiモデルの平均生存は、ビヒクルの対照群の21日と比べて、31日(30mg/kg)、27日(10mg/kg)、28日(3mg/kg)、及び24日(0.3mg/kg)であった(図2Aを参照されたい)。OCI-LY10モデルの平均生存は、40日(30mg/kg)、37日(10mg/kg)、32日(3mg/kg)であり、且つ、ビヒクルの対照群の26日と比べられた(図2Bを参照されたい)。体重グラフは、3mg、10mg、及び30mg/kgの処理群のマウスは、対照群のマウスよりも、それらの体重をより良く維持できたことを示した。
【0169】
また、試験されたのは、Rajiモデルにおける、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと週1回のデキサメタゾンとの組合せであり、それは、デキサメタゾンの添加が生存におけるさらなる改善を導いたことを示した。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンに対する、4週間にわたる週1回20mg/kgの経口デキサメタゾンの追加は、10mg及び30mg/kgの4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン用量レベルにおいて、改善された転帰を導く。10mg及び30mg/kg用量レベルの4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンに対する週1回のデキサメタゾンの添加により、平均生存は、それぞれ3日及び5日延長された(図10を参照されたい)。
【0170】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、CNSリンパ腫において、腫瘍の微小環境に著しい影響を有する: CNS微小環境は、CNSリンパ腫において重要な役割を果たす。ジアン エル(Jiang, L.)らの文献、Int. J. Clin. Exp. Pathol.、2010、3、763-767頁;タン エイチ ダブリュウ(Tun, H.W.)らの文献、Blood、2008、111、3200-3210頁。前臨床評価に由来する摘出されたマウス脳の免疫組織化学研究は、Iba-1染色により、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理がマクロファージの数を著しく増加させたことを示した(図3A及び4Aを参照されたい)。M2極性化のマーカーとしてYm1が、そしてM1極性化のマーカーとしてiNOSが使用され、マクロファージがさらに研究されたとき、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理は、M2極性化腫瘍関連マクロファージの著しい低減とM1極性化マクロファージの数の著しい増加に関連付けられるということが見出された(図3B、4B及び11を参照されたい)。これらの発見は、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理が、マクロファージの極性化状態に著しい影響を有することを示唆した。さらに、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理は、CD335染色によるNK細胞数の著しい増加をも導いた(図5を参照されたい)。マクロファージとNK細胞の数の増加は、移植側と反対の大脳半球と比べて、腫瘍中において、よりはっきりとしたものであった。
【0171】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、マクロファージの生態に大きな影響を有している: イン・ビボ前臨床評価において、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理により、CNSリンパ腫微小環境においてマクロファージに著しい免疫調節の影響が見られたので、マクロファージの極性化状態における強調を伴う、その生態におけるその影響をさらに解明するために、我々は、イン・ビトロ実験を開始した。
【0172】
マクロファージの極性化状態における4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの影響が、一次マウス小膠細胞、一次マウス腹膜マクロファージ、及びヒト単球細胞株(U937)を含む様々な細胞モデルにおいて研究された。CNSリンパ腫微小環境はIL-4が豊富であり、且つ、IL-4は、マクロファージのM2極性化を誘導することが知られているので、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理を伴う又は伴わないIL-4処理が、U937(図6を参照されたい)、一次小膠細胞(図11を参照されたい)、及び一次腹膜マクロファージ(図12を参照されたい)で試験された。カドック シー(Kadoch, C.)らの文献、Clin. Cancer Res.、2009、15、1989-1997頁;ルーベンスタイン ジェイ エル(Rubenstein, J.L.)らの文献、Blood、2006、107、3716-3723頁;マントバニ エイ(Mantovani, A.)らの文献、Trends Immunol.、2002、23、549-555頁。これらの細胞は、IL4及びその後のDMSOでの処理でpSTAT6及びYM1/FXIIIAを発現し、IL4/STAT6シグナリング経路を通じたM2極性化を示した。カドック(Kadoch)の文献、2009。それらがIL4及びその後に4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンで処理されたとき、それらはpSTAT1及びiNOSを発現し、且つ、pSTAT6及びYM1/FXIIIAを発現しなかった。これは、STAT1シグナリングの活性化及びSTAT6シグナリングの不活化を通じた、M2からM1への、それらの極性化の変換を示していた。したがって、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンは、マクロファージのIL4が誘導したM2極性化を無効にすることができ、且つ、それらをM1極性化状態に変換することができた。
【0173】
リンパ腫関連マクロファージにおける4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの影響を解明するために、三種のヒト細胞株を使用して、細胞培養実験が行われた:リンパ腫細胞株(Raji又はOCI-LY10)及びヒト単球細胞株(U937)が、ヒトNK細胞株(YTS)と共に又はそれなしに培養された。U937細胞がリンパ腫細胞と共培養された際(図7A及び8Aを参照されたい)には、それらは、pSTAT6及びFXIIIAの発現を伴って、M2極性化された。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理は、マクロファージのM2極性化を防止したが、それらをM1極性化へと誘導しはしなかった。YTS細胞、リンパ腫細胞及びU937を使用する三種細胞の培養実験(図7B及び8Bを参照されたい)では、U937細胞がM2極性化され;4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理において、それらはpSTAT1及びiNOSの発現を伴って、M1極性化された。これらの結果に基づき、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理は、腫瘍関連マクロファージの極性化状態に大きな影響を有しており、それらのM2極性化を阻害し且つ、NK細胞の存在下ではそれらの極性化をM2からM1に変換する。
【0174】
上記発見をさらに確認し、且つ、前臨床イン・ビボ研究で何が生じたのかをシミュレーションするために、細胞培養実験が行われ、その実験では、一次マウス小膠細胞及びリンパ腫細胞が、一次マウスNK細胞と共に又はそれなしに共培養された。本質的に類似の発見がみられた。一次小膠細胞がリンパ腫細胞(Raji又はOCI-LY10)と共培養された際(図13A及び14Aを参照されたい)には、それらはYm1及びpSTAT6の発現を伴ってM2極性化された。共培養が4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンで処理された際には、小膠細胞中でM2極性化は見られず;且つ、M1極性化の証拠もなかった。一次NK細胞、リンパ腫細胞及び一次小膠細胞を使用した三種培養実験(図13B及び14Bを参照されたい)では、小膠細胞がM2極性化された。4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理を伴うと、小膠細胞は、pSTAT1及びiNOSの発現を伴って、M1極性化された。したがって、小膠細胞がリンパ腫細胞と共培養された際には、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオン処理は、小膠細胞のM2極性化を防止し、且つ、NK細胞の存在下で、それらの極性化をM2からM1極性化へ変換した。
【0175】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンのマクロファージにおける機能的な影響を評価するために、貪食アッセイが行われた。実験は、一次小膠細胞及びヒト単球(U937)の4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンでの処理が、それらの貪食活性を著しく増加させたことを示した(図9を参照されたい)。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
ヒトにおいて中枢神経系の癌を治療する方法であって、治療的に有効な量の4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンをそれが必要なヒトに投与することを含む、前記方法。
(構成2)
前記癌が、再発した、難治性である又は従来の治療法に対して抵抗性である、構成1記載の方法。
(構成3)
前記癌が、原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)、原発性硝子体網膜リンパ腫(「PVRL」)、眼内リンパ腫、中枢神経系芽球性マントル細胞リンパ腫、中枢神経系腫瘍、中枢神経系固形腫瘍、神経芽細胞腫、中枢神経系癌状態、マントル細胞リンパ腫(「MCL」)、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(「ILL」)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(「PDL」)、中心細胞性リンパ腫、びまん性小開裂(small-cleaved)細胞型リンパ腫(「DSCCL」)、濾胞性リンパ腫、マントル層リンパ腫、又はいずれかのタイプのマントル細胞リンパ腫である、構成1又は2記載の方法。
(構成4)
前記癌が、神経上皮腫瘍、髄膜の腫瘍、神経鞘腫瘍、膠芽細胞腫又は星状細胞腫である、構成1又は2記載の方法。
(構成5)
前記癌が神経上皮腫瘍であり、当該神経上皮腫瘍が上衣腫瘍である、構成4記載の方法。
(構成6)
前記癌が、髄膜の腫瘍、神経上皮腫瘍、神経鞘腫瘍、膠芽細胞腫、星状細胞腫、リンパ腫、血管腫、又は新生物である、構成1又は2記載の方法。
(構成7)
前記癌が髄膜の腫瘍である、構成6記載の方法。
(構成8)
前記癌が、髄膜、下垂体、松果腺、鼻腔、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、大脳、脳室、小脳、脳幹、脊髄、馬尾、脳神経、脳の他の部分、又は神経系の他の部分に確認されている、構成1又は2記載の方法。
(構成9)
前記癌が、髄膜腫、膠芽細胞腫、下垂体の腫瘍、神経鞘腫瘍、神経上皮腫瘍、頭蓋咽頭種、リンパ腫、胚細胞腫瘍、星状細胞腫、乏突起膠腫、又は胚芽腫である、構成1又は2記載の方法。
(構成10)
前記癌が神経膠腫である、構成1又は2記載の方法。
(構成11)
前記神経膠腫が、膠芽細胞腫、星状細胞腫、乏突起膠星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫瘍、又は特定不能の(NOS)悪性神経膠腫である、構成10記載の方法。
(構成12)
前記癌が中枢神経系リンパ腫である、構成1又は2記載の方法。
(構成13)
前記中枢神経系リンパ腫が原発性中枢神経系リンパ腫(「PCNSL」)である、構成12記載の方法。
(構成14)
投与される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの量が、約0.1乃至約50mg/日である、構成1又は2記載の方法。
(構成15)
投与される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの量が、約1、2、3又は4mg/日である、構成14記載の方法。
(構成16)
投与される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンの量が、約4mg/日である、構成15記載の方法。
(構成17)
投与される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが鏡像異性的に純粋である、構成14記載の方法。
(構成18)
投与される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンがS鏡像異性体である、構成17記載の方法。
(構成19)
投与される4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンがR鏡像異性体である、構成17記載の方法。
(構成20)
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが経口投与される、構成14記載の方法。
(構成21)
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンがカプセル又は錠剤の形態で投与される、構成20記載の方法。
(構成22)
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、28日周期において、21日間投与されその後7日間停止される、構成14記載の方法。
(構成23)
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンが、28日周期において、約25mg/日の量で21日間投与されその後7日間停止される、構成22記載の方法。
(構成24)
週1回、静脈内注射による375mg/m2の量でのリツマキシブの投与をさらに含む、構成23記載の方法。
(構成25)
中枢神経系の癌を治療する方法であって、治療的に有効な量の4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン3-イル)-イソインドリン-1,3-ジオンと治療的に有効な量の第二の活性薬剤とをそれが必要な患者に投与することを含む、前記方法。
(構成26)
前記第二の活性薬剤が、抗体、造血成長因子、サイトカイン、抗癌剤、抗生物質、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、副腎皮質ステロイド、又は薬理学的に活性な突然変異体もしくはその誘導体である、構成25記載の方法。
(構成27)
前記第二の活性薬剤がリツキシマブである、構成25記載の方法。
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