特許第6469105号(P6469105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6469105気体透過性の内膜を備えた被暖房膨張式エクササイズチャンバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469105
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】気体透過性の内膜を備えた被暖房膨張式エクササイズチャンバ
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/10 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   E04H15/10
【請求項の数】18
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-526205(P2016-526205)
(86)(22)【出願日】2014年10月21日
(65)【公表番号】特表2016-540905(P2016-540905A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】GB2014053133
(87)【国際公開番号】WO2015059458
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2017年9月8日
(31)【優先権主張番号】1318794.3
(32)【優先日】2013年10月24日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】14/147,788
(32)【優先日】2014年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516120401
【氏名又は名称】ホット パッド ヨガ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン, マクスウェル ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンズ, ニコラス ジョン クリントン
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−050744(JP,A)
【文献】 特開平11−229671(JP,A)
【文献】 米国特許第04024803(US,A)
【文献】 米国特許第03844339(US,A)
【文献】 特開2003−328596(JP,A)
【文献】 特開平10−230743(JP,A)
【文献】 特開平09−144382(JP,A)
【文献】 特開平08−199857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/00 −15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部でエクササイズを行うための被暖房膨張式エクササイズチャンバであって、当該膨張式エクササイズチャンバは:
囲まれた空間を少なくとも部分的に画成する一つ以上の壁部を有し、
前記壁部は内膜及び外膜を有し、前記内膜及び前記外膜は間に膨張空洞を画成し、
少なくとも前記壁部の前記内膜は、気体透過性膜であ
前記内膜は、一つ以上の接合部で接合された複数の膜部分で形成されており、
前記膜部分の間の前記接合部は、気体が、前記接合部を通って、前記膨張空洞から当該膨張式エクササイズチャンバの前記囲まれた空間へ流れることを可能にするように構成されている、
被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項2】
当該膨張式エクササイズチャンバは、気体が、前記壁部の前記気体透過性膜の反対側への通過によって、前記膨張空洞と当該膨張式エクササイズチャンバ内部の環境との間を流れることを可能にするように構成されている、請求項1に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項3】
前記壁部の前記気体透過性膜の反対側への気体の流れは、前記壁部の内膜上での凝縮物の形成を抑える、請求項2に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項4】
当該膨張式エクササイズチャンバは少なくとも一つの開口部を有し、前記開口部は、当該膨張式エクササイズチャンバ内外へのアクセスを可能にするように構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項5】
前記開口部には覆いが設けられている、請求項4に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項6】
当該膨張式エクササイズチャンバは光源を更に有し、前記光源は、当該膨張式エクササイズチャンバ内部の環境を照らすように構成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項7】
前記光源は、前記壁部の前記空洞内に配置されている、請求項6に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項8】
当該膨張式エクササイズチャンバは暖房器を更に有し、前記暖房器は、当該膨張式エクササイズチャンバ内部の環境を暖房するように構成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項9】
当該膨張式エクササイズチャンバは加湿器を更に有し、前記加湿器は、当該膨張式エクササイズチャンバ内部の環境を加湿するように構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項10】
当該膨張式エクササイズチャンバは送風機を更に有し、前記送風機は、当該膨張式エクササイズチャンバ外部の環境と前記壁部の前記空洞との間で気体を流すように構成されている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項11】
前記送風機は、前記空洞を膨張、維持及び/又は収縮させるように構成されている、請求項10に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項12】
前記の気体透過性の内膜は、前記壁部の前記内膜上での凝縮物の形成を抑えるためにちょうど十分な透過性を備えて構成されている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項13】
少なくとも前記内膜は、リップストップナイロンで製作されている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項14】
前記接合部は不連続である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項15】
前記接合部は縫い目を有する、請求項乃至14のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項16】
前記接合部は、前記内膜の内表面の反対側への気体の流れを方向付けるように構成されている、請求項乃至15のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項17】
前記内膜はリブを有する、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の被暖房膨張式エクササイズチャンバ。
【請求項18】
内部でエクササイズを行うためのエクササイズチャンバを膨張させ、暖房する方法であって、当該方法は:
囲まれた空間を少なくとも部分的に画成する一つ以上の壁部を有し、前記壁部は内膜及び外膜を有し、前記内膜及び前記外膜は間に膨張空洞を画成し、少なくとも前記壁部の前記内膜は、気体透過性膜であり、前記内膜は、一つ以上の接合部で接合された複数の膜部分で形成されている、前記エクササイズチャンバを提供するステップ、
前記膨張空洞を膨張させるステップ、及び
気体が、前記接合部を通って、前記膨張空洞から前記エクササイズチャンバの前記囲まれた空間へ流れることを可能にするステップ、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部でエクササイズを行うための膨張式エクササイズチャンバに関し、特には、但し排他的にではなく、一つ以上の壁部を有する膨張式エクササイズチャンバに関し、その壁部は気体透過性の内膜を有し、その内膜は内膜上での凝縮物の形成を抑えるように構成されている。
【背景技術】
【0002】
健康及びフィットネス部門の現在の動向は、ホットヨガ、ホットピラティス及びホットバレエのような“ホット”エクササイズクラスに参加する人々の数の増加を示している。ホットエクササイズクラスのために適切な環境を作り出すために、フィットネススタジオは、一般的に、約40%の相対湿度レベルで、およそ40°Cまで暖房される。
【0003】
そのような環境的条件は、フィットネススタジオが暖房器(heaters)及び加湿器(humidifiers)を備えていることを必要とし、それは、そのようなクラスの利用可能性を制限し得る。その環境的要求は、エクササイズクラス中にフィットネススタジオの壁及び天井に多くの凝縮物が形成されることをしばしば意味し、それは、クラスのために要求される湿度レベルを意図せず低下させるかも知れず、中にいる人に液滴が落ちることを結果として生じさせ得る。そのため、自己完結型(self-contained)チャンバ内でクラスを行うことが望ましく、そのチャンバはホットエクササイズクラスのために専用に使用されてもよい。そのようなチャンバは、より容易に内部環境を最適なレベルに制御し得る。
【0004】
さらに、健康及びフィットネス部門の増大する需要を満たすために、フィットネスクラス提供者は、一般的にはクラスの要求を満たすような設備を備えない場所、例えばオフィスやホテルでエクササイズクラスを提供することを望むかも知れない。このように、多種多様な場所に設置され得るポータブルなエクササイズチャンバを提供することが望ましい。
【0005】
本発明は、これらの問題に対処することを試みる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様によれば、内部でエクササイズを行うための膨張式エクササイズチャンバであって、膨張式エクササイズチャンバは:囲まれた空間を画成する一つ以上の壁部を有し、壁部は内膜及び外膜を有し、内膜及び外膜はその間に空洞、例えば膨張空洞を画成し、壁部の内膜は気体透過性膜である、膨張式エクササイズチャンバが、提供される。膨張式エクササイズチャンバは、暖房されてもよい。
【0007】
被暖房膨張式エクササイズチャンバ(heated inflatable exercise chamber)は、気体が、例えば壁部の気体透過性膜の反対側への通過によって、膨張式エクササイズチャンバ外部の環境と膨張式エクササイズチャンバ内部の環境との間を流れることを可能にするように構成されてもよい。壁部の気体透過性膜の反対側への気体の流れは、壁部の内表面上での凝縮物の形成を抑えてもよい。気体透過性の内膜は、壁部の内膜上での凝縮物の形成を抑えるためにちょうど十分な透過性を備えて構成されてもよい。内膜は、リップストップナイロンで製作されて(fabricated)もよい。
【0008】
内膜は、一つ以上の接合部で接合された複数の膜部分で形成されてもよい。膜部分の間の接合部は、気体が、膨張空洞と膨張式エクササイズチャンバ内部の環境との間を流れることを可能にするように構成されてもよい。接合部は不連続であってもよい。接合部は縫い目を有してもよい。接合部は、例えばエクササイズチャンバ内部の環境に面する内膜の表面上での凝縮物の形成を抑制するように、内膜の表面の反対側への気体の流れを方向付けるように構成されてもよい。内膜は、少なくとも部分的にリブを有してもよく、例えば内膜の天井部及び/又は壁部は、リブを有する表面を形成するように接合された複数の膜部分を有してもよい。
【0009】
被暖房膨張式エクササイズチャンバは少なくとも一つの開口部を有してもよく、開口部は、膨張式エクササイズチャンバ内外へのアクセスを可能にするように構成されてもよい。開口部には覆いが設けられてもよい。
【0010】
被暖房膨張式エクササイズチャンバは光源(light)を有してもよく、光源は、チャンバ内部の環境を照らす(illuminate)ように構成されてもよい。光源は、壁部の空洞の中に配置されてもよい。
【0011】
被暖房膨張式エクササイズチャンバは暖房器(heater)を有してもよく、暖房器は、被暖房膨張式エクササイズチャンバ内部の環境を暖房する(heat)ように構成されてもよい。被暖房膨張式エクササイズチャンバは加湿器を有してもよく、加湿器は、被暖房膨張式エクササイズチャンバ内部の環境を加湿するように構成されてもよい。被暖房膨張式エクササイズチャンバは送風機を有してもよく、送風機は、被暖房膨張式エクササイズチャンバ外部の環境と壁部の空洞との間で気体を流すように構成されてもよい。例えば、送風機は、空洞を膨張、維持及び/又は収縮させるように構成されてもよい。
【0012】
被暖房膨張式エクササイズチャンバは一つ以上の制御装置を有してもよく、制御装置は、空洞を出入りする気体の圧力及び/又は質量流量を制御するように構成されてもよい。制御装置は、一つ以上の圧力センサ、質量流量センサ、温度センサ及び/又は湿度センサを有してもよい。制御装置は、被暖房膨張式エクササイズチャンバの膨張及び/又は収縮を自動的に制御するように構成されてもよい。制御装置は、被暖房膨張式エクササイズチャンバ内部の環境の温度及び/又は湿度を制御するように構成されてもよい。
【0013】
本発明の他の態様によれば、内部でエクササイズを行うための被暖房膨張式エクササイズチャンバが提供される。膨張式エクササイズチャンバは、囲まれた空間を少なくとも部分的に画成する一つ以上の壁部を有する。壁部は内膜及び外膜を有し、内膜及び外膜はその間に膨張空洞を画成する。内膜は、接合された複数の膜部分で形成される。膜部分の間の接合部は、内膜の表面上での凝縮物の形成を抑制するように、膨張空洞と膨張式エクササイズチャンバ内部の環境との間を気体が流れることを可能にするように構成される。
【0014】
努力の不必要な重複及び明細書中の文章の繰り返しを避けるために、ある特徴は、本発明の一つ又はいくつかの態様又は実施形態に関して記述される。しかしながら、技術的に可能である場合、本発明の如何なる態様又は実施形態に関して記述された特徴であっても、本発明の如何なる他の態様又は実施形態とも共に使用され得ると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示のより良い理解のため、及びそれがどのように実施され得るかをより明確に示すために、例として、これから添付の図面への参照がなされる。
図1図1は、開口部を有する膨張式エクササイズチャンバの外観図を示す。
図2図2は、膨張式エクササイズチャンバ外部の環境から壁部の内膜及び外膜によって画成された膨張空洞への気体の流れを描写する、膨張式エクササイズチャンバの壁部の部分断面図を示す。
図3図3は、膨張空洞から膨張式エクササイズチャンバ内部環境及び外部環境への気体の流れを描写する、膨張式エクササイズチャンバの壁部の部分断面図を示す。
図4A図4Aは、内膜の複数の部分間の第一の種類の接合部を横切って通過することによる、膨張空洞から膨張式エクササイズチャンバ内部環境への気体の流れを描写する、膨張式エクササイズチャンバの壁部の部分断面図を示す。
図4B図4Bは、内膜の複数の部分間の第二の種類の接合部を横切って通過することによる、膨張空洞から膨張式エクササイズチャンバ内部環境への気体の流れを描写する、膨張式エクササイズチャンバの壁部の部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一つの実施形態による膨張式エクササイズチャンバ100が図1に示される。膨張式エクササイズチャンバ100は一つ以上の壁部102を有し、壁部102は膨張式エクササイズチャンバ100の中に囲まれた空間104を画成する(define)。エクササイズチャンバ100は、内部で様々なエクササイズ、例えばヨガやピラティス、又は“ホット”ヨガのような発展型を行うことに適している。
【0017】
図1に示される実施形態において、膨張式エクササイズチャンバ100は、膨張式エクササイズチャンバ100の中に囲まれた空間104を画成する単一の壁部102を有する。しかしながら、他の実施形態において、膨張式エクササイズチャンバ100は、膨張式エクササイズチャンバ100の中に囲まれた空間104を画成するように構成された如何なる数の壁部102を有してもよい。例えば、他の実施形態において、膨張式エクササイズチャンバ100は複数の別個の壁部102を有してもよく、それらは、膨張式エクササイズチャンバ100の中に囲まれた空間を画成するように配置され得る側壁、床及び/又は屋根を形成してもよい。
【0018】
図1に示される実施形態において、膨張式エクササイズチャンバ100は開口部106を有し、開口部106は、膨張式エクササイズチャンバ100内外へのアクセスを可能にするように構成されている。開口部106には覆い108が設けられ、覆い108は、一つ以上の締結手段109、例えばジップ又は任意の他の適切な締結手段を使用して開閉されてもよい。
【0019】
図2は、膨張式エクササイズチャンバ100の壁部102の部分断面図を示す。壁部102は、内膜110及び外膜112を有する。壁部102は、内膜110及び外膜112によって画成された膨張空洞(膨張可能な空洞)(inflatable cavity)114を有する。壁部は、気体、例えば空気が空洞114内に送り込まれたときに壁部が膨張するように、構成されている。壁部102の空洞114において生成される空気圧は、膨張式エクササイズチャンバ100に構造的な剛性を提供する。そのため、膨張式エクササイズチャンバ100は、軽量かつ設置が容易であり得る。膨張式エクササイズチャンバ100は、収縮した状態で、巻かれて適切な容器に詰められ得る。これは、膨張式エクササイズチャンバ100が複数の場所の間を容易に運搬されることを可能にする。
【0020】
膨張式エクササイズチャンバ100は一つ以上の送風機(fan)116を有し、その送風機は、膨張式エクササイズチャンバ100外部の環境と壁部102の空洞114との間で空気を流すように構成されている。図2に示される実施形態において、送風機116は、外膜112に設けられ、膨張式エクササイズチャンバ100外部の環境から空洞114の中に空気113を流すように構成されている。しかしながら、他の実施形態において、送風機116は、膨張式エクササイズチャンバ100上又は近傍の如何なる他の場所に設けられてもよい。送風機は、空洞114から膨張式エクササイズチャンバ100内部及び/又は外部の環境の中に空気を流すように構成されてもよい。
【0021】
図3に示される実施形態において、壁部102は、気体透過性の内膜210を有する。しかしながら、壁部102は気体透過性の外膜を有してもよいことが理解され得る。膨張式エクササイズチャンバ100は、空気115が、気体透過性の内膜210の反対側への通過(passage across)によって、膨張空洞114と膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境との間を流れることを可能にするように構成されている。
【0022】
ホットエクササイズクラス中に、膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境の温度及び湿度は、膨張式エクササイズチャンバ100外部のそれらの状態よりも通常はるかに暖かく、より湿度が高い。そのような状態は、膨張式エクササイズチャンバ100の壁部102の内表面上での凝縮物の形成を助長する。凝縮物の蓄積は、膨張式エクササイズチャンバ100の使用者にとって外観が悪く喜ばしくない。壁部102の気体透過性の内膜210の反対側への空気115の流れは、気体透過性の内膜210と膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境との間に空気バリアを作り出すことによって、壁部102の内表面上での凝縮物の形成を抑える(prevents)。
【0023】
気体透過性の内膜210は、その表面の反対側への気体の通過を可能にする任意の素材、例えばリップストップナイロンで製作されてもよい。空洞114内の必要な圧力を維持するために、気体透過性の内膜210の反対側への空気115の質量流量は制御されてもよい。さらに、もしも気体透過性の内膜210の反対側への空気115の質量流量が大きすぎれば、膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境は、静穏を妨げられ得る。それ故に、ひとたび膨張式エクササイズチャンバ100が設置されると、空洞の中への空気113の流れは、気体透過性の内膜210の反対側への空気115の流れとおおよそ釣り合う。気体透過性の内膜210は、壁部102の気体透過性の内膜210上での凝縮物の形成を抑えるためにちょうど十分な透過性を備えて構成されて(configured with)いてもよい。さらに、気体透過性の内膜210の反対側への空気115の質量流量は、空洞104内の空気圧に依存してもよい。
【0024】
図4A及び図4Bは、膨張式エクササイズチャンバ100の壁部102の部分断面図を示す。図4Aに描写されるように、内膜110,210は、接合された複数の膜部分117を有してもよい。膜部分117の間の接合部(Joins)119は、空気115が、膨張空洞114と膨張式エクササイズチャンバ100内の囲まれた空間104との間を流れることを可能にするように構成されている。膜部分117は、任意の適切な手段、例えば縫合、溶接、接着及び/又は任意の他の接合技術の使用によって接合されてもよい。膜部分117の間の接合部119は、不連続であってもよく、例えば、空気115が接合部119の隙間の間を流れるように一つ以上の隙間を有してもよい。内膜110,210が布(fabric)で作られるそれらの実施例において、接合部は縫い目(stitched seams)を有してもよく、隙間は隣り合う縫い目又は一群の縫い目の間であってもよい。隙間は、内膜110,210上での凝縮物の形成を抑えるように、空気流115を所望の方向に方向付けるように構成されていてもよい。
【0025】
接合部119の構成は、内膜110,210の異なる部分117において空気115の流量が異なるようなものであってもよい。たとえば、内膜110,210の天井の接合部119は、例えば天井接合部のより多くの及び/又はより大きな隙間によって、内膜110,210の側壁の接合部119よりも、多くの空気が内膜110,210の表面の反対側へ流れることを可能にするように構成されていてもよい。このような方法で、接合部は、例えば天井のような凝縮物の形成の影響をより受けやすいか又は凝縮物がより問題であり得る被暖房膨張式エクササイズチャンバ100のそれらの領域において、凝縮物の形成を抑えるように構成されていてもよい。一方で、一つ以上の接合部119は、例えば側壁のような凝縮物が比較的生じにくいか又は比較的不快になりにくい場所において、膨張空洞114と膨張式エクササイズチャンバ100内の囲まれた空間104との間の空気115の流れを可能にしないように構成されていてもよい。
【0026】
図4Aは、内膜110,210が接合された膜部分117を有し、リブを有する内膜110,210を形成する、膨張式エクササイズチャンバ100の壁部102の一つの実施例を示す。膜部分117の間の接合部119は、内膜のリブのそれぞれの表面の反対側への空気流を方向付ける(direct)ように構成されている。
【0027】
図4Bは、内膜110,210が接合された膜部分117を有し、概して平らな内膜110,210を形成する、膨張式エクササイズチャンバ100の壁部102の他の実施例を示す。膜部分117の間の接合部119は、内膜110,210の表面に対して平行な方向に空気流を方向付けるように構成されている。他の実施形態(図示なし)において、膨張式エクササイズチャンバ100は一つ以上の暖房器及び/又は加湿器を更に有してもよく、その暖房器及び/又は加湿器は、膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境を要求されるレベルまでそれぞれ暖房及び加湿するように構成されていてもよい。気体透過性の内膜210と膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境との間に作り出される空気バリアは、要求される状態を維持することを助ける。暖房器及び/又は加湿器は、膨張式エクササイズチャンバ100の内側に配置されてもよい。追加的に及び/又は代替的に、暖房器及び/又は加湿器は、膨張式エクササイズチャンバ100の外側に配置されてもよい。送風機116及び/又は一つ以上の追加的な送風機は、膨張式エクササイズチャンバ100の外側に配置された暖房器及び/又は加湿器から膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境に、暖かい及び/又は湿度の高い空気を流すために使用されてもよい。例えば、暖かい及び/又は湿度の高い空気は、気体透過性の内膜210を通して膨張式エクササイズチャンバ100内部の環境に提供されてもよい。
【0028】
膨張空洞114は、内部環境を外側から隔離(insulates)する。この隔離は、環境への熱損失を低減し、それによりエクササイズチャンバ100の内側の所望の温度に到達するために要求される熱入力を低減する。さらに、膨張空洞114を隔てた温度差もまた、内膜110,210上での凝縮物形成を抑える働きをする。凝縮物は冷たい表面上に形成する傾向があり、空洞114の隔離効果は、内膜表面の温度を上昇させることを助け、それにより凝縮物形成の可能性を低減する。
【0029】
他の実施形態(図示なし)において、膨張式エクササイズチャンバ100は、一つ又はそれ以上の光源を更に有してもよく、その光源は、膨張式エクササイズチャンバ100の内部の環境を照らすように構成される。光源は、壁部102の空洞114の中に配置されてもよい。

図1
図2
図3
図4a
図4b