特許第6469132号(P6469132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469132
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】通常動作を開始する方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20190204BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20190204BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20190204BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20190204BHJP
【FI】
   H01M8/04 Z
   H01M8/04302
   H01M8/04537
   B60K1/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-560929(P2016-560929)
(86)(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公表番号】特表2017-513201(P2017-513201A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015000629
(87)【国際公開番号】WO2015154852
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2016年10月18日
(31)【優先権主張番号】102014005296.6
(32)【優先日】2014年4月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン・シュマルツリート
【審査官】 清水 康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−026736(JP,A)
【文献】 特開2008−017598(JP,A)
【文献】 特開2009−231223(JP,A)
【文献】 特開2013−105635(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/098999(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00 − 8/2495
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池(6)及びトランスデューサー(22)を有する電気システム(5)の通常動作(C)を停止モード(A)から開始する方法であって、前記トランスデューサー(22)は前記燃料電池(6)の電力を受け取るものであり、前記燃料電池(6)の少なくとも1つの反応物質の供給は中断されるが、前記中断された反応物質の供給は再開信号から再開され、そして燃料電池電圧(UBZ、1)が規定され、次いで前記トランスデューサー(22)によって調整される前記方法において、
反応物質が供給される電気的に無負荷の燃料電池(6)がすべての場合に規定の燃料電池電圧(UBZ、1)を超えるように前記規定の燃料電池電圧(UBZ)が規定され、かつ燃料電池電圧(UBZ)を前記規定の燃料電池電圧(UBZ、1)未満に維持するために必要な前記トランスデューサー(22)の電流(IBZ)が計測され、前記通常動作(C)がその実施のために必要な規定の電流(lBZ、1)の時点でリリースされることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記必要な規定の電流(lBZ、1)は、前記規定の燃料電池電圧(UBZ、1)での通常動作(C)で典型的に現れる平均燃料電池電流(lBZ)の約半分に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の前記方法。
【請求項3】
前記燃料電池(6)が、個々の電池の積み重ねからなることを特徴とする、請求項1または2に記載の前記方法。
【請求項4】
前記規定の燃料電池電圧(UBZ、1)が、個々の電池ごとに800〜900mVで規定されることを特徴とする、請求項3に記載の前記方法。
【請求項5】
前記通常動作(C)がリリースされる時点の前記規定の電流(lBZ、1)が、0.02〜0.05A/cmで規定されることを特徴とする、請求項3または4に記載の前記方法。
【請求項6】
DC/DCコンバータまたはバッテリコンバータが前記トランスデューサー(22)として使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項7】
前記燃料電池(6)の酸素供給が停止モードで中断されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項8】
前記酸素供給が空気で行われることを特徴とする、請求項7に記載の前記方法。
【請求項9】
前記燃料電池(6)及び前記トランスデューサー(22)を有する前記電気システムが燃料電池システム(5)として設計されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項10】
前記電気システム(5)が車両(1)に駆動力を供給するために使用されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分でより詳細に規定される種類に従う、燃料電池及び燃料電池の電力を受け取るコンバータを有する電気システムの通常動作を開始する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システム、特に車両において電気的駆動力を提供するために使用することができる燃料電池システムでは、燃焼エンジンを有する車両に対してと同様に、いわゆる開始停止動作が重要である。つまり、車両が電力を必要としないまたは非常に少ない電力を必要とする場合、燃料電池システムは、再び適合する電力量が必要になると、通常動作を再開するように、アイドルモードまたはスイッチオフ動作、いわゆる停止モードへ変わることを意味する。典型的には、燃料電池への空気供給は停止モードで停止され、それによって残留酸素が燃料電池内で、典型的により低いレベルで提供される水素と反応し、それにより、ある特定の期間の後燃料電池の電圧はゼロまで下がる。該停止モードを出た後燃料電池が再び電力をその全体に伝達できる前に、まず第1に空気または酸素が再び供給されなければならない。そのときになって初めて、全出力が燃料電池によって必要とされ得る。換言すれば、燃料電池の通常動作は、一旦その目的に必要なすべての条件が満たされて初めて可能である。
【0003】
最先端の技術から、空気供給を開始した後、早すぎる、及び過度の電力要求に加えて、電圧の遮断を引き起こすことなく通常動作へと変化することが可能になるまで、一定のパラメーターに従って必要である、一定の待ち時間を提供することが今では普通である。
【0004】
加えてまたはそれの代わりに、一般的な技術水準で例えばカソード圧力または空気流量などの待ち時間に影響を及ぼす更なる動作パラメーターが監視される。この可能性の欠点は次いで、観察される基準が観察及び計測するのに部分的に高価かつ不確実であり、燃料電池の応力性の見地から、それらは部分要因を構成するのみであり、それら自体で負荷容量を調査しないということである。対応する基準が明白に満たされるが、燃料電池はまだ応力に耐えることができないということが起こり得る。結果は、電力が電気システムによって必要とされるときに極めて望ましくない電圧の遮断である。
【0005】
特許文献1は、停止モードからシステムが再開した後、どの時点で燃料電池が再び通常動作で完全に負荷をかけられることができるようになるかを知る問題を取り扱う。そうするために、燃料電池に接続されるコンバータ、このような場合、DC/DCコンバータを介した燃料の電圧が、予め設定された電圧レベルに維持される。それまでは、燃料電池システムの状態は連続的に監視され、監視されるパラメーターがそれ自体を安定させるかどうかを知るためにその効果が観察された。監視されるパラメーターは例えば電圧及び供給される空気の体積流量であり得る。すべての該値がそれら自体を適宜に安定させた場合、燃料電池が再び応力に耐えることができ、通常動作がリリースされると推測される。
【0006】
上述の一般的な技術水準と同様に、該方法は、一方で、苦労の上にようやく計測できるが非常に信頼できるわけでもなく、他方では確かに燃料電池が再び応力に耐えることができるというインジケータではあるものの、確実にこの状態を反映しはしない、空気流量との値を使用する欠点を有する。したがってまた、安定した値にもかかわらず、燃料電池の負荷に従うための電圧の遮断が現れる危険がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US 2012/0141895 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そして本発明の目的は、燃料電池及びコンバータを有する電気システムを停止モードから開始する方法を提供することであり、それはこれらの欠点を避け、通常の条件下で一旦再開がリリースされると、燃料電池が安全かつ信頼できるように働くことを非常に単純かつ信頼できるように保証する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、請求項1に記載の特徴を示す工程を用いて満たされる。追加の有利な実施形態及び本発明に従う方法の更なる発展が、従属請求項で明らかにされる。
本発明に従う方法では、中断された反応物質供給が最先端の技術のように再開信号から行われ、燃料電池電圧が規定され、これはトランスデューサーによって適宜調整される。反応物質が供給される電気的に無負荷の燃料電池がすべての場合に規定の燃料電池電圧を超えるように規定の燃料電池電圧が規定されることが、本発明に従って提供される。また、規定の燃料電池電圧を維持するために必要なトランスデューサーの電流が計測され、その後、通常動作がその実施のために必要な規定の電流の時点でリリースされることも規定される。本発明に従う方法はまた、該電圧が、反応物質を提供された正常に機能する燃料電池のアイドル電圧未満であるように規定の燃料電池電圧の上限を使用する。特に規定の燃料電池電圧は、それらの触媒での重大な腐食効果を燃料電池の寿命の見地から避けられるように、予め設定され得る。該規定の閾値未満の燃料電池によって伝達された電圧を維持するように、燃料電池の反応物質供給の開始時点で、電流は燃料電池からトランスデューサーを介して引き出される。トランスデューサーで引き出され測定された電流が、規定の電圧以下の電圧で現在の電流を維持するために必要な予め設定された値に達するとすぐに、燃料電池は再びストレスに耐えることができるはずである。一旦該規定の電流が達せられると、特に開始後の燃料電池の早い負荷による電圧の遮断などの、動作に関しての欠点を心配することなしに燃料電池の通常動作がリリースされる。
【0010】
本発明の着想の非常に有利な更なる発展において、規定の必要な電流が、上限電圧で典型的に現れる平均電流のおおよそ半分に予め設定されることが更に規定される。一旦、通常動作で典型的に現れる平均電流のおおよそ半分と一致する、かかる燃料電池のアンペア数が達せられると、燃料電池の性能は、発明者の知る限りでは制限されておらず、それによって燃料電池の再開の後に該燃料電池が適宜に負荷をかけられ、通常動作がリリースされ得る。
【0011】
燃料電池は、一般的に既知であり、標準的であるように、個々の電池の積み重ねとして設計され得る。本発明に従う方法の有利な更なる発展において、規定の燃料電池電圧が、燃料電池の積み重ねの個々の電池ごとに800〜900mV、好ましくは850mVに、予め設定されることが規定される。個々の電池ごとにほぼ800〜900mV程度の大きさのかかる電圧値は、一方では燃料電池の安全な及び信頼できる動作を保証するため、他方ではより高い電圧による腐食効果を最小限にするために理想的であり、同時に燃料電池のより長い寿命を達成できる。
【0012】
本発明に従う方法の非常に都合のよい更なる実施形態に従って、通常動作がリリースされる活性電池表面に関連して規定の電流が、0.02〜0.05A/cm、好ましくは0.03〜0.04A/cmに規定されることが、したがって提供される。例えば、0.035A/cmのかかる電流値は、発明者の経験及び実験に従って、理想的であると証明されている。したがって、電気システムの通常動作は、燃料電池の電圧を規定の電圧以下で維持することが起こるとすぐにリリースされ得る。
【0013】
本発明の方法の都合のよい実施形態では、停止モードで燃料電池の酸素供給が中断されるが、酸素供給は燃料電池に空気を供給することによって実現され得ることが提供される。理想的には燃料電池の水素供給が維持されるときの酸素供給のかかる中断で、停止モードの要求は、比較的にエネルギー集約的かつ騒音を放出する空気供給装置が停止されるか、またはアイドルモードへと移され得、それによりエネルギーが節約され、停止モードでの排出を避けることができるゆえに理想的である。例えば流れ圧縮機が空気供給機として使用される場合、非常に早い再開を保証するゆえに、アイドル回転速度は停止モードの間理想的に有意義である。任意の流れ後の圧縮空気は、例えば追加の弁を介するような場合、該空気が燃料電池へと誘導されないように流れ出ることができ、それによって一方では電力が生成されず、他方では停止モードで燃料電池が乾燥しない。
【0014】
本発明に従う方法は現在燃料電池及びトランスデューサーで構成される電気システム、特にトランスデューサーを有する燃料電池システムにとって理想的であり、それは例えば段階的にエネルギー及び排出を低減するためにしばしば停止モードで動作され、これには電力要求がないか、または小さい要求があるのみである。本発明に従う方法の好適な使用法は、電気システムが車両に駆動力を提供するために使用されることを定めるものであるため、かかる開始及び停止戦略を用いることは車両で特に有意義である。
【0015】
本発明に従う方法の更に有利な実施形態は、残りの従属請求項から派生し得、これらは例示的な実施形態に照らし、また図を参照しながら、以下でより詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】燃料電池システムを用いた原理として表される車両を示す。
図2】停止モードからかかる燃料電池システムの通常動作を開始するときの信号曲線の図式を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1の図面は、暗示的に表される車両1を示し、それは電気走行電動機2を介して駆動されなければならない。電気走行電動機2は、単に例としてここで説明される描写において、従動軸3を介して接続された、4で示される車両1の2つの駆動車輪を駆動する。車両1を駆動させるための電力は、燃料電池システム5の形態の電気システム5がそのために伝達する。該燃料電池システム5は、単に例として本明細書で示される実施形態の一般的に普通な、及び好適な形態で表される。燃料電池システム5の核心部は、その結果として、個々の電池の積み重ね、いわゆる燃料電池の積み重ねまたは燃料電池スタックとして、典型的に組み立てられる燃料電池6からなる。この燃料電池スタックは、アノード側及びカソード側を含み、共通のアノード室7及び共通のカソード室8が図1の描写で単に例として示される。アノード室7には、圧縮ガスリザーバ9から圧力調整及び投与ユニット10を介して水素が供給される。消費されていない水素は、それ自体が再循環供給装置12を用いて再循環管11を通って既知の様式で戻り、新たに供給される水素と混合され、アノード室7に供給される。該組立体は、アノード回路としてもまた示される。送風機として説明される再循環供給装置12の補足及び代わりとして、ガスジェットポンプもまた想定することができ、該ジェットポンプは圧縮ガスリザーバ9から新たに供給される水素ガスによって駆動される。時々アノード回路内の濃縮された水及び濃縮された不活性ガスを排出することを可能にするため、再循環管11は排出弁14を有する水分離機13を更に備える。該組立体及びその操作戦略は、一般的な技術水準から既知であるため、更に詳細に述べる必要はない。
【0018】
燃料電池6のカソード室8には、酸素の供給器としての空気供給機15を介して、空気が供給される。したがって空気はオプションの加湿器15を通ってカソード室8へと流れ、その中で加湿される。酸素が枯渇した湿った排出空気は、カソード室8を出て、そこに含まれる湿気を少なくとも部分的に空気取入口へ排出するように、オプションの加湿器16を通って後方に流れる。次いでそれはタービン17を通って周囲大気へと流れ込む。タービン17は、電気機械18及び空気供給機15と共に、燃料電池6の最もエネルギー効率の良い空気供給のために設計された、いわゆる電気ターボチャージャーを形成する。空気供給機15の出口及びタービン17への入り口は、システムバイパス弁20を有するシステムバイパス19を介して互いに再び接続されることができ、それによりたとえ空気供給機15がまだ運転中であっても、カソード室8への空気の侵入を避けるまたは制限するようにシステムバイパス弁20を特定の状況で開くことができる。これは、制限を超過したとき、通常動作の流れ圧縮機として設計された空気供給機によって示された非常に速い回転速度による事例となり得る。
【0019】
燃料電池6の電力は、本明細書で提案されている電線21を通ってトランスデューサー22によって受け取られる。トランスデューサー22は、DC/DCコンバータまたはバッテリコンバータの例として設計され得る。該コンバータは、電気エネルギー貯蔵装置としてオプションの高電圧バッテリ23と接続されている。それは更に更なる電力電子機器24、例として、少なくとも走行電動機2へ駆動力を提供するように形成されたDC/ACコンバータと接続されている。
【0020】
車両1のかかる燃料電池システム5は、現在しばしば、いわゆる開始停止戦略で使用されるように駆動される。車両1が、バッテリ23を通じていかなる問題も有することなしに利用できるいずれの駆動力も要求しない、またはほとんど要求しない場合、例えば車両が上り坂を走行し、赤信号で停止するとき、燃料電池システム5はエネルギーを節約するため及びこれらの停止フェーズで騒音の放出を低減するため、いわゆる停止モードへと切り替えられる。
【0021】
典型的には、燃料電池6の空気供給はそのために中断され、低減されたレベルで水素供給が続く。燃料電池6の残留酸素は、次いで少なくとも部分的になお存在する水素と反応し、停止フェーズの長さに従って、少なくとも特定の時間tの後、燃料電池電圧Ubzがゼロに下がる。これは図2の上段の図式のAで示される右手区域で適宜に示唆され、期間tに渡って燃料電池6の電圧UBZ及び電流IBZを示す。電圧UBZは、したがって区域Aの「ゼロ」で実線を用いて説明される。代わりの点線の描写、そこでは停止フェーズが長くは保たれず、区域Aの端部に至るまで持続しているほとんどゼロまでの電圧の低下を示す。その図式は、電圧U及び電流Iを有する図式より低い停止モードの状態示す。該状態は領域Aで1つ設定され、燃料電池システム5はしたがって停止モードである。停止モードの該要求は、領域Aから領域Bへ切り替わるとき1からゼロに変化し、それは最終的に燃料電池システム5の再開信号に対応する。
【0022】
従って、中断された空気供給が再開され、燃料電池6にはどんどん空気が供給される。同時に、燃料電池電圧UBZ、1が規定され、それは供給される燃料電池6のアイドル電圧UOCVよりもわずかに低い。該電圧、それは例えば、燃料電池6の個々の電池ごとにほぼ850mV程度の大きさであり、それが「一点鎖」線で示される燃料電池6からの電流IBZを描くようにトランスデューサー22によって適宜に調整される。燃料電池電圧UBZを規定の電圧値Ubz、1以下に維持するために、該電流は、酸素及び水素の燃料電池6への供給の増加とともに適宜に上昇されなければならない。燃料電池電流IBZが、規定の値IBZ、1を超えて増加すると、システムは燃料電池6の再開動作Bから通常動作Cへと切り替え、電流IBZ及び電圧UBzは、電力要求にしたがって、車両1によって調整される。
【0023】
典型的には、通常動作の間の平均電流IBZとして、約10Aの燃料電池電流IBZが、約350〜500の個々の電池で構成される燃料電池6を用いて生じ得る。規定の電流値lBz、1は通常動作Cが再びリリースされるとき大体値の半分、すなわち約5Aに設定され、それは約0.035A/cmの電流密度に対応する。
【0024】
燃料電池電圧UBZを規定の電圧UBZ、1未満に維持するために必要な燃料電池電流IBZが、該規定の電流値lBZ、1を超えたらすぐに、燃料電池システム5の完全な性能が再び利用可能になり、それによって通常動作Cがリリースされ得る。安全かつ信頼できる通常動作のリリースが簡単な電流の測定を通じて可能であるように、燃料電池6がより高いストレスを受けるとき、もはや電圧の遮断は要求されない。
図1
図2