特許第6469145号(P6469145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469145
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】改良土の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 17/06 20060101AFI20190204BHJP
   A01M 21/00 20060101ALI20190204BHJP
   C09K 103/00 20060101ALN20190204BHJP
【FI】
   C09K17/06 HZAB
   A01M21/00 Z
   C09K103:00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-20003(P2017-20003)
(22)【出願日】2017年2月7日
(65)【公開番号】特開2018-127515(P2018-127515A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2018年1月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載日 平成28年9月3日 掲載アドレス http://www.san−eco.co.jp/service/index.html http://www.san−eco.co.jp/kairyoudo/index.html
(73)【特許権者】
【識別番号】316014250
【氏名又は名称】株式会社サンエコセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100101269
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 道夫
(72)【発明者】
【氏名】小重 忠司
【審査官】 柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−254393(JP,A)
【文献】 特開2016−069444(JP,A)
【文献】 特開平10−001670(JP,A)
【文献】 特開2006−177072(JP,A)
【文献】 特開2002−326099(JP,A)
【文献】 特開平11−080728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 17/00
A01M 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状の土の表面に生石灰を付着させる生石灰付着工程と、
鉄製の第1のふるいの下側に、樹脂製で間隔を第1のふるいより狭くした第2のふるいが設置されたふるいに、生石灰が付着した土を通過させて粒径を調整する粒径調整工程と、
を有する改良土の製造方法であって、
前記粒径調整工程において、生石灰が付着した土を第1のふるい、第2のふるいの順で順次通過させる改良土の製造方法。
【請求項2】
前記生石灰付着工程において、土の質量に対する生石灰の質量の比率を3〜8%として生石灰を付着させる請求項に記載の改良土の製造方法。
【請求項3】
前記生石灰付着工程と前記粒径調整工程との間に、土に混入した鉄屑を除去する鉄屑除去工程を有する請求項又は請求項に記載の改良土の製造方法。
【請求項4】
前記粒径調整工程の後、石灰が付着した土を再びふるいに通過させて粒径を再度調整する再粒径調整工程を有する請求項から請求項のいずれかに記載の改良土の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期間に渡って植物の生長を抑制することができるだけでなく、安価かつ容易に施工可能な改良土を製造する改良土の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場で掘削等により発生した土は再利用されており、その用途としては管渠等の埋戻材、路床・路盤材、盛土材などに活用するのが一般的である。しかしながら、時間の経過と共に再利用した土から雑草が生え、除草の手間を要したり、景観を損ねたりすることも知られている。この一方で、こうした雑草がもたらす問題を解消すべく、様々な土壌の改良材や改良方法が既に提案されている。
【0003】
例えば、下記引用文献1には、樹皮の寸断物を用いる他、土にアルカリ性溶液を添加することでアルカリ性の状態にし、雑草の発生を抑制する技術が開示されている。また、下記引用文献2には、土壌と表層土との間に複数のマグネシア層を形成することにより土質をアルカリ化し、雑草の繁殖を防止する技術が開示されている。さらに、下記引用文献3には、不織布に消石灰を担持させ、防草シートとして使用することでアルカリ性の成分が土壌に浸透する結果、雑草等の発生や繁茂を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-148617
【特許文献2】特開2013-189776
【特許文献3】特開2010-252630
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記引用文献1に示す土壌改良材では、添加するアルカリ性溶液が土に均質に混合されず、アルカリ性溶液が行き渡らない土壌が発生し、除草効果が十分に得られない虞がある。また、上記引用文献2に示す防草構造では、土壌と表層土との間にマグネシア層を形成すべく高価なマグネシアを大量に必要とするだけでなく、地表から深い位置にあるマグネシア層の取り換えに労力を要することとなる。
【0006】
さらに、上記引用文献3に示す防草シートでは、不織布からアルカリ性の成分が浸透するよう土壌に密着させて施工し、その状態を維持管理する手間が生じることに加え、強風等により防草シートが土壌から剥がれ易いという問題がある。
これに対して、再利用される土の使用目的が特に雑草の生長の抑制である場合には除草効果を高くすることが必要であるが、低コストであることや施工のし易さも重要であり、引用文献の技術ではこれら全てを満たすものはなかった。
【0007】
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、長期間に渡って植物の生長を抑制することができるだけでなく、安価かつ容易に施工可能な改良土を製造する改良土の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項記載の発明は、粒状の土の表面に生石灰を付着させる生石灰付着工程と、
鉄製の第1のふるいの下側に、樹脂製で間隔を第1のふるいより狭くした第2のふるいが設置されたふるいに、生石灰が付着した土を通過させて粒径を調整する粒径調整工程と、
を有する改良土の製造方法であって、
前記粒径調整工程において、生石灰が付着した土を第1のふるい、第2のふるいの順で順次通過させる改良土の製造方法である。
【0012】
請求項に係る改良土の製造方法によれば、生石灰付着工程が粒状の土の表面に生石灰を付着させ、粒径調整工程がこの生石灰が付着した土をふるいに通過させて粒径を調整することで、改良土を製造する。
この際、前記粒径調整工程において、鉄製の第1のふるい、樹脂製で間隔を第1のふるいより狭くした第2のふるいの順で、生石灰が付着した土を順次通過させる。
この結果として、表面に石灰を付着させた土のうち、改良土としては不向きであり、施工し難くなる大きな粒径の土を取り除くことができる。これに伴い、石灰を均質に含み粒径の整った土のみを改良土に用いることで、施工が安価で容易になると共に、植物の生長を抑制する効果が長期間持続される。
【0013】
請求項の発明は、生石灰付着工程において、土の質量に対する生石灰の質量の比率を3〜8%として生石灰を付着させる請求項に記載の改良土の製造方法である。このような比率を採用することにより、土の表面に生石灰を過不足なく付着させることができる。すなわち、生石灰の比率が3%未満では植物の生長を抑制する効果が不十分である一方、8%を超過しても植物生長抑制の効果は高まらずコストのみが増大する。このため、生石灰の使用量を最小限にすることで費用を抑えつつ、植物の生長を抑制する効果を最大化することが、この範囲により可能となる。
【0014】
請求項の発明は、生石灰付着工程と粒径調整工程との間に、土に混入した鉄屑を除去する鉄屑除去工程を有する請求項又は請求項に記載の改良土の製造方法である。受け入れた土に鉄屑等が混入している場合があるが、鉄屑は改良土の不純物となると共に施工の妨げとなるだけでなく、植物の生長を抑制する改良土の効果の低下も生じさせる虞がある。この鉄屑除去工程を含めることにより、こうした鉄屑の除去が可能となる。
【0015】
請求項の発明は、粒径調整工程の後、石灰が付着した土を再びふるいに通過させて粒径を再度調整する再粒径調整工程を有する請求項から請求項のいずれかに記載の改良土の製造方法である。この結果として、粒径の大きさがより一層統一されることで、改良土を敷き詰めたり、踏み固めたりし易くなると同時に、植物の生長抑制効果が長期間持続可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の改良土の製造方法によれば、長期間に渡って植物の生長を抑制することができるだけでなく、安価かつ容易に施工可能であるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る改良土の製造工程を示す概念図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る改良土の製造方法を示すフロー図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る改良土の拡大断面図である。
図4】本発明の第2の実施の形態に係る改良土の製造工程を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る改良土及びその製造方法について図1から図3を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る改良土の製造方法は、先ず図1に示すホッパー12の投入口12Aに建設工事で発生した建設発生土Cを投入する。このホッパー12への建設発生土Cの投入が図2の投入工程S11とされる。ホッパー12に投入された建設発生土Cは、ホッパー12の下部に設置されたベルトコンベア32に順次積載されて磁選機18側に送られる。
【0019】
このベルトコンベア32の上部には、生石灰が内部に貯蔵された石灰サイロ14が配置されており、この石灰サイロ14の内部に貯蔵された生石灰がベルトコンベア32上に投入されて、ベルトコンベア32により送られてきた建設発生土C上に生石灰が降り注ぐようになる。つまり、このように建設発生土C上に生石灰が降り注ぐことで、土の表面に生石灰を付着させる図2の生石灰付着工程S12が実行されることになる。
【0020】
この生石灰付着工程S12では、ベルトコンベア32上を通過する土材の量に合わせて石灰サイロ14の下部から生石灰がベルトコンベア32上に供給されて、土材に最適な量の生石灰が添加されて土材の表面に生石灰が付着された粒状土材Rになるが、生石灰の添加量は、土材の1Kg当たりの重量に対して30〜80gの重量とされる。
【0021】
つまり、土の質量に対して生石灰を3〜8%の質量とすることが考えられるが、生石灰の比率が3%未満では植物の生長を抑制する効果が不十分である一方、8%を超過した場合には植物生長抑制の効果は高まらない。このため、生石灰の使用量を最小限にすることで費用を抑えつつ、植物の生長を抑制する効果を最大化することがこの範囲で可能となる。但し、より好適には5%とすることが考えられる。尚、このように生石灰が土に付着すると化学反応により発熱し、土の中の水分が蒸発することになる。この蒸発作用により水分が少なく、施工後の地盤沈下や液状化防止の対策に有効な強度の高い土に建設発生土Cを改良できる。
【0022】
この一方、ベルトコンベア32上への生石灰の投入に際しては、ベルトコンベア32で送られる建設発生土Cの量を作業者の目視、或いはセンサ類による検出によって把握して、生石灰の投入量を調節することが出来るので、土材に対する最適な割合の範囲に容易に生石灰の量をコントロールすることが可能となる。
【0023】
この生石灰が付着した粒状土材Rは、ベルトコンベア32を通過してベルトコンベア34で更に送られるが、ベルトコンベア34の上方には図1に示す磁選機18が設置されており、このベルトコンベア34により搬送される粒状土材Rは磁選機18の下方を通過することとなる。この磁選機18は、粒状土材Rに含まれる鉄屑を図示しない磁石で吸い上げて除去するためのものであり、土に混入している磁性を有した鉄屑等をこの磁選機18が吸着して除去することができる。このため、土に混入した鉄屑を除去するこの工程が図2の鉄屑除去工程S13とされる。
【0024】
つまり、受け入れた建設発生土Cに鉄屑等が混入している場合があるが、鉄屑は改良土Kの不純物となると共に施工の妨げとなるだけでなく、植物の生長を抑制する効果の低下も生じさせる虞がある。但し、このような鉄屑除去工程S13を含めることにより、こうした鉄屑の除去が可能となる。
【0025】
磁選機18を通過した粒状土材Rはベルトコンベア34でさらに搬送されて、図1に示す上下2段のふるい20A、20Bを有すると共に図示しないモータにより振動を発生させる振動機20に送り込まれる。この振動機20は、具体的には間隔を40〜80mmとした鉄製でストライプ状のフィルタである第1のふるい20Aが上側に設置されると共に、その下側に樹脂製で間隔を15〜20mmとしたストライプ状のフィルタである第2のふるい20Bが設置されており、これら2種類のふるい20A、20Bがモータの駆動により振動する構造とされている。つまり、第1のふるい20Aが大きく固い石をはじいて、下側に位置する樹脂製の第2のふるい20Bを傷つけないようになっている。
【0026】
従って、生石灰を付着させた粒状土材Rがベルトコンベア34で振動機20まで送られる間に生石灰と水分を反応させて水分が蒸発されてこの振動機20に投入され、振動させつつふるい20A、20Bを通過させるのに伴い、粒状土材Rと生石灰とがさらに満遍なく混ざり合うだけでなく、粒径の調整が可能となる。そして、この工程が生石灰の付着した粒状土材Rをふるいに通過させて粒径を調整する図2の粒径調整工程S14とされる。
【0027】
このため、振動機20に設けられた第2のふるい20Bを通過し、例えば20mm以下の粒径に調整された粒状土材Rのみが第2のふるい20Bの下部に設置されたベルトコンベア36の上に落下することとなる。尚、例えば20mmを超えた粒径の粒状土材R'は、振動機20に隣り合った箇所に一時貯留され、適宜この粒状土材R'を搬出して処分する。
【0028】
また、この生石灰が付着した粒状土材Rは、ふるい20A、20Bを通過させて粒径を調整する粒径調整工程S14を経た後、ベルトコンベア36により運ばれて所定の場所に一旦集積される。そして、振動機20内の第2のふるい20Bから、縦方向及び横方向をそれぞれ15〜20mmの間隔とした網目状のフィルタである第2のふるい20Cにふるいを交換して取り付ける。
【0029】
この後、最初に建設発生土Cを投入した図1に示すホッパー12の投入口12Aに、この生石灰が付着した粒状土材Rを再投入する。ホッパー12に投入されたこの粒状土材Rは、ベルトコンベア32により前記同様に順次積載されて送られる。また、前記同様にこの粒状土材Rは、ベルトコンベア34で更に送られて磁選機18の下方を通過して、振動機20に再度送り込まれる。尚、ベルトコンベア32上においては生石灰が投入されることはなく、また、磁選機18においては電源を停止していて、鉄屑等の再度の吸着は行わない。
【0030】
さらに、振動機20に粒状土材Rが再度送り込まれるが、間隔を40〜80mmとした第1のふるい20A、および縦方向及び横方向をそれぞれ15〜20mmの間隔とした網目状の第2のふるい20Cを振動させるのに伴って、この粒状土材Rがこれらふるい20A、20Cを通過する図2の再粒径調整工程S15が実施される。このことで、より均質な粒状土材Rにすることが可能となり、この粒状土材Rが改良土Kとなる。尚、第2のふるい20Cを通過しなかった改良土K'は、振動機20に隣り合った箇所に一時貯留され、適宜この改良土K'を搬出して処分する。
【0031】
最後に、振動機20からベルトコンベア36により改良土Kは更に送られて、所定の場所に集積した後、十分な冷却時間を設ける。これに伴って、生石灰が付着したことで発生した熱を取り除くことが可能となる。最後に、例えば5リットル単位や10リットル単位等に改良土Kを袋詰めして、改良土Kの製造が完了する。
【0032】
次に、本実施の形態により建設発生土Cを改良した改良土Kについて説明する。
本実施形態の改良土Kは、図3に示すように土材Aの表面に石灰Sの層を付着させたものであり、土材Aと石灰Sからなるが、土の質量に対する生石灰の質量が3〜8%とされて土が主成分となっていることになる。但し、より好適には生石灰の質量が5%とされる。
【0033】
この結果、改良土Kの形状は粒状であり、土材Aの表面に付着して改良土Kの一部を構成する石灰Sが有するアルカリ性の成分により、植物の生長を抑制する効果だけでなく防虫効果をも発揮できる。尚、表面に付着する生石灰の質量は、土の質量に対して少量の3〜8%であるため、改良土Kの主成分は土とされている。そして、本実施形態の改良土Kは、上記のように主成分を土として3〜8%の石灰が含まれていて、粒状でその粒径が20mm以下で均質にそろっていることから、長期間に渡って植物の生長を抑制することができるだけでなく、安価かつ容易に施工可能ともなる。
【0034】
以下、本発明の第2の実施の形態に係る改良土及びその製造方法について図4を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る改良土の製造方法は、第1の実施の形態と同様に、先ず図4に示すホッパー12の投入口12Aに建設工事で発生した建設発生土Cを投入する。但し、本実施の形態では、建設発生土Cに生石灰を混ぜ合わせるための混合機16がベルトコンベア32とベルトコンベア34との間に設置されている。従って、ホッパー12に投入された建設発生土Cは、ホッパー12の下部に設置されたベルトコンベア32に順次積載されて混合機16に送られることになる。
【0035】
この混合機16は回転するプレート16Aを内部に有しており、ベルトコンベア32上で生石灰が降り注がれた建設発生土Cが送り込まれ、混合機16のプレート16Aにより生石灰が建設発生土Cに混ぜ合わされる。これに伴って、土材の表面に生石灰がコーティングされて付着された粒状土材Rとなる。つまり、この混合機16において、土の表面に生石灰を付着させる生石灰付着工程S12が実行されることになる。
【0036】
この生石灰が付着した粒状土材Rは、混合機16を通過してベルトコンベア34で更に送られるが、ベルトコンベア34の上方には図4に示す磁選機18が第1の実施の形態と同様に設置されており、このベルトコンベア34により搬送される粒状土材Rは磁選機18の下方を通過することとなる。このため、本実施の形態においても土に混入した鉄屑を除去するこの工程が鉄屑除去工程S13とされる。
【0037】
磁選機18を通過した粒状土材Rはベルトコンベア34でさらに搬送されて、第1の実施形態と同様に、上下2段のふるい20A、20Bが取り付けられると共に図示しないモータにより振動を発生させる振動機20に送り込まれる。
【0038】
従って、生石灰を付着させた粒状土材Rがベルトコンベア34で振動機20まで送られる間に生石灰と水分を反応させて振動機20に投入され、振動させつつふるい20A、20Bを通過させるのに伴い、粒状土材Rと生石灰とがさらに良く混ざり合うだけでなく、粒径の調整が可能となる。
【0039】
このため、振動機20に設けられた第2のふるい20Bを通過し、例えば20mm以下の粒径に調整された粒状土材Rのみが第2のふるい20Bの下部に設置されたベルトコンベア36の上に落下し、所定の場所に一旦集積される。そして、第1の実施形態と同様に、第2のふるい20Bから網目状の第2のふるい20Cに交換して取り付ける。
【0040】
この後、第1の実施形態と同様に図4に示すホッパー12の投入口12Aに、生石灰が付着した粒状土材Rを再投入する。この粒状土材Rはベルトコンベア32により混合機16に送られ、混合機16を通過してベルトコンベア34で更に送られて磁選機18の下方を通過して、振動機20に再度送り込まれる。尚、混合機16においてはプレート16Aにより再び混ぜ合わされるものの、生石灰が投入されることはなく、また、磁選機18においては電源を停止していて、鉄屑等の再度の吸着は行わない。
【0041】
さらに、第1の実施の形態と同様に、振動機20に粒状土材Rが再度送り込まれるが、ふるい20A、20Cを振動させるのに伴って、この粒状土材Rがこれらふるい20A、20Cを通過する再粒径調整工程S15が実施されて、粒状土材Rが改良土Kとなる。
【0042】
最後に、振動機20からベルトコンベア36により改良土Kは更に送られて、所定の場所に集積した後、十分な冷却時間を設ける。これに伴って、第1の実施の形態と同様に生石灰が付着したことで発生した熱を取り除くことが可能となる。
【0043】
以上の結果として、主成分を土として3〜8%の石灰が含まれていて、粒状でその粒径が20mm以下で均質にそろっている第1の実施の形態と同様に建設発生土Cを改良した改良土Kの製造が完了することになる。
【0044】
さらに、上記実施の形態では、生石灰付着工程S12と粒径調整工程S14との間に、鉄屑除去工程S13を有していたが、受け入れる建設発生土Cに鉄屑が明らかに混入していないと考えられる場合には、鉄屑除去工程S13を設けなくとも良い。また、振動機20において、間隔を15〜20mmとしたストライプ状の第2のふるい20B及び縦方向及び横方向をそれぞれ15〜20mmの間隔とした網目状の第2のふるい20Cを採用したが、例えば16mm間隔のストライプ状や網目状としても良い。
【0045】
一方、この再粒径調整工程S15の前に生石灰を改良土Kに再度付着する工程を加えても良い。生石灰が土に十分に付着していない場合に生石灰を再度加えることで、植物の生長を抑制する効果の低減を図ることができる。また、使用される生石灰の種類は特に限定されておらず、市販されているものを使用することができる。
【0046】
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は係る実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、改良土の他にさまざまな産業分野に適用可能となる。
【符号の説明】
【0048】
12 ホッパー
14 石灰サイロ
16 混合機
18 磁選機
20 振動機
S11 投入工程
S12 生石灰付着工程
S13 鉄屑除去工程
S14 粒径調整工程
S15 再粒径調整工程
C 建設発生土
R 粒状土材
K 改良土
A 土材
S 石灰
図1
図2
図3
図4