(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る光ファイバ接続構造の実施形態について
図1から
図8を参照して詳細に説明する。なお、
図1から
図8において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、
図1から
図8においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0015】
図1は本発明の第1の実施形態における光ファイバ接続構造1を示す斜視図、
図2は光ファイバ接続構造1を示す分解斜視図、
図3は光ファイバ接続構造1の光ケーブル30の断面図である。
図1及び
図2に示すように、光ファイバ接続構造1は、Y方向に隣接して(すなわち、並列に)並べられた2つの円筒状のクロージャ11,11と、これらのクロージャ11,11に接続された連結部20と、連結部20を介してクロージャ11,11に固定されている光ケーブル30(第1の光ケーブル)と、連結部20を介してクロージャ11,11に固定されている光ケーブル40(第2の光ケーブル)と、クロージャ11,11の双方に取り付けられる保持部材50とを備えている。
【0016】
図1及び
図2に示すように、クロージャ11,11のそれぞれは、同一の外形、寸法、および構成を有している。すなわち、クロージャ11は、その長手方向(X方向)に延びる中空の筒部15と、筒部15の開口15Aに嵌合可能に形成された蓋部14と、蓋部14に固定されてX方向に延びる基部12とを備えている。基部12のZ方向における両面には、複数のファイバ収容トレイ13が基部12(すなわち、XY平面)に対して所定の角度をなして配置されている。そして、筒部15の開口15Aに蓋部14を嵌合させることによって、基部12とファイバ収容トレイ13とがクロージャ11の内部に収容される。蓋部14には、蓋部14の縁部に沿って複数の筒部16,17が設けられている。これら複数の筒部16,17は、蓋部14のY方向における一方の端部側に設けられた1つの楕円筒部16と、楕円筒部16に比べて小さく形成された複数の円筒部17とを含んでいる。本実施形態では、円筒部17を使用しないので、円筒部17はキャップで被覆された状態となっている。
【0017】
図1及び
図2に示すように、連結部20は、略X字状の外形を有する接続アダプタ21と、接続アダプタ21をクロージャ11、11に固定する2つの第1の熱収縮チューブ25,25と、第1の熱収縮チューブ25,25の反対側で接続アダプタ21を光ケーブル30,40に固定する2つの第2の熱収縮チューブ26,26とを含んでいる。なお、接続アダプタ21の外形は任意に変更することが可能である。
【0018】
以後、並列に配置された2つのクロージャ11,11のうち、+Y方向側のクロージャ11をクロージャ11A(第1のクロージャ)と言い、クロージャ11Aの構成要素を例えば楕円筒部16Aなどと言うことがある。また、−Y方向側のクロージャ11をクロージャ11B(第2のクロージャ)と言い、クロージャ11Bの構成要素を例えば楕円筒部16Bなどと言うことがある。
図1及び
図2に示すように、楕円筒部16Aと楕円筒部16BとはY方向に隣接して配置されている。
【0019】
図1及び
図2に示すように、連結部20の接続アダプタ21は、内部が中空のパイプ状部材として形成されている。この接続アダプタ21は、中央に位置する交差部23と、交差部23のY方向における両端から−X方向に延びるケーブル接続部22A,22Bと、交差部23のY方向における両端から+X方向に延びるクロージャ接続部24A,24Bとを有している。クロージャ接続部24Aは、クロージャ11Aの楕円筒部16Aに挿入され、第1の熱収縮チューブ25を介して楕円筒部16Aに固定されている。クロージャ接続部24Bは、クロージャ11Bの楕円筒部16Bに挿入され、第1の熱収縮チューブ25を介して楕円筒部16Bに固定されている。このような構成により、クロージャ11A,11Bが並列に連結されるとともに、接続アダプタ21の内部空間とクロージャ11A,11Bの内部空間とが連通する。なお、第1の熱収縮チューブ25を用いることなく、接続アダプタ21を直接クロージャ11A,11Bに固定してもよいし、連結部20をクロージャ11A,11Bと一体的に形成してもよい。
【0020】
本実施形態における光ケーブル30,40は、
図3に示すような高密度スロットレスケーブル400として構成されている。この高密度スロットレスケーブル400は、隣り合う2心の光ファイバを長手方向に間欠的に接着して12心のテープ心線410を構成し、このようなテープ心線410を複数枚被覆420の内部に収容したものである。被覆420の内部には抗張力体430と引裂き紐440が設けられる。このような高密度スロットレスケーブルは、必要に応じてケーブル内で容易に形状を変化させることができるため、従来のテープ心線に比べて、低損失・低歪でありながら、高密度の実装を可能にするものである。このような高密度スロットレスケーブルを用いることによって、光ケーブル30,40は、例えば3000本を超える多数の光ファイバ31,41を内部に収容することが可能となっている。
【0021】
図2に示すように、光ファイバ31(第1の光ファイバ)は、光ケーブル30の先端部において被覆32から露出されており、同様に、光ファイバ41(第2の光ファイバ)は、光ケーブル40の先端部において被覆42から露出されている。なお、
図2では、理解を容易にするために、光ファイバ31及び光ファイバ41の露出長が短く示されているが、実際の露出長は
図2よりも長くなっている。
【0022】
被覆32から露出された複数の光ファイバ31は、接続アダプタ21のケーブル接続部22Aを介して接続アダプタ21の内部空間に導入され、さらに、光ファイバ31の一部がクロージャ接続部24A及び楕円筒部16Aを介してクロージャ11Aの内部空間に導入されている。一方、
図1及び
図2に示すように、光ケーブル30の被覆32は、第2の熱収縮チューブ26を介して接続アダプタ21のケーブル接続部22Aに固定されている。
【0023】
同様に、被覆42から露出された複数の光ファイバ41は、接続アダプタ21のケーブル接続部22Bを介して接続アダプタ21の内部空間に導入され、さらに、光ファイバ41の一部がクロージャ接続部24B及び楕円筒部16Bを介してクロージャ11Bの内部空間に導入されている。一方、
図1及び
図2に示すように、光ケーブル40の被覆42は、第2の熱収縮チューブ26を介して接続アダプタ21のケーブル接続部22Bに固定されている。なお、このような熱収縮チューブ26を用いることなく、光ケーブル30,40をケーブル接続部22A,22Bに挿入してもよい。
【0024】
以上のように、接続アダプタ21は、ケーブル接続部22Aを介して光ケーブル30に接続されるとともに、クロージャ接続部24Aを介してクロージャ11Aに接続される。また、接続アダプタ21は、ケーブル接続部22Bを介して光ケーブル40に接続されるとともに、クロージャ接続部24Bを介してクロージャ11Bに接続される。
【0025】
図1及び
図2に示すように、光ファイバ接続構造1は、光ケーブル30,40を保持する保持部材50をさらに備えている。この保持部材50は、クロージャ11A,11Bの双方に取り付けられる板状部56と、板状部56から−X方向に延びる梁部58と、梁部58の−X方向側の端部から+Z方向に突出する1対の突出板51A,51Bとを含んでいる。
【0026】
図2に示すように、板状部56は、そのY方向における中央部を通ってZ方向に延びる線に対して線対称な外形に形成されており、両端部におけるZ方向の長さが中央部よりも大きくなっている。そして、
図2に示すように、この板状部56には、Y方向における中央部を挟んで両側に、楕円筒部16に対応する形状の楕円開口56Aと、楕円筒部16に隣接する2つの円筒部17,17に対応する形状の2つの円状開口56B,56Bとが形成されている。このように、板状部56には、合計6つの開口(楕円開口56Aが2つ、円状開口56Bが4つ)が形成されている。
【0027】
図1に示すように、クロージャ11Aの楕円筒部16A及び円筒部17B,17Bは、+Y方向側の楕円開口56A及び円状開口56B,56Bを貫通している。また、クロージャ11Bの楕円筒部16B及び円筒部17B,17Bは、−Y方向側の楕円開口56A及び円状開口56B,56Bを貫通している。このような構成により、保持部材50の板状部56がクロージャ11A,11Bに取り付けられ、クロージャ11Aとクロージャ11Bとの相対位置が固定される。
【0028】
図2に示すように、板状部56のY方向における中央部からは、梁部58が−X方向に延びている。この梁部58は、接続アダプタ21と光ケーブル30,40との下側(−Z方向側)を、被覆32,42と第2の熱収縮チューブ26,26との境界部近傍まで延びている。そして、梁部58の−X方向側の端部からは、1対の突出板51A,51Bが+Z方向に延びている。これらの突出板51A,51Bは、同一の外形(略長方形)及び寸法を有している。突出板51Aには、Z方向に所定の間隔を空けて2つのスリット52,52が形成されており、突出板51Bにも、Z方向に所定の間隔を空けて2つのスリット53,53が形成されている。
【0029】
図1に示すように、突出板51Aは、光ケーブル30の被覆32と光ケーブル40の被覆42との間に位置しており、突出板51Aの2つのスリット52,52に挿通された2つの結束バンド54,54を介して光ケーブル30の被覆32に固定されている。同様に、突出板51Bは、光ケーブル30の被覆32と光ケーブル40の被覆42との間に位置しており、突出板51Bの2つのスリット53,53に挿通された2つの結束バンド55,55を介して光ケーブル40の被覆42に固定されている。このように、保持部材50は、クロージャ11A,11Bの相対位置を固定するとともに、光ケーブル30,40を梁部58の先端で保持することによりこれらの光ケーブル30,40をクロージャ11A,11Bに固定している。
【0030】
ところで、光ケーブル30の複数の光ファイバ31及び光ケーブル40の複数の光ファイバ41は、接続アダプタ21を介してクロージャ11A,11Bの内部に導入される。ここで、
図4は、光ファイバ接続構造1の内部を模式的に示す図である。
図4に示すように、光ケーブル30の複数の光ファイバ31は、接続アダプタ21の内部空間S1内を延びている。より具体的には、複数の光ファイバ31のうち一部の光ファイバ31A(第1の光ファイバ群)は、接続アダプタ21の内部空間S1内をクロージャ11Aに向かって延びてクロージャ11Aの内部空間SAに導入されている。また、複数の光ファイバ31のうち他の光ファイバ31B(第2の光ファイバ群)は、接続アダプタ21の交差部23の中央部C付近を通ってクロージャ11Bの内部空間SBに導入されている。
【0031】
同様に、
図4に示すように、光ケーブル40の複数の光ファイバ41は、接続アダプタ21の内部空間S1内を延びている。より具体的には、複数の光ファイバ41のうち一部の光ファイバ41A(第3の光ファイバ群)は、接続アダプタ21の交差部23の中央部C付近を通ってクロージャ11Aの内部空間SAに導入されている。また、光ファイバ41のうち他の光ファイバ41B(第4の光ファイバ群)は、接続アダプタ21の内部空間S1内をクロージャ11Bに向かって延びてクロージャ11Bの内部空間SBに導入されている。
【0032】
このような構成により、
図4に示すように、接続アダプタ21の交差部23の中央部C付近で、クロージャ11Bの内部空間SBに導入されている複数の光ファイバ31B(第2の光ファイバ群)と、クロージャ11Aの内部空間SAに導入されている複数の光ファイバ41A(第3の光ファイバ群)とが互いに交差する。
【0033】
図4に示すように、クロージャ11Aの内部空間SAにおいて、第1の光ファイバ群31Aの光ファイバと第3の光ファイバ群41Aの光ファイバとは、融着部PAにおいて融着され、相互接続されている。そして、これらすべての融着部PAは、上述のファイバ収容トレイ13Aに収容されている。また、クロージャ11Bの内部空間SBにおいて、第2の光ファイバ群31Bの光ファイバと第4の光ファイバ群41Bの光ファイバとは、融着部PBにおいて融着され、相互接続されている。そして、これらすべての融着部PBは、上述のファイバ収容トレイ13Bに収容されている。
【0034】
以上のように、本実施形態における光ファイバ接続構造1によれば、光ケーブル内の心数が多い場合(より具体的には、例えば、光ケーブル内に3000本を超える光ファイバが収容されているような場合)でも、並列に連結されたクロージャ11Aとクロージャ11Bとに光ケーブル30,40の多数の光ファイバ31,41を分配することができる。すなわち、1つのクロージャに収容される光ファイバの心数を大幅に(例えば、半分に)減らすことができるため、既存のクロージャを利用してすべての光ファイバをこれらのクロージャ内で融着接続することができる。したがって、新たなクロージャを設計・製造する必要がなく、製造コストを抑えることができる。
【0035】
さらに、光ファイバ接続構造1は、光ケーブル30とクロージャ11Aとを連結するケーブル接続部22A及びクロージャ接続部24Aと、光ケーブル40とクロージャ11Bとを連結するケーブル接続部22B及びクロージャ接続部24Bとが交差部23を介して連結された接続アダプタ21を備えている。このような接続アダプタ21に光ファイバ31及び光ファイバ41を挿通させることで、光ケーブル30の光ファイバ31A(第1の光ファイバ群)がクロージャ接続部24Aを介して容易にクロージャ11Aにガイドされ、かつ、光ファイバ31B(第2の光ファイバ群)が交差部23を介して容易にクロージャ11Bにガイドされる。同様に、光ケーブル40の光ファイバ41A(第3の光ファイバ群)が交差部23を介して容易にクロージャ11Aにガイドされ、かつ、光ファイバ41B(第4の光ファイバ群)がクロージャ接続部24Bを介して容易にクロージャ11Bにガイドされる。そのため、光ファイバ31と光ファイバ41とをクロージャ11A及びクロージャ11Bの双方に容易に分配することができる。
【0036】
また、光ケーブル30,40は、保持部材50の突出板(保持部)51A,51Bに保持されることにより、光ケーブル30,40の根元部分(クロージャ11A,11Bの近傍)と、該根元部分から離れた部分(突出板51A,51Bが位置する部分)の2箇所においてクロージャ11A,11Bに固定される。このように、本実施形態では、光ケーブル30,40は、連結部20を介してクロージャ11A,11Bに固定されているだけでなく、保持部材50によって保持されるので、光ケーブル30,40がクロージャ11A,11Bに対してしっかりと固定される。また、保持部材50によって光ケーブル30,40が根元から大きく曲がってしまうことが抑制され、その結果、これらのケーブルが根元部分から折れてしまうことが防止される。また、このような曲がりが抑制されることにより、第2の熱収縮チューブ26と光ケーブル30,40との間や第1の熱収縮チューブ25と楕円筒部16との間に隙間が空くことが抑制されるため、クロージャ11A,11Bの防水性が高まる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態における光ファイバ接続構造101について説明する。ここで、
図5は光ファイバ接続構造101を示す斜視図であり、
図6は光ファイバ接続構造101の内部を模式的に示す図である。
【0038】
図5に示すように、光ファイバ接続構造101は、連結部20を介してクロージャ11A,11Bに固定されている光ケーブル30(第1の光ケーブル)及び光ケーブル140A(第2の光ケーブル)に加えて、クロージャ11Aに接続される光ケーブル140B(第3の光ケーブル)と、クロージャ11Bに接続される光ケーブル140C(第3の光ケーブル)とを備えている。
【0039】
図5に示すように、光ケーブル140Bは、クロージャ11Aの蓋部14Aから延びる円筒部17Aに挿入されている。この光ケーブル140Bは、連結部20に接続されている光ケーブル140Aに比べて細径に形成されており、光ケーブル140Aよりも少ない数の光ファイバを有している。同様に、光ケーブル140Cは、クロージャ11Bの蓋部14Bから延びる円筒部17Bに挿入されている。この光ケーブル140Cは、連結部20に接続されている光ケーブル140Aに比べて細径に形成されており、光ケーブル140Aよりも少ない数の光ファイバを有している。なお、本実施形態では、光ケーブル140A,140B,140Cに含まれる光ファイバの心数の合計が、光ケーブル30に含まれる光ファイバの心数と等しくなっている。
【0040】
図6に示すように、光ケーブル30の光ファイバ31(第1の光ファイバ)のうち一部の光ファイバ31Aは、連結部20の接続アダプタ21の内部空間S1を貫通してクロージャ11Aの内部空間SAに導入されている。また、複数の光ファイバ31のうち残りの光ファイバ31Bは、接続アダプタ21の交差部23の中央部C付近を通ってクロージャ11Bの内部空間SBに導入されている。一方、光ケーブル140Aの光ファイバ141(第2の光ファイバ)のうち一部の光ファイバ141Aは、接続アダプタ21の交差部23の中央部C付近を通ってクロージャ11Aの内部空間SAに導入されている。また、複数の光ファイバ141のうち残りの光ファイバ141Bは、接続アダプタ21の内部空間S1を貫通してクロージャ11Bの内部空間SBに導入されている。
【0041】
このような構成により、
図6に示すように、接続アダプタ21の交差部23の中央部C付近で、クロージャ11Bの内部空間SBに導入されている光ファイバ31Bと、クロージャ11Aの内部空間SAに導入されている光ファイバ141Aとが互いに交差する。
【0042】
図6に示すように、クロージャ11Aの内部空間SAに導入された光ファイバ31Aの一部(第1の光ファイバ群)と、クロージャ11Aの内部空間SAに導入された光ファイバ141A(第3の光ファイバ群)とは、融着部PAにおいて融着されて相互接続されている。そして、これらすべての融着部PAは、ファイバ収容トレイ13Aに収容されている。同様に、クロージャ11Bの内部空間SBに導入された光ファイバ31Bの一部の光ファイバ(第2の光ファイバ群)と、クロージャ11Bの内部空間SBに導入された光ファイバ141B(第4の光ファイバ群)とは、融着部PBにおいて融着されて相互接続されている。そして、これらのすべての融着部PBは、ファイバ収容トレイ13Bに収容されている。
【0043】
図6に示すように、光ケーブル140Bに含まれる光ファイバ145(第3の光ファイバ)は、クロージャ11Aの円筒部17Aを介してクロージャ11Aの内部空間SAに導入されている。これらの光ファイバ145と、光ケーブル30の光ファイバ31Aのうち光ファイバ141Aに融着されていない光ファイバ(第5の光ファイバ群)とは、融着部PCにおいて融着されて相互接続されている。そして、これらすべての融着部PCは、ファイバ収容トレイ13Aに収容されている。
【0044】
同様に、
図6に示すように、光ケーブル140Cに含まれる光ファイバ147(第3の光ファイバ)は、クロージャ11Bの円筒部17Bを介してクロージャ11Bの内部空間SBに導入されている。これらの光ファイバ147と、光ケーブル30の光ファイバ31Bのうち光ファイバ141Bに融着されていない光ファイバ(第5の光ファイバ群)とは、融着部PDにおいて融着されて相互接続されている。そして、これらすべての融着部PDは、ファイバ収容トレイ13Bに収容されている。
【0045】
以上のように、本実施形態における光ファイバ接続構造101によれば、光ケーブル30の複数の光ファイバ31と光ケーブル140Aの複数の光ファイバ141とをクロージャ11A及びクロージャ11Bの双方に分配することができるため、光ファイバ接続構造1と同様に、光ファイバの心数が極めて多い場合(例えば、心数が3000本を超える場合)でも、既存のクロージャを利用してすべての光ファイバをこれらのクロージャ内で融着接続することができる。したがって、新たなクロージャを設計・製造する必要がなく、製造コストを抑えることができる。
【0046】
さらに、本実施形態によれば、クロージャ11Aに光ケーブル140Bを接続し、クロージャ11Bに光ケーブル140Cを接続することにより、光ケーブル30を3方向に分岐させることができる。
【0047】
なお、上述の第2の実施形態では、光ケーブル140Aに加えて光ケーブル140B,140Cを追加した例を説明したが、追加する光ケーブルは光ケーブル140B,140Cのいずれか一方だけでもよいし、あるいは、光ケーブル140B,140Cに加えて他の光ケーブルを追加してもよいことは言うまでもない。
【0048】
また、上述の第1及び第2の実施形態では、光ファイバ31及び光ファイバ41、又は光ファイバ31及び光ファイバ141が接続アダプタ21の内部で交差するように構成されているが、クロージャ11Aの内部空間SA又はクロージャ11Bの内部空間SBでこれらの光ファイバが交差するように構成してもよい。
【0049】
次に、本発明の第3の実施形態における光ファイバ接続構造301について
図7及び
図8を参照して説明する。
図7は光ファイバ接続構造301を示す斜視図であり、
図8は光ファイバ接続構造301の内部を模式的に示す図である。
【0050】
図7及び
図8に示すように、光ファイバ接続構造301は、−X方向側に位置する光ケーブル330(第1の光ケーブル)と、光ケーブル330が接続するクロージャ311A(第1のクロージャ)と、+X方向側に位置する光ケーブル340(第2の光ケーブル)と、光ケーブル340が接続するクロージャ311B(第2のクロージャ)と、クロージャ311Aとクロージャ311Bとを連結する連結部材320とを備えている。
【0051】
図7に示すように、クロージャ311A及びクロージャ311Bは、X方向(軸方向)に延びており、X方向に沿って一直線上に(すなわち、X方向に隣接して)配置されている。すなわち、光ファイバ接続構造301は、全体としてX方向に細長くなるように構成されている。光ケーブル330と光ケーブル340とは、上述の実施形態と同様に高密度スロットレスケーブル(
図3参照)として構成されている。すなわち、光ケーブル330は、多数の(例えば、3000本を超える数の)光ファイバ331(第1の光ファイバ)を有しており、光ケーブル340も、光ケーブル330と同数で多数の(例えば、3000本を超える数の)光ファイバ341(第2の光ファイバ)を有している。
【0052】
図8に示すように、光ケーブル330内の複数の光ファイバ331は、クロージャ311Aの内部空間S2に導入されている。光ファイバ331のうち一部の光ファイバ331A(第1の光ファイバ群)は、クロージャ311Aの内部空間S2まで延びており、残りの光ファイバ331B(第2の光ファイバ群)は、連結部材320の内部空間を貫通してクロージャ311Bの内部空間S3まで延びている。一方、光ケーブル340内の複数の光ファイバ341は、クロージャ311Bの内部空間S3に導入されている。光ファイバ341のうち一部の光ファイバ341A(第3の光ファイバ群)は、連結部材320の内部空間を貫通してクロージャ311Aの内部空間S2まで延びており、残りの光ファイバ341B(第4の光ファイバ群)は、クロージャ311Bの内部空間S3まで延びている。
【0053】
図8に示すように、クロージャ311Aの内部空間S2まで延びる光ファイバ331A(第1の光ファイバ群)と、連結部材320を貫通して内部空間S2まで延びる光ファイバ341A(第3の光ファイバ群)とは、融着部PAにおいて融着されて相互接続されている。そして、これらすべての融着部PAは、ファイバ収容トレイ313Aに収容されている。一方、連結部材320を貫通してクロージャ311Bの内部空間S3まで延びる光ファイバ331B(第2の光ファイバ群)と、内部空間S3まで延びる光ファイバ341B(第4の光ファイバ群)とは、融着部PBにおいて融着されて相互接続されている。そして、これらすべての融着部PBは、ファイバ収容トレイ313Bに収容されている。
【0054】
以上のように、本実施形態における光ファイバ接続構造301によれば、光ケーブル330の複数の光ファイバ331と光ケーブル340の複数の光ファイバ341とを直列に連結されたクロージャ311A及びクロージャ311Bの双方に分配することができるため、上述の光ファイバ接続構造1及び光ファイバ接続構造101と同様に、光ファイバの心数が極めて多い場合(例えば、心数が3000本を超える場合)でも、既存のクロージャを利用してすべての光ファイバをこれらのクロージャ内で融着接続することができる。したがって、新たなクロージャを設計・製造する必要がなく、製造コストを抑えることができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、クロージャ311Aとクロージャ311BとをX方向に隣接して(すなわち、直列に)連結することにより、光ファイバ接続構造を細長く構成することができるため、設置幅が僅かしか確保できないような場所でも、光ファイバ接続構造を設置することが可能となる。
【0056】
上述の第1、第2、及び第3の実施形態では、2つのクロージャを連結した例を説明したが、3つ以上のクロージャを連結して光ファイバ接続構造を構成してもよいことは言うまでもない。
【0057】
本明細書において使用した用語「下」、「上」、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。
【0058】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。