特許第6469175号(P6469175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469175
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】ハウス玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/52 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   A63H3/52 B
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-130700(P2017-130700)
(22)【出願日】2017年7月3日
(65)【公開番号】特開2019-13283(P2019-13283A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2018年2月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】荒川 賢一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 光
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−115593(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01371404(EP,A1)
【文献】 実開昭55−158792(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0106645(US,A1)
【文献】 実開昭55−002361(JP,U)
【文献】 特開昭62−152494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具体を用いた遊戯に使用されるハウス玩具であって、
第1の玩具本体と、
前記第1の玩具本体に対し閉塞状態と開放状態とに変化できるように前記第1の玩具本体に接続された第2の玩具本体と、
前記第1の玩具本体に回動可能に接続され、前記開放状態において、前記第1の玩具本体に収容された第1の位置から第2の位置に変位可能に設けられた変位部と、
を備え、
前記第1の玩具本体は、前記玩具体を載置可能な第1の載置部を有し、
前記変位部は、前記第2の位置において、前記玩具体を載置可能な第2の載置部を有し
前記第2の玩具本体は、前記玩具体を載置可能な第3の載置部を有し、
前記第2の載置部は、前記第2の位置にあり、且つ、前記第1の玩具本体への係止により回動が規制された状態において、前記第1の載置部の上面と前記第3の載置部の上面とを連携させることができる、
ハウス玩具。
【請求項2】
記第1の載置部の上側空間は、遊戯空間となる、
請求項1に記載のハウス玩具。
【請求項3】
前記第1の載置部の一部は、前記第1の玩具本体から張り出す、
請求項1または2に記載のハウス玩具。
【請求項4】
記第2の載置部は、前記第1の位置にある状態において、その上面が前記第1の載置部によって覆われる、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項5】
前記第2の載置部は、前記第2の位置にある状態において、前記第1の載置部によってその上面の一部を覆われるように構成される、
請求項4に記載のハウス玩具。
【請求項6】
前記第2の載置部は、前記第1の位置にある状態において、前記第1の載置部を支持可能である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項7】
前記第2の載置部は、前記第2の位置にある状態において、前記第1の玩具本体外となるように構成される、
請求項〜6のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項8】
前記第1の玩具本体は、前記変位部が前記第1の位置にある状態において、前記変位部の収容位置を規定する部位を有する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項9】
前記変位部は、前記第1の玩具本体は、前記変位部の回動を規制する部位を有する、
請求項1〜8のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項10】
前記変位部は、前記第1の位置にある状態と前記第2の位置にある状態の両方において前記第1の玩具本体の自立を補助するように構成される、
請求項1〜9のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項11】
前記変位部は、階段を模した外観形状を有する、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項12】
前記第2の玩具本体は、前記第1の玩具本体に回動可能に構成される、
請求項1〜11のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項13】
前記第2の玩具本体は、前記第1の玩具本体と略同じ外観形状を有する、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項14】
記第3の載置部の上側空間は、第2の遊戯空間である、
請求項1〜13のいずれか1項に記載のハウス玩具。
【請求項15】
前記第2の遊戯空間には、前記開放状態において揺動可能な揺動部が設けられている、
請求項14に記載のハウス玩具。
【請求項16】
前記揺動部の一部は、前記閉塞状態において、前記第1の玩具本体の一部と当接可能である、請求項15記載のハウス玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具体を用いた遊戯に使用されるハウス玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、箱型に形成され、かつ、その前後壁体の少なくとも一方が開閉自在に形成されたハウス本体を有するハウス玩具が開示されている。このハウス玩具は、壁体を開放させた状態で、ハウス本体内等に玩具体を適宜載置することによって所期の遊戯を行うものである。
【0003】
しかしながら、前記ハウス玩具は、決められたエリアにしか玩具体を載置することができないため、玩具体を載置可能なエリアを必要に応じて拡大して遊戯の自由度を高めるようなことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−073600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、玩具体を載置可能なエリアを必要に応じて拡大して遊戯の自由度を高めることができるハウス玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るハウス玩具は、玩具体を用いた遊戯に使用されるハウス玩具であって、第1の玩具本体と、前記第1の玩具本体に対し閉塞状態と開放状態とに変化できるように前記第1の玩具本体に接続された第2の玩具本体と、前記第1の玩具本体に回動可能に接続され、前記開放状態において、前記第1の玩具本体に収容された第1の位置から第2の位置に変位可能に設けられた変位部と、を備え、前記第1の玩具本体は、前記玩具体を載置可能な第1の載置部を有し、前記変位部は、前記第2の位置において、前記玩具体を載置可能な第2の載置部を有し、前記第2の玩具本体は、前記玩具体を載置可能な第3の載置部を有し、前記第2の載置部は、前記第2の位置にあり、且つ、前記第1の玩具本体への係止により回動が規制された状態において、前記第1の載置部の上面と前記第3の載置部の上面とを連携させることができる
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るハウス玩具によれば、玩具体を載置可能なエリアを必要に応じて拡大して遊戯の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(A)は本発明の第1実施形態に係るハウス玩具の閉塞状態を示す前面図、図1(B)は同後面図、図1(C)は同上面図、図1(D)は同下面図である。
図2図2(A)は図1に示したハウス玩具の開放状態(第2の載置部は収容状態)を示す前面図、図2(B)は同上面図、図2(C)は同下面図である。
図3図3(A)は図1に示したハウス玩具の開放状態(第2の載置部は張出状態)を示す前面図、図3(B)は同上面図、図3(C)は同下面図である。
図4図4図1に示したハウス玩具の遊戯方法の説明図である。
図5図5(A)は本発明の第2実施形態に係るハウス玩具の開放状態(第2の載置部は張出状態)を示す前面図、図5(B)は同上面図である。
図6図6(A)は本発明の第3実施形態に係るハウス玩具の前面図、図6(B)は図6(A)に示したハウス玩具における第2の載置部が第2の位置にある状態を示す前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図6を用いて、本発明を適用したハウス玩具について説明する。この説明では、便宜上、図1(A)の手前側を前、奥側を後、左側を左、右側を右、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらと同様に表記する。
【0010】
《第1実施形態:図1図4
まず、図1図3を用いて、本発明の第1実施形態に係るハウス玩具10の構成について説明する。なお、図1はハウス玩具10の閉塞状態を示し、図2はハウス玩具10の開放状態(後記第2の載置部17は第1の位置にある状態)を示し、図3はハウス玩具10の開放状態(後記第2の載置部17は第2の位置にある状態)を示す。
【0011】
図1に示したように、ハウス玩具10は、第1玩具本体11と第2玩具本体12とによって構成されている。ハウス玩具10は縦向きの卵の下部を平らに取り除いたような外観形状を有しており、第1玩具本体11と第2玩具本体12はこの玩具本体10を1/2に縦割りしたような外観形状を有している。
【0012】
また、第1玩具本体11の後面には、孔13aを有する第1接続部13が上下に間隔をおいて2個設けられている。一方、第2玩具本体12の後面には、各第1接続部13の孔13aに嵌まり込む突起14aを上下端に有する第2接続部14が設けられている。すなわち、第1玩具本体11と第2玩具本体12は、2個の孔14aおよび2個の突起13aの軸線を中心として前後に回動できるように接続されている。
【0013】
さらに、第1玩具本体11の前面には、係止用突起15aを有する第1係止部15が設けられている。一方、第2玩具本体12の前面には、第1係止部15の係止用突起15aが弾性的に係止される第2係止部(係止用突起)16が設けられている。すなわち、第1玩具本体11と第2玩具本体12は、第1係止部15の係止用突起15aを第2係止部16に係止することによって閉塞状態が維持されるようになっているとともに、指先等で第1係止部15を弾性変形させて係止用突起15aと第2係止部16との係止を解除することによって開放が許容されるようになっている。
【0014】
図2に示したように、第1玩具本体11の内側には上面視形状が略円形を成す第1の載置部11aが設けられているとともに、第1玩具本体11の下端には平らな下面を有する底部11bが設けられている。底部11bの下面視外形は略半円形であるが、後記第2載置部17の下部17bの下面視外形に対応した内形の露出部11b1が形成されている。すなわち、第1玩具本体11の内側空間は、第1の載置部11aによって上側空間(遊戯空間)11cと下側空間11dとに仕切られており、第1の載置部11aの上面は玩具体を載置可能な載置面となっている。なお、第1の載置部11aの上面視形状が略円形であるため、開放状態では第1の載置部11aの略1/2が前側に張り出している。ここで、第1の載置部11aは、第1玩具本体11の内側に固定されており、第1玩具本体11に対して固定された載置部となっている。
【0015】
一方、第2玩具本体12の内側には上面視形状が略半円形を成す第3の載置部12aが設けられているとともに、第2玩具本体12の下端には平らな下面を有し、かつ、下面視形状が略半円形を成す底部12bが設けられている。加えて、第3の載置部12aと底部12bとの間には、仕切部12cが設けられている。すなわち、第2玩具本体12の内側空間は、第3の載置部12aと仕切部12cとによって上側空間(遊戯空間)12dと引き出し用空間12eと補助空間12fとに仕切られており、第3の載置部12aの上面は玩具体を載置可能な載置面となっている。なお、第3の載置部12aの上面視形状が略半円形であるため、開放状態では第3の載置部12aは前側に張り出していない。ここで、第3の載置部12aは、第2玩具本体12の内側に固定されており、第2玩具本体12に対して固定された載置部となっている。
【0016】
さらに、第2玩具本体12の第3の載置部12aの上下方向位置は第1玩具本体11の第1の載置部11aの上下方向位置によりも低く、図1に示した閉塞状態では第1の載置部11aの張出部分が遊戯空間12dに収まるようになっている。さらに、引き出し用空間12eには、取っ手19aを有する引き出し19が前後方向に動かせるように収容されている。なお、引き出し用空間12eに収容された引き出し19の引き出し操作が行えるように、開放状態では取っ手19aが前側に張り出している。
【0017】
図2および図3に示したように、第1玩具本体11には、第1玩具本体11に対して第1の位置と第2の位置との間を変位可能に、具体的には収容状態(図2を参照)と張出状態(図3を参照)とに変化できるように第2の載置部17が設けられている。つまり、第2の載置部17は、第1玩具本体11に対して可動であり、第1玩具本体11に対して可動な載置部となっている。
【0018】
詳しく述べると、第2の載置部17の上面視形状は略半円形であり、その上側には曲率半径が小さな上部17aが一体的に設けられ、その下側には第1玩具本体11の底部11bの露出部11b1の内形(略半径形の一部を平らに取り除いたような内形)に対応した下面視外形を有する下部17bが一体的に設けられている。すなわち、第2の載置部17の上面(上部17aの上面)は玩具体を載置可能な載置面となっているとともに、第2の載置部17は上部17aの存在によって階段を模した外観形状となっている。また、第2の載置部17の端部には筒状部17cが設けられている。さらに、第2の載置部17の上部17aには、閉塞状態において第2玩具本体12の引き出し19の取っ手19aを受け入れる凹部17dが設けられている。
【0019】
さらに、第1玩具本体11の底部11bの端部にはシャフト18を支持する下面視外形が略台形を成す凸部11b2が設けられており、このシャフト18は第2の載置部17の筒状部17cが挿入されている。なお、第2玩具本体12の底部12bの端部には、閉塞状態でこの凸部11b2が嵌まり込む下面視内形が略台形を成す凹部12b1が設けられている(図1を参照)。すなわち、第2の載置部17は、シャフト18の軸線を中心として前後に回動できるようになっていため、図2に示した収容状態において第2の載置部17を指先等によって前側に引き出して回動させることによって、図3に示した張出状態(第2の位置にある状態)、具体的には第2の載置部17の略全体が第1玩具本体11と第2玩具本体12との境界の前側に位置した状態に変化させることができる。なお、張出状態にある第2の載置部17の上部17aの上面の上下方向位置は、第2玩具本体12の第3の載置部12aの上面の上下方向位置と略一致している。
【0020】
つまり、図2に示した開放状態(第2の載置部17は収容状態)では、第2の載置部17の下部17bは第1玩具本体11の底部11bの露出部11b1に入り込んでいて、下部17bと露出部11b1との相互接触により、第1玩具本体11の下側空間11dにおける第2の載置部17の収容位置が規定されている。また、第2の載置部17の下部17bの下面は第1玩具本体11の底部11bの下面と同一平面を構成するようになっているため、収容状態(第1の位置にある状態)にある第2の載置部17の下部17bの下面は、開放された第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立を補助するように作用する。さらに、第2の載置部17は第1玩具本体11の下側空間11dに略完全に収容されているため、上から見たときに、第2の載置部17は第1玩具本体11の第1の載置部11aによって覆われている。ここで、第2の載置部17の上下方向の長さを下側空間11dの上下方向長さと略同じにすることで、第2の載置部17の上面は、第1の載置部11aの下面と接触する。このようにすることにより、第2の載置部17が第1の載置部11aを支持することが可能となる。また、第2の載置部17の上面が第1の載置部11aの下面とわずかに接触していない場合でも、玩具体を第1の載置部11aに載置する際等に第1の載置部11aにかかる下方向への圧力により第1の載置部11aが若干下方に撓んだ場合に、第2の載置部17の上面が第1の載置部11aの下面と接触し、第2の載置部17が第1の載置部11aを支持可能としておくこともできる。つまり、第2の載置部17は、第1の載置部11aに支持可能に設けることができる。
【0021】
一方、図3に示した開放状態(第2の載置部17は張出状態)では、第2の載置部17の下部17bは第1玩具本体11の底部11bの露出部11b1から抜け出し、第2の載置部17の略全体が第1玩具本体11と第2玩具本体12との境界の前側に位置している。また、第2の載置部17の下部17bの下面は第1玩具本体11の底部11bの下面と同一平面を構成するようになっているため、張出状態にある第2の載置部17の下部17bの下面は、開放された第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立を補助するように作用する。さらに、第1玩具本体11の第1の載置部11aの略1/2が前側に張り出しているため、上から見たときに、第2の載置部17はその一部(筒状部17cおよび近傍部分)が第1の載置部11aによって覆われ、他の部分は第1の載置部11aから露出している。前述のように、第2の載置部17の上下方向の長さを下側空間11dの上下方向長さと略同じにすることで、第2の載置部17の上面の一部は、第1の載置部11aの下面と接触する。このようにすることにより、第2の載置部17が第1の載置部11aを支持することが可能となる。また、第2の載置部17の上面が第1の載置部11aの下面とわずかに接触していない場合でも、玩具体を第1の載置部11aに載置する際等に第1の載置部11aにかかる下方向への圧力により第1の載置部11aが若干下方に撓んだ場合に、第2の載置部17の上面が第1の載置部11aの下面と接触し、第2の載置部17が第1の載置部11aを支持可能としておくこともできる。つまり、第2の載置部17は、張出状態においても、第1の載置部11aを支持可能に設けることができる。また、図3のように、第2の載置部17の略全体が第1玩具本体11と第2玩具本体12との境界の前側に位置するときに、第1玩具本体11の右下部に第2の載置部17の回動が規制され、第1玩具本体11に対して第2の載置部17が係止する。
【0022】
次に、図4を用い、かつ、図1図3を適宜引用して、前記ハウス玩具10の遊戯方法について説明する。ここで説明する遊戯方法はあくまでも一例であって、前記ハウス玩具10の遊戯方法を制限するものではない。
【0023】
遊戯者は、図1に示した閉塞状態にあるハウス玩具10を、遊戯に使用する玩具体、例えば人形、家具、家電品を模したミニチュア玩具や装飾品等と一緒に遊戯場所に運び、ここでハウス玩具10を開放して、開放された第1玩具本体11および第2玩具本体12を遊戯場所で自立させる(図2を参照)。なお、図1に示した閉塞状態にあるハウス玩具10は、第1玩具本体11の遊戯空間11cと第2玩具本体12の遊戯空間12dとによって閉じられた収納空間が形成されるため、当該収納空間に遊戯に使用する玩具体を収納しておくことも可能である。先に述べたように、図2に示した開放状態(第2の載置部17は収容状態)では、開放された第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立が収容状態にある第2の載置部17の下部17bの下面によって補助されるため、遊戯途中で第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立が不安定になることはない。
【0024】
また、図2に示した開放状態(第2の載置部17は収容状態)では、第1玩具本体11の第1の載置部11aの上面と第2玩具本体12の第3の載置部12の上面を玩具体を載置可能な載置面として使用できるため、遊戯者は、図4に示したような玩具体(PT1は人形を例示、PT2はベッドを例示)を第1の載置部11aおよび第3の載置部12aの上面に適宜載置して所期の遊戯を行うことができる。
【0025】
この遊戯の際に玩具体を載置可能なエリアを拡大する必要が生じた場合には、図2に示した開放状態(第2の載置部17は収容状態)で収容状態にある第2の載置部17を指先等によって前側に引き出して回動させることによって、第2の載置部17を張出状態に変化させる(図3を参照)。先に述べたように、図3に示した開放状態(第2の載置部17は張出状態)でも第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立は張出状態にある第2の載置部17の下部17bの下面によって補助されるため、遊戯途中で第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立が不安定になることはない。
【0026】
第2の載置部17を収容状態(第1の位置にある状態)から張出状態(第2の位置にある状態)に変化させると、第1玩具本体11の第1の載置部11aの上面と第2玩具本体12の第3の載置部12の上面に加えて、第2の載置部17の上面(上部17aの上面)も玩具体を載置可能な載置面として使用できるようになる。すなわち、玩具体を載置可能なエリアが拡大されるため、遊戯者は、図4に示したような玩具体(PT1は人形を例示、PT2はベッドを例示)を第1の載置部11aおよび第3の載置部12aの上面と第2の載置部17の上面に適宜載置して所期の遊戯を行ことができる。
【0027】
次に、前記ハウス玩具10によって得られる効果について説明する。
【0028】
第1玩具本体11に対して変位可能に設けられた第2の載置部17を使用することによって、玩具体を載置可能なエリアを必要に応じて拡大して遊戯の自由度を高めることができる。
【0029】
また、第2の載置部17は第1玩具本体11に対し収容状態と張出状態とに変化できるため、第2の載置部17を使用しないときに当該第2の載置部17が遊戯の邪魔になることがない。
【0030】
さらに、第2の載置部17は、収容状態と張出状態の両方において開放された第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立を補助するため、遊戯途中で第1玩具本体11および第2玩具本体12の自立が不安定になることはない。
【0031】
さらに、第2の載置部17は、収容状態と張出状態の両方において、第1の載置部11aを支持可能であることで、遊戯時に第1の載置部11aにある程度の圧力がかかったとしても第1の載置部11aの破損を抑制することができる。特に、本実施の形態のように、第1の載置部11aの一部が前側に張り出している場合、第1の載置部11aの張出部分がより破損し易くなるため、第2の載置部17が第1の載置部11aを支持可能に設けておくことが有効になる。
【0032】
さらに、第2の載置部17は回動操作によって収容状態から張出状態に変化、または、張出状態から収容状態に変化させることができるため、両変化に伴う操作を簡単に行うことができる。
【0033】
さらに、第2の載置部17は階段を模した外観形状を有しているため、第2の載置部17を張出状態に変化させても、開放された第1玩具本体11および第2玩具本体12の見栄え、すなわち、開放状態のハウス玩具10の見栄えを損ねることはない。また、第2の載置部17を張出状態(第2の位置にある状態)に変化させた場合、ハウス玩具10における玩具体の載置面として、第1玩具本体11の第1の載置部11aの上面と、第2玩具本体12の第3の載置部12の上面とを連携させることができるため、より遊戯性を向上させることができる。さらに、図2に示した開放状態(第2の載置部17は収容状態)で収容状態にある第2の載置部17を指先等によって前側に引き出す場合、指先が侵入可能な下側空間11dが存在することにより、引き出す動作が容易に実行可能となる。
【0034】
《第2実施形態:図5
図5は、本発明の第2実施形態に係るハウス玩具10-1を示す。このハウス玩具10-1が前記ハウス玩具10と異なるところは、
・第2玩具本体12の遊戯空間12dに揺動部(例えばブランコ)20を配置した点
にある。他の構成は前記ハウス玩具10と同じであるため、同一符号を用いてその説明を省略する。
【0035】
相違点について詳しく述べると、第2玩具本体12の遊戯空間12dには、孔12g1を有する計2個の支持部12gが左右方向で向き合うように設けられている。また、揺動部20は、各支持部12gの孔12g1に嵌まり込む突起21aを左右端に有するメインシャフト部21と、メインシャフト21に下向きに設けられた計2本のサブシャフト部22と、両サブシャフト22に設けられた着座部23とを一体的に有している。すなわち、揺動部20は2個の孔12g1および2個の突起21aの軸線を中心として前後に揺動(回動)できるようになっており、着座部23の上面は玩具体を載置可能な載置面となっている。なお、着座部23の周囲には、その上面に載置された玩具体の落下を防止するための壁部を設けても良い。
【0036】
このハウス玩具10-1にあっては、第1玩具本体11の第1の載置部11aの上面と第2玩具本体12の第3の載置部12aの上面および揺動部20の着座部23の上面を玩具体を載置可能な載置面として使用できる他、第2の載置部17を収容状態から張出状態に変化させることによって当該第2の載置部17の上面(上部17aの上面)をも玩具体を載置可能な載置面として利用することができる。
【0037】
また、図1に示した閉塞状態で第2玩具本体12の遊戯空間12dに収まるようになっている第1玩具本体11の第1の載置部11aの上面を、第2玩具本体12に設けた揺動部20の着座部23の下面と当接可能に調整しておけば、ハウス玩具10を持ち運ぶ際等において、図1に示した閉塞状態で揺動部20が揺動(回動)することを防止すると共に、第1玩具本体11の内壁等への衝突による音の発生を防止することもできる。
【0038】
なお、ハウス玩具10-1で得られる他の効果は、前記ハウス玩具10で得られる効果と同じであるため、その説明を省略する。
【0039】
《第3実施形態:図6
図6は、本発明の第3実施形態に係るハウス玩具10-2を示す。このハウス玩具10-2が前記ハウス玩具10と異なるところは、
・第2玩具本体12を排除し、第1接続部13、第2接続部14、第1係止部15および
第2係止部16を排除し、引き出し19を排除した点
にある。他の構成は前記ハウス玩具10と同じであるため、同一符号を用いてその説明を省略する。
【0040】
なお、ハウス玩具10-2で得られる他の効果は、第2玩具本体12を有しない観点では前記ハウス玩具10で得られる効果と同じであるため、その説明を省略する。
【0041】
《他の実施形態:図無し》
(M1)第1実施形態および第2実施形態に係るハウス玩具10および10-1として縦向きの卵の下部を平らに取り除いたような外観形状を有するものを示したが、ハウス玩具の外観形状は他の外観形状、例えば球体の下部を平らに取り除いたような外観形状や、円柱形または角柱形の外観形状や、円錐台形や角錐台形の外観形状等であっても良い。また、第1玩具本体11と第2玩具本体12の外観形状も、前記の他の外観形状の場合を含め、ハウス玩具を非対称の外観形状に分割したようなものであっても良い。さらに、第3実施形態に係るハウス玩具10-2の玩具本体11の外観形状についても、前記の第1玩具本体の外観形状に準じた他の外観形状としても良い。
【0042】
(M2)第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態に係るハウス玩具10、10-1および10-2の第2の載置部17として上面視形状が略半円形のものを示したが、第2の載置部17の上面視形状は他の上面視形状を有するものであっても良い。すなわち、第1玩具本体11に対し収容状態と張出状態とに変化(第1の位置と第2の位置との間を変位)できるように構成されていれば、第2の載置部17の上面視形状および外観形状に特段の制限はない。
【0043】
10,10-1,10-2…ハウス玩具、11…第1玩具本体、11a…第1の載置部、11b…底部、11b1…露出部、11c…遊戯空間、11d…下側空間、12…第2玩具本体、12a…第3の載置部、12b…底部、12c…仕切部、12d……遊戯空間、12e…引き出し用空間、13…第1接続部、14…第2接続部、15…第1係止部、16…第2係止部、17…第2の載置部、17a…上部、17b…下部、17c…筒状部、18…シャフト、19…引き出し、PT1,PT2…玩具体、19…引き出し、19a…取っ手、20…揺動部(ブランコ)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6