(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記固形化処理装置501で固形燃料を製造する場合、材料として、家庭や事業所から排出された可燃ごみ及び廃プラスチックや、工場や下水処理場等から排出された汚泥等、種々のものが利用される。ここで、有機汚泥や製紙残渣等のように水分の比較的多い材料が用いられる場合、固形化処理装置501に投入された材料は、圧縮室504で圧縮されるに伴い、材料に含まれる水の圧力が上昇する。その結果、材料の固形成分に圧縮力が十分に作用せず、材料が固形化されずに泥状のまま成形ノズル510に導かれて、外部へ排出されてしまうという不都合がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、水分の多い被処理物を投入しても、固形化された固形物を製造できる固形化処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の固形化処理装置は、被処理物を減容及び成形して固形物を製造する固形化処理装置であって、
被処理物が投入される投入口と、この投入口から投入された被処理物を処理する処理室を有するケーシングと、
上記処理室内に収容され、回転力が入力される回転軸と、この回転軸の外周に設けられた螺旋羽根とを有し、回転駆動されるに伴って上記被処理物を回転軸の先端方向へ送る螺旋体と、
上記処理室内の上記投入口側に設けられ、上記螺旋体の少なくとも一部を取り囲んで水を透過させる水透過体を有する排水部と、
上記排水部よりも被処理物が送られる方向に配置され、上記処理室の水透過体が形成されていない壁面と螺旋体の間に形成された圧縮空間により、上記被処理物を圧縮する圧縮部と、
上記圧縮部に連なり、圧縮された上記被処理物を成形して固形物を製造する成形部と
を備え、
上記排水部は、この排水部に導かれた被処理物から水を分離して排出すると共に、上記圧縮部に導かれた被処理物から分離されて上記被処理物が送られる方向と反対の方向に導かれた水を排出することを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、投入口と処理室を有するケーシングの上記処理室内に、回転軸と螺旋羽根を有する螺旋体が配置されている。上記投入口から被処理物が投入されると、処理室内で螺旋体の作用により、被処理物が混錬され、螺旋体の回転軸の先端方向へ送られる。被処理物が圧縮部に達すると、処理室の壁面と螺旋体の間に形成された圧縮空間により、被処理物が圧縮される。被処理物が、例えば汚泥や製紙残渣等のような水分の多いものの場合、被処理物が圧縮されるに伴って水分が分離するが、この被処理物が分離された水は、処理室内の圧縮部よりも投入口側に設けられた排水部によって排出される。したがって、圧縮部で分離した水は処理室内に残らないので、圧縮部で被処理物に加わった圧力は、被処理物の固形成分に作用し、固形成分が圧縮される。この圧縮された被処理物の固形成分が成形部で成形され、泥状のまま排出されることなく、被処理物を固形化してなる固形物が製造される。
【0009】
また、本発明の固形化処理装置は、上記排水部は、上記螺旋体の少なくとも一部を取り囲んで水を透過させる水透過体を有する。
【0010】
上記構成によれば、処理室に設けられた排水部において、螺旋体の少なくとも一部を取り囲む水透過体により、被処理物からの水を透過して処理室から排出させることができる。その結果、水透過体で透過されない被処理物の固形物を、螺旋体で回転軸の先端方向へ送り、成形部で成形して固形物を安定して製造できる。ここで、水透過体とは、例えば有孔板、スリット、グリッド又は網等を用いて構成することができ、被処理物の固形成分を処理室に残留させたまま水を分離して処理室外に排出する機能を有するものであれば、どのような形態のものでもよい。
【0011】
一実施形態の固形化処理装置は、上記処理室の壁面に開口し、負圧により水を吸引する吸引口を有する。
【0012】
上記実施形態によれば、処理室の壁面に開口した吸引口から、負圧により水を吸引することにより、処理室内の被処理物の水を効果的に排出できる。
【0013】
一実施形態の固形化処理装置は、上記処理室の壁面に開口し、洗浄用の流体を処理室内に供給する供給口を有する。
【0014】
上記実施形態によれば、処理室の壁面に開口した供給口から、洗浄用の流体を処理室内に供給することにより、処理室の壁面や螺旋体に付着していた被処理物や、処理室の壁面や螺旋体に残留していた水を除去して、処理室内や螺旋体を洗浄することができる。ここで、洗浄用の流体としては、空気等の気体や、水又は洗浄液等の液体を用いることができる。
【0015】
一実施形態の固形化処理装置は、上記排水部は、上記螺旋体の下部を取り囲んで水を透過させる第1水透過体と、上記螺旋体の上部を取り囲んで水を透過させる第2水透過体と、上記第1水透過体を収容する第1排水室と、上記第2水透過体を収容する第2排水室と、上記第1排水室内を負圧に吸引する第1吸引部と、上記第2排水室内を負圧に吸引する第2吸引部とを有する。
【0016】
上記実施形態によれば、排水部は、処理室と螺旋体の下部との間に位置する被処理物に含まれる水が、第1水透過体を通して、第1吸引部で負圧に吸引された第1排水室内に吸引される。一方、処理室と螺旋体の上部との間に位置する被処理物に含まれる水が、第2水透過体を通して、第2吸引部で負圧に吸引された第2排水室内に吸引される。このように、螺旋体の上部と下部に対応して配置された第1水透過体と第2水透過体とを通して、処理室内の被処理物から効率的に水を除くことができる。
【0017】
一実施形態の固形化処理装置は、上記処理室の排水部よりも投入口側に、上記被処理物の排水部側から投入口側への逆流を防止する逆流防止部を備える。
【0018】
上記実施形態によれば、処理室の排水部よりも投入口側に設けられた逆流防止部により、排水部や圧縮部に送られた被処理物が投入口側へ逆流する不都合を、効果的に防止できる。
【0019】
一実施形態の固形化処理装置は、上記逆流防止部は、上記螺旋体の外周部を取り囲むように配置され、上記螺旋体の回転軸方向に対して傾斜した複数の突起を有する。
【0020】
上記実施形態によれば、処理室内の螺旋体が回転駆動されると、この螺旋体の外周部を取り囲むように配置され、上記螺旋体の回転軸方向に対して傾斜した複数の突起により、螺旋体の回転軸の先端側に向かう力が被処理物に作用する。したがって、被処理物の逆流を効果的に防止できる。
【0021】
一実施形態の固形化処理装置は、上記螺旋体は、上記排水部に位置する螺旋羽根のピッチよりも、上記圧縮部に位置する螺旋羽根のピッチの方が小さく形成されている。
【0022】
上記実施形態によれば、排水部における処理室の壁面と螺旋体との間の空間よりも、圧縮部における処理室と螺旋体との間の空間が小さく形成される。したがって、処理室内の被処理物が螺旋体によって回転軸の先端方向に送られるに伴い、圧縮部に導かれた被処理物に、排水部におけるよりも大きな圧縮力が作用する。その結果、圧縮部で被処理物の固形成分を効果的に圧縮できると共に、圧縮部で分離した水を、圧縮力の高い圧縮部から圧縮力の低い排水部へ効果的に導いて排出することができる。
【0023】
一実施形態の固形化処理装置は、上記螺旋体は、上記排水部に位置する螺旋羽根の厚みよりも、上記圧縮部に位置する螺旋羽根の厚みの方が大きく形成されている。
【0024】
上記実施形態によれば、排水部における処理室の壁面と螺旋体との間の空間よりも、圧縮部における処理室と螺旋体との間の空間が小さく形成される。したがって、処理室内の被処理物が螺旋体によって回転軸の先端方向に送られるに伴い、圧縮部に導かれた被処理物に、排水部におけるよりも大きな圧縮力が作用する。その結果、圧縮部で被処理物の固形成分を効果的に圧縮できると共に、圧縮部で分離した水を、圧縮力の高い圧縮部から圧縮力の低い排水部へ効果的に導いて排出することができる。
【0025】
一実施形態の固形化処理装置は、上記螺旋体は、上記排水部に位置する回転軸の外径よりも、上記圧縮部に位置する回転軸の外径の方が大きく形成されている。
【0026】
上記実施形態によれば、排水部における処理室の壁面と螺旋体との間の空間よりも、圧縮部における処理室と螺旋体との間の空間が小さく形成される。したがって、処理室内の被処理物が螺旋体によって回転軸の先端方向に送られるに伴い、圧縮部に導かれた被処理物に、排水部におけるよりも大きな圧縮力が作用する。その結果、圧縮部で被処理物の固形成分を効果的に圧縮できると共に、圧縮部で分離した水を、圧縮力の高い圧縮部から圧縮力の低い排水部へ効果的に導いて排出することができる。
【0027】
一実施形態の固形化処理装置は、上記螺旋体の回転軸の先端に、円筒形状のボスが設けられている。
【0028】
上記実施形態によれば、螺旋体の回転軸の先端側に送られた被処理物は、この回転軸の先端に設けられたボスと処理室との間に形成される先端空間に溜められる。この先端空間に、螺旋体によって被処理物が更に導かれることにより、被処理物の圧力が更に高まるので、この先端空間に連なる成形部に、十分に高い圧力の被処理物を導くことができる。したがって、被処理物を効果的に固形化して、十分な強度を有する固形物を製造できる。
【0029】
一実施形態の固形化処理装置は、上記ボスの先端面に、中心から径方向外側に向かって延在する羽根状の突起が設けられている。
【0030】
上記実施形態によれば、螺旋体の回転軸の先端に設けられたボスは、先端面が、成形部が設けられた処理室の壁面に対向する。螺旋体が回転駆動されるに伴い、上記ボスの先端面に設けられた羽根状の突起が旋回することによって、ボスと壁面との間の被処理物を効果的に先端空間に排出することができる。したがって、ボスと壁面との間に被処理物が停滞することなく、被処理物を効率的に成形して固形化することができる。
【0031】
一実施形態の固形化処理装置は、上記成形部は、上記螺旋体の先端のボスの先端面に対向するように上記ケーシングの端面に固定され、上記被処理物を加熱するヒータが内蔵された端面板と、この端面板に取り付けられ、上記圧縮部で圧縮された被処理物が導かれて成形を行う成形ノズルとを有する。
【0032】
上記実施形態によれば、成形部は、ケーシングの端面に固定された端面板と、この端面板に取り付けられた成形ノズルとを有する。端面板の内側面により、処理室の先端側の壁面が形成される。螺旋体の先端のボスと処理室との間に形成される先端空間で圧力が高まった被処理物が、端面板に内蔵されたヒータで加熱されて成形ノズルを通過することにより、被処理物を効果的に固形化して、十分な強度を有する固形物を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の第1実施形態の固形化処理装置を示す図であり、
図2は、第1実施形態の固形化処理装置の主要部であって、螺旋体が配置された部分を示す縦断面図である。本実施形態の固形化処理装置は、被処理物として、溶融物としての例えばプラスチックと非溶融物としての例えば古紙や木屑等を含む廃棄物を、減容及び成形して固形燃料を製造するものである。
【0036】
本実施形態の固形化処理装置1は、被処理物を混練及び圧縮する2個の螺旋体2,3と、これらの螺旋体2,3に各々連結された回転駆動軸6,7と、一方の回転駆動軸6にカップリング4を介して連結された減速機R、伝動装置T及びモータMを備える。
【0037】
上記螺旋体2,3は、ケーシング10内に形成されて被処理物の処理を行う処理室に収容されている。ケーシング10内の処理室は、被処理物が投入される投入部P1と、被処理物の排水を行う排水部P2と、被処理物の主に圧縮を行う圧縮部P3とに分けることができる。ケーシング10の端面側には、圧縮部P3に隣接して、圧縮部P3で圧縮された被処理物の成形を行う成形部P4が位置している。
【0038】
投入部P1は、上端に被処理物の投入口12が形成された投入ケーシング11内に形成されている。投入ケーシング11は、上部が概ね矩形状である一方、下部に投入部P1の処理室が形成されている。投入部P1の処理室が形成された投入ケーシング11の下部は、壁面が螺旋体2,3の下部に沿った半円筒状に形成されている。投入部P1の処理室の下部の壁面は、排水部P2と共通の水透過体としての有孔板41で形成されており、この有孔板41には、水を透過する複数の排水孔41a,41a,41a・・・が形成されている。
【0039】
排水部P2は、螺旋体2,3の軸回りの全周を取り囲む排水ケーシング13の内側に形成されている。排水ケーシング13は、投入ケーシング11と側面及び底面が一体に形成されており、投入ケーシング11の下部と排水ケーシング13の内部が連なって排水室18を形成している。排水部P2は、
図3の横断面図に示すように、螺旋体2,3を取り囲む水透過体としての有孔板41の内側に形成されている。
図3には、後に詳述する螺旋体2,3を構成する第2螺旋体22,32が示されている。この有孔板41は、軸方向視において一部がラップして配置された螺旋体2,3の周囲を取り囲む瓢箪状の断面形状を有し、図示しない支持部材によって排水ケーシング13内に支持されている。排水室18の底面は、幅方向の一方に向かって下側に傾斜した排水勾配が設けられており、この排水勾配の下端に排水管19が取り付けられている。この排水管19へ水を導く排水口19aは、排水ケーシング13の側壁の内側面に開口している。
【0040】
圧縮部P3は、螺旋体2,3の軸回りの全周を取り囲む圧縮ケーシング14と、この圧縮ケーシング14の端面に固定された圧縮室ブロック15の内側に形成されている。圧縮ケーシング14は、断面が幅広の八角形を有し、内側に、螺旋体2,3の前側部分を取り囲む瓢箪状の断面の内壁面が形成されている。この圧縮ケーシング14の内壁面は、後に詳述する複数の壁面部材によって形成されており、圧縮部P3の前半部分の内壁面を形成している。圧縮室ブロック15は、単一の鋼板又は前後方向に重ねられた複数の鋼板で形成され、圧縮ケーシング14のフランジにボルトで固定されている。この圧縮室ブロック15の内部には、螺旋体2,3の先端に夫々固定された円筒形状のボス25を取り囲む貫通孔が形成されている。圧縮室ブロック15の貫通孔は、ボス25を所定の径方向の距離おいて取り囲む瓢箪状の断面を有し、この貫通孔の内側面が、圧縮部P3の後半部分の内壁面を形成している。これらの圧縮ケーシング14及び圧縮室ブロック15の内壁面と、螺旋体2,3及びボス25の外側面との間に、被処理物の圧縮を行う圧縮空間が形成される。なお、圧縮空間では、被処理物の圧縮と共に混錬も行われる。
【0041】
圧縮室ブロック15の前端には、端面板5がボルトで固定されている。この端面板5には、処理室で処理された廃棄物を成形しながら排出する複数の成形ノズル52が取り付けられている。この端面板5の側面と、圧縮ケーシング14のフランジの縁部とがリンクヒンジ装置50で接続されており、上記ボルトを外した状態で、上記リンクヒンジ装置50によって端面板5が回動可能になっている。端面板5には、廃棄物を加熱するヒータ54と、成形ノズル52から排出される廃棄物の温度を検出する温度センサ55が設けられている。これらの成形ノズル52とヒータ54を含む端面板5を含んで、成形部P4が構成されている。
【0042】
投入ケーシング11の後側の壁面には軸挿通口11aが形成され、この軸挿通口11aに、一対の回転駆動軸6,7が挿通されている。回転駆動軸6,7の後側部分は、ギヤボックス17内に収容され、軸受により回転自在に支持されている。回転駆動軸6,7の前側部分は六角形断面に形成された嵌合部6a,7aに形成され、一対の上記嵌合部6a,7aは、端面板5の内側面の近傍まで互いに平行に延びている。上記一対の回転駆動軸6,7の嵌合部6a,7aに、上記螺旋体2,3が外嵌して取り付けられている。なお、実施形態において、螺旋体2,3及び回転駆動軸6,7の延在する方向について、端面板5に向かう側を前側といい、減速機Rに向かう側を後側という。
【0043】
螺旋体2,3は、上記回転駆動軸6,7の嵌合部6a,7aに取り付けられる回転軸と、この回転軸の周面に形成された螺旋羽根とを有する。一対の回転駆動軸6,7の嵌合部6a,7aに取り付けられた一対の螺旋体2,3は、螺旋羽根が互いに逆回りに形成されており、回転軸の延在方向から見て2つの螺旋体2,3の螺旋羽根が重なり合うように水平面上に並んで配置されている。一対の回転駆動軸6,7は、
図1の矢印R1,R2で示すように、互いに逆向きに回転駆動される。これにより、螺旋体2,3は、互いに重なり合う幅方向の中央部分において、螺旋羽根が上から下に向かって回転駆動されて、投入口12から投入された被処理物を挟み込み、混練及び圧縮しながら端面板5側に移送するように形成されている。これらの2つの螺旋体2,3の先端には、円筒形状のボス25,35が夫々固定されている。
【0044】
図4は、本実施形態の固形化処理装置1が備える一方の螺旋体2及びボス25を示す縦断面図である。
図4に示すように、螺旋体2は、投入ケーシング11から圧縮室ブロック15に向かって順に、第1螺旋体部21と、第2螺旋体部22と、第3螺旋体部23と、第4螺旋体部24で形成されている。なお、
図2には一方の螺旋体2の第1乃至第4螺旋体部21,22,23,24のみを示しているが、他方の螺旋体3も同様に、第1乃至第4螺旋体部で形成されている。
図2に関して、一方の螺旋体2のみの符号を引用するが、他方の螺旋体3も同様の構成を有する。第1乃至第4螺旋体部21,22,23,24は、回転軸部21a,22a,23a,24aと、螺旋羽根21b,22b,23b,24bとで形成されている。第1乃至第3螺旋体の回転軸部21a,22a,23aは、嵌合部6aに挿通される断面六角形の貫通孔21c,22c,23cが中心軸と同軸に形成されている。一方、第4螺旋体の回転軸部24aは、嵌合部6aの先端部に嵌合する断面六角形の有底孔24cが中心軸と同軸に形成されている。この第4螺旋体の回転軸部24aの端面には、上記有底孔24cに連なるボルト孔が設けられている。上記回転駆動軸6の嵌合部6aに、上記貫通孔21c,22c,23cが挿通されて第1乃至第3螺旋体21,22,23が取り付けられ、上記有底孔24cが嵌合して第4螺旋体部24が取り付けられる。この第4螺旋体部24の端面のボルト孔にボルト28を挿通し、このボルト28を回転駆動軸6の嵌合部6aに螺着して、第1乃至第4螺旋体部21,22,23,24を回転駆動軸6に固定している。一方の螺旋体6の第1乃至第4螺旋体部21,22,23,24の螺旋羽根21b,22b,23b,24bと、他方の螺旋体7の第1乃至第4螺旋体の螺旋羽根は、互いに反対方向巻きに形成されている。
【0045】
上記螺旋体2,3は、第1螺旋体部21の回転軸部21aの径と第2螺旋体部22の回転軸部22aの径を、この順に大きく形成している。一方、第2螺旋体部22と第3螺旋体部23と第4螺旋体部24は、回転軸部22a,23a,24aの径を同一に形成している。また、上記螺旋体2,3は、螺旋羽根21b,22b,23b,24bの軸方向の間隔であるピッチを、この順に小さく形成している。さらに、第1乃至第4螺旋体部21,22,23,24の螺旋羽根21b,22b,23b,24bの厚みを、この順に大きく形成している。これにより、各螺旋体部21,22,23,24の外周に接する円筒と、各螺旋体部21,22,23の外側面との間に形成される室の容積を、上記第1螺旋体部21と、第2螺旋体部22と、第3螺旋体部23と、第4螺旋体部24との順で小さくなるようにしている。これにより、上記第1螺旋体部21、第2螺旋体部22、第3螺旋体部23及び第4螺旋体部24が、被処理物に、この順で増加する圧縮力を作用するように形成されている。上記第1螺旋体部21に対応する室の容積に対して、上記第4螺旋体部24に対応する室の容積を、1/2から1/3の間の比(以下、減容比という)となるように形成している。このような減容比を有する螺旋体2,3を用いることにより、投入時にカサ比重が0.025の被処理物を、端面板の成形ノズル52の排出時には、カサ比重が概ね0.45から0.5の間となる程度に圧縮できる。また、投入時にカサ比重が0.025の被処理物を、成形ノズル52からの排出時には、真比重が概ね0.6から1.2の間となる程度に圧縮できる。
【0046】
上記螺旋体2,3は、第2螺旋体の回転軸部22aの第1螺旋体21側の端部が、テーパー状に形成されている。これにより、被処理物を第1螺旋体部21から第2螺旋体部22へ移送するとき、回転軸部21a,22aの径が大きくなっても、被処理物に与える抵抗が少なくなるようにしている。
【0047】
また、上記螺旋体2,3は、上記第1螺旋体部21と、第2螺旋体部22,32と、第3螺旋体部23と、第4螺旋体部24,34を、いずれも、螺旋羽根21b,22b,23b,24b,34bの巻き数を1巻きに形成している。すなわち、各螺旋体の螺旋羽根21b,22b,23b,24b,34bの一端が、軸方向から見て、その螺旋羽根21b,22b,23b,24b,34bの他端と略同じ周方向位置にある。これにより、第1乃至第4螺旋体部21,22,32,23,24,34の製造を容易にし、また、第1乃至第4螺旋体部21,22,32,23,24,34の修理及び交換等の保守作業を行い易くしている。
【0048】
上記第4螺旋体部24,34は、螺旋羽根24b,34bの端に連なり、回転軸部24a,34aの中心軸と略直角に形成された平面部24d,34dを有する。この平面部24d,34dを回転駆動することにより、ボス25と圧縮室ブロック15との間の圧縮空間に被処理物を押し込んで、この圧縮空間の被処理物の圧力を十分に上昇させて、高密度に圧縮された廃棄物を成型ノズルから押し出すようにしている。この第4螺旋体部24は、廃棄物に各螺旋体部21,22,32,23,24,34が与える圧縮力のうち最大の圧縮力を与えるので、磨耗量が他の螺旋体よりも多く、また、被処理物に混入する金属片等によって欠けが生じやすい。そこで、第4螺旋体部24を、クロム鋼で形成した本体と、この本体の表面に溶接によって形成された肉盛部とで構成している。この肉盛部は、例えばタングステンカーバイド系材料等のような耐磨耗材料を用いて形成するのが好ましい。
【0049】
また、第4螺旋体部24,34は、回転軸部24a,34aに、径方向に延びる油孔が形成され、この油孔を通して回転軸部24a,34aの有底孔24cと回転駆動軸6,7の嵌合部6a,7aとの間に潤滑油が供給される。潤滑油としては、黒鉛グリスを用いるのが好ましい。これにより、被処理物に与える圧縮力が大きいにもかかわらず、第4螺旋体の回転軸部24a,34aと嵌合部6a,7aの間に、応力腐食や、固着や、廃棄物の微粒子の噛み込み等の不都合が生じることを防止できる。また、第4螺旋体部24,34と同様に、第1乃至第3螺旋体部21,22,32,23についても、各螺旋体に形成した油孔を通して各螺旋体と嵌合部6a,7aとの間に潤滑油を供給する。
【0050】
また、第4螺旋体部24,34は、回転軸部24aの端面にジャッキネジ孔を有する。このジャッキネジ孔にジャッキネジを螺合し、このジャッキネジで嵌合部6a,7aの端面に力を与えることにより、第4螺旋体部24,34を嵌合部6a,7aから容易に引き抜くことができる。
【0051】
螺旋体2,3の先端に夫々固定されたボス25は、中実の円筒形状を有し、クロム鋼等の鋼製材料で形成されている。
図5は、処理室の圧縮部P3の先端部分を、前側から後側に向かって視た正面図である。ボス25は、圧縮室ブロック15の貫通孔の内側に配置されている。このボス25の側面と圧縮室ブロック15の内壁面との間の圧縮空間に、螺旋体2,3で圧縮された被処理物が導かれる。この圧縮空間では、螺旋体2,3により被処理物が押し込まれて被処理物の圧力が上昇する。これと共に、圧縮空間の前側の壁面を形成する端面板5のヒータ54の熱と、ボス25の側面と被処理物との間に生じる摩擦熱により、圧縮空間内の被処理物の溶融物が十分に溶解する。こうして溶融物が融解して高圧になった被処理物を、端面板5に設けられた成型ノズル52に導くことにより、被処理物を効果的に固形化して、十分な強度を有する固形物を製造するようになっている。
【0052】
ボス25の先端面には、
図5に示すように、中心から径方向外側に向かって、径方向に延在する羽根状突起26が設けられている。羽根状突起26は、径方向に対する傾斜角度が径方向外側に向かって増大するように、湾曲した形状を有する。羽根状突起26は、例えばタングステンカーバイド系材料等のような耐磨耗材料の肉盛部によって形成されている。ボス25の先端面は、端面板5の内側面に近接して配置されるので、ボス25が矢印R11及びR12で示されるように回転駆動されるに伴い、このボス25と端面板5との間の被処理物を、羽根状突起26で径方向外側に排出するようになっている。ボス25は、軸方向のネジ27,37により、螺旋体2,3の第4螺旋体部24,34の端面に固定されている。
【0053】
図6は、端面板5を、圧縮室ブロック15の側から視た様子を示す正面図である。この端面板5は、鋼板で形成された端面板本体51と、この端面板本体51に取り付けられた複数の成形ノズル52,52,・・・と、端面板本体51の上端面に設けられた端子ケース53を有する。
【0054】
端面板本体51には、軸方向視において第4螺旋体部24,34の先端の平面部24d,34dが通過する8の字状の領域に、複数のノズル孔51cが形成されている。このノズル孔51cの開口には、段部51dが形成されている。この段部51dに、成形ノズル52の端部に設けられたフランジ52aを係止させて、ノズル孔51cに成形ノズル52を取り付けている。この段部51dは、端面板本体51の両面におけるノズル孔51cの開口に形成されている。これにより、端面板本体51のいずれの側からもノズル孔51cに成型ノズル52を装着できるようにして、端面板本体51の両面を、ケーシング10の内側に臨ませて固定できるようにしている。ノズル孔51cに装着された成形ノズル52は、端面板本体51の他方の面から突出している。
【0055】
上記端面板本体51には、この端面板本体51の後側面が臨んで圧縮室ブロック15の内側に形成される圧縮空間に導かれる被処理物と、成形ノズル52内を通る被処理物とを加熱するための複数のヒータ54が内蔵されている。このヒータ54は、抵抗加熱式のヒータであり、幅方向に6列配置されている。また、このヒータ54は、端面板5の厚み方向に2列設けられており、圧縮室ブロック15に近い側のヒータ54に電力が供給されるようになっている。なお、2列のヒータ54の両方に電力を供給してもよい。また、ヒータ54の幅方向の配列数は、6以外であってもよい。
【0056】
上記端面板本体51には、複数のノズル孔51cのうちの1つに、温度センサ55が内蔵されている。この温度センサ55によって、ノズル孔51cに嵌合された成形ノズル52を通る材料の温度を検出し、検出温度が予め設定された値となるように、図示しない制御装置によってヒータ54のオンオフの制御が行われる。上記投入ケーシング11には、図示しないポンプによって水が供給される注水ノズルが設けられており、上記ポンプは制御装置によって動作が制御される。温度センサ55の検出温度が異常に高い場合に、制御装置による制御のもと、上記ポンプが作動して注水ノズルを通じて投入ケーシング11内に注水を行い、被処理物の温度を低下させるようになっている。上記制御装置、ポンプ及び注水ノズルにより、注水装置が形成されている。また、注水装置は、上水を投入ケーシング11内に供給してもよく、この場合は、上水管に接続された注水ノズルを開閉する電磁弁を設け、この電磁弁の開閉を、温度センサ55の検出温度に基づいて制御装置で制御すればよい。すなわち、上記制御装置、上水管、注水ノズル及び電磁弁により、注水装置を形成してもよい。
【0057】
端面板本体51の上端に取り付けられた端子ケース53は、上記6本のヒータ54に接続された電力配線54aを収容しており、この電力配線54aに連なるコネクタが他方の面に設けられている。また、端子ケース53は、上記温度センサ55に接続された信号配線を収容しており、この信号配線に連なるコネクタ55aが上端に設けられている。上記端子ケース53は、図示しないボルトで端面板本体51の上端に連結されており、端子ケース53の上端面に固定されたアイボルト56によって、端面板5を吊り下げ可能になっている。
【0058】
端面板本体51の周縁部には、複数のボルト穴51b,51b,・・・が設けられており、このボルト穴51b,51b,・・・に挿通されたボルトにより、端面板本体51が圧縮室ブロック15の端面に固定される。
【0059】
端面板5の前面には、成形ノズル52から排出されて成型された被処理物を切断するための切断機6が配置されている。この切断機6は、切断機ヒンジ61を介して圧縮ケーシング14のフランジに取り付けられている。この切断機6は、一端に連結された回転軸周りに回転して被処理物を切断する回転刃62,62と、この回転刃62を駆動する回転刃モータ63を備える。上記切断機の切断機ヒンジ61は、上記端面板5のリンクヒンジ装置50が固定された側と反対側の縁に固定されていて、端面板5が回動する方向と逆方向に切断機6が回動可能になっている。この切断機6は、端面板5が処理室を閉じた状態で、この端面板5の外側面に配置される。端面板5を開く場合は、切断機6を切断機ヒンジ61回りに回動させて、
図1に示す位置と90°の角度をなす位置に配置した後、この切断機6の回動方向と逆方向に端面板5を回動させる。これにより、端面板5の保守作業や、処理室内の螺旋体2,3の保守作業や、圧縮ケーシング14内の壁面部材の保守作業を容易に行うことができる。
【0060】
図7は、圧縮ケーシング14を横断方向に切断し、内部を視た様子を示す横断面図である。なお、
図7において、第1乃至第8壁面部材61,62,63,64,65,66,67,68と螺旋体2,3は、断面ではなく、正面の様子を示している。圧縮ケーシング14内には、螺旋体2,3の第3螺旋体部23と第4螺旋体部24,34を取り囲む8個の壁面部材61,62,63,64,65,66,67,68が配置されている。この第1乃至第8壁面部材61乃至68の内側面と、第3及び第4螺旋体部23,24,34の外側面との間に、処理室の圧縮部P3の前半部分を形成している。
【0061】
上記第1乃至第8壁面部材61乃至68は、
図7に示すように、幅広の八角形断面を有する圧縮ケーシング14の内側面に沿うように配列される。第1壁面部材61に関して、第4壁面部材64が、螺旋体2,3の互いの中心線を通る面に関して対称に形成されている。また、第1壁面部材61に関して、第5壁面部材65が、螺旋体2,3の互いの中心線に対して直角を成す面に関して対称に形成されている。また、第2壁面部材62に関して、第3壁面部材63が、螺旋体2,3の互いの中心線を通る面に関して対称に形成されている。また、第2壁面部材62に関して、第6壁面部材66が、螺旋体2,3の互いの中心線に対して直角を成す面に関して対称に形成されている。更に、また、第5壁面部材65及び第6壁面部材66に関して、第8壁面部材68及び第7壁面部材67が、螺旋体2,3の互いの中心線を通る面に関して対称に形成されている。このように、第1壁面部材61と第2壁面部材62を線対称に形成してなる第3乃至第8壁面部材63乃至68により、第2及び第3螺旋体部22,23,26を取り囲む壁面を形成している。上記第1乃至第8壁面部材61乃至68は、圧縮ケーシング14の内側面に接する面に、法線方向に突出する突出部70を有し、この突出部70の先端近傍に楔孔71が設けられている。
【0062】
上記第1乃至第8壁面部材61乃至68の内側面部分は、耐磨耗鋼で形成している。耐摩耗鋼は、ロックウェル硬さが50以上であるのが好ましい。上記第1乃至第8壁面部材61乃至68は、圧縮ケーシング14に形成された貫通孔から第1乃至第8壁面部材61乃至68の突出部70を外側に突出させて、圧縮ケーシング14の内側に配置される。上記突出部70の圧縮ケーシング14の外側に露出した楔孔71に、圧縮ケーシング14の外側から楔69を装着して、第1乃至第8壁面部材61乃至68を圧縮ケーシング14に固定している。これにより、簡易な構成で第1乃至第8壁面部材61乃至68を圧縮ケーシング14内に容易に着脱でき、容易に補修や交換等の保守作業を行うことができる。なお、第1乃至第8壁面部材61乃至68は、突出部70に雄螺子を設け、圧縮ケーシング14の貫通孔から突出させた突出部70に、雌螺子を有するナットを螺着して圧縮ケーシング14に固定してもよい。
【0063】
投入ケーシング11の後側に位置するギヤボックス17内には、上記一対の回転駆動軸6,7に各々設けられて互いに噛み合う平歯車61,71が収容されている。一方の回転駆動軸6は、ギヤボックス17に隣接して設けられたカップリング4に接続されている。上記カップリング4は減速機Rに接続されており、モータMから伝動機Tを介して伝達された回転力が、この減速機Rで減速され、カップリング4を介して上記一方の回転駆動軸6に伝達される。この一方の回転駆動軸6の平歯車61を介して他方の回転駆動軸7に回転力が伝達されて、上記一対の回転駆動軸6,7が互いに反対方向に等速で回転するように形成されている。
【0064】
上記構成の固形化処理装置1が作動すると、モータMの回転力が、伝動機T、減速機R及びカップリング4を介して回転駆動軸6に伝達され、この回転駆動軸6に伝達された回転力が平歯車61,71によって他方の回転駆動軸7に伝達されて、一対の回転駆動軸6,7が互いに逆向きに回転駆動される。回転駆動軸6,7の嵌合部6a,7aに取り付けられた一対の螺旋体2,3が、投入ケーシング11、排水ケーシング13及び圧縮ケーシング14内で互いに逆向きに回転すると共に、螺旋体2,3の先端のボス25,25が圧縮室ブロック15内で互いに逆向きに回転する。一対の螺旋体2,3は、平面視において幅方向の内側に向かうと共に、正面視において、
図3,5及び7の矢印R11及びR12で示すように、互いのラップする部分が上から下に向かう方向に回転駆動される。螺旋体2,3は30rpm(回転毎分)以上85rpm以下の比較的低速度で回転するのが好ましい。
【0065】
螺旋体2,3の回転駆動が開始されると、投入ケーシング11の投入口12に、被処理物である廃棄物が投入される。廃棄物は、プラスチック等の溶融物と、紙屑や木屑等の非溶融物との混合物が好ましい。特に、廃棄物は、その構成物の割合が、乾燥状態の溶融物と非溶融物の合計が100wt%であって、溶融物が20wt%(質量パーセント)以上80wt%以下の間であり、かつ、非溶融物が20wt%以上80wt%以下であるのが好ましい。
【0066】
投入ケーシング11内の投入部P1では、投入された被処理物を、一対の第1螺旋体部21によって挟み込み、混練し、排水部P2へ移送する。
【0067】
投入部P1から排水部P2へ送られた被処理物は、一対の第2螺旋体部22,32と、一対の第3螺旋体部23の後側部分により、更に挟み込まれて混錬される。これと共に、被処理物は、第2螺旋体部22,32の全部及び第3螺旋体部23の後側部分と、有孔板41との間の空間を前方に搬送される。このとき、被処理物に含まれる水が、上記第2螺旋体部22,32及び第3螺旋体部23の後側部分を取り囲む有孔板41の排水孔41a,41a,41a・・・を通して、有孔板41の外側に排出される。有孔板41の外側に排出された水は、排水室18内を落下して底面を流れ、排水口19aを通って排水管19により排出される。ここで、排水部P2の第2螺旋体部22は、投入部P1の第1螺旋体部21よりも、回転軸部22aの径が大きく形成され、螺旋羽根22bのピッチが小さく形成され、螺旋羽根22bの厚みが大きく形成されている。これらにより、第2螺旋体部22は第1螺旋体部21よりも大きい圧縮力を被処理物に与えて混練を行うことができる。これにより、被処理物から水を効果的に分離することができる。排水部P2で水分の一部が除かれた被処理物は、圧縮部P3へ送られる。
【0068】
圧縮部P3へ送られた被処理物は、まず、一対の第3螺旋体部23の前側部分と、一対の第4螺旋体部24,34により、更に混錬されると共に圧縮される。このとき、被処理物に残留していた水が、被処理物から分離する。第3螺旋体部23及び第4螺旋体部24,34の圧縮作用により被処理物から分離した水は、圧縮部P3の後側に隣接して圧縮部P3よりも圧力が低い排水部P2へ流れる。この圧縮部P3で分離した水は、排水部P2の有孔板41の前側部分の排水孔41a,41a,41a・・・を通り、排水室18内を落下して底面を流れ、排水口19aを通って排水管19で排出される。このようにして、被処理物は、排水部P2と圧縮部P3で水が除去される。
【0069】
また、圧縮部P3の第3螺旋体部23と第4螺旋体部24,34は、この順に、回転軸部23a,24a,34aの径が大きく形成されている。また、上記第3螺旋体部23と第4螺旋体部24,34は、この順に、螺旋羽根23b,24b,34bのピッチが小さく形成され、螺旋羽根23b,24b,34bの厚みが大きく形成されている。これらにより、第3螺旋体部23から第4螺旋体部24,34側に向かうにつれて、順次大きい圧縮力を被処理物に与えて混練を行うことができる。したがって、被処理物に圧縮熱と摩擦熱を効果的に生じさせることができる。その結果、被処理物に含まれる例えばプラスチック等の溶融物を効果的に溶融させることができる。
【0070】
圧縮部P3の第3螺旋体部23と第4螺旋体部24,34で圧縮され、かつ、水が分離されて除去された被処理物は、第4螺旋体部24,34の先端のボス25,35と圧縮室ブロック15との間の圧縮空間に送られる。このボス25,35と圧縮室ブロック15との間に形成された圧縮部P3の前側部分では、第4螺旋体部24,34の先端の平面部24d,34dにより被処理物が押し込まれ、最も高い圧力で被処理物が圧縮されると共に、端面板5のヒータ54による熱と、被処理物とボス25,35の周面との間の摩擦熱により、被処理物が加熱される。このように高い圧力下で加熱されることにより、被処理物の溶融物が十分に溶解すると共に、被処理物の固形成分が十分に圧縮される。
【0071】
上記ボス25,35と圧縮室ブロック15との間の圧縮空間で圧縮された廃棄物は、溶融した溶融物と非溶融物が混合した状態で、端面板5の成形ノズル52から棒状に押し出される。押し出された棒状の廃棄物は、切断機6の回転刃62によって所定長さに切断され、下方に配置された容器内に落下して回収される。所定長さに切断された棒状の廃棄物は、温度が降下するに伴って溶融物が固化して、固形再生燃料となる。
【0072】
本実施形態の固形化処理装置1によれば、処理室内の圧縮部P3よりも投入口12側に排水部P2を備えるので、排水部P2で被処理物が含む水の一部を分離して排出した後、圧縮部P3の圧縮力によって被処理物の水の大部分を分離して排出することができる。また、圧縮部P3の後側に排水部P2が隣接しているので、圧縮部P3で分離した水を処理室から効果的に排出できるから、圧縮部P3で被処理物に加わった圧力を、被処理物の固形成分に効果的に作用させて、固形成分を効果的に圧縮することができる。その結果、成型部P4で被処理物を効果的に成形して固形物を製造できる。ここで、本実施形態の固形化処理装置1は、有機汚泥や製紙残渣等のような水分量の多いものを含む被処理物について、水を分離して排出し、固形化することができる。この固形化処理装置1によれば、水分量が20wt%以上90wt%以下の被処理物を固形化することができる。
【0073】
図8は、第2実施形態の固形化処理装置の主要部を示す縦断面図である。第2実施形態の固形化処理装置201は、投入部P1及び排水部P2に関する構成が、第1実施形態の固形化処理装置1と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分は第1実施形態と同じ符号を用いて、詳細な説明を省略する。
【0074】
第2実施形態の固形化処理装置201は、
図9の投入部P1の横断面図に示すように、投入ケーシング111内の処理室の底面が、底板112によって区画されている。底板112の下側は、前側に立設された区画壁113により、排水部P2の排水室18と区画されている。底板112は、処理室の底面を形成する壁面が、螺旋体2,3の第1螺旋体部21,31の外形に沿った略半円筒形状に形成されている。この底板112に、螺旋体2,3の延在方向の中央、かつ、各々の螺旋体2,3の中心軸の鉛直下方に位置するように、2つの開口114が設けられている。これらの開口114,114には、固形物の流出を防止するためのメッシュが設けられている。これらの開口114,114の各々には、投入ケーシング111の下部に収容された接続管115,115が接続されている。接続管115は、排水管116と供給管117に接続されている。排水管116は、図示しない吸引ポンプに接続されており、矢印G1で示すように、接続管115を介して負圧で投入部P1内を吸引して水を排出する。このとき、開口114は、吸引口として機能する。供給管117は、図示しないコンプレッサに接続されており、矢印Hで示すように、接続管115を介して圧縮空気を投入部P1内に供給して、投入部P1内の洗浄を行う。このとき、開口114は、供給口として機能する。なお、供給管117は、空気以外に、窒素等の気体を供給してもよい。また、水や洗浄液等の液体を投入部P1に供給してもよい。また、空気と洗浄液との混合体のような、液体と気体の混合体を投入部P1に供給してもよい。液体と気体の混合体としては、直径200nm以下の微細な空気の泡を水中に分散させた微細気泡水を用いてもよい。洗浄により生じた廃水は、接続管115を通して排水管116から排出する。
【0075】
また、第2実施形態の固形化処理装置201は、
図10の排水部P2における横断面図に示すように、排水ケーシング13内の排水室18に、水透過体としてのスリット部材120を配置し、このスリット部材120の内側に処理室の排水部P2を形成している。スリット部材120は、処理室内に配置される螺旋体2,3の外周側に、これらの螺旋体2,3の軸方向視において径方向を向くと共に、延在方向において螺旋体2,3の中心軸と平行を向いた複数の板部材121が、所定間隔をおいて配列されて形成されている。このスリット部材120は、螺旋体2,3を取り囲む瓢箪形状の断面形状を有する。このスリット部材120は、複数の板部材121の相互間に形成された隙間を通って、被処理物の水が排水室18へ排出される。このスリット部材120は、図示しない支持部材によって投入ケーシング111ケーシング及び排水ケーシング13内に支持されている。
【0076】
第2実施形態の固形化処理装置201は、処理室の投入部P1に形成された開口114から、投入部P1内の水を吸引して排出するので、水分の多い被処理物が投入されても、排水部P2や圧縮部P3へ送る前に、被処理物の過剰な水を事前に取り除くことができる。また、投入部P1の壁面や螺旋体2,3に、被処理物の残留物や付着物が生じた場合、供給管117から圧縮空気を投入部P1内に供給して上記残留物や付着物を洗浄し、除去することができる。
【0077】
また、排水部P2では、投入部P1で過剰な水分が除去された被処理物が、螺旋体2,3で混錬され、搬送される過程で、被処理物に含まれる水がスリット部材120を通して排出される。スリット部材120で排出された水は、排水室18内を落下して底面を流れ、排水口19aを通って排水管19により排出される。排水部P2で水分の一部が除かれた被処理物は、圧縮部P3へ送られ、螺旋体2,3で更に混錬されると共に圧縮される。このとき、被処理物に残留していた水が、被処理物から分離し、この分離した水は、圧縮部P3の後側に隣接する排水部P2へ流れる。この圧縮部P3で分離した水は、排水部P2のスリット部材120の隙間を通り、排水室18内を落下して底面を流れ、排水口19aを通って排水管19で排出される。このようにして、被処理物に含まれる水を、投入部P1と排水部P2と圧縮部P3で除去するので、被処理物の固形成分を圧縮部P3で効果的に圧縮し、成型部P4で成型して十分な強度の固形物を製造できる。
【0078】
図11は、第3実施形態の固形化処理装置の主要部を示す縦断面図である。第3実施形態の固形化処理装置301は、投入部P1及び排水部P2に関する構成が、第1実施形態の固形化処理装置1と異なる。第3実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分は第1実施形態と同じ符号を用いて、詳細な説明を省略する。
【0079】
第3実施形態の固形化処理装置301は、
図12の排水部P2における横断面図に示すように、排水部P2が、螺旋体2,3の軸回りの全周を取り囲む排水ケーシング13の内側に形成されている。排水ケーシング13は、投入ケーシング11と側面及び底面が一体に形成されており、投入ケーシング11の下部と排水ケーシング13の下部が連なって第1排水室181を形成している。また、排水ケーシング13の上部は第2排水室182を形成している。排水部P2は、螺旋体2,3を取り囲む水透過体としてのスリット部材130の内側に形成されている。
【0080】
スリット部材130は、処理室内に配置される螺旋体2,3の外周側に、これらの螺旋体2,3の軸方向視において径方向を向くと共に、延在方向において螺旋体2,3の中心軸と平行を向いた複数の板部材131,132が、所定間隔をおいて配列されて形成されている。スリット部材130の上部は、排水部P2に延在する短尺の板部材132で形成されている一方、スリット部材130の下部は、投入部P1と排水部P2に延在する長尺の板部材131で形成されている。このスリット部材130は、螺旋体2,3を取り囲む瓢箪形状の断面形状を有する。このスリット部材130は、幅方向の両側に連結され、螺旋体2,3の中心軸と平行に水平方向に延在する支持区画部材133により、投入ケーシング11と排水ケーシング13の両側面に支持されている。
【0081】
支持区画部材133は、スリット部材130を支持すると共に、投入ケーシング11の下部に第2排水室182を形成すると共に、排水ケーシング13の内部を、第1排水室181と第2排水室182とに区画している。これにより、スリット部材130の下部から排出された水は、投入ケーシング11と排水ケーシング13の下部の第1排水室181に流れ、スリット部材130の上部から排出された水は、排水ケーシング13の上部の第2排水室182に流れるようになっている。第1排水室181の底面は水平方向に平坦に形成され、底面の各螺旋体2,3の中心軸の下方に底面開口135が形成され、これらの底面開口135,135に吸引排水管136,136が取り付けられている。第2排水室182のスリット部材130の両側の底面は水平方向に平坦に形成され、この底面の近傍の幅方向両側の側面に側面開口137,137が形成され、これらの側面開口137,137に吸引排水管138,138が取り付けられている。第1及び第2排水室181,182の吸引排水管136,138は、図示しない吸引ポンプに接続されており、第1及び第2排水室181,182内を負圧に吸引して、スリット部材130内の被処理物から水を抽出する。スリット部材130を通って第1及び第2排水室181,182内に流下した水は、底面開口135と側面開口137から吸引排水管136,138に吸引され、外部に排出される。
【0082】
第3実施形態の固形化処理装置301は、処理室の投入部P1及び排水部P2において、スリット部材130を通して負圧を作用させて被処理物を吸引するので、被処理物から効率的に水を分離することができる。また、圧縮部P3で分離した水を、圧縮部P3の後側に隣接する排水部P2で負圧により吸引できるので、圧縮部P3の水を速やかに排水部P2に導くことができる。したがって、圧縮部P3で螺旋体2,3により被処理物に作用する圧力を、効果的に固形成分に与えることができ、被処理物を効果的に圧縮できる。
【0083】
図13は、第4実施形態の固形化処理装置の主要部を示す縦断面図である。第4実施形態の固形化処理装置401は、投入部P1と排水部P2の間に、被処理物の逆流を防止する逆流防止部P11を設けると共に、圧縮部P3を圧縮室ブロック15の内側のみに形成した点が、第1実施形態の固形化処理装置1と異なる。第4実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分は第1実施形態と同じ符号を用いて、詳細な説明を省略する。
【0084】
第4実施形態の固形化処理装置401は、投入ケーシング161内の処理室の底面が、底板162によって区画されている。この底板162は、処理室の底面を形成する壁面が、螺旋体2,3の第1螺旋体部21,31の外形に沿った略半円筒形状に形成されている。
【0085】
排水部P2は、螺旋体2,3の軸回りの全周を取り囲む排水ケーシング13の内側に形成されている。排水ケーシング13は、投入ケーシング11と分離して前側に配置されており、内側に排水室18を形成している。排水部P2は、螺旋体2,3を取り囲む水透過体としてのスリット部材120の内側に形成されている。スリット部材120は、第2実施形態と同様に、螺旋体2,3の外周側に配置された複数の板部材121で形成されており、これらの板部材121の互いの隙間を通って被処理物から水を分離する。排水ケーシング13の底面は、幅方向の一方かつ前後方向の中央に向かって下側に傾斜した排水勾配が設けられており、この排水勾配の下端の近傍の側壁に、排水管に接続される開口19aが設けられている。
【0086】
上記投入ケーシング11と排水ケーシング13の間に逆流防止ブロック151が設けられており、この逆流防止ブロック151の内側に、処理室の逆流防止部P11が形成されている。
図14は、逆流防止ブロック151を前側から視た様子を示す正面図である。逆流防止ブロック151は、鋼材料で形成され、投入ケーシング11の前面にボルトで固定されている。この逆流防止ブロック151の内部には、螺旋体2,3の第2螺旋体部22,32を取り囲む瓢箪状の断面の貫通孔が形成されている。この貫通孔の内側面が、逆流防止部P11の内壁面を形成している。この逆流防止部P11の内壁面には、螺旋体2,3の中心軸に対して傾斜した傾斜突起171〜174,181〜184が形成されている。
【0087】
図15は、逆流防止ブロック151の貫通孔の壁面を展開して示した展開図であり、すなわち、逆流防止部P11の内側面を展開して示した展開図である。
図15は、
図14における貫通孔の下部に形成され、螺旋体2,3のラップ部の下方に形成される峰を中心として、一方の螺旋体2を取り囲む第1壁面152を右側に記載し、他方の螺旋体3を取り囲む第2壁面153を左側に記載している。
図15において、螺旋体2,3のラップ部の下方に形成された峰の手前側の角を示す点P1が、幅方向の中央に記載される。一方、螺旋体2,3のラップ部の上方に形成された峰の手前側の角を示す点P2が、幅方向の両端に記載される。また、
図15において、逆流防止ブロック151の貫通孔内を被処理物が運搬される方向を、第1壁面152に関して符号V1で示し、第2壁面153に関して符号V2で示している。また、逆流防止ブロック151の貫通孔内を螺旋体2,3が回転する方向を、第1壁面152に関して符号R11で示し、第2壁面153に関して符号R12で示している。
【0088】
図14及び15に示されるように、逆流防止ブロック151の内側面には、一方の第2螺旋体部22を取り囲む第1壁面152に、一方の螺旋体2の中心軸に対して傾斜した方向に延在する複数の傾斜突起171,172,173,174が形成されている。また、他方の第2螺旋体部32を取り囲む第2壁面153に、他方の螺旋体3の中心軸に対して、第1壁面152の傾斜突起171〜174と反対側に傾斜した方向に延在する複数の傾斜突起181,182,183,184が形成されている。傾斜突起171〜174,181〜184は、螺旋体2,3の中心軸を通る平面に関して螺旋羽根22b,32bが傾斜する側と反対側に傾斜している。なお、
図15には、螺旋羽根22b,32bの周縁を径方向に投射した位置を、各螺旋羽根22b,32bの符号を用いて示している。傾斜突起171〜174,181〜184は、矩形の横断面形状を有し、螺旋体2,3の延在方向において、第2螺旋体部22,32のピッチの平均値の88%の間隔L1,L2をおいて配置されている。
【0089】
上記第1及び第2壁面152,153に設けた傾斜突起171〜174,181〜184の間隔L1,L2は、第2螺旋体部22,32のピッチの平均値の10%以上150%以下の範囲に設定でき、好ましくは、第2螺旋体部22,32のピッチの平均値の50%以上100%以下である。また、傾斜突起171〜174,181〜184の幅は、間隔L1,L2の50%以下となるように設定する。
【0090】
上記第1及び第2壁面152,153に設けた傾斜突起171〜174,181〜184の高さは、第2螺旋体部22,32の螺旋羽根22b,32bの周縁に対して、所定のクリアランスを成す高さに設定されている。傾斜突起171〜174,181〜184と螺旋羽根22b,32bの間のクリアランスは、3〜5mm程度に設定することができる。また、第1及び第2壁面152,153と螺旋羽根22b,32bの間のクリアランスは、5〜15mm程度に設定することができる。傾斜突起171〜174,181〜184の高さは2〜10mm程度に設定することができる。なお、第1及び第2壁面152,153及び傾斜突起171〜174,181〜184と、螺旋羽根22b,32bの周縁との間のクリアランスは、螺旋体2,3の径等に応じて適宜設定できる。
【0091】
上記第1及び第2壁面152,153に設けた傾斜突起171〜174,181〜184は、螺旋体2,3の中心を通る平面に対する角度αが、55°以上65°以下の範囲内に設定されている。ここで、傾斜突起171〜174,181〜184の角度は、10°以上80°以下の範囲に設定でき、好ましくは、20°以上70°以下である。
【0092】
上記第1及び第2壁面152,153の内側面部分と、傾斜突起171〜174,181〜184は、耐磨耗鋼で形成されている。耐摩耗鋼は、ロックウェル硬さが50以上であるのが好ましく、例えばスウェーデンスティール株式会社製のハルドックス500等を用いることができる。また、第1及び第2壁面152,153の内側面部分と、傾斜突起171〜174,181〜184は、硬化肉盛りにより形成することができる。
【0093】
第4実施形態の固形化処理装置401は、投入ケーシング11に投入された被処理物は、投入部P1で第1螺旋体部21,31により混錬され、逆流防止部P11で第2螺旋体部22,32により混錬及び圧縮が行われる。ここで、逆流防止部P11の第1壁面152に形成された傾斜突起171〜174と、第2壁面153に形成された傾斜突起181〜184により、第2螺旋体部22,32で混錬及び圧縮される被処理物が後側へ逆流することなく、前側の排水部P2へ送られる。排水部P2では、第3及び第4螺旋体23,24,34で被処理物が混錬及び搬送され、被処理物に含まれる水がスリット部材120を通して排出される。スリット部材120で排出された水は、排水室18内を落下して底面を流れ、排水口19aを通って排水管19により排出される。排水部P2で水分の一部が除かれた被処理物は、圧縮部P3へ送られ、第4螺旋体部24,34の平面部24d,34dでボス25と圧縮室ブロック15との間の圧縮空間に押し込まれ、この圧縮空間で圧縮される。このとき、被処理物に残留していた水が、被処理物から分離し、この分離した水は、圧縮部P3の後側に隣接する排水部P2へ流れる。この圧縮部P3で分離した水は、排水部P2のスリット部材120の隙間を通り、排水室18内を落下して底面を流れ、排水口19aを通って排水管19で排出される。このようにして、逆流防止部P11で被処理物の逆流を防止しながら、被処理物に含まれる水を排水部P2と圧縮部P3で除去するので、被処理物の固形成分を圧縮部P3で効果的に圧縮し、成型部P4で成型して十分な強度の固形物を製造できる。
【0094】
また、上記実施形態において、固形化処装置1,201,301,401は、2つの螺旋体2,3によって被処理物を混錬、圧縮及び成型する2軸型であったが、1つの螺旋体によって被処理物を混錬、圧縮及び成型する1軸型でもよい。
【0095】
また、上記実施形態において、螺旋体2,3の回転軸の先端にボス25を設けると共に、このボス25を収容する圧縮室ブロック15を設けたが、上記ボス25及び圧縮室ブロック15は無くてもよい。この場合、圧縮ケーシング14の端面に端面板5を固定し、第4螺旋体部24,34の先端に端面板5の内側面を対抗させればよい。
【0096】
また、上記実施形態において、固形化処装置1,201,301,401は、被処理物として、溶融物と非溶融物を含む廃棄物を減容及び成形して固形燃料を製造したが、被処理物は溶融物と非溶融物に限られず、また、廃棄物に限られない。また、固形物の用途は、固形燃料に限られない。本発明は、水分を除去して固形化を行う被処理物について、広く適用可能である。