【実施例1】
【0011】
図1(a)は、実施例1に係る接続部材10の模式的な斜視図である。接続部材10は、収納部材STの収納口APに接続されるように構成されている。また、接続部材10は、部品PAを収納部材ST内に導くように構成されている。図の明確さのため、
図1(a)においては、収納口APにハッチングを施してある。また、接続部材10を太い実線で示し、部品PAを細い実線で示し、収納部材STを破線で示している。
【0012】
本実施例においては、部品PAが完成後の電子部品である場合について説明する。また、収納部材STが筒状の収納部品であり、収納部材STの端部に収納口APが設けられる場合について説明する。本実施例においては、部品PAは、収納部材STの長手方向に沿って複数個収納される。なお、本明細書においては、部品PAが収納口APを介して収納部材ST内に向かって移動する方向を収納方向SDと称する。
【0013】
なお、本実施例においては、接続部材10及び収納部材STが収納方向SDに沿って傾斜して配置される場合について説明する。
図2は、接続部材10が収納部材STに差し込まれて接続された状態を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、接続部材10及び収納部材STは、接続された状態において鉛直方向(重力方向)Gに傾けて配置される。すなわち、収納部材STが接続部材10よりも下方に配置されている。そして、接続部材10に載置された部品PAは、接続部材10から収納部材ST内に向かって自重で移動し、収納部材STに収納される。
【0014】
ここで、
図1(a)を参照して部品PAについて説明する。本実施例においては、部品PAは、平板形状を有している。また、部品PAは、上面視において矩形の形状を有している。例えば、部品PAは、上面視において長方形の形状を有している。また、部品PAは、当該長方形の長辺側の側面の一方から、当該長方形の短辺方向に沿って収納部材STに収納される。
【0015】
また、部品PAは、主面の一方(以下、回路面と称する)に、収納時において他の部品PAや収納部材STに接触することが好ましくない部分(以下、非接触部分と称する)NG1及びNG2を有している。非接触部分NG1及びNG2は、部品PAの回路面のうち、縁部を除く領域に形成されている。非接触部分NG1は、例えば回路面の中央部に形成されたICなどの電子素子である。また、非接触部分NG2は、例えば電子素子の側部に形成された配線である。非接触部分NG1及びNG2は、回路面において露出している。
【0016】
図1(b)は、収納口APから見た収納部材STの斜視図である。収納部材STは、部品PAが収納された際、部品PAの非接触部分NG1及びNG2が収納部材STの内面に接触しないような形状を有している。また、収納部材STは、収納口APの底部において収納方向SDに延びる平行な一対のリブRBを有している。リブRBは、収納部材STの内部底面BTから突出している。部品PAは、収納部材ST内においてリブRB上を滑るように移動する。リブRBが設けられていることによって、収納時に部品PAに生ずる摩擦抵抗が低減される。本実施例においては、2本のリブRBが平行に設けられている場合について説明するが、リブRBの数はこれに限らない。
【0017】
次に、再度
図1(a)を参照して接続部材10について説明する。接続部材10は、収納部材STに接続された際に収納部材STの内部底面BT(収納部材ST内の底部)よりも高い高さの載置面11Aを有する土台部11を有する。また、接続部材10は、載置面11A上に載置された部品PAの収納部材ST内への移動をガイドするガイド部12を有する。すなわち、土台部11の載置面11Aに載置された部品PAは、載置面11A上においてガイド部12にガイドされながら収納口APに向かって移動する。部品PAは、載置面11Aの先端において、接続部材10から収納部材STに受け渡される。載置面11Aは、部品PAの搬送面(搬送路)として機能する。
【0018】
図3(a)は、接続部材10の上面図である。
図3(a)に示すように、土台部11は、収納口APに接続された際に収納部材ST内に差し込まれる差込部11Bを有している。差込部11Bの上面は、載置面11Aと同一平面をなしている。部品PAは、差込部11Bの上面上を移動し、収納部材ST内に収納される。差込部11Bを設けることで、載置面11Aから収納部材STへの部品PAの移載がスムーズに行われる。また、接続部材10と収納部材STとが確実に接続(連結)される。従って、安定して部品PAの移載を行うことが可能となる。
【0019】
また、土台部11は、収納方向SDに垂直な方向に土台部11を貫通する貫通孔11Cを有している。貫通孔11Cには、例えば、載置面11A上を移動する部品PAを検知するセンサが設けられる。このセンサを用いて、例えば、収納部材STに収納された部品PAの個数などを計数することができる。
【0020】
図3(b)は、接続部材10の断面図である。
図3(b)は、
図3(a)のV−V線に沿った断面図である。
図3(a)及び(b)に示すように、土台部11は、載置面11A上において載置面11Aから窪んだ凹部11Dを有している。載置面11Aが凹部11Dを有することによって、載置面11A上を移動する部品PAに静電気が生ずることを抑制することができる。また、凹部11Dの形成面積を調節することによって、載置面11Aと部品PAとの接触面積を調節することができる。例えば、部品PAの移動速度を調節することができる。また、凹部11Dの形成位置を調節することで、例えば、重心が偏った位置に存在する部品PAに対しても安定して移動させることが可能となる。
【0021】
なお、貫通孔11Cの形成領域には凹部11Dは設けられていない。貫通孔11Cの形成領域に凹部11Dが設けられていると、貫通孔11Cの形成領域を通過した部品PAの検知精度が落ちるからである。また、本実施例においては、凹部11Dは、部品PAの幅方向における中央部分に形成されている。これによって、凹部11Dの形成領域においては、部品PAの底面(下面)の幅方向における両側部のみが載置面11Aに接触する。
【0022】
ガイド部12は、載置面11A上の部品PAの幅方向(横方向)の移動を制限するガイド側部12Aを有する。ここでは、ガイド側部12Aが制限する部品PAの載置面11A上での移動幅(制限幅)をガイド幅WGと称する。また、
図3(a)に示すように、ガイド部12のガイド側部12Aは、ガイド幅WGが挿入方向SDに沿って徐々に小さくなるように構成されている。これによって、部品PAの幅方向における位置の移動量が収納部材STに近づくに従って小さくなる。従って、収納方向SDに沿って部品PAの幅方向における位置が定まっていく。
【0023】
また、
図3(b)に示すように、ガイド部12は、載置面11A上の部品PAの高さ方向の移動を制限するガイド上部12Bを有している。ここでは、ガイド上部12Bが制限する部品PAの載置面11A上での移動高さ(制限高さ)をガイド高さHGと称する。
【0024】
図3(b)に示すように、接続部材10の土台部11及びガイド部12は、基部BS上に形成されている。より具体的には、土台部11は、基部BS上に形成されている。また、ガイド部12は、例えば、土台部11の側面に固定された一対の板状部材からなる。ガイド部12を構成する板状部材は、載置面11Aを挟んで互いに対向して配置されている。また、当該板状部材の各々は、載置面11A上において載置面11Aに垂直な方向に延びる部分と、当該垂直な部分から載置面11A側に傾斜した部分とを有している。当該垂直な部分がガイド側部12Aであり、傾斜した部分がガイド上部12Bである。ガイド側部12Aは載置面11Aに垂直に形成されている。また、ガイド上部12Bは、載置面11Aに垂直な方向から載置面11Aに向かって傾斜している。なお、ここでは、ガイド上部12Bとガイド側部12Aとのなす角度(内角)を傾斜角度θと称する。
【0025】
図3(c)は、載置面11A上に部品PAが載置された状態の接続部材10を示す断面図である。
図3(c)は、
図2(b)と同様の断面図である。また、
図3(c)においては、図の明確さのため、接続部材10の構成要素のハッチングを省略し、部品PAにハッチングを施している。部品PAは、非接触部分NG1(回路面)が上方に配置された状態で載置面11A上に載置される。部品PAの載置面11A上の幅方向における位置は、ガイド側部12Aによって制限される。また、部品PAの載置面11A上の高さ方向における位置は、ガイド上部12Bによって制限される。
【0026】
図4(a)は、収納部材STに接続された状態の接続部材10の収納方向SDに沿った断面図である。
図4(a)は、
図3(a)のW−W線に沿った断面図である。なお、
図4(a)及び後述する
図4(b)においては、収納部材STの構成要素を破線で示し、部品PAを細い実線で示している。
図4(a)に示すように、ガイド部12のガイド上部12Bは、ガイド高さHGが収納方向SDに沿って徐々に小さくなるように構成されている。これによって、部品PAの高さ方向における移動量が収納部材STに近づくに従って小さくなる。従って、収納方向SDに沿って部品PAの高さ方向における位置が定まっていく。
【0027】
また、差込部11Bの上面は、載置面11Aと同一平面をなしている。つまり、差込部11Bの上面は載置面11Aを形成している。部品PAは、収納部材ST内において、接続部材10から収納部材STに移載される。また、差込部11Bの上面は、収納部材STに差し込まれた際には、リブRBの上面よりも高い位置に配置される。従って、部品PAは、移載時にリブRBに干渉されることがない。
【0028】
また、差込部11Bは、収納方向SDに沿って厚さが薄くなるテーパ形状をなしている。すなわち、差込部11Bは、収納方向SDに沿って、上面の高さ位置を維持したままテーパ形状をなしている。差込部11Bがテーパ形状を有していることによって、接続部材10と収納部材STとが容易に接続される。
【0029】
図4(b)は、収納部材STに接続された状態の接続部材10の上面図である。部品PAは、載置面11A上に載置された後、収納方向SDに沿って移動する。また、部品PAが貫通孔11C上を通過する際には、部品PAの通過が光学センサなどのセンサによって検知される。そして、部品PAは、差込部11Bを通過した後、収納部材ST内に収納される。
【0030】
また、
図4(b)に示すように、接続部材10のガイド幅WGはガイド部12によって徐々に狭まっていく。従って、部品PAは、接続部材10の載置面11Aを移動する際、徐々に幅方向の位置が定まっていく。このようにガイド高さHG及びガイド幅WGを収納方向SDに沿って小さくしていくことで、確実に部品PAが収納部材ST内に収納される。
【0031】
図5(a)は、収納口APを正面から見たときの接続部材10及び収納口APの位置関係を示す図である。
図5(a)及び後述する
図5(b)においては、収納部材STの構成要素を破線で示し、部品PAを細い実線で示している。また、部品PAにハッチングを施している。まず、ガイド側部12Aは、ガイド部12の収納側端部(収納部材ST側の端部)において収納部材ST内の幅WAよりも狭いガイド幅WGを有している。従って、収納口APにおける部品PAの幅方向の移動量は、収納口APの開口幅WA未満に抑制される。従って、収納口APで詰まることなくスムーズに部品PAが収納部材STに収納される。
【0032】
また、
図5(a)に示すように、収納口APの底部を基準とした場合のリブRBの上面の高さを高さH2とすると、接続時の載置面11Aの高さH3は高さH2よりも大きい。次に、ガイド上部12Bは、載置面11A上を移動する際の部品PAの高さ位置を、載置面11Aからの収納部材ST内の高さH1未満に制限するように構成されている。すなわち、ガイド高さHGは、ガイド部12の収納側端部における部品PAの移動高さが高さH1未満となるように設定される。また、ガイド上部12Bは、載置面11Aに垂直な方向に対し、載置面11Aに向かって内側に傾斜している。ガイド上部12Bとガイド側部12Aとのなす傾斜角度θは、90°<θ<180°の範囲内である。このような傾斜角度θとすることで、ガイド上部12が部品PAの非接触部分NG2(
図1(a))に接触することが抑制される。
【0033】
仮に、傾斜角度θを90°とした場合、ガイド上部12Bは載置面11Aに平行に形成される。この場合、部品PAの非接触部分NG2がガイド上部12Bに接触する場合がある。しかし、本実施例においては、傾斜角度θは90°<θ<180°の範囲内に設定されている。従って、ガイド上部12Bに部品PAの非接触部分NG2が接触することなく、部品PAの高さ方向の移動を制限することができる。
【0034】
また、傾斜角度θが90°であると、ガイド上部12Bの下面と部品PAとが部分的に面接触によって接触する場合がある。一方、本実施例においては、傾斜角度θは90°<θ<180°の範囲内に設定されている。従って、載置面11A上を移動する部品PAは、ガイド上部12Bに対して、点接触又は線接触によって接触される。従って、部品PAの移動時におけるガイド部12と部品PAとの接触領域を小さくすることができる。
【0035】
また、ガイド上部12Bは、部品PAが載置面11A上において最も傾斜した場合における部品PAの高さ位置を収納部材ST内の高さH1未満に制限する角度θで形成されている。部品PAが最も傾斜した場合の例を
図5(b)に示す。
図5(b)に示す例においては、部品PAは、部品の一端PA1(
図5(b)の左側)においてガイド側部12Aの一方に接している。さらに、部品PAは、部品PAの他端PA2において、ガイド側部12Aの他方側のガイド上部12Bに接するまで傾斜している。
【0036】
本実施例においては、この場合でも、最も部品PAの移動高さの高い部分、すなわち、部品PAの他端PA2における高さ位置は、収納部材ST内の高さH1未満となる。これは、ガイド上部12Bの傾斜角度θを部品PAのサイズや載置面11Aの高さに応じて調節することで実現することができる。これによって、部品PAの収納部材STへの移載がよりスムーズなものとなる。なお、この場合についても、部品PAの他端PA2は、点接触又は線接触によってガイド上部12Bに接触することとなる。従って、部品PAとガイド上部12Bとの接触領域は少ないものとなる。また、部品PAの非接触部分NG2がガイド上部12Bに接触することが抑制される。
【0037】
本実施例においては、接続部材10が土台部11及びガイド部12を有している。また、土台部11は収納部材ST内に差し込まれる差込部11Bを有している。また、差込部11Bの上面が載置面11Aと同一平面をなしている。従って、部品PAを収納部材ST内にスムーズに移載することが可能となる。
【0038】
なお、接続部材10の材料としては、例えば、ステンレス鋼の他、金属又は樹脂等を用いることが可能である。製造工程や使用環境等を考慮すると、ステンレス鋼などの金属を用いて接続部材10を構成することが好ましい。また、本実施例における部品PAの形状や収納部材STの形状は一例に過ぎない。また、部品PAは電子部品に限らず、他の部品であってもよい。
[変形例]
図6は、上記実施例1の変形例を示す図である。なお、上記実施例と同一又は等価な構成要素については同一の参照符号を付している。具体的には、
図6は、リブRBを有していない収納部材ST1に接続された接続部材10を模式的に示す断面図である。部品PAに生ずる摩擦抵抗が低減することを考慮すると、収納部材STにはリブRBが設けられている(内部底面BTにリブRBを有する)ことが好ましい。しかし、接続部材10は、リブRBを有していない収納部材ST1に対しても接続されることができる。
【0039】
図6に示すように、接続部材10の載置面11Aは、収納部材ST1に接続された際には、収納部材ST内の底部よりも高い位置に配置される。収納部材ST1に接続される場合、載置面11Aは、収納部材STの内部底面BTよりも高い位置に設けられていればよい。また、ガイド上部12Bは、部品PAのガイド高さHGが載置面11Aから収納口APの内部上面までの高さH1未満となるように形成されていればよい。
【0040】
本変形例においては、収納部材ST1は、リブRBが設けられていない収納部材ST1にも接続部材10を接続することができる。また、リブRBが設けられていない収納部材ST1であっても、スムーズかつ確実に部品PAを収納部材ST1に収納することができる。
【0041】
なお、本実施例及びその変形例においては、差込部11Bの上面が載置面11Aと同一平面をなしている場合について説明した。しかし、差込部11Bの上面は、載置面11Aと同一平面をなしている場合に限定されない。例えば、差込部11Aの上面は、収納口APへの接続時において載置面11Aよりも低い位置に配置されていてもよい。すなわち、差込部11Bの上面は、収納口APに接続された際に、収納部材ST内の底部よりも高くかつ載置面11A以下の高さを有していればよい。また、リブRBを有する収納部材ST1に接続される場合においては、載置面11Aと差込部11Bの上面との両方が、接続時にリブRBの上面よりも高い高さを有していれば良い。このように差込部11Bを構成することで、スムーズな部品PAの移載を行うことができる。