特許第6469258号(P6469258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469258
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】回転ノズルが備えられた排泄物処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/451 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   A61F5/451 V
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-559262(P2017-559262)
(86)(22)【出願日】2015年2月3日
(65)【公表番号】特表2018-503496(P2018-503496A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】KR2015001116
(87)【国際公開番号】WO2016125927
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2017年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】517270031
【氏名又は名称】イ・フンサン
【氏名又は名称原語表記】LEE,Hoonsang
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】イ・フンサン
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−153931(JP,A)
【文献】 特開2007−307080(JP,A)
【文献】 中国実用新案第203829198(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/451
A61F 5/44
A61G 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の性器部及び臀部の屈曲に対応する形状を持ち、人体の性器部及び臀部方向に開放されて人体から排出される排泄物を受け取る処理空間が形成された安着部と、人体の脚の間に装着されるように前記安着部と繋がって、内部に収容空間が形成された本体部を含むボディー体;
前記収容空間に備えられ、前記処理空間と連通されて前記処理空間の排泄物を外部へ排出させる排出流路;及び
前記処理空間に露出されて洗浄水を噴射する噴射部を含み、
前記噴射部は、
中心軸を基準として回転できるように備えられ、洗浄水を噴射する回転ノズルを含む洗浄ユニットを含み、
前記洗浄ユニットは、
溝が形成され、前記回転ノズルの後方の一部を収容し、前記処理空間から前記収容空間の内部を遮蔽する遮蔽部材を含み、
前記回転ノズルは、前記遮蔽部材の上端及び下端の間の範囲で回転可能である排泄物処理装置
【請求項2】
前記回転ノズルの周りには洗浄水を噴射する噴射孔が形成された請求項1に記載の排泄物処理装置
【請求項3】
前記処理空間は、
人体の性器部に対応する小便処理部と、人体の臀部に対応する大便処理部を含み、
前記回転ノズルは、前記大便処理部に露出されるように備えられた請求項1に記載の排泄物処理装置
【請求項4】
前記回転ノズルは、
使用者の人体が前記安着部に安着された状態で使用者の肛門に対応する位置に備えられた請求項3に記載の排泄物処理装置
【請求項5】
前記回転ノズルは、
大便処理部に露出された領域の回転角中心が使用者の肛門に対応する位置に備えられた請求項4に記載の排泄物処理装置
【請求項6】
前記洗浄ユニットは、
回転駆動力を発生させるモーター;及び
前記モーターによって回転されて前記回転ノズルに回転力を伝達するギヤ部;
をさらに含む請求項1に記載の排泄物処理装置
【請求項7】
前記洗浄ユニットを制御する制御部をさらに含む請求項1に記載の排泄物処理装置
【請求項8】
前記収容空間に備えられ、外部から流入された洗浄水を前記噴射部に供給する流路切替部を含む請求項1に記載の排泄物処理装置
【請求項9】
前記収容空間に備えられ、前記処理空間に乾燥風を送る送風部を含む請求項1に記載の排泄物処理装置
【請求項10】
前記処理空間に備えられ、排泄物の有無をセンシングする感知センサーを含む請求項1に記載の排泄物処理装置
【請求項11】
前記回転ノズルは前記噴射孔が前記遮蔽部材の方向を見るように回転し、前記遮蔽部材の表面を洗浄する請求項2に記載の排泄物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体から排泄される排泄物を自動処理する排泄物処理装置に係り、より詳しくは、回転されるノズルが備えられて処理空間の広い領域を洗浄できるようにする回転ノズルが備えられた排泄物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、患者、お年寄りなど、動きが不自由、又は下体を思うまま動かしにくい人々は、自ら排泄物を処理できる能力がないので、常に保護者または介護人が周りに居つづけなければならないという不便さがあった。
【0003】
よって、このような不便さを解消するために、身体に直接接触して排泄物を取る排泄物処理器が研究及び開発されている。このような排泄物処理器は、使用者の排泄物を受け取り、これを吸入して外部へ排出させるように設計され、使用者の周りに保護者または介護人がいなくても自動的に排泄物を処理できるようにする。
【0004】
ただし、今まで開発された従来の排泄物処理器は、排泄物の処理機能のみに集中することが多くて、使用者の身体を考慮せずに設計されていたため、非常に使用性が低いという問題があった。一般に、排泄物が排泄される臀部、または性器の周りは、屈曲が大きいので排泄物処理器に密着しにくい構造であり、これによって排泄物が人体と排泄物処理器の間から漏れることが多く発生している。
【0005】
また、患者またはお年寄りなど、排泄物処理器を使う使用者は、ベッドに横になった状態で生活する場合が多くて、自ら姿勢を変えられない状況も多く発生している。このような状態が長期間続く場合は、床ずれなどが発生するので、周期的に姿勢を変える必要がある。しかし、排泄物処理器を着用した状態では姿勢を変えることができないので、排泄物処理器をとり除かなければならない煩わしさがあった。
【0006】
さらに、使用者が排泄物処理器に排泄物を排出した場合、これを洗浄するためにかなりの努力が必要であった。これを改善するために、排泄物が収容される空間に洗浄水を噴射するノズルを備える場合もあるが、これは限られた領域だけを洗浄するものであるので効果が微々たるものであり、ノズルの水を増やすしかないという問題がある。
【0007】
したがって、このような問題点を解決するための方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するために案出された発明であって、使用者が着用した状態で排泄物の漏れを防止し、着用感を向上させることができる排泄物処理装置を提供するものである。
【0009】
また、着用した状態でも動きに制限を受けない排泄物処理装置を提供するものである。
【0010】
そして、排泄物処理空間での洗浄を円滑に行うことで清潔を保つようにする排泄物処理装置を提供するものである。
【0011】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない別の課題は以下の記載から当業者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明の回転ノズルが備えられた排泄物処理装置は、人体の性器部及び臀部の屈曲に対応される形状を持ち、人体の性器部及び臀部方向に開放されて人体から排出される排泄物を受け取る処理空間が形成された安着部と、人体の脚の間に装着されるように前記安着部と繋がり、内部に収容空間が形成された本体部を含むボディー体、前記収容空間に備えられ、前記処理空間と連通されて前記処理空間の排泄物を外部へ排出させる排出流路、及び前記処理空間に露出されて洗浄水を噴射する噴射部を含み、前記噴射部は、中心軸を基準として回転できるように備えられて洗浄水を噴射する回転ノズルを含む洗浄ユニットを含むことができる。
【0013】
また、前記回転ノズルの周りには洗浄水を噴射する噴射孔が形成されることができる。
【0014】
そして、前記処理空間は、人体の性器部に対応する小便処理部と、人体の臀部に対応する大便処理部を含み、前記回転ノズルは前記大便処理部に露出されるように備えられることができる。
【0015】
また、前記回転ノズルは、使用者の人体が前記安着部に安着された状態で使用者の肛門に対応する位置に備えられることができる。
【0016】
そして、前記回転ノズルは、大便処理部に露出された領域の回転角の中心が使用者の肛門に対応する位置に備えられることができる。
【0017】
また、前記洗浄ユニットは、回転駆動力を発生させるモーター及び前記モーターによって回転されて前記回転ノズルに回転力を伝達するギヤ部をさらに含むことができる。
【0018】
そして、前記洗浄ユニットは、前記回転ノズルの後方の一部が収容され、前記処理空間から前記収容空間内部を遮蔽する遮蔽部材をさらに含むことができる。
【0019】
また、前記洗浄ユニットを制御する制御部をさらに含むことができる。
【0020】
そして、前記収容空間に備えられ、外部から流入された洗浄水を前記噴射部に供給する流路切替部を含むことができる。
【0021】
また、前記収容空間に備えられ、前記処理空間に乾燥風を送る送風部を含むことができる。
【0022】
そして、前記処理空間に備えられ、排泄物の有無をセンシングする感知センサーを含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
前記課題を解決するための本発明の回転ノズルが備えられた排泄物処理装置は、次のような効果を奏する。
【0024】
第一、安着部が使用者の性器部及び臀部の屈曲に対応するように形成されて使用者の身体に密着させることができるので、使用者が着用した状態で排泄物の漏れを防止することができる長所がある。
【0025】
第二、本体部も使用者の脚の間の幅に対応される大きさを持つので、使用者の姿勢を自然に維持できる長所がある。
【0026】
第三、これによって使用者の着用感が大きく向上する長所がある。
【0027】
第四、着用した状態でも使用者が動きに制限を受けないし、姿勢を自由に変更できる長所がある。
【0028】
第五、回転ノズルは広い角度で回転しながら洗浄水を噴射することができるので、処理空間の広い領域を洗浄することができて清潔維持効果が優れた長所がある。
【0029】
第六、回転ノズルは自ら洗浄できるように形成されることができるので、装置全体の洗浄回数を減らすことができる長所がある。
【0030】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されないし、言及されていない別の効果は特許請求範囲の記載から当業者が明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例による排泄物処理装置の全体姿を示す斜視図。
図2】本発明の一実施例による排泄物処理装置を人体に着用した姿を示す側面図。
図3】本発明の一実施例による排泄物処理装置の安着部にパッドを付着させる姿を示す斜視図。
図4】本発明の一実施例による排泄物処理装置を正面から見た姿を示す正面図。
図5】本発明の一実施例による排泄物処理装置において、本体部の内部構造を示す断面図。
図6】本発明の一実施例による排泄物処理装置において、回転ノズルの姿を示す斜視図。
図7】本発明の一実施例による排泄物処理装置において、洗浄ユニットの姿を示す斜視図。
図8】本発明の一実施例による排泄物処理装置において、回転ノズルが処理空間に露出された領域での回転範囲を示す断面図。
図9】本発明の一実施例による排泄物処理装置において、回転ノズルが遮蔽部材を洗浄する姿を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の目的が具体的に実現できる本発明の望ましい実施例を添付図面を参照にして説明する。本実施例を説明するにあたり、同じ構成に対しては同じ名称及び同じ符号が使われるし、これによる付加的説明は省略する。
【0033】
図1は、本発明の一実施例による排泄物処理装置1の全体姿を示す斜視図である。
【0034】
図1に示すように、本発明の一実施例による排泄物処理装置1は、安着部100と本体部200を含むボディー体と排出流路210を含む。
【0035】
安着部100は、人体の性器部及び臀部の屈曲に対応される形状を持ち、人体の性器部及び臀部方向に開放され、人体から排出される排泄物を受け取る処理空間T1、T2が形成される。
【0036】
ここで、人体の性器部とは、男女の性器の周りの領域を意味し、臀部は前記性器部と繋がり、肛門の周りの領域を意味する。すなわち、安着部100は人体の股に安着されるように形成され、その屈曲に対応するように曲線の形状を持つ。
【0037】
そして、処理空間T1、T2は、小便及び大便を含む排泄物を受け取るように所定の体積を持つように形成されるし、本実施例の処理空間T1、T2は人体の性器部に対応される小便処理部T2と、人体の臀部に対応される大便処理部T1を含む。
【0038】
つまり、本実施例の場合、処理空間T1、T2が男性用モジュール300によって区切られて小便及び大便を別途処理するように構成される。ただし、女性が排泄物処理装置1を使う場合、本実施例と違って、男性用モジュール300の代わりに女性用モジュールを装着して使うこともできることは勿論である。前記女性用モジュールの場合、小便処理部と大便処理部が区切られず、繋がるように形成されることができる。また、本実施例と違って、男性用モジュール300と女性用モジュールは分離せずに一体で形成されることもできる。
【0039】
本体部200は、排泄物処理装置1を着用する時、人体の脚の間に装着されるように安着部100と連結される。つまり、使用者は安着部100を性器部及び臀部に密着させた状態で、本体部200の両側に脚を伸ばして安定的に排泄物処理装置1を着用することができる。
【0040】
そして、本図面には示していないが、本体部200の内部には収容空間が備えられ、前記収容空間には各種構成要素が備えられる。これについては後述する。
【0041】
一方、以下で説明の便宜のために、処理空間T1、T2の開放された方向側を前方と定義し、反対方向を後方と定義する。また、小便処理部T2が備えられた方向を上部、反対方向を下部と定義する。
【0042】
排出流路210は前記収容空間に備えられ、処理空間T1、T2と連通されて処理空間T1、T2の排泄物を外部へ排出させる構成要素である。特に、本実施例において、本体部200の後方には外部の連結管が前記収容空間の内側に吸い込まれるようにする通過穴202が形成される。
【0043】
前記連結管は、別途の吸入装置を利用して排泄物を吸い込むように連結された排泄物流動管、洗浄水を供給する洗浄水流動管などを含むことができる。すなわち、排出流路210は排泄物流動管と繋がって排泄物を外部へ排出させることができる。
【0044】
図2は、本発明の一実施例による排泄物処理装置1を人体に着用した姿を示す側面図である。
【0045】
図2に示すように、使用者はベッドなどに横になった状態で安着部100を性器部及び臀部に密着させ、本体部200の両側に脚を伸ばして安定的に排泄物処理装置1を着用することができる。このように本発明の一実施例による排泄物処理装置1は、人体の形状に対応するように形成されるので、使用者が排泄物処理装置1に合わせて姿勢をむりやり変更する必要がなく、自然な姿勢を維持することができる。
【0046】
さらに、使用者が姿勢を側方など多様に変更する場合も離脱されずに使用者の身体に沿って移動することができるし、使用者が動く場合も脚の間に位置した状態で動きに支障を与えない。
【0047】
図3は、本発明の一実施例による人体に合わせた排泄物処理装置1の安着部100にパッド20を付着させる姿を示す斜視図である。
【0048】
図3に示すように、本発明の一実施例による排泄物処理装置1は、安着部100の周りを包むように、脱着できるように備えられるパッド20を含むことができる。パッド20は布などの材質で形成されて使用者の着用感を向上させることができるし、また排泄物処理装置1を使用者の身体に安定的に固定させることができる。
【0049】
本実施例の場合、パッド20は包み部22と羽部24を含む。前記包み部22は安着部100の下部側に付着されて使用者の臀部を包むように形成されるし、羽部24は安着部100の周りを包むように付着される。一方、パッド20を安着部100に付着させるために、安着部100とパッド20にはベルクロ(登録商標)が備えられる。つまり、安着部ベルクロ102とパッド側ベルクロ26が相互対応されるように形成され、パッド20を容易に付着させることができる。そして、本実施例の場合、各羽部24には固定ベルクロ28がそれぞれ備えられて各羽部24を相互固定させることができる。
【0050】
図4は、本発明の一実施例による排泄物処理装置1を正面から見た姿を示す正面図である。
【0051】
図4には、安着部100の処理空間T1、T2がより詳しく示される。前述のように、本実施例における処理空間T1、T2は、小便処理部T2と大便処理部T1を含み、処理空間T1、T2には排泄物を処理するための多様な構成要素が備えられることができる。
【0052】
噴射部は、前記処理空間T1、T2に露出されて洗浄水を噴射する構成要素であって、一つ以上の噴射ノズルを含むことができる。本実施例の場合、前記噴射部は大便処理部T1側に洗浄水を噴射する補助ノズル334と、本図面には示していないが、小便処理部T2側に洗浄水を噴射する上部ノズルを含む。
【0053】
すなわち、補助ノズル334は大便処理部T1の表面を洗浄できるように洗浄水を散布する。また、上部ノズルは性器部及び小便処理部T2の表面を洗浄ように洗浄水を噴射する。
【0054】
また、前記噴射部は、中心軸を基準として回転できるように備えられ、周りには洗浄水を噴射する噴射孔が形成された回転ノズル240を含む洗浄ユニットを含む。前記洗浄ユニットは、回転ノズル240及び回転ノズル240と係る構成要素を含み、これについては後述する。
【0055】
そして、本実施例において、処理空間T1、T2には乾燥風が流動されて噴射される乾燥風噴射口232がさらに形成され、これによって洗浄後水分を速かに乾燥させることができる。
【0056】
一方、図面に示すように、安着部100と本体部を含むボディー体は、前方から見て上部の幅d1が下部の幅d2より狭く形成される。すなわち、人体の大腿部部分の屈曲に対応する形状を持ち、これによって使用者の両脚は排泄物処理装置1のボディー体の両側に安定的に密着されることができる。また、ボディー体は使用者の脚の間の幅と対応する幅を持つように形成され、使用者がむりやり股を開くことなく自然な姿勢を取ることができる。
【0057】
そして、本実施例において安着部100の周りには使用者の身体に密着される密着部材110が備えられる。密着部材110は、安着部100の周りのラインに沿って帯状に備えられ、着用感を向上させることができる。
【0058】
図5は、本発明の一実施例による排泄物処理装置1において、本体部200の内部構造を示す断面図である。
【0059】
図5に示すように、本体部200の内部には収容空間が形成され、前記収容空間には多様な構成要素が備えられることができる。本実施例の場合、前記収容空間には前述の排出流路210を始め、流路切替部220と送風部230が備えられる。
【0060】
排出流路210は、通過穴202を通じて流入された排泄物流動管H1と繋がって排泄物を外部へ排出させることができる。特に、本実施例の場合、男性用モジュール300側で受け取った小便は、補助排出流路228を通じて排出流路210に流入できるように形成される。
【0061】
そして、流路切替部220は通過穴202を通じて流入された洗浄水流動管H2と繋がって、外部から洗浄水を伝達してもらう構成要素であり、ソレノイドバルブなどを通じて洗浄水を複数の噴射ノズル側に分枝させて供給することができる。具体的に、本実施例の場合、流路切替部220に貯蔵された洗浄水は第1供給流路224を通じて回転ノズル側に、第2供給流路226を通じて補助ノズル及び上部ノズル側に流動される。
【0062】
送風部230は、前記処理空間に乾燥風を送る構成要素であって、送風ファンなどで乾燥風を発生させて前述の乾燥風噴射口を通じて処理空間側に乾燥風を送ることができる。また、乾燥風の昇温のためにヒーターがさらに備えられることもできる。
【0063】
そして、本実施例において、本体部200の後面には外部の空気を流動させて収容空間の内部を換気させることができる空気流入口204が形成される。
【0064】
以上、本実施例による排泄物処理装置の全体的構成について説明したが、以下では前述の噴射部の洗浄ユニットについて詳しく説明する。
【0065】
図6は、本発明の一実施例による排泄物処理装置において、回転ノズル240の姿を示す斜視図である。
【0066】
図6に示すように、回転ノズル240は処理空間に露出された状態を持ち、特に本実施例の場合、大便処理部T1に露出される。そして、回転ノズル240は中心軸を基準として回転できるように備えられ、洗浄水を噴射する。そして、回転ノズル240の周りには洗浄水を噴射する噴射孔242が一つ以上形成される。
【0067】
特に、本実施例の場合、噴射孔242は縦2列に並べた形で形成され、各列の噴射孔242は相互干渉しないよう、行き違うように配列される。
【0068】
また、前記回転ノズル240の回転は多様な方向になることができる。例えば、回転ノズル240は、上下、左右、または対角線方向など、多様な方向に回転しながら洗浄水を噴射することができる。
【0069】
図7は、本発明の一実施例による排泄物処理装置において、洗浄ユニットの姿を示す斜視図である。
【0070】
図7に示すように、洗浄ユニットは回転ノズル240及び回転ノズル240と係る構成要素を含む。
【0071】
本実施例において、前記洗浄ユニットは、回転ノズル240と、回転駆動力を発生させるモーター260と、モーター260によって回転されて回転ノズル240に回転力を伝えるギヤ部262、264、266と、回転ノズル240の後方の一部が収容されて、前記処理空間から前記収容空間の内部を遮蔽する遮蔽部材250と、ハウジング270をさらに含む。また、図面に示していないが、前記洗浄ユニットの各構成要素を制御する制御部がさらに含まれることができる。
【0072】
ギヤ部262、264、266は、複数のギヤを含むことができ、これは多様な形態で具現されることができる。そして、遮蔽部材250は回転ノズル240の回転軸244を支持できるように溝が形成され、回転ノズル240の後方の一部を収容し、前記排泄物処理装置のボディー体に装着されて処理空間の排泄物または洗浄水が収容空間の内部に流入されることを防止する。つまり、前記洗浄ユニットの各構成要素の中で処理空間に露出されるのは回転ノズル240と、遮蔽部材250の前面になる。
【0073】
前記制御部は、モーター260の動きを制御できるように備えられ、感知センサーなどによって処理空間に排泄物が感知された場合、モーター260を正・逆方向に回転させることにより、回転ノズル240を通じて洗浄水を噴射することができる。また、前記制御部は様々な状況で洗浄ユニットを制御するように予め設定できることは勿論である。
【0074】
一方、前記処理空間には大便感知センサー及び小便感知センサーを含む感知センサーが備えられて排泄物の有無をセンシングすることができ、排泄物があると判断した場合に各構成要素を制御できるようにする。
【0075】
図8は、本発明の一実施例による排泄物処理装置において、回転ノズル240が処理空間に露出された領域での回転範囲を示す断面図である。
【0076】
図8に示すように、回転ノズル240は処理空間に露出された領域で所定角度の回転範囲を持つ。本実施例の場合、回転ノズル240は遮蔽部材250の上端及び下端の間の範囲で回転しながら処理空間及び使用者の臀部または性器部に洗浄水を噴射することができる。
【0077】
すなわち、本発明によれば、回転ノズル240は占める空間が極めて狭くても、広い範囲に亘って洗浄水を噴射することができるので、全体的構造が簡単であり、最小限のノズルだけで使用者の臀部及び性器部を洗浄し、処理空間全体を洗浄することができるという長所がある。
【0078】
一方、より効果的な洗浄のために、回転ノズル240は使用者の人体が前記安着部に安着された状態で、使用者の肛門に対応する位置に備えられることができる。すなわち、使用者の肛門を正面から見られる位置に備えられる場合、使用者の肛門を中心として周りの領域を均一に洗浄することができる。
【0079】
より具体的に、回転ノズル240は大便処理部に露出された領域の回転角の中心が使用者の肛門に対応する位置に備えられるようにすることができる。その理由は、つまり肛門を見る位置が回転角の中心となるようにし、肛門を中心として上下同じ面積を洗浄することができるためである。
【0080】
図9は、本発明の一実施例による排泄物処理装置において、回転ノズル240が遮蔽部材250を洗浄する姿を示す断面図である。
【0081】
図9に示すように、回転ノズル240は噴射孔242が遮蔽部材250の方向を見るように回転され、遮蔽部材250の表面を洗浄することもできる。つまり、回転ノズル240と遮蔽部材250との間は手作業で洗浄し難いので、回転ノズル240で遮蔽部材250を洗浄できるようにして便宜性を増大させることができる。
【0082】
これは排泄物の処理が完了した直後などの状況で、制御部がモーターを制御して回転ノズル240を遮蔽部材250の方向に回転されるように具現することができる。
【0083】
以上のように、本発明による望ましい実施例を察してみたが、前述した実施例の他にも本発明がその趣旨や範疇から脱することなく、別の特定形態で具体化できるという事実は、当該技術分野における通常の知識を有する者には自明なことである。したがって、前述した実施例は制限的なものではなく例示的なものとされるべきであり、これによって、本発明は前述した説明に限定されず、添付の請求項の範疇及びそれと同等な範囲内で変更されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9