特許第6469401号(P6469401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン・エーアイ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469401
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】インターロック機構
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/36 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   F16H63/36
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-194222(P2014-194222)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-65589(P2016-65589A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】592058315
【氏名又は名称】アイシン・エーアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(72)【発明者】
【氏名】市川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】大澤 英也
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕俊
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0304794(US,A1)
【文献】 特開2005−90710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に移動可能且つ回転方向に回転可能に設けられたシフトセレクトシャフトと、
前記シフトセレクトシャフトと対向して設けられた第一フォークと、
前記シフトセレクトシャフトと対向して設けられた第二フォークと、
前記シフトセレクトシャフトと対向して設けられた第三フォークと、
前記シフトセレクトシャフトに設けられ、前記シフトセレクトシャフトが第一回転位置に位置している状態で前記第一フォークと係合し、前記シフトセレクトシャフトが前記第一回転位置以外の回転位置に位置している状態では前記第一フォークから離脱する第一インナーレバーと、
前記シフトセレクトシャフトに設けられ、前記シフトセレクトシャフトが前記第一回転位置よりもより回転し位置である第二回転位置に位置している状態で前記第二フォークと係合し、前記シフトセレクトシャフトが前記第二回転位置以外の回転位置に位置している状態で前記第二フォークから離脱する第二インナーレバーと、
前記シフトセレクトシャフトに設けられ、前記シフトセレクトシャフトが前記第二回転位置よりもより回転した回転位置である第三回転位置に位置している状態で前記第三フォークと係合し、前記シフトセレクトシャフトが前記第三回転位置以外の回転位置に位置している状態で前記第三フォークから離脱する第三インナーレバーと、
前記シフトセレクトシャフトと前記回転方向に一体回転、且つ前記軸線方向に移動不能に、前記シフトセレクトシャフトの外周側に前記シフトセレクトシャフトと同軸に設けられたインターロック部材と、を有し、
前記第一フォークには、第一係合部が突出形成され、
前記第二フォークには、第二係合部が突出形成されるとともに係脱部が形成され、
前記第三フォークには、第三係合部が突出形成され、
前記インターロック部材には、
前記インターロック部材が前記第二回転位置に位置している状態で前記第一係合部と係合する第一被係合部が切欠形成され、
前記インターロック部材が前記第一回転位置に位置している状態で、前記第二係合部と係合する第二被係合部が切欠形成され、
前記インターロック部材が前記第一回転位置及び前記第二回転位置に位置している状態で、前記第三係合部と係合する第三被係合部が切欠形成され、
前記インターロック部材が前記第三回転位置に位置している状態で、前記係脱部と係合する被係脱部が形成され、
前記シフトセレクトシャフトが前記第三回転位置に位置している状態では、前記第一被係合部は前記第一係合部と係合するインターロック機構。
【請求項2】
前記係脱部は、前記シフトセレクトシャフトが前記第二回転位置に位置している状態で前記第二インナーレバーと係合し、前記シフトセレクトシャフトが前記第二回転位置以外の回転位置に位置している状態で前記第二インナーレバーから離脱する請求項1に記載のインターロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスミッションのインターロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に示されるように、運転者によるシフト操作がなされた際に、選択されていないフォークの移動を阻止するインターロック機構がある。この特許文献1に示されるインターロック機構は、セレクト操作に連動して回動するシフトアンドセレクト軸と、シフトアンドセレクト軸と並行に設けられシフトアンドセレクト軸の回動と連動して回動するインターロックロッドと、インターロックロッドに固定されインターロックロッドの回動方向の角度位置によって各フォークと係合又は各フォークから離脱するインターロックアームと、を有している。
【0003】
シフトアンドセレクト軸に固定されたセレクトアームが、インターロックロッドに固定されたセレクトブラケットに連結されて、インターロックロッドがシフトアンドセレクト軸に連動して回動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−168217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるインターロック機構では、インターロックロッド、セレクトアーム、セレクトブラケットを有していて、部品点数が多いことから、インターロック機構が大型化してしまい、構造も複雑であることからインターロック機構がコスト高となってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、部品点数を削減することができるインターロック機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するためになされた、請求項1に係る発明は、軸線方向に移動可能且つ回転方向に回転可能に設けられたシフトセレクトシャフトと、前記シフトセレクトシャフトと対向して設けられた第一フォークと、前記シフトセレクトシャフトと対向して設けられた第二フォークと、前記シフトセレクトシャフトと対向して設けられた第三フォークと、前記シフトセレクトシャフトに設けられ、前記シフトセレクトシャフトが第一回転位置に位置している状態で前記第一フォークと係合し、前記シフトセレクトシャフトが前記第一回転位置以外の回転位置に位置している状態では前記第一フォークから離脱する第一インナーレバーと、前記シフトセレクトシャフトに設けられ、前記シフトセレクトシャフトが前記第一回転位置よりもより回転し位置である第二回転位置に位置している状態で前記第二フォークと係合し、前記シフトセレクトシャフトが前記第二回転位置以外の回転位置に位置している状態で前記第二フォークから離脱する第二インナーレバーと、前記シフトセレクトシャフトに設けられ、前記シフトセレクトシャフトが前記第二回転位置よりもより回転した回転位置である第三回転位置に位置している状態で前記第三フォークと係合し、前記シフトセレクトシャフトが前記第三回転位置以外の回転位置に位置している状態で前記第三フォークから離脱する第三インナーレバーと、前記シフトセレクトシャフトと前記回転方向に一体回転、且つ前記軸線方向に移動不能に、前記シフトセレクトシャフトの外周側に前記シフトセレクトシャフトと同軸に設けられたインターロック部材と、を有し、前記第一フォークには、第一係合部が突出形成され、前記第二フォークには、第二係合部が突出形成されるとともに係脱部が形成され、前記第三フォークには、第三係合部が突出形成され、前記インターロック部材には、前記インターロック部材が前記第二回転位置に位置している状態で前記第一係合部と係合する第一被係合部が切欠形成され、前記インターロック部材が前記第一回転位置に位置している状態で、前記第二係合部と係合する第二被係合部が切欠形成され、前記インターロック部材が前記第一回転位置及び前記第二回転位置に位置している状態で、前記第三係合部と係合する第三被係合部が切欠形成され、前記インターロック部材が前記第三回転位置に位置している状態で、前記係脱部と係合する被係脱部が形成され、前記シフトセレクトシャフトが前記第三回転位置に位置している状態では、前記第一被係合部は前記第一係合部と係合する。
【0008】
このように、シフトセレクトシャフトの回転方向の位置によって、第一フォークや第二フォークと係脱するインターロック部材をシフトセレクトシャフトの外周側にシフトセレクトシャフトと同軸に設けるだけで、選択された以外のフォークの移動が阻止されるインターロック機構が実現される。これにより、インターロック機構の部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】トランスミッションの説明図である。
図2】本実施形態のシフト機構の斜視図である。
図3図2をA視したシフト機構の斜視図である。
図4図2をA視したインターロック部材の斜視図である。
図5】第二フォークの斜視図である。
図6】シフトパターンの説明図である。
図7A図2のD視断面図であり、1速−2速選択時の第一フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図7B図2のD視断面図であり、3速−4速選択時の第一フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図7C図2のD視断面図であり、5速−6速選択時の第一フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図7D図2のD視断面図であり、リバース選択時の第一フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図8A図2のB視断面図であり、1速−2速選択時の第二フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図8B図2のB視断面図であり、3速−4速選択時の第二フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図8C図2のB視断面図であり、5速−6速選択時の第二フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図8D図2のB視断面図であり、リバース選択時の第二フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図9A図2のC視断面図であり、1速−2速選択時の第三フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図9B図2のC視断面図であり、3速−4速選択時の第三フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図9C図2のC視断面図であり、5速−6速選択時の第三フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図9D図2のC視断面図であり、リバース選択時の第三フォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図10A図3のE視断面図であり、1速−2速選択時のリバースフォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図10B図3のE視断面図であり、3速−4速選択時のリバースフォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図10C図3のE視断面図であり、5速−6速選択時のリバースフォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
図10D図3のE視断面図であり、リバース選択時のリバースフォークとインターロック部材の位置関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(トランスミッションの構造)
本実施形態のトランスミッション100について、図1を用いて説明する。なお、図1において、紙面左側をトランスミッション100の前方、紙面右側をトランスミッション100の後方とする。また、トランスミッション100の前後方向を軸線方向とする。
【0011】
図1に示すように本実施形態のトランスミッション100は、入力軸101、出力軸102、カウンタ軸103、第一ドライブギヤ111〜第六ドライブギヤ116、第一ドリブンギヤ121〜第六ドリブンギヤ126、出力軸側リダクションギヤ131、カウンタ軸側リダクションギヤ132、リバースドライブギヤ141、リバースドリブンギヤ142、アイドラ軸143、リバースアイドラギヤ144、第一ハブH1〜第三ハブH3、第一フォークF1〜第三フォークF3、リバースフォークFRを有している。
【0012】
入力軸101、出力軸102、及びカウンタ軸103は、トランスミッション100のハウジング(不図示)に回転可能に設けられている。入力軸101は、クラッチ12に接続され、クラッチ12を介してエンジン11からの回転トルクが入力される。出力軸102は、入力軸101の後方に、入力軸101と同軸に設けられている。出力軸102には、駆動輪18R、18Lの回転速度差を吸収するデファレンシャル17が接続されている。カウンタ軸103は、入力軸101及び出力軸102と並行に設けられている。
【0013】
第一ドライブギヤ111及び第二ドライブギヤ112は、入力軸101に固定されている。第五ドライブギヤ115、第六ドライブギヤ116は、及び第三ドライブギヤ113は、入力軸101に遊転可能に設けられている。本実施形態では、入力軸101の前方から後方に、第一ドライブギヤ111、第二ドライブギヤ112、第五ドライブギヤ115、第六ドライブギヤ116、第三ドライブギヤ113の順に設けられている。
【0014】
第一ドリブンギヤ121及び第二ドリブンギヤ122は、カウンタ軸103に遊転可能に設けられている。第五ドリブンギヤ125、第六ドリブンギヤ126、及び第三ドリブンギヤ123は、カウンタ軸103に固定されている。本実施形態では、カウンタ軸103の前方から後方に、第一ドリブンギヤ121、第二ドリブンギヤ122、第五ドリブンギヤ125、第六ドリブンギヤ126、第三ドリブンギヤ123の順に設けられている。
【0015】
第一ドライブギヤ111と第一ドリブンギヤ121は、互いに噛合している。第二ドライブギヤ112と第二ドリブンギヤ122は、互いに噛合している。第三ドライブギヤ113と第三ドリブンギヤ123は、互いに噛合している。第五ドライブギヤ115と第五ドリブンギヤ125は、互いに噛合している。
【0016】
第一ドライブギヤ111、第二ドライブギヤ112、第三ドライブギヤ113、第五ドライブギヤ115の順にギヤ径が大きくなっている。第一ドリブンギヤ121、第二ドリブンギヤ122、第三ドリブンギヤ123、第五ドリブンギヤ125、第六ドリブンギヤ126の順にギヤ径が小さくなっている。なお、第五ドライブギヤ115は第五ドリブンギヤ125よりもギヤ径が大きい。
【0017】
出力軸側リダクションギヤ131は、出力軸102に設けられている。カウンタ軸側リダクションギヤ132は、カウンタ軸103に設けられている。出力軸側リダクションギヤ131とカウンタ軸側リダクションギヤ132は、互いに噛合している。カウンタ軸側リダクションギヤ132は出力軸側リダクションギヤ131よりも小さくなっている。このため、カウンタ軸側リダクションギヤ132と出力軸側リダクションギヤ131の間で、エンジン11からの回転トルクが減速される。
【0018】
アイドラ軸143は、入力軸101とカウンタ軸103と並行に、トランスミッション100のハウジングに回転可能に設けられている。リバースドライブギヤ141は、入力軸101に設けられている。リバースドリブンギヤ142は、カウンタ軸103に設けられている。リバースアイドラギヤ144は、アイドラ軸143に軸線方向(前後方向)移動可能に設けられている。リバースアイドラギヤ144は、リバースフォークFRと係合している。リバースアイドラギヤ144の軸線方向の位置によって、リバースアイドラギヤ144は、リバースドライブギヤ141及びリバースドリブンギヤ142と噛合し、リバースドライブギヤ141及びリバースドリブンギヤ142と噛合しない。
【0019】
第一ハブH1は、第一ドリブンギヤ121と第二ドリブンギヤ122の間において、カウンタ軸103に対して相対回転不能且つ軸線方向移動可能に設けられている。第一ハブH1には、第一フォークF1の連結部F1cが係合している。第一ハブH1は、軸線方向の位置によって、第一ドリブンギヤ121に形成された第一係合部E1及び第二ドリブンギヤ122に形成された第二係合部E2のいずれかと係合し離脱する。
【0020】
第二ハブH2は、第三ドライブギヤ113と出力軸102の間において、入力軸101に対して相対回転不能且つ軸線方向移動可能に設けられている。第二ハブH2には、第二フォークF2の連結部F2cが係合している。第二ハブH2は、軸線方向の位置によって、第三ドライブギヤ113に形成された第三係合部E3及び出力軸102に形成された第四係合部E4のいずれかに係合し離脱する。
【0021】
第三ハブH3は、第五ドライブギヤ115と第六ドライブギヤ116の間において、入力軸101に対して相対回転不能且つ軸線方向移動可能に設けられている。第三ハブH3には、第三フォークF3の連結部F3cが係合している。第三ハブH3は、軸線方向の位置によって、第五ドライブギヤ115に形成された第五係合部E5及び第六ドライブギヤ116に形成された第六係合部E6のいずれかに係合し離脱する。
【0022】
なお、各ハブH1〜H3と各係合部材E1〜E6の間には、各ハブH1〜H3と各係合部材E1〜E6の回転速度差を同期するシンクロナイザ機構が設けられている。このシンクロナイザ機構については、周知技術であるので、その説明を割愛する。
【0023】
(シフト機構)
以下に、図2図10を用いてシフト機構10について説明する。シフト機構10は、トランスミッション100の変速段を形成するものである。シフト機構10は、シフトセレクトシャフト1、インターロック部材2、リバースフォークシャフト3、リバースフォーク連結部材4、第一フォークF1〜第三フォークF3、リバースフォークFR、第一インナーレバーe1〜第三インナーレバーe3、リバースインナーレバーerを有している。
【0024】
シフトセレクトシャフト1は、トランスミッション100のハウジングに、軸線方向に摺動可能、且つ回転可能に設けられている。シフトセレクトシャフト1は、変換機構(不図示)によって、運転席に設けられたシフトレバー990(図6示)がシフト方向(前後方向)に移動されると軸線方向に移動する。また、シフトセレクトシャフト1は、変換機構によって、シフトレバー990がセレクト方向(左右方向)に移動されると回転する。
【0025】
ここで図6を用いて、シフトレバー990の可動範囲であるシフトパターン950について説明する。シフトパターン950は、リバースゲート950a、1−2速ゲート950b、3−4速ゲート950c、5−6速ゲート950dが並行に設けられ、これらのニュートラル位置が、セレクトゲート950eを介して連通されている。なお、リバースゲート950a、1−2速ゲート950b、3−4速ゲート950c、及び5−6速ゲート950dは、前後方向であるシフト方向に形成されている。また、1−2速ゲート950b、3−4速ゲート950c、及び5−6速ゲート950dのニュートラル位置は、これらのシフト方向の中間位置である。また、リバースゲート950aのニュートラル位置は、リバースゲート950aの末端であり、本実施形態では、リバースゲート950aの下端である。また、セレクトゲート950eは、左右方向であるセレクト方向に形成されている。
【0026】
図2に示すように、前方から後方に向かって、リバースフォークFR、第一フォークF1、第三フォークF3、第二フォークF2の順に、これらのフォークがシフトセレクトシャフト1と対向して設けられている。第一フォークF1〜第三フォークF3は、それぞれ、本体部F1a〜F3a、支持部F1b〜F3b、連結部F1c〜F3cから構成されている。本体部F1a〜F3aは、略C字形状である。図2図3図5に示すように、各本体部F1a〜F3aの上部には、それぞれ、第一係合部F1d〜第三係合部F3dが突出形成されている。
【0027】
図2図5に示すように、第二フォークF2の本体部F2aの上部の第二係合部F2dに隣接する位置には、インターロック部材2側に突出する第二係脱部F2eが形成されている。第二係脱部F2eには、後述する第二インナーレバーe2と係合する第二係脱凹部F2fが切欠形成されている。
【0028】
図2図3に示すように、第三フォークF3の本体部F3aの上部の第三係合部F3dに隣接する位置には、インターロック部材2側に突出する第三係脱部F3eが形成されている。第三係脱部F3eには、後述する第三インナーレバーe3と係合する第三係脱凹部F3fが切欠形成されている。
【0029】
支持部F1b〜F3bは、本体部F1a〜F3aの両側部に、本体部F1a〜F3aに対して回転可能に取り付けられている。一対の支持部F1b〜F3bが、トランスミッション100のハウジングに固定されることによって、第一フォークF1〜第三フォークF3がハウジングに揺動可能に取り付けられている。
【0030】
リバースフォークシャフト3は、その長手方向を軸線方向に向けて、トランスミッション100のハウジングに取り付けられている。リバースフォークFRは、リバースフォークシャフト3に、軸線方向摺動可能に取り付けられている。リバースフォーク連結部材4は、リバースフォークFRに連結されている。
【0031】
第一インナーレバーe1〜第三インナーレバーe3、及びリバースインナーレバーerは、シフトセレクトシャフト1に固定されて設けられている。第一インナーレバーe1は、第一フォークF1の第一係合部F1dと係合し又は第一係合部F1dとの係合が解除される。第二インナーレバーe2は、第二フォークF2の第二係脱部F2eと係合し又は第二係脱部F2eとの係合が解除される。第三インナーレバーe3は、第三フォークF3の第三係脱部F3eと係合し又は第三係脱部F3eとの係合が解除される。リバースインナーレバーerは、リバースフォーク連結部材4に形成されたリバース係合部4aと係合し又はリバース係合部4aとの係合が解除される。
【0032】
シフトセレクトシャフト1の回転方向の角度によって、第一インナーレバーe1〜第三インナーレバーe3、及びリバースインナーレバーerのいずれかが、選択的にこれらインナーレバーと対応する位置にある第一係合部F1d、第二係脱部F2e、第三係脱部F3e、及びリバース係合部4aのいずれかと係合する。
【0033】
具体的には、シフトレバー990が、1−2速ゲート950bに位置している場合には、シフトセレクトシャフト1は第一回転位置に位置し、図7Aに示すように、第一インナーレバーe1が第一係合部F1d(第一フォークF1)と係合している。一方で、図7B図7Dに示すように、シフトセレクトシャフト1が第一回転位置以外の回転位置に位置している場合には、第一インナーレバーe1は第一係合部F1d(第一フォークF1)から離脱している。
【0034】
シフトレバー990が、3−4速ゲート950cに位置している場合には、シフトセレクトシャフト1は第一回転位置よりもより順回転側に回転した位置である第二回転位置に位置し、図8Bに示すように、第二インナーレバーe2が第二係脱部F2e(第二フォークF2)と係合している。一方で、図8A図8C図8Dに示すように、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置以外の回転位置に位置している場合には、第二インナーレバーe2は第二係脱部F2e(第二フォークF2)から離脱している。
【0035】
シフトレバー990が、5−6速ゲート950dに位置している場合には、シフトセレクトシャフト1は、第二回転位置よりもより順回転側に回転した位置である第三回転位置に位置し、図9Cに示すように、第三インナーレバーe3が第三係脱部F3e(第三フォークF3)と係合している。一方で、図9A図9B図9Dに示すように、シフトセレクトシャフト1が第三回転位置以外の回転位置にある場合には、第三インナーレバーe3は第三係脱部F3e(第三フォークF3)から離脱している。
【0036】
シフトレバー990が、リバースゲート950aに位置し、シフトセレクトシャフト1が第一回転位置よりも逆回転側に回転した位置であるリバース回転位置に位置している場合には、図10Dに示すように、リバースインナーレバーerがリバース係合部4a(リバースフォークFR)と係合している。一方で、シフトセレクトシャフト1がリバース回転位置以外の回転位置に位置している場合には、リバースインナーレバーerはリバース係合部4a(リバースフォークFR)から離脱している。
【0037】
第一インナーレバーe1〜第三インナーレバーe3のいずれかが、これらのインナーレバーと対応する位置にある第一係合部F1d、第二係脱部F2e、第三係脱部F3eのいずれかに係合している状態で、シフトレバー990がシフト方向奇数段側に移動されると、シフトセレクトシャフト1が後方に移動して、第一インナーレバーe1〜第三インナーレバーe3のいずれかと係合している第一フォークF1〜第三フォークF3が揺動して、揺動した第一フォークF1〜第三フォークF3の連結部F1c〜F3cが前方に移動する。そして、移動した連結部F1c〜F3cと係合しているハブH1〜H3が前方に移動して、移動したハブH1〜H3に対応する変速段、つまり、1速、3速、5速のいずれかがトランスミッション100において形成される。
【0038】
第一インナーレバーe1〜第三インナーレバーe3のいずれかが、これらのインナーレバーと対応する第一係合部F1d、第二係脱部F2e、第三係脱部F3eのいずれかに係合している状態で、シフトレバー990がシフト方向偶数段側に移動されると、シフトセレクトシャフト1が前方に移動して、第一インナーレバーe1〜第三インナーレバーe3のいずれかと係合している第一フォークF1〜第三フォークF3が揺動して、揺動した第一フォークF1〜第三フォークF3の連結部F1c〜F3cが後方に移動する。そして、移動した連結部F1c〜F3cと係合しているハブH1〜H3が後方に移動して、移動したハブH1〜H3に対応する変速段、つまり、2速、4速、6速のいずれかがトランスミッション100において形成される。
【0039】
また、リバースインナーレバーerがリバース係合部4aと係合している状態で、シフトレバー990がシフト方向奇数段側に移動されると、シフトセレクトシャフト1が後方に移動して、リバースフォークFRが後方に移動して、リバースがトランスミッション100において形成される。
【0040】
(インターロック機構)
以下に、図2図10を用いてインターロック機構10aについて説明する。インターロック機構10aは、シフトセレクトシャフト1とフォークF1〜F3のうちいずれかのフォークが連結されて選択された場合に、選択されたフォーク以外のフォークF1〜F3の揺動を阻止するものである。インターロック機構10aは、インターロック部材2、第一フォークF1〜第三フォークF3、及びリバースフォーク連結部材4とから構成されている。
【0041】
図4に示すように、インターロック部材2は、後方から前方に向かって順に、第一板部2a、第一本体部2b、第二板部2c、第二本体部2d、第三板部2eが一体形成されている。第一本体部2bは、半円筒形状であり、後方に第一板部2aが接続され、前方に第二板部2cが接続されている。第二本体部2dは板状であり、第二板部2cの下部に接続され、前方側に延在している。第二本体部2dの前方には、第三板部2eが接続されている。
【0042】
第一板部2aには、前後方向に連通する第一連通穴2fが形成されている。第二板部2cには、前後方向に連通する第二連通穴2kが形成されている。第三板部2eには、前後方向に連通する第三連通穴2pが形成されている。図2図3に示すように、インターロック部材2の第一連通穴2f、第二連通穴2k、及び第三連通穴2pにシフトセレクトシャフト1が挿通し、インターロック部材2がシフトセレクトシャフト1の外周側にシフトセレクトシャフト1と同軸に設けられている。第一本体部2bには、前後方向に長穴2jが形成されている。図2図3に示すように、インターロック部材2の長穴2jには、シフトセレクトシャフト1に設けられたピン1aが挿通している。このため、インターロック部材2は、シフトセレクトシャフト1と一体回転する。一方で、シフトセレクトシャフト1は、インターロック部材2に対して、前後方向に相対移動可能である。インターロック部材2は、トランスミッション100のハウジングによって前後方向(軸線方向)の移動が規制され、軸線方向移動不能となっている。
【0043】
図4に示すように、第一本体部2bの後方側の一方の側部には、第二被係合部2rが切欠形成されている。この第二被係合部2rは、インターロック部材2の回転方向の位置によって、第二フォークF2の第二係合部F2dと係合し又は第二係合部F2dとの係合が解除される。第一本体部2bの第二被係合部2rが形成されている位置の反対側の側部には、被係脱部2gが突出形成されている。被係脱部2gには、被係脱凹部2hが切欠形成されている。この被係脱凹部2hは、インターロック部材2の回転方向の位置によって、第二フォークF2の第二係脱部F2eと係合し又は第二係合部F2dとの係合が解除される。
【0044】
第一本体部2bの前方側の一方の側部には、第三被係合部2iが切欠形成されている。第三被係合部2iは、インターロック部材2の回転方向の位置によって、第三係合部F3dと係合し、又は第三係合部F3dとの係合が解除される。
【0045】
第二本体部2dには、第二本体部2dの一方の側端に開口する第一被係合部2mが切欠形成されている。第二本体部2dには、第一被係合部2mを横断するように前後方向にスリット2nが形成されている。第一被係合部2mは、インターロック部材2の回転方向の位置によって、第一係合部F1dと係合し、又は第一係合部F1dとの係合が解除される。
【0046】
第二本体部2dの第一被係合部2mの後方には、第二本体部2dの一方の側端に開口する第五被係合部2sが形成されている。なお、第一被係合部2mのほうが、第五被係合部2sよりも深く形成されている。第五被係合部2sは、インターロック部材2の回転方向の位置によって、リバースフォーク連結部材4の上端と係合し、又はリバースフォーク連結部材4の上端との係合が解除される。
【0047】
(インターロック部材の作用)
以下に、図7図10を用いて、インターロック部材2による作用を説明する。シフトレバー990が1速−2速ゲート950bに位置し、シフトセレクトシャフト1が第一回転位置に位置している状態では、図7Aに示すように、第一係合部F1dは第一インナーレバーe1と係合している。そして、第一係合部F1dと第一インナーレバーe1は、スリット2nが形成されている位置の第一被係合部2m内に位置している。このため、第一フォークF1は軸線方向に移動可能であり、シフトレバー990がシフト方向の奇数段側又は偶数段側に移動されて、シフトセレクトシャフト1が軸線方向に移動されると、第一フォークF1が軸線方向に移動されて、トランスミッション100において1速又は2速が形成される。
【0048】
シフトレバー990が1速−2速ゲート950bに位置し、シフトセレクトシャフト1が第一回転位置に位置している状態では、図8Aに示すように、第二係脱部F2eは第二インナーレバーe2と係合していない。そして、第二係合部F2dは第二被係合部2rと係合している。このため、第二フォークF2の軸線方向の移動が阻止される。
【0049】
シフトレバー990が1速−2速ゲート950bに位置し、シフトセレクトシャフト1が第一回転位置に位置している状態では、図9Aに示すように、第三係脱部F3eは第三インナーレバーe3と係合していない。そして、第三係合部F3dは第三被係合部2iと係合している。このため、第三フォークF3の軸線方向の移動が阻止される。
【0050】
シフトレバー990が1速−2速ゲート950bに位置し、シフトセレクトシャフト1が第一回転位置に位置している状態では、図10Aに示すように、リバースフォーク連結部材4のリバース係合部4aは、リバースインナーレバーerと係合していない。そして、リバースフォーク連結部材4の上端は、第五被係合部2sと係合している。このため、リバースフォークFRの軸線方向の移動が阻止される。
【0051】
シフトレバー990が3速−4速ゲート950cに位置し、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置に位置している状態では、図7Bに示すように、第一係合部F1dは第一インナーレバーe1に係合していない。そして、第一係合部F1dは、スリット2nが形成されている位置よりも奥側の第一被係合部2m内に位置している。このため、第一フォークF1の軸線方向の移動が阻止される。
【0052】
シフトレバー990が3速−4速ゲート950cに位置し、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置に位置している状態では、図8Bに示すように、第二係脱部F2eは第二インナーレバーe2と係合している。そして、第二係合部F2d及び第二係脱部F2eのいずれもインターロック部材2と係合していない。このため、第二フォークF2は軸線方向移動可能であり、シフトレバー990がシフト方向の奇数段側又は偶数段側に移動されて、シフトセレクトシャフト1が軸線方向に移動されると、第二フォークF2が軸線方向に移動されて、トランスミッション100において3速又は4速が形成される。
【0053】
シフトレバー990が3速−4速ゲート950cに位置し、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置に位置している状態では、図9Bに示すように、第三係脱部F3eは第三インナーレバーe3と係合していない。そして、第三係合部F3dは、第三被係合部2iと係合している。このため、第三フォークF3の軸線方向の移動が阻止される。
【0054】
シフトレバー990が3速−4速ゲート950cに位置し、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置に位置している状態では、図10Bに示すように、リバースフォーク連結部材4のリバース係合部4aは、リバースインナーレバーerと係合していない。そして、リバースフォーク連結部材4の上端は、第五被係合部2sと係合している。このため、リバースフォークFRの軸線方向の移動が阻止される。
【0055】
シフトレバー990が5−6速ゲート950dに位置し、シフトセレクトシャフト1が第三回転位置に位置している状態では、図7Cに示すように、第一係合部F1dは第一インナーレバーe1に係合していない。そして、第一係合部F1dは、スリット2nが形成されている位置よりも奥側の第一被係合部2m内に位置している。このため、第一フォークF1の軸線方向の移動が阻止される。
【0056】
シフトレバー990が5−6速ゲート950dに位置し、シフトセレクトシャフト1が第三回転位置に位置している状態では、図8Cに示すように、第二係脱部F2eは第二インナーレバーe2と係合していない。そして、第二係脱部F2eは被係脱部2gと係合している。このため、第二フォークF2の移動が阻止される。
【0057】
シフトレバー990が5−6速ゲート950dに位置し、シフトセレクトシャフト1が第三回転位置に位置している状態では、図9Cに示すように、第三係脱部F3eは第三インナーレバーe3と係合している。そして、第三係合部F3dは、インターロック部材2と係合していない。このため、第三フォークF3は軸線方向に移動可能であり、シフトレバー990がシフト方向の奇数段側又は偶数段側に移動されて、シフトセレクトシャフト1が軸線方向に移動されると、第三フォークF3が軸線方向に移動されて、トランスミッション100において5速又は6速が形成される。
【0058】
シフトレバー990が5−6速ゲート950dに位置し、シフトセレクトシャフト1が第三回転位置に位置している状態では、図10Cに示すように、リバースフォーク連結部材4のリバース係合部4aは、リバースインナーレバーerと係合していない。そして、リバースフォーク連結部材4の上端は、第五被係合部2sと係合している。このため、リバースフォークFRの軸線方向の移動が阻止される。
【0059】
シフトレバー990がリバースゲート950aに位置し、シフトセレクトシャフト1がリバース回転位置に位置している状態では、図7Dに示すように、第一係合部F1dは第一インナーレバーe1に係合していない。そして、第一係合部F1dは、スリット2nが形成されている位置よりも手前側の第一被係合部2m内に位置し、第一被係合部2mと係合している。このため、第一フォークF1の軸線方向の移動が阻止される。
【0060】
シフトレバー990がリバースゲート950aに位置し、シフトセレクトシャフト1がリバース回転位置に位置している状態では、図8Dに示すように、第二係脱部F2eは第二インナーレバーe2に係合していない。そして、第二係合部F2dは第二被係合部2rと係合している。このため、第二フォークF2の軸線方向の移動が阻止される。
【0061】
シフトレバー990がリバースゲート950aに位置し、シフトセレクトシャフト1がリバース回転位置に位置している状態では、図9Dに示すように、第三係脱部F3eは第三インナーレバーe3と係合していない。そして、第三係合部F3dは第三被係合部2iと係合している。このため、第三フォークF3の軸線方向の移動が阻止される。
【0062】
シフトレバー990がリバースゲート950aに位置し、シフトセレクトシャフト1がリバース回転位置に位置している状態では、図10Dに示すように、リバースフォーク連結部材4のリバース係合部4aは、リバースインナーレバーerと係合している。そして、リバースフォーク連結部材4の上端は、第五被係合部2sと係合していない。このため、リバースフォークFRは軸線方向に移動可能であり、シフトレバー990がシフト方向の奇数段側に移動されて、シフトセレクトシャフト1が軸線方向後方に移動されると、リバースフォークFRが軸線方向に移動されて、トランスミッション100においてリバースが形成される。
【0063】
(本実施形態の効果)
以上の説明から明らかなように、シフトセレクトシャフト1の回転方向の位置によって、第一フォークF1〜第三フォークF3、及びリバースフォークFRと係脱するインターロック部材2をシフトセレクトシャフト1の外周側にシフトセレクトシャフト1と同軸に設けるだけで、選択された以外のフォークF1〜F3、FRの移動が阻止されるインターロック機構10aが実現される。これにより、インターロック機構10aの部品点数を削減することができる。
【0064】
図8A図8Dに示すように、第二フォークF2には第二係合部F2d及び第二係脱部F2eが突出形成されている。そして、インターロック部材2には、第二係合部F2dと係脱する第二被係合部2r及び第二係脱部F2eと係脱する被係脱部2gがインターロック部材2の軸心を挟むように形成されている。このように、第二フォークF2に第二係合部F2d及び第二係脱部F2eを突出形成し、インターロック部材2に、第二被係合部2r及び被係脱部2gを形成するだけで、第二フォークF2が選択されている以外の状態で第二フォークF2の揺動を防止するため構造を実現することができる。このように、インターロック機構10aの構造が複雑でないので、インターロック機構10aを小型化することができ、トランスミッション100を小型化することができ、インターロック機構10a及びトランスミッション100の製造コストを低減させることができる。
【0065】
また、図4に示すように、インターロック部材2の第一本体部2bは半円筒形状であり、第一連通穴2f及び第二連通穴2kの軸心よりも下方には、第一本体部2bが存在しない。このため、インターロック部材2及びシフトセレクトシャフト1を第二フォークF2及び第三フォークF3に近接させることができ、トランスミッション100を小型化することができる。
【0066】
第二係脱部F2eは、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置に位置している状態で第二インナーレバーe2と係合し(図8B示)、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置以外の回転位置に位置している状態で第二インナーレバーe2から離脱している(図8A図8C図8D示)。そして、第二係脱部F2eは、シフトセレクトシャフト1が、シフトセレクトシャフト1が第二回転位置に位置している状態で被係脱部2gから離脱し(図8B示)、シフトセレクトシャフト1が第三回転位置に位置している状態で被係脱部2gと係合している。このように、第二係脱部F2eによって、第二フォークF2の選択又は第二フォークF2の揺動の阻止が実現される。このため、第二フォークF2を小型化することができるとともに第二フォークF2の製造コストを低減することができ、ひいては、トランスミッション100の小型化及び製造コストを低減することができる。
【0067】
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、フォークF1〜F2は、トランスミッション100のハウジングに揺動可能に設けられている。しかし、フォークF1〜F2は、トランスミッション100のハウジングに軸線方向移動可能に設けられている実施形態であっても差し支え無い。
【符号の説明】
【0068】
1…シフトセレクトシャフト、2…インターロック部材、2m…第一被係合部、2r…第二被係合部、2i…第三被係合部、2g…被係脱部、10a…インターロック機構、e1…第一インナーレバー、e2…第二インナーレバー、e3…第三インナーレバー、F1…第一フォーク、F1d…第一係合部、F2…第二フォーク、F2d…第二係合部、F2e…第二係脱部(係脱部)、F3…第三フォーク、F3d…第三係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D