(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、環境保全等の観点から、排気浄化装置にはさらなるNOxの浄化性能の向上が求められている。本発明は、NOxの浄化性能の向上を可能にした排気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する排気浄化装置は、排気通路を流れる排気ガスを昇温可能なバーナーと、排気ガスに燃料を添加する第1添加弁と、前記バーナーおよび前記第1添加弁の下流に位置し、排気ガスに含まれる粒子性物質を捕捉するフィルターであって、排気ガス中の一酸化窒素を酸化して二酸化窒素に変換する酸化触媒と排気ガス中の燃料を還元剤に用いてNOxを還元する第1選択還元型触媒とを含み、前記酸化触媒が前記第1選択還元型触媒の上流側に形成された前記フィルターと、前記フィルターの下流に位置し、排気ガスに燃料を添加する第2添加弁と、前記第2添加弁の下流に位置し、前記第1選択還元型触媒よりも温度活性域の高い第2選択還元型触媒であって、排気ガス中の燃料を還元剤に用いてNOxを還元するとともにNOxの還元によりNH
3を生成する前記第2選択還元型触媒と、前記第2選択還元型触媒の下流に位置し、前記第2選択還元型触媒が生成したNH
3を還元剤に用いてNOxを還元する第3選択還元型触媒と、前記酸化触媒および前記第1選択還元型触媒の少なくとも一方が不活性状態であるときに前記バーナーを燃焼状態に制御する制御部とを備える。
【0006】
上記構成によれば、酸化触媒および第1選択還元型触媒の少なくとも一方が不活性状態にあるときにバーナーが燃焼状態に制御されることで酸化触媒および第1選択型触媒の昇温が促進される。これにより、第1選択還元型触媒によるNOxの還元が早期に実現可能である。また、バーナーが燃焼状態にあるときには、第2および第3選択還元型触媒の昇温も促進されるため、第2添加弁の添加した燃料を還元剤に用いた第2選択還元型触媒によるNOxの還元、および、第2選択還元型触媒が生成したNH
3を還元剤に用いた第3選択還元型触媒によるNOxの還元も早期に実現可能である。また、酸化触媒において排気ガス中の一酸化窒素(以下、NOという)の一部が二酸化窒素(以下、NO
2という)に変換されるため、このNO
2でフィルターの粒子性物質を連続的に酸化可能である。これにより、第1選択還元型触媒が清浄な状態に維持されやすくなることから、第1選択還元型触媒と排気ガス中のNOxとの接触機会が増えて第1選択還元型触媒によるNOxの還元が効率よく行われる。その結果、NOxの浄化性能を向上させることができる。
【0007】
上記排気浄化装置において、前記制御部は、前記第2選択還元型触媒が不活性状態であるときに前記バーナーを燃焼状態に制御することが好ましい。
上記構成によれば、例えば酸化触媒および第1選択還元型触媒が活性状態であっても、第2選択還元型触媒が不活性状態にあるときにはバーナーが燃焼状態に制御される。その結果、第2選択還元型触媒の昇温が促進され、第2選択還元型触媒によるNOxの還元が早期に実現可能である。
【0008】
上記排気浄化装置において、前記制御部は、前記第3選択還元型触媒が不活性状態であるときに前記バーナーを燃焼状態に制御することが好ましい。
上記構成によれば、例えば第1選択還元型触媒および第2選択還元型触媒が活性状態であっても、第3選択還元型触媒が不活性状態にあるときにはバーナーが燃焼状態に制御される。その結果、第3選択還元型触媒の昇温が促進され、第3選択還元型触媒によるNOxの還元が早期に実現可能である。
【0009】
上記排気浄化装置において、前記バーナーは、前記第1添加弁と前記第1添加弁が添加した燃料を着火する着火部とを含み、前記制御部は、前記酸化触媒および前記第1選択還元型触媒が活性状態であるときに、前記第1添加弁が添加した燃料を燃焼させない添加状態に前記バーナーを制御してもよい。
【0010】
上記構成によれば、バーナーに対する燃料の供給と排気ガスに対する燃料の添加とを第1添加弁で行うことができる。これにより、バーナーに燃料を供給する構成と排気ガスに燃料を添加する構成とが共通化され、排気浄化装置の構成を簡素化することができる。
【0011】
上記排気浄化装置において、前記第3選択還元型触媒は、積層構造体であり、燃料を還元剤に用いてNOxを還元するHC触媒層と、前記HC触媒層に積層されて前記第3選択還元型触媒の表層を構成し、前記第2選択還元型触媒が生成したNH
3を還元剤に用いてNOxを還元するNH
3触媒層とを備えることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、第3選択還元型触媒においては、第2選択還元型触媒が生成したNH
3に加えて、排気ガス中の残存燃料を還元剤に用いてNOxを還元することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から
図7を参照して排気浄化装置の一実施形態について説明する。まず、
図1を参照して、排気浄化装置が搭載されたエンジンシステムの全体構成について説明する。
図1に示すように、エンジンシステムは、ディーゼルエンジン10(以下、エンジン10という。)を備える。エンジン10のシリンダーブロック11には、一列に並んだ6つのシリンダー12が形成されている。各シリンダー12には、インジェクター13から燃料が噴射される。シリンダーブロック11には、各シリンダー12に吸入空気を供給するためのインテークマニホールド14と、各シリンダー12からの排気ガスが流入するエキゾーストマニホールド15とが接続されている。
【0015】
インテークマニホールド14に接続される吸気通路16には、上流側から順に、図示されないエアクリーナー、ターボチャージャー17を構成するコンプレッサー18、インタークーラー19が設けられている。エキゾーストマニホールド15に接続される排気通路20には、コンプレッサー18に連結軸を介して連結され、ターボチャージャー17を構成するタービン22が設けられている。
【0016】
エンジンシステムは、エキゾーストマニホールド15と吸気通路16とを接続するEGR通路25を備える。EGR通路25には、EGRクーラー26が設けられ、EGRクーラー26における吸気通路16側には、EGR通路25の流路断面積を変更可能なEGR弁27が設けられている。EGR弁27が開状態にあるとき、吸気通路16には、EGR通路25を通じて排気ガスの一部がEGRガスとして導入される。シリンダー12には、排気ガスと吸入空気との混合気体である作動ガスが供給される。
【0017】
シリンダー12では、作動ガスとインジェクター13が噴射した燃料との混合気が燃焼する。シリンダー12からの排気ガスは、エキゾーストマニホールド15を通じて排気通路20へと流入し、タービン22を通過した後、排気浄化装置30に流入する。
【0018】
排気浄化装置30は、排気ガスを昇温可能なバーナー31を備える。バーナー31は、排気通路20内を流れる排気ガスに燃料を添加する第1添加部32と排気通路20内に添加された燃料に着火する着火部33とを有する。
【0019】
第1添加部32は、還元剤である燃料を貯留する燃料タンク34に接続された第1燃料通路35を備える。この燃料タンク34は、インジェクター13が噴射する燃料を貯留する燃料タンクであってもよいし、該燃料タンクとは別個に設けられる燃料タンクであってもよい。第1添加部32は、第1燃料通路35にポンプ36と第1調整弁37とを備える。ポンプ36は、例えばエンジンを動力源とするポンプであって、燃料タンク34内の燃料を所定圧力で第1調整弁37に圧送する。第1調整弁37は、第1燃料通路35の流路断面積を変更可能な弁であり、第1調整弁37を通過する燃料の量を調整する。第1添加部32は、排気通路20内に位置する第1添加弁38を備える。第1添加部32は、第1調整弁37が開状態にあるときに第1添加弁38から排気ガスに燃料を添加し、第1調整弁37が閉状態にあるときに第1添加弁38から排気ガスに燃料を添加しない。着火部33は、例えばスパークプラグやグロープラグであって、図示されない電源装置から電力が供給されることで駆動し、第1添加部32が添加した燃料に着火する。着火された燃料は、排気ガスに残存する酸素を酸化剤として燃焼する。第1添加部32による燃料の添加、および、着火部33の駆動は、後述する制御装置70によって制御される。制御装置70は、第1添加部32および着火部33の制御を通じて、バーナー31の作動状態を停止状態、燃焼状態、および、添加状態のいずれかに制御する。停止状態は、第1添加部32が燃料を添加しない状態である。燃焼状態は、第1添加部32の添加した燃料が燃焼する状態であり、添加状態は、第1添加部32の添加した燃料が燃焼しない状態である。
【0020】
なお、バーナー31は、第1添加部32が添加した燃料に対して空気を供給可能な空気供給部を備えていてもよい。こうした構成によれば、バーナー31における未燃燃料の発生量を抑えつつ、第1添加部32が添加可能な燃料量に関する自由度が向上する。
【0021】
排気浄化装置30は、排気通路20におけるバーナー31の下流にフィルター40を備える。フィルター40は、排気ガス中の粒子性物質(PM:Particulate Matter)を捕捉するフィルター機能、排気ガス中の燃料およびNOを酸化する酸化機能、および、排気ガス中の燃料を還元剤に用いてNOxを還元するNOx還元機能を有する。フィルター40は、バーナー31によって再生温度Tfr(例えば600℃)まで昇温されると、粒子性物質が焼却されてフィルター機能が再生する。
【0022】
図2に示すように、フィルター40は、例えば耐熱性に優れたセラミックやステンレスを素材としたウォール・フロー・フィルターであるフィルター本体40aと、フィルター本体40aにコーティングされた触媒層である酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cとを有する。酸化触媒40bは、第1選択還元型触媒40cの上流側に形成され、排気ガス中の燃料を酸化するとともに排気ガス中のNOを酸化してNO
2に変換する。第1選択還元型触媒40cは、酸化触媒40b以外の部分に形成され、酸化触媒40bを通過した燃料を還元剤に用いて排気ガス中のNOxを還元する。
【0023】
酸化触媒40bは、粒子状の触媒担体と、触媒担体に担持された触媒金属とを有する。触媒担体の形成材料は、例えばゼオライトやアルミナ等である。触媒金属は、例えば白金、パラジウム、および、ロジウム等の白金系元素のうちの少なくとも1種である。触媒担体がゼオライトである場合、酸化触媒40bは、触媒金属イオンがゼオライトの陽イオンと置換したゼオライトの粒子で構成される。触媒担体がアルミナである場合、酸化触媒40bは、触媒金属を担持させたγ−アルミナの粒子、あるいは、触媒金属を担持させたθ−アルミナの粒子で構成される。酸化触媒40bは、排気ガス中の燃料を還元剤に用いたNOxの還元反応よりも、排気ガス中の燃料およびNOの酸化反応が優先するように、触媒金属を1リットルあたり1g〜6g含有するように構成される。また酸化触媒40bは、その温度である酸化触媒温度Toxが酸化下限温度ToxL(例えば150℃)以上であって酸化上限温度ToxH(例えば350℃)以下の温度域を活性温度域に有する。
【0024】
酸化触媒40bは、全長Lのフィルター40の上流端から長さLbの範囲に形成される。この長さLbは、全長Lの10%以上、全長Lの90%以下の範囲において、より小さい値に設定されることが好ましい。長さLbが全長Lの10%以上に設定されることにより、燃料の酸化にともなう粒子性物質の昇温、および、NOから変換されたNO
2による粒子性物質の酸化、これらによって粒子性物質の燃焼が開始されやすくなる。すなわち、エンジン10の運転中におけるフィルター40の再生が連続的に行われやすくなる。また、長さLbが全長Lの90%以下に設定されることにより、第1選択還元型触媒40cにおけるNOxの浄化作用を確実に得ることができる。また、長さLbを小さくすることにより、第1選択還元型触媒40cに対してより多くの燃料が供給され、第1選択還元型触媒40cにおけるNOxの浄化性能を向上させることができる。そのうえ、触媒金属の使用量が低減されることでフィルター40のコストを抑えることができる。
【0025】
第1選択還元型触媒40cは、粒子状の触媒担体と、触媒担体に担持された触媒金属とを有する。触媒担体の形成材料は、例えばゼオライトやアルミナ等である。触媒金属は、白金、パラジウム、および、ロジウム等の白金系元素のうちの少なくとも1種である。触媒担体がゼオライトである場合、第1選択還元型触媒40cは、触媒金属イオンがゼオライトの陽イオンと置換したゼオライトの粒子で構成される。触媒担体がアルミナである場合、第1選択還元型触媒40cは、触媒金属を担持させたγ−アルミナの粒子、あるいは、触媒金属を担持させたθ−アルミナの粒子で構成される。第1選択還元型触媒40cは、排気ガス中の燃料およびNOの酸化反応よりも、排気ガス中の燃料を還元剤に用いたNOxの還元反応が優先するように、触媒金属を1リットルあたり0.1g〜1.5g含有するように構成される。また、第1選択還元型触媒40cは、その温度である第1触媒温度Tc1が第1下限温度Tc1L(例えば200℃)以上であって第1上限温度Tc1H(例えば300℃)以下の温度範囲を活性温度域として有する。
【0026】
すなわち、フィルター40は、同種の触媒金属で構成された酸化触媒40bと第1選択還元型触媒40cとを有しており、酸化触媒40bは、第1選択還元型触媒40cよりも触媒金属の濃度が高い部分である。フィルター40では、酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cが後述する第2選択還元型触媒45よりも強い酸化力を有するため、排気ガス中の燃料のほとんどが消費される。なお、フィルター40は、第1選択還元型触媒40cが全体にコーティングされたフィルター本体40aに対してさらに酸化触媒40bをコーティングすることにより構成されてもよい。また、フィルター40は、フィルター本体40aに対して酸化触媒40bと第1選択還元型触媒40cとを別の領域にコーティングすることにより構成されてもよい。
【0027】
排気浄化装置30は、排気通路20におけるフィルター40の下流に、排気通路20内を流れる排気ガスに燃料を添加する第2添加部41を備える。第2添加部41は、第1燃料通路35におけるポンプ36と第1調整弁37との間に接続された第2燃料通路42を備える。第2添加部41は、第2燃料通路42の流路断面積を変更可能な第2調整弁43を備える。この第2調整弁43には、第1燃料通路35に設けられたポンプ36によって所定圧力の燃料が圧送される。第2添加部41は、第2調整弁43を通過した燃料を排気ガスに添加する第2添加弁44を備える。すなわち、第2添加部41は、第2調整弁43が開状態にあるときに第2添加弁44から排気ガスに燃料を添加し、第2調整弁43が閉状態にあるときに第2添加弁44から排気ガスに燃料を添加しない。第2添加部41による燃料の添加は、後述する制御装置70によって制御される。
【0028】
排気浄化装置30は、排気通路20における第2添加弁44の下流に、排気ガス中の燃料を還元剤に用いてNOxを還元する第2選択還元型触媒45を備える。
第2選択還元型触媒45は、セラミックあるいは金属からなるモノリス担体と、このモノリス担体にコーティングされた触媒層とを有する。触媒層は、銀アルミナあるいは銀ゼオライトを含む。触媒層が銀アルミナを含むとき、第2選択還元型触媒45は、例えば、銀を担持させたγ−アルミナの粒子、あるいは、銀を担持させたθ−アルミナの粒子をモノリス担体にコーティングして構成される。触媒層が銀ゼオライトを含むとき、第2選択還元型触媒45は、例えば、銀イオンがゼオライトの含む陽イオンと置換したゼオライトの粒子をモノリス担体にコーティングして構成される。第2選択還元型触媒45は、その温度である第2触媒温度Tc2が第2下限温度Tc2L(例えば200℃)以上であって第2上限温度Tc2H(例えば650℃)以下の比較的高い温度範囲を活性温度域として有し、NOxを還元する反応においてNH
3を生成する。また、上述した構成の第2選択還元型触媒45では、燃料の酸化反応よりも燃料によるNOxの還元反応が優先して進行するため、燃料の一部が反応せずに通過する。そのため、その通過した燃料を後段の触媒の還元剤に用いることが可能である。
【0029】
排気浄化装置30は、排気通路20における第2選択還元型触媒45の下流に第3選択還元型触媒47を備える。
図3に示すように、第3選択還元型触媒47は、セラミックあるいは金属からなるモノリス担体48と、モノリス担体48の表面に積層されたHC触媒層49と、HC触媒層49に積層されたNH
3触媒層50とを備える。
【0030】
HC触媒層49は、排気ガス中の燃料を還元剤に用いてNOxを還元する。HC触媒層49は、粒子状の触媒担体と触媒担体に担持された銅とを有する。触媒担体の形成材料は、多孔質構造を有するゼオライトである。このゼオライトには、ZSM−5型ゼオライト、あるいは、ベータ型ゼオライトが適用可能である。ZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトが有する孔の孔径は、例えば5〜8Åであり、燃料に含まれる炭化水素の分子径よりも大きい。すなわち、ZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトは、炭化水素が進入可能な孔を有する多孔質材料である。HC触媒層49は、銅を担持させた粒子状の触媒担体をモノリス担体にコーティングして構成される。
【0031】
NH
3触媒層50は、第2選択還元型触媒45において生成されたNH
3を還元剤に用いてNOxを還元する。NH
3触媒層50は、粒子状の触媒担体と触媒担体に担持された銅とを有する。触媒担体の形成材料は、多孔質構造を有するゼオライトである。このゼオライトには、チャバサイト構造を有するゼオライトが適用可能であり、例えばSAPO−34型ゼオライトが適用可能である。なお、SAPOは、シリコアルミノフォスフェートのことである。SAPO−34型ゼオライトが有する孔の孔径は、例えば3〜4Åであり、燃料に含まれる炭化水素の分子径よりも小さく、かつ、NH
3の分子径よりも大きい。すなわち、SAPO−34型ゼオライトは、炭化水素の進入を拒む一方でNH
3の進入を許可する孔を有する多孔質材料である。NH
3触媒層50は、銅を担持させた粒子状の触媒担体をHC触媒層49が形成されたモノリス担体にコーティングして構成される。
【0032】
第3選択還元型触媒47は、その温度である第3触媒温度Tc3が第3下限温度Tc3L(例えば200℃)以上であって第3上限温度Tc3H(例えば600℃)以下の温度範囲を活性温度域として有する。
【0033】
図4に示すように、第3選択還元型触媒47では、NH
3(アンモニア)がNH
3触媒層50を構成する触媒担体51の孔51hに進入する一方、HC(炭化水素)が触媒担体51の孔51hに進入しない。そのため、HCは、触媒担体51の粒子間の隙間52を通ってHC触媒層49に到達する。そして、HC触媒層49に到達したHCは、HC触媒層49を構成する触媒担体53の孔53h中に進入する。これにより、NH
3触媒層50では、孔51hに進入したNH
3を還元剤に用いてNOxが還元され、HC触媒層49では、孔53hに進入したHCを還元剤に用いてNOxが還元される。
【0034】
排気浄化装置30は、吸気通路16におけるコンプレッサー18の上流に、吸入空気量Qaを検出する吸入空気量センサー55を備える。排気浄化装置30は、バーナー31とフィルター40との間に第1排気温度Te1を検出する第1温度センサー56、第2添加弁44と第2選択還元型触媒45との間に第2排気温度Te2を検出する第2温度センサー57、第3選択還元型触媒47の下流に第3排気温度Te3を検出する第3温度センサー58、および、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサー59を備える。各種センサーは、各々の検出値を示す信号を制御装置70に出力する。また、制御装置70には、インジェクター13からの燃料噴射を制御する噴射制御部60から燃料噴射量Qfを示す信号が入力される。
【0035】
制御装置70は、CPUと、各種制御プログラムおよび各触媒の活性温度域等の各種データが格納されたROMと、各種演算における演算結果や各種データが一時的に格納されるRAMとを有するマイクロコンピューターを中心に構成される。制御装置70は、各種センサー等からの信号に基づいて各種情報を取得する。制御装置70は、その取得した各種情報とROMに格納された各種制御プログラムや各種データとに基づき、第1調整弁37と着火部33とを制御することでバーナー31の作動状態を制御するとともに第2調整弁43を制御することで第2添加部41による燃料の添加を制御する。なお、制御装置70は、吸入空気量Qaを排気ガスの流量である排気流量Qeとして取り扱う。
【0036】
上述したようにバーナー31は、停止状態、燃焼状態、および、添加状態を有する。制御装置70は、次のように第1調整弁37と着火部33とを制御することにより、バーナー31の作動状態を制御する。
【0037】
バーナー31が停止状態にあるとき、制御装置70は、第1調整弁37を閉状態に制御している。バーナー31を停止状態から燃焼状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対して所定時間だけ電力を供給するとともに第1調整弁37を閉状態から開状態に制御する。以後、制御装置70は、第1調整弁37を開状態に制御し続けることによりバーナー31を燃焼状態に維持する。バーナー31を停止状態から添加状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対する電力の供給を行わずに、第1調整弁37を閉状態から開状態に制御する。以後、制御装置70は、第1調整弁37を開状態に制御し続けることによりバーナー31を添加状態に維持する。
【0038】
バーナー31を添加状態から燃焼状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対して所定時間だけ電力を供給するとともに第1調整弁37を開状態に維持する。バーナー31を燃焼状態から添加状態へ制御するとき、制御装置70は、着火部33に対する電力の供給を行うことなく、例えば所定時間だけ第1調整弁37を閉状態に制御することにより燃料の燃焼を停止したのち、再び第1調整弁37を開状態へ制御する。
【0039】
制御装置70は、バーナー31の作動状態を制御するとともに、第2添加部41による燃料の添加を制御する通常処理を実行する。制御装置70は、吸入空気量Qa(排気流量Qe)、第1排気温度Te1、第2排気温度Te2、第3排気温度Te3、エンジン回転数Ne、および、燃料噴射量Qfを取得する。制御装置70は、酸化触媒温度Toxおよび第1触媒温度Tc1を演算する。制御装置70は、酸化触媒温度Toxが得られる演算式、および、第1触媒温度Tc1が得られる演算式に、例えば排気流量Qe、第1排気温度Te1、および、第2排気温度Te2等を代入することで酸化触媒温度Toxおよび第1触媒温度Tc1を演算する。これらの演算式は、例えば、フィルター本体40a、酸化触媒40b、および、第1選択還元型触媒40cの各々の質量や熱容量に基づいて設定される。また、制御装置70は、第2触媒温度Tc2および第3触媒温度Tc3を演算する。制御装置70は、第2触媒温度Tc2が得られる演算式、および、第3触媒温度Tc3が得られる演算式の各々に、例えば排気流量Qe、第2排気温度Te2、および、第3排気温度Te3等を代入することにより第2触媒温度Tc2および第3触媒温度Tc3を演算する。これらの演算式は、例えば、第2選択還元型触媒45や第3選択還元型触媒47の各々の質量や熱容量に基づいて設定される。
【0040】
制御装置70は、通常処理とは別にフィルター40における粒子性物質の堆積量Mfを演算し、その演算した堆積量Mfが上限値を超えると通常処理を強制的に終了してフィルター40のフィルター機能を再生する再生処理を実行する。制御装置70は、例えば、フィルター40における圧力損失等に基づいて堆積量Mfを演算する。再生処理において、制御装置70は、バーナー31を燃焼状態に制御して第1触媒温度Tc1を再生温度Tfrまで昇温をする。制御装置70は、バーナー31が燃焼状態にあるときも堆積量Mfを演算し、その堆積量Mfが下限値を下回ると再生処理を終了して通常処理を再開する。
【0041】
図5を参照して排気浄化装置30の動作について説明する。
図5に示すように、通常処理において、制御装置70は、各種センサーからの信号に基づいて各種情報を取得する(ステップS11)。制御装置70は、ステップS11にて取得した情報とROMに格納している各種演算式等とに基づき、上述した処理にしたがって各種触媒温度Tox,Tc1,Tc2,Tc3を演算する。(ステップS12)。
【0042】
次に制御装置70は、第1条件として、酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cの少なくとも一方が不活性状態であるか否かを判断する(ステップS13)。制御装置70は、酸化触媒温度Toxが酸化下限温度ToxL未満、または、第1触媒温度Tc1が第1下限温度Tc1L未満のとき、すなわち第1条件が成立するとき(ステップS13:YES)、エンジン10の運転状態に基づいて燃焼許可条件が成立するか否かを判断する(ステップS14)。例えば、制御装置70は、燃料噴射量Qfが所定量よりも多い高負荷状態、および、エンジン回転数Neが所定回転数よりも大きい高回転状態のいずれにもエンジン10の運転状態が該当しないときに燃焼許可条件が成立すると判断する。
【0043】
燃焼許可条件が成立するとき(ステップS14:YES)、制御装置70は、燃焼状態を選択し(ステップS15)、バーナー31を燃焼状態に制御するとともに第2調整弁43を閉状態に制御する。燃焼許可条件が不成立のとき(ステップS14:NO)、制御装置70は、停止状態を選択し(ステップS16)、バーナー31を停止状態に制御するとともに第2調整弁43を閉状態に制御する。燃焼状態において、制御装置70は、例えば吸入空気量Qaやエンジン回転数Ne、燃料噴射量Qf等に基づいて燃料添加量を演算し、その演算した燃料添加量の燃料が第1添加弁38から添加されるように第1調整弁37を制御する。このとき、バーナー31によって排気ガスが昇温されることで、酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cを有するフィルター40、第2選択還元型触媒45、ならびに、第3選択還元型触媒47が昇温される。これにより、第1〜第3選択還元型触媒40c,45,47の各々においてNOxの還元が早期に実現可能である。
【0044】
なお、高負荷状態では、排気温度が高いためバーナー31による排気ガスの昇温効果が少ない。また、高回転状態においては、排気流量Qeが多いことでバーナー31の失火が生じやすい。そのため、これら高負荷状態および高回転状態においてバーナー31を停止状態に制御することで、バーナー31における燃料消費量を抑えることができる。
【0045】
一方、第1条件が不成立のとき(ステップS13:NO)、制御装置70は、第2条件として、第2選択還元型触媒45が不活性状態であるか否かを判断する(ステップS17)。制御装置70は、第2触媒温度Tc2が第2下限温度Tc2L未満であるとき、すなわち第2条件が成立するとき(ステップS17:YES)、ステップS14の燃焼許可条件の成否に応じて燃焼状態(ステップS15)もしくは停止状態(ステップS16)を選択する。制御装置70は、その選択した作動状態にバーナー31を制御するとともに第2調整弁43を閉状態に制御する。バーナー31が燃焼状態に制御されることで第2選択還元型触媒45の昇温が促進され、第2選択還元型触媒45によるNOxの還元が早期に実現可能である。
【0046】
他方、第2条件が不成立のとき(ステップS17:NO)、制御装置70は、第3条件として、第3選択還元型触媒47が不活性状態にあるか否かを判断する(ステップS18)。制御装置70は、第3触媒温度Tc3が第3下限温度Tc3L未満であるとき、すなわち第3条件が成立するとき(ステップS18:YES)、ステップS14の燃焼許可条件の成否に応じて燃焼状態(ステップS15)もしくは停止状態(ステップS16)を選択する。制御装置70は、その選択した作動状態にバーナー31を制御するとともに第2調整弁43を閉状態に制御する。バーナー31が燃焼状態に制御されることで第3選択還元型触媒47の昇温が促進され、第3選択還元型触媒47によるNOxの還元が早期に実現可能である。そして、制御装置70は、第3条件が不成立のとき(ステップS18:NO)、すなわち各触媒40b,40c,45,47が活性状態であるとき、バーナー31を添加状態に制御する(ステップS19)とともに第2調整弁43を開状態に制御して第2添加弁44から排気ガスに燃料を添加する。
【0047】
第1添加弁38によって燃料が添加された排気ガスは、フィルター40に流入する。フィルター40において、排気ガスは、粒子性物質が捕捉されるとともに、酸化触媒40bによって燃料の一部が酸化されるとともにNOの一部が酸化されてNO
2へと変換される。この際、フィルター40の捕捉した粒子性物質がNO
2を酸化剤として燃焼し始めると、その燃焼が他の粒子性物質に伝播することでフィルター40のフィルター機能が再生される。NO
2を酸化剤とした粒子性物質の燃焼は、再生温度Tfrよりも低い燃焼開始温度Tf1(例えば300℃)で開始される。また、フィルター40において、排気ガスは、第1選択還元型触媒40cによって、酸化触媒40bを通過した燃料を還元剤に用いてNOxが還元される。
【0048】
フィルター40を通過した排気ガスは、続いて第2添加弁44によって燃料が添加されたのち、第2選択還元型触媒45に流入する。第2選択還元型触媒45において、排気ガスは、第2添加弁44が添加した燃料を還元剤に用いてNOxが還元されるとともに、その還元反応によって生成されたNH
3を取り込む。第2選択還元型触媒45では、燃料の酸化反応よりも燃料によるNOxの還元反応が優先して進行するため一部の燃料が反応しない。すなわち、第2選択還元型触媒45を通過した排気ガスは、第2選択還元型触媒45において反応しなかった燃料とNOxの還元反応によって生成されたNH
3とを含んだ状態で第3選択還元型触媒47に流入する。第3選択還元型触媒47において、排気ガスは、第2選択還元型触媒45において反応しなかった燃料と第2選択還元型触媒45において生成されたNH
3とを還元剤に用いてNOxが還元される。
【0049】
なお、制御装置70は、通常処理の実行中に堆積量Mfが上限値を超えると通常処理を強制的に終了してフィルター40の再生処理を実行する。再生処理中、制御装置70は、第2および第3選択還元型触媒45,47が活性状態であるときは、第2添加部41による燃料の添加を行う。再生処理が終了すると、制御装置70は、通常処理を再開する。
【0050】
図6は、エンジン10をWHTCモードで運転した場合におけるNOxの浄化性能を比較した結果の一例を示すグラフである。実施例は、上述した排気浄化装置30である。また、比較例は、排気通路の上流側から順に、第1燃料添加弁、燃料およびNOを酸化する酸化触媒機能を含む低温型HC−SCR触媒、フィルター機能のみを有するフィルター、第2燃料添加弁、高温型HC−SCR触媒、および、NH
3を還元剤とするNH
3−SCR触媒が配置された排気浄化装置である。
図6に示すように、実施例の排気浄化装置30では、比較例の排気浄化装置に比べて、約10%の浄化性能の向上が確認された。
【0051】
図7は、上述した比較例と実施例とにおいて触媒の総容積である触媒サイズを比較したグラフである。触媒サイズは、比較例では低温型HC−SCR触媒、高温型HC−SCR触媒、および、NH
3−SCR触媒の各々の容積の総和である。実施例では酸化触媒40b、第1選択還元型触媒40c、第2選択還元型触媒45、および、第3選択還元型触媒47の各々の容積の総和である。
図7に示すように、実施例では、
図6のようにNOx浄化率が約10%向上するにも関わらず、比較例よりも触媒サイズが約10%低減されることが確認された。
【0052】
上記実施形態の排気浄化装置30によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cの少なくとも一方が不活性状態であるときにバーナー31が燃焼状態に制御される。これにより、酸化触媒40b、第1選択還元型触媒40c、第2選択還元型触媒45、および、第3選択還元型触媒47の昇温が促進され、燃料を還元剤に用いたNOxの還元が早期に実現可能である。また、酸化触媒40bが不活性状態のときにバーナー31が添加状態に制御されると、第1選択還元型触媒40cに燃料が過剰に供給されてしまうおそれがある。この点、上述した構成であれば、第1選択還元型触媒40cに対する燃料の過剰供給が抑えられることで無駄な燃料の消費を抑えることができる。
【0053】
(2)フィルター40の捕捉した粒子性物質は、酸化触媒40bが生成したNO
2を酸化剤に用いて再生温度Tfrよりも低い燃焼開始温度Tf1において燃焼を開始する。そのため、フィルター40の温度を再生温度Tfrまで昇温させずとも、エンジン10の運転中にフィルター40のフィルター機能を連続的に再生させることが可能である。これにより、第1選択還元型触媒40cが清浄な状態に維持されやすくなることで第1選択還元型触媒40cと排気ガス中のNOxとの接触機会が増えて、第1選択還元型触媒40cによるNOxの還元が効率よく行われる。しかも、フィルター機能の再生に起因したフィルター40への熱的負荷が軽減されるとともに、バーナー31による再生処理の頻度が少なくなることでバーナー31における燃料消費量も低減される。
【0054】
(3)上記(1)(2)により、NOxの浄化性能が向上する。
(4)上述した排気浄化装置30によれば、NOxの浄化性能を向上させつつ、触媒サイズを低減することもできる。
【0055】
(5)バーナー31は、燃焼許可条件が成立するときに燃焼状態に制御される。そのため、バーナー31による各触媒の昇温を効率的に行うことができる。
(6)バーナー31が添加状態にあるとき、酸化触媒40bにおいて排気ガス中の燃料の一部が酸化されるため、酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cの温度低下が抑えられる。その結果、酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cが活性状態に維持されやすくなる。
【0056】
(7)第2選択還元型触媒45が不活性状態にあるときにバーナー31が燃焼状態に制御される。これにより、第2選択還元型触媒45の昇温が促進され、第2選択還元型触媒45によるNOxの還元が早期に実現可能である。
【0057】
(8)第3選択還元型触媒47が不活性状態にあるときにバーナー31が燃焼状態に制御される。これにより、第3選択還元型触媒の昇温が促進され、第3選択還元型触媒によるNOxの還元が早期に実現可能である。
【0058】
(9)バーナー31が添加状態に制御されることで、バーナー31に燃料を供給する構成とフィルター40に流入する排気ガスに燃料を添加する構成とを第1添加弁38で行うことができる。その結果、排気浄化装置30の構成を簡素化することができる。
【0059】
(10)第3選択還元型触媒47は、HC触媒層49とNH
3触媒層50とを備える。これにより、第3選択還元型触媒47は、第2選択還元型触媒45を通過した燃料と第2選択還元型触媒45の生成したNH
3とを用いてNOxを還元することができる。
【0060】
(11)第2選択還元型触媒45が活性状態であり、かつ、第3選択還元型触媒47が不活性状態であるときに第2添加弁44から燃料を添加してしまうと、第2選択還元型触媒45の生成したNH
3が反応せずに第3選択還元型触媒47を通過してしまうおそれがある。この点、上記構成によれば、第2および第3選択還元型触媒45,47の双方が活性状態に到達してから第2添加弁44による燃料の添加が行われる。これにより、第2選択還元型触媒45の生成するNH
3が外気に排出されることが抑えられる。
【0061】
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第3選択還元型触媒47は、第2選択還元型触媒45の生成したNH
3を還元剤に用いてNOxを還元する機能を有していればよく、NH
3触媒層50のみを触媒層として有していてもよい。
【0062】
・排気浄化装置30は、バーナー31とフィルター40との間に、別途、還元剤である燃料を排気ガスに添加する構成を有していてもよい。こうした場合、バーナー31は、添加状態には制御されず、停止状態あるいは燃焼状態に制御される。
【0063】
・制御装置70は、酸化触媒40b、第1選択還元型触媒40c、および、第2選択還元型触媒45が活性状態であり、かつ、第3選択還元型触媒47が不活性状態であるとき、バーナー31を添加状態に制御するとともに、第2添加弁44から排気ガスに燃料を添加してもよい。このとき、第1選択還元型触媒40cで還元されるNOx、および、第2選択還元型触媒45で還元されるNOxの分だけNOxの排出量が抑えられる。
【0064】
・
図8に示すように、制御装置70は、酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cが活性状態であるときには、第2および第3選択還元型触媒45,47の状態に関わらず、バーナー31を添加状態に制御してもよい。この場合、制御装置70は、各種情報を取得して(ステップS21)各種触媒温度を演算したのち(ステップS22)、第1条件が成立するか否かを判断する(ステップS23)。第1条件が成立するとき(ステップS23:YES)、制御装置70は、燃料許可条件が成立するか否かを判断し(ステップS24)、バーナー31を燃焼状態(ステップS25)、若しくは、停止状態(ステップS26)に制御する。一方、第1条件が不成立のとき(ステップS23:NO)、制御装置70は、バーナー31を添加状態に制御する(ステップS27)。こうした構成によれば、酸化触媒40bにおける燃料の酸化によって第2および第3選択還元型触媒45,47に流入する排気ガスが昇温されるとともに、第1選択還元型触媒40cで還元されるNOxの分だけNOxの排出量が抑えられる。
【0065】
・制御装置70は、酸化触媒40bおよび第1選択還元型触媒40cが活性状態にあるときにバーナー31を燃焼状態に制御する場合、フィルター40に流入する排気ガスに未燃燃料が含まれるように、燃料がリッチなリッチ燃焼状態にバーナー31を制御してもよい。こうした構成によれば、その未燃燃料を還元剤に用いて第1選択還元型触媒40cでNOxを還元することができる。
【0066】
・制御装置70は、バーナー31を燃焼状態に制御する際の条件として燃焼許可条件を含んでいなくともよい。こうした構成によれば、例えば、高負荷状態であっても各種触媒の早急な昇温が必要とされる場合や高回転状態であってもバーナー31の燃焼状態が安定する場合にバーナー31を燃焼状態に制御することができる。
【0067】
・排気浄化装置30は、第3選択還元型触媒47の下流に、排気ガス中に残存する燃料やNH
3を酸化する第2の酸化触媒を有していてもよい。こうした構成によれば、NOxを還元するうえで第2添加部41による燃料の添加量についての自由度が向上する。