(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光導波路シートにおいて、前記複数の光導波路が配列されている両側に、各々ダミーコアが設けられていることを特徴とする請求項4または6に記載の光導波路モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
最初に、光導波路モジュールを作製する際の光導波路への発光素子及び受光素子の実装について、
図1〜
図3に基づき説明する。
図1〜
図3に示されるように、光導波路モジュールは、光導波路シート910の上に、レンズシート920、フレキシブル基板930を順に積層して、接合することにより形成されている。フレキシブル基板930には、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)等の発光素子941やPD(Photodiode)等の受光素子942、発光素子941を駆動するドライバ943、受光素子942からの信号を増幅するTIA(Transimpedance Amplifier)944等がフリップチップ実装されている。
【0012】
光導波路シート910には、その幅方向に沿って複数の光導波路911が設けられている。各々の光導波路911には、発光素子941から出射された光を光導波路911に入射させ、また、光導波路911における光を受光素子942に入射させるため、光導波路シート910の表面に対し約45°の角度の斜面からなるミラー912が形成されている。レンズシート920には、複数のレンズ921が設けられており、光導波路シート910とフレキシブル基板930との間に設置されている。光導波路シート910の一方の端部910aには、外部より各々の光導波路911に光を入出力するためのレンズ付きフェルール950が接続される。
【0013】
光導波路シート910、レンズシート920、発光素子941及び受光素子942は、レンズ付きフェルール950から光導波路シート910の光導波路911に入射した光が、光導波路911に設けられたミラー912により光導波路シート910の表面に対し垂直方向に向けて反射されて、レンズシート920におけるレンズ921を介して受光素子942に入射するように、また、発光素子941において発光した光が、レンズシート920におけるレンズ921を介して光導波路911に形成されたミラー912に入射し、ミラー912により反射されて光導波路911に入射するように、位置合わせがなされて接合されることが求められる。
【0014】
光導波路モジュールを作製する際には、低コスト化のためにはパッシブ実装が好ましいが、光導波路911に光を入射させることなくミラー912の位置を基準に各部の位置合わせを行う場合、ミラー912の部分が暗くなるため、ミラー912の位置を明確に視認することが困難であり、各部の正確な位置合わせを行うことはできない。
【0015】
このため、レンズ付きフェルール950より光導波路911に光を入射させた状態で、ミラー912で反射した光を用いてミラー912の位置を検出する方法がある。しかし、この方法の場合、ミラー912の境界が不明確となり、ミラー912の位置を正しく認識できない可能性があるため、光導波路シート910に対するレンズシート920の位置合わせを正確に行うことが困難となる。ミラー912の境界が不明確となるのは、1つには、ミラー912はある程度の面積を有する領域であるため、ミラー912いずれかの部分に焦点を合わせても、ミラー912の境界でデフォーカスとなる部分があるからである。また、光導波路911に光を入射させる光源は、専用の光源であり光量を調節することができない。このため、光導波路911のミラー912で反射する光が強すぎるとコントラストも強くなってしまい、ミラー912の境界部分の周囲にまで散乱光が漏れて、強い散乱光によりミラー912の境界部分が不鮮明となるからである。
【0016】
従って、上記の方法により位置合わせを行うと、
図4に示すように、光導波路911のミラー912の位置とレンズシート920のレンズ921の位置とがずれてしまう場合がある。この位置で光導波路シート910とレンズシート920とを接合すると、光導波路911のミラー912において反射した光がレンズ921に入射せず、また、発光素子941から出射してレンズ921を介した光が光導波路911のミラー912に入射しないため、作製された光導波路モジュールは、所望の特性を得ることができない。
【0017】
従って、レンズ付きフェルール950から光導波路シート910の光導波路911に入射した光が、光導波路911に設けられたミラー912で反射してレンズシート920のレンズ921を介して受光素子942に入射するように、また、発光素子941において発光した光が、レンズシート920のレンズ921を介してミラー912に入射し、ミラー912により反射して光導波路911に入射するように、光導波路シート910、レンズシート920、発光素子941及び受光素子942の位置合わせがなされた光導波路モジュールが求められている。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
次に、第1の実施の形態について説明する。本実施の形態における光導波路モジュールは、
図5から
図7に示されるように、光導波路シート10の一方の面10cの上に、レンズシート20、フレキシブル基板30を順に積層することにより形成されている。フレキシブル基板30には、VCSEL等の発光素子41やPD等の受光素子42、発光素子41を駆動するドライバ43、受光素子42からの信号を増幅するTIA44等がフリップチップ実装されている。光導波路シート10の一方の端部10aには、外部より各々の光導波路11に光を入出力するためのレンズ付きフェルール50が接続されている。
【0019】
図8に示されるように、光導波路シート10には、光導波路11となるコアが複数設けられており、光導波路11となるコアの周囲は、クラッド12により覆われている。クラッド12の図示上下の両面には、各々ポリイミド層13が形成されている。本実施の形態においては、光導波路11となるコアの屈折率は約1.6であり、クラッド12の屈折率は約1.5となるように形成されている。尚、
図8は、光導波路シート10の一方の端部10a等から見た斜視図である。
【0020】
次に、本実施の形態における光導波路モジュールの光導波路シート10について、
図5、
図9から
図11に基づき説明する。
図9は、光導波路シート10の全体を示し、
図10は、光導波路シート10の他方の端部10b近傍の拡大図であり、
図11(a)は、
図10において一点鎖線10Aで囲まれた領域の拡大図であり、
図11(b)は、
図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図である。
【0021】
図5及び
図11に示されるように、光導波路シート10には、入出力ミラー14と位置合わせミラー15が形成されている溝16と、スリット部17とが設けられている。位置合わせミラー15は、光導波路モジュールへの各部搭載の位置合わせに用いるミラーであり、入出力ミラー14の位置を認識するためのマークとして機能する。
【0022】
溝16は、光導波路シート10の他方の面10dに2つの斜面を形成することで形成される。入出力ミラー14を形成する面と位置合わせミラー15を形成する面とは、略直角となる。スリット部17は、光導波路シート10の他方の面10dの側より、溝16よりも他方の端部10b側の光導波路11を除去することにより形成されている。従って、スリット部17は、光導波路シート10の他方の端部10bと溝16との間に形成されている。
【0023】
溝16及びスリット部17は、エキシマレーザ等を用いたレーザ加工によりクラッド12の一部と光導波路11を除去することにより形成されており、形成された光導波路11の面は平坦であるため、ミラーとして機能する。尚、溝16、スリット部17は、ダイシングなどによっても形成可能である。
【0024】
本実施の形態においては、光導波路シート10の一方の端部10aより入射した光は、入出力ミラー14により反射され、光導波路シート10の他方の端部10bより入射した光は位置合わせミラー15により反射される。
【0025】
図5に示されるように、入出力ミラー14は、発光素子41から出射された光を光導波路11に入射させ、また、光導波路11における光を受光素子42に入射させるミラーであり、光導波路シート10の表面に対し約45°の角度の斜面を形成することにより形成されている。レンズシート20には、複数のレンズ21が設けられており、光導波路シート10とフレキシブル基板30との間に設置されている。
【0026】
本実施の形態において、光導波路シート10とレンズシート20を接合する際には、
図11(b)における破線矢印Aに示されるように、光導波路シート10の他方の端部10bより光導波路11に光を入射させる。光導波路シート10の他方の端部10bより光導波路11に入射した光は、光導波路11よりスリット部17の一方の面17aから出射され、スリット部17の他方の面17bから光導波路11に入射する。スリット部17には、コアとクラッドとが形成されていないため、光導波路11を通りスリット部17の一方の面17aから出射された光はスリット部17において拡散し、拡散した光の一部がスリット部17の他方の面17bから光導波路11に入射する。スリット部17の一方の面17aから出射する光よりも、スリット部17の他方の面17bから光導波路11に入射した光の方が弱くなるため、スリット部17を設けることにより、位置合わせミラー15に入射する光量を減らすことができる。
【0027】
スリット部17の他方の面17bより光導波路11に入射して光導波路11内を伝播する光は、位置合わせミラー15により反射されるが、スリット部17を通過することによって位置合わせミラー15に入射する光量が減らされているため、位置合わせミラー15の境界の周囲に漏れる散乱光を減らすことができ、位置合わせミラー15を撮像した際のコントラストが低くなるので位置合わせミラー15の境界が明確となる。
【0028】
これにより、本実施の形態における光導波路モジュールは、位置合わせミラー15において反射された光を用いて位置合わせを行うことができ、光導波路シート10に対するレンズシート20の位置合わせを正確に行うことができる。
【0029】
従って、本実施の形態においては、光導波路シート10の光導波路11に入射した光が入出力ミラー14により反射されてレンズ21を介して受光素子42に入射するように、また、発光素子41からの光がレンズ21を介し入出力ミラー14に入射して反射し光導波路11に入射するように、光導波路シート10、レンズシート20、発光素子41及び受光素子42の位置合わせを行うことができる。このように位置合わせがなされた状態で各部を接合することにより、光導波路シート10、レンズシート20、発光素子41及び受光素子42が所望の位置となる光導波路モジュールを作製することができる。
【0030】
上記においては、
図11(b)における破線矢印Aに示されるように、光導波路シート10の他方の端部10bより光導波路11に光を入射させて位置合わせミラーの位置を判別して位置合わせを行う場合について説明したが、
図12に示されるように、光導波路シート10のレンズシート20が接合される一方の面10cより破線矢印Bに示されるように光を入射させてもよい。破線矢印Bに示されるように光導波路シート10の一方の面10cより入射した光は位置合わせミラー15により反射され、光導波路11内を伝搬した後、光導波路11とスリット部17との界面となる他方の面17bにおいて反射され、再び、光導波路11を伝播して位置合わせミラー15により入射光が入射した側に反射される。この場合、光源と画像認識のためのカメラ等を同じ位置に設置することができ、照明付き画像認識カメラ等を用いることが可能となる。照明付き画像認識カメラは光源の光量を調節することが可能であるため、破線矢印Bに入射させる光の光量を調節することにより、位置合わせミラー15により反射される光の光量を所望の光量にすることができる。
【0031】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。
図13は、本実施の形態における光導波路シート10における他方の端部10b近傍の拡大図であり、
図14(a)は、
図13において一点鎖線13Aで囲まれた領域の拡大図であり、
図14(b)は、
図14(a)における一点鎖線14A−14Bにおいて切断した断面図である。
【0032】
本実施の形態における光導波路モジュールでは、光導波路シート10に光信号伝搬用の光導波路としては用いないダミーコア111を設け、
図14に示されるように、ダミーコア111に、第1の位置合わせミラー115を形成する第1の溝116と第2の位置合わせミラー125を形成する第2の溝126が設けられている。具体的には、ダミーコア111が設けられている部分の光導波路シート10の一方の面10cに、第1の位置合わせミラー115を形成する第1の溝116が形成されており、他方の面10dに、第2の位置合わせミラー125を形成する第2の溝126が形成されている。尚、以下ダミーコアと光信号伝搬に用いる光導波路とを総称して「光導波路」と称する場合がある。
【0033】
第1の溝116は、光導波路シート10の一方の面10cに、光導波路シート10の一方の面10cに対して第1の位置合わせミラー115を形成する面が約45°となるような溝を形成することにより形成されている。第2の溝126は、光導波路シート10の他方の面10dに、光導波路シート10の一方の面10cに対して第2の位置合わせミラー125の形成する面が約45°となるような溝を形成することにより形成されている。よって、第1の位置合わせミラー115を形成する面と第2の位置合わせミラー125の形成する面とは、略平行となるように形成されている。第1の溝116及び第2の溝126は、エキシマレーザ等を用いたレーザ加工やダイシングによりクラッド12とダミーコア111を除去することにより形成されている。形成されたダミーコア111の斜面は平坦であり、ミラーとして機能する。また、第1の溝116および第2の溝126は、光導波路11に形成されている入出力ミラー14と同様の加工で形成されるため、高精度で形成することができる。
【0034】
本実施の形態においては、破線矢印Cに示されるように光導波路シート10の他方の面10dより第1の位置合わせミラー115が形成されている位置に光を入射する。入射した光は、第1の位置合わせミラー115及び第2の位置合わせミラー125で反射され、光導波路シート10の一方の面10cより出射する。光導波路モジュールを構成する各部の位置合わせの際には、光導波路シート10の一方の面10cより出射された光を用いて第2の位置合わせミラー125の位置を判別することで位置合わせを行うが、光導波路シート10の他方の面10dより光を入射させる光源には、LED等の一般的な光源を用いることができるため、光量調節可能である。このように、光源の光量調節が可能であれば、第2の位置合わせミラー125において反射される光も減らすことができるため、ミラーでのコントラストが弱まることで第2の位置合わせミラー125の境界が明確となり、光導波路シート10とレンズシート20との正確な位置合わせを行うことが可能となる。
【0035】
本実施の形態においては、
図15に示すように、平面光源160を光導波路シート10の他方の面10dの側に設置し、平面光源160からの光を第1の位置合わせミラー115により反射させ、ダミーコア111内を伝播させ、第2の位置合わせミラー125により反射させてもよい。このように、平面光源160を用いることにより、第1の位置合わせミラー115に容易に光を入射させることができる。
【0036】
また、本実施の形態における光導波路モジュールは、
図17に示すように、光導波路シート10に設けられている複数の光導波路11の少なくとも一部に第1の位置合わせミラー115及び第2の位置合わせミラー125が形成されたものであってもよい。尚、
図16は、本実施の形態における光導波路シート10における他方の端部10b近傍の拡大図であり、
図17(a)は、
図16において一点鎖線16Aで囲まれた領域の拡大図であり、
図17(b)は、
図17(a)における一点鎖線17A−17Bにおいて切断した断面図である。
図17(a)では、図示右側の光導波路11に第1の位置合わせミラーと第2の位置合わせミラーとが形成されている。
【0037】
図17に示す第2の溝126は2つの斜面により形成されており、一方の斜面により第2の位置合わせミラー125が形成され、他方の斜面により入出力ミラー14が形成されている。また、第2の溝126は、入出力ミラー14を形成する面と第2の位置合わせミラー125を形成する面とが略直角となるように形成される。また、第1の溝116は、光導波路シート10の他方の端部10bと第2の溝126との間に形成される。よって、光導波路シート10において、第1の位置合わせミラー115及び第2の位置合わせミラー125は、入出力ミラー14よりも、光導波路シート10の他方の端部10b側に形成される。
【0038】
この場合、光は、
図17(b)における破線矢印Dに示されるように、光導波路シート10の他方の面10dより入射し、第1の位置合わせミラー115及び第2の位置合わせミラー125において反射され、光導波路シート10の一方の面10cより出射される。
【0039】
尚、上記以外の第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0040】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。
図18は、本実施の形態における光導波路シート10における他方の端部10b近傍の拡大図であり、
図19(a)は、
図18において一点鎖線18Aで囲まれた領域の拡大図であり、
図19(b)は、
図19(a)における一点鎖線19A−19Bにおいて切断した断面図である。
【0041】
本実施の形態における光導波路モジュールは、
図19に示されるように、光導波路としては用いられないダミーコア111が光導波路シート10に設けられており、光導波路シート10のダミーコア111が設けられている位置の一方の面10cには、第1の溝216と第2の溝226が設けられており、他方の面10dには、第3の溝236と第4の溝246が設けられている。
【0042】
図19(b)に図示するように、光導波路シート10の一方の面10cに形成される第1の溝216と、他方の面10dに形成される第3の溝236とは、ダミーコア111を挟んで同じ位置に形成されている。同様に、光導波路シート10の一方の面10cに形成される第2の溝226と、他方の面10dに形成される第4の溝246とは、ダミーコア111を挟んで同じ位置に形成されている。第2の溝226及び第4の溝246は、第1の溝216及び第3の溝236よりも、光導波路シート10の他方の端部10b側に形成されている。
【0043】
第1の溝216及び第2の溝226は、光導波路シート10の一方の面10cからダミーコア111の略中央まで溝を形成することにより形成されている。また、第3の溝236及び第4の溝246は、光導波路シート10の他方の面10dからダミーコア111の略中央まで溝を形成することにより形成されている。
【0044】
第1の溝216、第2の溝226、第3の溝236及び第4の溝246は、エキシマレーザ等を用いたレーザ加工によりクラッド12の一部とダミーコア111を除去することにより形成されている。尚、各溝形成の手法はレーザ加工には限定されない。各々の溝の加工により形成されたダミーコア111の斜面は平坦であり、ミラーとして機能する。
【0045】
本実施の形態においては、第1の溝216に形成される斜面、第2の溝226に形成される斜面、第3の溝236に形成される斜面、第4の溝246に形成される斜面により、各々位置合わせミラー245が形成されている。
【0046】
本実施の形態においては、第1の溝216と第3の溝236、第2の溝226と第4の溝246がそれぞれ同じ位置に形成されている。そのため、光導波路シート10の一方の面10cより入射した光を光導波路シート10の一方の面10c及び他方の面10dのいずれの面からも出射させることができる。同様に、光導波路シート10の他方の面10dより入射した光を、光導波路シート10の一方の面10c及び他方の面10dのいずれの面からも出射させることができる。
【0047】
よって、本実施の形態においては、光導波路モジュールを作製する際に、光導波路シート10の一方の面10c及び他方の面10dのうちのいずれの面からも光を入射させることができる。
【0048】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0049】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。
図20は、光導波路シート10における他方の端部10b近傍の拡大図であり、
図21(a)は、
図20において一点鎖線20Aで囲まれた領域の拡大図であり、
図21(b)は、
図21(a)における一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図である。
本実施の形態における光導波路モジュールは、
図21に示されるように、光導波路シート10における光導波路11に、入出力ミラー14と位置合わせミラー15とが形成される溝16と、位置合わせミラー15の中央部分の認識マーク315とが設けられている。
【0050】
溝16は、光導波路シート10の他方の面10dから、入出力ミラー14を形成する面と位置合わせミラー15を形成する面とが略直角となるような溝を形成することにより形成されている。尚、位置合わせミラー15は、入出力ミラー14よりも、光導波路シート10の他方の端部10b側に形成されている。
【0051】
溝16は、エキシマレーザ等を用いたレーザ加工などによりクラッド12の一部と光導波路11を除去することにより形成されている。加工により形成された光導波路11の面は平坦でミラーとして機能する。また、認識マーク315は、光導波路11に形成された位置合わせミラー15となる斜面の中央部分にレーザ加工等により形成されている。
図21(a)に示すように、認識マーク315は光導波路の幅方向にわたって、直線状に形成されている。
【0052】
本実施の形態で、光導波路11に一方の端部10aより入射した光は、入出力ミラー14により反射され、他方の端部10bより入射した光は位置合わせミラー15により反射される。
【0053】
位置合わせミラー15の認識マーク315が形成されている部分では光が散乱されるため、認識マーク315が形成されている部分は暗くなる。これにより、光導波路シート10の他方の面10dから認識マーク315が形成されている部分を認識することができる。認識マーク315は、位置合わせミラー15を形成する斜面の中央部分に形成されているため、認識マーク315に焦点を合わせることにより、位置合わせミラー15の中央部分を確認することができるため、実装精度を向上させることができる。
【0054】
本実施の形態において、光導波路シート10とレンズシート20を接合する際には、
図21(b)における破線矢印Gに示されるように、光導波路シート10の他方の端部10bより光導波路11に光を入射させる。光導波路11に入射した光は位置合わせミラー15により反射されるが、位置合わせミラー15の中央部分には認識マーク315が形成されているため、位置合わせミラー15の中央部分を認識することができる。これにより、光導波路シート10に対するレンズシート20の位置合わせを正確に行うことが可能となる。
【0055】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0056】
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。
図22は、本実施の形態における光導波路シート10における他方の端部10b近傍の拡大図であり、
図23は、
図22において一点鎖線22Aで囲まれた領域の拡大図である。
本実施の形態における光導波路モジュールは、
図22及び
図23に示されるように、光導波路シート10において、複数の光導波路11が配列されており、光導波路11の配列方向の両側に各々ダミーコア111が設けられている。
図23に示すように、両側の各々のダミーコア111には、第2の実施の形態における第1の位置合わせミラー115を有する第1の溝116及び第2の位置合わせミラー125を有する第2の溝126が設けられている。
【0057】
本実施の形態においては、配列されている複数の光導波路11の配列方向の両側に位置するダミーコア111に、位置合わせに用いる第1の位置合わせミラー115及び第2の位置合わせミラー125が形成されている。光導波路の両側に位置するダミーコアに位置合わせミラーを形成しているので、互いに離れた位置にある位置合わせミラーの位置を判別することができ、位置合わせ精度をより一層高めることができる。
【0058】
尚、上記以外の内容については、第2の実施の形態と同様である。また、本実施の形態は、他の実施の形態における光導波路モジュールにも適用可能である。例えば、
図22及び
図23では両側にダミーコアを設けているが、両側に位置する光信号を伝送するための光導波路に第1の溝と第2の溝とを形成してもよい。また、全ての光導波路(ダミーコアを含む)に第1の溝と第2の溝とを形成しつつ、両側の光導波路に形成されている位置合わせミラーの位置判別のみを行うようにしても、本実施の形態と同様に位置合わせ制度を高めることは可能である。
【0059】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。