(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469477
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】電子機器及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20190204BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20190204BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20190204BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20190204BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 670L
G09G3/20 642P
G09G3/20 642C
G09G3/20 612U
G09F9/00 304B
G09F9/00 324
G09F9/00 336E
G02F1/133 580
G02F1/133 535
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-38277(P2015-38277)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-161652(P2016-161652A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】東芝映像ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 大祐
【審査官】
橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−237972(JP,A)
【文献】
特開平11−259001(JP,A)
【文献】
特開2012−247594(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/016440(WO,A1)
【文献】
特開2010−256736(JP,A)
【文献】
特開2010−262240(JP,A)
【文献】
特開平11−038391(JP,A)
【文献】
特開2000−019974(JP,A)
【文献】
特開2003−021823(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/119639(WO,A1)
【文献】
特開2008−262101(JP,A)
【文献】
特開2013−140278(JP,A)
【文献】
特開平04−368985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09F 9/00
G09G 3/20
G09G 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示するエリアである表示面を持つ表示パネルと、
前記表示パネルの前記表示面と逆側の面を所定数に区分した領域毎に、前記表示面と逆側の面に対向して配置され、前記表示面が表示する映像を照明する照明光を出力する照明手段と、
前記表示パネルの前記表示面の上端に位置する複数個所と下端に位置する複数個所にそれぞれ配置され、冷却風を前記表示面に添うように出力することで、前記表示面の温度を表示可能温度範囲内に維持する冷却手段と、
前記表示面に表示する前記映像の映像信号と、前記照明手段の所定の位置の前記温度を検出する内部に設置した温度センサが検出する前記領域毎の前記温度と、に基づいて、前記表示面に表示する前記映像の明るさを、前記照明手段の点灯値及び点灯時間の制御により設定する設定手段と、
前記表示面に表示する前記映像の前記映像信号と、前記温度センサが検出する前記領域毎の前記温度と、に基づいて、前記冷却手段が出力する冷却風の風量及び風向を制御する冷却制御手段と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記設定手段は、前記表示面の温度予測で使用する前記領域毎の前記照明手段の点灯値の最大値を算出して、前記表示面の前記温度を予測する請求項1の電子機器。
【請求項3】
前記設定手段は、前記領域毎の前記照明手段の点灯値の最大値を算出後、前記映像信号の複数フレームで移動平均フィルタ処理し、前記表示面の温度変化を抑える請求項1の電子機器。
【請求項4】
前記冷却制御手段は、前記温度センサからの距離に応じて前記領域毎の前記温度を予測して前記冷却手段が出力する前記冷却風の風向及び風量を設定する請求項1の電子機器。
【請求項5】
映像を表示するエリアである表示面を持つ表示パネルと、
前記表示パネルの前記表示面と逆側の面を所定数に区分した領域毎に、前記表示面と逆側の面に対向して前記表示面が表示する映像を照明する第1ステップと、
前記表示パネルの前記表示面の上端に位置する複数個所と下端に位置する複数個所のそれぞれから、冷却風を前記表示面に添うように出力することで、前記表示面の温度を表示可能温度範囲に維持するように冷却する第2ステップと、
前記表示面に表示する前記映像の映像信号と、照明する所定の位置の前記温度を検出する内部に設置した温度センサが検出する前記領域毎の前記温度と、に基づいて、前記表示面に表示する前記映像の明るさを、前記表示面を照明する点灯値及び点灯時間の制御により設定する第3ステップと、
前記表示面に表示する前記映像の前記映像信号と、前記温度センサが検出する前記領域毎の前記温度と、に基づいて、前記表示パネルの前記表示面の温度を冷却する冷却風の風量及び風向を制御する第4ステップと、
を有する電子機器の表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像を表示する電子機器、例えばディスプレイ装置において、液晶表示パネルとLEDバックライトとを用いるディスプレイ装置がある。
【0003】
LEDバックライトからの熱は、液晶表示パネルが表示する画像の明るさに関連して、液晶表示パネルを、部分的に高温下に晒す。
【0004】
液晶表示パネルは、画像を表示できる動作温度範囲を有する。このため、例えば商業的な広告表示装置のような利用を目的とする場合、液晶表示パネルが表示する画像の明るさに基づいて表示領域をいくつかの領域に区分し、区分した個々の領域毎に、動作温度範囲を超えることのないよう、冷却する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−246186号公報
【特許文献2】特開2011−77005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶表示パネルが表示する画像の明るさに基づいていくつかの領域に区分した領域毎に冷却する場合、領域毎の温度を計測することが必要である。
【0007】
しかしながら、領域毎の温度を計測する場合、多くの温度センサが必要となる。一方、温度センサの個数を低減するため、表示する画像に基づいて液晶表示パネルの個々の領域毎の温度を予測し、領域毎に冷却の程度を設定する手法は、十分に確立されていない。
【0008】
この発明の目的は、画像を表示できる動作温度範囲を逸脱しない温度範囲で画像を表示する電子機器及び表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の電子機器は、映像を表示する
エリアである表示面を持つ表示パネルと、前記表示パネル
の前記表示面と逆側の面を所定数に区分した領域毎に、前記表示
面と逆側の面に対向して配置され、前記表示
面が表示する映像を照明する照明光を出力する照明手段と、前記表示パネルの
前記表示面の上端
に位置する複数個所と下端
に位置する複数個所にそれぞれ配置され、冷却風を前記表示
面に添うように出力することで、前記表示面の温度を表示可能温度範囲内に維持する冷却手段と、前記表示
面に表示する前記映像の映像信号と、前記照明手段の所定の位置の前記温度を検出する内部に設置した温度センサが検出する前記領域毎の前記温度と、に基づいて、前記表示
面に表示する前記映像の明るさを、前記照明手段の点灯値及び点灯時間の制御により設定する設定手段と、前記表示
面に表示する前記映像の前記映像信号と、前記温度センサが検出する前記領域毎の前記温度と、に基づいて、前記冷却手段が出力する冷却風の風量及び風向を制御する冷却制御手段と、を具備する電子機器である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る表示装置(電子機器)の一例を示す。
【
図2】実施形態に係る表示装置の表示パネル温度予測処理部の一例を示す。
【
図3】実施形態に係る表示装置の冷却制御処理部の一例を示す。
【
図4】実施形態に係る表示装置のバックライトの発光エリアとLCDパネルの表示面の表示エリアの温度上昇(温度分布)の予測例の一例を示す。
【
図5】実施形態に係る表示装置の冷却装置の動作と温度センサが検出する温度の関係の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る電子機器の一例を示す。
【0013】
図1において、表示装置(電子機器)1は、映像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)表示パネル(以下LCDパネルと呼称する)2及び任意数に区画された領域毎に発光量が変更可能で、LCDパネル2が表示する映像を照明する照明装置(以下バックライトと呼称する)3とを含む。
【0014】
表示装置1はまた、LCDパネル2とバックライト3を保持するミドルフレーム4、ミドルフレーム4をLCDパネル2及びバックライト3の配列方向の前後から挟み込んで支持するフロントベゼル5及びバックベゼル6、を含む。なお、バックライト3は、実質的にバックベゼル6が保持し、ミドルフレーム4とバックベゼル6との接続によってミドルフレーム4と一体化する。
【0015】
バックライト3は、実質的にバックベゼル6が保持し、例えばm(mは正の整数)行×n(nは正の整数)列(
図1の例では、m=8×n=6で合計48))に区画された領域6a毎に、1以上のLED(Light Emitting Diode)素子を含む。バックライト3の所定の位置、例えばバックライト3を保持するミドルフレーム4の4隅には、第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDが位置する。なお、第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDは、例えばLCDパネル2の4隅に位置してもよい。
【0016】
バックライト3はまた、ミドルフレーム4との間に、反射シート7、拡散シート8及び光学シート9を含む。反射シート7は、m×n個の個々の区画された領域毎のLED素子が出力する光をLCDパネル2側に向ける。拡散シート8は、個々(m×n個)のLED素子が出力する光のLCDパネル2の面方向の輝度を均一化する。光学シート9は、個々のLED素子が出力する光の波面特性を均質化する。なお、拡散シート8及び光学シート9は、配列順が逆の順であっても構わない。また、拡散シート8及び光学シート9の少なくとも一方は2以上であってもよい。なお、第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDは、例えば反射シート7(組み立てた状態の)バックライト3の前面の4隅に位置してもよい。
【0017】
フロントベゼル5は、LCDパネル2の前面すなわちLCDパネル2を基準とする前後(Z)方向においてバックライト3と逆側の面(以下、単に表示面とする)2aの所定の位置に位置し、表示面2aを、表示面2aの前後方向と直交する面内の所定の位置に位置する。すなわち、フロントベゼル5は、全ての部品が組み立てられた状態の表示装置1におけるLCDパネル2の表示面2aの位置をLCDパネル2の前後(Z)方向と直交するX−Y面内の所定の位置に、設定する。
【0018】
バックベゼル6の背面には、バックカバー10が位置する。また、バックベゼル6の背面には、
図2−
図4により後段に説明するが、例えば表示パネル温度予測処理部200、冷却制御処理部300、バックライト信号処理部400、等を保持する信号処理部(回路基板)11が位置する。回路基板11は、バックカバー10がカバーする。なお、バックカバー10には、表示装置1を所定の位置に位置するために利用可能なスタンドが付属できる。
【0019】
LCDパネル2の表示面2aとフロントベゼル5との間には、LCDパネル2の表示面2a及び表示面2aと一体の液晶層を冷却する冷却機構101が位置する。
【0020】
冷却機構101は、トップパネル111、例えば4個の第1−第4の送風機(ファン)112a−112d及び支持枠(筐体)113、等を含む。
【0021】
トップパネル111は、LCDパネル2の表示面2aとフロントベゼル5との間に、第1−第4のファン112a−112dが出力する冷却風を、LCDパネル2の表示面2aに添うように、案内する通路(冷却風流路)115を形成する。なお、トップパネル111(及び冷却機構101)は、フロントベゼル5と一体であってもよい。
【0022】
第1−第4のファン112a−112dは、トップパネル111あるいは支持枠113(またはフロントベゼル5)の所定の位置、例えばLCDパネル2の上端と下端に、それぞれ、2個ずつ位置し、冷却風流路114に冷却風を提供(出力)する。なお、ファンが4個である場合、例えばLCDパネル2の左右に、それぞれ2個ずつ位置してもよい。また、ファンが2個である場合、例えばLCDパネル2の下端にのみ位置してもよい。
【0023】
図2に、表示パネル温度予測処理部の一例を説明する。
【0024】
表示パネル温度予測処理部200は、エリア別最大値算出手段201により、入力映像信号211からバックライト3の発光エリア別に入力画素の明るさ/暗さの少なくとも一方の最大値212を算出する。複数フレーム移動平均フィルタ202は、エリア別最大値算出手段201が算出する最大値212を参照して、複数の映像フレーム間で、移動平均フィルタ処理213を行う。すなわち、入力映像の明るさ/暗さの少なくとも一方の最大値212を求め、映像フレーム間で移動平均フィルタ処理213を行うことにより、表示する映像に起因してLCDパネル2の任意の表示エリアの温度が急激に上昇しないよう、温度が上がりにくい映像を抽出する。これにより、表示する映像の明るさや色に起因する温度変化の影響が少なくなるよう、瞬発的な輝度変化を抑えることができる。
【0025】
次に、フィルタ処理213により得た信号(以下SIG−Fと称する)とバックライト3の表示エリア別に設定する信号レベル(以下LMT−Lと称する)とをリミッタ設定手段203で比較する。SIG−Fの値がLMT−Lの値より大きい場合、リミッタ設定手段203が設定するリミッタ制御214が、スタンバイ(以下FLG−Sと称する)状態となるように設定する。
【0026】
次に、バックライト3の点灯時間とLCDパネル2の温度変化時間とを予め計測し、LCDパネル2の温度がリミッタ制御214の動作温度に達しないように、リミッタ開始時間設定手段204で、FLG−Sの有効時間を設定する。FLG−Sの有効時間が設定値を超えた場合、明るさベースリミッタ制御信号(以下LLCDと称する)を、リミッタ制御判定手段205へ出力する。
【0027】
LCDパネル2の個々の表示エリアについては、先ず、LCDパネル2の周囲の所定の位置に設置した第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDから得た温度情報(以下TMと称する)を得る。
【0028】
以下、第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDから得た温度情報TMとLCDパネル2のエリア別に設定した温度パラメータ(以下TPと称する)とを、エリア別温度パラメータ設定手段206により、比較する。任意の表示エリアの情報温度TMが設定したパラメータTPを超える場合、リミッタ制御信号(以下LTEPと称する)を、リミッタ制御判定手段205へ出力する。
【0029】
リミッタ制御判定手段205は、LCDパネル2のそれぞれの表示エリアについて、リミッタ制御信号(以下LVIDEOと称する)を出力する。すなわち、リミッタ制御信号LVIDEOは、映像信号211に基づいて生成したリミッタ制御信号LLCDと第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDの出力に基づいて生成したリミッタ制御信号LTEPとの論理和を演算することにより得られる。
【0030】
図3に、冷却制御処理部の一例を説明する。
【0031】
冷却制御処理部300は、LCDパネル2の前面(表示面2a)の温度が所定温度を超え、リミッタ制御214が必要となる表示エリアに向け、第1−第4の冷却ファン112a−112dが出力する冷却風の風向と冷却風の強さ(風速)とを設定する。すなわち、冷却制御処理部300は、リミッタ制御信号LVIDEOに基づき、LCDパネル2の冷却すべき表示エリアに上述の風速の冷却風を提供可能に、第1−第4の冷却ファン112a−112dが出力する冷却風の風向311を設定する。冷却制御処理部300はまた、LCDパネル2の冷却すべき表示エリアと第1−第4の冷却ファン112a−112dとの距離に応じてそれぞれのファンが出力すべき冷却風の風速312、を設定する。
【0032】
冷却制御処理部300は、設定した風向311及び風速312を提供可能なファン制御信号313を、第1−第4の冷却ファン112a−112dに出力する。
【0033】
なお、冷却制御処理部300は、第1−第4の冷却ファン112a−112dの何れかが故障した場合、残りの冷却ファンからの出力により、故障したファンによる冷却をできる。例えば、LCDパネル2の表示面2aの上端と下端に位置する2つのファンのうちの一方が故障した場合、故障したファンと対向して位置するファンが出力する冷却風の風向311及び風速312を、調整する。なお、任意のファンが故障したことは、そのファンからのファンエラー信号314の入力があることを、エラー制御手段301にてモニタすることにより、検出できる。
【0034】
図4に、バックライトの発光エリアとLCDパネルの表示面の表示エリアの温度上昇(温度分布)の予測例を示す。
【0035】
表示装置1は、入力映像信号211に基づき、映像信号処理部200において、LCDパネル2に表示する最適な画角や映像補正処理を行い、出力画像信号411として、LCDパネル2に供給する。バックライト制御処理部400は、映像信号処理部200からの出力画像信号411とリミッタ制御信号LVIDEOとに基づき、バックライト3の分割したエリア毎のLEDユニットの点灯値データを出力する。バックライト制御処理部400は、バックライト3の分割したエリア毎の明るさ(出力すべき照明光の輝度)を算出し、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号、等により、バックライト3の分割したエリア毎の明るさ(出力照明光の輝度)を制御する。
【0036】
冷却制御処理部300は、リミッタ制御信号LVIDEOに基づき、第1−第4のファン112a−112dが出力する冷却風の風向311と風速312とを、ファン制御信号313により制御する。
【0037】
すなわち、
図4に示すように、バックライト制御処理部400は、リミッタ制御信号LVIDEOが有効なエリアのLEDバックライト3の点灯値421を下げ、LCDパネル2へ到達する照射熱(LEDからの熱)を抑えることが好ましい。また、映像信号処理部200は、リミッタ制御信号LVIDEOが有効なエリアの映像信号レベル411を上げ(白成分を増大し)、バックライト3の点灯値421を下げることにより失った明るさを補うことが好ましい。また、映像信号処理部200は、リミッタ制御信号LVIDEOが有効なエリアの映像信号レベル411を上げ(白成分を増大し)、バックライト3の点灯値421を下げることにより失った明るさを補うことが好ましい。
【0038】
なお、バックライト制御処理部400は、第1の冷却ファン112a、第2の冷却ファン112b、第3の冷却ファン112c及び第4の冷却ファン112dの何れかが故障した場合に、(故障した)ファンからのエラー信号314を(エラー制御部301)を経由して受けとり、LCDパネル2の明るさを下げることが好ましい。
【0039】
図5は、冷却装置の動作と温度センサが検出する温度の関係を説明する。
【0040】
図5に示すように、4個の冷却ファン(第1の冷却ファン112a、第2の冷却ファン112b、第3の冷却ファン112c及び第4の冷却ファン112dを、LCDパネル2の上下(Y方向)の両端にそれぞれ2個設置する。また、バックライト3の4隅に設置した第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDが検出するLCDパネル2の温度検出領域を、直交する2直線により4分割して、それぞれの領域に近接する冷却ファンからの冷却風により冷却する。
【0041】
バックライト3の分割した領域における数値、A1−A5,B1−B5,C1−C5及びD1−D5は、それぞれ、4隅に設けた第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDからの距離を示し、第1−第4の温度センサTA,TB,TC及びTDからの距離が離れる(
図5の例では中央付近のA5、B5、C5及びD5)に応じてリミッタ温度(リミッタ制御信号LVIDEO)を低く設定する。
【0042】
なお、個々の冷却ファン112a−112dが出力する冷却風の風向311をY軸に非平行とし、中央付近のA5、B5、C5及びD5の表示領域に冷却風が集めるとともに、風速312を制御して、中央付近のA5、B5、C5及びD5の表示領域に冷却風が確実に到達するよう、個々のファンの出力を制御することが好ましい。
【0043】
なお、表示装置1は、例えば放送(TS)を受信するチューナやTS分離部、表示パネル温度予測処理部200、冷却制御処理部300及びバックライト信号処理部400を制御する主制御ブロックを有し、通常のデジタル放送を受信して再生できることは、言うまでもない。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…電子機器)、200…表示パネル温度予測処理部、300…冷却制御処理部、400…バックライト信号処理部。