【文献】
Masataka SEO,外2名,“Individual-Adapted Facial Shape Transformation based on Subspace Learning”,2011 6th International Conference on Computer Sciences and Convergence Information Technology (ICCIT),IEEE,2011年,pp.878-882
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の補正前のサンプル画像それぞれの特徴を表す第1特徴量と、これらの各サンプル画像に対応する複数の補正後のサンプル画像それぞれの特徴を表す第2特徴量とに基づいて、補正対象画像を補正するための補正関数を求める画像処理装置であって、
第1座標軸を前記第1特徴量とし、前記第1座標軸に直交する第2座標軸を前記第1特徴量から前記第2特徴量への変化量とした直交座標において、前記補正前のサンプル画像ごとに前記第1特徴量に対応する前記変化量を示す複数の座標点をプロットするプロット部と、
前記第1座標軸をその軸方向に所定の間隔ごとに区切る区切り部と、
前記第1座標軸の各区切り点を通過し且つ前記第2座標軸と平行な各仮想区切り線の近傍に位置する前記座標点に基づいて、前記各仮想区切り線上における前記第2座標軸の値を示す基準スコアを算出する基準スコア算出部と、
前記基準スコアを前記各仮想区切り線上にプロットし、当該プロットした複数の前記基準スコアを繋ぐ曲線の関数を前記補正関数として算出する補正関数算出部と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
前記基準スコア算出部は、前記仮想区切り線の近傍に2以上の前記座標点が位置する場合、前記2以上の座標点それぞれに対して、当該2以上の座標点の平均値からの距離に応じた重みを付け、その重みを考慮して前記基準スコアを算出する請求項1に記載の画像処理装置。
前記基準スコア算出部は、一の仮想区切り線上における基準スコアを、当該一の仮想区切り線以外の他の仮想区切り線上における基準スコアを考慮して算出する請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
複数の補正前のサンプル画像それぞれの特徴を表す第1特徴量と、これらの各サンプル画像に対応する複数の補正後のサンプル画像それぞれの特徴を表す第2特徴量とに基づいて、補正対象画像を補正するための補正関数を求める画像処理方法であって、
第1座標軸を前記第1特徴量とし、前記第1座標軸に直交する第2座標軸を前記第1特徴量から前記第2特徴量への変化量とした直交座標において、前記補正前のサンプル画像ごとに前記第1特徴量に対応する前記変化量を示す複数の座標点をプロットするプロットステップと、
前記第1座標軸をその軸方向に所定の間隔ごとに区切る区切りステップと、
前記第1座標軸の各区切り点を通過し且つ前記第2座標軸と平行な各仮想区切り線の近傍に位置する前記座標点に基づいて、前記各仮想区切り線上における前記第2座標軸の値を示す基準スコアを算出する基準スコア算出ステップと、
前記基準スコアを前記各仮想区切り線上にプロットし、当該プロットした複数の前記基準スコアを繋ぐ曲線の関数を前記補正関数として算出する補正関数算出ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
複数の補正前のサンプル画像それぞれの特徴を表す第1特徴量と、これらの各サンプル画像に対応する複数の補正後のサンプル画像それぞれの特徴を表す第2特徴量とに基づいて、補正対象画像を補正するための補正関数を求める処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、第1座標軸を前記第1特徴量とし、前記第1座標軸に直交する第2座標軸を前記第1特徴量から前記第2特徴量への変化量とした直交座標において、前記補正前のサンプル画像ごとに前記第1特徴量に対応する前記変化量を示す複数の座標点をプロットするプロット部と、
前記第1座標軸をその軸方向に所定の間隔ごとに区切る区切り部と、
前記第1座標軸の各区切り点を通過し且つ前記第2座標軸と平行な各仮想区切り線の近傍に位置する前記座標点に基づいて、前記各仮想区切り線上における前記第2座標軸の値を示す基準スコアを算出する基準スコア算出部と、
前記基準スコアを前記各仮想区切り線上にプロットし、当該プロットした複数の前記基準スコアを繋ぐ曲線の関数を前記補正関数として算出する補正関数算出部として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1の補正手法では、機械学習で補正関数を求める際に用いられるデータ(例えば補正前後における特徴量の変化量)のばらつきが少ない場合には、適切な補正関数を求めることができる。しかし、上記データのばらつきが大きくなると、適切な補正関数を求めることが困難となり、補正対象画像の補正精度が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、補正対象画像を補正する補正関数を適切に求めることができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明の画像処理装置は、複数の補正前のサンプル画像それぞれの特徴を表す第1特徴量と、これらの各サンプル画像に対応する複数の補正後のサンプル画像それぞれの特徴を表す第2特徴量とに基づいて、補正対象画像を補正するための補正関数を求める画像処理装置であって、第1座標軸を前記第1特徴量とし、前記第1座標軸に直交する第2座標軸を前記第1特徴量から前記第2特徴量への変化量とした直交座標において、前記補正前のサンプル画像ごとに前記第1特徴量に対応する前記変化量を示す複数の座標点をプロットするプロット部と、前記第1座標軸をその軸方向に所定の間隔ごとに区切る区切り部と、前記第1座標軸の各区切り点を通過し且つ前記第2座標軸と平行な各仮想区切り線の近傍に位置する前記座標点に基づいて、前記各仮想区切り線上における前記第2座標軸の値を示す基準スコアを算出する基準スコア算出部と、前記基準スコアを前記各仮想区切り線上にプロットし、当該プロットした複数の前記基準スコアを繋ぐ曲線の関数を前記補正関数として算出する補正関数算出部と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の画像処理装置によれば、直交座標の第1座標軸を所定の間隔ごとに区切った複数の仮想区切り線上に、各仮想区切り線の近傍に位置する座標点に基づいて算出された基準スコアを第2座標軸の値としてそれぞれプロットすることで、当該プロットされた複数の基準スコアを繋ぐ曲線の関数を補正関数として算出することができる。したがって、直交座標にプロットされた座標点にばらつきがあっても、補正対象画像を補正するための補正関数を適切に求めることができる。その結果、補正対象画像の補正精度を向上させることができる。
【0010】
前記画像処理装置において、前記基準スコア算出部は、前記仮想区切り線の近傍に2以上の前記座標点が位置する場合、前記2以上の座標点それぞれに対して、当該2以上の座標点の平均値からの距離に応じた重みを付け、その重みを考慮して前記基準スコアを算出するのが好ましい。
この場合、仮想区切り線の近傍に2以上の座標点が位置する場合には、これら2以上の座標点の平均値から各座標点までの距離に応じた重みを考慮して基準スコアを算出するので、その仮想区切り線上にプロットされる基準スコアの算出精度を向上させることができる。これにより、補正関数をさらに適切に求めることができる。
【0011】
前記画像処理装置において、前記区切り部は、前記間隔を調整可能であるのが好ましい。
この場合、仮想区切り線により第1座標軸を区切る間隔を適切に調整することで、各仮想区切り線上にプロットされる基準スコアの算出精度をさらに向上させることができる。
【0012】
前記画像処理装置において、前記区切り部は、複数の前記間隔内にそれぞれ位置する前記座標点の個数が均等になるように、複数の前記間隔を調整するのが好ましい。
この場合、各仮想区切り線上にプロットされる基準スコアの算出精度にばらつきが生じるのを抑えることができる。
【0013】
前記画像処理装置において、前記基準スコア算出部は、一の仮想区切り線上における基準スコアを、当該一の仮想区切り線以外の他の仮想区切り線上における基準スコアを考慮して算出するのが好ましい。
この場合、各仮想区切り線上にプロットされる基準スコアの算出精度をさらに向上させることができる。
【0014】
本発明の画像処理方法は、複数の補正前のサンプル画像それぞれの特徴を表す第1特徴量と、これらの各サンプル画像に対応する複数の補正後のサンプル画像それぞれの特徴を表す第2特徴量とに基づいて、補正対象画像を補正するための補正関数を求める画像処理方法であって、第1座標軸を前記第1特徴量とし、前記第1座標軸に直交する第2座標軸を前記第1特徴量から前記第2特徴量への変化量とした直交座標において、前記補正前のサンプル画像ごとに前記第1特徴量に対応する前記変化量を示す複数の座標点をプロットするプロットステップと、前記第1座標軸をその軸方向に所定の間隔ごとに区切る区切りステップと、前記第1座標軸の各区切り点を通過し且つ前記第2座標軸と平行な各仮想区切り線の近傍に位置する前記座標点に基づいて、前記各仮想区切り線上における前記第2座標軸の値を示す基準スコアを算出する基準スコア算出ステップと、前記基準スコアを前記各仮想区切り線上にプロットし、当該プロットした複数の前記基準スコアを繋ぐ曲線の関数を前記補正関数として算出する補正関数算出ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の画像処理方法は、上述の画像処理装置と同様の作用効果を奏する。
【0015】
本発明のコンピュータプログラムは、複数の補正前のサンプル画像それぞれの特徴を表す第1特徴量と、これらの各サンプル画像に対応する複数の補正後のサンプル画像それぞれの特徴を表す第2特徴量とに基づいて、補正対象画像を補正するための補正関数を求める処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、第1座標軸を前記第1特徴量とし、前記第1座標軸に直交する第2座標軸を前記第1特徴量から前記第2特徴量への変化量とした直交座標において、前記補正前のサンプル画像ごとに前記第1特徴量に対応する前記変化量を示す複数の座標点をプロットするプロット部と、前記第1座標軸をその軸方向に所定の間隔ごとに区切る区切り部と、前記第1座標軸の各区切り点を通過し且つ前記第2座標軸と平行な各仮想区切り線の近傍に位置する前記座標点に基づいて、前記各仮想区切り線上における前記第2座標軸の値を示す基準スコアを算出する基準スコア算出部と、前記基準スコアを前記各仮想区切り線上にプロットし、当該プロットした複数の前記基準スコアを繋ぐ曲線の関数を前記補正関数として算出する補正関数算出部として機能させることを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、上述の画像処理装置と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、補正対象画像を補正するための補正関数を適切に求めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る画像処理装置は、以下に説明する画像補正処理を実行するコンピュータプログラムをコンピュータにインストールして構成されたものであり、画像処理装置における各種の機能は、このコンピュータプログラムによって実現されている。
なお、前記コンピュータは、演算処理装置、記憶部、入出力デバイスなどを有している。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の機能ブロック図を示している。この画像処理装置1は、例えば、顔画像の一部又は全部の形状を縮小または拡大することで小顔にしたり目を大きくしたりする美顔補正を行うものである。画像処理装置1は、記憶部2、特徴基底取得部3、補正関数学習部4、推定部5、及び補正部6としての機能を備えている。
【0020】
記憶部2は、補正対象画像である元画像7の補正に用いる補正関数等を予め学習するための複数の学習用画像を含む画像情報10を記憶している。
画像情報10には、複数(ここでは50個)の補正前のサンプル画像11(以下、補正前サンプル画像ともいう)と、これらの補正前サンプル画像11に対応する複数(ここでは50個)の補正後のサンプル画像12(以下、補正後サンプル画像ともいう)が学習用画像として含まれている。
【0021】
各補正前サンプル画像11は、それぞれ異なる女性を正面から撮影した顔画像である。各補正後サンプル画像12は、対応する補正前サンプル画像11に対して、例えばディスプレイ上で手動により美顔補正をした後の状態を示す顔画像である。
元画像7は、複数の補正前サンプル画像11のいずれとも異なる女性を正面から撮影した顔画像である。
なお、本実施形態では、元画像7及び各サンプル画像11,12として女性の顔画像を用いているが、男性の顔画像を用いても良い。
【0022】
特徴基底取得部3は、画像情報10に含まれる各学習用画像の顔形状の特徴を表す複数の特徴基底を、部分空間法を用いて取得するものである。本実施形態の特徴基底取得部3は、元画像7を学習用画像として画像情報10に含めた状態で特徴基底を取得する。例えば、特徴基底取得部3は、主成分分析を用いて、各サンプル画像11,12及び元画像7の形状情報(特徴点座標)から、これらの画像11,12,7の平均形状を算出し、その平均形状に基づいて特徴基底を算出する。
なお、本実施形態では部分空間法として、主成分分析を用いているが、独立成分分析など他の分析法を用いても良い。
【0023】
補正関数学習部4は、特徴基底取得部3で学習した特徴基底に基づいて、補正前サンプル画像11から、対応する補正後サンプル画像12に補正する補正関数を学習するものである。本実施形態の補正関数学習部4は、補正前サンプル画像11の特徴を各特徴基底とその係数(第1特徴量)とで表した第1特徴情報、及び補正後サンプル画像12の特徴を各特徴基底とその係数(第2特徴量)とで表した第2特徴情報を抽出し、第1特徴情報から第2特徴情報に補正する補正関数を算出する。
【0024】
図2は、補正関数学習部4の機能ブロック図を示している。
図3は、補正関数学習部4が学習する補正関数を示す説明図である。
図2及び
図3において、補正関数学習部4は、抽出部40、プロット部41、区切り部42、基準スコア算出部43、及び補正関数算出部44を有している。
【0025】
抽出部40は、特徴基底取得部3が取得した複数の特徴基底に基づいて、各補正前サンプル画像11の上記第1特徴情報の第1特徴量と、各補正後サンプル画像12の上記第2特徴情報の第2特徴量とを抽出するものである。
【0026】
プロット部41は、横軸(第1座標軸)を第1特徴量とし、横軸に直交する縦軸(第2座標軸)を第1特徴量から第2特徴量への変化量とした直交座標において、補正前サンプル画像12ごとに第1特徴量に対応する前記変化量を示す複数の座標点P(
図3中の白抜き四角点)をプロットするものである。
【0027】
区切り部42は、上記直交座標の横軸をその軸方向に所定の間隔dごとに区切るものである。本実施形態の区切り部42は、前記間隔dを全て一定間隔に設定している。なお、説明の便宜上、横軸の各区切り点には、縦軸と平行な仮想区切り線Lをそれぞれ配置している。
【0028】
基準スコア算出部43は、各仮想区切り線Lの近傍に位置する前記座標点Pに基づいて、当該各仮想区切り線L上における縦軸の値を示す基準スコアを算出するものである。
補正関数算出部44は、各仮想区切り線L上において、
図3中の黒丸点で示すように前記基準スコアをプロットし、当該プロットした複数の基準スコアを繋ぐ曲線の関数を上記補正関数として算出するものである。
【0029】
図2において、推定部5は、補正関数学習部4で学習した補正関数に基づいて、元画像7の補正後の特徴を、各特徴基底を用いて推定するものである。本実施形態の推定部5は、まず元画像7の特徴を各特徴基底とその係数とで表した第3特徴情報を抽出し、この第3特徴情報から、補正関数に基づいて元画像7の補正後の特徴を各特徴基底とその係数とで表した第4特徴情報を推定する。
補正部6は、推定部5で推定された第4特徴情報に基づいて元画像7を補正し、その補正画像8を出力するものである。
【0030】
図4は、画像処理装置1が実行する補正処理の内容を示すフローチャートである。以下、
図4を参照しつつ、画像処理装置1が実行する補正処理の手順について説明する。
まず、特徴基底取得部3は、元画像7が入力されると、記憶部2から画像情報10を読み出し、その画像情報10に学習用画像として元画像7を含める(ステップS1)。これにより、画像情報10には、50個の補正前サンプル画像11と、50個の補正後サンプル画像12と、1個の元画像7とからなる合計101個の学習用画像が含まれる。
【0031】
次に、特徴基底取得部3は、主成分分析(PCA)により各学習用画像の特徴を表す特徴基底を取得する(ステップS2、特徴基底学習ステップ)。具体的には、特徴基底取得部3は、
図5に示すように、まず画像情報10に含まれる101個の学習用画像それぞれについて、xy座標空間における顔の輪郭、眉毛、目、鼻及び口などに複数(ここではn個)の特徴点(図中の黒丸点)を付与し、これらの特徴点の座標(特徴点座標)を取得する。そして、特徴基底取得部3は、各学習用画像から取得したn個の特徴点座標を形状ベクトルU
b=(x
1,y
1,x
2,y
2,・・・,x
n,y
n)
Tとして表す。ここで、下付の変数bは学習用画像の画像番号(1≦b≦101)であり、上付のTは転置行列を表す。
【0032】
次に、特徴基底取得部3は、全ての学習用画像の形状ベクトルU
bの平均を表す平均形状ベクトルU
aveを下記式(1)により算出する。
【数1】
ここで、変数Nは学習用画像の全画像個数である。
【0033】
次に、特徴基底取得部3は、形状ベクトルUおよび平均形状ベクトルU
aveから共分散行列Sを下記式(2)により算出し、その算出した共分散行列Sから固有値λ
bと固有ベクトルv
bとを下記式(3)により算出する。
【数2】
【数3】
【0034】
そして、特徴基底取得部3は、算出された固有ベクトルv
bのうち、例えば固有値の大きいm個(m≦2n)の固有ベクトルV=(v
1,v
2,・・・,v
m)を取得し、この固有ベクトルVを構成する複数の成分を特徴基底として取得する。
さらに、特徴基底取得部3は、固有ベクトルVを用いて、形状ベクトルU
bの形状特徴ベクトルW
b=(w
1,w
2,・・・,w
m)を下記式(4)により算出する。
W
b=V
T(U
b−U
ave) ・・・(4)
【0035】
そして、特徴基底取得部3は、上記各特徴基底v
1,v
2,・・・,v
mを基底とし、上記形状特徴ベクトルW
bの成分w
1,w
2,・・・,w
mを各基底の係数として、その線形和である下記式(5)を作成する。
U
b=U
ave+w
1v
1+w
2v
2+・・・+w
mv
m ・・・(5)
上記式(5)により、各学習用画像の顔形状の特徴を表現することができる。
【0036】
図6は、部分空間法における上記式(5)を用いた顔輪郭の形状変化の一例を示している。
図例では、平均の顔輪郭形状U
aveに対して、第1特徴基底v
1の係数w
1の値を変化させた場合と、第2特徴基底v
2の係数w
2を変化させた場合とを示している。図中のuは係数w
1の値、rは係数w
2の値である。
図6に示すように、係数w
1又は係数w
2を変化させると、顔輪郭が平均の顔輪郭形状U
aveからそれぞれ異なる形状に変化しているのが分かる。
【0037】
次に、
図4のステップS3において、補正関数学習部4により、特徴基底取得部3で取得した特徴基底の係数に基づいて、補正前サンプル画像11から対応する補正後サンプル画像12に補正する補正関数を学習する(特徴基底学習ステップ)。
【0038】
図7は、補正関数学習部4が実行する学習処理の内容を示すフローチャートである。
図7に示すように、補正関数学習部4の抽出部40は、上記式(5)から各補正前サンプル画像11の特徴基底v
iの係数w
ij(以下、補正前サンプル係数ともいう)と、各補正後サンプル画像12の特徴基底v
iの係数w
ij’(以下、補正後サンプル係数ともいう)とを抽出する(ステップS40)。ここで、下付の変数iは、特徴基底の基底番号(1≦i≦m)であり、上付の変数jは、補正前サンプル画像11とこれに対応する補正後サンプル画像12とを一組とした画像組番号(1≦j≦50)である。補正前サンプル画像11,12とサンプル係数w
ij,w
ij’との関係を
図8に示す。
【0039】
次に、補正関数学習部4のプロット部41は、
図9に示すように、横軸を補正前サンプル係数w
i(第1特徴量)とし、縦軸を補正前サンプル係数w
iから補正後サンプル係数w
i’(第2特徴量)への変化量(w
i’−w
i)とした直交座標を作成する。そして、プロット部41は、この直交座標上に、上記各画像組の補正前サンプル係数w
iに対応する前記変化量(w
i’−w
i)を示す複数(ここでは50個)の座標点P(
図9中の白抜き四角点)をプロットする(
図7のステップS41、プロットステップ)。
【0040】
次に、補正関数学習部4の区切り部42は、
図10に示すように、直交座標の横軸をその軸方向に一定の間隔dごとに区切る(
図7のステップS42、区切りステップ)。
図10では、横軸の各区切り点に仮想区切り線Lを配置している。
【0041】
なお、本実施形態の区切り部42は、上記間隔dを一定にしているが、各間隔dをそれぞれ調整可能としても良い。この場合、区切り部42は、複数の間隔d内にそれぞれ位置する座標点Pの個数が均等になるように各間隔dを調整することができる。
例えば、
図10では、縦軸付近に多くの座標点Pが存在するので、縦軸付近では間隔dを短くして仮想区切り線Lを多く配置すればよい。また、縦軸から横軸方向に離れるに従って座標点Pの個数は減少するので、縦軸から離れるに従って間隔dを長くして仮想区切り線Lを少なく配置すればよい。このように間隔dを適宜調整することで、各間隔d内にそれぞれ位置する座標点Pの個数を均等にすることができる。
【0042】
次に、補正関数学習部4の基準スコア算出部43は、各仮想区切り線Lの近傍に位置する座標点Pに基づいて、各仮想区切り線L上における縦軸の値を示す基準スコアを算出する(
図7のステップS43、基準スコア算出ステップ)。ここでは、一例として、
図11に示すように、一の仮想区切り線L
1の近傍(図中の二点鎖線で囲む部分)に2以上(ここでは6個)の座標点Pが位置する場合における当該仮想区切り線L1上に配置される基準スコアの算出方法について説明する。
【0043】
基準スコア算出部43は、まず、一の座標点P
nに着目し、当該座標点P
nの近くに存在する4本の仮想区切り線L
1〜L
4それぞれに配置される仮基準スコアφ
0n〜φ
3nを下記式(6)を用いて算出する。
【数4】
【0044】
上記式(6)において、下付の変数k及び変数aは仮想区切り線Lの番号(0≦k≦3,0≦a≦3)である。また、上付の変数nは、各仮想区切り線L
kの近傍に位置する複数の座標点Pの番号(ここでは1≦n≦6)である。
なお、仮基準スコアを算出するために用いる仮想区切り線の本数は4本に限定されるものではなく、少なくとも2本の仮想区切り線を用いればよい。
【0045】
上記式(6)中のB
k(s
n)は、前記各仮基準スコアφ
0n〜φ
3nに付与される第1の重みを示している。この第1の重みB
k(s
n)は、座標点P
nから各仮想区切り線L
kまでの横軸方向の距離に応じて算出される。すなわち、上記式(6)を用いることで、仮想区切り線L
1上における仮基準スコアφ
1nは、他の仮想区切り線L
0,L
2,L
3上における仮基準スコアφ
0n,φ
2n,φ
3nを考慮して算出される。なお、上記式(6)中のB
a(s
n)は、上記B
k(s
n)と同様に、第1の重みを示している。
【0046】
前記第1の重みB
k(s
n)は、座標点P
nから各仮想区切り線L
kまでの横軸方向の距離が短いほど大きい値が付与される。本実施形態の第1の重みB
k(s
n)は、前記間隔d=1とし、座標点P
nから仮想区切り線L
1までの横軸方向の距離をs
n(0≦s
n<1)とした場合、B−spline基底関数である下記式(7)〜(10)を用いて算出することができる。
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【0047】
基準スコア算出部43は、上記手法により一の座標点P
nに対する仮基準スコアφ
0n〜φ
3nを算出した後は、残りの5個の座標点Pそれぞれに対する仮基準スコアφ
0〜φ
3を、上記手法と同様に算出する。
そして、基準スコア算出部43は、6個の各座標点P
1〜P
6のそれぞれに着目して算出された、仮想区切り線L
1(L
k)上における複数の仮基準スコアφ
11〜φ
16(φ
kn)から、最終的な基準スコアφ
1(φ
k)を下記式(11)を用いて算出する。
【数9】
【0048】
上記式(11)中の(c
2/Σc
2)は、基準スコアφ
kを算出する際に考慮される第2の重みを示している。この第2の重み(c
2/Σc
2)は、一の仮想区切り線L
kに近似する複数の座標点P
nの平均値(図中の白抜き三角点)から各座標点P
nまでの縦軸方向の距離h
nに応じて、当該各座標点P
nに対してそれぞれ付与される。本実施形態の第2の重みは、前記距離h
nが短いほど大きい値が付与される。したがって、前記距離h
nが極端に長い場合、つまり外れ値となる座標点Pは、第2の重みの値が小さくなるので、当該座標点Pが基準スコアφ
kの算出に影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0049】
なお、第2の重み(c
2/Σc
2)の式中のcは、補正前サンプル係数w
in及び補正後サンプル係数w
in’を用いた下記式(12)及び式(13)により算出することができる。
【数10】
【数11】
ここで、ΔW
aveは、ΔWの平均値である。
【0050】
基準スコア算出部43は、仮想区切り線L
1上における基準スコアφ
1を算出した後は、その他の複数の仮想区切り線L上に配置される基準スコアφを、それぞれ上記手法と同様に算出する。
【0051】
次に、補正関数学習部4の補正関数算出部44は、
図12に示すように、基準スコア算出部43で算出された複数の基準スコアφを、直交座標上の対応する仮想区切り線L上にプロットする(
図7のステップS44)。
そして、補正関数算出部44は、
図3に示すように、直交座標上にプロットされた全ての基準スコアφを繋ぐ自由曲線の関数を補正関数として算出する。この補正関数は、例えばB−spline関数を用いて算出することができる。補正関数学習部4は、特徴基底v
iごとに上記手順を繰り返すことで、特徴基底v
iごとの補正関数F
i(w
i)を作成する(
図7のステップS45、補正関数算出ステップ)。
なお、補正関数は、B−spline関数以外の他の変換関数を用いても良い。
【0052】
図4に戻り、次に、推定部5は、元画像7の補正後における各特徴基底v
iの係数w
i’を推定する(ステップS5、推定ステップ)。そして、補正部6により、推定された各特徴基底v
iの係数w
i’に基づいて元画像7を補正する(ステップS6、補正ステップ)。
【0053】
図13は、
図4のステップS5及びステップS6の処理内容を示す説明図である。
図13に示すように、推定部5は、まず元画像7の各特徴基底v
iの係数w
iを抽出する。この係数w
iは、上記式(5)から抽出することができる。
次に、推定部5は、抽出した上記係数w
iと補正関数F
i(w
i)を用いた下記式(6)により、元画像7の補正後における各特徴基底v
iの係数w
i’を算出する。
w
i’=w
i+F
i(w
i) ・・・(6)
【0054】
次に、補正部6は、推定部5で算出された上記係数w
i’に基づいて、元画像7の補正後における形状ベクトルU
iを上記式(5)により算出する。そして、補正部6は、算出した形状ベクトルU
iに基づいて、元画像7の顔形状をワーピング等により変形させて補正画像8を作成する。補正部6は、作成された補正画像8を出力して補正処理を終了する。
【0055】
図14は、本実施形態の補正手法と従来の補正手法とを比較したものである。
図14(a)は本実施形態及び従来の各補正手法に用いた元画像である。
図14(b)は従来の補正手法により顔輪郭等を補正した後の補正画像である。
図14(c)は本実施形態の補正手法により顔輪郭等を補正した後の補正画像である。
図14(b)の従来の補正画像では、顔輪郭の一部(特に左頬の部分)が不自然な形状をしているのが分かる。これに対して、
図14(c)の本実施形態の補正画像では、顔輪郭の全体が自然な形状となっており、従来の補正画像よりも補正精度が向上しているのが分かる。
【0056】
以上、本実施形態の画像処理装置1によれば、補正対象画像(元画像)7を学習用画像として画像情報10に含めた状態で、各学習用画像の特徴を表すための複数の特徴基底v
iを抽出しているため、これらの特徴基底v
iを用いることで補正対象画像7の特徴を表す第3特徴情報を正確に表すことができる。これにより、補正対象画像7の補正後の特徴を表す第4特徴情報も正確に表すことができるので、補正対象画像7の補正精度を向上させることができる。特に、本実施形態のように顔画像を美顔補正する場合に有用である。
【0057】
また、補正関数学習部4において補正関数を学習するときに、直交座標の横軸を所定の間隔dごとに区切った複数の仮想区切り線L上に、各仮想区切り線Lの近傍に位置する座標点Pに基づいて算出された基準スコアφを直交座標の縦軸の値としてそれぞれプロットすることで、当該プロットされた複数の基準スコアφを繋ぐ自由曲線の関数を補正関数として算出することができる。したがって、直交座標にプロットされた座標点Pにばらつきがあっても、補正対象画像7を補正するための補正関数を適切に求めることができる。その結果、補正対象画像7の補正精度をさらに向上させることができる。
【0058】
また、補正関数学習部4の基準スコア算出部43は、仮想区切り線Lの近傍に2以上の座標点Pが位置する場合には、その2以上の座標点Pそれぞれに対して、当該2以上の座標点Pの平均値からの距離hに応じた重みを付け、その重みを考慮して基準スコアφを算出する。したがって、仮想区切り線Lの近傍に2以上の座標点Pが位置する場合には、その仮想区切り線L上にプロットされる基準スコアφの算出精度を向上させることができるので、補正関数をさらに適切に求めることができる。
【0059】
また、補正関数学習部4の区切り部42は、直交座標の横軸を区切る間隔dを調整可能とした場合には、上記間隔dを適切に調整することで、各仮想区切り線上にプロットされる基準スコアの算出精度をさらに向上させることができる。
また、区切り部42は、複数の間隔d内にそれぞれ位置する座標点Pの個数が均等になるように各間隔dを調整することで、各仮想区切り線L上にプロットされる基準スコアφの算出精度にばらつきが生じるのを抑えることができる。
【0060】
また、基準スコア算出部43は、一の仮想区切り線L上における基準スコアφを、当該一の仮想区切り線L以外の他の仮想区切り線L上における基準スコアφを考慮して算出するので、各仮想区切り線L上にプロットされる基準スコアφの算出精度をさらに向上させることができる。
【0061】
上述の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更は本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態の画像処理装置1は、顔画像の美顔補正に適用しているが、顔画像以外の画像を補正する場合にも適用することができる。