【実施例】
【0009】
図2は実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図である。
図2において、画像形成装置100は、プリンタ部200と、スキャナ部(読取部)300とを有するものであり、例えば複合機(MFP:MultiFunction Peripherals)等である。
プリンタ部200は、トレイ28と、手差しトレイ36と、ホッピングローラ29と、手差しトレイ用給紙ローラ37と、レジストローラ30と、現像ユニット15と、転写ベルト32と、定着器7と、排出ローラ31とを有している。また、スキャナ部300は、自動原稿送り装置51と、読取センサ52と、操作部53とを有している。
【0010】
トレイ28および手差しトレイ36は、記録媒体Pを収容するものである。
ホッピングローラ29は、トレイ28に収容された記録媒体Pを搬送路へ送り出すものである。
手差しトレイ用給紙ローラ37は、手差しトレイ36に収容された記録媒体Pを搬送路へ送り出すものである。
レジストローラ30は、ホッピングローラ29や手差しトレイ用給紙ローラ37によって送り出された記録媒体Pの斜行を矯正し、現像ユニット15へ搬送するものである。
【0011】
現像ユニット15は、現像剤としてのトナーの色に応じて、ブラックの現像ユニット15Bk、イエローの現像ユニット15Y、マゼンタの現像ユニット15M、およびシアンの現像ユニット15Cを備えている。
各現像ユニット15は、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、LED(Light Emitting Diode)ヘッド3と、現像器4と、転写ローラ5と、クリーニング装置6とを備えている。
【0012】
感光ドラム1は、静電潜像および現像剤像を担持する像担持体である。この感光ドラム1の周囲に、帯電ローラ2、LEDヘッド3、現像器4、転写ローラ5、およびクリーニング装置6が配置されている。この感光ドラム1は、例えば厚さ0.75mm、外径30mmのアルミニウム素管上に、膜厚0.5μmの電荷発生層、膜厚20μmの電荷輸送層を設けたものである。
【0013】
帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面を均一に帯電させるものであり、例えばSUS材からなる導体を軸としてエピクロルヒドリンなどの導電性の弾性体が被膜されており、感光ドラム1に接触するように配置されている。
LEDヘッド3は、一様に帯電された感光ドラム1の表面を選択的に光を照射し潜像パターンを形成する露光装置であり、LED素子と、LED駆動素子と、レンズアレイとからなり、LED素子からの照射光が感光ドラム1の表面に結像する位置に配置されている。
【0014】
現像器4は、感光ドラム1に形成された潜像パターンにトナー像を現像する装置であり、現像ローラ8と、現像ローラ8に接触するように配置された供給ローラ9と、先端部分を現像ローラ8に押し当てるように配置した規制ブレード10とからなる。現像器4は、トナーカートリッジからトナーが供給される構成であり、現像ローラ8が感光ドラム1の表面に接触する位置に配置されている。
【0015】
現像ローラ8は、SUS材からなる導電性シャフト(芯金)上に弾性層をロール状に配し、その弾性層を覆う表面層を有している。弾性層には、ウレタンゴムやシリコーンゴムを使用し、表面層には、ウレタン溶液により処理を行ったものや、アクリル樹脂、アクリル−フッ素共重合樹脂を塗布したものを使用した。アクリル樹脂、アクリル−フッ素共重合樹脂を表面層としたものには、導電性を付与するため、カーボンブラックを配合した。
【0016】
供給ローラ9は、SUS材からなる導電性シャフト(芯金)と弾性層で形成される。弾性層は導電性シリコーンゴム発泡体層、または導電性ウレタンゴム発泡体層である。弾性層に半導電性を持たす場合は、アセチレンブラックやカーボンブラック等を添加する。
規制ブレード10は、板厚0.08mmのSUS製であり、現像ローラ8との接触部は曲げ加工が施されている。その曲げ部の曲率半径Rを0.2mmとし、現像ローラ8に対する線圧を30gf/cmとした。なお、規制ブレード10の曲率半径Rと線圧は、これに限られるものではなく、現像ローラ8上のトナー量やトナー帯電量に応じて調整可能である。
【0017】
転写ローラ5は、感光ドラム1上に形成されたトナー像を記録媒体P、または転写ベルト32に転写する装置であり、例えば導電性の発泡性弾性体からなる。
クリーニング装置6は、感光ドラム1上の未転写などにより残留したトナーや、現像器4から感光ドラム1上へ移動させた廃棄トナーを掻き取った後に廃棄する装置である。クリーニング装置6は、例えばゴムを用いたクリーニングブレード11により構成され、そのクリーニングブレード11は、先端を感光ドラム1の表面に当て込むように配置されている。
【0018】
定着器7は、記録媒体P上に転写されたトナー像を加温、加圧により定着させる装置であり、ヒートローラ12と加圧ローラ13を備えている。ヒートローラ12は、外径28mmの鉄の素管上にシリコーンゴムの弾性層を配し、その弾性層を覆うようにトナー剥離層としてPFAチューブを備えている。ヒートローラ12は、熱源として素管内側にハロゲンランプを備えている。
排出ローラ31は、定着器7でトナー像が定着された記録媒体Pを装置外へ排出するものである。
【0019】
自動原稿送り装置51は、原稿を読取センサ52で読み取るために1枚ずつ送るものである。読取センサ52は送られた原稿の画像を読取るCCD(Charge Coupled Device)センサ等である。
操作部53は、画像形成装置100の操作やメンテナンス方法等を誘導する画面を表示するディスプレイ等の表示手段(表示部)と画面の切り替えやメニューを選択する利用者の入力操作を受付けるキーやタッチパネル等の入力手段(入力部)を備えたものである。
【0020】
図1は実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図1において、画像形成装置100は、読取りセンサ52と、操作部53と、情報通信部54と、制御部21と、定着制御部25と、露光制御部26と、電圧制御部27とを有している。なお、読取りセンサ52および操作部53は、
図2において説明したのでその説明を省略する。
情報通信部54は、有線または無線の通信回線を介して通信可能に接続されている外部の装置との間で通信制御を行い、情報の送受信を行うものである。
【0021】
制御部21は、画像処理部22と、記憶部23と、画像出力部24とを有している。
画像処理部22は、読取りセンサ52から送られた原稿の画像情報を画像処理して保持する。
記憶部23は、メモリ等で構成された記憶手段であり、制御プログラムや制御情報を記憶するものである。また、記憶部23は、テストパターン情報23aと、装置情報23bと、操作履歴情報23cとを記憶する。
【0022】
テストパターン情報23aは、出力画像評価のための評価画像の情報であり、後述する
図3に示すテストパターンを構成する情報である。このテストパターン情報23aは、記憶部23に予め記憶されるものである。
装置情報23bは、各種センサ等で検知した画像形成装置100の状態を表す情報であり、例えばトナー使用量、印刷枚数、温度、湿度等である。
操作履歴情報23cは、操作部53が受付けた利用者の入力操作の履歴情報である。この操作履歴情報23cは、制御部21および操作部53により取得され、記憶される。
【0023】
画像出力部24は、定着制御部25、露光制御部26、および電圧制御部27へ印刷を指示するものである。この画像出力部24は、記憶部23に記憶されたテストパターン情報23aに基づいて
図3に示すテストパターンを印刷(出力)する。
読取部としての読取センサ52は、画像出力部24で印刷出力されたテストパターンを読取る。情報通信部54は、読取センサ52で読取ったテストパターンの画像、装置情報23b、および操作履歴情報23cを外部装置に送信する。
【0024】
制御部21は、操作部53または情報通信部54を介して上位装置から原稿の読み取りの指示を受けると、読取りセンサ52で原稿を読取り、読取った原稿の画像情報を画像処理部22へ送る。制御部21は、画像処理部22で保持された原稿の画像情報と、記憶部23に記憶されている装置情報とを情報通信部54を介して外部装置へ送信する。
また、制御部21は、操作部53または情報通信部54を介して上位装置から印刷の指示を受けると、画像出力部24に印刷を指示する。画像出力部24は、定着制御部25、露光制御部26、および電圧制御部27へ印刷動作を行うことを指示し、印刷を行う。
【0025】
定着制御部25は、画像出力部24から指示を受けると、定着器7の温度を制御する。
露光制御部26は、画像出力部24から指示を受けると、LEDヘッド3の発光を制御する。
電圧制御部27は、画像出力部24から指示を受けると、帯電ローラ2、現像ローラ8、供給ローラ9、規制ブレード10、および転写ローラ5へ印加する電圧を制御する。
【0026】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備え、記憶部23に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて画像形成装置100全体の動作を制御する。
また、制御部21は、画像出力部24を制御し、操作部53で受付けた出力画像評価の対象となる画像形成装置100が有する機能の選択入力に基づいて、画像出力部24によるテストパターンの出力を制御する。
【0027】
図3は実施例におけるテストパターンの説明図である。
図3において、本実施例では、記録媒体Pは、A4判の大きさのものを用いるものとする。A4判より小さい記録媒体Pを印刷する画像形成装置の場合、記録媒体Pの長手方向が記録媒体Pの搬送方向となるように使用する。また、A3判の記録媒体Pを印刷することができる画像形成装置の場合、記録媒体Pの短手方向が記録媒体Pの搬送方向となるように使用する。また、Letter用紙を標準的に使用する場合、Letter用紙の記録媒体Pを使用するようにしても良い。
【0028】
記録媒体Pに印刷するテストパターンは、A、B、C、D、E、F、G、Hの8つの斜め帯状の領域に分割されている。
領域Aおよび領域Eには、
図2に示すブラックの現像ユニット15Bkによりハーフトーン画像が形成される。
領域Bおよび領域Fには、
図2に示すイエローの現像ユニット15Yによりハーフトーン画像が形成される。
領域Cおよび領域Gには、
図2に示すマゼンタの現像ユニット15Mによりハーフトーン画像が形成される。
領域Dおよび領域Hには、
図2に示すシアンの現像ユニット15Cによりハーフトーン画像が形成される。
【0029】
領域Aおよび領域Eの組み合わせにより、ブラックの現像ユニット15Bkによって形成されるハーフトーン画像は、画像形成装置の主走査方向の印刷領域の最大幅Iにおいてその全領域をカバーするように配置される。
また、ハーフトーン画像は、副走査方向において、ブラックの現像ユニット15Bkの構成部材のうち、最も画像上の回転周期が大きい回転体である
図2に示す感光ドラム1の回転周期の2倍以上の長さJ(感光ドラム1の2回転分以上の長さ)をカバーするように配置される。
【0030】
領域Bおよび領域F、領域Cおよび領域G、並びに領域Dおよび領域Hも領域Aおよび領域Eと同様にハーフトーン画像が形成される。
なお、本実施例のテストパターンは一例であり、用紙サイズや印刷パターンの形状、印刷デューティー等は、適宜変更可能である、例えば、イエローのように視認性の低い色の領域を、シアン等と混色させるようにすることが挙げられる。
【0031】
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像形成装置の動作の概要を
図1および
図2に基づいて説明する。
原稿の読取りにおいては、利用者により自動原稿送り装置51に原稿が載置され、制御部21が原稿の読取り指示を受けると、画像形成装置100の制御部21は、自動原稿送り装置51に駆動指示を送り、また読取センサ52に読取り指示を送る。駆動指示を受けた自動原稿送り装置51は原稿を給紙し、読取センサ52は給紙された原稿の画像情報を読み取る。読取センサ52で読み取られた画像情報は画像処理部22へ送られ、画像処理される。
【0032】
印刷においては、制御部21の画像出力部24は、電圧制御部27により帯電ローラ2に帯電電圧を印加して感光ドラム1の表面を一様に帯電させた後、露光制御部26からの指示に従いLED3を発光させ、感光ドラム1の表面に静電潜像パターンを形成する。
画像出力部24は、感光ドラム1の表面に静電潜像パターンを形成すると、表面にトナー薄層が形成された現像ローラ8に、電圧制御部27により現像電圧を印加して感光ドラム1上の静電潜像パターンを現像してトナー像を形成する。
【0033】
ここで、供給ローラ9と規制ブレード10には、現像ローラ8上のトナー薄層を均一に形成し、トナー薄層中のトナーの帯電量を所定の値にするため、電圧制御部27により供給電圧と規制ブレード電圧が印加されている。
次に、制御部21の画像出力部24は、電圧制御部27により転写ローラ5に転写電圧を印加して感光ドラム1上のトナー像を記録媒体Pに転写させた後、記録媒体P上のトナー像を定着器7により記録媒体Pに定着させる。
【0034】
トナー像が定着された記録媒体Pは、排出ローラ31により装置外に排出されて印刷動作が完了する。記録媒体Pに転写されず感光ドラム1上に残ったトナーは、クリーニング装置6により除去される。
本実施例では、記録媒体Pに形成されたトナー像にトラブルが発生した場合、利用者がトラブルの発生した状況を選択することにより、利用者に対処方法を示すとともに、対処した結果の確認を行うようにしている。
【0035】
以下に、画像形成装置が行う診断処理を
図4から
図6に基づいて説明する。
まず、診断処理のメイン処理を
図4の実施例における診断処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1および
図2を参照しながら説明する。
利用者は、記録媒体Pに形成されたトナー像に画像品位の低下(以下、「トラブル」という。)が発生したことを確認すると、操作部53に表示されたメニュー画面で診断処理を選択するものとする。本実施例において、トラブルとは、記録媒体Pに出力されたトナー像の画像品位が、利用者が所望する画像品位よりも低下したものであり、画像形成装置100の装置異常に至ったものではなく、画像形成装置100の装置異常とは異なるものである。
【0036】
画像形成装置100は、操作部53で診断処理が選択されたことを検知すると、診断プログラム(制御プログラム)による診断処理を開始する。
S1:画像形成装置100の制御部21は、操作部53で受付ける操作の記録を開始する。制御部21は、以下のS2以降の処理において、操作部53で受付けた利用者の操作の履歴を記憶部23に操作履歴情報23cとして記憶する。
【0037】
S2:制御部21は、トラブルが発生した場合の機能を選択する操作を受付ける選択画面を操作部53に表示する。選択画面は、例えば
図7に示す選択画面60であり、トラブルが発生した状況を選択するための「プリント・ファクス印刷」選択ボタン61、「コピー」選択ボタン62、「スキャン」選択ボタン63を備えた画面である。
ここで、「プリント・ファクス印刷」は、文書や写真、受信したファクシミリデータをプリンタ部200で印刷する機能、「コピー」はスキャナ部300で読み取った原稿の画像をプリンタ200で印刷する機能、「スキャン」はスキャナ部300で原稿を読み取る機能である。
【0038】
利用者は、トラブルが発生した状況に応じて機能を選択するものとし、制御部21は、「スキャン」選択ボタン63が選択されたことを操作部53で検知すると処理をS3へ移行し、「プリント・ファクス印刷」選択ボタン61が選択されたことを操作部53で検知すると処理をS4へ移行し、「コピー」選択ボタン62が選択されたことを操作部53で検知すると処理をS5へ移行する。
利用者は、トラブルの発生を確認したときに行っていた画像形成装置100の機能である「スキャン」、「プリント・ファクス印刷」、「コピー」のいずれかを選択する。
【0039】
S3:「スキャン」選択ボタンが選択されたことを検知した制御部21は、利用者にスキャナ部300の読取センサ52等の清掃を指示するスキャナ清掃指示画面を操作部53に表示する。このスキャナ清掃指示画面は、利用者の対処を指示する指示画面である。
制御部21は、スキャナ清掃指示画面において利用者が詳細を確認するため、利用者による「清掃方法」の押下を検知すると、詳細な手順を表示する画面(以下、「ヘルプ画面」という。)を操作部53に表示する。なお、ヘルプ画面は、スキャナ清掃に限らず、LEDヘッド清掃や用紙セット方法等、利用者が操作する内容ごとに設けられており、診断プログラムに限らず、装置全体としての共通の操作内容を表示する。
【0040】
ヘルプ画面へ遷移するボタンを押下すると、各ヘルプ画面(例えば、
図8に示すヘルプ画面65)が表示され、右端の上スクロールボタン(例えば、
図8に示す上スクロールボタン66)や下スクロールボタン(例えば、
図8に示す上スクロールボタン67)を押下するとページが切り替わる。さらに、「閉じる」ボタン(例えば、
図8に示す「閉じる」ボタン68)を押下することによりヘルプ画面を終了し、診断プログラムの元の操作画面に戻る。
【0041】
利用者は、スキャナの清掃が完了すると、ヘルプ画面の「閉じる」ボタンを押下してS3において表示したスキャナ清掃指示画面に戻り、そのスキャナ清掃指示画面で「終了」ボタンを押下するものとする。制御部21は、スキャナ清掃指示画面で「終了」ボタンの押下を検知すると本処理を終了する。
【0042】
S4:「プリント・ファクス印刷」選択ボタンが選択されたことを検知した制御部21は、プリントおよびファックス印刷の診断処理を行い、本処理を終了する。なお、プリントおよびファックス印刷の診断処理の詳細は後述する。
S5:「コピー」選択ボタン選択ボタンが選択されたことを検知した制御部21は、コピーの診断処理を行い、本処理を終了する。なお、コピーの診断処理の詳細は後述する。
【0043】
次に、制御部21が行うプリントおよびファックス印刷の診断処理を
図5の実施例におけるプリントおよびファックス印刷の診断処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1および
図2を参照しながら説明する。
S101:
図4に示すS2において、「プリント・ファクス印刷」選択ボタンが選択されたことを検知した制御部21は、プリント・ファクス印刷時のトラブルの症状を選択(不具合症状を選択する不具合症状入力)する画面を操作部53に表示する。
【0044】
プリント・ファクス印刷時のトラブルの症状を選択する画面は、診断プログラムで対応するトラブルの症状として、発生頻度の高い「帯、スジや汚れが入る」症状、および「点が現れる」症状の2つの症状が選択可能になっている。また、症状を表すアイコンを設け、利用者が症状の選択を容易に行えるようにしている。アイコンは、意味を持たない文字列を使用して症状が表された印刷結果を図絵で表している。
なお、この時点では、利用者は
図3に示したテストパターンを印刷してトラブルの確認を行っていないため、テストパターンを用いてのトラブル例の画像やアイコンは使用していない。
【0045】
プリント・ファクス印刷時のトラブルの症状を選択する画面は、例えば
図9示すトラブル症状選択画面70であり、「帯、スジや汚れが入る」症状を選択する選択ボタン71、「点が現れる」症状を選択する選択ボタン72、「帯、スジや汚れが入る」症状を表すアイコン71a、「点が現れる」症状を表すアイコン72aを有するものである。
利用者は、現在発生しているトラブルに近い症状の選択ボタンを押下するものとする。
【0046】
制御部21は、トラブルの症状を選択する画面において、「帯、スジや汚れが入る」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを操作部53で検知すると処理をS110へ移行し、「点が現れる」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを操作部53で検知すると処理をS102へ移行する。
ここで、「帯、スジや汚れが入る」症状の原因は、例えばLEDヘッド3の汚れ、感光ドラム1の帯電異常や傷、規制ブレード10の破損等が挙げられる。また、「点が現れる」症状の原因は、感光ドラム1の傷、トナー漏れ等が挙げられる。
【0047】
S102:「点が現れる」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを検知した制御部21は、純正の消耗品を使用しているか否かを判定し、純正の消耗品を使用していると判定すると処理をS103へ移行し、使用していないと判定すると診断プログラムでは当該トラブルに適切に対処できない可能性があるため処理をS109へ移行する。なお、純正の消耗品を使用しているか否かの情報は、純正の消耗品に設けられているICタグ等から読取られ、記憶部23に記憶されているものとする。
【0048】
S103:純正の消耗品を使用していると判定した制御部21は、記憶部23に記憶されている各現像ユニット15の使用量が閾値以下か否かを判定し、閾値以下と判定すると処理をS105へ移行し、閾値以下でないと判定すると処理をS104へ移行する。なお、各現像ユニット15の使用量(イメージドラムとしての感光ドラム1の回転数等)および閾値の情報は記憶部23に記憶されている。
S104:制御部21は、消耗品としての各現像ユニット15の使用量が閾値を超えていると判定すると、イメージドラム(現像ユニット)の交換を指示するイメージドラム交換指示画面を操作部53に表示する。
【0049】
利用者はイメージドラム交換指示画面の「交換方法」を押下してヘルプ画面を表示し、現像ユニットの交換手順に従い、現像ユニットを交換するものとする。利用者は、イメージドラム(現像ユニット)の交換が完了すると、ヘルプ画面の「閉じる」ボタンを押下して診断プログラムの元のイメージドラム交換指示画面に戻り、そのイメージドラム交換指示画面で「交換完了」ボタンを押下するものとする。なお、利用者は、現像ユニットを交換することなく、診断プログラムを継続する場合は、イメージドラム交換指示画面で「交換しない」ボタンを押下するものとする。
【0050】
制御部21は、「交換完了」ボタンまたは「交換しない」ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS105へ移行する。
S105:制御部21は、テストパターンを印刷するか否かを選択するテストパターン印刷選択画面を操作部53に表示する。
本実施例では、テストパターン印刷選択画面には、A3判の記録媒体を印刷可能な画像形成装置100において、手差しトレイ36にA4判の記録媒体Pを横向きにセットする指示が表示される。
【0051】
通常の印刷では、トレイ28を使用している利用者に対しても用紙サイズおよび用紙セット方向を指定するために、手差しトレイ36に記憶媒体Pをセットさせる。この際、記録媒体Pは、主走査方向の印刷領域をカバーできる用紙とすることにより、主走査方向のいずれかの位置においてトラブルが発生した場合にもそのトラブルを確認することができるようになる。
【0052】
利用者は、テストパターン印刷選択画面で「セット手順」操作ボタンを押下し、手差しトレイ36への記録媒体Pのセット手順を表示するヘルプ画面に従い、記録媒体Pをセットする。利用者は、記録媒体Pを手差しトレイ36にセットした後、テストパターンの印刷を実行するため「印刷する」操作ボタンを押下するものとする。
制御部21は、テストパターンを「印刷する」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS106へ移行し、一方、テストパターンを「印刷しない」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると本処理を終了する。
【0053】
S106:制御部21は、記憶部23に記憶されたテストパターン情報23aに基づいてテストパターンを印刷する。制御部21は、手差しトレイ36にセットされた記録媒体Pを給紙して
図3に示すテストパターンの印刷を行い、テストパターンの印刷が完了すると処理をS107へ移行する。
なお、本実施例では、手差しトレイ36にセットされた記録媒体Pにテストパターンを印刷するため、手差しトレイ36に記録媒体Pがセットされていない場合、制御部21は、トレイ28からの給紙は行わず、手差しトレイ36の用紙無しエラーを操作部53に表示する。
【0054】
S107:制御部21は、テストパターンの印刷結果を利用者が確認した結果、トラブルが解消したか否かを選択(テストパターンの評価結果入力)するトラブル解消確認画面を操作部53に表示する。
利用者は、テストパターンの印刷結果を確認した後、トラブルが解消している場合、「解消」操作ボタンを押下するものとする。
制御部21は、「解消」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると本処理を終了し、一方、「解消していない」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS108へ移行する。
【0055】
S108:制御部21は、S106において印刷したテストパターンを自動原稿送り装置51を使用して読取り、外部装置へ送信するためのテストパターン送信画面を操作部53に表示する。
利用者がテストパターンを印刷した記録媒体Pを自動原稿送り装置51にセットする方法を確認する場合は、テストパターン送信画面の「セット方法」選択ボタンを押下し、ヘルプ画面へ遷移させ、自動原稿送り装置51にテストパターンを印刷した記録媒体Pをセットする手順を表示させる。
【0056】
利用者は、テストパターンを印刷した記録媒体Pを自動原稿送り装置51にセットし、ヘルプ画面から戻ったテストパターン送信画面の「送信する」選択ボタンを押下するものとする。
制御部21は、「送信する」選択ボタンの押下を操作部53で検知すると、テストパターンの送信先情報を記憶部23から読み出して送信先として設定し、読取センサ52で読み取ったテストパターンの画像情報と、記憶部23が保持している装置情報23bとを、情報通信部54を介して送信先である外部装置へ送信する。制御部21は、送信完了後、当該外部装置から送られた接続コードを操作部53に表示する。
【0057】
この接続コードは、利用者がコールセンタに問い合わせた際に、画像形成装置100から送信したテストパターンの画像情報および装置情報を特定するために用いるものである。
また、制御部21は、記憶部23に記録した操作履歴情報23cを外部装置へ送信し、本処理を終了する。
【0058】
S109:制御部21は、利用者にコールセンタ(外部)へ問い合わせを指示するエラー画面(指示画面)を操作部53に表示する。制御部21は、エラー画面を閉じる操作を操作部53で受付けると本処理を終了する。
S110:S101において、「帯、スジや汚れが入る」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを検知した制御部21は、純正の消耗品を使用しているか否かを判定し、純正の消耗品を使用していると判定すると処理をS111へ移行し、使用していないと判定すると診断プログラムでは当該トラブルに適切に対処できない可能性があるため処理をS109へ移行する。
【0059】
S111:純正の消耗品を使用していると判定した制御部21は、記憶部23に記憶されている各現像ユニット15の使用量が閾値以下か否かを判定し、閾値以下と判定すると処理をS113へ移行し、閾値以下でないと判定すると処理をS112へ移行する。
S112:制御部21は、各現像ユニット15の使用量が閾値を超えていると判定すると、S104と同様に、イメージドラム(現像ユニット)の交換を指示するイメージドラム交換指示画面を操作部53に表示する。
制御部21は、イメージドラム交換指示画面で「交換完了」ボタンまたは「交換しない」ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS113へ移行する。
【0060】
S113:制御部21は、電圧制御部27の供給電圧の設定値が正常であるか否かを判定し、正常であると判定すると処理をS115へ移行し、異常であると判定すると処理をS114へ移行する。
ここで、供給電圧の設定値とは、利用者が操作部53に表示される設定画面により任意に変更可能な、供給ローラ9に印加する供給電圧の設定項目の値であり、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれの色の供給ローラ9に個別に設定・変更可能になっている。
【0061】
制御部21は、供給電圧の設定値が「帯、スジや汚れが入る」症状の原因となる可能性がある設定値に変更されているかを確認し、変更されていない場合、正常と判定し、変更されている場合、異常と判定する。
S114:供給電圧の設定値が異常であると判定した制御部21は、利用者が変更している供給電圧の設定値をリセットするように指示する供給電圧設定リセット画面を操作部53に表示する。
【0062】
リセットする対象の供給電圧の設定値は、異常と判定された色の供給電圧の設定値のみとしている。利用者は供給電圧の設定値をリセットするか否かを選択できるようになっている。
制御部21は、供給電圧設定リセット画面において、利用者により「リセットする」選択ボタンが選択されたことを操作部53で検知すると、対象の色の供給電圧の設定値をリセット(初期値に変更)して処理をS115へ移行し、「リセットしない」選択ボタンが選択されたことを操作部53で検知すると、供給電圧の設定値を変更することなく、処理をS115へ移行する。
【0063】
S115:制御部21は、LEDヘッドの清掃を指示するLEDヘッド清掃指示画面を操作部53に表示する。利用者は、LEDヘッド清掃指示画面の「清掃方法」を押下し、LEDヘッド3の清掃方法手順のヘルプ画面に従ってLEDヘッド3を清掃するものとする。利用者は、LEDヘッド3の清掃が完了すると、選択画面に戻し、その選択画面で「次へ」ボタンを押下するものとし、制御部21は、「次へ」ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS116へ移行する。
【0064】
S116:制御部21は、S105と同様に、テストパターンを印刷するか否かを選択するテストパターン印刷選択画面を操作部53に表示する。制御部21は、テストパターンを「印刷する」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS117へ移行し、一方、テストパターンを「印刷しない」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると本処理を終了する。
【0065】
S117:制御部21は、テストパターンの印刷を行う前に、現像器4内の異常帯電トナーを廃棄する現像剤廃棄処理を行う。
本実施例では、通常の印刷時に対し、帯電ローラ2の帯電電圧を絶対値で200V小さくすることで、感光ドラム1の表面電位を現像電圧に近づけ、現像ローラ8上の異常帯電トナーを感光ドラム1に移すようにしている。このトナー廃棄処理は、感光ドラム1が5回転するまで継続して行う。制御部21は、トナー廃棄処理を行った後、通常印刷時の帯電電圧に戻し、処理をS106へ移行してテストパターンの印刷を行う。
【0066】
ここで、S115においてLEDヘッド3の清掃およびS117において現像器4内の異常帯電トナーを廃棄する処理を行うのは、「帯、スジや汚れが入る」症状のトラブルの場合、そのトラブルが解消する可能性が高いからである。一方、「点が現れる」症状のトラブルの場合、そのトラブルが解消する可能性が低いため、LEDヘッド3の清掃および現像器4内の異常帯電トナーを廃棄する処理は行わない。
【0067】
次に、制御部21が行うコピーの診断処理を
図6の実施例におけるコピーの診断処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1および
図2を参照しながら説明する。
S201:
図4に示すS2において、「コピー」選択ボタンが選択されたことを検知した制御部21は、コピー時のトラブルの症状を選択(不具合症状を選択する不具合症状入力)する画面を操作部53に表示する。
【0068】
コピー時のトラブルの症状を選択する画面は、プリント・ファクス印刷時と同様に、診断プログラムで対応するトラブルの症状として、発生頻度の高い「帯、スジや汚れが入る」症状、および「点が現れる」症状の2つの症状が選択可能になっている。また、プリント・ファクス印刷時と同様に、症状を表すアイコンを設け、利用者が症状の選択を容易に行えるようにしている。
コピー時のトラブルの症状を選択する画面は、例えば
図9に示すトラブル症状選択画面70と同様である。
【0069】
利用者は、現在発生しているトラブルに近い症状の選択ボタンを押下するものとする。
制御部21は、トラブルの症状を選択する画面において、「帯、スジや汚れが入る」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを操作部53で検知すると処理をS211へ移行し、「点が現れる」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを操作部53で検知すると処理をS202へ移行する。
ここで、「帯、スジや汚れが入る」症状の原因は、例えばLEDヘッド3の汚れ、感光ドラム1の帯電異常や傷、規制ブレード10の破損等が挙げられる。また、「点が現れる」症状の原因は、スキャナ部300の汚れ、感光ドラム1の傷、トナー漏れ等が挙げられる。
【0070】
S202:「点が現れる」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを検知した制御部21は、純正の消耗品を使用しているか否かを判定し、純正の消耗品を使用していると判定すると処理をS203へ移行し、使用していないと判定すると診断プログラムでは当該トラブルに適切に対処できない可能性があるため処理をS210へ移行する。
S203、S204:
図5におけるS103、S104と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0071】
S205:制御部21は、トラブルの原因がプリンタ部200またはスキャナ部300にあるかを切り分けるため、テストパターンを印刷するか否かを選択するテストパターン印刷選択画面を操作部53に表示する。なお、詳細な処理はS105と同様なので説明を省略する。
制御部21は、テストパターンを「印刷する」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS206へ移行し、一方、テストパターンを「印刷しない」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると本処理を終了する。
【0072】
S206:制御部21は、記憶部23に記憶されたテストパターン情報23aに基づいてテストパターンを印刷する。
図5に示すS106と同様の処理なので説明を省略する。
S207:制御部21は、テストパターンの印刷結果を利用者が確認した結果、トラブルが再現したか否かを選択するトラブル再現確認画面を操作部53に表示する。
【0073】
利用者は、テストパターンの印刷結果を確認した後、トラブルが再現している場合、「再現」操作ボタンを押下するものとする。これは、コピーで発生した印刷トラブルに対し、スキャナ部300を使用せずプリンタ部200のみで出力したテストパターン上に当該トラブルが再現しているか否かで、当該トラブルの原因がプリンタ部200またはスキャナ部300にあるかを切り分けるためである。
【0074】
制御部21は、「再現」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS208へ移行し、一方、「再現していない」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS209へ移行する。
再現している場合は、プリンタ部200が原因と判断できるが、「点が現れる」症状のトラブルには対処することができないため、処理をS208へ移行する。一方、再現していない場合は、スキャナ部300が原因と判断できるため、処理をS209へ移行する。
【0075】
S208:制御部21は、
図5におけるS108と同様に、S206において印刷したテストパターンを自動原稿送り装置51を使用して読取り、外部装置へ送信するためのテストパターン送信画面を操作部53に表示する。
制御部21は、「送信する」選択ボタンの押下を操作部53で検知すると、テストパターンの送信先情報を記憶部23から読み出して送信先として設定し、読取センサ52で読み取ったテストパターンの画像情報と、記憶部23が保持している装置情報23bとを、情報通信部54を介して送信先である外部装置へ送信する。制御部21は、送信完了後、当該外部装置から送られた接続コードを操作部53に表示する。
また、制御部21は、記憶部23に記録した操作履歴情報23cを外部装置へ送信し、本処理を終了する。
【0076】
S209:制御部21は、
図4におけるS3と同様に、スキャナの清掃を指示するスキャナ清掃指示画面を操作部53に表示する。
利用者は、スキャナの清掃が完了すると、ヘルプ画面の「閉じる」ボタンを押下してスキャナ清掃指示画面に戻り、そのスキャナ清掃指示画面で「終了」ボタンを押下するものとする。制御部21は、スキャナ清掃指示画面で「終了」ボタンの押下を検知すると本処理を終了する。
【0077】
S210:制御部21は、利用者にコールセンタ(外部)へ問い合わせを指示するエラー画面(指示画面)を操作部53に表示する。制御部21は、エラー画面を閉じる操作を操作部53で受付けると本処理を終了する。
S211:S201において、「帯、スジや汚れが入る」症状を選択する選択ボタンが押下されたことを検知した制御部21は、純正の消耗品を使用しているか否かを判定し、純正の消耗品を使用していると判定すると処理をS212へ移行し、使用していないと判定すると診断プログラムでは当該トラブルに適切に対処できない可能性があるため処理をS210へ移行する。
【0078】
S212〜S215:
図5に示すS111〜S114と同様の処理なのでその説明を省略する。
S216:制御部21は、トラブルの原因がプリンタ部200またはスキャナ部300にあるかを切り分けるため、テストパターンを印刷するか否かを選択するテストパターン印刷選択画面を操作部53に表示する。なお、詳細な処理はS105と同様なので説明を省略する。
【0079】
制御部21は、テストパターンを「印刷する」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS217へ移行し、一方、テストパターンを「印刷しない」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると本処理を終了する。
S217:制御部21は、記憶部23に記憶されたテストパターン情報23aに基づいてテストパターンを印刷する。
図5に示すS106と同様の処理なので説明を省略する。
【0080】
S218:制御部21は、テストパターンの印刷結果を利用者が確認した結果、トラブルが再現したか否かを選択するトラブル再現確認画面を操作部53に表示する。
利用者は、テストパターンの印刷結果を確認した後、トラブルが再現している場合、「再現」操作ボタンを押下するものとする。これは、コピーで発生した印刷トラブルに対し、スキャナ部300を使用せずプリンタ部200のみで出力したテストパターン上に当該トラブルが再現しているか否かで、当該トラブルの原因がプリンタ部200またはスキャナ部300にあるかを切り分けるためである。
【0081】
制御部21は、「再現」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると、処理を
図5のS115へ移行し、一方、「再現していない」操作ボタンの押下を操作部53で検知すると処理をS209へ移行する。
再現している場合は、プリンタ部200が原因と判断でき、プリント・ファックス印刷時と同様に診断プログラムの処理を継続して行うため、処理を
図5のS115へ移行する。一方、再現していない場合は、スキャナ部300が原因と判断できるため、処理をS209へ移行する。
【0082】
このようにして、画像形成装置100は、診断処理を行う。
なお、本実施例では、テストパターンを
図3に示す1種類のテストパターンとして説明したが、トラブルの状況およびトラブルの症状の選択結果(
図4におけるS2、
図5におけるS101、
図6におけるS201の選択結果)に応じて適宜テストパターンを変更するようにしても良い。
【0083】
従来、記録媒体Pに形成されたトナー像にトラブルが発生した場合、装置のエラーとは異なり、エラーの状況を報知するエラーコード等が発生しないため、利用者は不具合に対する対称方法が分からず、コールセンタ等へ電話で問い合わせるなどの対処を行っていた。
本実施例では、記録媒体Pに形成されたトナー像にトラブルが発生した場合、利用者がトラブルの発生した状況を選択することにより、利用者に対処方法を示すとともに、対処した結果の確認を行うようにしている。
【0084】
また、利用者の対処によりトラブルが解消しない場合、テストパターンを読取った画像および装置の情報を、外部装置へ送信するようにしている。利用者がコールセンタへ電話で問い合わせた際に、コールセンタ側で画像情報や装置情報を確認できるようにしたため、従来の電話のみの対応と比較して多くの情報を迅速に共有することができる。そのため、電話対応の時間短縮など、利用者の負担軽減を図ることができる。
【0085】
このように、本実施例では、発生したトラブルの状況および症状に応じてテストパターンを印刷するようにしたことにより、印刷したテストパターンにより容易に装置状態を確認できるようになる。
また、トラブルの原因がプリンタ部200またはスキャナ部300のいずれかにあるかを切り分けるようにしたため、発生したトラブルに対して適切に対処することができるようになる。
【0086】
さらに、トラブルに対して利用者が実施可能な対処をすべて行った後に、確認のためのテストパターンを印刷するようにしたことにより、記録媒体やトナーの消費量を低減させることができる。
以上説明したように、本実施例では、発生したトラブルの状況および症状に応じてテストパターンを印刷するようにしたことにより、印刷したテストパターンにより容易に装置状態を確認できるようになるという効果が得られる。
【0087】
また、トラブルの原因がプリンタ部またはスキャナ部のいずれかにあるかを切り分けるようにしたため、発生したトラブルに対して適切に対処することができるようになるという効果が得られる。
さらに、トラブルに対して利用者が実施可能な対処をすべて行った後に、確認のためのテストパターンを印刷するようにしたことにより、記録媒体やトナーの消費量を低減させることができるという効果が得られる。
【0088】
なお、本実施例では、画像形成装置を複合機として説明したが、それに限られることなく、複写機や、プリンタとスキャナを組み合わせて用いる装置としても良い。
また、本実施例では、トラブルの診断処理を画像形成装置のみで行う例で説明したが、それに限られることなく、画像形成装置とホストコンピュータとが接続された画像形成システムでトラブルの診断処理を行うようにしても良い。この場合、例えばホストコンピュータで利用者の操作を受付け、画像形成装置でテストパターンの印刷等を行うようにする。