特許第6469581号(P6469581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーチ ウッド プロテクション,インコーポレーテッドの特許一覧

特許6469581コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤含有組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469581
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤含有組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/56 20060101AFI20190204BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20190204BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20190204BHJP
   A01C 1/08 20060101ALI20190204BHJP
   B27K 3/50 20060101ALI20190204BHJP
   C08K 5/3445 20060101ALI20190204BHJP
   C09D 5/14 20060101ALI20190204BHJP
   C10M 133/44 20060101ALI20190204BHJP
   C10N 30/16 20060101ALN20190204BHJP
   C10N 40/20 20060101ALN20190204BHJP
【FI】
   A01N43/56 C
   A01N25/00 101
   A01P3/00
   A01C1/08
   B27K3/50 A
   C08K5/3445
   C09D5/14
   C10M133/44
   C10N30:16
   C10N40:20 Z
【請求項の数】25
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-543113(P2015-543113)
(86)(22)【出願日】2013年11月19日
(65)【公表番号】特表2016-505532(P2016-505532A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】US2013070777
(87)【国際公開番号】WO2014078849
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2016年11月9日
(31)【優先権主張番号】61/728,062
(32)【優先日】2012年11月19日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515132733
【氏名又は名称】アーチ ウッド プロテクション,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(72)【発明者】
【氏名】ポルソン,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルケ,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ジュールデン,ジョディ
(72)【発明者】
【氏名】プリオリ,マリア,レジーナ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,チー
【審査官】 山本 昌広
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/055674(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/055673(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/012907(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/007233(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/139653(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/092580(WO,A2)
【文献】 国際公開第97/41727(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/052547(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/043876(WO,A1)
【文献】 特表2008−510773(JP,A)
【文献】 特開2006−143705(JP,A)
【文献】 特開平5−238911(JP,A)
【文献】 特表2012−521378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 1/00−65/48
A01P 1/00−23/00
A01C 1/00−1/08
B27K 3/00−3/52
C08K 3/00−13/08
C09D 1/00−201/10
C10M 101/00−177/00
C10N 10/00−80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤としてのペンフルフェン、並びに、有機酸及びその塩、オレイルアミン、アルキルジメチルアミン、トリ脂肪族置換アミンオキシド、エトキシル化アミン、及び金属キレート剤からなる群から選択される、有効量の増強剤を含む組成物であって、
金属キレート剤は、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、デヒドロ酢酸、及びそれらの混合物及び塩からなる群から選択され、
有機酸及びその塩は、イソノナン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、及びそれらの混合物及び塩からなる群から選択され、
アルキルジメチルアミンが、N,N-ジメチルオクチルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルオクタデシルアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択され、 トリ脂肪族置換アミンオキシドがココアミンオキシドであり、
エトキシル化アミンが、N,N',N'-ポリオキシエチレン(15)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン又はトリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンである、組成物。
【請求項2】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の重量比率が、100:1〜1:100である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の重量比率が、50:1〜1:50である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の重量比率が、10:1〜1:10である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
追加的な抗菌性成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
追加的な抗菌性成分が、ベンズイミダゾール、イミダゾール、モルホリン誘導体、銅化合物、ピレスロイド、トリアゾール、ホウ素化合物、ピリチオン化合物、及びそれらの混合物の群からの少なくとも1種の更なる化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
追加的な抗菌性成分が、亜鉛ピリチオンを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物を木に適用することを含む、木を処置する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法に従って製造された、処置された木。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物を作物に適用することを含む、作物を保護する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法に従って製造された、処置された作物。
【請求項12】
請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物を種子に適用することを含む、種子を保護する方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法に従って製造された、処置された種子。
【請求項14】
基材成分及び請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物を含む塗料。
【請求項15】
基材成分及び請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物を含む、抗菌特性を有するプラスチック材料。
【請求項16】
請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物を壁板に適用することを含む、壁板を処置する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法に従って製造された、処置された壁板。
【請求項18】
請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物を金属加工油剤に添加することを含む、金属加工油剤を処置する方法。
【請求項19】
有機酸及びその塩が、イソノナン酸、安息香酸、及び安息香酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
アルキルジメチルアミンが、N,N-ジメチルオクチルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルオクタデシルアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
アルキルジメチルアミンが、N,N-ジメチルドデシルアミンである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
アルキルジメチルアミンが、N,N-ジメチルオクタデシルアミンである、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
エトキシル化アミンが、N,N',N'-ポリオキシエチレン(15)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン又はトリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
金属キレート剤が、デヒドロ酢酸亜鉛塩又は2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
増強剤及びペンフルフェンの重量比が0.1:1〜5:1である、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
【0002】
本発明は、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤を含有する組成物及びその使用に関する。
【0003】
発明の背景
【0004】
植物病原性菌及び微生物を防除するためのコハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)阻害剤の使用は、従来技術より知られている。例えば、米国特許第7,538,073号明細書(US Patent 7,538,073)は、望まれない微生物及び植物病原性菌を防除するためのコハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)阻害剤であるN-[2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル]-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(以下、一般名ペンフルフェンと称す)の使用を記載し、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。しかしながら、当該技術分野において、低い適用率又は量でのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤の使用は、不満足な結果になり得ることが知られている。
【0005】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤の他の活性化合物との組み合わせが、当該技術分野で提案されている。例えば、米国特許出願公開第2008/0293566号明細書(US Patent Application publication 2008/0293566A1)は、活性物質併用剤(active substance combination)を形成するために、カルボキサミド(コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤である)とともに殺虫剤としての活性化合物を添加することを記載している。得られる活性物質併用剤は、望まない植物病原性菌、及び動物、虫及びダニを含む望まない有害生物を防除する特性を有する。
【0006】
カルボキサミドは、作物保護に用いられた時に有効な抗真菌剤(anti-fungal agents)になり、多くの他の材料の保護及び保存適用の可能性を有することが示されている一方で、これらの化合物の典型的な使用量はかなり高い用量である。結果として、これらの化合物の多くの可能性のある用途は、カルボキサミド化合物の高い費用のために達成することができない。したがって、当該技術分野において、カルボキサミド化合物をより低い投与量で用いることができ、それによりカルボキサミドを他の可能性のある用途により入手し易くするように、カルボキサミド化合物の有効性を向上させることが要求されている。
【0007】
したがって、当該技術分野において、これらの化合物がより低い投与量で効果的に用いられることができるように、コハク酸デヒドロゲナーゼ含有組成物の有効性を向上させることが要求されている。本発明は、その要求に対する答えを提供する。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
【0009】
一つの態様において、本発明は、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤及び有効量の増強剤を含む組成物を提供する。組成物は、阻害剤自体と比較して、微生物に対する改善された有効性を有し、阻害剤の量を減らして同じレベルの有効性を達成することができることが発見された。
【0010】
本発明の別の態様において、組成物はまた、作物、種子、壁板、金属加工油剤、木を菌類及び他の微生物から保護する、塗料及びコーティング剤の添加剤として有効であることも発見された。
【0011】
発明の詳細な説明を読むと、これらの及び他の態様が明らかとなるであろう。
【0012】
好ましい実施形態の詳細な説明
【0013】
驚くべきことに、本明細書で「増強剤(potentiators)」と呼ばれる特定の化合物が、ミトコンドリア呼吸鎖におけるコハク酸デヒドロゲナーゼを阻害する活性物質の活性を効果的に向上できることがわかった。結果として、有効量の増強剤とのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤の組み合わせが、本明細書で記載される利点を有する。
【0014】
本発明に関し、ミトコンドリア呼吸鎖におけるコハク酸デヒドロゲナーゼを阻害する全ての活性物質を用いることができる。本発明の特定の実施形態において、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤は、カルボキサミド化合物である。適したカルボキサミド化合物としては、カルボキサニリド(carboxanilides)、カルボン酸モルホリド(carboxylic morpholides)、安息香酸アミド(benzoic acid amides)、及び他のカルボキサミドが挙げられる。
【0015】
例示的なカルボキサニリドとしては、例えば、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フェンヘキサミド、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、イソチアニル、キララキシル(kiralaxyl)、メプロニル、メタラキシル、メタラキシル-M (メフェノキサム)、オフラセ(ofurace)、オキサジキシル、オキシカルボキシン(oxy-carboxin)、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、テクロフタラム、チフルザミド、チアジニル、2-アミノ-4-メチル-チアゾール-5-カルボキサニリド、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、及びN-(2-(1,3,3-トリメチル- ブチル)-フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドが挙げられる。
【0016】
例示的なカルボン酸モルホリドとしては、例えば、ジメトモルフ、フルモルフ、及びピリモルフが挙げられる。
【0017】
例示的な安息香酸アミドとしては、例えば、フルメトベル(flumetover)、フルオピコリド、フルオピラム、及びゾキサミドが挙げられる。
【0018】
例示的な「他の」カルボキサミドとしては、例えば、カルプロパミド、ジシクロメット(dicyclomet)、マンジプロパミド(mandiproamid)、オキシテトラサイクリン、シルチオファム、ナイアシンアミド、ニコチンアミド(nicotienamide)、及びN-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボン酸アミドが挙げられる。
【0019】
上記カルボキサミドの各々は、当該技術分野で知られている。数例を以下に特記する。
【0020】
化学名N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]-エチル}-2,6-ジクロロベンズアミドを有するフルオピラムは、ピリジルエチルベンズアミドの化学的分類に属する殺菌剤である。フルオピラム及び公知の市販化合物から出発するその製造方法が欧州特許出願公開第1389614号明細書(EP-A-1389614)に記載されており、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0021】
化学名N-[2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル]-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを有するペンフルフェン及び公知の市販化合物から出発するその製造方法が国際公開第 03/010149号(WO 03/010149)に記載されており、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0022】
化学名N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロ-1,1'-ビフェニル-2-イル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを有するビキサフェン及び公知の市販化合物から出発するその製造方法が国際公開第03/070705号(WO 03/070705)に記載されており、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0023】
セダキサンは、2つのシス異性体 2'-[(1RS,2RS)-1,1'-ビシクロプロパ-2-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-カルボキサニリド及び2つのトランス異性体 2'-[(1RS,2SR)-1,1'-ビシクロプロパ-2-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-カルボキサニリドの混合物である。セダキサン及び公知の市販化合物から出発するその製造方法は、国際公開第03/074491号(WO 03/074491)、国際公開第2006/015865号(WO 2006/015865)及び国際公開第2006/015866号(WO 2006/015866)に記載されており、該文献の各々は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0024】
イソピラザムは、2つのシン異性体 3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9RS)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミド及び2つのアンチ異性体 3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9SR)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミドの混合物である。イソピラザム及び公知の市販化合物から出発するその製造方法は、国際公開第2004/035589号(WO 2004/035589)に記載されており、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0025】
化学名(RS)-N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-3-チエニル]-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-4-カルボキサミドを有するペンチオピラド及び公知の市販化合物から出発するその製造方法は、欧州特許出願公開第0737682号明細書(EP-A-0737682)に記載されており、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0026】
化学名2-クロロ-N-(4'-クロロビフェニル-2-イル)ニコチンアミドを有するボスカリド及び公知の市販化合物から出発するその製造方法は、独国特許出願公開第19531813号明細書(DE-A 19531813)に記載されており、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0027】
化学名3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを有するフルキサピラキサド(Fluxapyraxad)及び公知の市販化合物から出発するその製造方法は、国際公開第2006/087343号(WO 2006/087343)に記載されており、該文献は全体として参照により本明細書中に取り込まれる。
【0028】
カルボキサミド化合物に加えて、他のコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤としては、3-ニトロプロピオン酸及びマロン酸ナトリウムなどの化合物が挙げられる。
【0029】
カルボキサミド化合物は、ラセミ体として又は鏡像異性的に純粋な形態で、又は鏡像異性体の濃縮混合物として使用することができる。また、塩又は酸付加化合物を用いることもできる。塩は、カルボキサミドのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄及び銅の塩であってもよい。同様に、酸付加化合物、及び、具体的には、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸および臭化水素酸、カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、酒石酸及びシュウ酸、スルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸及び硫酸、リン酸、及び硝酸との付加物を用いることもできることが理解されるべきである。
【0030】
本発明の一つの特定の実施形態において、カルボキサミドはペンフルフェンである。ペンフルフェンは、ラセミ体として又は鏡像異性的に純粋な形態で、又は鏡像異性体の濃縮混合物として使用することができる。また、塩又は酸付加化合物を用いることもできる。塩は、ペンフルフェンのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄及び銅の塩であってもよい。同様に、酸付加化合物、及び、具体的には、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸および臭化水素酸、カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、酒石酸及びシュウ酸、スルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸及び硫酸、リン酸、及び硝酸との付加物を用いることもできることが理解されるべきである。
【0031】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤に加えることができる増強剤は、一般的に、それ自身による抗菌特性をあったとしてもほとんど示さない化合物であり、一般的に安価であり、化合物の特定の種類内において容易に入手可能な化合物である。増強剤の種類としては、キレート剤、有機酸及びそのエステル、アミン、アミンオキシド、カルボン酸アンモニウム塩、アルデヒド、排出ポンプ阻害剤、他の酵素阻害剤、ベタイン、アミド、抗酸化剤、天然化合物、スルホンアミド(呼吸阻害剤)、及び他の多岐にわたる化合物が挙げられる。
【0032】
増強剤としての使用に好適なキレート剤としては、例えば、鉄、カルシウム、マグネシウム及び他の硬質金属キレート剤、並びに銅又は他の「軟質」金属のキレート剤が挙げられる。例示的な鉄、カルシウム、マグネシウム及び他の硬質金属キレート剤としては、これらに限定されるものではないが、グリコール酸、サリチル酸、クエン酸、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N,N'-ビス(2-ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N'二酢酸(HBED)、N,N'-1,2-エタンジイルビス-アスパラギン酸 (エチレンジアミンジコハク酸(EDDS))、3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン(マルトール)、1,2-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ピリジノン、8-ヒドロキシキノリン、フィチン酸、N,N-ビス(カルボキシメチル)-L-グルタミン酸 (GLDA)、サリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラジン(SIH)、1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸 (HEDP)、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、デヒドロ酢酸(DHA)、及びそれらの塩及び混合物が挙げられる。他の類似の鉄、カルシウム又はマグネシウムキレート剤も用いることができる。好適な銅又は他の「軟質」金属キレート剤としては、これらに限定されるものではないが、トリエチレンテトラミン、ネオクプロイン、βツヤプリシン(beta-thujaplcin)、トロポロン、2,6-ピリジンジカルボン酸(DPC)、及びそれらの混合物が挙げられる。他の類似の軟質金属キレート剤も用いることができる。
【0033】
増強剤としての使用に好適な有機酸としては、これらに限定されるものではないが、例えば、乳酸、酒石酸(tartartic acid)、オクタン酸、ウンデカン酸、安息香酸、アビエチン酸、及びそれらの混合物及び塩が挙げられる。他の類似の有機酸も用いることができる。例えば、ドデカン酸2,3-ジヒドロキシプロピルエステル(dodecanoic acid 2,3-diydroxypropyl ester)などのような有機酸のエステルを用いてもよい。
【0034】
増強剤としての使用に好適なアミンとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、ミリスチルアミン、トマミン(Tomamine) d16 (C16 アルキルエーテルアミン)、トマミン(Tomamine) d14(C14 アルキルエーテルアミン)、N,N-ジメチルデカンアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジイソプロパノールアミン(diisoproanolamine)、オレイルアミン、エタノールアミン、エトキシル化アミン、例えばN,N',N'-ポリオキシエチレン(15)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン、及びそれらの混合物が挙げられる。他の類似のアミンも用いることができる。
【0035】
増強剤としての使用に好適なアミンオキシドとしては、トリ脂肪族置換アミンオキシド(trialiphatic substituted amine oxide)、N-アルキル化環状アミンオキシド、ジアルキルピペラジンジ-N-オキシド(dialkylpiperazine di-N-oxide)、アルキルジ(ヒドロキシアルキル)アミンオキシド、ジアルキルベンジルアミンオキシド、脂肪アミドプロピルジメチルアミンオキシド(fatty amido propyldimethyl amine oxide)並びにそれらのジアミンオキシド又はトリアミンオキシドが挙げられる。他の類似のアミンオキシドも用いることができる。
【0036】
増強剤としての使用に好適なカルボン酸アンモニウム塩としては、任意のカルボン酸のアンモニウム塩が挙げられる。例えば、アンモニウムカチオンは、任意の上記カルボキサミドを合成するために用いられる第一級、第二級又は第三級アミン前駆体から由来することができる。同様に、カルボン酸アニオンは、上記カルボキサミドのいずれかのカルボン酸前駆体であり得る。
【0037】
長鎖グリコールとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、カプリリルグリコール(capyryl glycol)、デカンジオール、及び他の類似のジオールが挙げられる。
【0038】
例えばドデカンアミドなどのアミドを用いてもよい。
【0039】
例えばココアミドプロピルジメチルベタインなどのベタインを用いてもよい。
【0040】
増強剤としての使用に好適なアルデヒドとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、シンナムアルデヒド(cimmamaldehyde)、メタアルデヒド、グルタルアルデヒド、及びそれらの混合物が挙げられる。他の類似のアルデヒドを増強剤として用いることもできる。
【0041】
排出ポンプ阻害剤 (EPI's)としては、これらに限定されるものではないが、例えば、フェニル-アルギニン-b-ナフチルアミド(PAbN)、ベルベリン、レセルピン、ファルネソール、及びピペリンが挙げられる。他のEFI's並びにそれらの混合物も用いることもできる。
【0042】
増強剤としての使用に好適な他の酵素阻害剤としては、これらに限定されるものではないが、例えば、リゾチームが挙げられる。
【0043】
好適な天然化合物としては、これらに限定されるものではないが、例えば、チモール、ヒドロキシチロソール、ヒドロキシカビコール、フラボノイド、カルバクロール(carvacol)、ティーツリー油(tea tree oil)、テルピネン-4-オール、イソチオシアン酸アリル、ヘキセナール、フィトスフィンゴシン(phytoshingosine)、及び他の類似の化合物が挙げられる。これらの化合物の混合物を用いてもよい。
【0044】
好適なスルホンアミド(呼吸阻害剤)としては、これらに限定されるものではないが、例えば、スルファニルアミド、p-トルエンスルホンアミド、4-カルボキシベンゼンスルホンアミド(4-carboxbenzenesulfonamide)、4-アミノ-6-クロロ-1,3-ベンゼンジスルホンアミド、4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド、及び他の類似のスルホンアミドが挙げられる。これらのスルホンアミドの混合物を用いることもできる。
【0045】
他の多岐にわたる化合物としては、これらに限定されるものではないが、例えば、硫酸テトラキスヒドロキシメチルホスホニウム、塩化トリブチルテトラデシルホスホニウム、及び塩酸グアニジンが挙げられる。他の類似の化合物並びにこれらの化合物の混合物を用いてもよい。
【0046】
一般的に、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤は、本発明に従って、有効量の増強剤とともに提供される。本明細書における有効量は、単独の阻害剤と比較して、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤の有効性を向上させる任意の増強剤の量を意味する。例えば、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の混合物は、重量基準で約100:1対約1:100の比率の範囲で提供される。典型的には、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の比率は、重量基準で50:1対約1:50の比率の範囲であるだろう。より典型的には、それらの成分の比率は、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の重量基準で、約10:1対約1:10の範囲であるだろう。実際の比率は、増強剤及び選択される特定のコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤によって決まるだろう。
【0047】
本発明の一つの特定の実施形態において、増強剤は、スルホンアミド化合物を含有する。上記の任意のスルホンアミドを増強剤として用いてもよい。さらなる実施形態において、スルホンアミドは、追加的な増強剤と併せて用いられる。
【0048】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤及び増強剤の組成物は、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤化合物単独よりも生物(organisms)に対してより有効であることが発見された。本発明の組成物が有効である例示的な微生物としては、これらに限定されるものではないが、ボトリチス属(Botrytis spp.)、リゾプス属(Rhizopus spp.)、ペニシリウム属(Penicillium spp.)、クラドスポリウム属(Cladosporium spp.)、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)を含むアスペルギルス属(Aspergillus spp.)、アルテルナリア属(Alternaria spp.)、フザリウム属(Fusarium spp.)、アウレオバシジウム属(Aerobasidium spp.)、及びトリコデルマ属(Trichoderma spp.)が挙げられる。
【0049】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤及び増強剤に加えて、組成物は、抗菌性成分として機能する追加的な化合物又は成分をさらに有してもよい。これらの追加的な化合物又は成分は、組成物において、本質的に、共殺生物剤(co-biocides)として機能する。追加的な抗菌性成分又は組成物は、特定の成分の活性又は得られる組成物の使用に基づいて選択することができる。
【0050】
木材(timber)、製材(lumber)、及び他の木製品(例えば、合板、パーティクルボード、ファイバーボード及び配向性ストランドボード(OSB))並びに木材複合体(プラスチック木材)などの木の場合において、追加的な化合物または成分は、抗真菌性(fungicidal)、抗菌性(bactericidal)又は殺虫性(insecticidal)の特性を有することが知られている化合物または組成物であることができる。他の組成物の場合においては、個人ケア組成物、例えば抗ふけシャンプー、塗料及びコーティング組成物、シャンプー、ポリビニルクロリドなどのようなプラスチックへの添加剤、壁板(wall board)、金属加工油剤、作物保護剤、種子保護剤、及びカビ及び菌類を防除するのを必要とする他の類似の組成物が挙げられる。好適な追加的な成分としては、例えば、ベンズイミダゾール、イミダゾール、モルホリン誘導体、銅化合物、ピレスロイド、トリアゾール、スルフェンアミド、ホウ素化合物、ピリチオン化合物、第三級アミン、ハロアルキニル化合物、第四級アンモニウム化合物、フェノール、ピロール、ストロビルリン、フェニルスルファミド(phenylsulfamides)、亜鉛化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。他の類似の化合物又は種類の化合物を用いてもよい。所定の目的のために追加的な成分又は共殺生物剤を選択することは、当業者にとって明らかであるだろう。
【0051】
例示的なベンズイミダゾールとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、カルベンダジム、ベノミル、フベリダゾール、チアベンダゾール、又はそれらの塩が挙げられる。
【0052】
例示的なイミダゾールとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、クロトリマゾール、ビホナゾール、クリンバゾール、エコナゾール、フェナパニル(Fenapanil)、イマザリル、イソコナゾール、ケトコナゾール、ロンバゾール(Lombazol)、ミコナゾール、ペフラゾエート(Pefurazoat)、プロクロラズ、トリフルミゾール、並びにそれらの金属塩及び酸付加物が挙げられる。
【0053】
例示的なモルホリン誘導体としては、これらに限定されるものではないが、例えば、アルジモルフ、ジメトモルフ、ドデモルフ、ファリモルフ(falimorph)、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、及びトリモルファミド(Trimorphamid)、及びp-トルエンスルホン酸及びp-ドデシルフェニル-スルホン酸などのアリールスルホン酸塩が挙げられる。
【0054】
例示的な銅化合物としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ビス(N-シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)-銅(Cu-HDO)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、炭酸銅、硫酸銅、塩化銅、ホウ酸銅、クエン酸銅、8-ヒドロキシキノリンの銅塩、及びナフテン酸銅が挙げられる。
【0055】
例示的なピレスロイドとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、ペルメトリン、シペルメトリン、ビフェントリン、シフルトリン、デルタメトリン、プラレトリン、フェンバレレート、アレスリン、及びエトフェンプロックスが挙げられる。
【0056】
例示的なトリアゾールとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブタラゾール(diclobutrazol)、ジフェノコナゾール,ジニコナゾール、エポキシコナゾール、エタコナゾール(etaconazole)、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール(furconazole)、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、ミクロブタニル、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、及びウニコナゾール、及びそれらの金属塩及び酸付加物が挙げられる。
【0057】
例示的なイソチアゾリノンとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、N-メチルイソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-N-メチルイソチアゾリン-3-オン、4,5-ジクロロ-N-オクチルイソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-N-オクチルイソチアゾリノン、N-オクチル-イソチアゾリン-3-オン、4,5-トリメチレン-イソチアゾリノン、4,5-ベンゾイソチアゾリノン、2n-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、及び1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが挙げられる。
【0058】
例示的なスルフェンアミドとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、フォルペット、フルオロフォルペット、キャプタン、及びカプタホール(Captofol)が挙げられる。
【0059】
例示的なホウ素化合物としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ホウ酸、ホウ酸エステル、及びホウ砂が挙げられる。
【0060】
例示的なピリチオン化合物としては、これらに限定されるものではないが、亜鉛ピリチオン、銅ピリチオン、ナトリウムピリチオン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0061】
例示的な第三級アミンとしては、例えば、N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン、N-(3-アミノプロピル)-N-デシル-1,3-プロパンジアミン、N-(3-アミノプロピル)-N-テトラデシル-l,3-プロパンジアミン、並びにそれらの酸付加化合物が挙げられる。他の類似の第三級アミンを用いてもよい。
【0062】
例示的なハロアルキニル化合物としては、例えば、ヨードプロピニルカルバメート、例えば、3-ヨード-2-プロピニルプロピルカルバメート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、3-ヨード-2-プロピニルヘキシルカルバメート、3-ヨード-2-プロピニルシクロヘキシルカルバメート、3-ヨード-2-プロピニルフェニルカルバメート、及びそれらの混合物が挙げられる。他の類似のハロアルキニル化合物を用いてもよい。
【0063】
用いることができるフェノールとしては、例えば、トリブロモフェノール、テトラクロロフェノール、3-メチル-4-クロロフェノール、3,5-ジメチル-4-クロロフェノール、ジクロロフェン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、トリクロサン、ジクロサン(diclosan)、ヘキサクロロフェン、p-ヒドロキシ安息香酸、o-フェニルフェノール、m-Phe-ノニルフェノール、p-フェニルフェノール、4-(2-tert-ブチル-4-メチル-フェノキシ)-フェノール、4-(2-イソプロピル-4-メチル-フェノキシ)-フェノール、4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-フェノール、及びそのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩が挙げられる。 ペンタクロロフェノール及びペンタクロロフェノールナトリウムも挙げられる。他の類似の化合物を用いてもよい。
【0064】
第四級アンモニウム化合物としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、塩化ジクロロベンジルジメチルアルキルアンモニウム(Dichlorbenzyldimethylalkylammonium chloride)、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ジデシルメチルポリ (オキシエチル)、炭酸ジデシルジメチルアンモニウム、及び炭酸水素ジデシルジメチルアンモニウム(Didecyldimethylammonium hydrogen carbonate)、及びプロピオン酸アンモニウムが挙げられる。重合体の第四級アンモニウム化合物、例えばポリヘキサエチレンビグアニド(Polyhexaethylene Biguanide)を用いてもよい。他の第四級アンモニウム化合物を用いてもよい。
【0065】
ピロール殺菌剤、例えば、フルジオキソニル(fludioxinil);アゾキシストロビンなどのストロビルリン系殺菌剤;クロロタロニルなどの芳香族系殺菌剤;ジクロフルアニド又はトリルフルアニドなどのフェニルスルファミド系殺菌剤を用いてもよい。
【0066】
さらに、亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛又はホウ酸亜鉛を用いてもよい。
【0067】
アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アセトプロール、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレスリン、アルファ-シペルメトリン、アミドフルメト、アミトラズ、エバーメクチン(avermectin)、アザジラクチン、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロチン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バルスリン、4-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(エトキシメチル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピロール-3-カルボニトリル、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベータ-シフルトリン、ビフェントリン、ビオレスメトリン、ビオアレスリン、ビストリフルロン(bistrifluoron)、ブロモホスA、ブロモホスM、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン、ブタチオホス(Butathiophos)、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、キノメチオネート(chinomethionat)、クロエトカルブ、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロルデン、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、N-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-N'-シアノ-N-メチル-エタンイミドアミド、クロロピクリン、クロルピリホスA、クロルピリホスM、シス-レスメトリン、クロシスリン(Clocythrin)、クロチアゾベン(Clothiazoben)、シポフェノスリン(Cypophenothrin)、クロフェンテジン、クマホス、シアノホス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン、デカメスリン、デルタメトリン、ジメトンM、ジメトンS、ジメトン-S-メチル、ジアフェンチウロン、ジアリホス(Dialiphos)、ダイアジノン、1,2-ジベンゾイル-1-(1,1-ジメチル)ヒドラジン、DNOC、ジクロロフェンチオン、ジクロルボス、ジクリホス(Dicliphos)、ジクロトホス、ジフェチアロン、ジフルベンズロン、ジメトエート、3,5-ジメチルフェニルメチルカルバメート、ジメチル(フェニル)-シリル-メチル-3-フェノキシベンジルエーテル、ジメチル-(4-エトキシフェニル)-シリルメチル-3-フェノキシベンジルエーテル、ジメチルビンホス、ジオキサチオン、ジスルホトン、エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エムペントリン、エンドスルファン、o-エチル-o-(4-ニトロフェニル)-1-フェニルホスホノチオエート[o-ethyl-0-(4-nitrophenyl)-1 phenyl phosphonothioat]、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エトフェンプロックス、エトリムホス、エトキサゾール、エトベンザニド、フェナミホス、フェナザキン、酸化物、フェンフルスリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピロキシメート、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリピリム、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルピラゾホス、フルフェンジン(Flufenzine)、フルメトリン、フルフェンプロックス、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート(Formethanate)、ホルモチオン、フォスメチラン(Fosmethilan)、ホスチアゼート、ファブフェンプロクス(Fubfenprox)、フラチオカルブ、ハロフェノシド(Halofenocid)、HCH(CAS RN:58-89-9)、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、ヒドロプレン、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキシカルブ(Indoxycarb)、ヨードフェンフォス(Iodfenfos)、イプリノメクチン(Iprinomectin)、イプロベンホス、イサゾホス、イソアミドホス(Isoamidophos)、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソキサチオン、イベルメクチン、ラマ-シハロトリン(Lama-cyhalothrin)、ルフェヌロン、カデドリン(Kadedrin)、ラムダ-シハロトリン(Lambda-cyhalothrin)、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メルビンホス(Mervinphos)、メスルフェンホス(Mesulfenphos)、メタルデヒド、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メタルカルブ(Metalcarb)、ミルベメクチン、モノクロトホス、モキシエクチン(Moxiectin)、ナレド、ニコチン、ニテンピラム、ノビフルムロン、オメトエート(Omethoate)、オキサミル、オキシデメトンM、オキシデプロホス、パラチオンA、パラチオンM、ペンフルロン(Penfluron)、ペルメトリン、2-(4-フェノキシフェノキシ)エチル-エチルカルバメート、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカーブ、ピリミホスM、ピリミホスA、プラレスリン(prallethrin)、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、ピメトロジン(pymetrozin)、ピラクロホス(Pyrachlophos)、ピリダフェンチオン、ピレスメトリン、ピレスラム、ピリダベン、ピリダリル、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン(pyriproxifen)、キナルホス、ピリチオバックナトリウム、レスメトリン、ロテノン、サリチオン、セブフォス、シラフルオフェン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スルホテップ、スルプロホス、タウ-フルバリネート、タールオイル(Taroils)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、ターバム、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメタカルブ(Tetramethacarb)、チアクロプリド、チアフェノックス(Thiafenox)、チアメトキサム、チアプロニル(Thiapronil)、チオジカルブ、チオファノックス、チアゾホス(Thiazophos)、チオシクラム、チオメソン(Thiomethon)、チオナジン、スリンギエンシン、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアラテン(Triarathen)、トリアゾホス、トリアザメート、トリアズロン、トリクロロホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、バミドチオン、キシリルカルブ、ゼーターメスリン。
【0068】
さらに、殺藻剤及び除草剤を用いてもよい。例示的な殺藻剤及び除草剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。アセトクロール、アシフルオルフェン(acifluorfen)、スルファメート(sulfamate)、アクロニフェン、アクロレイン、アラクロール、アロキシジム、アメトリン、アミドスルフロン、アミトロール、アンモニウム(ammonium)、アニロホス、アシュラム、アトラジン、アザフェニジン、アジプトロトリン(Aziptrotryne)、アジムスルフロン、ベナゾリン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスルフィド(Bensulfide)、ベンタゾン、ベンゾフェンキャップ(Benzofencap)、ベンズチアズロン、ビフェノックス、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム、ホウ砂、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタミホス、ブトラリン、ブチレート、ビアラホス、ベンゾイルプロップ、ブロモブチド、ブトロキシジム、カルベタミド、カルフェントラゾン-エチル、カルフェンストロール(Carfenstrole)、クロメトキシフェン、クロラムベン、クロルブロムロン、クロルフルレノール、クロリダゾン、クロリムロン、クロルニトロフェン、クロロ酢酸、クロランスラム-メチル(Chloransulam-methyl)、シニドン-エチル、クロロトルロン、クロロクスロン、クロルプロファム、クロルスフロン、クロルタール、クロルチアミド、シンメチリン、シノフルスロン(Cinofulsuron)、クレフォキシジム(clefoxydim)、クレトジム、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、シアナミド、シアナジン、シブトリン(Cybutryne)、シクロエート、シクロキシジム、クロロキシニル(Chloroxynil)、クロジナホップ-プロパルギル(clodinafop-propargyl)、クミルロン、クロメトキシフェン、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、クロピラスルロン(Clopyrasuluron)、シクロスルファムロン、ジクロスラム、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジエタチル、ジフェノクスロン、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメタクロル、ジメチピン、ジニトラミン、ジノセブ、酢酸ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジクワット、ジチオピル、ジウロン、DNOC(2-メチル-4,6-ジニトロフェノール)、DSMA(メチルヒ酸二ナトリウム(disodium methylarsenate))、(2,4-ジクロロフェノキシ)酢酸、ダイムロン、ダラポン、ダゾメット、2,4-DB(4-(2,4-ジクロフェノキシ)ブタン酸)、デスメディファム、デスメトリン、ジカンバ、ジクロベニル、ジメタミド(Dimethamid)、ジチオピル、ジメタメトリン、エグリナジン、エンドタール、EPTC(-エチルジプロピルチオカルバメート(Ethyldipropylthiocarbamat))、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エチジムロン、エトフメセート、エトベンザニド(Ethobenzanid)、エトキシフェン、エタメツルフロン、エトキシスルフロン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェヌロン、フラムプロップ、フラムプロップ-M、フラザスルフロン、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フエナクロール(Fuenachlor)、フルクロラリン、フルフェナセット、フルメツロン(flumeturon)、フルオロクグリコフェン(Fluorocglycofen)、フルオロニトロフェン(Fluoronitrofen)、フルプロパネート、フルレノール、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フォメサフェン、ホサミン、フォサメチン(Fosametine)、フラムプロップ-イソプロピル、フラムプロップ-イソプロピル-L、フルフェンピル、フルミルクロラック-ペンチル、フルミプロピン、フルミオキシジム(Flumioxzim)、フルタモン、フルミオキサジン、フルピルスルフロン-メチル、フルチアセット-メチル、グリホサート、グルホシネート-アンモニウム、ハロキシホップ、ヘキサジノン、イマザメタベンズ、イソプロツロン、イソキサベン、イソキサピリホップ(isoxapyrifop)、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、アイオキシニル、イソプロパリン、イマゾスルフロン、イマゾモックス(Imazomox)、イソキサフルトール、イマザピック、ケトスピラドックス(Ketospiradox)、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MCPA(2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)酢酸)、MCPA-ヒドラジド、MCPA-チオエチル、MCPB(4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸)、メコプロップ、メコプロップ-P、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタベンズチアズロン、メタゾール、メトロプトリン(Methoroptryne)、メチルダイムロン、イソチオシアン酸エチル(ethylisothiocyanate)、メトブロムロン、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、モリネート、モナリド(Monalide)、モノリニュロン、MSMA(メチルヒ酸一ナトリウム(monosodium methy arsenate))、メトラクロール、メトスラム、メトベンズロン、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、ネブロン、ニコスルフロン、ノルフラゾン、塩素酸ナトリウム、オキサジアゾン、オキシフルオロフェン(oxyfluorfen)、オキシスルフロン(Oxysulfuron)、オルベンカルブ、オリザリン、オキサジアルギル、プロピザミド、プロスルホカルブ、ピラゾレート、ピラゾールスルフロン(Pyrazolsulfuran)、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリデート、パラコート、ペブレート、ペンディメタリン、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、ペンタノクロル、石油オイル(petroleum oils)、フェンメディファム、ピクロラム、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザフォブ(Propaquizafob)、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、ピリミノバック-メチル、ペラルゴン酸(pelargonic)、ピリチオバック、ピラフルフェン-エチル、キンメラック、キノクロアミン(Quinocloamine)、キザロホップ、キザロホップ-P、キンクロラック、リムスルフロン、セトキシジム、シフロン(Sifuron)、シマジン、シメトリン、スルホスルフロン、スルホメツロン、スルフェントラゾン、スルコトリオン、スルホサート、クレオソート(Creosote)、TCA(トリクロロ酢酸)、TCA-ナトリウム、テブタム、テブチウロン、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、チアザフルオロン(Thiazafluoron)、チフェンスルフロン、チオベンカルブ、チオカルバジル(thiocarbazil)、トラルコキシジム、トリアレート、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリクロピル、トリジファン、トリエタジン、トリフルラリン(trifluralin)、タイコール(TYCOR)、チジアジミン(thidiazimin)、チアゾピル、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、バーノレート(Vernolate)。
【0069】
本発明のコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤を含有する組成物は、慣習的な剤形、例えば、溶液、エマルション、懸濁液、粉末、泡、ペースト、顆粒、エアロゾル及びポリマー物質中の非常に微細なカプセルで用いることができる。コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤及び/又は追加的な殺生物剤をカプセル化することも可能である。
【0070】
さらに、活性化合物を、増量剤、例えば液体溶媒、圧力下の液化ガス及び/又は固体担体と、場合により界面活性剤、乳化剤及び/又は分散剤を使用して混合することにより、組成物を処置を必要とする表面又は物品に適用してもよい。好適な溶媒としては、水、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレンなどの有機溶媒、クロロベンゼン、塩化物又は塩化メチレンなどの塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、シクロヘキサン又はパラフィン(例えば石油留分)などの脂肪族炭化水素、ブタノール、グリセロール等のアルコール及びそのエーテル及びエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどの高極性溶剤、ならびに水が挙げられる。液化ガス状の増量剤又は担体は、常温及び常圧下で気体である液体、例えば、ハロゲン化炭化水素などのエアゾール噴射剤ならびにブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味する。好適な固体担体は、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又は珪藻土などの粉砕天然鉱物、及び、高分散シリカ(highly disperse silica)、アルミナ、ケイ酸塩などの粉砕合成鉱物である。粒剤に好適な固体担体は、例えば、方解石、大理石、軽石、セピオライト及びドロマイトなどの天然石の破砕及び分画物、ならびに無機及び有機粗砕粉の合成顆粒、ならびに鋸屑、ココナッツ殻、トウモロコシの穂軸、タバコ茎などの有機材料の顆粒である。乳化剤及び/又は泡沫形成剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテルなどの非イオン性及び陰イオン性乳化剤、例えば、アルキルアリール(alkylaryl)、アルキル硫酸塩(alkyl sulfates)、アリールスルホン酸塩(aryl sulphonates)、ならびにアルブミンである。好適な分散剤は、例えば、リグニン亜硫酸塩液(ligninsulfite liquors)およびメチルセルロースである。
【0071】
本発明を、以下の実施例により詳細にさらに説明する。以下の実施例は、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤との増強剤の効果を示すことを意味し、本発明を限定することを意図しない。
【0072】
[実施例]
【0073】
実施例1
【0074】
ペンフルフェンの試料原液を20000ppm(活性成分)でDMSO中で調製した。ペンフルフェン及び増強剤の連続希釈をDMSOで96ウェルプレート中で行い、各ウェルから10μlの溶液を新しい平底96ウェルプレートに移し、マイクロタイタープレート最小阻害濃度(MIC)試験を実施した。試験した増強剤を表1に示す。
【0075】
【0076】
寒天斜面上に生育した微生物を、標準的な微生物学的技術を用いて回収した。カビの胞子の数を血球計を用いて計数することで決定し、次いで、接種材料を表2に示す培地中で調製した。そして、190μlの接種材料を10μlの連続希釈した試料溶液を含有する各ウェル中に添加した。試料の開始濃度は1000ppmであり、5%のDMSOを含有する。カビ胞子の最終濃度は、約104/mLに設定した。
【0077】
表2に、試験生物、適当な培養液及び培養条件の詳細を示す。培養後、データが集計され、視覚的に微生物の増殖を阻害した最低濃度をMICとして記録した(表3A、3B、3C、3D及び3E)。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
上記表から理解できるように、列記された増強剤の各々は活性成分ペンフルフェンの量を減少させた。特定の微生物因子(microbial agents)に対しては、増強剤及びアクティブ(active)の組み合わせは、微生物因子の増殖を阻害するのに必要とされる活性成分の量において1倍、2倍又はそれ以上の減少を達成できた。
【0085】
(実施例2)
【0086】
ペンフルフェン、8つのペンフルフェン-増強剤ブレンド及び8つの増強剤を含む合計17つの試料を評価した。試料中におけるペンフルフェン及び増強剤の濃度を表4に示す。
【0087】
【表8】
【0088】
手順
【0089】
腐朽菌アントロディア・シヌオサ(Antrodia sinuosa)及びコニオフォラ・プテアナ(Coniophora puteana)を、GTSの微生物研究所の真菌コレクション(GTS microbiology lab fungal collection)から取得し、28℃でポテトデキストロース寒天上で培養した。
【0090】
試料は、試験のために、試料中におけるペンフルフェンの濃度に基づいて1,000ppmのアクティブの開始濃度で希釈した。試料は、寒天が固まる前に、溶融したポテトデキストロース寒天中に連続希釈した。活性のある真菌の菌糸の成長を有する寒天の塊(plugs)を調製した寒天表面上で培養した。寒天プレートを28℃で9日間培養し、培養後、菌糸の成長を完全に阻害することが観察されたアクティブの最小濃度を立体顕微鏡による検査で決定した。
【0091】
結果
【0092】
表5に、腐朽菌に対するペンフルフェン、増強剤及び相乗作用(potentiation)ブレンドのMIC値を示す。
【0093】
報告したすべての濃度単位はppmである。「アクティブ(Active)」は、存在するペンフルフェンを指し、「増強剤(Potentiator)」は、各試料における増強剤である。「アクティブ(Act)」及び「増強剤(Pot)」は、それぞれ、増殖を阻害した最も高い希釈におけるアクティブ及び増強剤の濃度である(MIC値)。アクティブの値のみが示される赤で強調表示された最初の行はアクティブ単独のMICであり、増強剤の値のみが示される各々の列は増強剤単独のMICである。MIC値がアクティブ単独のMICの75%よりも減少した全ての組み合わせ(2x希釈の2つのレベル)は緑で強調表示されている。
【0094】
論評
【0095】
この研究で試験した9つのペンフルフェン-増強剤ブレンドのうち8つが、、ペンフルフェン単独と比較して75%から94%の範囲に亘る顕著なMIC減少により、2つの腐朽菌に対して相乗作用の証拠を示した。
【0096】
【表9】
【0097】
以上、本発明をその特定の実施形態を参照して説明したが、本明細書で開示される本発明の概念から逸脱することなく多くの変更、修正及び変形を行うことができることは明らかである。したがって、添付された特許請求の範囲の主旨及び広い範囲内に入る全てのそのような変更、修正及び変形を包含することが意図される。
(付記)
(付記1)
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤及び有効量の増強剤を含む組成物。
(付記2)
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤が、カルボキサミド化合物を含む、付記1に記載の組成物。
(付記3)
カルボキサミド化合物は、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フェンヘキサミド、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、イソチアニル、キララキシル、メプロニル、メタラキシル、メタラキシル-M(メフェノキサム)、オフラセ、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、テクロフタラム、チフルザミド、チアジニル、2-アミノ-4-メチル-チアゾール-5-カルボキサニリド、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2-(1,3,3-トリメチル-ブチル)-フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ、フルメトベル、フルオピコリド、フルオピラム、ゾキサミド、カルプロパミド、ジシクロメット、マンジプロパミド、オキシテトラサイクリン、シルチオファム、N-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボン酸アミド、ナイアシンアミド、並びにそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む、付記2に記載の組成物。
(付記4)
カルボキサミドが、ペンフルフェンを含む、付記3に記載の組成物。
(付記5)
増強剤が、キレート剤、有機酸及びそのエステル、アミン、アミンオキシド、カルボン酸アンモニウム、アルデヒド、排出ポンプ阻害剤、他の酵素阻害剤、ベタイン、アミド、抗酸化剤、天然化合物、スルホンアミド(呼吸阻害剤)、又はそれらの混合物である、付記1に記載の組成物。
(付記6)
増強剤が、グリコール酸、サリチル酸、クエン酸、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N,N'-ビス(2-ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N'二酢酸(HBED)、N,N'-1,2-エタンジイルビス-アスパラギン酸(エチレンジアミンジコハク酸(EDDS))、3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン(マルトール)、1,2-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ピリジノン、8-ヒドロキシキノリン、フィチン酸、N,N-bis(カルボキシメチル)-L-グルタミン酸(GLDA)、サリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラジン(SIH)、1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸(HEDP)、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、トリエチレンテトラミン、ネオクプロイン、βツヤプリシン、トロポロン、2,6-ピリジンジカルボン酸(DPC)、乳酸、酒石酸、オクタン酸、ウンデカン酸、ミリスチルアミン、トマミンd16(C16アルキルエーテルアミン)、トマミンd14(C14アルキルエーテルアミン)、N,N-ジメチルデカンアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジイソプロパノールアミン、オレイルアミン、エタノールアミン、トリ脂肪族置換アミンオキシド、N-アルキル化環状アミンオキシド、ジアルキルピペラジンジ-N-オキシド、アルキルジ(ヒドロキシアルキル)アミンオキシド、ジアルキルベンジルアミンオキシド、脂肪アミドプロピルジメチルアミンオキシド及びそれらのジアミンオキシド又はトリアミンオキシド、カプリリルグリコール、デカンジオール、シンナムアルデヒド、メタアルデヒド、グルタルアルデヒド、ドデカンアミド、フェニル-アルギニン-b-ナフチルアミド(PAbN)、ベルベリン、レセルピン、ファルネソール、ピペリン、リゾチーム、チモール、ヒドロキシチロソール、ヒドロキシカビコール、フラボノイド、カルバクロール、ティーツリー油、テルピネン-4-オール、イソチオシアン酸アリル、ヘキセナール、フィトスフィンゴシン、スルファニルアミド、p-トルエンスルホンアミド、4-カルボキシベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-6-クロロ-1,3-ベンゼンジスルホンアミド、4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド、硫酸テトラキスヒドロキシメチルホスホニウム、塩化トリブチルテトラデシルホスホニウム、塩酸グアニジンからなる群から選択される1種以上の化合物を含む、付記1に記載の組成物。
(付記7)
増強剤が、スルホンアミド化合物を含む、付記5に記載の組成物。
(付記8)
スルホンアミド化合物が、スルファニルアミド、p-トルエンスルホンアミド、4-カルボキシベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-6-クロロ-1,3-ベンゼンジスルホンアミド、4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホンアミドからなる群から選択される、付記7に記載の組成物。
(付記9)
増強剤が、スルホンアミド以外の追加的な増強剤をさらに含む、付記7に記載の組成物。
(付記10)
増強剤が、トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジメチルドデシルアミン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ココアミンオキシド、イソノナン酸、(Z)-オクタ-9-デセニルアミン、トルエンスルホンアミド、デヒドロアスコルビン酸亜鉛塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、付記1に記載の組成物。
(付記11)
追加的な増強剤が、トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジメチルドデシルアミン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ココアミンオキシド、イソノナン酸、(Z)-オクタ-9-デセニルアミン、トルエンスルホンアミド、デヒドロアスコルビン酸亜鉛塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む、付記9に記載の組成物。
(付記12)
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の重量比率が、約100:1〜約1:100である、付記1乃至11のいずれかに記載の組成物。
(付記13)
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の重量比率が、約50:1〜約1:50である、付記12に記載の組成物。
(付記14)
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤対増強剤の重量比率が、約10:1〜約1:10である、付記13に記載の組成物。
(付記15)
追加的な抗菌性成分をさらに含む、付記1に記載の組成物。
(付記16)
追加的な抗菌性成分が、ベンズイミダゾール、イミダゾール、モルホリン誘導体、銅化合物、ピレスロイド、トリアゾール、スルホンアミド、ホウ素化合物、ピリチオン化合物、及びそれらの混合物の群からの少なくとも1種の更なる化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含む、付記15に記載の組成物。
(付記17)
追加的な抗菌性成分が、亜鉛ピリチオンを含む、付記16に記載の組成物。
(付記18)
付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を木に適用することを含む、木を処置する方法。
(付記19)
付記18に記載の方法に従って製造された、処置された木。
(付記20)
付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を作物に適用することを含む、作物を保護する方法。
(付記21)
付記20に記載の方法に従って製造された、処置された作物。
(付記22)
付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を種子に適用することを含む、種子を保護する方法。
(付記23)
付記22に記載の方法に従って製造された、処置された種子。
(付記24)
付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を、処置を必要とする哺乳類の髪に適用することを含む、処置を必要とする哺乳類におけるふけを処置する方法。
(付記25)
基材成分及び付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を含む塗料。
(付記26)
基材成分及び付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を含む、抗菌特性を有するプラスチック材料。
(付記27)
付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を壁板に適用することを含む、壁板を処置する方法。
(付記28)
付記27に記載の方法に従って製造された、処置された壁板。
(付記29)
付記1乃至17のいずれかに記載の組成物を金属加工油剤に添加することを含む、金属加工油剤を処置する方法。