(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469600
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
E06B9/52 E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-20054(P2016-20054)
(22)【出願日】2016年2月4日
(62)【分割の表示】特願2015-131577(P2015-131577)の分割
【原出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-14885(P2017-14885A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000107930
【氏名又は名称】セイキ販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−79414(JP,A)
【文献】
特開2012−149504(JP,A)
【文献】
米国特許第1869786(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52 − 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形に枠組みされたスクリーン枠における一対の対向する枠材の対面部にそれぞれ凹溝を形成し、該凹溝内に、該枠材の長手方向に沿うスリットを設けたインナーレールを収容し、上記一対の枠材に取り付けるスクリーンの一対の側端に沿って、上記スリットの内側に沿って摺動自在に係合する多数の係合部片を設け、それらを上記スリットの内側に係合させ、上記スクリーンにおける他の一対の対向辺には、それぞれ上記スクリーン枠に離脱可能に保持させた操作用桟を取り付け、該操作用桟によって該スクリーンをインナーレールのスリットに沿って導出入可能にしたスクリーン装置において、
上記スクリーン枠の表面におけるスクリーンの操作用桟が導出入する側の枠材の内側端に、スクリーンの対向辺に設けた一対の操作用桟が弾性的に着脱自在に嵌入係止される凹所を形成し、上記操作用桟は、該凹所に嵌入するスクリーン連結部と凹所への着脱操作のために該連結部の外面から凹所外まで延びる操作部とを備え、該操作用桟の長さは、インナーレールを収容したスクリーン枠の一対の対向する枠材間の内法よりも短いものとし、
上記スクリーン枠については、それを設置する建物開口部の形態に適合させるための構造部分を除き、上記スクリーン枠及び上記一対の操作用桟の形状を上下対称状に形成し、スクリーンをその両端のいずれの操作用桟の方向にも出し入れ可能に形成した、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
上記一対の操作用桟のスクリーン連結部を、上記凹所に嵌入する筒状に形成し、該スクリーン連結部におけるスクリーンの端部に接する面にスリットを設けて、スクリーンの上下端に取り付けた多数の係合部片をその内側に係合させることにより、該スクリーンを着脱可能にし、該連結部の外面から凹所外まで延びる上記操作部は、それ自体の弾性変形により外面に設けた突条を凹所内の係合溝に係止させて、操作用桟を凹所に着脱自在にしている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン枠に対してスクリーンを張設し、或いは張設したスクリーンをメンテナンス等のために取り外すに際し、それらの操作を容易にしたスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高層マンション等に設置された網戸が落下するなどにより発生する事故を防止するため、該マンション等の網戸を建物開口部枠に固定したり、網戸そのものをサッシの室内側に設置したりするなど対応策が常態化しつつある。このような状況下では、網戸におけるネットの張り替えや洗浄を一般のユーザーに行わせるのは、上記事故の発生を十分に防止できるとは言えず、専門的な技術を有する作業者であっても安全性に疑問がある。
【0003】
このような観点から、建物開口部において、網戸枠に防虫用等のスクリーンを、洗浄等のメンテナンスや交換等のために着脱可能にしたスクリーン装置は、既に特許文献1等において開示されている。該特許文献1に開示のスクリーン装置におけるスクリーンの取り付けは、窓用サッシの室内側に位置する左右一対の縦枠の対向部位に、該縦枠の長手方向に沿うスリットを設け、スクリーンの左右側端に沿って設けた係合部片を該スリットの内側に沿って上下摺動可能に係合させることによって行っている。そして、該スクリーンの上下端に着脱自在の保持部材を取り付け、それらを建物開口部の上下枠に着脱自在に保持させると共に、縦枠の摺動溝に沿って上下にガイド可能に構成しているが、スクリーンの着脱操作が容易なものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−172504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、四角形に枠組みされたスクリーン枠に対してスクリーンを張設し、或いは張設したスクリーンをメンテナンス等のために取り外すに際し、それらの操作を容易にしたスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明によれば、四角形に枠組みされたスクリーン枠における一対の対向する枠材の対面部にそれぞれ凹溝を形成し、該凹溝内に、該枠材の長手方向に沿うスリットを設けたインナーレールを収容し、上記一対の枠材に取り付けるスクリーンの一対の側端に沿って、上記スリットの内側に沿って摺動自在に係合する多数の係合部片を設け、それらを上記スリットの内側に係合させ、上記スクリーンにおける他の一対の対向辺には、それぞれ上記スクリーン枠に離脱可能に保持させた操作用桟を取り付け、該操作用桟によって該スクリーンをインナーレールのスリットに沿って導出入可能にしたスクリーン装置において、上記スクリーン枠の表面におけるスクリーンの操作用桟が導出入する側の枠材の内側端に、スクリーンの対向辺に設けた一対の操作用桟が弾性的に着脱自在に嵌入係止される凹所を形成し、上記操作用桟は、該凹所に嵌入するスクリーン連結部と凹所への着脱操作のために該連結部の外面から凹所外まで延びる操作部とを備え、該操作用桟の長さは、インナーレールを収容したスクリーン枠の一対の対向する枠材間の内法よりも短いものとし、上記スクリーン枠については、それを設置する建物開口部の形態に適合させるための構造部分を除き、上記スクリーン枠及び上記一対の操作用桟の形状を上下対称状に形成し、スクリーンをその両端のいずれの操作用桟の方向にも出し入れ可能に形成したことを特徴とするスクリーン装置が提供される。
【0007】
本発明に係るスクリーン装置の好ましい実施形態においては、上記一対の操作用桟のスクリーン連結部を、上記凹所に嵌入する筒状に形成し、該スクリーン連結部におけるスクリーンの端部に接する面にスリットを設けて、スクリーンの上下端に取り付けた多数の係合部片をその内側に係合させることにより、該スクリーンを着脱可能にし、該連結部の外面から凹所外まで延びる上記操作部は、それ自体の弾性変形により外面に設けた突条を凹所内の係合溝に係止させて、操作用桟を凹所に着脱自在にすることが望まれる。
【発明の効果】
【0008】
以上に詳述した本発明のスクリーン装置によれば、四角形に枠組みされたスクリーン枠に対してスクリーンを張設し、或いは張設したスクリーンをメンテナンス等のために取り外すに際し、それらの操作を容易にしたスクリーン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るスクリーン装置の実施例におけるスクリーンの弛緩状態を示すもので、(a)は右半のみを断面によって示す正面図、(b)は右半のみを横断面によって示す平面図である。
【
図2】同実施例におけるスクリーンの緊張状態を示すもので、(a)は右半のみを断面によって示す部分正面図、(b)は右半のみの部分平面図である。
【
図5】
図4におけるスクリーンの一部を引き出した状態の斜視図である。
【
図6】同実施例におけるスクリーンの緊張程度の調整部材及びその操作子の構成を分解して示す要部分解斜視図である。
【
図7】(a)は上記調整部材の弛緩状態、(b)はその緊張状態を示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜
図7は、本発明に係るスクリーン装置の実施例を示している。このスクリーン装置は、基本的には、四角形に枠組みされたスクリーン枠1に対してスクリーン4を張設し、或いは張設したスクリーン4をメンテナンス等のために該スクリーン枠1から取り外すに際し、それらの操作を容易にするだけでなく、張設後に該スクリーン4を容易に緊張状態に保持できるようにしたものであり、特に、高層のマンション等において、網戸を落下事故防止のために建物開口部枠に固定した場合などにおいて、網戸枠をサッシ等に固定したままでスクリーンのみを取り外すことで、該スクリーンの張り替えや洗浄を容易且つ安全に行うために有効なものである。
【0011】
上記スクリーン装置の構成について具体的に説明すると、スクリーン枠1は、防虫網等のスクリーン4を張設するために上下一対の枠材2,2及び左右各一対の枠材3,3を四角形に枠組みしたもので、一対の対向する左右の枠材3,3の内側の対面部に、それぞれ凹溝6を形成し、該凹溝6内に、該枠材3,3の長手方向に沿うスリット9を設けたインナーレール8を、該凹溝6内において出没方向の移動をガイドされた支持部材10を介して収容している。なお、上記インナーレール8は、支持部材10に固定し、或いはそれと一体化したものとして構成してもよい。また、上記一対の枠材3,3間に張設するスクリーン4には、その左右側端に沿って、上記スリット9の内側に沿って摺動自在に係合させる多数の係合部片12を設け、これらの係合部片12を上記インナーレール8のスリット9の内側に係合させることにより、左右の枠材3,3間にスクリーン4を保持させるように構成している。係合部片12としては、ファスナーの半体を利用することができる。
【0012】
一方、
図3及び
図5において明瞭に示すように、上記スクリーン4における上下の一対の対向辺には、それぞれ、上記スクリーン枠1に離脱可能に保持させた操作用桟15を取り付けている。これらの操作用桟15は、スクリーン枠1の上下の枠材2,2の表面の内側端に設けた凹所18に嵌入する角筒状のスクリーン連結部16と該連結部16の外面から凹所18外まで延びる操作部17とを備えている。上記スクリーン連結部16は、スクリーン4の端部に接する面にスリット16aを設けて、スクリーン4の上下端に取り付けた多数の係合部片4aをその内側に係合させることにより、該スクリーン4を着脱可能にしたものであり、また、上記操作部17は、凹所18外まで延びて操作用桟15の凹所18への着脱操作を容易にすると同時に、それ自体の弾性変形により外面に設けた突条17aを凹所18内の係合溝18aに係合させ、操作用桟15を凹所18に着脱自在に嵌入係止させ得るものである。
【0013】
上記スクリーン枠1に対するスクリーン4の組み付けは、該スクリーン枠1の左右の枠材3,3内に挿入しているインナーレール8のスリット9の内側に、一対のインナーレール8の一端側からスクリーン4の係合部片12を挿入して、インナーレール8の全長にわたり該スクリーン4を張設し、スクリーン4に上下方向の弛みがない状態において、スクリーン4の上下の対向辺に設けた一対の操作用桟15を、スクリーン枠1の表面の凹所18に嵌入係止させることにより行うものである。
【0014】
以下において詳述するように、上記スクリーン4を上記インナーレール8のスリット9間に張設する段階においては、インナーレール8に対する係合部片12の摺動が円滑であることが必要であり、そのため、
図2を参照して後述するように緊張機構を弛緩させ、スクリーン枠1の左右の枠材3,3内の一対のインナーレール8は、スクリーン4に緊張を与えない間隔が保持されるように、枠材3,3の内側の凹溝6の口部側に位置するようにしておく必要がある(
図1参照)。
【0015】
また、上記操作用桟15を両端に取り付けたスクリーン4を左右の枠材3,3間から円滑に取り外すためには、上記操作用桟15の長さを、スクリーン枠1におけるインナーレール8を内部に収容した一対の対向する枠材3,3間の内法よりも短いものとしておけばよく、
図5から分かるように、一方の操作用桟15を凹所18から取り出してそれに連結されているスクリーン4を引き出す際に、そのスクリーン4に随伴する他方の操作用桟15が、インナーレール8のスリット9に係合する係合片12により拘束されてスクリーン枠1内から大きく脱出することがなく、左右の枠材3,3間を移動することになる。該スクリーン4をスリット9に沿ってスクリーン枠1に導入する場合には、スクリーン4を上記とは逆の方向に移動させればよい。
【0016】
図3〜
図5を参照して上述したところから明らかなように、スクリーン4の上下端に取り付ける上記操作用桟15は、それぞれ断面形状が同じものを使用し、それをスクリーン4の上下に対称状に配置することができ、そのため、スクリーン枠1の上下の枠材2における凹所18の形状も対称状に設け、結果的に、スクリーン4を張設したスクリーン枠1は、それを設置する建物開口部のサッシ等の形態に適合させるために下部の枠材2に付設する転輪19aと、上部の枠材2に付設するガイド部材10bとを除いて、上下対称状に形成することができる。また、上記対称形状は、上下の操作用桟15の選択によりスクリーンをスクリーン枠1の上下いずれの方向にも引き出すことを可能にするものであり、特に、スクリーン4の取り外しを行う際に、このスクリーン枠の設置位置やその周囲の環境等に応じて、該スクリーン枠1からのスクリーン4の導出方向を自由に選択できるようにした構成は、作業の安全性を確保するために非常に有効なものである。
【0017】
次に、上記スクリーン枠1における左右の枠材3,3内のスリット9間にスクリーン4を張設し、該スクリーン4に上下方向の弛みがない状態で、スクリーン4の上下に設けた一対の操作用桟15をスクリーン枠1の表面の凹所18に嵌入係止させた後に、上記スクリーン枠1内に張設されたスクリーン4をピンと張った綺麗な仕上がりにするための緊張機構について説明する。
【0018】
上述の本発明に係るスクリーン装置の実施例における上記緊張機構の詳細は、
図1、
図2、
図6及び
図7に示している。この緊張機構は、基本的には、上記枠材3の凹溝6内に収容したインナーレール8を該凹溝6内において出没方向に移動させて、スクリーン4の緊張程度を調整する調整部材20を備えると共に、それらを操作する操作子25を枠材3の外面から容易に操作可能に設けたものである。
【0019】
実施例の緊張機構について更に具体的に説明すると、上記一対の枠材3,3に設ける調整部材20は、
図6及び
図7に示すように、上記枠材3の凹溝6内においてインナーレール8を保持する支持部材10に雌ネジ部片21を取付ネジ23で固定することにより構成し、該調整部材20を操作する操作子25は、上記雌ネジ部片21のネジ孔22に螺挿されている螺杆26により構成している。該螺杆26は、スクリーン枠1の枠材3に対してドライバー等の工具29により回転は可能であるが、軸線方向移動を制限するカバー27等の付設で該移動が不能に保持されたものである。
【0020】
従って、
図7の(a)に矢印Aで示す方向にドライバー29で螺杆26を回転させると、雌ネジ部片21が矢印a方向に移動し、結果的に、インナーレール8が同矢印a方向に移動してスクリーン4を弛緩させる位置をとり、逆に、同図(b)に矢印Bで示す方向にドライバー29で螺杆26を回転させると、雌ネジ部片21が矢印b方向に移動し、結果的に、インナーレール8が同矢印b方向に移動してスクリーン4を緊張させる位置をとるようになる。
【0021】
かかる構成の緊張機構によれば、スクリーン枠1からスクリーン4を取り外し、或いは、スクリーン枠1にスクリーン4を取り付ける際には、
図7の(a)に示す操作でスクリーン4を弛緩させる位置に調整し、スクリーン4をスクリーン枠1に装着した後に、スクリーン4の緊張程度を確かめながら、
図7の(b)に示す操作で該スクリーンを適度に緊張させる位置に調整すればよく、これらの操作は、操作子25である螺杆26を枠材3の外面から操作可能に設けているので、操作が非常に容易であって、操作の安全性を容易に確保することができる。
【0022】
なお、図示の例では、枠材3の凹溝6内において、インナーレール8を支持する支持部材10に雌ネジ部片21を付設しているが、インナーレール8と支持部材10を一体のものとして、操作子25の操作でそれに湾曲等の変形が生じないように構成できれば、その一体化したインナーレール8に上記雌ネジ部片21をも一体化したものとして構成することができる。また、図示の実施例では、上記緊張機構をスクリーン枠1の左右の枠材3にそれぞれ設けているが、操作の安全性を高めるためには、左右の一方のみの枠材3に設けることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 スクリーン枠
2,3 枠材
4 スクリーン
6 凹溝
8 インナーレール
9 スリット
12 係合部片
15 操作用桟
16 スクリーン連結部
17 操作部
18 凹所