特許第6469622号(P6469622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469622
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】側方型簡易排水装置及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/08 20060101AFI20190204BHJP
   E01C 11/02 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   E01D19/08
   E01C11/02 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-186743(P2016-186743)
(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公開番号】特開2018-53432(P2018-53432A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2017年7月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 平成28年9月1日 掲載アドレス http://www.nakaishoko.co.jp/ http://www.nakaishoko.co.jp/sokuhougatakannihaisuizai/
(73)【特許権者】
【識別番号】000210838
【氏名又は名称】中井商工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】大石 泰己
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−199905(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0008399(KR,A)
【文献】 特開2008−248494(JP,A)
【文献】 実公平02−002725(JP,Y2)
【文献】 特公平07−056124(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 19/00−19/16
E01C 11/00−11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋脚上で支持されている高架道路などの橋桁の桁端同士が対向する遊間の下部に取り付けられる排水装置であって、
橋脚と橋桁の床版との間の空間における遊間の下部を覆って遊間から流下する雨水などの漏水を受け止め且つ遊間の隙間変化に伴って伸縮可能となるように略U字型に形成される可撓性を有する止水シートと、
止水シートの長手方向の各端縁部に取り付けられ、止水シートの長手方向の各端縁部を水密に塞ぎ且つ止水シートの伸縮に追従可能な端部ジャバラ蓋と、
止水シートの下面に貫通して下方へ延びるように取り付けられ、遊間から止水シート内に流れ込んだ漏水を排水させる排水パイプと、
止水シートの長手方向に沿った左右の上縁部が外方へ向けて延ばされ、各上縁部の下部に全長にわたって配設されて止水シートを支持する堅牢な支持材と、
止水シートの各上縁部の上部に配設され、支持材とで止水シートの上縁部を挟み込んで固定する支持金具と、
堅牢な支持材の両端部に対して橋脚幅から食み出る床版下面から支持材を貫通して取り付けられ、当該側方型簡易排水装置を床版下面に固定する固定ボルトとを備え
上記支持材の両端部には、当該側方型簡易排水装置を橋脚と床版との間の空間内へ搬送するためのキャスターが取り外し可能に設けられている側方型簡易排水装置。
【請求項2】
請求項1に記載の側方型簡易排水装置において、
上記キャスターは、支持材の下側と上側とに設けられている側方型簡易排水装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の側方型簡易排水装置において、
上記支持金具上面と上記床版下面との間に密着して配設される第1漏水防止材と、
上記支持金具下面と上記止水シートの上縁部の上面との間に密着して配設される第2漏水防止材とを有する側方型簡易排水装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の側方型簡易排水装置を用意し、
橋脚と橋桁の床版との間の空間に対して遊間の長さ方向端部が露出する側方から、当該側方型簡易排水装置を長手方向一端部側のキャスターを橋脚上に載せて遊間の長さ方向に沿って挿入し、
遊間の下部に側方型簡易排水装置が対向して配置されると橋脚幅から食み出た支持材の両端部を床版下面に固定ボルトにより固定し、
上記キャスターは、側方型簡易排水装置を遊間の下部に配置した後、支持材に固定ボルトを固定する前又は固定ボルトの固定後に取り外すようにする側方型簡易排水装置の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋脚上で支持されている高架道路などの橋桁の桁端同士が対向する遊間の下部に取り付けられる側方型簡易排水装置及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高架道路などは、振動変位や熱膨張等を吸収できるように橋脚上で支承されている橋桁の桁端同士が対向する遊間(道路の継目間隙)が設けられている。この遊間からは雨水や融雪水などが高架道路下に流下して橋脚や主桁を濡らし腐食等の劣化を進行させてしまう。そのため、橋桁間の遊間に排水設備を設けることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、遊間の対面する側板間にゴム弾性を有する構成材料からなる排水樋を跨設する樋の取付け構造が開示されている。この樋の取付け構造では、樋が左右の側縁の外側に突出片を形成し、遊間の側板に突出片を係合させる突起を設け、樋を下方から押し入れた後に引き下げて突出片を突起に係合させ、突起に塗布した接着剤によって両者を接着させるようにして排水樋が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−150849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、橋脚上面と橋桁下面の床版との隙間は、狭い空間となっていることが多い。そのため、橋脚と床版との間の空間において人が入れないくらい狭く作業スペースが確保されない場所では、後付けで排水設備を設置することが実際上困難であった。
また、特許文献1の排水樋は、ゴム弾性材料からなるので撓みやすく、現場での作業時に排水樋が撓んで作業し難いことが懸念される。しかも、排水樋の上縁の突出片が遊間の側板の突起に接着剤で接着されているため、損傷した場合等には簡単に取り換えることができないものである。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、橋脚と橋桁の床版との隙間が狭い空間でも遊間の下部に簡単に排水設備を設置することができる側方型簡易排水装置及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る側方型簡易排水装置は、
橋脚上で支持されている高架道路などの橋桁の桁端同士が対向する遊間の下部に取り付けられる排水装置であって、
橋脚と橋桁の床版との間の空間における遊間の下部を覆って遊間から流下する雨水などの漏水を受け止め且つ遊間の隙間変化に伴って伸縮可能となるように略U字型に形成される可撓性を有する止水シートと、
止水シートの長手方向の各端縁部に取り付けられ、止水シートの長手方向の各端縁部を水密に塞ぎ且つ止水シートの伸縮に追従可能な端部ジャバラ蓋と、
止水シートの下面に貫通して下方へ延びるように取り付けられ、遊間から止水シート内に流れ込んだ漏水を排水させる排水パイプと、
止水シートの長手方向に沿った左右の上縁部が外方へ向けて延ばされ、各上縁部の下部に全長にわたって配設されて止水シートを支持する堅牢な支持材と、
止水シートの各上縁部の上部に配設され、支持材とで止水シートの上縁部を挟み込んで固定する支持金具と、
堅牢な支持材の両端部に対して橋脚幅から食み出る床版下面から支持材を貫通して取り付けられ、当該側方型簡易排水装置を床版下面に固定する固定ボルトとを備え
上記支持材の両端部には、当該側方型簡易排水装置を橋脚と床版との間の空間内へ搬送するためのキャスターが取り外し可能に設けられているものである。
【0008】
また、本発明に係る側方型簡易排水装置の施工方法は、
上記側方型簡易排水装置として上記支持材の両端部に当該側方型簡易排水装置を橋脚と床版との間の空間内へ搬送するためのキャスターが取り外し可能に設けられているものを用意し、
橋脚と橋桁の床版との間の空間に対して遊間の長さ方向端部が露出する側方から、当該側方型簡易排水装置を長手方向一端部側のキャスターを橋脚上に載せて遊間の長さ方向に沿って挿入し、
遊間の下部に側方型簡易排水装置が対向して配置されると橋脚幅から食み出た支持材の両端部を床版下面に固定ボルトにより固定し、
上記キャスターは、側方型簡易排水装置を遊間の下部に配置した後、支持材に固定ボルトを固定する前又は固定ボルトの固定後に取り外すようにするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、橋脚と橋桁の床版との隙間が狭く人が入り込めない空間でも遊間の下部に簡単に排水設備を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態による側方型簡易排水装置の設置状態を示す斜視図である。
図2】実施形態による側方型簡易排水装置を示す斜視図である。
図3】実施形態による側方型簡易排水装置(端部ジャバラ蓋を除く。)の構成を示す分解図である。
図4】実施形態による側方型簡易排水装置(端部ジャバラ蓋を除く。)において、端部の固定部分以外の部分(同図(a))と固定部分(同図(b))を示す断面模式図である。
図5】実施形態による側方型簡易排水装置の施工手順を説明するための模式図である。
図6】実施形態による側方型簡易排水装置の施工手順を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されず、特許請求の範囲内で任意に変更することが可能である。
【0012】
図1図2を参照して、実施形態の側方型簡易排水装置1は、橋脚21上で支承されている高架道路などの橋桁22の桁端23,23同士が対向する遊間24の下部に取り付けられるものである。側方型簡易排水装置1は、橋脚21とコンクリートの床版25との間の狭い空間26において遊間24の下部を覆うように配設される止水シート3を備えている。
【0013】
止水シート3は、例えば、ゴム引布から形成されており、止水性、耐久性、可撓性を有する。止水シート3は、無保持状態では長方形状の一枚のシートであるが、一対の堅牢な支持材4,4に支持されることより、略U字型に湾曲させて樋状に長く延びるように形成されている。止水シート3は、遊間24から流下する雨水などの漏水を受け止め且つ遊間24の隙間変化に応じて略U字型の幅が伸縮できるものである。止水シート3の長さは、設置する遊間24の下の橋脚21の幅(遊間24の長さ方向に一致する側の橋脚幅)よりも長く形成される。これにより、遊間24下の橋脚21や主桁などが遊間24から流下する漏水に晒されることがなく、橋脚21や主桁などが漏水で濡れて早期に腐食等して劣化することが防止される。
【0014】
止水シート3の長手方向の各端縁部には、半円状の端部ジャバラ蓋5が取り付けられている。端部ジャバラ蓋5は、止水シート3の長手方向の各端縁部を水密に塞ぎ且つ遊間24の間隔変化に伴う止水シート3の伸縮に追従できるものである。
【0015】
止水シート3の長手方向の一端側には、排水パイプ6が止水シート3の下面に貫通して下方へ延びるように取り付けられている。この排水パイプ6により、遊間24から止水シート3内に流れ込んだ漏水が排水される。排水パイプ6は、ゴムなどの柔軟性を有する部材から形成されており、端末には所定の排水経路に接続することができる。排水パイプ6の取付け位置は、側方型簡易排水装置1を橋脚21上の床版25下面に設置した状態で排水パイプ6が橋脚21から食み出る橋脚21の外側に配置されるように止水シート3の一端側に取り付けられているので、橋脚21と床版25との間の空間26が狭くても、排水パイプ6が邪魔にならず側方型簡易排水装置1を橋脚21と床版25との間の狭い空間26に配設することができる。なお、側方型簡易排水装置1を設置する床版25下面と橋脚21上面との間の空間26として、人は入り込めないが排水パイプ6を横向きに配置できるスペース的余裕がある場合は排水パイプ6の取付け位置として止水シート3の端部に限らず中央部等の任意の位置に取り付けることができる。
【0016】
止水シート3の長手方向に沿った左右の上縁部31,31には、支持材4,4が取り付けられている。支持材4は、堅牢な部材からなり、例えば、アルミ製の角パイプ6のような堅牢であり且つ軽量な部材で形成されている。支持材4は、左右に配設されて止水シート3の左右の上縁部31を全長にわたって固定することにより止水シート3を支持する。すなわち、図3図4(a)を参照して、外方へ向けて水平に延ばした止水シート3の上縁部31を支持材4の上面に配置して、この止水シート3の上縁部31の上部に平板状の長尺な支持金具7を配設して支持材4と支持金具7とにより止水シート3の上縁部31を挟み込むようにして、止水シート3の長さ方向の複数箇所に取付ボルト11を貫通させてナット12を締め付けて止水シート3を支持材4に固定して、止水シート3を一対の支持材4,4間に略U字型の形状に垂れ下がるように保持している。この場合、止水シート3は、底面が支持材4と平行となるように固定されるが、止水シート3の底面が排水パイプ6側に向かって下り勾配となるように固定されてもよい。
【0017】
支持材4及び支持金具7は、止水シート3と略同じ長さを有する。支持金具7の上面には、支持金具7の全長にわたって第1漏水防止材81が密着して配設されている(図3参照)。第1漏水防止材81は、例えば、ゴムなどのシール材により形成されている。従って、側方型簡易排水装置1を遊間24の下部を覆って床版25の下面に固定すると、第1漏水防止材81が床版25の下面に密着され、この第1漏水防止材81により、遊間24から流下する漏水が側方型簡易排水装置1の内側から床版25と支持金具7との間に浸入することを防止する。また、支持金具7の下面と止水シート3の上縁部31の上面との間には、支持金具7の全長にわたって第2漏水防止材82が密着して配設されている(図3参照)。第2漏水防止材82は、例えば、ゴムなどのシール材により形成されている。従って、この第2漏水防止材82により、遊間24から流下する漏水が側方型簡易排水装置1の内側から支持金具7と止水シート3の上縁部31との間に浸入することを防止する。よって、第1漏水防止材81及び第2漏水防止材82により、遊間24から側方型簡易排水装置1に流下する漏水が止水シート3と床版25との間から側方型簡易排水装置1の外側へ漏れ出すことを防止することができる。なお、支持材4、支持金具7、止水シート3の上縁部31、第2漏水防止材82には、複数の取付ボルト11を挿通させる複数の貫通孔13が設けられている。
【0018】
図1図4(b)を参照して、支持材4の長さ方向の両端部では、アンカーボルト(固定ボルト)14が支持材4の上下方向に貫通して床版25下面に固定され、これにより、側方型簡易排水装置1が遊間24の下部を覆うように遊間24に跨って床版25下面に取り付けられる。この場合、橋脚21と床版25との間の狭い空間26に位置する支持材4,4の中央部は床版25にボルト固定しなくても、支持材4,4の両端部をアンカーボルト14で床版25に固定することにより、堅牢な一対の支持材4,4により側方型簡易排水装置1を床版25の下面に安定保持することができる。なお、支持材4、支持金具7、止水シート3の上縁部31、第1漏水防止材81、第2漏水防止材82には、アンカーボルト14を挿通させる貫通孔15(図6参照)が設けられている。
【0019】
図2を参照して、側方型簡易排水装置1は、当該側方型簡易排水装置1を橋脚21と床版25との間の狭い空間26内へ搬送するためのキャスター91,95が取り外し可能に設けられている。これにより、側方型簡易排水装置1を設置する床版25下面と橋脚21上面との間の空間26が、人が入り込めない狭い空間26であっても、この橋脚21上面と床版25下面との間の狭い空間26内に橋脚21の側方から側方型簡易排水装置1を容易に送り込むことができる。
【0020】
キャスター91,95は、支持材4の両端部の下側と上側とに取り付けられている。下側のキャスター91は、下方に延びる2本の脚部93,93を有するH字形の基台92と、各脚部93,93の下端に取り付けられたコロ94,94とを有し、コロ94が下向きとなるように基台92の部分が左右の支持材4,4の端面に跨って取り付けられている。上側のキャスター95は、1本の角棒状の基台96と、基台96の長さ方向に並べて取り付けられた2つのコロ97,97とを有し、コロ97が上向きとなるように基台96の部分が下側のキャスター91よりも支持材4の中央部寄りの位置で左右の支持材4,4の上(第1漏水防止材81の露出面)に架け渡して取り付けられている。上下の各キャスター91,95は、例えば、粘着テープ98を基台92,96と支持材4との間に貼り付けて取り付けられ、粘着テープ98を剥がすことで支持材4から簡単に取り外せるようになっている。なお、キャスターは、支持材4の下側だけに取り付けるようにしてもよい。
【0021】
次に、図5図6を参照して、実施形態の側方型簡易排水装置1を遊間24に設置する施工手順を説明する。
予め施工現場の橋脚21幅や遊間24の間隔などに応じて上記構成の側方型簡易排水装置1を工場にて作製しておく。これにより、施工現場では、以下に述べるように側方型簡易排水装置1を遊間24下部に配置して床版25下面にアンカーボルト14で固定する程度の作業で済み、現場作業を軽減することができる。
施工現場では、橋脚21と橋桁22の床版25との間の空間26に対して遊間24の長さ方向端部が露出する橋脚21の側方から、側方型簡易排水装置1を長手方向一端部側のキャスター91,95を橋脚21上に配置させて遊間24の長さ方向に沿って挿入する(図5(a)(b)参照)。このとき、側方型簡易排水装置1は、一対の堅牢な支持材4,4で形状が安定して保持されているので、側方型簡易排水装置1が撓んで折れ曲がったりすることなく安定した姿勢で容易に取り扱うことができる。また、側方型簡易排水装置1の下側のキャスター91が橋脚21上面を円滑に転がり、上側のキャスター95が床版25下面に当たって円滑に転がるので、人が入り込めない橋脚21と床版25との間の狭い空間26内へ挿入する作業を橋脚21の側方から容易に且つ円滑に行うことができる。
側方型簡易排水装置1を橋脚21幅いっぱいに挿入して遊間24の下部に対向して配置すると(図5(c)参照)、側方型簡易排水装置1に取り付けていたキャスター91,95をすべて取り外す。各キャスター91,95は、側方型簡易排水装置1の両端部において支持材4に粘着テープ98で取り付けられているので、橋脚21の外側からの作業で粘着テープ98を剥がす等してキャスター91,95を側方型簡易排水装置1から簡単に取り外すことができる。
そして、橋脚21幅から食み出た床版25下面において遊間24を跨いだ各位置に打ち込んだアンカーボルト14を橋脚21幅から食み出た支持材4の両端部に上下に貫通させ締め付けて固定する(図6参照)。以上で、図1に示すように側方型簡易排水装置1が遊間24に跨って床版25下面に配設され、施工が完了する。
【0022】
以上のように、実施形態の側方型簡易排水装置1によれば、橋脚21と橋桁22の床版25との隙間が人の入り込めない狭い空間26であって作業スペースが確保されない現場でも、遊間24の下部に後付けで側方型簡易排水装置1を簡単に設置することができる。
側方型簡易排水装置1は、キャスター91,95が取り付けられているので、持ち運びがよく、また、現場での設置作業を容易に行うことができる。側方型簡易排水装置1は、一対の支持材4で形状が安定的に保持されているので、折れ曲がって撓んだりせず、取り扱いやすく現場での設置作業を容易に行うことができる。
側方型簡易排水装置1の床版25下面への固定は、橋脚21幅から食み出た床版25下面において側方型簡易排水装置1の両端部をアンカーボルト14により固定するので、側方型簡易排水装置1のメンテナンスや損傷等した場合でも橋脚21と床版25との間の狭い空間26に潜り込むことなく橋脚21の外側からの作業により簡単に取り換えることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 側方型簡易排水装置
3 止水シート
4 支持材
5 端部ジャバラ蓋
6 排水パイプ
7 支持金具
11 取付ボルト
12 ナット
13 貫通孔
14 アンカーボルト(固定ボルト)
21 橋脚
22 橋桁
23 桁端
24 遊間
25 床版
26 空間
31 上縁部
81 第1漏水防止材
82 第2漏水防止材
91 キャスター(下側)
93 脚部
92,96 基台
94,97 コロ
95 キャスター(上側)
98 粘着テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6