特許第6469642号(P6469642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6469642複数の点滴導管データ用グラフィカルユーザインターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469642
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】複数の点滴導管データ用グラフィカルユーザインターフェース
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/17 20180101AFI20190204BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20190204BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20190204BHJP
【FI】
   G16H20/17
   A61M5/142 530
   G06F3/0481
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-500683(P2016-500683)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-520885(P2016-520885A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】US2014020889
(87)【国際公開番号】WO2014164155
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2017年3月1日
(31)【優先権主張番号】13/802,339
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】ガリバルディ,フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】アカロウ,ヤレッド
【審査官】 松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0072379(US,A1)
【文献】 特表2008−535634(JP,A)
【文献】 米国特許第07999810(US,B1)
【文献】 特開2012−128554(JP,A)
【文献】 特表2005−501340(JP,A)
【文献】 特開2000−042103(JP,A)
【文献】 特開2009−151806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00−80/00
A61M 5/142
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記少なくとも1つのデータプロセッサと通信する薬剤順序付けシステムから、点滴を患者へ送達するための1つ以上の点滴順序を受信することと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記1つ以上の点滴順序を、前記患者、および、前記点滴を前記患者への送達のための点滴モジュールと関連付けることと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記少なくとも1つのデータプロセッサと通信する点滴モジュールから、前記点滴モジュールの複数の点滴導管それぞれの間で前記患者へ投与される前記点滴を特徴付けるデータを受信することと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記受信されたデータに基づいて、複数の点滴イベントおよびそれぞれのイベント時間を特定することと
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、グラフィカルユーザインターフェースを形成するように前記点滴イベントの一時的なビューを示すデータを生成することであって、前記一時的なビューは各導管を個別の通行レーンに分離し、各通行レーンは、離間して位置しており、他の通行レーンと異なり、前記それぞれのイベント時間において対応する前記導管の前記点滴イベントをリアルタイムで視覚化するタイムラインを含む、生成することと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、保存させてアクセスさせるように、生成した前記データをリモート計算システムへ送信することと、を含み、
各イベント種類は異なる視覚インジケータをグラフィカルユーザインターフェース内に持ち得て、それぞれの視覚インジケータによって示される各イベント種類は点滴開始時間、点滴終了時間、点滴一時停止および薬剤容器変更を含むコンピュータによって実行される方法。
【請求項2】
前記点滴イベントは、点滴開始時間、点滴終了時間、点滴一時停止および薬剤容器変更からなる群から選択されるイベント種類のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各タイムラインは、前記点滴順序におよび対応する前記導管に対する次の薬剤マイルストーンをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数の点滴種類があり、各点滴種類は、異なる視覚インジケータを前記グラフィカルユーザインターフェース内に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記受信されたデータのうち少なくとも一部は、前記患者へ薬剤を自動的に点滴する前記点滴モジュールから、コンピュータネットワークを介して受信される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記受信されたデータは、前記データが前記点滴モジュールによって生成される時にリアルタイムで受信される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記受信されたデータは、履歴データまたは検査データをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記特定することは、前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、規則エンジンおよび複数の事前規定された点滴イベント規則を用いて、前記受信されたデータが少なくとも1つの点滴イベントを含むかを決定することを含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記点滴イベントの前記一時的なビューと同時に、少なくとも1つの手動投与される薬剤を特徴付けるビューを、前記グラフィカルユーザインターフェース内に表示すること、をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
各通行レーン内において視覚化される前記点滴イベントは、点滴が前記対応する導管上において開始する開始時点から前記導管上の前記点滴が終了する終了時点まで伸長するバーを含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記特定された点滴イベントを特徴付けるデータをロードすることと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記特定された点滴イベントを特徴付けるデータを前記リモート計算システムへ送信することと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサによって、前記特定された点滴イベントを特徴付けるデータを保存することと、
のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
命令が少なくとも1つの前記計算システムの少なくとも1つのデータプロセッサによって実行されると、請求項1〜11のいずれかに記載の方法を実行するための動作が行われる前記命令を保存する非一時的コンピュータによって読み出し可能な記録媒体
【請求項13】
少なくとも1つのデータプロセッサと、
命令が少なくとも1つの前記データプロセッサによって実行されると、請求項1〜12のいずれかに記載の方法が行われる、前記命令を含むメモリと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年3月13日に出願された「複数の点滴導管データ用グラフィカルユーザインターフェース」という発明の名称の米国特許出願番号第13/802,339号への優先権を主張する。その内容は、これにより参照によって全部が取り入まれる。
【0002】
本明細書中に記載される本発明は、2つ以上の点滴導管を経由した患者への点滴を特徴付ける点滴関連データを表示するためのグラフィカルユーザインターフェースに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複雑かつ長期にわたる医療ケアを受けている患者は、例えば、静脈(IV)治療、患者制御による無痛療法、および注射器治療のような多様な機構を介して点滴される複数の薬剤を受けることが多い。特定の患者に対する点滴数が増えるにつれて、介護者からみた複雑性も増す。介護者は、いつどのような新規薬剤が到着するか、どのようなサンプルが収集されたか、いつ検査結果が準備されるか、検査結果からの兆候などを知る必要がある。さらに、点滴が多数である場合、完全かつ正確に看護を捉えることに関しては困難も発生し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様においては、複数の点滴導管それぞれの中で患者へ投与される点滴を特徴付けるデータが受信される。その後、複数の点滴イベントおよび各イベント時間が、受信されたデータに基づいて特定される。点滴イベントの一時的なビューがグラフィカルユーザインターフェース内に表示され、かつ/または、点滴イベントの一時的なビューがレポートの一部を形成する。この一時的なビューは、各導管を別個の通行レーンに分離し、各通行レーンは、各イベント時間における対応する導管についての点滴イベントを視覚化する。
【0005】
これらのイベントは、例えば、点滴開始時間、点滴終了時間、点滴一時停止、薬剤容器変更のようなイベント種類のものであり得る。各イベント種類は、異なる視覚インジケータをグラフィカルユーザインターフェース内に持ち得る。複数の点滴種類があり得、任意選択的に、各点滴種類は、異なる視覚インジケータをグラフィカルユーザインターフェース内に持ち得る。
【0006】
受信データのうち少なくとも一部が、患者へ薬剤を自動的に点滴する少なくとも1つの点滴モジュールからコンピュータネットワークを介して受信され得る。この受信データが少なくとも1つの点滴モジュールによって生成される際、当該データをリアルタイムで受信することができる。この受信データは、履歴データまたは検査データを含み得る。他の変形例において、受信データは、リアルタイムデータ、履歴データおよび検査データのうち少なくとも2つの組み合わせを含む。
【0007】
規則エンジンと、複数の事前規定された点滴イベント規則とを用いて、受信データが少なくとも1つの点滴イベントを含むかを決定することができる。
【0008】
いくつかの変形例において、グラフィカルユーザインターフェースは、点滴イベントの一時的なビューと同時に、少なくとも1つの手動投与される薬剤を特徴付けるビューも表示し得る。
【0009】
各通行レーン内において視覚化される点滴イベントは、対応する導管上で点滴が開始する開始時点から導管上の点滴が終了する終了時点まで伸長するバーを含み得る。
【0010】
グラフィカルユーザインターフェースのために生成されたデータは、メモリ中へロードされ、リモート計算システムへ送信され、かつ/または、メモリまたは他の永続記憶装置中へ保存され得る。
【0011】
命令を保存する非一時的なコンピュータで読み出し可能な媒体を含むコンピュータプログラム製品についても記載される。これらの命令が実行された場合、1つ以上の計算システムの1つ以上のデータプロセッサは、少なくとも1つのデータプロセッサにこの中で動作を行わせる。同様に、1つ以上のデータプロセッサと、1つ以上のデータプロセッサへ接続されたメモリとを含み得るコンピュータシステムについても記載される。このメモリは、少なくとも1つプロセッサに本明細書中に記載される動作のうち1つ以上を行わせる命令を一時的にまたは永久的に保存し得る。加えて、単一の計算システム内に設けられたかまたは2つ以上の計算システム間に分配された1つ以上のデータプロセッサによって実行される方法が実行され得る。このような計算システムは、1つ以上の接続を経由して接続され、データおよび/またはコマンドや他の命令等を交換する。1つ以上の接続は、これに限られないが、例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなどのネットワーク上の接続を含む。また、1つ以上の複雑な計算システムの間の直接の接続などを経由してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本明細書中に記載される本発明は、多数の利点を提供する。例えば、本明細書中に記載および例示されるグラフィカルユーザインターフェースを用いれば、介護者および/または薬剤師は、点滴がどの点滴導管を介してかつどのような期間にわたって提供されたかを容易に特定することができる。さらに、本明細書中に記載および例示されるグラフィカルユーザインターフェースを用いれば、会計専門家に、患者に与えられた様々な点滴の正確かつ完全な概観を与える、という点で有利であり、その結果それらは指定され正しく課金される。
【0013】
ここに記載される本発明の1つ以上の変形例の詳細は、以下の添付図面および明細書において説明される。ここに記載される本発明の他の特徴および利点は、明細書、図面および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】医療環境内の計算機環境を示すシステム図である。
【0015】
図2】複数の点滴導管についての点滴関連データを表示するグラフィカルユーザインターフェースのビューを示す第1の図である。
【0016】
図3】複数の点滴導管についての点滴関連データを表示するグラフィカルユーザインターフェースのビューを示す第2の図である。
【0017】
図4】複数の点滴導管についての点滴関連データを表示するグラフィカルユーザインターフェースのビューを示す第3の図である。
【0018】
図5図1の計算機環境の態様を示す図である。
【0019】
図6】点滴関連データをグラフィカルユーザインターフェース内に表示する方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、病院などの医療環境内の計算機環境100を示すシステム図である。多様なデバイスおよびシステムが、医療環境内にあるものおよび医療環境から遠隔にあるもののどちらも、少なくとも1つの計算機ネットワーク105を介して相互作用することができる。この計算機ネットワーク105は、多様なデバイスおよびシステム間におけるデジタル通信接続(すなわち、有線または無線)の任意の形態または媒体を提供することができる。通信ネットワークの例を挙げると、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)およびインターネットがある。いくつかの場合において、多様なデバイスおよびシステムのうち1つ以上は、ピアツーピア接続を介して(配線接続を介してまたは例えば、BluetoothまたはWiFiのような無線プロトコルを介して)直接的に相互作用することができる。加えて、いくつかの変形例において、デバイスおよびシステムのうち1つ以上は、携帯電話データネットワークを介して通信する。
【0021】
特に、計算機環境100の態様は、バックエンドコンポーネントを(例えばデータサーバ110として)含むか、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ115として)を含むか、またはフロンドエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本明細書中に記載される本発明の実現と相互作用をするグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ120として)を含むか、またはこのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロンドエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む計算システムにおいて実現される。クライアント120およびサーバ110、115は、概して相互に遠隔に配置され、典型的には通信ネットワーク105を通じて相互作用する。クライアント120とサーバ110、115との関係は、それぞれのコンピュータ上において実行しかつおよび相互にクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムに生じる。クライアント120は、医療環境内において多様な機能を提供するローカルアプリケーションを含む多様な計算機プラットフォームのいずれかであり得る。例えば、クライアント120には、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、およびタッチスクリーンインターフェースを備えた他のコンピュータが含まれるがこれらに限られるものではない。ローカルアプリケーションは、ネットワーク接続性が不要な点および/またはサーバ110、115(例えば、ウェブブラウザ)のうち1つ以上と相互作用し得る点において、自立型であり得る。
【0022】
多様なアプリケーションが、例えば、電子健康記録アプリケーション、医療デバイス監視、操作およびメンテナンスアプリケーション、スケジューリングアプリケーション、課金アプリケーションなどの計算機環境内の多様なデバイスおよびシステム上において実行され得る。
【0023】
ネットワーク105は、1つ以上のデータ保存システム125へ接続され得る。データ保存システム125は、医療環境内または専門施設内の物理的なデータ保存を提供するデータベースを含み得る。追加的にまたは代替的に、データ保存システム125は、例えばマルチテナント計算機環境中へのデータのリモート保存を提供するクラウドベースのシステムを含み得る。データ保存システム125は、非一時的なコンピュータで読み出し可能な媒体も含み得る。
【0024】
モバイル通信デバイス(MCD)130は、計算機環境100の一部も形成し得る。MCD130は、ネットワーク105を介して直接的に通信し、かつ/または、例えば携帯電話データネットワークのような中間ネットワークを介してネットワーク105と通信することができる。例えば、SMSおよびMMSのようなメッセージプロトコルを含む多様な種類の通信プロトコルが、MCD130によって用いられ得る。
【0025】
多様な種類の医療デバイス140が、計算機環境100の一部として用いられ得る。例えば、計算機環境は、薬剤を含む流体を患者へ送達するための多様なシステム/ユニットを含み得る。特定の種類の医療デバイス140の1つは、点滴モジュール140Aである。点滴モジュール140Aは、多様な種類の点滴ポンプ(例えば、蠕動点滴ポンプ、大量点滴ポンプおよび注射器ポンプ)を含み得る。点滴モジュール140Aは、ネットワーク105へ直接に接続されかつ/または医療デバイス140へ接続され、医療デバイス140はネットワーク140へ接続される。
【0026】
医療デバイス140は、他に明記無き限り、患者の1つ以上の生理学的測定を特徴付けかつ/または患者の治療を特徴付ける通信インターフェースを備える任意の種類のデバイスまたはシステムを含み得る。いくつかの場合において、医療デバイス140は、(ネットワーク105との通信と対照的に)ピアツーピア有線または無線通信を介して別の医療デバイス140と通信する。例えば、医療デバイス140は、他の医療デバイス140すなわち無線パルスオキシメータや、有線血圧モニターへ接続されたベッドサイドバイタルサインモニターを含み得る。医療デバイス140の1つ以上の動作パラメータは、臨床医によりローカルに制御されてもよいし、ネットワーク105を介して臨床医により制御されてもよいし、かつ/あるいはサーバ115、クライアント120、データ保存システム125、MCD130および/または別の医療デバイス140のうち1つ以上によって制御されてもよい。
【0027】
計算機環境100は、病院などの医療環境内に必要となり得るような多様な種類の機能を提供し得る。医療デバイス140は、患者の1つ以上の生理学的測定および/または患者の治療を特徴付けるデータを提供し得る(例えば、医療デバイス140は、点滴管理システムなどであり得る)。医療デバイス140によって生成されたデータは、他の医療デバイス140、サーバ110、115、クライアント120、MCD130へ伝達されかつ/またはデータ保存システム125中へ保存され得る。
【0028】
計算機環境100は、少なくとも1つの薬剤順序付けシステム145も含み得る(薬剤順序付けシステムは、病院環境における薬剤順序に関するあらゆる種類の装置を含む)。薬剤順序付けシステム145は、ネットワークへ接続され、生成および監視すべき順序(例えば、処方など)を可能にする。薬剤順序システム145は、例えば、アプリケーションサーバ115を介して、クライアント120およびMCD130のうち1つによってアクセスされ得る。薬剤順序付けシステム145は、少なくとも1つの点滴モジュール140Aを介して、事前規定された期間にわたって事前規定された順序に従って、患者内に点滴すべき複数の薬剤および/または他の流体を指定し得る。これらの順序は、データ保存システム125中に保存されかつ/または他のクライアント120、MCD130および/または医療デバイス140の1つ以上へ押し出され得る。いくつかの場合において、介護者は、(多様な生理学的センサーなどによって測定されるような)患者からの反応に基づいて、このような薬剤送達のタイミングおよび順序を変更する。
【0029】
医療デバイス140(例えば、点滴モジュール140A)のうち1つ以上は、患者へ送達される流体(例えば、薬剤)の量を監視し得る。患者へ送達される流体をここでは点滴と呼ぶ。他に明記無き限り、本明細書において薬剤に言及する場合、点滴モジュール140Aを介して患者へ送達される非薬剤流体(例えば、血液、生理食塩水など)を含むものとして解釈されるべきである。
【0030】
上記したように、薬剤などの流体を収容する容器は、薬剤師/臨床医によって順序付けられた量によって異なる場合が多い。1人以上の患者への点滴の追跡および監視のためのグラフィカルユーザインターフェースを含むソフトウェアにより実装される点滴管理プラットフォーム150が設けられ得る(以下で詳細に述べる)。点滴管理プラットフォーム150は、ネットワーク105を介して点滴モジュール140Aと通信する。点滴モジュール140Aは、特定の点滴に関連する多様な属性を含む/特徴づけるデータを、直接的にまたは間接的に点滴管理プラットフォーム150へ提供し得る(データは、例えば、患者識別子、薬剤容器識別子、薬剤種類、薬剤投与速度、点滴モジュール識別子などである)。このような属性は、例えば点滴モジュール140Aから送られたメッセージを介して提供され得る。いくつかの場合において、点滴管理プラットフォーム150は、薬剤順序を薬剤順序付けシステム145から受信した後、このような順序を特定の点滴モジュール140Aおよび/または(点滴モジュール140Aと後に関連付けられる)特定の患者と関連付ける。
【0031】
図2は、2つ以上の点滴導管から導出された患者についての点滴データを一時的に表示する点滴管理プラットフォーム150によって生成されるグラフィカルユーザインターフェースのビュー200である。図3および4は、点滴管理プラットフォーム150によって生成されるグラフィカルユーザインターフェースの別のビュー300、400である。これらのビューは、グラフィカルユーザインターフェースの多様な態様をさらに示すために特定のマーク無しで示される。図3図300を参照して、グラフィカルユーザインターフェースは、患者情報セクション205、患者位置セクション210、点滴タイムラインセクション215、点滴テーブル220および重複点滴セクション225を含み得る。セクション205〜225は、異なる位置、異なる相対的サイズで表示され得、かつ/または、所望の実装に応じて省略してもよいことが理解される。患者情報セクション205は、点滴を受ける患者についての多様な情報(例えば、患者識別子、診断、介護者/医師名(およびその識別子)、誕生データ、注入および排出時間)を提供することができる。患者位置セクション210は、患者の位置を特徴付ける/特定する情報を提供することができる。点滴タイムラインセクション215は、以下にさらに記載のように、複数の点滴導管上における一時的な点滴イベントのビューを提供することができる。点滴テーブル220には、点滴モジュール140Aと別個に任意の手動投与される点滴はもちろんタイムラインセクション215中に示されるものも含んで、様々な点滴イベントに関する更なる詳細が提供される。重複点滴セクション225は、同時発生する点滴イベントを特定するデータをグループ分けすることができる。このようなグループ分けは、複数の点滴を用いた一連の治療(例えば、単一の課金コードを用いないと支払うことができない複数の点滴を有する治療)を特定するのに有用であり得る。
【0032】
点滴タイムラインセクション215は、異なる点滴導管にわたる点滴イベントを特徴付けるデータをそれぞれ表示する複数の通行レーン230を含み得る。通行レーン230を水平の方向性を持って図示しているが、垂直方向でも実装可能であることが理解されるであろう。さらに、通行レーンの間隔および/または幅は均一であってもよいし、あるいは(より重要な点滴種類をより目立つように表示するように)例えば点滴種類に基づいて変化させてもよいことが理解されるであろう。点滴タイムラインセクション215は、多様な時間区分(例えば、2時間間隔など)を用いた時間スパンセクション232を含み得る。
【0033】
点滴タイムラインセクション215は、特定の視覚化を用いた特定の点滴イベントに対応する点滴イベントキー234を含む、通行レーン内における視覚化に関連する他の補完情報を含み得る。1つの変形例において、点滴イベントキー234は、点滴イベント(例えば、点滴の一時停止/停止234A、新規の薬剤容器(例えば、IVバッグなど)234B、開始時間234C、停止時間234D、および翌日までの点滴継続234E)に対応する一連のグラフィカルアイコン234A〜234Eを含む。
【0034】
視覚化と点滴種類とを関連付ける点滴種類キー236が表示され得る。1つの変形例において、点滴種類キー236は、点滴種類(例えば、水和236A、治療薬剤236Bおよび化学療法236C)について異なる色分けを含む。
【0035】
図2に示すように、各通行レーン230内において、(本例において水平に配置された)バー238があり得る。これらのバー238は、点滴が投与される期間を(例えば時間スパンセクション232を用いて)示す。点線、連続的要素(例えば、円)などの他の種類の視覚化が利用可能であることが理解される。第3の通行レーン230〜4を一例として用いて、対応するバー238−4の開始によって示されるように、パクリタキセル(Paclitaxel)の点滴が9:15において特定の点滴導管を介して開始される。バー238−4は、点滴の開始時間に対応しかつバー238−4の開始直後に配置され得るグラフィカルアイコン234A(この場合、三角形状)を持ち得る。加えて、時間スタンプをバー238−4の上方に設けてもよい。バー238−4は、11:00まで継続し、11:00において、(バー238−4の中断を示すグラフィカルアイコン234Aを介して)パクリタキセル点滴を11:45まで停止し、11:45において(新規の薬剤容器グラフィカル要素234によって示すように)新規の薬剤容器を点滴導管へ接続することが視覚化によって示される。その後、パクリタキセル点滴は、(バー238−4によって示すように)14:45まで継続し得る。14:45において、(バー238−4の上方のグラフィカルアイコン234Aによって示すように)点滴が一時停止される。パクリタキセル点滴は、(バー238−4によって示すように)15:15において継続した後、(停止時間グラフィカルアイコン234Dおよび時間スタンプ双方によって示すように)16:20において終了する。さらに、通行レーン230−4中のバーを、(点滴種類キー236および括弧(C)によって示すように)化学療法色付け方式に従って色付けすることができる。
【0036】
グラフィカルユーザインターフェースの多様な態様により、ユーザは、特定の導管を介した特定の点滴についてのさらなる情報を得ることができる。例えば、いくつかの変形例において、グラフィカルユーザインターフェースは、一連のグラフィカルユーザインターフェース要素を含み得る。これらのグラフィカルユーザインターフェース要素が活性化されると、患者情報セクション205、患者位置セクション210、点滴タイムラインセクション215、点滴テーブル220および重複点滴セクション225のうち1つ以上の内部に補完情報が表示される。この点について、活性化とは、このようなグラフィカルユーザインターフェース要素との任意の種類のユーザ相互作用(例えば、クリック、マウスオーバーおよび/または多様なタッチスクリーンインターフェースジェスチャー)を含み得る。例えば、パクリタキセル通行レーン230−4中のバー238−4に対応するグラフィカルユーザインターフェース要素を活性化させることにより、点滴を特徴付けるさらなる情報をバー238−4上に一時的に表示するかまたはバー238−4に隣接させることができ、かつ/または、パクリタキセル点滴と関連付けられたデータを点滴テーブルセクション220および重複点滴セクション225のうち1つ以上の内部に目立たせて表示することができる。
【0037】
本明細書中に記載される本発明は、多様な使用例のいずれかに適用することができる。例えば、本発明は、患者状態(順序、検査、薬剤投与およびIVサービス)のタイムラインビューを提供することができる。ポップアップ/オーバーレイ要素またはデータ連続性を用いた他の形態のグラフィカル表示が表示され得る。
【0038】
タイムラインビューを用いて、薬剤順序の不整合を特定することも可能である。タイムラインは、潜在的に懸念となり得る不整合の存在箇所を示し得る。
【0039】
(例えば、マウスオーバーを用いて)タイムライン上の対象ポイントがアドレス指定された場合、タイムラインは、関連するポンプパラメータを示し得る。ポンプパラメータは、この特定の時間において示され得る。追加的におよび任意選択的に、当該パラメータの傾向のより深い理解を可能にするために、ポップアップを開いて同一パラメータの値をより幅広の一時的なウィンドウ上に表示することができる。
【0040】
薬剤容器のロジスティック(物流)状態を利用可能にすることができる。この状態インジケータは、注文状態から薬剤が利用可能なフロア位置までのプロセス全体を網羅することができる。この状態は、ユーザが次の薬剤が処置に入る位置を知る方法である。
【0041】
タイムラインは、薬剤順序からの次の薬剤マイルストーンを検査マイルストーンに関連して示し得る。
【0042】
タイムラインは、検査結果が準備できたことと、正確な時点を示すためにマーカーをタイムライン上に落とすことができることとを示し得る。
【0043】
タイムラインは、患者に潜在的に危険となり得かつ治療結果に影響を与え得る検査例外を示し得る。
【0044】
図5は、図1の異なるビューを示す図500である。この図において、点滴モジュール140Aは、(上記したように直接的にまたは間接的に)ネットワーク105を介して点滴管理プラットフォーム150へ接続される。点滴管理プラットフォーム150は、(少なくとも一部がユーザによる構成可能である)規則の集合を含む規則エンジン510を含む。これらの規則は、点滴モジュール140Aによって生成されたデータから点滴イベントを特定/特徴付けする方法と、このようなイベントに関連してとるべき行動とを規定する。規則エンジン510は、特定された点滴イベントの時期を追跡および/または維持することができ、その結果、グラフィカルユーザインターフェース内に正確なタイミングで適切に表示され得る。規則エンジン510は、点滴管理プラットフォーム150内に採用され得、かつ/または、遠隔位置に設けられ得、点滴管理プラットフォーム150によりウェブサービス経由でアクセスされ得る。多様な種類の規則が規則エンジン510によって用いられ得る。例えば、2013年3月1日に出願され、「薬剤容器量追跡のための点滴管理システム」という発明の名称の、同時係属中の出願である米国特許出願番号第13/802,277号に記載されたものを含む。
【0045】
図6は、方法を示すプロセスフロー図600である。この方法において、610において、複数の点滴導管それぞれの間において患者へ投与される点滴を特徴付けるデータが受信される。その後、620において、受信されたデータに基づいて、複数の点滴イベントおよび各イベント時間が特定される。その後、630において、点滴イベントの一時的なビューがグラフィカルユーザインターフェース内に表示される。一時的なビューは、各導管を別個の通行レーンに分離し、各通行レーンは、各イベント時間における対応する導管についての点滴イベントを視覚化する。
【0046】
グラフィカルユーザインターフェース内に表示されるデータは、点滴モジュールから得られたリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデータを含み得ることが理解される。いくつかの事例において、データは、点滴履歴を示す。他の事例において、リアルタイム/ほぼリアルタイムのデータおよび履歴データの組み合わせを視認することができる。さらに、将来のイベント/予測されるイベントをグラフィカルユーザインターフェース内に描画することも可能である。
【0047】
本発明は、グラフィカルユーザインターフェース内に描画された例えば、タイムラインのような1つ以上の態様を含むレポートを生成するためにも用いられ得る。グラフィカルユーザインターフェースの描画に加えてまたはグラフィカルユーザインターフェースの描画の代わりに、これらのレポートが用いられ得る。
【0048】
本明細書中に記載される本発明の1つ以上の態様または特徴が、デジタル電子回路、集積回路、特殊設計ASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはこれらの組み合わせとして実現され得る。これらの多様な実装は、保存システム、少なくとも1つの入力デバイス(例えば、マウス、タッチスクリーンなど)および少なくとも1つの出力デバイスとデータおよび命令の送受信を行うように接続された、特殊または汎用目的であり得るプログラマブルシステム(例えば、少なくとも1つプログラマブルプロセッサ)上において実行可能でありかつ/または解釈可能である1つ以上のコンピュータプログラムにおける実装を含み得る。
【0049】
これらのコンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネントまたはコードとも呼ばれるが、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高レベル手続き型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、および/または、アセンブリ/機械語で実装され得る。本明細書中に用いられるように、「機械可読媒体」という用語は、任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイスを指し、例えば、磁気ディスク、光学ディスク、メモリ、およびプログラマブル論理デバイス(PLD)であり、それらは、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサへ提供するために用いられる。また、機械可読媒体には、機械命令を機械可読信号として受信するものも含む。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサへ提供するために用いられる任意の信号を指す。機械可読媒体は、このような機械命令を非一時的に保存し得る。例えば、非一時的な固体メモリまたは磁気ハードドライブまたは任意の等価な保存媒体と同様にである。代替的にまたは追加的に、機械可読媒体は、例えば1つ以上の物理的なプロセッサコアと関連付けられたプロセッサキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリと同様に、このような機械命令を一時的に保存し得る。
【0050】
ユーザとの相互作用を提供するため、本明細書中に記載される本発明は、表示デバイス並びにキーボードおよびポインティングデバイスを有するコンピュータにおいて実装され得る。表示デバイスとして、例えば、ユーザへ情報を表示するための陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニターがある。キーボードおよびポインティングデバイスとして、マウスまたはトラックボールがあり、それらによって、ユーザはコンピュータへ入力を与えることができる。ユーザとの相互作用を提供するために、他の種類のデバイスも利用可能である。例えば、ユーザへ提供されるフィードバックは、任意の形態の知覚フィードバックであり得、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックである。ユーザからの入力は、任意の形態で受信され、例を非限定的に挙げると、聴覚、会話、または触覚入力である。他の可能な入力デバイスを非限定的に挙げると、タッチスクリーンまたは他のタッチセンサー式デバイスがあり、例えば、単一点のまたは多点型の抵抗または容量性トラックパッド、音声認識ハードウェアおよびソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイスおよび関連付けられた解釈ソフトウェアなどである。
【0051】
本明細書中に記載される本発明は、所望の構成に応じてシステム、装置、方法および/または物品として具現化され得る。上記記載において明らかにされた実装は、本明細書中に記載される本発明と矛盾しない全ての実装を示すわけではない。。すなわち、それらは、記載された本発明に関連する形態と矛盾しないいくつかの例に過ぎない。上記においてはいくつかの変形例を詳述しているが、他の変形例または追加例も可能である。特に、さらなる特徴および/または変形例を本明細書中に記載のものに加えて提供することができる。例えば、上記した実装は、開示された特徴の多様な組み合わせおよび部分的組み合わせ、および/または、上記に開示されたいくつかのさらなる特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせに向けることができる。加えて、添付図面に示されかつ/または本明細書中に記載された論理フローは、所望の結果を達成するために、図示された特定の順序または逐次的順序を必ずしも必要としない。他の実装は、次に述べるクレームの範囲内であろう。


図1
図2
図3
図4
図5
図6