特許第6469695号(P6469695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6469695ガラス基板にバイアホールを形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469695
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】ガラス基板にバイアホールを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 23/00 20060101AFI20190204BHJP
   B23K 26/382 20140101ALI20190204BHJP
   B23K 26/402 20140101ALI20190204BHJP
   C03B 33/09 20060101ALI20190204BHJP
   C03C 15/00 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   C03C23/00 D
   B23K26/382
   B23K26/402
   C03B33/09
   C03C15/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-537838(P2016-537838)
(86)(22)【出願日】2014年8月28日
(65)【公表番号】特表2016-534017(P2016-534017A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】US2014053066
(87)【国際公開番号】WO2015031566
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年8月23日
(31)【優先権主張番号】61/871,440
(32)【優先日】2013年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】バーケット,ロバート カール
(72)【発明者】
【氏名】ゴアーズ,ウタ‐バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】オウウス,サミュエル オデイ
(72)【発明者】
【氏名】ペトリウスキー,タミー リン
【審査官】 和瀬田 芳正
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0089701(US,A1)
【文献】 特開2004−190043(JP,A)
【文献】 特開2011−251872(JP,A)
【文献】 特開昭55−130839(JP,A)
【文献】 特開2011−228517(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/096958(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
C03B 23/00 − 35/26
C03B 40/00 − 40/04
C03C 15/00 − 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板にバイアホールを形成する方法において、
前記ガラス基板の厚さの少なくとも一部にわたって前記バイアホールをレーザ孔あけする工程であって、前記バイアホールは前記ガラス基板のレーザ入射面から前記ガラス基板を通してレーザ孔あけされる工程、
あるエッチング時間にわたり前記ガラス基板をエッチングし、よって前記バイアホールの入射開口の直径を大きくする工程、及び
前記エッチング時間の少なくとも一部の間、前記ガラス基板に、40kHzと192kHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを印加する工程、
を有してなり、
前記超音波エネルギーが第1の周波数及び第2の周波数を有するか、あるいは前記超音波エネルギーが主周波数を中心にして前記主周波数の上下にディザリングまたは掃引されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記バイアホールが貫通バイアホールであり、前記貫通バイアホールは前記ガラス基板の前記レーザ入射面からレーザ出射面まで孔あけされ、前記貫通バイアホールが前記ガラス基板の前記レーザ入射面の前記入射開口と前記ガラス基板の前記レーザ出射面の出射開口の間を延びることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バイアホールがめくらバイアホールであり、前記めくらバイアホールは前記レーザ入射面から前記ガラス基板のある深さまで孔あけされ、前記めくらバイアホールが前記レーザ入射面の前記入射開口から前記ガラス基板の前記深さまで前記ガラス基板を通って延びることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記周波数が80kHzと132kHzの間であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は2013年8月29日に出願された米国仮特許出願第61/871440号の米国特許法第119条の下の優先権の恩典を主張する。本明細書は上記仮特許出願の明細書の内容に依存し、上記仮特許出願の明細書の内容はその全体が本明細書に参照として含められる。
【技術分野】
【0002】
本明細書は全般にガラス基板にバイアホールを形成する方法に関し、さらに詳しくは、レーザ孔あけ及び酸エッチングによってガラス基板にバイアホールを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
インタポーザは、電気接続のピッチを広げるためまたはある接点から別の接点への経路を変更するための、電子デバイスにおける電気インターフェースとして用いることができる。一般に数千個のバイアホールがインタポーザの基板に形成され、バイアホールは続いて導電材料で埋められ、電気接続をインターフェースするためにさらに処理される。インタポーザは、シリコン、ファイバ強化ポリマー(FRP)及びガラスのような、様々な材料で形成することができる。
【0004】
FRPインタポーザには様々な欠点による問題が生じ得る。例えば、望ましくない高価な極細ドリルビットで孔あけすることでFRPインタポーザに円筒形バイアホールを形成することができる。そのようなドリルビットは基板表面上でふらつき、よってホールの径及びピッチには限界がある。さらに、FRPインタポーザの熱膨張係数(CTE)はシリコンのCTEの約5倍になり、この結果、シリコンチップとFRPインタポーザの間に望ましくない熱不整合が生じ得る。さらに、FRPインタポーザは処理中に反る傾向があり、接着及びボンディングに困難が生じる。
【0005】
ガラスインタポーザは、とりわけ、ガラスのCTEはシリコンのCTEと同様であること及びガラスは低コストであることを含む、様々な理由のため、FRPインタポーザの魅力的な代替を提供する。しかし、ドリル孔あけのような、従来方法を用いてガラスインタポーザにバイアホールを形成することは困難であり得るし、ドリル孔あけはバイアホールをもつガラスインタポーザの作製のための実用的な手法ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがってガラス基板にバイアホールを形成する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、ガラス基板にバイアホールを形成する方法は、ガラス基板のレーザ入射面からガラス基板の厚さの少なくとも一部にわたるバイアホールをレーザ孔あけする工程を含む。方法はさらに、バイアホールの入射開口の直径を大きくするためにエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程及びエッチング時間の少なくとも一部の間ガラス基板に超音波エネルギーを印加する工程を含む。印加される超音波エネルギーは40kHzと192kHzの間の周波数を有する。
【0008】
別の実施形態において、ガラス基板に貫通バイアホールを形成する方法は、ガラス基板のレーザ入射面からレーザ出射面までガラス基板の厚さを貫通する貫通バイアホールを、貫通バイアホールがガラス基板のレーザ入射面の入射開口とガラス基板のレーザ出射面の出射開口の間を貫通するように、レーザ孔あけする工程を含む。方法はさらに、ガラス基板のレーザ入射面に耐酸性フィルムを、耐酸性フィルムが貫通バイアホールの入射開口を覆うように、施す工程を含む。方法はさらに、貫通バイアホールの出射開口の直径を大きくするために第1のエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程、貫通バイアホールの入射開口から耐酸性フィルムを除去する工程、及び貫通バイアホールの入射開口及び出射開口の直径を大きくするために第2のエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程を含む。
【0009】
また別の実施形態において、ガラス基板に貫通バイアホールを形成する方法は、ガラス基板のレーザ入射面からレーザ出射面までガラス基板の厚さを貫通する貫通バイアホールを、貫通バイアホールがガラス基板のレーザ入射面の入射開口とガラス基板のレーザ出射面の出射開口の間を貫通するように、レーザ孔あけする工程を含む。方法はさらに、貫通バイアホールの入射開口を覆うためにガラス基板のレーザ入射面に耐酸性フィルムを施す工程、貫通バイアホールの出射開口の直径を大きくするために第1のエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程、第1のエッチング時間の少なくとも一部の間ガラス基板に超音波エネルギーを印加する工程、貫通バイアホールの出射開口から耐酸性フィルムを除去する工程、貫通バイアホールの出射開口から耐酸性フィルムを除去する工程、貫通バイアホールの入射開口及び出射開口の直径を大きくするために第2のエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程、及び第2のエッチング時間の少なくとも一部の間ガラス基板に超音波エネルギーを印加する工程を含む。第2のエッチング時間の間印加される超音波エネルギーは第1の周波数及び第2の周波数を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、レーザ基板をレーザ孔あけするための一例のレーザ孔あけシステムを簡略に示す。
図2図2は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、ガラス基板エッチング装置を簡略に示す。
図3A図3Aは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、めくらバイアヒール先導孔をもつガラス基板の断面を簡略に示す。
図3B図3Bは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、エッチング後の図3Aのガラス基板の断面を簡略に示す。
図4A図4Aは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、貫通バイアイホール先導孔をもつガラス基板の断面を簡略に示す。
図4B図4Bは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、エッチング後の図4Aのガラス基板の断面を簡略に示す。
図5A図5Aは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、貫通バイアホール先導孔をもつガラス基板の断面を簡略に示す。
図5B図5Bは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、ガラス基板のレーザ入射面に耐酸性フィルムを施した後の図5Aのガラス基板の断面を簡略に示す。
図5C図5Cは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、エッチング後の図5Bのガラス基板の断面を簡略に示す。
図5D図5Dは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、耐酸性フィルムが除去された後の図5Cのガラス基板の断面を簡略に示す。
図5E図5Eは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態にしたがう、エッチングされて貫通バイアホールが形成された後の図5Dのガラス基板の断面を簡略に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ガラス基板にバイアホールを形成するためにガラス基板をレーザ孔あけ及びエッチングするための、それらの例が添付図面に示される、様々な実施形態をここで詳細に参照する。可能であれば必ず、全図面を通して同じ参照数字が同じかまたは同様の要素を指して用いられる。
【0012】
本明細書に説明されるように、ガラス基板にバイアホールを形成する方法は全般に、ガラス基板の厚さの少なくとも一部にわたるバイアホールをレーザ孔あけする工程、バイアホールの入射開口の直径を大きくするためにエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程、及びエッチング時間の少なくとも一部の間ガラス基板に超音波エネルギーを印加する工程を含む。いくつかの実施形態において、印加される超音波エネルギーは40kHzと192kHzの間の周波数を有し得る。エッチング中に40kHzと192kHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを印加することにより、所望の寸法及び特性を有するバイアホールをもつガラス基板を、ガラス基板への損傷を最小限に抑えながら、迅速に作製することができる。
【0013】
ガラス基板に貫通バイアホールを形成するための、全般に、ガラス基板の厚さを貫通する貫通バイアホールをレーザ孔あけする工程、貫通バイアホールの入射開口を覆うためにガラス基板のレーザ入射面に耐酸性フィルムを施す工程、第1のエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程、貫通バイアホールの入射開口から耐酸性フィルムを除去する工程、及び第2のエッチング時間にわたってガラス基板をエッチングする工程を含む、方法も説明される。そのような方法で貫通バイアホールを形成することにより、バイアホールは同等の入射開口寸法と出射開口寸法を有することができ、よって入射開口寸法と出射開口寸法の不整合に付随する、処理問題、コスト及び遅延を回避することができる。
【0014】
本明細書に用いられるように、術語「バイアホール」は、ガラス基板の全厚を完全に貫通している、ガラス基板の孔を意味する。本明細書に用いられるように、術語「めくらバイアホール」は、ガラス基板の表面からガラス基板の厚さの一部にわたってある深さまで延びているが、ガラス基板の全厚を貫通してはいない、開口を意味する。
【0015】
図1をここで参照すれば、ガラス基板をレーザ孔あけするための一例のシステムが簡略に示されている。システム100は一般にガラス基板150をレーザ孔あけするためのレーザ源110を備える。レーザ源110はガラス基板150の厚さにわたって孔あけすることができるいずれかのタイプのレーザとすることができる。レーザは、レーザアブレーション、トレパニング、回転打撃穿孔、等のような、ただしこれらには限定されない、いずれかのレーザ孔あけ手法を用いて、ガラス基板150を通して孔あけすることができる。いくつかの実施形態において、レーザ源110は、波長355nmのパルスレーザビーム112を放射する(Nd:YAGレーザのような)固体紫外レーザである。しかし、別の実施形態においては、ガラス基板150をレーザ孔あけするために別の波長をもつレーザを用い得ることは当然である。
【0016】
いくつかの実施形態において、レーザ源110は、本明細書に説明されるように、貫通バイアホールまたはめくらバイアホールのための先導孔をレーザ孔あけするためにレーザビームを放射することができる。貫通バイアホールのための先導孔はガラス基板150の全厚を貫通する。めくらバイアホールのための先導孔はガラス基板の表面からガラス基板の厚さの一部にわたってある深さまで伸びるが、ガラス基板の全厚を貫通することはない。ガラス基板150は、ガラス基板150に複数の先導孔を孔あけするために二次元(または三次元)で並進することができるように、並進台(図示せず)上に配置することができる。さらにまたはあるいは、レーザ源110を、ガラス基板150に複数の先導孔を孔あけするためにレーザ源110によってレーザビーム112をガラス基板150に対して並進させることができるように、並進機構に結合させることができる。
【0017】
ガラス基板150は、限定ではなく、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、及びソーダ石灰ガラスを含む、様々なガラス組成で形成することができる。さらに、ガラス基板150は、(例えばイオン交換プロセスによる)強化ガラスとすることができ、あるいは無強化ガラスとすることができる。ガラス基板の例には、コーニング(Corning)EAGLE XG(登録商標)ガラス及び化学強化されているかまたは無強化のコーニングGorilla(登録商標)ガラスがある。
【0018】
次に図2を参照すれば、レーザ孔あけされた先導孔を広げるためにガラス基板150をエッチングするための一例のエッチング装置200が簡略に示されている。一般に、この例のエッチング装置200は、外囲容器210、水槽220、エッチング液槽230、試料ホルダ240、超音波変換器250及び超音波発生器260を備える。図示される実施形態において、エッチング液層230は水槽220内に配置され、水槽220は外囲容器210内に配置される。超音波変換器250は外囲容器210内に配置され、超音波が水槽220内に入れられている水225に与えられ、次いでエッチング液層230内に入れられているエッチング液235に与えられ、最終的にエッチング液層230内で試料ホルダ240によって支持されているガラス基板150に与えられ得るように、水槽220とインターフェースすることができる。超音波変換器250を、水槽220の下側及び/またはエッチング液槽230の側面のような、水槽220に対するいかなる位置及び方向にも配置できることは当然である。エッチング液層230内においてエッチング液230によってエッチングされている間にガラス基板150に印加される超音波エネルギーは、以下でさらに詳細に説明されるように、ガラス基板150のエッチングを強化し、所望の特性をもつバイアホールの形成を容易にする。
【0019】
図2に示される実施形態において、試料ホルダ240はガラス基板150が垂直方向に支持されるように作成される。理論にはこだわらずに、試料ホルダ240がガラス基板150を垂直方向に支持すれば、数枚のガラス基板を同時に処理することができ、超音波が基板の表面を横切るときの、同時に音響キャビテーションを可能にする、超音波の正弦波性によって、バイアホールを通るエッチャントの内進及び外進が容易になり得る。別の実施形態において、試料ホルダ240は、超音波がバイアホールを直接にまたは軸方向に通って進むことができる水平方向にガラス基板150が支持されるように、作製することができる。理論にはこだわらずに、ガラス基板150を水平方向に支持すれば、バイアホールを通るエッチャントの内進及び外進が重力及びバイアホールを軸方向に通る超音波の横断の両者によって達成され得る。ガラス基板150が水平方向に支持されていれば、一度に一枚のガラス基板150を処理することで超音波が基板から基板に進む結果生じ得る音響減衰が回避される点が有利であり得る。
【0020】
水槽220は、超音波変換器250によってつくられた超音波エネルギーがエッチング液層230内に浸漬されているガラス基板150に伝達されることを保証するに十分なレベルまで満たされた水225を含む。いくつかの実施形態において、水225は、表面張力を弱めるために数mmの洗剤を含むことができる、脱イオン水である。しかし、別の実施形態において、水225を脱イオン水とは別のタイプの水とすることができ、及び/または洗剤を含まないことができることは当然である。さらに、超音波変換器250からエッチング液層230内のエッチング液235に超音波エネルギーを伝達するために水以外の液体が利用され得ることは当然である。いくつかの実施形態は、超音波変換器がエッチング液槽230内のエッチング液235を直接に激しく揺動させる実施形態におけるように、水槽220を備えないことがあり得る。
【0021】
エッチング液槽230は、プロピレンまたは高密度ポリエチレンのようなプラスチックのような、耐酸性材料で形成することができる。エッチング液槽230は、音波変換器250によってつくられた超音波エネルギーがガラス基板150に伝達されることを保証するに十分なレベルまで満たされたエッチング液235を含む。いくつかの実施形態において、エッチング液235は、脱イオン水、主酸及び副酸を含む水溶液である。主酸はフッ酸とすることができ、副酸は硝酸、塩酸または硫酸とすることができる。いくつかの実施形態において、エッチング液235はフッ酸以外の主酸及び/または硝酸、塩酸または硫酸以外の副酸を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態において、エッチング液235は主酸だけを含むことができる。いくつかの実施形態において、エッチング液235は、20体積%の主酸(例えばフッ酸)、10体積%の副酸(例えば硝酸)及び70体積%の脱イオン水を含むことができる。別の実施形態において、エッチング液235は異なる比率の主酸、副酸及び脱イオン水を含むことができる。いくつかの実施形態において、エッチング液235は、5〜10mLの市販界面活性剤のような、界面活性剤を含むことができる。
【0022】
超音波発生器260は電気ケーブル270を介して超音波変換器250に電気接続される。超音波発生器260は超音波変換器250に1つ以上の周波数で超音波エネルギーを生じさせる。超音波変換器250は様々な周波数で超音波エネルギーを発生することができる。いくつかの実施形態において、超音波エネルギーは40kHzと192kHzの間の周波数を有する。いくつかの実施形態において、超音波エネルギーは80kHzと132kHzの間の周波数を有する。いくつかの実施形態において、超音波エネルギーは、超音波エネルギーが80kHzを中心にして79kHzと81kHzの間(すなわち80kHz±1kHz)で前後に掃引される場合のように、主周波数を中心にして主周波数の上下にディザリングまたは掃引される。別の実施形態において、超音波エネルギーは異なる周波数を中心にする、及び/または主周波数の上下に1kHzより大きい範囲でディザリングまたは掃引される。いくつかの実施形態において、超音波エネルギーは、超音波変換器250が少なくとも2つの周波数を有する超音波エネルギーを発生する場合のように、第1の周波数及び第2の周波数を有する。例えば、第1の超音波変換器が第1の周波数を有する超音波エネルギーを発生することができ、同時に、第2の超音波変換器が第2の周波数を有する超音波エネルギーを発生することができる。いくつかの実施形態において、超音波変換器250は、第1の周波数が40kHzであり、第2の周波数が80kHzである、「40kHz/80kHz直交場」形態で超音波エネルギーを発生することができる。いくつかの実施形態において、超音波変換器250は、第1の周波数が80kHzであり、第2の周波数が120kHzである、「80kHz/120kHz直交場」形態で超音波エネルギーを発生することができる。超音波エネルギーが主周波数を中心にしてディザリングまたは掃引されるかあるいは(例えば「直交場」形態における)第1の周波数及び第2の周波数を有する実施形態により、単一周波数が用いられる場合に生じ得るガラス基板150内の望ましくない超音波「ホットスポット」(ガラスの損傷またはエッチングが他の領域より高速でおこり得る領域)が回避され得ることは当然である。
【0023】
次に、レーザ孔あけ及びそれに続く超音波強化エッチングによりガラス基板にめくらバイアホールを形成する方法が図3A〜3Bを参照して説明される。まず図3Aを参照すれば、めくらバイアホール310のための先導孔がガラス基板150の厚さの一部にわたってレーザ孔あけされる。いくつかの実施形態において、先導孔は図1に示されるシステム100を用いて孔あけすることができる。めくらバイアホール310のための先導孔はガラス基板150のレーザ入射面152からガラス基板150のある深さまでレーザ孔あけされる。先導孔はレーザ入射面152の入射開口311からガラス基板150内に延びる。めくらバイアホール310のための先導孔がガラス基板150の全厚にわたって貫通することはない。
【0024】
めくらバイアホール310のための先導孔が孔あけされると、ガラス基板150は、図2に示されるように、エッチング液槽230のエッチング液235内に浸漬される。ガラス基板150がエッチングされている間、超音波変換器250によって超音波エネルギーが印加される。ガラス基板150は、図3Bに示されるように、めくらバイアホール310の入射開口の直径及びめくらバイアホール310の深さ全体に沿う直径を大きくするため、エッチング時間にわたってエッチング液によりエッチングされる。いくつかの実施形態において、ガラス基板150は、バイアホールからのスラッジの除去を容易にするため、エッチング時間の少なくとも一部の間、手動でまたは機械によってガラス基板150をエッチング液235内で上下または左右に運動させることによるように、機械的にも揺動される。
【0025】
次に、レーザ孔あけ及びそれに続く超音波強化エッチングによりガラス基板に貫通バイアホールを形成する方法が図4A〜4Bを参照して説明される。先ず図4Aを参照すれば、貫通バイアホール410のための先導孔がガラス基板の全厚を貫通してレーザ孔あけされる。いくつかの実施形態において、先導孔は図1に示されるシステム100を用いて孔あけすることができる。貫通バイアホール410のための先導孔は、ガラス基板150のレーザ入射面152からガラス基板150のレーザ出射面154まで、ガラス基板150の厚さを通してレーザ孔あけされる。先導孔はレーザ入射面152の入射開口411からレーザ出射面154の出射開口412までガラス基板150を貫通する。入射開口411の直径は一般に出射開口412の直径より大きい。
【0026】
貫通バイアホール410のための先導孔が孔あけされると、ガラス基板150は、図2に示されるように、エッチング液槽230のエッチング液235内に浸漬される。ガラス基板150がエッチングされている間、超音波変換器250によって超音波エネルギーが印加される。ガラス基板150は、図4Bに示されるように、貫通バイアホール410の入射開口の直径を大きくするため、エッチング時間にわたってエッチング液によりエッチングされる。いくつかの実施形態において、ガラス基板150は、バイアホールからのスラッジの除去を容易にするため、エッチング時間の少なくとも一部の間、手動でまたは機械によってガラス基板150をエッチング液235内で上下または左右に運動させることによるように、機械的に揺動される。
【0027】
いくつかの実施形態において、図3A〜3B及び図4A〜4Bを参照して上述した、エッチング時間の少なくとも一部の間ガラス基板150に印加される超音波エネルギーは40kHzと192kHzの間の周波数を有する。エッチング中の40kHz〜192kHzの範囲の超音波周波数の印加は先導孔の壁からのガラスのエッチング及び溶解、したがってめくらバイアホール310の入射開口311の所望の直径への拡大を容易にする。40kHz〜192kHzの範囲の超音波周波数は、さらに低い周波数の超音波エネルギーでおこり得る、ガラス基板150への表面損傷を最小限に抑えることができる。さらに、40kHz〜192kHzの範囲の超音波周波数は、許容できる比較的一定なエッチング速度でのバイアホールの効率的エッチングを可能にすることができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、エッチング時間の少なくとも一部の間ガラス基板に印加される超音波エネルギーは80kHzと132kHzの間の周波数を有する。エッチング中の80kHz〜132kHzの範囲の超音波周波数の印加は先導孔の壁からのガラスのエッチング及び溶解、したがってめくらバイアホール310の入射開口311の所望の直径への拡大を容易にする。80kHz〜132kHzの範囲の超音波周波数は、80kHzより低い周波数でおこり得る、ガラス基板150への表面損傷を最小限に抑える。さらに、80kHz〜132kHzの範囲の超音波周波数は、許容できる比較的一定なエッチング速度でのバイアホールの効率的エッチングを可能にすることができる。80kHz〜132kHzの範囲は、この範囲は表面損傷を防止するに十分に高く、効率的エッチングを保証するに十分に低いから、より広い40kHz〜192kHzの範囲より好ましいとされ得る。しかし、他の実施形態において、超音波周波数範囲が40kHz〜192kHzまたは80kHz〜132kHz以外とされ得ることは当然である。
【0029】
図2に関して上述したように、いくつかの実施形態において、超音波変換器250が少なくとも2つの周波数を有する超音波エネルギーを発生する場合のように、超音波エネルギーは第1の周波数及び第2の周波数を有する。いくつかの実施形態において、超音波変換器250は、第1の周波数が40kHzであり、第2の周波数が80kHzである、「40kHz/80kHz直交場」形態で超音波エネルギーを発生することができる。いくつかの実施形態において、超音波変換器250は、第1の周波数が80kHzであり、第2の周波数が120kHzである、「80kHz/120kHz直交場」形態で超音波エネルギーを発生することができる。いくつかの実施形態において、超音波変換器250は、上述したように、主周波数を中心にして主周波数の上下にディザリングまたは掃引される超音波エネルギーを発生することができる。
【0030】
耐酸性フィルムを施す工程及び除去する工程を含む、ガラス基板に貫通バイアホールを形成するために方法が図5A〜5Eを参照して次に説明される。まず図5Aを参照すれば、貫通バイアホール510のための先導孔がガラス基板150の全厚にわたってレーザ孔あけされる。いくつかの実施形態において、先導孔は図1に示されるシステム100を用いて孔あけすることができる。貫通バイアホール510のための先導孔はガラス基板150のレーザ入射面152から、ガラス基板150の厚さを通って、ガラス基板150のレーザ出射面154までレーザ孔あけされる。先導孔はレーザ入射面511の入射開口511からレーザ出射面514の出射開口512までガラス基板150を貫通する。入射開口511の直径は一般に出射開口512の直径より大きい。貫通バイアホール510のための先導孔が、図3Bを参照して上述したように、貫通バイアホール510を開けるためにエッチングされても、出射開口512の直径は、図3Bに示されるように、未だに入射開口511の直径より小さいであろう。そのような入射開口直径と出射開口直径の不整合は、処理時間を長くし、処理コストを高める結果になり得る、下流のプロセス問題をおこし得る。入射開口直径と出射開口直径が整合している貫通バイアホールを形成するため、以下で図5B〜5Eを参照して示され、説明されるプロセス工程を用いることができる。
【0031】
図5Bを次に参照すれば、次いで、貫通バイアホール510の入射開口511を覆うために、ガラス基板150のレーザ入射面152に耐酸性フィルム505を施すことができる。図5Bに示される耐酸性フィルム505の厚さが説明のために過ぎず、図面が比例尺で描かれていないことは当然である。いくつかの実施形態において、耐酸性フィルム505はポリマーベースフィルムである。耐酸性フィルム505は貼り付けによってレーザ入射面152に施すことができる。いくつかの実施形態において、耐酸性フィルム505は、ガラス基板150の表面に施すことができる、テープのような、耐酸性粘着フィルムとすることができる。そのような耐酸性粘着フィルムは手動でまたは自動化プロセスによってガラス基板150の表面に施すことができる。いくつかの実施形態において、耐酸性フィルム505は、レーザ入射面152上にコーティングし、次いで硬化させた、フォトレジストポリマーフィルムとすることができる。
【0032】
入射開口511を覆うために耐酸性フィルム505がレーザ入射面152に施された後、ガラス基板は貫通バイアホール510の出射開口512の直径を大きくするため、図2に示されるように、第1のエッチング時間にわたってエッチング液槽230のエッチング液235内に浸漬される。耐酸性フィルム505は、第1のエッチング時間中、エッチング液に耐え、入射開口511の直径の拡大を抑制するべきである。いくつかの実施形態において、ガラス基板150が第1の時間にわたってエッチングされた後、入射開口511の入射直径は出射開口512の出射直径に実質的に等しい。入射直径と出射直径のそのような整合により、入射直径と出射直径の不整合から生じ得る上述した問題が回避される。第1のエッチング時間は、ガラス基板150が第1のエッチング時間にわたってエッチングされた後に、入射開口511の入射直径が出射開口512の出射直径に実質的に等しいように選ぶことができる。いくつかの実施形態において、ガラス基板150がエッチングされている間、本明細書に説明されるいずれかの態様で超音波エネルギーが超音波変換器250によって印加される。いくつかの実施形態において、バイアホールからのスラッジの除去を容易にするため、エッチング時間の少なくとも一部の間、手動でまたは機械によってガラス基板150をエッチング液235内で上下または左右に動かすことによるように、ガラス基板150が機械的に揺動させられる。図5Cはこのエッチング工程後のガラス基板150を簡略に示す。
【0033】
次に、図5Dに示されるように、ガラス基板150のレーザ入射面152から耐酸性フィルム505を除去することができる。いくつかの実施形態において、耐酸性フィルム505は、ガラス基板150を溶剤で洗うか、あるいは耐酸性フィルム505を熱水に浸してガラス基板150から剥ぎ取ることで、除去することができる。
【0034】
耐酸性フィルム505がレーザ入射面152から除去された後、貫通バイアホール510の入射開口511の直径及び出射開口512の直径を大きくするため、ガラス基板150は、図2に示されるように、第2のエッチング時間にわたってエッチング液槽230のエッチング液235内に再び浸漬される。いくつかの実施形態において、ガラス基板150が第2のエッチング時間にわたってエッチングされた後に、入射開口511の入射直径は出射開口512の出射直径に実質的に等しい。入射直径と出射直径のそのような整合により、入射直径と出射直径の不整合から生じ得る上述した問題が回避される。第2のエッチング時間は、入射開口511の入射直径及び出射開口512の出射直径が所望の直径に達するように選ぶことができる。いくつかの実施形態において、ガラス基板150がエッチングされている間、本明細書に説明されるいずれかの態様で超音波エネルギーが超音波変換器250によって印加される。いくつかの実施形態において、バイアホールからのスラッジの除去を容易にするため、エッチング時間の少なくとも一部の間、手動でまたは機械によってガラス基板150をエッチング液235内で上下または左右に動かすことによるように、ガラス基板150が機械的に揺動させられる。図5Eはこのエッチング工程後のガラス基板150を簡略に示す。
【実施例】
【0035】
エッチング中に超音波撹拌を用いるバイアホール形成に関連する実施例
以下の実施例は、エッチング中に超音波エネルギーを供給するために異なる超音波方式を用いる、ウエットエッチングプロセスによるバイアホール形成を説明する。エッチング液は、20体積%のフッ酸(HF)、10体積%の硝酸(HNO)及び差引残量分の脱イオン水(DI)を含む1リットルの混合液をつくることで作製した。エッチング液は全てエッチング槽230内で作製した。エッチングされる試料を試料ホルダ240に配置し、超音波浴を作動させた。次いで、エッチング液槽230を水槽220内に配置し、試料ホルダをエッチング液槽230内に降ろした。次いで、試料ホルダ240に支持されたガラス基板試料を、あらかじめ定められたエッチング時間にわたってエッチング液内に浸漬した。エッチング後、試料ホルダ240を試料とともに取り出し、エッチング過程を停止させるために水浴に入れた。
【0036】
実施例A−1
この対照実施例においては、4枚のガラス試料を超音波撹拌無しでエッチングした。4枚のEagle XGガラス試料を得た。レーザビームを用い、ガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。初めに試料の厚さを測定して記録した。HF及びHNOの1リットル溶液内で、機械的揺動を用い、超音波は印加せずに指定された時間にわたって試料をエッチングした。エッチング液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、試料のエッチング後厚さを再び測定した。孔の品質及び形状を決定するため、レーザ入射面上の(入射開口とも称される)孔の直径、それぞれのウエスト直径(例えば、入射開口と出射開口の中間の直径)及びレーザ出射面上の孔(出射開口)の直径を測定した。下の表1は、4枚の試料のそれぞれのバイアホールについて、入射開口、出射開口及びウエストに対する平均値及び平均真円度を示す。表1からわかるように、ウエスト/入射開口アスペクト比及びウエスト/出射開口アスペクト比は0.3より小さく、これは多くの用途に対して許容できないであろう。
【0037】
【表1】
【0038】
実施例A−2
少なくとも2枚のEagle XGガラス試料を得た。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料の厚さを得た後、試料を、40kHzの超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内でエッチングした。試料を機械的にも揺動させた。初期エッチング液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、試料のエッチング後厚さを再び測定した。孔の品質及び形状を決定するため、レーザ入射面上の孔の直径、それぞれのウエスト直径及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。下の表2の「40kHz」列は、この実施例についての測定値及び評価値(例えば、縁欠け入射開口数、ガラス試料を貫通しているスルーホール数、等)を示す。
【0039】
実施例A−3
少なくとも2枚のEagle XGガラス試料を得た。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料の厚さを得た後、試料を、132kHzの超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内でエッチングした。試料を機械的にも揺動させた。初期エッチング液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、試料のエッチング後厚さを再び測定した。孔の品質及び形状を決定するため、レーザ入射面上の孔の直径、それぞれのウエスト直径及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。下の表2の「132kHz」列は、この実施例についての測定値及び評価値(例えば、縁欠け入射開口数、ガラス試料を貫通しているスルーホール数、等)を示す。
【0040】
実施例A−4
少なくとも2枚のEagle XGガラス試料を得た。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料の厚さを得た後、試料を、192kHzの超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内でエッチングした。試料を機械的にも揺動させた。初期エッチング液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、試料のエッチング後厚さを再び測定した。孔の品質及び形状を決定するため、レーザ入射面上の孔の直径、それぞれのウエスト直径及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。下の表2の「192kHz」列は、この実施例についての測定値及び評価値(例えば、縁欠け入射開口数、ガラス試料を貫通しているスルーホール数、等)を示す。
【0041】
実施例A−5
少なくとも2枚のEagle XGガラス試料を得た。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料の厚さを得た後、試料を、40/80kHzの二周波数超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内でエッチングした。試料を機械的にも揺動させた。初期エッチング液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、試料のエッチング後厚さを再び測定した。孔の品質及び形状を決定するため、レーザ入射面上の孔の直径、それぞれのウエスト直径及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。下の表2の「40/80kHz」列は、この実施例についての測定値及び評価値(例えば、縁欠け入射開口数、ガラス試料を貫通しているスルーホール数、等)を示す。
【0042】
【表2】
【0043】
実施例A−6
10枚のEagle XGガラス試料を得た。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料の厚さを得た後、5枚の試料を、40/80kHzの二周波数超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内でエッチングした。試料の厚さを得た後、5枚の試料を、80/120kHzの二周波数超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内でエッチングした。試料を機械的にも揺動させた。初期エッチング液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、試料のエッチング後厚さを再び測定した。孔の品質及び形状を決定するため、レーザ入射面上の孔の直径、それぞれのウエスト直径及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。下の表3はこの実施例についての測定値及び評価値(例えば、無孔出射開口、エッチング損傷、等)を示す。表3から全ての試料が100%の貫通バイアホールを有していることは明らかである。40/80kHz試料及び80/120kHz試料のいずれについても孔直径及び真円度は同様であった。しかし、40/80kHz超音波エネルギー系を用いてエッチングした5枚の試料の内の4枚はある程度の表面損傷を示した。しかし、80/120kHz超音波エネルギー系は試料にいかなる損傷も生じさせず、一方で同等のウエスト対入射開口直径比も示した。この実験から、80kHz〜132kHzまたは約80kHz〜120kHzの範囲にある超音波周波数が、所望のアスペクト比をもつバイアホールを形成し、ガラス基板の表面損傷を最小限に抑えるための有効な条件を提供することが明らかである。
【0044】
【表3】
【0045】
実施例A−7
少なくとも2枚のEagle XGガラス試料を得た。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料の厚さを得た後、試料を、80/120kHzの二周波数超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内でエッチングした。試料に機械的揺動はさせなかった。初期エッチング液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、試料のエッチング後厚さを再び測定した。孔の品質及び形状を決定するため、レーザ入射面上の孔の直径、それぞれのウエスト直径及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。孔の多くがエッチング後に開いておらず、いくつかの状況においてはエッチング中の機械的揺動が有益であり得ることを示した。
【0046】
耐酸性フィルム貼付け及び除去を用いるバイアホール形成に関連する実施例
以下の実施例は入射開口直径と出射開口直径が同等の様々なガラス試料のエッチングを含む、バイアホール形成を説明する。これらの実施例から、レーザ入射面にフィルムが貼り付けられている第1のエッチング工程をフィルムが貼り付けられていない第2のエッチング工程の前に実施すると、同等の出射開口直径と入射開口直径を達成することができるとの結論を得ることができる。第1のエッチング工程の長さは所望の1のアスペクト比(すなわち、同等の出射開口直径と入射開口直径)を達成するように調節することができる。さらに、(第2のエッチング工程中だけに超音波撹拌が用いられた)実施例B−2からB−4を(第1のエッチング工程中及び第2のエッチング工程中のいずれにおいても超音波撹拌が用いられた)実施例B−6からB−8と比較することにより、第1のエッチング工程中及び第2のエッチング工程中のいずれにおいても超音波撹拌を適用することでエッチングレートが高められるという結論を得ることができる。
【0047】
実施例B−1
この実施例においては、フィルムが貼り付けられていない対照試料を、超音波撹拌を用いてエッチングした。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料を、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内で8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比を計算して0.87を得た。
【0048】
実施例B−2
レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料のレーザビームの入射側表面に透明耐HFポリマーフィルムを貼り付けた。次いで試料を、超音波撹拌を全く用いずに、HF及びHNOの1リットル溶液内で4分間エッチングした。試料を洗い、フィルムを除去した。試料を再度、今度は40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、新しいHF及びHNOの1リットル溶液内で約8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比を計算して0.97を得た。
【0049】
実施例B−3
レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料のビーム入射側表面に透明耐HFポリマーフィルムを貼り付けた。次いで試料を、超音波撹拌を全く用いずに、HF及びHNOの1リットル溶液内で5分間エッチングした。試料を洗い、フィルムを除去した。試料を再度、今度は40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、新しいHF及びHNOの1リットル溶液内で約8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比を計算して1.03を得た。
【0050】
実施例B−4
レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料のビーム入射側表面に透明耐HFポリマーフィルムを貼り付けた。次いで試料を、超音波撹拌を全く用いずに、HF及びHNOの1リットル溶液内で6分間エッチングした。試料を洗い、フィルムを除去した。試料を再度、今度は40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、新しいHF及びHNOの1リットル溶液内で約8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比を計算して1.06を得た。
【0051】
実施例B−5
この実施例においては、フィルムが貼り付けられていない対照試料を、超音波撹拌を用いてエッチングした。レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料を、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内で8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比を計算して0.84を得た。
【0052】
実施例B−6
レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料のビーム入射側表面に透明耐HFポリマーフィルムを貼り付けた。次いで試料を、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内で2分間エッチングした。試料を洗い、フィルムを除去した。試料を再度、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、新しいHF及びHNOの1リットル溶液内で約8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比の計算値は0.96であった。
【0053】
実施例B−7
レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料のビーム入射側表面に透明耐HFポリマーフィルムを貼り付けた。次いで試料を、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内で4分間エッチングした。試料を洗い、フィルムを除去した。試料を再度、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、新しいHF及びHNOの1リットル溶液内で約8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比を計算して1.08を得た。
【0054】
実施例B−8
レーザビームを用いてガラス試料を貫通する貫通バイアホール先導孔を孔あけした。試料のビーム入射側表面に透明耐HFポリマーフィルムを貼り付けた。次いで試料を、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、HF及びHNOの1リットル溶液内で6分間エッチングした。試料を洗い、フィルムを除去した。試料を再度、40/80kHzの直交印加超音波場の存在の下に、新しいHF及びHNOの1リットル溶液内で約8分間エッチングした。溶液温度は約25±2℃であった。試料を完全に洗って乾かした後、レーザ入射面上の孔及びレーザ出射面上の孔の直径を測定した。出射側直径の入射側直径に対する比を計算して1.23を得た。
【0055】
本明細書に説明される実施形態がレーザ孔あけ及び40kHzと192kHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを印加中のエッチングによる、ガラス基板のバイアホール形成を提供することが了解されるはずである。エッチング中に40kHzと192kHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを印加することで、所望の寸法及び特性を有する貫通バイアホールをもつガラス基板を、ガラスへの損傷を最小限に抑えながら、迅速に作製することができる。さらに、本明細書に説明される実施形態は、レーザ孔あけ、フィルム貼付け、エッチング、フィルム除去及びエッチングによって、同等の入射開口と出射開口の寸法を有する貫通バイアホールが得られる、貫通バイアホールの形成を提供する。
【0056】
特許請求される主題の精神及び範囲を逸脱することなく本明細書に説明される実施形態に様々な改変及び変形がなされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に説明される様々な改変及び変形が添付される請求項及びそれらの等価形態の範囲内に入れば、本明細書はそのような改変及び変形を包含するとされる。
【符号の説明】
【0057】
100 レーザ孔あけシステム
110 レーザ源
112 レーザビーム
150 ガラス基板
152 レーザ入射面
154 レーザ出射面
200 エッチング装置
210 外囲容器
220 水槽
225 水
230 エッチング液層
235 エッチング液
240 試料ホルダ
250 超音波変換器
260 超音波発生器
270 電気ケーブル
310 めくらバイアホール
311,411、511 入射開口
410,510 貫通バイアホール
412,512 出射開口
505 耐酸性フィルム
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E