(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469710
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】光源装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20190204BHJP
F21V 29/15 20150101ALI20190204BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20190204BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20190204BHJP
【FI】
F21S2/00 443
F21V29/15
G02F1/13357
F21Y115:10
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-547337(P2016-547337)
(86)(22)【出願日】2014年9月12日
(86)【国際出願番号】JP2014074280
(87)【国際公開番号】WO2016038740
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2017年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】河津 佳成
(72)【発明者】
【氏名】河村 篤志
(72)【発明者】
【氏名】相川 康之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 有正
(72)【発明者】
【氏名】村上 嘉弘
(72)【発明者】
【氏名】根来 和彦
【審査官】
野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−193002(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0170315(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/024771(WO,A1)
【文献】
特開2014−149386(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0286235(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0292315(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0128505(US,A1)
【文献】
特許第5048147(JP,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0050987(US,A1)
【文献】
特開2009−245884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/1335
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に開口部が形成された筐体の底板に載置された導光板、及び該筐体に固定され、該導光板の一側端面に対向配設された光源を備える光源装置において、
前記筐体の底板には、前記光源の配設側と非配設側とを隔絶する隔絶部が設けられており、
前記筐体の底板は矩形をなし、
前記光源は、前記底板の一辺に配設されており、
前記隔絶部は、前記底板の一対角線に沿って延びる長孔であることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記筐体の底板は矩形をなし、
前記光源は、前記底板の相対する二辺に配設されており、
前記隔絶部は、前記底板の2つの対角線上に沿って延びる長孔であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
一面に開口部が形成された筐体の底板に載置された導光板、及び該筐体に固定され、該導光板の一側端面に対向配設された光源を備える光源装置において、
前記筐体の底板には、前記光源の配設側と非配設側とを隔絶する隔絶部が設けられており、
前記筐体の底板は矩形をなし、
前記光源は、前記底板の相対する二辺に配設されており、
前記隔絶部は、前記底板の2つの対角線上に沿って延びる長孔であることを特徴とする光源装置。
【請求項4】
一面に開口部が形成された筐体の底板に載置された導光板、及び該筐体に固定され、該導光板の一側端面に対向配設された光源を備える光源装置において、
前記筐体の底板には、前記光源の配設側と非配設側とを隔絶する隔絶部が設けられており、
前記筐体の底板は矩形をなし、
前記光源は、前記底板の一辺に配設されており、
前記隔絶部は、前記一辺に沿う方向の全長に亘って延びる長孔であることを特徴とする光源装置。
【請求項5】
前記隔絶部を覆う覆い部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項6】
前記覆い部は、前記筐体の底板に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記筐体の底板と前記覆い部との間に断熱材が介装されたことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の光源装置と、
該光源装置の開口部を覆う表示パネルとを備え、
前記光源からの出射光を前記表示パネルの背面に照射し、該表示パネルの正面に画像を表示するように構成してあることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液晶パネル(表示パネル)に光を照射するバックライトとして使用される光源装置及び該光源装置を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを画像表示部として備える表示装置は、液晶パネルの背面側にバックライト(光源装置)を配し、バックライトの発光を液晶パネルにより変調して透過させ、該液晶パネルの正面に画像を表示するように構成されている。バックライトは、直下型とエッジライト型とに大別されるが、近年では、消費電力の低減及び薄型化の観点からエッジライト型のバックライトが広く採用されている。
【0003】
エッジライト型のバックライトは、一面が開放された浅底箱形のバックライトシャーシ(筺体)内に収容された導光板と光源とを備える。導光板は、透光性を有する樹脂製の板であり、筺体の底板上に載置されている。光源は、筺体の一側壁に沿って配設させており、導光板の一側端面に対向配設され、導光板の一側端面に対向させてある。導光板の周縁部は、筺体の縁部に開放側から嵌め合わせた枠体により、光源の配設位置と共に適幅に亘って覆ってあり、光源の発光は、導光板内に入射した後、該導光板内を拡散しながら進行し、枠体の内側に露出する導光板の一面全体に分布して出射される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−232809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の表示装置は、光源の発光に伴って発生する熱が筺体の底板を介して他側壁に伝わり、該他側壁に反り又は撓み等の変形を発生させるという問題があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光源の発光に伴って発生する熱による筺体の側壁の変形を抑止できる光源装置及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様の光源装置は、一面に開口部が形成された筐体の底板に載置された導光板、及び該筺体に固定され、該導光板の一側端面に対向配設された光源を備える光源装置において、前記筺体の底板には、前記光源の配設側と非配設側とを隔絶する隔絶部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
一態様の光源装置は、前記筺体の底板は矩形をなし、前記光源は、前記底板の一辺に配設されており、前記隔絶部は、前記一辺に沿う方向に延びる長孔であることを特徴とする。
【0009】
一態様の光源装置は、前記筺体の底板は矩形をなし、前記光源は、前記底板の一辺に配設されており、前記隔絶部は、前記底板の一対角線に沿って延びる長孔であることを特徴とする。
【0010】
一態様の光源装置は、前記筺体の底板は矩形をなし、前記光源は、前記底板の相対する二辺に配設されており、前記隔絶部は、前記底板の2つの対角線上に沿って延びる長孔であることを特徴とする。
【0011】
一態様の光源装置は、前記筺体の底板に固定され、前記隔絶部を覆う覆い部を備えることを特徴とする。
【0012】
一態様の光源装置は、前記筺体の底板と前記覆い部との間に断熱材が介装されたことを特徴とする。
【0013】
一態様の表示装置は、光源装置と、該光源装置の開口部を覆う表示パネルとを備え、前記光源からの出射光を前記表示パネルの背面に照射し、該表示パネルの正面に画像を表示するように構成してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光源の発光に伴って発生する熱による筺体の側壁の変形を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態1に係る表示装置の正面側の外観を略示する斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る表示装置の外観を略示する背面図である。
【
図3】
図2のIII−III線による縦断面図である。
【
図4】実施の形態2に係る表示装置の外観を略示する背面図である。
【
図5】実施の形態3に係る表示装置の外観を略示する背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は実施の形態1に係る表示装置の正面側の外観を略示する斜視図である。図示の表示装置は、矩形板状をなす画像表示用の液晶パネル(表示パネル)1と、該液晶パネル1に光を照射するバックライト2とを備えている。以下の説明においては、液晶パネル1の画像表示面の側を正面側、他側を背面側とする。
【0017】
液晶パネル1には、枠体10が、正面(画像表示面)の周縁を適幅に亘って縁取るように組み付けてある。
図1には、枠体10の枠内に露出する液晶パネル1の画像表示面のみが示されている。液晶パネル1の背面側には、バックライト2が組み付けてある。
【0018】
表示装置は、更にスタンド13を備えており、該スタンド13を介して適宜の載置面上に支持し、
図1に示す如く、液晶パネル1の画像表示面を縦姿勢に保って使用される。以下の説明で使用する上、下は、前述した使用状態での上、下に対応し、同じく左、右は、使用状態において正面側から見て左、右に対応する。
【0019】
図2は実施の形態1に係る表示装置の外観を略示する背面図である。
図3は
図2のIII−III線による縦断面図である。
図3に示すように、バックライト2は、浅底箱形をなすバックライトシャーシ(筺体)20と、バックライトシャーシ20の底板21に載置した導光板25と、バックライトシャーシ20内に収容された光源24とを備える。
【0020】
導光板25は透光性を有する樹脂製の板であり、バックライトシャーシ20よりやや小さい矩形形状をなしている。導光板25には背面の全面に亘って反射シート27が積層されてあり、正面の全面に亘って光学シート26が積層されてある。
【0021】
光源24は細長い矩形の基板と、基板の一面に長手方向に沿って並設された複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)とを備えている。光源24は、LEDの並設側を導光板25の端面に向け、
図2に示す如く、バックライトシャーシ20の下辺に沿って配設されている。
【0022】
図2に示すように、バックライトシャーシ20の底板21は矩形であり、光源24の配設側と非配設側とを隔絶する隔絶部230を備える。実施の形態1の隔絶部230は、底板21の上下方向の略中央部に設けられ、光源24が配設された一辺(下辺)に沿う方向、即ち、左右方向の略全長に亘って延びる長孔である。
【0023】
図2に示す如く、隔絶部としての長孔230は、全長に亘って覆い部231により覆われている。覆い部231は、
図3に示す如く、広幅のU字形断面を有するアングル材であり、開口側を底板21に向け、該底板21の外面から垂直に立設されたボス211、212間に架け渡し、夫々のボス211、212にビス234、234によりねじ止め固定されている。ボス211、212は、長孔230の相対向する端縁に沿って各複数並設されており、
図2に示す如く、ビス234によるねじ止めは、夫々のボス211、212の位置に対応する複数箇所にてなされている。
【0024】
図3に示す如く、ボス211、212と覆い部231との間には、ワッシャ233が介装されている。ワッシャ233は、セラミックス、多孔質のシリコンゴム等の断熱性を有する材料製であり、ボス211、212が立設された底板21と、覆い部231との間の熱伝達を防止する断熱材としての機能を果たす。
【0025】
表示装置は上述のバックライト2に枠体10を嵌め合わせ、バックライトシャーシ20の左右両端縁をビス223により枠体10に対して固定することにより構成される。
【0026】
以上の如く構成された表示装置において、光源24の発光は導光板25の一端面から入射され、導光板25及び光学シート26による拡散を経て液晶パネル1の背面に照射される。液晶パネル1は、照射光を変調して透過させ、正面に画像を表示する。
【0027】
本実施形態によれば、バックライトシャーシ20の底板21には、光源24の配設側と非配設側とを隔絶する隔絶部230が設けられているため、光源24の発光に伴って発生する熱が底板21を介して光源24の非配設側へ伝わることを防止できる。このことにより光源24の非配設側の側壁における熱膨張を従来より小さくすることでバックライトシャーシ20の側壁の変形を抑止できる。
【0028】
本実施形態によれば、バックライトシャーシ20の底板21が隔絶部230を覆い部231で覆うことにより補強されているため、隔絶部230を設けたことによるバックライトシャーシ20の強度不足を補うことができる。
【0029】
本実施形態によれば、覆い部231とボス211、212との間に断熱材としてのワッシャ233が介装されているため、光源24の発光に伴って発生する熱が覆い部231を介して光源24の非配設側の側壁へ伝わることを防止できる。
【0030】
実施の形態2
図4は実施の形態2に係る表示装置の外観を略示する背面図である。以下、特に説明する構成、作用以外の構成及び作用は実施の形態1と同等であり、簡潔のため記載を省略する。バックライトシャーシ20の底板21は一対角線上に沿って延びる隔絶部としての長孔230を備える。光源24は底板21の一長辺に設けられている。
【0031】
本実施形態によれば、バックライトシャーシ20の底板21には、一対角線上に沿って延びる隔絶部230が設けられているため、底板21の一長辺に光源24を設けた表示装置に対応することができる。
【0032】
なお、本実施形態によれば、バックライトシャーシ20は一長辺に設けられたが、一短辺に設けられてもよい。
【0033】
実施の形態3
図5は実施の形態3に係る表示装置の外観を略示する背面図である。以下、特に説明する構成、作用以外の構成及び作用は実施の形態1と同等であり、簡潔のため記載を省略する。バックライトシャーシ20の底板21は、2つの対角線上に沿って延びる隔絶部230を備える。
【0034】
光源24はLEDの並設面が導光板25の左右の両側端面に対向させて、底板21の両短辺に固定されている。覆い部231は側面視X形状をなす。
【0035】
なお、本実施形態に係る光源24はLEDの並設面が導光板25の左右の両側端面に対向し、底板21の両短辺に固定されたが、光源24はLEDの並設面が導光板25の上下の両側端面に対向し、底板21の両長辺に固定されてもよい。
【0036】
本実施形態によれば、光源24は導光板25の左右又は上下の両側端面に対向し、光源24が底板21の左右の両短辺又は上下の両長辺に固定される表示装置に対応することができる。
【0037】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0038】
1 液晶パネル(表示パネル)
2 バックライト(光源装置)
20 バックライトシャーシ(筺体)
21 底板
24 光源
25 導光板
230 隔絶部(長孔)
231 覆い部
233 ワッシャ(断熱材)