(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の幾つかの項において、本発明の種々の実施形態、種々の特徴及び種々のコンポーネントのうちの幾つかへの読者の手引きを助けるために副表題が設けられている。
【0041】
一般に、本発明の実施形態は、主として、多くの点でモジュラーであるモジュール式射出装置の形態をした小出し弁に関する。一観点は、モジュール式射出装置の流体モジュールの内部に位置する弁を空気圧式駆動モジュール、電磁式駆動モジュール又は圧電式駆動モジュールのいずれかによって作動させることができるということにある。別の観点は、流体材料を加圧シリンジか容積移送式又は容量形ポンプかのいずれかを有する流体供給モジュールからモジュール式射出装置の流体モジュールの流体チャンバに供給できるということにある。別の観点は、モジュール式射出装置が湿潤部分の全てを弁駆動モジュールから封止する流体モジュールを有することにある。この設計の利用により、弁駆動モジュールは、流体モジュールに入り込むことがなく、これとは異なり、流体モジュール内に設けられた弁要素を往復動させるよう流体チャンバモジュールの壁又は一部分に係合する。これにより、流体モジュールをクリーニング又は点検整備のために容易に取り外すことができ或いは種々の用途のための種々の流体モジュールと交換することができる。例えば、はんだフラックス射出の小出し用途に最適な流体モジュールをこの用途のために用いることができ、アンダーフィル用途において接着剤の小出し用途に最適な別の流体モジュールをこの用途の種々の要件に合わせて用いることができる。加うるに、流体モジュールをクリーニング若しくは点検整備のためにモジュール式射出装置から迅速に解除することができ又は別の流体モジュールと交換することができるようにするクイックリリース(急速解除)結合機構体が設けられる。加うるに、ばね押しグリッパにより、ポンプを以下に詳細に説明するように容易に取り外すことができる。
【0042】
図1、
図1A、
図2及び
図3を参照すると、本発明の実施形態に従って、モジュール式射出装置10の代表的な実施形態としての小出し弁が流体結合インタフェース20を備えた流体モジュール12、弁要素14、圧電式駆動モジュール16、圧電式駆動モジュール16に結合された可動ニードル又は駆動ピン36及び圧電式駆動モジュール16を収容した外側カバー18を有している。外側カバー18は、薄板金で構成され、この外側カバーは、従来型締結具によってモジュール式射出装置10のアクチュエータ本体に締結されている。モジュール式射出装置10の主要な支持構造体は、下側部材115、上側部材113及び上側部材113と下側部材115を接合した支持壁111によって提供される。
【0043】
モジュール式射出装置10にはシリンジ22から加圧流体材料が供給され、このシリンジは、外側カバー18の付属品として設けられたシリンジホルダ26によって支持されている。一般に、シリンジ22内の流体材料は、当業者によって知られている射出しやすい任意の材料又は物質であって良く、かかる流体材料としては、はんだフラックス、はんだペースト、接着剤、はんだマスク、熱的配合物、油、封入剤、注封(ポッティング)配合物、インキ及びシリコーンが挙げられるがこれらには限定されない。シリンジ22は、モジュール式射出装置10のための流体供給モジュールとして働く。
【0044】
モジュール式射出装置10は、例えば流体材料を小分けして点状体又はドットとして基板、例えばプリント回路板上に間欠的に射出する機械又はシステム(図示せず)内に設置されるのが良い。モジュール式射出装置10は、一連の射出量の流体材料が互いに間隔を置いた点状体の線として基板上に付着されるよう作動されるのが良い。モジュール式射出装置10の標的としての基板は、種々の表面実装部品を支持するのが良く、このためには、微少量の流体材料を迅速に射出すること及び基板上の標的場所に流体材料を付着させる上で正確な配置構成が必要である。以下に詳細に説明するように、流体モジュール12は、工具なしでモジュール式射出装置10の底部から容易に取り外せるよう接近可能である。
【0046】
図3において最も良く見えるように、流体モジュール12は、ノズル28、モジュール本体30及び流体結合インタフェース20と連通状態にある流体チャンバ38を有するのが良い。モジュール本体30の第1の区分又は部分40は、流体入口42及び流体入口42を流体チャンバ38と流体連通関係をなすようこれに結合する通路47,47aを有している。流体導管44(
図1及び
図1A)が流体モジュール12をシリンジ22の中に入っている流体材料と流体連通関係に配置すると共に流体材料を圧力下でシリンジ22から流体結合インタフェース20に供給するためにシリンジ22から流体入口42まで延びている。この実施形態では、流体導管44は、代表的には、シリンジ22の出口を流体結合インタフェース20に直接結合する1本の管であり、これらの間には介在する構造がなんら存在しない。一実施形態では、流体結合インタフェース20は、ルアー(Luer)継手を含む。
【0047】
シリンジ22は、加圧空気を用いて流体材料を差し向けてこれが流体入口42の方へ流れ、そして最終的に流体モジュール12の流体チャンバ38に流れるようにするよう構成されているのが良い。シリンジ22の中に入っている流体材料の上方のヘッドスペースに供給される加圧空気の圧力は、5psig〜60psigであるのが良い。代表的には、ワイパ又はプランジャ(図示せず)がヘッドスペース内の空気圧力とシリンジ22内の流体材料レベルとの間に配置され、密封キャップ(図示せず)が空気圧力を供給するためにシリンジバレルの開口端に固定されている。
【0048】
モジュール本体30の第2の部分45は、ノズル28を支持するよう構成されている。心出し部品46がノズル28内の流体出口48をモジュール本体30の第2の部分45を貫通して延びる通路50に整列させる。弁座52が流体入口42と流体出口48との間に設けられている。弁座52は、流体出口48と流体連通状態にある開口部56を有する。心出し部品46は、ノズル28の流体出口48、モジュール本体30の第2の部分45内の通路50及び弁座52の開口部56を同心整列又は位置合わせ状態に維持する。これら部品45,46,52,28は、コンポーネント相互間の接着によって定位置に保持されるのが良い。変形例として、要素45,46,52,28のうちの幾つか又は全てが、単一の一体形部品として製作されても良い。
図2Bは、要素45,46,52の全てが単一の一体形部品400として製作された実施形態を示しており、ノズル402が例えば接着剤又はねじ連結方式によって一体形部品400に取り付けられている。
【0049】
流体モジュール12は、可動要素60の壁62の形態をした受板を更に有するのが良い。可動要素60の周囲に接触する付勢要素68が軸方向ばね力を可動要素60に加えるよう構成されている。
【0050】
密封リング64がインサート63と可動要素60の外部との間に密封係合をもたらす。密封リング又はOリング64の下に位置する可動要素60の部分は、流体チャンバ38の境界部の一部を構成する。弁要素14は、可動要素60に取り付けられており、この弁要素は、可動要素60の壁62と弁座52との間の場所で流体チャンバ38の内部に配置されている。変形例として、弁要素14及び可動要素60は、
図2Cに示されているように単一一体の要素として構成されても良い。
【0051】
モジュール本体の第3の区分又は部分32は、摩擦嵌めによってインサート63の頂部に取り付けられている。モジュール本体の第2の部分45は、流体モジュールの他の全てのコンポーネントを包囲するよう摩擦嵌めによりモジュール本体の第1の部分40に取り付けられている。すなわち、第1の部分40と第2の部分45をいったん互いに押し付けると、これら部分は、流体モジュールのこれらの部分、即ち、ノズル28、弁座52、心出し部品46、弁要素14、可動要素60、密封リング64、付勢要素68、インサート63及びモジュール本体の第3の部分32を包囲する。かくして、好ましい実施形態では、流体モジュールは、要素45,40,28,52,46,14,60,64,68,63,32で構成されている。
【0052】
流体モジュールのコンポーネントのうちの幾つかを摩擦嵌めによって連結されるものとして説明したが、これらコンポーネント相互間の摩擦嵌めに代えて、コンポーネントを分解して再び組み立てることができるようにするねじ連結方式又はねじ部を用いても良い。
【0053】
上述すると共に
図3に示された組立て位置では、流体入口42を流体チャンバ38と流体連通関係をなすようこれに結合する通路47,47aは、次のように設けられる。環状通路47aは、モジュール本体30の第1の部分40と第3の部分32との間に設けられた空間によって作られる。通路47は、インサート63の外部に形成された溝又はチャネルにより提供される。インサート63をモジュール本体30の第2の部分45の中に圧力嵌めすると、インサート63の外部の溝及び第2の部分の内面は、通路47を形成する。インサート63を第2の部分45にねじ込む実施形態では、流体入口42と流体チャンバ38との間に流れ通路をもたらすためにインサート63に穴を設けるのが良い。
【0054】
図3Aに示されている流体モジュールの変形実施形態では、第3の部分32は、ねじ部32aによってインサート63にねじ込まれている。このねじ係合により、可動要素60の上側停止部である第3の部分32の下面32bの位置を調節することができる。下面32bが付勢要素68の上方に配置される距離が長ければ長いほど、弁14のストロークがそれだけ一層長くなる。加うるに、この実施形態により、弁座350の位置を調節することができる。弁座350及びノズル352は、ねじ部356のところで第2の部分45にねじ込まれたリテーナカップ354内に保持される。リテーナカップ354は、弁要素14に対する弁座350の位置が近ければ近いほど、第2の部分45中にそれだけ一層上方にねじ込まれる。止めナット358がリテーナカップ354を所望の距離にわたり第2の部分45中にいったんねじ込むと、弁要素14に対する弁座350の位置を固定するために設けられている。
【0055】
外部駆動ピンによる流体モジュールの作動
【0056】
駆動ピン36は、流体モジュール本体30の第3の部分32中に設けられたボア66中に突き出ている。駆動ピン36の先端部34は、可動要素60の壁62に隣接し且つ弁要素14から見て壁62の反対側に配置されている。
【0057】
弁要素14は、流体チャンバ38内に入っている流体材料にさらされるが、駆動ピン36を収容しているボア66は、流体チャンバ38内の流体材料から隔離されており、従って、駆動ピン36は、流体材料によっては湿潤されない。その結果、モジュール式射出装置10の構成により、駆動ピン36のための駆動又は作動機構体(例えば、圧電式駆動モジュール16)を流体チャンバ38内の流体材料から隔離した状態で駆動ピン36の動力運動を可能にする従来型流体シールを省くことができる。
【0058】
駆動ピン36は、弁要素14に間接的に結合されており、この駆動ピンは、圧電式駆動モジュール16又は他の駆動モジュールのコンポーネントとして働く。駆動ピン36と弁要素14は、互いに協働してモジュール式射出装置10からの射出によって流体材料を小出しする。駆動ピン36を動かして弁要素14が弁座52に接触するようにすると、駆動ピン36の先端部34は、ハンマーの動作と非常に良く似た仕方で動作し、可動要素60の壁62を打ってその力及び運動量を壁62に伝え、それにより、弁要素14は、弁座52を迅速に突き当たって射出装置から材料の液滴を射出する。具体的に説明すると、駆動ピン36に直接的には連結されていない弁要素14は、作動された駆動ピン36の先端部34により可動要素60の壁62に及ぼされる衝撃によって動かされて弁座52に接触するよう構成されている。その結果、駆動ピン36が作動され、駆動ピン36の任意の部分(先端部34を含むが、これには限定されない)が射出された流体材料によって湿潤されることなく、所与の量の流体材料が流体チャンバ38から射出される。駆動ピン36と壁62の接触が解除されると、付勢要素68により及ぼされる軸方向ばね力が弁要素14及び可動要素60を駆動ピン36の長手方向軸線と整列した方向に弁座52から遠ざけるよう働く。駆動ピン36及び弁要素14の各往復サイクルにより、流体材料の液滴が射出される。このサイクルは、所望に応じて流体材料の液滴を順次射出するよう繰り返される。
【0059】
弁座52に向いた弁要素14の表面は、開口部54を包囲した弁座52の表面の形状に一致する曲率を有するのが良い。形状一致の結果として、弁要素14が射出中、弁座52と接触関係をなした場合に流体シールが一時的に形成される。弁要素14の運動中における流体シールの実現により、弁座52を通り過ぎる流体チャンバ38からの流体材料の流れが止められる。
【0060】
図2Cに示されている一体形可動要素300が用いられる実施形態では、駆動ピン34は、可動要素300の上側部分302に接触し、それにより下端部304が弁座に接触して材料の液滴を射出する。
図2Cに示されているように、上述の実施形態の場合と同様に、可動要素300の外面は、Oリング64に密着され、ばね68は、上向きの付勢力を可動要素300に及ぼす。
【0062】
伝熱部材として働く本体80を有するヒータ76が流体モジュール12を少なくとも部分的に包囲している。ヒータ76は、従来型発熱体(図示せず)、例えば本体80に設けられたボア内に位置するカートリッジ型抵抗発熱体を有するのが良い。ヒータ76は、ヒータ76に供給される電力を調整する際に温度コントローラによる使用のためのヒートバック信号をもたらす従来型温度センサ(図示せず)、例えば抵抗型感熱装置(RTD)、サーミスタ又は熱電対を更に備えるのが良い。ヒータ76は、ばね押しピン79を有し、これらばね押しピンは、温度センサのための信号経路を提供すると共に電力を発熱体及び温度センサに送るための電流経路を提供するために案内ブロック74b(後述する)と関連したそれぞれの軟質導電性接点59に接触する。以下に詳細に説明するように、流体モジュール12は、ヒータ76内に納まっており、ヒータ76をリテーナアーム(後で説明する)によって引いてこれをアクチュエータ本体74に当てると、流体モジュールは、ヒータ76とアクチュエータ本体74との間に圧縮状態に保持される。
【0064】
図1A、
図2及び
図2Aを参照すると、一実施形態では、圧電式駆動モジュール16は、流体モジュール12の弁14を作動するために用いられる。小出し弁用の圧電式駆動装置が知られている。例えば、米国特許第5,720,417号明細書は、流体ディスペンサの弁を作動させるために用いられる圧電式駆動装置又はドライバを示しており、この米国特許を参照により引用し、全ての目的に関しその記載内容全体を本明細書の一部とする。この実施形態では、圧電式駆動モジュール16は、圧電スタック92a,92b、プランジャ93、非対称撓み部材94を有する。撓み部材94は、アクチュエータ本体74の一体部分であり、この撓み部材は、撓み部材94をプランジャ93に連結する結合要素97を有している。ばね96がばね力をプランジャ93及び圧電スタック92a,92bに及ぼし、これらを圧縮状態に保つ。
図1A及び
図4Aに最も良く示されているように、アクチュエータ本体74は、案内ブロック74a,74b相互間にサンドイッチされており、これについては後で詳細に説明する。案内ブロック74a,74bは、従来型締結具によってアクチュエータ本体74に取り付けられている。圧電スタック92a,92b、プランジャ93及びばね96は、一組立体として、上側延長部56及び下側延長部58を備えたC字形ブラケット55によって提供される機械的拘束部相互間に閉じ込められている。
図1Aに想像線で示されたブラケット55は、下側部材115に取り付けられたロードセルパッド115aと上側部材113に取り付けられた支持部材111aとの間に支持されている。
【0065】
プランジャ93は、圧電スタック92を非対称撓み部材94に連結する機械的インタフェースとして機能する。ばね96は、ばね96により生じるばね力が一定の荷重を圧電スタック92に加えるよう組立体中において圧縮されており、かかる一定の荷重は、圧電スタック92に予荷重を与える。金属で構成されるのが良い非対称撓み部材94は、駆動ピン36の先端部34とは反対側の駆動ピン36の端に物理的に固定されたアーム95を有している。非対称撓み部材94は、圧電スタック92の比較的僅かな変位を圧電スタック92の変位よりも著しく大きい駆動ピン36にとっての有用な変位に変換する機械的増幅装置として機能する。
【0066】
圧電式駆動モジュール16の圧電スタック92は、当該技術分野において従来通り導体の層と交互に位置した圧電セラミックの層で構成された積層物である。ばね96からのばね力は、圧電スタック92の積層を定常圧縮状態に維持する。圧電スタック92中の導体は、駆動回路又はドライバ98に電気的に結合され、このドライバ98は、当該技術分野において周知の仕方で、パルス幅変調、周波数変調又はこれらの組み合わせで限流出力信号を出力する。電力がドライバ98から定期的に供給されると、磁界が作られ、この磁界は、圧電スタック92中の圧電セラミック層の寸法を変化させる。
【0067】
非対称撓み部材94により機械的に増幅される圧電スタック92の受ける寸法変更により、駆動ピン36は、その長手方向軸線に平行な方向に直線運動する。圧電スタック92の圧電セラミック層が膨張すると、ばね96は、膨張力によって圧縮され、非対称撓み部材94は、固定ピボット軸線を中心として回動し、それにより、駆動ピン36の先端部34は、
図2で見て上方に可動要素60の壁62から遠ざかる。これにより、付勢要素68は、弁要素14を弁座52から遠ざける。作動力が除かれ、圧電スタック92の圧電セラミック層が収縮可能になると、ばね96が拡張し、非対称撓み部材94が回動して駆動ピン36を
図2で見て下方に動かし、その結果、先端部34は、壁62に接触し、それにより弁要素14は、弁座52に接触して材料の液滴を射出する。かくして、消勢状態では、圧電スタック組立体は、弁を常閉位置に維持する。通常の作動では、非対称撓み部材94は、スタック92a,92bを付勢したり消勢したりすると、固定ピボット軸線回りに互いに逆方向に間欠的に揺動し、それにより駆動ピン36の先端部34を可動要素60の壁62に接触させたりこれから離したりして材料の液滴を迅速な速度で射出する。
【0068】
圧電式駆動モジュール16のドライバ98は、コントローラ99によって制御される。コントローラ99は、1つ又は2つ以上の入力に基づいて1つ又は2つ以上の変数を制御するよう構成された電気制御装置であればどのようなものであっても良い。コントローラ99は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、ディジタル信号プロセッサ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラム可能論理装置、状態機械、論理回路、アナログ回路、ディジタル回路及び/又はメモリ172に記憶されている動作命令に基づいて信号(アナログ及び/又はディジタル)を操作する任意他の装置から選択された少なくとも1つのプロセッサ170を用いて具体化されるのが良い。メモリ172は、単一の記憶装置であっても良く、或いは複数個の記憶装置であっても良く、かかる記憶装置としては、読み取り書き込み記憶装置(RAM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ及び/又はディジタル情報を記憶することができる任意他の装置が挙げられるが、これらには限定されない。コントローラ99は、大容量記憶装置174を有し、この大容量記憶装置としては、とりわけ、1つ又は2つ以上のハードディスクドライブ、フロッピー又は他の取り外し可能ディスクドライブ、直接アクセス記憶装置(DASD)、光学ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブ等)及び/又は磁気テープ装置が挙げられる。
【0069】
コントローラ99のプロセッサ170は、オペレーティングシステム175の制御下で動作し、種々のコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、データ構造等に具体化されたコンピュータプログラムコードを実行し又はこれを利用する。メモリ172内に常駐すると共に大量記憶装置174に記憶されたプログラムコード176は、プロセッサ170上での実行時、圧電式駆動モジュール16の動作を制御し、特に圧電式駆動モジュール16を駆動するドライバ98に制御信号を提供する制御アルゴリズムを更に含む。コンピュータプログラムコードは、通常、種々の時点でメモリ108内にあり、プロセッサ106により読み取られて実行されると、コントローラ99が本発明の種々の実施形態及び観点を具体化するステップ又は要素を実施するのに必要なステップを実行するようにする1つ又は2つ以上の命令を含む。
【0070】
本明細書において説明する種々のプログラムコードをこれが本発明の特定の実施形態において具体化されるアプリケーションに基づいて識別することができる。しかしながら、理解されるべきこととして、以下の任意特定のプログラム名称集が単に便宜上用いられ、かくして、本発明は、かかる名称集により識別されると共に/或いは示唆される任意特定の用途だけにおける使用に限定されるべきではない。さらに、コンピュータプログラムをルーチン、手順、方法、モジュール、オブジェクト等に編成することができる仕方並びにプログラム機能を代表的なコンピュータ内にある種々のソフトウェア層(例えば、オペレーティングシステム、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレット等)に割り当てることができる種々の仕方の数が一般に際限がないほど多いと仮定すると、本発明は、本明細書において説明するプログラム機能の特定の編成及び割り当てには限定されないことが理解されるべきである。
【0071】
コントローラ99は、プロセッサ170に従来通り動作的に接続されたヒューマンマシンインタフェース(HMI)を有するのが良い。HMI(図示せず)は、オペレータからの指令又は入力を受け取ってエンターされた入力をプロセッサ170に伝えると共に情報をオペレータに表示することができる出力装置、例えば英数字ディスプレイ、タッチスクリーン及び他の視覚表示装置並びに入力装置及び制御装置、例えば英数字キーボード、ポインティング装置、キーパッド、プッシュボタン、操作ノブ等を有するのが良い。
【0072】
コントローラ99は、オプションとして、本発明の実施形態のモジュール式射出装置10を具体化する製造ツールの動作を支援する装置の動作を制御するために用いられるのが良い。例えば、コントローラ99は、以下に説明するようにロッド164によってダイヤフラム162に連結されることにより圧力測定値の読みを生じさせるロードセル166に結合される。これら圧力測定値の読みを容積移送式ポンプ102を配備したときにモジュール式射出装置10の動作を制御する際に用いられるフィードバックとしてコントローラ99に送られる。
【0074】
同一参照符号が
図1〜
図3に示された同一の特徴を示している
図4、
図4A、
図5、
図5A〜
図5C及び
図6を参照すると、本発明の変形実施形態に従って、モジュール式射出装置10は、シリンジ22と流体結合インタフェース20との間の場所で流体結合インタフェース20に連結可能な供給モジュール100を有するのが良い。供給モジュール100は、容積移送式ポンプ102、マニホルドブロック103及びマニホルドブロック103内の流路中に設けられた複数個の逆止弁104,106,108,110を有する。往復動型容積移送式ポンプとして示されている容積移送式ポンプ102は、従来型締結具によって下側部材115に取り付けられるのが良い。
【0075】
容積移送式ポンプ102は、流体材料を流体モジュール12の流体チャンバ38の入口に圧送するよう構成されている。この目的のため、容積移送式ポンプ102は、流体材料を流体モジュール12の流体結合インタフェース20に計時シーケンスで供給するために協調方式で制御されるよう構成された第1のピストンポンプ112及び第2のピストンポンプ114を含む。コントローラ99は、シーケンスタイミングを提供すると共に第1及び第2のピストンポンプ112,114の動作を協調させるプログラムコードを実行する。
【0076】
第1のピストンポンプ112は、ピストンシリンダ116、ピストンシリンダ116内に設けられたピストン118及びキャリジ120を有する。ピストン118の一端は、ヘッド119及び一組のグリッパ又はジョー122を有する。ジョー122は、キャリジ120に回動可能に取り付けられていて、ヘッド119を解除可能なクランプ作用で把持する。ジョー122の各々は、それぞれのフック121を有し、フック121は、ジョー122を閉じてヘッド119をクランプすると、ヘッド119の側縁に係合する。例えばねじりばねによって閉じ位置にばね押しされているジョー122を開くには、ばね付勢力に打ち勝ち、ジョー122を互いに離す手動力を加えるのが良い。手動力を除くと、ジョー122は閉じてピストン118のヘッド119をクランプする。変形例として、固定停止部(図示せず)を支持要素115cに取り付けても良い。支持要素115cは、ポンプ102の頂部に接触し、この支持要素は、支持壁111に剛性的に取り付けられている。固定停止部は、ジョー122を開き、ジョー122を動かしてこれをピストンヘッド119に接触させると、ピストンヘッド119を離すことができる。
【0077】
ピストン118と関連したキャリジ120は、直線運動拘束手段としての直線軸受126で支持され、このキャリジは、親ねじ128によって直線軸受126に対して直線的に動かされる。直線軸受126は、その下端部が支持要素115cに取り付けられ、その状端部が上側部材113に取り付けられている。親ねじ128の回転運動は、モータ130により駆動され、この回転運動は、キャリジ120の運動によってピストンシリンダ116内のピストン118の直線運動に変換される。モータ130をコントローラ99からの命令によって双方向に駆動することができ、その結果、親ねじ128は、両方の回転方向に回され、ピストン118を親ねじ128の回転によってピストンシリンダ116に対して互いに逆の直線方向に動かすことができるようになっている。
【0078】
回転エンコーダ131という代表的な形態の検出器がモータ130の運動を追跡し、それにより、コントローラ99は、親ねじ128の長さに沿ってキャリジ120の存在場所を追跡することができる。回転エンコーダ131により検出されて回転エンコーダ131からコントローラ99に送られる(例えば、光学又は電気信号として)モータエンコーダのカウント数は、ピストン118の変位を効果的に追跡し、かかるカウント数を変位中の押し退けられている流体材料の量に相関させることができる。コントローラ99は、容積移送式ポンプ102の動作の閉ループフィードバック制御、特に第1のピストンポンプ112の動作の制御のために回転エンコーダ131からの信号を利用することができる。
【0079】
第1のピストンポンプ112と同一構成であるのが良い第2のピストンポンプ114は、ピストンシリンダ132、ピストン134及びキャリジ136を有する。ピストン134の一端は、ヘッド141及びキャリジ136に回動可能に取り付けられていて、ヘッド141を解除可能なクランプ作用で把持する一組のグリッパ又はジョー138を有する。ジョー138の各々は、それぞれのフック143を有し、フック143は、ジョー138を閉じてヘッド141をクランプすると、ヘッド141の側縁に係合する。例えばねじりばねによって閉じ位置にばね押しされているジョー138を開くには、ばね付勢力に打ち勝ち、ジョー138を互いに離す手動力を加えるのが良い。手動力を除くと、ジョー138は閉じてピストン134のヘッド141をクランプする。この場合も又、変形例として、固定停止部を用いて接触時にジョー138を開いても良い。
【0080】
ピストン134と関連したキャリジ136は、直線運動拘束手段としての直線軸受140で支持され、このキャリジは、親ねじ142によって直線軸受140に対して直線的に動かされる。直線軸受140は、その下端部が支持要素115cに取り付けられ、その状端部が上側部材113に取り付けられている。親ねじ142の回転運動は、モータ144により駆動され、この回転運動は、キャリジ136の運動によってピストンシリンダ132内のピストン134の直線運動に変換される。モータ144をコントローラ99からの命令によって双方向に駆動することができ、その結果、親ねじ142は、両方の回転方向に回され、ピストン134を親ねじ142の回転によってピストンシリンダ132に対して互いに逆の直線方向に動かすことができるようになっている。
【0081】
回転エンコーダ145がモータ130の運動を追跡し、それにより、コントローラ99は、親ねじ142の長さに沿ってキャリジ136の存在場所を追跡することができる。回転エンコーダ145により検出されて回転エンコーダ145からコントローラ99に送られる(例えば、光学又は電気信号として)モータエンコーダのカウント数は、ピストン134の変位を効果的に追跡し、かかるカウント数を変位中の押し退けられている流体材料の量に相関させることができる。コントローラ99は、容積移送式ポンプ102の動作の閉ループフィードバック制御、特に第2のピストンポンプ114の動作の制御のために回転エンコーダ145からの信号を利用することができる。
【0083】
ピストンポンプ112,114は、マニホルドブロック103と関連して動作し、マニホルドブロック103は、アルミニウムで構成されるのが良い。ポンプ112,114は、従来型締結具(図示せず)によってマニホルドブロック103に取り付けられている。
図5、
図5A〜
図5C及び
図6に最も良く示されているように、マニホルドブロック103内には、供給通路150、吐き出し又は放出通路152、第1の枝通路154及び第2の枝通路156が設けられている。放出通路152は、流体結合インタフェース20と流体連通関係をなしてこれに結合されている。第1の枝通路154は、供給通路150を放出通路152と流体連通関係をなしてこれに結合されている。第2の枝通路156は、供給通路150を放出通路152と流体連通関係をなしてこれに結合されている。通路150,152,154は、第1のピストンポンプ112に結合された第1の流体経路を構成する。通路150,152,156は、第2のピストンポンプ114に結合された第2の流体経路を構成する。
【0084】
第1のピストンポンプ112のピストンシリンダ116の内容積部は、第1の枝通路154と流体連通している。逆止弁104,106(
図5及び
図5A)は、ピストンシリンダ116と第1の枝通路154との間の中央に設けられた流体連結部の互いに反対側に位置決めされている。
【0085】
図5、
図5A及び
図6に最も良く示されているように、逆止弁104は、シリンジ22と第1のピストンポンプ112のピストンシリンダ116との流体連結部との間の流体経路中に設けられている。逆止弁104は、具体的には、供給通路150の出口のうちの1つから第1の枝通路154の入口までの移行部のところに位置決めされている。逆止弁104は、ばね押し可動本体182を有し、この可動本体は、前方流れによって受座183から変位可能であり、その結果、流体材料をシリンジ22から第1のピストンポンプ112に移送することができ、それにより
図5に示されているように第1のピストンポンプ112の取入れサイクル中、ピストンシリンダ116を流体材料で満たすことができる。
図5Aに示されている第1のピストンポンプ112の吐出しサイクル中、逆止弁104の向きは、第1のピストンポンプ112からシリンジ22への流体材料の逆流を阻止する。具体的に説明すると、逆止弁104のばね押し可動本体182は、第1の枝通路154内の流体圧力によって受座183に着座し、この流体圧力は、吐出しサイクル中におけるピストンシリンダ116内のピストン118の運動によって生じる。
【0086】
逆止弁106は、流体チャンバ38への流体入口42と第1のピストンポンプ112のピストンシリンダ116との流体連結部との間の流体経路中に設けられ、従って、逆止弁106は又、流体結合インタフェース20と第1のピストンポンプ112との間の流体経路中に配置される。逆止弁106は、具体的には、吐出し通路152への入口のうちの1つから第1の枝通路154の出口までの移行部のところに位置決めされている。逆止弁106は、ばね押し可動本体184を有し、この可動本体は、前方流れによって受座185から変位可能であり、その結果、
図5Aに示されているように、吐出しサイクル中、流体材料を第1のピストンポンプ112によって流体チャンバ38に圧送することができるようになっている。
図5に示されている第1のピストンポンプ112の取入れサイクル中、逆止弁106の向きは、流体チャンバ38から第1のピストンポンプ112への流体材料の逆流を阻止する。具体的に説明すると、逆止弁106のばね押し可動本体184は、第1の枝通路154内の流体圧力によって受座185に着座し、この流体圧力は、取入れサイクル中におけるピストンシリンダ116内のピストン118の運動によって生じる。
【0087】
ピストン118は、モータ130により動力供給されるキャリジ120の運動によって、
図5に示されているように供給通路150から流体材料を取り入れる方向190にピストンシリンダ116内で動く。ピストン118の運動に応動して、逆止弁104は、開き、流体材料は、参照符号192で概略的に示されているように、供給通路150から開いた状態の逆止弁104を越えて第1の枝通路154を通り、そしてピストンシリンダ116の内部中に流れる。流体材料は、ピストン118によって空になっているピストンシリンダ116内の空間を満たす。逆止弁106によって阻止される流体チャンバ38からの流体材料の逆流の潜在的な原因は、ピストンシリンダ116が流体材料で満たされているとき及び吸引力が第1のピストンポンプ112の出口側に加わるときに生じる。
【0088】
ピストンシリンダ116が適量の流体材料を収容している場合であってストロークの終わりに、モータ130は、キャリジ120の運動を逆にする。キャリジ120の逆転運動により、ピストン118は、
図5Aに示されているように方向191に沿って動く。ピストンシリンダ116に対するピストン118の運動により、参照符号193によって概略的に示されているように、ピストンシリンダ116内の流体材料は圧力下で流体結合インタフェース20に向かって追い出される。逆止弁106が開き、それにより流体材料は、第1の枝通路154を通って放出する152に流れることができる。逆止弁104が閉じてピストンシリンダ116からシリンジ22への流体の逆流を阻止する。
【0089】
第2のピストンポンプ114のピストンシリンダ132の内容積部は、供給通路150からの出口と放出通路152への入口との間の場所で第2の枝通路156と連通している。逆止弁108,110(
図5B及び
図5C)が第2の枝通路156内に設けられている。
【0090】
図5B、
図5C及び
図6に最も良く示されているように、逆止弁108は、シリンジ22と第2のピストンポンプ114のピストンシリンダ132との流体連結部との間の流体経路中に設けられている。逆止弁108は、具体的には、供給通路150の出口のうちの1つから第2の枝通路156の入口までの移行部のところに位置決めされている。逆止弁108は、ばね押し可動本体186を有し、この可動本体は、前方流れによって受座187から変位可能であり、その結果、流体材料をシリンジ22から第2のピストンポンプ114に移送することができ、それにより
図5Bに示されているように第2のピストンポンプ114の取入れサイクル中、ピストンシリンダ132を流体材料で満たすことができる。
図5Cに示されている第2のピストンポンプ114の吐出しサイクル中、逆止弁108の向きは、第2のピストンポンプ114からシリンジ22への流体材料の逆流を阻止する。具体的に説明すると、逆止弁108のばね押し可動本体186は、第2の枝通路156内の流体圧力によって受座187に着座し、この流体圧力は、吐出しサイクル中におけるピストンシリンダ132内のピストン134の運動によって生じる。
【0091】
逆止弁110は、流体チャンバ38への流体入口42と第2のピストンポンプ114のピストンシリンダ132との流体連結部との間の流体経路中に設けられ、従って、逆止弁110は又、流体結合インタフェース20と第2のピストンポンプ114との間の流体経路中に配置される。逆止弁110は、具体的には、吐出し通路152への入口のうちの1つから第2の枝通路156の出口までの移行部のところに位置決めされ、従って、逆止弁110は又、流体結合インタフェース20と第2のピストンポンプ114との間の流体経路中に配置される。逆止弁110は、ばね押し可動本体188を有し、この可動本体は、前方流れによって受座189から変位可能であり、その結果、
図5Cに示されているように、吐出しサイクル中、流体材料を第2のピストンポンプ114によって流体チャンバ38に圧送することができるようになっている。
図5Bに示されている第2のピストンポンプ114の取入れサイクル中、逆止弁110の向きは、流体チャンバ38から第2のピストンポンプ114への流体材料の逆流を阻止する。具体的に説明すると、逆止弁110のばね押し可動本体188は、第2の枝通路156内の流体圧力によって受座189に着座し、この流体圧力は、取入れサイクル中におけるピストンシリンダ132内のピストン118の運動によって生じる。
【0092】
ピストン134は、モータ144により動力供給されるキャリジ136の運動によって、
図5Bに示されているように供給通路150から流体材料を取り入れる方向194にピストンシリンダ132内で動く。ピストン134の運動に応動して、逆止弁108は、開き、流体材料は、参照符号196で概略的に示されているように、供給通路150から開いた状態の逆止弁108を越えて第2の枝通路156を通り、そしてピストンシリンダ132の内部中に流れる。流体材料は、ピストン134によって空になっているピストンシリンダ132内の空間を満たす。逆止弁110によって阻止される流体チャンバ38からの流体材料の逆流の潜在的な原因は、ピストンシリンダ132が流体材料で満たされているとき及び吸引力が第2のピストンポンプ114の出口側に加わるときに生じる。
【0093】
ピストンシリンダ132が適量の流体材料を収容している場合であってストロークの終わりに、モータ144は、キャリジ136の運動を逆にする。キャリジ136の逆転運動により、ピストン134は、
図5Cに示されているように方向195に沿って動く。ピストンシリンダ132に対するピストン134の運動により、参照符号197によって概略的に示されているように、ピストンシリンダ132内の流体材料は圧力下で流体結合インタフェース20に向かって追い出される。逆止弁110が開き、それにより流体材料は、第2の枝通路156を通って放出する152に流れることができる。逆止弁108が閉じてピストンシリンダ132からシリンジ22への流体の逆流を阻止する。
【0095】
容積移送式ポンプ102の第1のピストンポンプ112と容積移送式ポンプ102の第2のピストンポンプ114の交番により、放出通路152及び流体入口42に供給される流体材料の源が切り替わる。換言すると、ピストンポンプ112,114は、取入れサイクルと吐出しサイクルとの間で交互に動作する。特段の注記がなければ、流体圧力及び流量の「ウィンク(wink)」又は減少は、容積移送式ポンプ102がピストンポンプ112からピストンポンプ114に切り替わるとき及び容積移送式ポンプ102がピストンポンプ114からピストンポンプ112に切り替わるときの取入れサイクルと吐出しサイクルとの切り替え時に起こる場合がある。取入れサイクルと吐出しサイクルの両方は、コントローラ99によって行われるサーボ動作であり、効果的には互いに独立している。コントローラ99は、取入れサイクルと吐出しサイクルとの間の移行中、ピストンポンプ112,114の動作を協調させるために用いられるに過ぎない。ダイヤフラム162、ロッド164及びロードセル166で構成された圧力センサは、容積移送式ポンプ102から見て下流側に且つ流体チャンバ38から見て上流側に位置する流路中の場所の流体圧力を評価する。
【0096】
ウィンクを示す状態が正に起ころうとしているのは、ピストンポンプ112,114のうちの一方に取入れサイクルの終わりの近くのシリンダ満杯箇所で流体材料を導入し且つピストンポンプ112,114のうちの他方から吐出しサイクルの終わりの近くの補充時点箇所で流体材料がなくなっている場合である。補充時点箇所は、ピストン118がピストンシリンダ116から標的又は目標量の流体材料を吐き出したことを表す回転エンコーダ131からのエンコーダカウントに基づくアドレス又は別法として、ピストン134がピストンシリンダ132から標的又は目標量の流体材料を吐き出したことを表す回転エンコーダ135からのエンコーダカウントに基づくアドレスによって表される。これとは逆に、シリンダ満杯箇所は、回転エンコーダ131からのエンコーダカウントに基づくアドレスによって反映されていて、最大量の流体材料がピストンシリンダ116内に入れられていることを示すピストン118に関する位置又は回転エンコーダ145からのエンコーダカウントに基づくアドレスによって反映されていて、最大量の流体材料がピストンシリンダ132内に入れられていることを示すピストン134に関する位置である。ピストンポンプ112,114は各々、オプションとして補充時点又はシリンダ満杯の指標を表すために用いることができる高及び低光学リミットスイッチを有する。
【0097】
コントローラ99が圧力センサの出力をモニタしながらピストンポンプ112,114相互間の移行が近づくのをいったん識別すると、コントローラ99により、ピストンポンプ112,114のうちの満杯の一方がそのシリンダから流体モジュール12に流体を追い出しはじめ、それと同時に、ピストンポンプ112,114のうちの他方を逆転させ、その結果、このピストンポンプがそのシリンダから流体モジュール12に流体を追い出すのを停止し、この代わりにそのシリンダの補充を開始する。圧力センサは、移行中における流体圧力の増大又は流体圧力の減少を感知して測定することができ、コントローラ99は、かかる増減を圧力センサにより伝えられた信号から感知する。移行中における流体圧力の増減に応答して、コントローラ99は、速度補正をモニタ130,144に提供するのが良く、その目的は、一定の圧力及び一定の流量を維持することにある。コントローラ99上で実行されるプログラムコードは、必要な速度補正を計算すると共にモータ130,144の動作を調節して速度補正を提供することができる。
【0099】
圧力センサの機能を説明したが、次に、その構造の細部について説明する。
図1A、
図2、
図5及び
図6を参照すると、流体入口42及び流体結合インタフェース20を流体チャンバ38に結合している通路47は、種々の長さ及び種々の向きの多数の相互連結セグメントを含む。流体材料が流体結合インタフェース20の通過直後、流体入口42内を流れる流体材料は、ダイヤフラム162と相互作用する。ダイヤフラム162は、しっかりと固定された周辺リング及び周辺リングによって周囲が包囲された薄い半剛性メンブレンを有する。ダイヤフラム162のメンブレンの前側又は前面は、流体入口42内を流れている流体材料によって湿潤され、ダイヤフラム162のメンブレンの後側又は後面は、湿潤されない。ダイヤフラム162のメンブレンの互いに反対の側又は面前後の流体圧力差により、メンブレンは、流体材料によってダイヤフラム162に加えられる流体圧力の大きさに比例して撓む。流体入口42内の流体圧力の増加により、撓み量が多くなる。
【0100】
ロッド164がロードセル166に接触するようダイヤフラム162のメンブレンの後側から延びている。ダイヤフラム162のメンブレンの変形量は、流体圧力に比例して変化する。流体圧力が変化すると、ダイヤフラム162は、流体圧力に比例した力を介在ロッド164を介してロードセル166に伝える。ロードセル166は、圧力測定値の読みをモジュール式射出装置10のためのコントローラ99に伝える。このように、ダイヤフラム162とロードセル166は、モジュール式射出装置10の動作を制御する際に用いられる流体入口42内の流体圧力を測定してこれを評価する圧力センサとして働くよう互いに協働する。
【0102】
ジョー122,138により、ポンプ102及びマニホルドブロック103で構成された供給モジュール100をシリンジ22と流体結合インタフェース20との間の流体結合インタフェース20から容易に切り離すことができると共にクリーニング又は保守のために射出装置10から容易に切り離すことができる。供給モジュール100を取り外すため、キャリジ120,136を
図4Aに示されているこれらの最も下の箇所まで押し下げてシリンダ116,132内の流体を押し出す。ジョーは、ピストンヘッド119,141を離すようこれらの最も下の箇所で、上述したように固定停止部によって自動的に開放可能であり又は手動で開放可能である。次に、雌ねじ付き流体継手26a,20a(
図5B参照)をそれぞれ、シリンジ22及び流体結合インタフェース20から外す。最後に、ポンプ102を下側部材115に連結している従来型締結具(図示せず)、例えばボルトを取り外し、その結果、ポンプ102及びマニホルドブロック103で構成された供給モジュール100を同一の供給モジュール100との交換のため又はその湿潤面の保守及びクリーニングのためにユニットとして取り外すことができる。かくして、流体モジュール12は、保守、クリーニング及び交換のために射出装置10からの切り離しが容易であるだけでなく、更に、供給モジュール100は又、保守、クリーニング及び交換のために射出装置10からの切り離しが容易である。流体モジュール及び供給モジュールは、射出装置10の湿潤面の全てを含んでいるので、これらコンポーネントの両方を迅速に取り外して交換することができるということは、極めて有利である。
【0103】
加うるに、供給モジュール100を切り離すと、流体導管44を用いてシリンジ22を流体結合インタフェース20と流体連通関係をなすようこれに直接連結することができ、その結果、2つの流体供給モジュールのいずれを用いても液体材料を流体モジュール12に提供することができる。かくして、シリンジ22は、モジュール式射出装置10の1つの流体供給モジュール(
図1〜
図3)を構成するよう流体結合インタフェース20に直接連結されるのが良い。同様に、シリンジ22を含むモジュール式射出装置10の供給モジュール100(
図4〜
図7)は、別の流体供給モジュールを構成するよう流体結合インタフェース20に連結されるのが良い。
【0104】
ピストンポンプと駆動モジュールの協調
【0105】
ピストンポンプ112,114の動作を互いに協調させて、ピストン118,134をそれぞれのピストンシリンダ116,132内で動かし、その結果、流体結合インタフェース20を通って流体モジュール12に供給された流体材料の流れが流体モジュール12からの液体材料の射出量と実質的に同一の流量で実質的に連続且つ遮られないで流れるようにするのが良い。コントローラ99は、容積移送式ポンプ102が材料を流体入口42中に圧送し、最終的に流体チャンバ38内に圧送する流量を示す圧送流量信号をエンコーダ131,145から受け取ることができる。
【0106】
使用にあたり、コントローラ99は、容積移送式ポンプ102が流体材料を流体チャンバ38の流体入口42に圧送する開始時刻を示す開始時刻信号を容積移送式ポンプ102に送ると共に材料が流体モジュール12から射出されるべき流量を表す所望の圧送流量信号を送る。エンコーダを用いて、実際の圧送流量を所望の圧送流量と比較して流量補正を行うことができる。コントローラ99が開始時刻信号を容積移送式ポンプ102に送ると、コントローラ99は、それと同時に、開始時刻信号を圧電式駆動モジュール16又は
図14の実施形態(後で説明する)に示されている空気圧式駆動モジュール202に送って弁要素を開始時刻信号後の所定の第1の遅延期間の間、開放位置に動かし、それにより容積移送式ポンプ102を始動させる。次に、コントローラ99は、弁要素14を流量と相関関係のある所定のサイクル速度で射出作業中、開放位置と閉鎖位置との間で繰り返し動かす。コントローラ99は又、現在の射出作業中、流体モジュール12を通って射出されるべき材料の量を示すデータを利用し、エンコーダ131,145から定められるようにその量の材料がいったん射出されると、コントローラ99は、終了時刻信号を容積移送式ポンプ102に送って流体チャンバ38の流体入口42への流体材料の圧送を停止させる。コントローラ99は、それと同時に、終了時刻信号を圧電式駆動モジュール16又は空気圧式駆動モジュール202に送り、それにより弁要素14が終了時刻後の所定の第2の遅延期間の間、閉鎖位置のままであるようにし、それにより射出作業を停止させる。
【0107】
射出弁に容積移送式ポンプからの流体を供給した場合の一利点は、良好な「ショット・ツー・ショット(shot to shot)」精度が得られることである。このことは、例えば、同一サイズの点状体を例えば射出されるべき材料の粘度(温度変化により生じる)又は射出されるべき材料の流体圧力のようなパラメータの変化にもかかわらず、一貫して射出することができるということを意味している。その理由は、容積移送式圧送方式により、流体モジュールに供給される材料の全てが流体モジュールから射出されるようになるからである。かくして、流体モジュール中への材料の流量が一定であり且つ毎分の点状体の射出頻度が一定であると仮定すると、流体モジュールから射出される材料の各液滴又は点状体のサイズは、同一であるはずである。これとは対照的に、シリンジからの供給が行われる射出弁の場合、例えば、シリンジ内の圧力が増大した場合、大きな点状体が射出されることになり、シリンジ内の圧力が低下すると、小さな点状体が射出されることになる。同様に、シリンジ内の材料の温度が低下して材料の粘度が増大すると、射出される点状体は、小さくなり、シリンジ内の材料の温度が上昇して材料の粘度が減少すると、射出される点状体は大きくなる。射出される点状体又は液滴のサイズのこれらの変動は、本発明の容積移送式ポンプ実施形態により減少する。
【0108】
流体モジュール及びヒータのための解除機構体
【0109】
解除機構体に関与する射出装置10のコンポーネントだけを示す
図7、
図8A、
図8B、
図9A、
図9B、
図10A、
図10B、
図11A、
図11B、
図12A、
図12Bを参照すると、モジュール式射出装置10の流体モジュール12及びヒータ76は、ヒータ76及び流体モジュール12の迅速な取り付け及び取り外しを容易にする解除機構体72と関与した状態で構成されており、この場合、モジュール式射出装置10の他のコンポーネントを妨害することはなく、しかも、工具を用いて従来型締結具を弛めたり締め付けたりする必要がない。ヒータ76及び流体モジュール12は、流体モジュール12が作動的にモジュール式射出装置10に結合された上昇した第1の位置(
図8A、
図9A、
図10A、
図11A、
図12A)と流体モジュール12がモジュール式射出装置10から取り外し可能な下降した第2の位置(
図8B、
図9B、
図10B、
図11B、
図12B)との間で動くことができる。
【0110】
まず最初に、
図7、
図8A、
図8B、
図9A、
図9B、
図10A、
図10B、
図11A、
図11B、
図12A、
図12Bを参照すると、解除機構体は、カム84を備えたレバー86及びカム84を引っ張り棒又はドローバー81に結合しているロッド87を有するのが良い。レバー86は、モジュール式射出装置10のアクチュエータ本体の上側部材113で回動可能に支持されている。カム84は、湾曲受座85に接触すると共にレバー86を手動でピボットピン248回りに第1の位置と第2の位置との間で回動させたときに湾曲受座85で支えられて回る滑らかに湾曲した表面を有する。ロッド87は、ピボットピン248の中央に結合されたねじ山付き端部及びドローバー81に結合された別のねじ山付き端部を有している。カム84と湾曲受座85は、レバー86の回転運動をロッド87の直線運動に変換するよう協働する。ピボットピン248は、カム84の幾何学的中心に対して側方にオフセットしている。レバー86を
図7及び
図8Aで見える一方向を示す矢印53によって指示されているようにピボットピン248回りに第1の位置(
図7、
図8A、
図9A及び
図10A)から第2の位置(
図7、
図8B、
図9B及び
図10B)に向かって手動で回し、カム84が湾曲受座85の端から端まで支えられて回ると、ロッド87は、
図7、
図8A、
図9A、
図10Aで見える一方向を示す矢印によって指示されているように下方に動く。
【0111】
レバー86を一方向を示す矢印53とは逆の回転方向にピボットピン248回りに第2の位置から第1の位置に手動で回すと、ロッド87は、矢印51とは逆の直線方向に上方に動く。ロッド87は、下側部材115に設けられたクリアランス開口部65を貫通する。ドローバー81と下側部材115との間に圧縮されたばね69は、レバー86を第2の位置に向かってピボットピン248回りに回すと、ドローバー81を下方に動かすようにするのを助けるばね付勢力をもたらす。
【0112】
L字形アーム88,90がそれぞれのピボットピン73によって下側部材115に回動可能に連結されると共に下側部材115の互いに反対側の側面に沿って設けられている。L字形アーム88,90は、構造が互いにほぼ同じである。L字形アーム88,90の各々は、下側部材115とのそれぞれの回動箇所から遠ざかって突き出たそれぞれのアームセグメント89a,89bを有している。ドローバー81は、アームセグメント89a,89b相互間に設けられ、アームセグメント89a,89bは、ドローバー81の互いに反対側の側面に隣接して互いに平行に延びている。アームセグメント89a,89bの各々は、ドローバー81の一部分に固定されたC字形フィンガ101を有している。ドローバー81が下側部材115に対して動くと、ドローバー81の動きにより、アーム88,90は、ピボットピン73の各々によってそれぞれ定められたピボット軸線回りで同一回転方向に回動する。
【0113】
L字形アーム88は、アームセグメント89aに接合されたアームセグメント91aを有し、L字形アーム90は、アームセグメント89bに接合されたアームセグメント91bを有している。アームセグメント91a,91bは、アームセグメント89a,89bに対して横方向に互いに平行に突き出ており、アームセグメント91aとアームセグメント91bは、ヒータ76及び流体モジュール12の組立体がアーム88,90相互間に全体として嵌まり込むことができるよう互いに間隔を置いて配置されている。
図11A及び
図11Bに最も良く示されているように、アームセグメント91aは、案内部材74aに設けられたスロット74cを貫通し、アームセグメント91bは、案内部材74bに設けられたスロット74dを貫通している。レバー86を第2の位置に向かって回動させると、ドローバー81は、下側部材115から遠ざかり、アーム88,90の各々は、そのそれぞれのピボットピン73を中心として回動し、その結果、アームセグメント91a,91bは、一方向を示す矢印61(
図7)によって指示されるように下方に変位するようになる。アームセグメント91a,91bは、後で説明するようにヒータ76に取り付けられているので、しかも、流体モジュール12が上述したようにヒータ76の頂部上に載っているので、アーム88,90の下方変位により、流体モジュール12及びヒータ76は、アクチュエータ本体74から遠ざかって下降する。特に、アクチュエータ本体74と流体モジュール12及びヒータ76で構成された組立体との間には隙間Gが作られている。
【0114】
図11A及び
図11B並びに
図12A及び
図12Bに最も良く示されているように、アーム88の端部には、アームセグメント91aの先端部から僅かに間隔を置いて位置した切り欠き70が設けられている。同様に、アーム90の端部には、アームセグメント91bの先端部から僅かに間隔を置いて位置した切り欠き71が設けられている。ヒータ76は、本体80に形成されたスロット82,83及びスロット82,83の内部に位置したばね押しラッチ77,78を有している。ラッチ77,78は、ピボット軸線を定めるそれぞれのピボットピン178,180によって本体80に固定されている。ラッチ77,78は、アーム88,90のアームセグメント91a,91bの切り欠き70,71と協働してヒータ76をアーム88,90に固定する。流体モジュール12及びヒータ76を下降させてアクチュエータ本体74から遠ざけ、それにより隙間Gを作った後、ラッチ77,78は、切り欠き70,71と協働関係をなして、ヒータ76及びヒータ76の頂部上に載っている流体モジュール12をモジュール式射出装置10の残部に引き続き固定する。組立体の下降は、流体モジュール12及びヒータ76を取り外す初期段階である。
【0115】
圧縮ばね148がラッチ77をスロット82から外方にばね押ししてこれをアーム88のアームセグメント91aの切り欠き70に係合させている。ラッチ77は、圧縮ばね148により加えられるばね付勢力によってアーム88の切り欠きも同じように強制的に係合し、ラッチ77を切り欠き70から外すにはこのばね付勢力よりも大きな強さの逆向きの力を手動で加えなければならない。圧縮ばね146がラッチ78をスロット83から外方にばね押ししてこれをアーム88,99に係合させている。ラッチ78は、圧縮ばね146により加えられるばね付勢力によってアーム90のアームセグメント91bの切り欠き71に強制的に係合し、ラッチ78を切り欠き71から外すにはこのばね付勢力よりも大きな強さの逆向きの力を手動で加える必要がある。ラッチ77とアーム88の物理的接触及びラッチ78とアーム90の物理的接触は、ひとまとまりとなって、L字形アーム88,90の回動運動による初期下降後、流体モジュール12及びヒータ76の組立体の解除を阻止する。
【0116】
組立体をいったん下降させてアクチュエータ本体74から遠ざけると、流体モジュール12及びヒータ76が追加の手動行為を実施することによりモジュール式射出装置10から取り外される。代表的な実施形態では、一方向を示す矢印67(
図12A)によって概略的に指示された内向きの手動力をオペレータの手の指で挟んだ又は締め付けた状態でラッチ77,78に加えると、ラッチ77,78を切り欠き70,71から解除することができる。ラッチ77,78の各々は、スロット及びスロットによって案内されるピンを有し、ラッチ77,78は、内向き手動力を加えると、弧を描いて動くようになっている。圧縮ばね146,148の各々によって加えられる力は、内向き手動力に対抗し、その結果、下降状態の組立体は、内向き勢力がラッチ77,78のばね付勢力よりも大きくなければ、圧縮ばね146,148によって保持されるようになっている。
図11B及び
図12Bに示されているようにこの挟み運動によりラッチ77,78を手動で解除すると、障害が取り除かれ、流体モジュール12及びヒータ76は、アーム88,90に対するそれ以上の下方手動運動が可能であるように自由になり、流体モジュール12及びヒータ76をアーム88,90から組立体として手動で取り外すことができる。流体モジュール12及びヒータ76を取り外した後、ヒータ本体80の中央ボア内に滑り嵌め又は弱い締まり嵌め状態の流体モジュール12をヒータ76の本体80から押し出してクリーニングすることができ又は同一の流体モジュール又は異なる射出用途向きの異なる流体モジュールと交換することができる。
【0117】
クリーニング後に流体モジュール12を取り付けるため、取り外しプロセスを逆に実施する。具体的に説明すると、クリーニング済みの流体モジュール12をヒータ76の本体70内に押し込む。ヒータ76及び流体モジュール12の組立体を圧電式駆動モジュール16に向かって且つアーム88,90上に上方に動かす。ラッチ77,78を押してラッチ77,78がアーム88,90に対する組立体の垂直運動を妨害しないようにした状態で、ヒータ76及び流体モジュール12の組立体を持ち上げ、ついには、ヒータ76がアクチュエータ本体74に接触するようにする。ラッチ77,78を解除し、ラッチ77,78と切り欠き70,71の係合を、適度な下向きの力をヒータ76に加えることによって確かめる。レバー86を閉鎖位置まで回して流体モジュールをクランプし、これをアクチュエータ本体74と圧縮接触状態にする。具体的に説明すると、第2の位置から第1の位置へのレバー86の逆向きの運動により、ドローバー81が持ち上げられ、それによりアーム88,90が逆回転方向に回動してヒータ76及び流体モジュール12を持ち上げ、そしてこの組立体をクランプしてアクチュエータ本体74に接触させる。このクランプ位置では、ピボットピン73と反対側に位置したアーム89a,89bの端部は、ばねのように下方に撓んでヒータ76及び流体モジュール12をきちんとアクチュエータ本体74との接触状態に保持する。クランプ位置では、ヒータ76のばね押しピン79は、
図9Aに最も良く示されているように、案内ブロック74bのそれぞれの柔らかい導電性接点59に接触する。
【0118】
図8Cに示されているオプションとしての実施形態では、レバー86を第1の位置までいったん回して流体モジュール12をクランプしてこれをアクチュエータ本体に接触させると、レバー86を第1の位置に保持するよう確動ロック特徴部を作動させることができる。例えば、ばね押しキャッチ部材400がレバー86に設けられたチャンバ402内に摺動可能に収納されるのが良い。この部材400は、その下方側部にキャッチ404を有し、この部材は、
図8Cの左側にばね406によって付勢される。レバー86を第1の位置まで回すと、キャッチ404の丸形の下面により、キャッチ404は、
図8Cにおいて右側に動き、そしてばね406を圧縮し、ついには、キャッチ404は、上側部材113の上面に設けられた開口部410を貫通するようになる。キャッチ404が開口部410を貫通した後、ばね406は、キャッチ404を
図8Cにおいて左側に動かし、それにより上側部材113から突き出たタブ408に係合させる。この構造により、レバー86は、第1の位置に自動的にロックされる。レバーを第1の位置から解除するためには、部材400を
図8Cにおいて右側に手動で押してばね406を圧縮し、そしてキャッチ404を右側に動かし、その結果キャッチ404が上側部材113の開口部410を貫通することができるようにする。次に、レバー86を
図8Cにおいて想像線で示された第2の位置に動かすと、流体モジュール12を解除することができる。
【0120】
同一の参照符号が
図1〜
図12の同一の特徴部を示している
図13、
図13A及び
図14を参照すると、変形実施形態に従って、モジュール式射出装置200が電空式駆動モジュール202を有し、この電空式駆動モジュールは、圧電式駆動モジュール16とは異なる種類の原動力によって動作するよう構成されている。原動力は、所与の方向の運動を生じさせ又は引き起こす力である。この場合、原動力によって作られ又は生じる運動は、往復動であり、動かされる物体は、駆動ピン36、弁要素14及び/又は可動要素60である。電空式駆動モジュール202の原動力は、空気圧ピストン204に作用する空気圧力であり、圧電式駆動モジュール16の原動力は、圧電スタック92中に生じる寸法変化である。射出装置10のモデルに応じて、流体モジュール12と共に射出装置10には圧電式駆動モジュール16か電空式駆動モジュール202かのいずれかが組み込まれる。いずれの場合においても、流体モジュール12の設計は同一である。かくして、流体モジュール12は、いずれの駆動モジュールにも容易に利用できる。
【0121】
電空式駆動モジュール202は、空気圧ピストン204、空気圧ピストン204によって互いに分離された1対の空気チャンバ216,218、第1の電磁弁206及び第2の電磁弁210を有している。空気圧ピストン204は、駆動ピン236の一端に物理的に連結されている。空気圧ピストン204は、空気チャンバ216,218の加圧状態の関数として動くことができ、その結果、空気チャンバ216,218の容積は、空気圧ピストン204の位置で決まる。電磁弁206,210は、空気チャンバ216,218の加圧状態を調節する。電磁弁206,210は各々、当業者であれば理解されるように加圧空気の流れを流路間で切り替えるよう動作する任意の三方弁又は四方弁であるのが良い。
【0122】
第1の電磁弁206の機械弁は、駆動モジュール202の本体201を貫通している第1の通路208によって空気圧ピストン204の一方の側に位置した空気チャンバ216に結合される。第1の電磁弁206の機械弁は、空気供給源222からの空気圧力を第1の通路208から空気チャンバ216に送り、そして空気チャンバ216から空気圧力を逃がすよう構成されている。第2の電磁弁210の機械弁は、駆動モジュール202の本体を貫通している第2の通路212によって空気圧ピストン204の反対側に位置した空気チャンバ216に結合される。第2の電磁弁210の機械弁は、空気供給源222からの空気圧力を第2の通路212から空気チャンバ218に送り、そして空気チャンバ218から空気圧力を逃がすよう構成されている。
【0123】
電磁弁206,210のコイルは、それぞれの駆動回路又はドライバ224,226によって電気的に作動され、ドライバ224,226は、コントローラ99の管理下で動作が行われる。ドライバ224,226は、電力スイッチング回路が電気信号を電磁弁206,210にそれぞれ提供する公知設計のものである。ドライバ224,226は、電磁弁206,210の構造中に組み込まれるのが良い。ドライバ224から電磁弁206のコイルに送られる電気信号に応答して、電磁弁206は、機械弁内の流路を切り替えて第1の通路208が空気供給源222に結合され、加圧空気が空気供給源222から空気チャンバ216内に流れるようになる。電磁弁206のコイルへの電気信号が遮断されると、電磁弁206は、機械弁中の流路を切り替えて電磁弁206の排出部が第1の通路208に結合され、空気圧力が空気チャンバ216から逃がされるようになる。かくして、電磁弁206と関連した機械弁は、通常、ソレノイドへの電力が供給されない状態では、チャンバ216を大気中に空気抜きするよう設定されている。同様に、ドライバ226から電磁弁210のコイルに送られる電気信号に応答して、電磁弁210は、機械弁内の流路を切り替えて第2の通路212が空気供給源222に結合され、加圧空気が空気供給源222から空気チャンバ218内に流れるようになる。電磁弁210のコイルへの電気信号が遮断されると、電磁弁210は、機械弁中の流路を切り替えて電磁弁206の排出部が第2の通路212に結合され、空気圧力が空気チャンバ218から逃がされるようになる。かくして、電磁弁210と関連した機械弁は同様に、通常、ソレノイドへの電力が供給されない状態では、チャンバ218を大気中に空気抜きするよう設定されている。
【0124】
電磁弁206,210の動作を互いに協調させると、流体材料を流体モジュール12から射出するためにモジュール式射出装置200を開閉することができる。コントローラ99は、1つの制御信号を電磁弁206のためのドライバ224に送って空気チャンバ216を加圧し、又、別の独立した制御信号を電磁弁210のためのドライバ226に送って空気チャンバ218を加圧することができる。空気チャンバ218の加圧により、力が空気圧ピストン204に加えられ、それにより、駆動ピン236は、可動要素60の壁62から遠ざけられる。空気チャンバ216の加圧により、力が空気圧ピストン204に加えられ、それにより、駆動ピン236は、可動要素60の壁62に近づく。制御信号のいずれか一方が存在しない場合、これに対応した空気チャンバ216,218のうちの一方が上述したように周囲圧力に結合される。
【0125】
圧縮ばね228がばねリテーナ229と空気圧ピストン204との間に捕捉されている。圧縮ばね228によりばねリテーナ229に加えられる力は、空気圧ピストン204及び駆動ピン236に、空気圧ピストン204に作用する空気チャンバ216内の空気圧力からの力と同一方向に作用する。その結果、空気圧ピストン204に作用する圧縮ばね228の力と空気圧ピストン204に作用する空気チャンバ216の加圧に由来する力は、ほぼ同一直線上に働くと共に同一方向に向く。これとは逆に、空気圧ピストン204に作用する圧縮ばね228の力と空気圧ピストン204に作用する空気チャンバ218の加圧に由来する力は、ほぼ同一直線上に働くと共に逆方向に向く。通常、電磁弁206,210の両方が消勢され、この状態で、これらのそれぞれのチャンバ216,218を排気又は排出ポートに結合するので、ばね228は、通常、ピストン204に作用する唯一の力をもたらし、ばね228は、ピストン204を押し下げて駆動ピン236を下方に押し、それにより弁要素14は、閉鎖位置において弁座52に押し付けられる。
【0126】
弁を開くために、空気圧力をピストン204の下のチャンバ218に供給し、この空気圧力は、ピストンを持ち上げ、それにより駆動ピン236を持ち上げてこれを壁62との接触状態から離脱させる。これにより、流体モジュールの内部ばね68は、弁要素14を引っ込めてこれを弁座52との接触状態から離脱させる。弁を閉じるため、空気圧力をピストン204の上方のチャンバ216に送り、この空気圧は、ばね228と一緒に作用してピストンを下方に押し、それにより駆動ピン236が壁62に接触し、それにより弁要素14を弁座に押し付けて流体材料の液滴を射出させる。弁をこのように繰り返し開閉することにより、材料の液滴を順次射出することができる。チャンバ218内の空気圧力が空気圧力をチャンバ216に加えた後、比較的迅速に逃がされる場合、ピストン204及び駆動ピン236は、比較的高い速度で動くことになる。チャンバ218内の空気圧力が空気圧力をチャンバ216に加えた後、比較的迅速に逃がされない場合、ピストン204及び駆動ピン236は、遅い速度で動くことになる。一般に、駆動ピン236を粘度が高い又は濃厚な材料を射出する場合、比較的速い速度で動かして材料を液滴として射出させるのに足るほどのエネルギーを供給することが最善であり、又、粘度の低い又は希薄な材料を射出する場合、駆動ピン236を比較的遅い速度で動かして基板上への射出液滴のはね散り又ははね掛けを回避することが最善である。
【0127】
メモリ172内に記憶されると共にコントローラ99上で実行されるコンピュータプログラムコードは、電磁弁206,210を作動させる命令を含むのが良い。電空式駆動モジュール202は、射出装置10から液滴を300Hz以上で射出するよう300Hz以上の速度で動作するのが良い。
【0129】
モジュール式射出装置200と関連して用いられる流体モジュール12は、モジュール式射出装置10と関連して用いられる流体モジュール12と同一であり、従って、上述した互換性を有する。流体モジュール12及びヒータ76は、変形例としての解除機構体を用いて電空式駆動モジュール202から解除可能である。解除機構体のこの変形実施形態では、電空式駆動モジュール202からの取り外しのためにアーム288,290を垂直方向に動かして流体モジュール12及びヒータ76を解除するためにレバー86に代えてノブ250が用いられている。
【0130】
アーム288,290は、上述した解除機構体実施形態のアーム89a,89bの場合と同一のスロットをこれらの下端部に有している。流体モジュール12が同一なので、スロットは、上述したのと同一の仕方でラッチ77,78と協働する。
この変形実施形態において流体モジュール12及びヒータ76を下降させるため、ノブ250を第1の方向に回してノブ250に固定されているねじ山付きスクリュー260を回す。アーム288,290に取り付けられた雌ねじ付き部材270内におけるこの第1の方向のねじ山付きスクリュー260の回転により、アーム288,290は、垂直方向下方に動いて流体モジュール12及びヒータ76を本体201から離隔させてこれらの間に隙間を形成し、この隙間は、
図9Bに示されている隙間Gとほぼ同じである。いまや、流体モジュール12及びヒータ76をアーム89a,89bに関して上述したのと同一な仕方でアーム288,290から取り外すことができる。
【0131】
同様に、流体モジュール12及びヒータ76をアーム89a,89bに関して上述したのと同一の仕方でアーム288,290に再び取り付けることができる。いったん取り付けると、ノブ250を逆方向に回してスクリュー260を雌ねじ付き部材270内で逆方向に回し、それによりアーム288,290を持ち上げる。流体モジュール12がいったん本体201としっかりとした接触関係をなすと、ノブ250の回転を止める。
【0132】
例えば「垂直」、「水平」、「上側」、「下側」、「上昇」、「下降」等のような本明細書における記載は、基準系を定めるために例示として行われており、本発明を限定するものではない。当業者であれば理解されるように、本発明の実施形態を説明する目的で種々の他の基準系を用いることができ、これは均等範囲に属する。
【0133】
理解されるように、或る要素が別の要素に「取り付けられ」、「連結され」、又は「結合され」ていると説明されている場合、この要素は、他の要素に直接連結され又は結合されても良く、これとは異なり、1つ又は2つ以上の介在要素が存在しても良い。これとは対照的に、或る要素が別の要素に「直接取り付けられ」、「直接連結され」、又は「直接結合され」ていると説明されている場合、介在する要素は存在しない。或る要素が別の要素に「間接的に取り付けられ」、「間接的に連結され」、又は「間接的に結合され」ていると説明されている場合、少なくとも1つの介在要素が存在している。
【0134】
本明細書で用いられている用語は、特定の実施形態を説明する目的のために過ぎず、本発明を限定するものではない。原文明細書において用いられている単数形“a”、“an”及び“the”は、文脈上明示の別段の指定がなければ、複数をも含む。さらに理解されるように、“comprises ”及び/又は“comprising”という用語が原文明細書において用いられている場合、言明した特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定しているが、1つ又は2つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はこれらの群の存在又は追加を排除するものではない。さらに、“includes”、“having”、“has”、“with”、“composing”又はこれらの変形語が原文明細書の詳細な説明又は原文特許請求の範囲に用いられている場合、かかる用語は、非限定的用語“comprising”とほぼ同様に包括的であるものとみなされる。
【0135】
本発明を種々の実施形態の説明によって説明すると共にこれら実施形態をかなり詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲をかかる詳細に制限し又は何らかの仕方で限定することは、本出願人の意図ではない。追加の利点及び改造例が当業者には容易に明らかであろう。例えば、変形実施形態では、モジュール式射出装置10,200と関連して用いられる駆動モジュールは、駆動ピン36を作動させる原動力として、空気圧ピストンに作用する空気圧力又は圧電スタック内で引き起こされる寸法変化を利用することはない電気機械式アクチュエータであっても良い。電気機械式アクチュエータは、これに代えて、駆動ピン36に結合されたアーマチュア及びアーマチュアの運動を引き起こすよう駆動される電磁石を有する。かくして、それゆえに、本発明はその広い観点において特定の細部、代表的な装置及び方法並びに図示すると共に説明した例示には限定されない。したがって、本出願人の全体的な発明の技術的思想の精神又は範囲から逸脱することなく、かかる細部の変形例を案出することができる。
【0136】
本発明は、以下のような態様であっても良い。
[1]
モジュール式射出装置であって、
流体チャンバ、前記流体チャンバへの流体入口、前記流体チャンバからの流体出口及び前記流体入口と前記流体出口の間に位置決めされている弁座を備えた流体モジュールと、 弁要素と、
前記弁要素の少なくとも一部分を前記弁座に対して往復動させるよう構成された駆動モジュールと、
流体結合インタフェースと、
前記流体結合インタフェースに連結可能であって、加圧空気を用いて流体材料を前記流体モジュールの前記流体入口に差し向けるよう構成されている第1の流体供給モジュールと、
前記流体結合インタフェースに連結可能な第2の流体供給モジュールとを有し、前記第2の流体供給モジュールは、前記流体材料を前記流体モジュールの前記流体入口に圧送するよう構成された容積移送式ポンプを含み、
前記第1の流体供給モジュールか前記第2の流体供給モジュールかのいずれかが前記流体結合インタフェースに連結される、モジュール式射出装置。
[2]
前記容積移送式ポンプは、前記流体材料を前記流体チャンバの前記流体入口に計時シーケンスで供給するよう構成された第1のピストンポンプ及び第2のピストンポンプを含む、請求項1記載のモジュール式射出装置。
[3]
前記流体チャンバへの前記流体入口と前記第1のピストンポンプとの間の第1の流路内に設けられた第1の逆止弁を更に有し、前記第1の逆止弁は、前記第1のチャンバから前記第1のピストンポンプへの前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有し、
前記流体チャンバへの前記流体入口と前記第2のピストンポンプとの間の第2の流路中に設けられた第2の逆止弁を更に有し、前記第2の逆止弁は、前記流体チャンバから前記第2のピストンポンプへの前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有する、請求項2記載のモジュール式射出装置。
[4]
流体供給源と前記第1のピストンポンプとの間で前記第1の流路内に設けられた第3の逆止弁を更に有し、前記第3の逆止弁は、前記第1のピストンポンプから前記流体供給源への前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有し、
前記第2のピストンポンプと前記流体供給源との間で前記第2の流路内に設けられた第4の逆止弁を更に有し、前記第4の逆止弁は、前記第2のピストンポンプから前記流体供給源への前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有する、請求項3記載のモジュール式射出装置。
[5]
前記第1のピストンポンプは、ピストンシリンダ、前記ピストンシリンダ内に設けられたピストン、前記ピストンシリンダに対して前記ピストンを動かして前記流体材料を前記ピストンシリンダ内に取り入れたり前記流体材料を前記ピストンチャンバから吐き出したりするよう構成された電動キャリジ及び前記キャリジに連結されたグリッパを有し、前記グリッパは、前記キャリジを前記ピストンに解除可能に連結するよう構成されている、請求項2記載のモジュール式射出装置。
[6]
前記流体モジュールは、前記流体入口を前記流体チャンバに結合する流体通路を有し、前記モジュール式射出装置は、
前記流体通路と連絡状態にあるダイヤフラムを更に有し、前記ダイヤフラムは、前記流体入口から前記流体チャンバまで前記流体通路中を流れる前記流体材料から圧力を受けるよう構成され、
前記ダイヤフラムに結合されたロードセンサを更に有し、前記ロードセンサは、前記ダイヤフラムから伝えられた圧力に基づいて力を測定するよう構成されている、請求項1記載のモジュール式射出装置。
[7]
射出装置用の流体モジュールであって、前記射出装置は、前記流体モジュールの外部に設けられていて、アクチュエータにより往復動する駆動ピンを有し、前記流体モジュールは、
流体出口を備えたノズルと、
流体入口を備えた第1の部分、前記ノズルを支持するよう構成された第2の部分及び流体チャンバを備えたモジュール本体と、
前記流体出口と連通状態にある開口部を備えた弁座と、
少なくとも一部が前記流体チャンバの境界部を定める可動要素と、
前記流体チャンバ内に収納されると共に前記可動要素に取り付けられた弁要素とを有し、前記弁要素は、前記駆動ピンと前記可動要素の一部との接触によって前記弁座に向かって動かされる、流体モジュール。
[8]
前記弁座の位置は、前記弁要素に近づいたところ及び前記弁要素から遠ざかったところに調節可能である、請求項7記載の流体モジュール。
[9]
前記可動要素に接触し、前記可動要素に軸方向ばね力を加えるよう構成された付勢要素を更に有し、前記弁要素及び前記可動要素は、前記接触後、前記軸方向ばね力の作用を受けて前記弁座から遠ざかるよう構成されている、請求項7記載の流体モジュール。
[10]
停止部を更に有し、
前記駆動ピンと前記可動要素の接触が解除された後、前記付勢要素は、前記可動要素を動かしてこれを前記停止部に押し付ける、請求項9記載の流体モジュール。
[11]
前記停止部の位置は、調節可能である、請求項10記載の流体モジュール。
[12]
前記モジュール本体の前記第1の部分は、前記流体入口を前記流体チャンバに結合する流体通路を有し、前記流体モジュールは、
ロードセンサと、
前記流れ通路と連絡状態にあるダイヤフラムとを更に有し、前記ダイヤフラムは、前記流体チャンバへの前記流体入口から前記流体チャンバまで前記流体通路中を流れている前記流体材料から圧力を受け、該圧力を力として前記ロードセンサに伝えるよう構成されている、請求項7記載の流体モジュール。
[13]
モジュール式射出装置であって、
アクチュエータ本体を有し、
前記アクチュエータ本体から延びる駆動モジュールを有し、
流体チャンバ、前記流体チャンバへの流体入口、弁要素、前記流体チャンバからの流体出口を備えたノズル及び前記弁要素と前記ノズルとの間に位置決めされている弁座を備えた流体モジュールを有し、前記弁要素は、前記駆動モジュールから離隔し、前記弁要素は、前記弁座に接触するよう前記駆動モジュールによって往復動するよう構成されており、 前記流体モジュールを前記アクチュエータ本体に結合する少なくとも1本のアームを含む結合機構体を有し、前記少なくとも1本のアームは、前記流体モジュールを前記射出装置の他のコンポーネントから間隔を置いた位置に動かすよう前記結合機構体によって垂直方向に動くことができ、その結果、前記流体モジュールを前記射出装置から取り外すことができる、モジュール式射出装置。
[14]
前記結合機構体は、第1及び第2のアームによって伝熱部材及び前記流体モジュールに結合されたレバーを更に含み、前記レバーは、前記第1及び前記第2のアームを回動させて前記伝熱部材及び前記流体モジュールを前記アクチュエータ本体から離隔した前記位置まで下降させるよう構成されている、請求項13記載のモジュール式射出装置。
[15]
前記流体チャンバは、前記駆動モジュールによって往復動するよう構成された壁を有し、前記壁の前記往復動により、前記弁要素は、前記弁座に対して往復動する、請求項14記載のモジュール式射出装置。
[16]
前記結合機構体は、前記少なくとも1本のアームを前記射出装置の前記他のコンポーネントから離隔した前記位置まで動かすレバーを更に含み、前記レバーは、前記流体モジュールを前記射出装置の前記他のコンポーネントに圧着するよう圧着位置まで動くことができる、請求項13記載のモジュール式射出装置。
[17]
前記圧着位置では、前記レバーの一部は、前記レバーを前記圧着位置にロックするよう前記射出装置の別の要素と接触関係におかれる、請求項16記載のモジュール式射出装置。
[18]
モジュール式射出装置であって、
流体チャンバ、前記流体チャンバへの流体入口、流体出口、前記流体入口と前記流体出口との間に位置決めされている弁座、前記弁座に対して往復動できる弁要素及び可動要素を含む流体モジュールを有し、前記弁要素は、前記可動要素に取り付けられ、
駆動ピンを備えた第1の駆動モジュールを有し、前記駆動ピンは、前記第1の駆動モジュールにより第1の原動力によって往復動し、前記駆動ピンをこれが前記可動要素に接触するよう動かすことができ、それにより前記弁要素は、前記弁座に接触し、
駆動ピンを備えた第2の駆動モジュールを有し、前記駆動ピンは、第2の駆動モジュールにより、前記第1の原動力とは異なる第2の原動力によって往復動し、前記駆動ピンをこれが前記可動要素に接触するよう動かすことができ、それにより前記弁要素は、前記弁座に接触し、前記射出装置は、前記第1の駆動モジュールか前記第2の駆動モジュールかのいずれかを有するよう組み立て可能である、モジュール式射出装置。
[19]
前記第1の駆動モジュールは、圧電式駆動モジュールであり、前記第2の駆動モジュールは、電空式駆動モジュールである、請求項18記載のモジュール式射出装置。
[20]
前記ポンプは、前記流体材料を前記流体チャンバの前記流体入口に計時シーケンスで供給するよう構成された第1のピストンポンプ及び第2のピストンポンプを含む容積移送式ポンプである、請求項18記載のモジュール式射出装置。
[21]
前記流体チャンバへの前記流体入口と前記第1のピストンポンプとの間の第1の流路内に設けられた第1の逆止弁を更に有し、前記第1の逆止弁は、前記第1のチャンバから前記第1のピストンポンプへの前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有し、
前記流体チャンバへの前記流体入口と前記第2のピストンポンプとの間の第2の流路中に設けられた第2の逆止弁を更に有し、前記第2の逆止弁は、前記流体チャンバから前記第2のピストンポンプへの前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有する、請求項20記載のモジュール式射出装置。
[22]
流体供給源と前記第1のピストンポンプとの間で前記第1の流路内に設けられた第3の逆止弁を更に有し、前記第3の逆止弁は、前記第1のピストンポンプから前記流体供給源への前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有し、
前記第2のピストンポンプと前記流体供給源との間で前記第2の流路内に設けられた第4の逆止弁を更に有し、前記第4の逆止弁は、前記第2のピストンポンプから前記流体供給源への前記流体材料の逆流を制御するばね押し可動本体を有する、請求項21記載のモジュール式射出装置。
[23]
前記モジュール本体は、前記流体入口を前記流体チャンバに結合する流体通路を有し、前記流体モジュールは、
ロードセンサと、
前記流れ通路と連絡状態にあるダイヤフラムとを更に有し、前記ダイヤフラムは、前記流体チャンバへの前記流体入口から前記流体チャンバまで前記流体通路中を流れている前記流体材料から圧力を受け、該圧力を力として前記ロードセンサに伝えるよう構成されている、請求項18記載の流体モジュール。
[24]
モジュール式射出装置であって、
流体材料を収容するよう構成された流体チャンバ、前記流体チャンバの流体入口、前記流体チャンバの流体出口及び前記流体入口と前記流体出口との間に位置決めされている弁座を備えた流体モジュールを有し、
弁要素を有し、
前記弁要素の少なくとも一部分を前記弁座に対して、前記弁要素の前記部分が前記弁座から引っ込められて流体材料を前記流体出口から吐き出すことができるようにする開放位置を有し、前記弁要素が前記弁座に係合して前記流体出口からの前記流体材料の流れを止める閉鎖位置との間で往復動するよう構成されている駆動モジュールを有し、
流体結合インタフェースを有し、
前記流体結合インタフェースに連結された流体供給モジュールを有し、前記流体供給モジュールは、前記流体材料を前記流体チャンバの前記流体入口に圧送するよう構成された容積移送式ポンプを含み、
コントローラを有し、前記コントローラは、前記容積移送式ポンプが前記流体材料を前記流体チャンバの前記流体入口に所定の流量で圧送する開始時刻を示す開始時刻信号を前記容積移送式ポンプに送り、前記コントローラは、それと並行して、開始時刻信号を該開始時刻信号後の所定の第1の遅延期間で前記弁要素を前記開放位置に動かすよう前記駆動モジュールに送って小出し作業を開始させ、次に、前記弁要素を前記小出し作業中、前記流量に相関された所定のサイクル速度で前記開放位置と前記閉鎖位置との間で繰り返し動かし、前記コントローラは、第1の終了時刻信号を前記容積移送式ポンプに送って前記流体チャンバの前記流体入口への前記流体材料の圧送を停止させ、前記コントローラは、それと並行して、第2の終了時刻信号を前記駆動モジュールに送り、それにより前記弁要素は、前記小出し作業を停止させるよう前記終了時刻後の所定の第2の遅延期間で前記閉鎖位置のままである、モジュール式射出装置。
[25]
前記流体モジュールは、前記流体入口を前記流体チャンバに結合する流体通路を有し、前記モジュール式射出装置は、
圧力を測定すると共に前記コントローラへの信号として前記圧力を伝えるよう構成されたロードセンサと、
前記流体通路と連絡状態にあるダイヤフラムとを更に有し、前記ダイヤフラムは、前記流体チャンバへの前記流体入口から前記流体チャンバまで前記流体通路中を流れている前記流体材料から圧力を受け、該圧力を力として前記ロードセンサに伝えるよう構成されている、請求項24記載のモジュール式射出装置。
[26]
前記容積移送式ポンプは、前記流体材料を前記流体チャンバの前記流体入口に計時シーケンスで供給するよう構成された第1のピストンポンプ及び第2のピストンポンプを含み、前記コントローラは、前記ロードセンサからの信号に応動して前記第1のピストンポンプと前記第2のピストンポンプとの間の移行を制御するよう構成されている、請求項25記載のモジュール式射出装置。
[27]
モジュール式射出装置であって、
流体入口及び流体出口を備えた流体チャンバと、
前記流体入口と前記流体出口との間に位置決めされている弁座と、
弁要素と、
前記弁要素の少なくとも一部分を往復動させて前記弁座に接触させ、それにより流体を前記流体出口から射出するよう構成された駆動モジュールと、
流体結合インタフェースと、
前記流体結合インタフェースに結合可能であり、シリンダ内にピストンを備えた容積移送式ポンプを含む流体供給モジュールとを有し、
前記ピストンは、前記流体材料を前記流体モジュールの前記流体入口に圧送するよう可動キャリジによって動くことができ、前記ピストンは、前記射出装置からの前記ポンプの取り外しを可能にするよう前記キャリジから離脱可能である、モジュール式射出装置。
[28]
射出装置であって、
流体入口及び流体出口を備えた流体チャンバを有し、
前記流体入口と前記流体出口との間に位置決めされている弁座を有し、
弁要素を有し、
前記弁要素の少なくとも一部分を往復動させて前記弁座に接触させ、それにより材料の液滴を射出するよう構成された駆動モジュールを有し、
シリンジを有し、前記シリンジは、流体材料を前記シリンジの出口に差し向けるよう加圧空気を利用し、
前記シリンジの前記出口に連結された第1の逆止弁を有し、
前記第1の逆止弁に連結されていて、前記流体材料をポンプ出口に圧送するよう構成された容積移送式ポンプを有し、
前記ポンプ出口に連結された第2の逆止弁を有し、前記流体チャンバの前記流体入口は、前記第2の逆止弁に連結されている、射出装置。