(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469819
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】反応剤供給装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20190204BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
F01N3/08 BZAB
B01D53/94 222
B01D53/94 400
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-217333(P2017-217333)
(22)【出願日】2017年11月10日
(65)【公開番号】特開2018-80697(P2018-80697A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2017年11月10日
(31)【優先権主張番号】10 2016 121 741.7
(32)【優先日】2016年11月14日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】10 2017 100 246.4
(32)【優先日】2017年1月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513212291
【氏名又は名称】エーバーシュペッヒャー・エグゾースト・テクノロジー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ クマール ヴェンパティ
(72)【発明者】
【氏名】エンヴェル クルペヨヴィチ
【審査官】
楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102011078877(DE,A1)
【文献】
特開2004−353523(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102008043408(DE,A1)
【文献】
特開2008−075527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/08〜 3/38
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気流中に反応剤を供給するための反応剤供給装置であって、
排気主流れ方向(A)に排気(G)が通流可能な排気流通路(13;13a;13b)を構成する排気案内部材(12;12a;12b)と、
前記排気案内部材(12;12a;12b)において前記排気流通路(13;13a;13b)内に供給体長手方向軸線(K)に沿って延在するように支持された、供給体壁(16;16a;16b)を備える反応剤供給体(14;14a;14b)と、を有し、
前記反応剤供給体(14;14a;14b)内には、前記供給体壁(16;16a;16b)の内壁面(32;32a;32b)により包囲された反応剤収容容積(20;20a;20b)が設けられており、該反応剤収容容積(20;20a;20b)は、前記供給体長手方向軸線(K)の方向の先細り方向(R)において、少なくとも部分的に先細りするように形成されており、前記反応剤供給体(14;14a;14b)の前記供給体壁(16;16a;16b)の外壁面(18;18a;18b)の周りを、前記排気流通路(13;13a;13b)内を流れる排気(G)が流動可能になっており、前記反応剤収容容積(20;20a;20b)は、少なくとも1つの貫通開口(44,46;62a,64a;44b,46b)を介して前記排気流通路(13;13a;13b)に対して開放されており、
前記反応剤供給装置は、前記反応剤収容容積(20;20a;20b)内に反応剤(M)を供給するための反応剤供給ユニット(22;22a;22b)をさらに有し、
前記供給体壁(16;16a;16b)には、前記反応剤供給体(14;14a;14b)を加熱するための加熱装置(38;38a;38b)が、少なくとも前記供給体壁(16;16a;16b)の前記内壁面(32;32a;32b)の領域に対応して配置されており、前記供給体壁(16;16a;16b)は、前記内壁面(32;32a;32b)を少なくとも部分的に構成する内壁(30;30a;30b)と、前記外壁面(18;18a;18b)を少なくとも部分的に構成する外壁(26;26a;26b)とを有し、前記加熱装置(38;38a;38b)は、前記内壁(30;30a;30b)と前記外壁(26;26a;26b)との間で少なくとも、先細り型反応剤収容容積(20;20a;20b)を備える前記供給体壁(16;16a;16b)の所定の長さ範囲(L1;L)に配置されている、反応剤供給装置。
【請求項2】
前記反応剤収容容積(20;20a;20b)は、少なくとも部分的に、円錐状、双曲線状または曲線を描くように先細りしている、請求項1記載の反応剤供給装置。
【請求項3】
前記供給体壁(16;16a;16b)は、前記先細り方向(R)に少なくとも部分的に先細りするように形成されている、請求項2記載の反応剤供給装置。
【請求項4】
前記供給体壁(16;16b)は、第1の長さ範囲(L1)では、前記先細り方向(R)に先細りするように形成されており、かつ前記第1の長さ範囲(L1)に続く第2の長さ範囲(L2)では、少なくとも1つの貫通開口(44;44b)を有している、または/かつ前記供給体長手方向軸線(K)の方向において開放されている、請求項2または3記載の反応剤供給装置。
【請求項5】
前記供給体壁(16;16b)は、前記第1の長さ範囲(L1)では、前記先細り方向(R)に円錐状に先細りするように形成されている、請求項4記載の反応剤供給装置。
【請求項6】
前記供給体壁(16;16b)は、前記第2の長さ範囲(L2)では管状である、請求項4または5記載の反応剤供給装置。
【請求項7】
前記供給体壁(16)は、その第1の長さ範囲(L1)および第2の長さ範囲(L2)でもって前記排気流通路(13)内に配置されている、請求項4、5または6記載の反応剤供給装置。
【請求項8】
前記供給体壁(16)は、その第1の長さ範囲(L1)および第2の長さ範囲(L2)でもって前記排気流通路(13)内に配置されており、これにより、前記第1の長さ範囲(L1)は、前記供給体長手方向軸線(K)に対する半径方向寸法が最大の領域において前記排気案内部材(12)に隣接するように位置決めされている、請求項7記載の反応剤供給装置。
【請求項9】
前記供給体壁(16b)は、その第1の長さ範囲(L1)でもって少なくとも部分的に、前記排気流通路(13b)の外側に配置されていると共に、第2の長さ範囲(L2)でもって少なくとも部分的に前記排気流通路(13)内に配置されている、請求項4、5または6記載の反応剤供給装置。
【請求項10】
前記供給体壁(16b)は、その第1の長さ範囲(L1)でもって完全に前記排気流通路(13b)の外側に配置されている、請求項9記載の反応剤供給装置。
【請求項11】
前記供給体壁(16b)は、その第1の長さ範囲(L1)でもって少なくとも部分的に前記排気流通路(13b)の外側に配置されていると共に、第2の長さ範囲(L2)でもって少なくとも部分的に前記排気流通路(13)内に配置されており、これにより、前記第1の長さ範囲(L1)は、前記供給体長手方向軸線(K)に対する半径方向寸法が最小の領域において、または/かつ前記第1の長さ範囲(L1)から前記第2の長さ範囲(L2)への移行領域(80b)の範囲において、前記排気案内部材(12)に隣接するように位置決めされている、請求項9または10記載の反応剤供給装置。
【請求項12】
前記供給体壁(16a)は、前記排気案内部材(12a)に隣接する長さ範囲(L)において、前記先細り方向(R)に先細りするように形成されており、前記長さ範囲(L)に少なくとも1つの貫通開口(62a,64a)を有し、または/かつ前記長さ範囲(L)の、前記排気案内部材(12a)から離れた端部(28a)において開放されている、請求項2または3記載の反応剤供給装置。
【請求項13】
前記供給体壁(16a)は、前記排気案内部材(12a)に隣接する長さ範囲(L)において、前記先細り方向(R)に円錐状に先細りするように形成されており、かつ前記長さ範囲(L)に少なくとも1つの貫通開口(62a,64a)を有し、または/かつ前記長さ範囲(L)の、前記排気案内部材(12a)から離れた端部(28a)において、前記供給体長手方向軸線(K)の方向に開放されている、請求項12記載の反応剤供給装置。
【請求項14】
反応剤(G)を前記反応剤収容容積(20;20a;20b)内に供給するための前記反応剤供給ユニット(22;22a;22b)は、前記供給体長手方向軸線(K)に対して平行で、前記先細り方向(R)に相当する反応剤主供給方向(H)に配置されている、請求項2から13までのいずれか1項記載の反応剤供給装置。
【請求項15】
前記反応剤収容容積(20;20a)は、反応剤(M)の流出用開口(70;46a)の領域において開放されており、前記反応剤収容容積(20;20a)内に、反応剤フィルタ(72;72a)が設けられている、請求項1から14までのいずれか1項記載の反応剤供給装置。
【請求項16】
前記反応剤フィルタ(72;72a)は、前記反応剤収容容積(20;20a)内で、前記開口(70;46a)の領域内に設けられている、請求項15記載の反応剤供給装置。
【請求項17】
前記反応剤フィルタ(72;72a)は、多孔質材料を有している、請求項15または16記載の反応剤供給装置。
【請求項18】
前記反応剤フィルタ(72;72a)は、発泡金属材料を有している、請求項17記載の反応剤供給装置。
【請求項19】
前記反応剤収容容積(20;20a)内に反応剤変向部材(74;74a)が設けられている、請求項1から18までのいずれか1項記載の反応剤供給装置。
【請求項20】
前記反応剤変向部材(74;74a)は、前記反応剤供給ユニット(22;22a)から離反する方向に広がるように形成されている、請求項19記載の反応剤供給装置。
【請求項21】
前記反応剤変向部材(74;74a)は、前記反応剤供給ユニット(22;22a)から離反する方向に円錐状に広がるように形成されている、請求項20記載の反応剤供給装置。
【請求項22】
前記供給体長手方向軸線(K)は、前記排気主流れ方向(A)に対して直交している、請求項1から21までのいずれか1項記載の反応剤供給装置。
【請求項23】
前記供給体壁(16;16b)は、前記内壁(30;30b)と前記外壁(26;26b)との間に配置された中間壁(34;34b)を有し、前記加熱装置(38;38b)は、前記内壁(30;30b)と前記中間壁(34;34b)との間に配置されており、または/かつ前記中間壁(34;34b)と前記外壁(26;26b)との間には、絶縁材料(42;42b)が配置されており、
または/かつ
前記加熱装置(38;38a;38b)は、前記内壁(30;30a;30b)を包囲するように配置されている、請求項1から22までのいずれか1項記載の反応剤供給装置。
【請求項24】
前記加熱装置(38;38a;38b)は、前記内壁(30;30a;30b)をコイル状に包囲するように配置されている、請求項23記載の反応剤供給装置。
【請求項25】
請求項1から24までのいずれか1項記載の反応剤供給装置(10;10a;10b)を有する、内燃機関用の排気系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応剤、例えば尿素/水溶液を内燃機関の排気流中に供給可能な反応剤供給装置に関する。
【0002】
ディーゼル式内燃機関から放出される排気中の窒素酸化物量を減少させるためには、選択触媒還元を支援する反応剤を排気流中に導入することが知られている。この場合、触媒還元の効率的な実施に必要とされているのは、反応剤と、排気系内を流れる排気との良好な混合を生ぜしめる点である。一般に、このためには反応剤導入箇所の下流側にミキサが配置されており、ミキサは複数の流れ変向面でもって排気流中に渦動を生ぜしめ、ひいては一般にスプレー形態で排気中に噴射される反応剤と排気との改良された混合を生ぜしめることが望ましい。
【0003】
本発明の課題は、排気中に導入される反応剤と排気との、外的条件とは概ね無関係な混合を生ぜしめることができる、内燃機関の排気流中に反応剤を供給するための反応剤供給装置を提供することにある。
【0004】
この課題を本発明に基づき解決する、内燃機関の排気流中に反応剤を供給するための反応剤供給装置は、
排気主流れ方向に排気が通流可能な排気流通路を構成する排気案内部材と、
排気案内部材において排気流通路内に供給体長手方向軸線に沿って延在するように支持された、供給体壁を備える反応剤供給体と、を有し、
反応剤供給体内には、供給体壁の内壁面により包囲された反応剤収容容積が設けられており、反応剤供給体の供給体壁の外壁面の周りを、排気流通路内を流れる排気が流動可能になっており、反応剤収容容積は、少なくとも1つの貫通開口を介して排気流通路に対して開放されており、
前記反応剤供給装置はさらに、反応剤収容容積内に反応剤を供給するための反応剤供給ユニットを有し、
供給体壁には、反応剤供給体を加熱するための加熱装置が、少なくとも供給体壁の内壁面の領域に対応して配置されている。
【0005】
本発明により構成された反応剤供給装置では、反応剤収容容積の周囲を画定する供給体壁を加熱することにより、前記容積内に噴射されて内壁面に当たった反応剤が加熱され、これにより気化され、ひいては反応剤供給体の周りを流れる排気と効率的に混合することができる。これにより、反応剤噴射領域における反応剤堆積物の発生も抑えられる。
【0006】
反応剤収容容積内に噴射された反応剤により、内壁面を効率的に濡らすことができるようにするために、反応剤収容容積は、供給体長手方向軸線の方向の先細り方向において、少なくとも部分的に先細りするように形成されていることを提案する。これにより、一般に円錐スプレーの形態で広がる反応剤に、先細り型反応剤収容容積もしくは対応する先細り型内壁面が直面することになる。この場合、反応剤収容容積は、種々様々な形式で先細りするように形成されていてもよい。例えば反応剤収容容積は、少なくとも部分的に、実質的に円錐状に先細りするように形成されていてもよい。択一的または付加的に、反応剤収容容積は少なくとも部分的に、双曲線状または曲線を描くように先細りしていてもよい。
【0007】
反応剤収容容積のこの先細り構造は、例えば供給体壁が先細り方向において少なくとも部分的に、好適には実質的に円錐状に先細りするように形成されていることにより、構成され得る。
【0008】
これに関連して指摘しておくと、本発明の意味において供給体壁または壁面が先細りするように形成されていると云う場合には、例えば壁自体の厚さが変化するかどうかに関係なく、このような壁もしくは面により漏斗状もしくは円錐状、截頭円錐状の構造が構成されること全般を意味する。
【0009】
本発明による反応剤供給装置の特に有利な構成では、供給体壁が、例えば排気案内部材に隣接する第1の長さ範囲では、好適には実質的に円錐状に先細り方向に先細りするように形成されており、かつ第1の長さ範囲に続く、好適には実質的に管状の第2の長さ範囲では、少なくとも1つの貫通開口を有している、または/かつ供給体長手方向軸線の方向において開放されている、ということが想定されていてもよい。このような構成により、第1の長さ範囲では内壁面が効率的に濡らされると共に、内壁面からの反応剤の気化が生じる一方で、第2の長さ範囲では、反応剤と、反応剤供給体の周りを流れる排気とを混合することができる、ということが保証され得る。
【0010】
排気流通路内を流れる排気中で運ばれる熱を、反応剤供給装置の加熱に効率的に利用することができるようにするために提案するのは、供給体壁が、その第1の長さ範囲および第2の長さ範囲でもって排気流通路内に配置されており、これにより好適には、第1の長さ範囲は、供給体長手方向軸線に対する半径方向寸法が最大の領域において排気案内部材に隣接するように位置決めされている、という点である。
【0011】
1つの択一的な構成では、供給体壁は、その第1の長さ範囲でもって少なくとも部分的に、好適には実質的に完全に排気流通路の外側に配置されていてもよいと共に、第2の長さ範囲でもって少なくとも部分的に排気流通路内に配置されていてもよく、これにより好適には、第1の長さ範囲は、供給体長手方向軸線に対する半径方向寸法が最小の領域において、または/かつ第1の長さ範囲から第2の長さ範囲への移行領域の範囲において、排気案内部材に隣接するように位置決めされている。このようにして、反応剤供給装置によって妨害される排気流は最小限である、ということが保証される。
【0012】
1つの択一的な、極めてコンパクトな構成形式に関しては、供給体壁が、排気案内部材に隣接する長さ範囲において、好適には実質的に円錐状に先細り方向に先細りするように形成されており、前記長さ範囲に少なくとも1つの貫通開口を有し、または/かつ前記長さ範囲の、排気案内部材から離れた端部において、好適には供給体長手方向軸線の方向に開放されている、ということを提案する。
【0013】
反応剤を反応剤収容容積内に供給するための反応剤供給ユニットが、供給体長手方向軸線に対して実質的に平行で、実質的に先細り方向に相当する反応剤主供給方向に配置されていると、内壁面が効率的に濡らされるということが保証され得る。
【0014】
反応剤が液滴形態で反応剤収容容積から流出することを防ぐために提案するのは、反応剤収容容積が、反応剤流出用の開口の領域において開放されており、反応剤収容容積内、好適には前記開口の領域内に、反応剤フィルタが設けられている点である。つまり反応剤フィルタの主要な役割は、液滴を引き留めると共に、実質的にガス状もしくは蒸気状の形態で存在している反応剤だけを反応剤収容容積から流出させる、という点にある。このことは、反応剤フィルタが多孔質材料、好適には発泡金属材料を有していることにより、特に簡単に行うことができる。
【0015】
液滴形態で導入される反応剤の気化は、反応剤収容容積内に反応剤変向部材が設けられていることにより、さらに支援され得る。
【0016】
反応剤を供給体壁の方向に変向し得る表面を構成するように、反応剤変向部材は、反応剤供給ユニットから離反する方向に、好適には円錐状に広がるように形成されていてもよい。
【0017】
供給体長手方向軸線は、好適には排気主流れ方向に対して実質的に直交している。
【0018】
反応剤供給体内に加熱装置を組み込むために提案するのは、供給体壁が、内壁面を少なくとも部分的に構成する内壁と、外壁面を少なくとも部分的に構成する外壁とを有し、内壁と外壁との間に加熱装置が配置されている、という点である。
【0019】
同時に、特に内燃機関もしくは排気系が比較的低い温度において高負荷運転される場合に熱損失をできる限り回避するために、供給体壁は、内壁と外壁との間に配置された中間壁を有し、加熱装置は、内壁と中間壁との間に配置されており、または/かつ中間壁と外壁との間には、絶縁材料が配置されていることを提案する。
【0020】
加熱装置は、内壁を好適にはコイル状に包囲するように配置されていてもよい。例えば加熱装置は、内壁をらせん状もしくはコイル状に包囲する加熱導体を有していてもよい。
【0021】
反応剤の効率的な気化にとっては、反応剤供給体もしくは反応剤供給体の内壁面、特にこの面に反応剤が当たる場所の加熱が特に有利なので、加熱装置は少なくとも、先細り型反応剤収容容積を備える供給体壁の所定の長さ範囲に配置されている、ということを提案する。
【0022】
本発明はさらに、好適には車両に設けられる内燃機関用の排気系であって、本発明に基づき構成された反応剤供給装置を有するものに関する。
【0023】
以下に、本発明を添付の図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】
図1に示した反応剤供給装置の反応剤供給体を、
図1に示したII−II線に沿って断面した図である。
【
図3】
図1に示した反応剤供給装置の反応剤供給体を、
図1に示したIII−III線に沿って断面した図である。
【
図4】択一的な構成の反応剤供給装置の、
図1に相当する縦断面図である。
【
図5】
図4に示した反応剤供給装置の反応剤供給体を、
図4に示したV−V線に沿って断面した図である。
【
図6】
図1に示した反応剤供給装置の変化態様を示す図である。
【
図7】
図1に示した反応剤供給装置の別の変化態様を示す図である。
【
図8】
図7に示した反応剤供給装置に使用した反応剤変向部材の側面図である。
【
図9】
図4に示した反応剤供給装置の変化態様を示す図である。
【
図10】
図4に示した反応剤供給装置の別の変化態様を示す図である。
【
図11】択一的な構成の先細り型反応剤収容容積を備える反応剤供給装置を示す図である。
【
図12】先細り型反応剤収容容積の別の択一的な構成を示す図である。
【
図13】先細り型反応剤収容容積のさらに別の択一的な構成を示す図である。
【
図14】
図1に示した反応剤供給装置のさらに別の変化態様を示す図である。
【0025】
図1〜3には、全体を符号10で表した反応剤供給装置の第1の実施形態が示されており、この反応剤供給装置10により、反応剤、例えば尿素/水溶液を、内燃機関の排気系内を流れる排気中に導入することができる。
【0026】
反応剤供給装置10は、例えば管状に形成された排気案内部材12を有しており、排気案内部材12は、排気系に組み込まれていてもよい、もしくは排気系の管部分に接続されていてもよい。排気案内部材12において排気は、排気流通路13内を、実質的に排気案内部材12の長手延在方向にも相当する、排気主流れ方向Aに流れる。指摘しておくと、排気案内部材12内では局所的に、その内部で案内される排気の、前記排気主流れ方向Aとは異なる流れ方向が生じ得る。
【0027】
排気案内部材12には、全体を符号14で表された反応剤供給体が支持されている。反応剤供給体14は、全体的に供給体長手方向軸線Kの方向で、実質的にこの供給体長手方向軸線Kに対して平行に向けられた先細り方向Rに先細りしている、例えば漏斗状または円錐状もしくは截頭円錐状に先細りになっている構造を有している。
【0028】
反応剤供給体14は、全体を符号16で表された、供給体長手方向軸線Kの方向に細長い、もしくは供給体長手方向軸線Kを包囲する供給体壁を有している。供給体壁16の、供給体長手方向軸線Kに対する半径方向寸法が最大の領域において、供給体壁16は、排気案内部材12に結合されている。
【0029】
反応剤供給体14は排気案内部材12の内部で、反応剤供給体14の供給体長手方向軸線Kが、実質的に排気主流れ方向Aに対して直交するように向けられて、配置されている。排気案内部材12内で反応剤供給体14に向かって排気主流れ方向Aに流れる排気は、反応剤供給体14の供給体壁16の外壁面18の周りを流れる。
【0030】
反応剤供給体14の内部には、全体を符号20で表された、供給体壁16の漏斗状の構造に基づき供給体長手方向軸線Kの方向に先細りしている反応剤収容容積が構成されている。排気案内部材12に、例えば供給体長手方向軸線Kに関して実質的に中央に配置された反応剤供給ユニット22、例えばインジェクタにより、反応剤は反応剤主供給方向Hで反応剤収容容積20内へ噴射される。反応剤主供給方向Hは、実質的に先細り方向Rに相当しており、好適には、供給体長手方向軸線Kに対して実質的に平行に向けられている。反応剤供給ユニット22により供給される、もしくは反応剤収容容積20内へ噴射される反応剤は一般に、反応剤主供給方向Hに関して、反応剤供給ユニット22から離反する方向に広がる容積を占める円錐スプレー24の形態で供給される。
【0031】
反応剤供給体14は、2つの長さ範囲L
1,L
2を有している。第1の長さ範囲L
1において反応剤供給体14には、上述の先細りもしくは漏斗状構造が構成されている。第2の長さ範囲L
2の、移行領域80の下流側において、反応剤供給体14には実質的に管状の、ほぼ一定の横断面幾何学形状が構成されている。外壁面18を構成する反応剤供給体14の外壁26は、排気案内部材12への取付け領域から自由端部領域28まで延在しており、この自由端部領域28で外壁26は、排気案内部材12に対して間隔をあけて終了している。つまり反応剤供給体14は、供給体長手方向軸線Kに対する半径方向寸法が最大の領域において、排気案内部材12に支持されている。
【0032】
実質的に第1の長さ範囲L
1にのみ延在している内壁30と外壁26とは、実質的に反応剤供給体14の内壁面32を構成しており、この場合、内壁30により構成される内壁面32の領域は、実質的に反応剤収容容積20の周囲をも画定している。
【0033】
第1の長さ範囲L
1内の、内壁30と外壁18との間には、内壁30と例えば統合されて構成された中間壁34が位置している。内壁30と中間壁34との間に閉じ込められた容積範囲36内には、以下でさらに詳しく説明する加熱装置38が配置されている。中間壁34と外壁26との間に閉じ込められた容積範囲40内には絶縁材料42、つまり中間壁34の構成材料もしくは外壁26の構成材料よりも低い熱伝導率を有する材料が配置されている。例えば内壁30、内壁30と統合されて形成された中間壁34および外壁26は、金属材料から、特に金属薄板材料の変形加工により構成され得る。
【0034】
第2の長さ範囲L
2において外壁26は、供給体長手方向軸線Kの方向に連続していて例えば全周にわたり配分された、複数の貫通開口44を有している。さらに、自由端部領域28において外壁26ひいては反応剤収容容積20は、供給体長手方向軸線Kの方向に、開口46を介して開いている。
【0035】
加熱装置38は、例えば導電性コア50と、このコア50を包囲するカバー52とを備え、内壁30をコイル状もしくはらせん状に包囲する加熱導体48を有していてもよい。内壁30の漏斗状もしくは先細り構造に対応して、加熱導体48の巻回直径は、先細り方向Rに減少している。エネルギ源に接続するために、接続領域54,56が排気案内部材12と、排気案内部材12の、特に反応剤供給体14が排気案内部材12に支持されている領域を包囲している絶縁装置58とから導出されている。
【0036】
内燃機関の運転中に排気が排気案内部材12内を流れると、反応剤供給装置10の下流側で排気系内に配置された触媒において選択触媒還元を生ぜしめるために、反応剤供給ユニット22により反応剤収容容積20内へ、反応剤が噴射される。全体的にスプレー形態で噴射される反応剤は、内壁30により構成される内壁面32に当たる。内壁30ひいては内壁30により構成される内壁面32の一部を加熱することにより、内壁30の表面を濡らす反応剤が気化させられ、内壁30に当たらない、液滴形態で反応剤収容容積20に導入された反応剤部分と一緒に、内壁30により再び気化させられた反応剤部分が、反応剤主供給方向Hで反応剤供給体14の第2の長さ範囲L
2に流入することになる。
図3に具体的に示されているように、反応剤供給体14の外面18の領域の周りには排気Gが流れているため、特に第2の長さ範囲L
2の外周領域には負圧も生じていることから、吸込みポンプ作用により、管状の第2の長さ範囲L
2から貫通開口44と開口46とを通る反応剤Mの流出が支援されることになる。よって、極めて微細な液滴形態もしくは蒸気形態で排気流中に導入される反応剤Mを、極めて効率的に排気Gと混合することができる。それというのも、反応剤供給体14の周りを流れるときには既に、混合を支援する渦動を生ぜしめることができるからである。反応剤供給体14の下流側にはさらに、
図1に概略的に示すミキサ60が配置されており、ミキサ60は、反応剤Mと排気Gとをさらに混合するために用いられる。
【0037】
図4および
図5には、反応剤供給装置の択一的な実施形態が示されている。構成もしくは機能に関して上述した各コンポーネントに相当するコンポーネントは、“a”を追加した同じ符号で表されている。
【0038】
反応剤供給体14aは、供給体長手方向軸線Kの方向に延在するその長さ範囲L全体にわたり、実質的に漏斗状もしくは先細り構造を備えて形成されている。上述した実施形態の場合と同様に、内壁30aも外壁26aも、対応する漏斗状もしくは截頭円錐状の形態を有しており、このようにして、先細り方向Rに先細りしている反応剤収容容積20aの構造も構成されている。
【0039】
反応剤供給体14aは、その自由端部領域28aにおいて開口46aを介して、排気案内部材12aの内部に対して開いている。さらに、特に供給体壁16aの上流側の領域では、外壁26aにも内壁30aにも複数の貫通開口62aもしくは64aが設けられており、この場合、互いに相対するように対応して配置された各1対の貫通開口62a,64aは、排気案内部材12a内を流れる排気Gが、
図4に流れ矢印で示すように、前記各1対の貫通開口62a,64aを通って反応剤収容容積20a内へ流入可能であるように向けられていてもよい。この場合、内壁30aに設けられた各貫通開口64aには、流れ案内部材66aが対応して配置されていてもよく、流れ案内部材66aは、前記貫通開口64aを通る排気Gを、供給体長手方向軸線Kもしくは反応剤主供給方向Hの方向に変向させる。
【0040】
図4および
図5に示した反応剤供給体14aの、このようにコンパクトな構成形式では、それぞれが内壁面32aもしくは外壁面18aも構成する内壁30aと外壁26aとが、例えば金属薄板変形加工部材として構成される1つの構成部材に統合されて形成されていてもよいと共に、互いの間に加熱装置38aを収容する容積36aを画定していてもよい。この容積36a内には、加熱導体48aが内壁30aを包囲するように配置されており、これにより実質的に、供給体長手方向軸線Kの方向に見た反応剤供給体14aの全延在長さにわたって、内壁30aひいては内壁面32aも全体的に加熱され得るようになっている。
【0041】
図1〜
図3に関して説明した実施形態では、排気Gは実質的に反応剤収容容積20には流入しないのに対し、
図4および
図5に示した実施形態では、排気Gはこの反応剤収容容積20aをも通流し、ひいては反応剤収容容積20a内に噴射された反応剤Mが、既に前記反応剤収容容積20aの領域内で排気Gと混合され、排気Gにより積極的に反応剤収容容積20aから運び出されるように、能動的に働く。
【0042】
図6には、
図1に示した反応剤供給装置10の変化態様が示されている。反応剤収容容積20内では、開口70(この開口70を介して反応剤収容容積20は反応剤流出用に開放されている)の領域に、反応剤フィルタ72が配置されている。好適には例えば発泡金属材料または発泡セラミック材料等の多孔質材料から形成された反応剤フィルタ72は、液滴形態の反応剤が反応剤収容容積20から流出することを防ぐ。液滴形態で反応剤フィルタ72に当たる反応剤は、反応剤フィルタ72の多孔質構造に基づき、反応剤フィルタ72に受け止められる。反応剤フィルタ72は、供給体壁16内に設けられた加熱装置38によって加熱されるため、反応剤フィルタ72に液状形態で受け止められる反応剤も加熱され、蒸気状もしくはガス状形態で放出されることになる。反応剤収容容積20内にガス状もしくは蒸気状形態で存在している反応剤は、反応剤フィルタ72の連続気泡構造を通過することができる。
【0043】
指摘しておくと、反応剤フィルタ72に別の構造を用いることも可能である。例えば、金属編物あるいは金属またはセラミックの繊維材料全般を使用してもよい。また、個々の積層板部材が部分的に重なり合って位置決めされ、反応剤液滴の即時通過を防ぐ、積層板状の装置が設けられていてもよい。
【0044】
図7に示す反応剤供給装置10の変化態様では、反応剤収容容積20内に、円錐状に形成された反応剤変向部材74(
図8に図示)が配置されている。この反応剤変向部材74は、複数の支持体突起76を介して内壁30に支持されている。反応剤変向部材74は、好適には供給体長手方向軸線Kに沿って向けられていて、反応剤供給ユニット22から離反する方向に広がっている。
【0045】
反応剤供給ユニット22から円錐スプレー24の形態で供給される反応剤は、反応剤収容容積20の中央領域で反応剤変向部材74の表面に当たり、反応剤変向部材74により外側に向かって、加熱された内壁面32の方向に変向させられる。これにより、反応剤が液滴形態で反応剤収容容積20から流出することも、概ね防止することができる。
【0046】
図9および
図10には、
図4に示した反応剤供給装置10の実施形態にも、開口46aの領域に反応剤フィルタ72aもしくは反応剤収容容積20a内で好適には供給体長手方向軸線Kに沿って延在する反応剤変向部材74aが設けられていてもよい、ということが示されている。これに関連して述べておくと、この実施形態にも、
図6および
図7に関して上述した反応剤供給装置の実施形態にも、反応剤フィルタと反応剤変向部材とが組み合わされて設けられていてもよい。
【0047】
図11には、
図4に示した反応剤供給装置10の実施形態に基づき、反応剤収容容積20aには、別の先細り構造が構成されてもよい、ということが例示されている。
図11に示す実施例では、反応剤収容容積20aはS字状に曲線を描く構造を備えて先細りしており、この構造ではまず、排気案内部材12aから出発して、供給体長手方向軸線Kの方向の長さ単位に関して半径が比較的大きく減少しており、次いで開口46aに近づく領域では、供給体長手方向軸線Kの方向の長さ単位に関して半径の減少はより小さくなっている。
【0048】
図12に示す構造では、反応剤収容容積20aは、実質的に双曲線状の、もしくは供給体長手方向軸線Kに対して双曲面状の構造を備えて先細りするように形成されている。この場合も、排気案内部材12aに隣接する領域においてまず半径が、反応剤収容容積20aを開放している開口に近い長さ範囲におけるよりも大きく減少している。
【0049】
図13に示す構造では、基本的には双曲線状に先細りしている反応剤収容容積20aの形態に、実質的に円錐形の、つまりほぼ線形に半径が減少するように形成された部分78aが使用されている。この場合、反応剤供給ユニット22aは反応剤を円錐スプレー24aの形態で、主として前記部分78aに向けて供給することができる。
【0050】
つまり
図13は、反応剤収容容積20aもしくは反応剤収容容積20aを実質的に包囲している内壁30aが、複数の異なる長さ範囲において、異なる先細り幾何学形状の長さ範囲を備えて形成されていてもよい、ということを具体的に示している。また指摘しておくと、上述した構造は、
図1に示した反応剤供給装置の実施例に設けられていてもよい。
【0051】
反応剤供給装置の別の変化実施形態が
図14に示されている。
図14では、構成もしくは機能に関して
図1〜
図3に示した実施形態の各コンポーネントもしくは構成群に相当するコンポーネントもしくは構成群は、符号“b”を追加した同一符号で表されている。
【0052】
以下で
図14に示す反応剤供給装置10bの構成について詳しく説明する前に述べておくと、この反応剤供給装置10bは、実質的に
図1〜
図3に示した実施形態の構成原理に基づいているが、基本的には例えば、
図6に認められる反応剤フィルタ、
図7に示した反応剤変向部材または/および
図11〜
図13に示した先細り幾何学形状を構成することにより、種々様々に変更されてもよい。
【0053】
図14に示す構成では、反応剤供給装置10bは、第1の長さ範囲L
1と第2の長さ範囲L
2との間の移行領域80bでもって、排気案内部材12bに隣接するように位置決めされている、もしくは排気案内部材12bに支持されているように位置決めされている。ここで指摘しておくと、本発明の意味では反応剤供給装置は、反応剤供給装置と排気案内部材との間に相互支持作用または/および相互シール作用が生じている場合に、排気案内部材に支持されていることになる。
図14に示した構成では、このことは例えば、外壁26bを移行領域80b内で排気案内部材12bに、例えば溶接により材料接続的に、ひいては特に気密にも固定することによって行うことができる。
【0054】
反応剤供給装置10bは、その先細りしている第1の長さ範囲L
1でもって排気流通路13bの外側に位置している。反応剤供給装置10bもしくは反応剤供給装置10bの反応剤供給体14bは、その第2の長さ範囲L
2でもってのみ、排気流通路13b内に延在しており、そこでは排気流通路13b内を流れる排気Aが、反応剤供給体14bの供給体壁16bの外壁面18bの周りを流れることができるようになっている。つまり、供給体長手方向軸線Kに対して直交する比較的小さな半径方向寸法しか有さない第2の長さ範囲L
2だけが、排気流通路13b内に延在しているに過ぎないので、排気流通路13b内を流れる排気Aに対しては、比較的小さな流れ抵抗が生じることになる。この範囲において反応剤供給体14bは、貫通開口44bならびに自由端部領域28bに設けられた開口46bを介して、反応剤Rを排気流通路13b内へ流出させ、特に下流側に位置決めされたミキサ60bにより、排気流通路13b内を流れる排気Aと混合させるために開放されている。
【0055】
図14に示した反応剤供給装置の実施形態では、反応剤供給体14bが移行領域80bの範囲、つまり反応剤供給体14bがその第1の長さ範囲L
1内で供給体長手方向軸線Kに対して最小の半径方向寸法を有する範囲において、排気案内部材12bに隣接するように位置決めされている、もしくは排気案内部材12bに支持されている一方で、反応剤供給体14bが供給体長手方向軸線Kに対して最大の半径方向寸法を有している第1の長さ範囲L
1の領域では、反応剤供給体14bは、付加的な支持体82bに支持されていてもよい。付加的な支持体82bは、排気案内部材12bを包囲する、例えば排気案内部材12bに固定されてもいる管部分によって構成されていてもよい。
【0056】
指摘しておくと、反応剤供給体14bは、第1の長さ範囲L
1もしくは第2の長さ範囲L
2の別の部分において、排気案内部材12bに隣接するように位置決めされている、もしくは排気案内部材12bに支持されていてもよい。つまり例えば、第1の長さ範囲L
1は、部分的に排気流通路13b内に係合するように位置決めされていてもよい。択一的に反応剤供給体14bは、第2の長さ範囲L
2の領域で排気案内部材12bに支持されてもよく、つまり気密に固定されていてもよく、その結果前記第2の長さ範囲L
2は、部分的に排気流通路13bの外側に延在することになり、この場合は当然、この領域に貫通開口44bを一切有していない。
【0057】
本発明により提供される反応剤供給装置は、反応剤で濡らされるべき表面を加熱可能な手段に基づき、周辺温度もしくは反応剤供給体の周りを流れる排気の温度に関係なく、確実な反応剤気化を生ぜしめるように働くことができる。つまり比較的低い温度でも、確実な反応剤気化と、これに対応した反応剤と排気との確実な混合とを生ぜしめるように働くことができる。