特許第6469845号(P6469845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6469845ガスタービンエンジン内の光センサ用のシーリングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469845
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジン内の光センサ用のシーリングシステム
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20190204BHJP
   F02C 7/28 20060101ALI20190204BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20190204BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20190204BHJP
   G01J 1/04 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   G01J1/02 J
   F02C7/28 Z
   F02C7/00 A
   F01D25/00 V
   F01D25/00 M
   G01J1/04 E
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-511324(P2017-511324)
(86)(22)【出願日】2014年8月26日
(65)【公表番号】特表2017-533409(P2017-533409A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】US2014052595
(87)【国際公開番号】WO2016032433
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド エイ. マイアーズ
【審査官】 小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−127877(JP,U)
【文献】 特開昭58−137721(JP,A)
【文献】 特開昭58−174821(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/128164(WO,A1)
【文献】 実開昭50−117889(JP,U)
【文献】 特開平07−150215(JP,A)
【文献】 米国特許第06518577(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 13/00−15/12
23/00−25/36
F02C 1/00−9/58
F23R 3/00−7/00
G01J 1/00−1/60
5/00−5/62
11/00
G01N 21/00−21/01
21/17−21/61
21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光センサ用のシーリングシステム(20)であって、
略管状の外側構成を有する外側の光学的ハウジング(28)と、
前記外側の光学的ハウジング(28)における内側チャンバ(42)内に配置された内側の光学的ハウジング(26)と、
前記内側の光学的ハウジング(26)と前記外側の光学的ハウジング(28)との間に延びる第1のシール(22)と、
前記内側の光学的ハウジング(26)と前記外側の光学的ハウジング(28)との間に延びかつ前記第1のシール(22)から横方向に分離された第2のシール(24)と、
前記外側の光学的ハウジング(28)を貫通して延びる少なくとも1つの排気口(34)と、
前記内側の光学的ハウジング(26)と前記外側の光学的ハウジング(28)との間にかつ前記内側の光学的ハウジング(26)の周囲に周方向に配置されたマニホールドリング(32)であって、該マニホールドリング(32)を貫通して半径方向外方へ延びる少なくとも1つの漏れポート(44)を有するマニホールドリング(32)と、
少なくとも部分的に前記内側および外側の光学的ハウジング(26,28)の間に配置された漏れマニホールド(30)と、を備え、
前記マニホールドリング(32)は前記漏れマニホールド(30)内に配置されており、
前記マニホールドリング(32)の高圧側表面(58)は、前記第1のシール(22)の側面(62)と接触しており、前記マニホールドリング(32)の低圧側表面(60)は、前記第2のシール(24)の側面(64)と接触しており、
前記マニホールドリング(32)は、前記第1のシール(22)を通って漏れ出た漏れ空気を捕捉し、前記少なくとも1つの排気口(34)を通じてその漏れ空気を排出するように構成されている
ことを特徴とする、光センサ用のシーリングシステム(20)。
【請求項2】
前記漏れマニホールド(30)は、円筒状である、請求項記載のシーリングシステム(20)。
【請求項3】
前記マニホールドリング(32)は、一貫した横断面積を有する、請求項1記載のシーリングシステム(20)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの排気口(34)は、複数の孔から形成されている、請求項1記載のシーリングシステム(20)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの排気口(34)は、少なくとも1つのスロットから形成されている、請求項1記載のシーリングシステム(20)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの排気口(34)は、複数のスロットである、請求項記載のシーリングシステム(20)。
【請求項7】
前記マニホールドリング(32)は、凹面状の内面(54)を有しており、前記マニホールドリング(32)の前記凹面状の内面(54)は、前記マニホールドリング(32)の周囲に周方向に延びている、請求項1記載のシーリングシステム(20)。
【請求項8】
前記マニホールドリング(32)は、凹面状の外面(56)を有しており、前記マニホールドリング(32)の前記凹面状の外面(56)は、前記マニホールドリング(32)の周囲に周方向に延びている、請求項1記載のシーリングシステム(20)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの漏れポート(44)は、前記マニホールドリング(32)の中心線(46)に沿って配置されている、請求項1記載のシーリングシステム(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、タービンエンジン、シーリング技術および光センサに関し、より詳細には、光センサ用のシーリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タービンエンジンでは、タービンの燃焼領域内の火炎スキャニングのために使用される光センサなどの光センサは、安全のために火炎を検出し、最適なエンジン作動を保証することができる必要がある。現在、このような光センサをシールするための様々な既存の技術および方法は、通常、タービンの燃焼領域からの湿った空気の僅かな漏れを、図1に示すような光センサ用の光学的バリヤを通って漏れさせる。レンズ封入ハウジング10が、レンズ支持体12に解放可能に取り付けられ、1つの圧力シール14によってシールされていてもよい。シール14は、多くの場合、漏れを生じる。湿った空気の漏れは、タービンの光学的感知領域において凝縮物を生じさせ、この凝縮物は多くの場合、光学的感知領域の信号プロセッサへ光信号を送信する光ファイバに液滴または湿分を形成させる。液滴または湿分は、信号プロセッサへ伝送される光信号の劣化を生じることがあり、その結果、実際には逆が正しいときに炎吹消え条件が存在することをシステムが誤って判定したときにタービンエンジンの過誤トリップを生じることがある。タービンエンジンの過誤トリップは、多くの場合、実質的な顧客不満足、実質的な収入の損失、タービン利用可能性の損失および生産性の損失を生じる。さらに、現在の技術および方法は、多くの場合、故障しやすくもある。さらに、多くの場合に蒸気問題に対応するために使用される電気加熱は、付加的な複雑さおよび実質的なコストを必要とする。つまり、光センサまたは火炎検出装置用の改良されたシーリングを提供する、より頑丈なシステムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
シールを通過する湿った空気の進入を防止するためにシール漏れをシールから離反するように逸らせかつ排出させる、タービンエンジンの光センサ用のシーリングシステムが開示される。シーリングシステムは、内側および外側の光学的ハウジングを有していてもよく、内側および外側の光学的ハウジングの間には第1および第2のシールが配置されていて、内側および外側の光学的ハウジングを半径方向に分離している。シーリングシステムは、第1および第2のシールの間に配置された、1つまたは複数のマニホールドリングを含む1つまたは複数の漏れマニホールドを有していてもよい。マニホールドリングは、第1および第2のシールの間に配置され、第1および第2のシールと接触していてもよく、これにより、第1および第2のシールが二重シールを形成することを可能にしており、二重シールにおいては、第1のシールが内側および外側の光学的ハウジングに係合し、第2のシールが内側および外側の光学的ハウジングに係合している。マニホールドリングは、第1のシールを通って漏れ出た漏れ空気を捕捉し、シーリングシステムを通って漏れる前にその漏れ空気を外側の光学的ハウジングにおける1つまたは複数の排気口を通じて排出するように構成されていてもよい。マニホールドリングは、漏れマニホールド内に内側の漏れ捕捉チャンバまたは外側の捕捉チャンバ、またはそれら両方を形成するように構成されていてもよい。
【0004】
少なくとも1つの実施の形態では、光センサ用のシーリングシステムは、略管状の外側構成を有する外側の光学的ハウジングと、外側の光学的ハウジングにおける内側チャンバ内に配置された内側の光学的ハウジングとを有していてもよい。シーリングシステムは、内側の光学的ハウジングと外側の光学的ハウジングとの間に延びる第1のシールと、内側の光学的ハウジングと外側の光学的ハウジングとの間に延び、第1のシールから横方向に分離された第2のシールとを有していてもよい。1つまたは複数の排気口が、外側の光学的ハウジングを貫通して延びていてもよい。マニホールドリングは、内側の光学的ハウジングと外側の光学的ハウジングとの間に配置され、内側の光学的ハウジングの周囲に周方向に延びており、マニホールドリングは、マニホールドリングを通って半径方向外方へ延びた1つまたは複数の漏れポートを有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、内側の光学的ハウジングは、光学的構成部材であってもよく、マニホールドリングは、光学的構成部材と外側の光学的ハウジングとの間に配置されていてもよい。
【0005】
漏れマニホールドは、少なくとも部分的に内側および外側の光学的ハウジングの間に配置されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、マニホールドリングは、漏れマニホールド内に配置されていてもよい。漏れマニホールドは、円筒状であってもよい。マニホールドリングは、一貫した横断面積を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、排気口は、複数の孔から形成されている。別の実施の形態では、排気口は、少なくとも1つのスロットまたは複数のスロットから形成されていてもよい。
【0006】
少なくとも1つの実施の形態では、マニホールドリングは、凹面状の内面を有していてもよい。マニホールドリングの凹面状の内面は、マニホールドリングの周囲に周方向に延びていてもよい。マニホールドリングは、凹面状の外面を有していてもよい。マニホールドリングの凹面状の外面は、マニホールドリングの周囲に周方向に延びていてもよい。マニホールドリングの高圧側表面は、第1のシールの側面と接触しており、マニホールドリングの低圧側表面は、第2のシールの側面と接触している。これにより、第1のシールは、内側および外側のハウジングに押し付けられて第1のシールを形成し、第2のシールは、内側および外側のハウジングに押し付けられて第2のシールを形成し、これにより、二重シールを形成する。
【0007】
タービンエンジンの作動中、タービンエンジンの高圧側からの空気流漏れが生じることがある。シーリングシステムは、タービンエンジンの高圧側に配置された第1のシールを通って空気流の僅かな漏れを通過させてもよい。漏れ空気が第1のシールを流過すると、空気は、漏れマニホールドの内側および外側の漏れ捕捉チャンバに収集される。内側の漏れ捕捉チャンバに収集された漏れ空気は、マニホールドリングの1つまたは複数の漏れポートを通って、漏れマニホールドの外側の漏れ捕捉チャンバ内へ流れてもよい。空気流が漏れマニホールドの外側の漏れ捕捉チャンバに進入すると、空気流は、1つまたは複数の排気口を介して外側の光学的ハウジングを通って排出されてもよく、これは、第1のシールの両側に大気圧ゾーンを維持する。その結果、第1のシールを横切る漏れが、タービンエンジンの光学的感知部分に進入し、タービンエンジンの過誤トリップにつながる問題を生じることが防止される。
【0008】
光センサをシールするためのシステムのこれらの特徴およびその他の特徴は、以下の詳細な説明、図面および添付の請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来技術のシーリングシステムの断面側面図である。
図2】本開示の1つの実施の形態による、光センサをシールするためのシステムの断面側面図である。
図3図2内の詳細線3−3におけるシーリングシステムの断面側面図の詳細図である。
図4】マニホールドリングの透視図である。
図5】マニホールドリングの別の実施の形態の透視図である。
図6】外側の光学的ハウジングの外面の部分図である。
図7】外側の光学的ハウジングの外面の別の実施の形態の部分図である。
図8図2内の詳細線3−3におけるシーリングシステムの代替的な実施の形態の断面側面図の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2から図8に示すように、シール22,24を通過する湿った空気の進入を防止するためにシール漏れをシール22,24から離反するように逸らせかつ排出させる、タービンエンジンの光センサ用のシーリングシステム20が開示される。シーリングシステム20は、内側および外側の光学的ハウジング26,28を有していてもよく、内側および外側の光学的ハウジング26,28の間に第1および第2のシール22,24が配置されていて、内側および外側の光学的ハウジング26,28を半径方向に分離している。シーリングシステム20は、第1および第2のシール22,24の間に配置された、1つまたは複数のマニホールドリング32を含む1つまたは複数の漏れマニホールド30を有していてもよい。マニホールドリング32は、第1および第2のシール22,24の間に配置され、第1および第2のシール22,24と接触していてもよい。これにより、第1および第2のシール22,24が二重シールを形成することを可能にしており、二重シールにおいては、第1のシール22が内側および外側の光学的ハウジング26,28に係合し、第2のシール24が内側および外側の光学的ハウジング26,28に係合している。マニホールドリング32は、第1のシール22を通って漏れ出た漏れ空気を捕捉し、シーリングシステム20を通って漏れる前にその漏れ空気を外側の光学的ハウジング28における1つまたは複数の排気口34を通じて排出するように構成されていてもよい。マニホールドリング32は、漏れマニホールド30内に内側の漏れ捕捉チャンバ36または外側の漏れ捕捉チャンバ38、またはそれら両方を形成するように構成されていてもよい。
【0011】
図2および図3に示すように、光センサをシールするシーリングシステム20は、光学的構成部材40またはその他の同様の材料の深さにわたって二重シーリングを提供するように構成されていてもよい。シーリングシステム20は、外側の光学的ハウジング28における内側チャンバ42内に配置された内側の光学的ハウジング26を有していてもよい。シーリングシステム20は、内側および外側の光学的ハウジング26,28の間に延びる第1のシール22と、第1のシール22から横方向に分離された、内側および外側の光学的ハウジング26,28の間に延びる第2のシール24とを有していてもよい。第1および第2のシール22,24は、漏れマニホールド30によって分離されてもよい。漏れマニホールド30は、内側および外側の光学的ハウジング26,28によって画定されていてもよい。シーリングシステム20は、内側および外側の光学的ハウジング26,28の間で漏れマニホールド30内に配置されたマニホールドリング32を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、内側の光学的ハウジング26は、光学的構成部材40であってもよく、少なくとも図8に示すように、マニホールドリング32は、光学的構成部材40と外側の光学的ハウジング28との間に配置されていてもよい。マニホールドリング32は、マニホールドリング32を通って半径方向外方へ延びる1つまたは複数の漏れポート44を有していてもよい。
【0012】
シーリングシステム20は、外側の光学的ハウジング28を通って延びる1つまたは複数の排気口34を有していてもよく、排気口34は、マニホールドリング32における漏れポート44とともに、漏れマニホールド30内に捕捉された漏れ流体のための排出通路を提供する。図6および図7に示すように、排気口34は、1つの孔であってもよい1つの排気口34、外側の光学的ハウジング28の周囲に周方向にほぼ100%延びた孔、一列、ランダムまたはその他の適切な構成に配置された複数の排気口34などの多数の構成から形成されてよいが、これらに限定されない。排気口34は、複数の周方向に延びたスロットなどの、1つまたは複数のスロットから形成されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1つまたは複数の排気口34は、マニホールドリング32の中心線46と整列していてもよい。しかしながら、別の実施の形態では、排気口34は、排気口34の別の領域に配置されていてもよい。排気口34は、図2および図3に示すように、半径方向外方へ延びているか、マニホールドリング32の中心線46に対して非直交かつ非平行に延びていてもよい。
【0013】
図2に示すような少なくとも1つの実施の形態では、シーリングシステム20の外側の光学的ハウジング28は、略管状の外側構成を有していてもよいが、別の実施の形態では、外側の光学的ハウジング28は、その他の構成または形状を有していてもよい。外側の光学的ハウジング28は、内側チャンバ42内に内側の光学的ハウジング26を受け入れるように構成されていてもよい。内側の光学的ハウジング26は、光学的感知装置48の様々な部分を収容してもよい。例えば、内側の光学的ハウジング26は、ガラスレンズであってもよいが、それに限定されない光学的構成部材40を収容してもよい。レンズにより、光はシーリングシステム20を通過し、1つまたは複数の信号プロセッサ50への送信のために光ファイバケーブルのファイバと接触することができる。信号プロセッサ50は、光ファイバから受信された光信号に基づいて、タービンエンジン201の燃焼領域に火炎が存在するか否かの判定を助けるために使用されてもよい。
【0014】
シーリングシステム20は、内側の光学的ハウジング26と外側の光学的ハウジング28との間に延びる一対のシール22,24を有していてもよい。図2に示すように、第1のシール22は第2のシール24から横方向に分離されていてもよい。第1および第2のシール22,24は、内側の光学的ハウジング26の周囲に周方向に配置されていてもよく、光学的材料40の深さを横切って配置されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第1および第2のシール22,24は、あらゆる適切な材料から形成されていてもよく、含浸黒鉛などのパッキング材料を含んでもよいが、これに限定されない。第1および第2のシール22,24のパッキング材料は、流体、気体、またはそれらの組合せの僅かな漏れをタービンエンジンの高圧側52において通過させるように構成されていてもよい。
【0015】
図3に示すように、漏れマニホールド30は、第1のシール22と第2のシール24との間に配置されていてもよい。漏れマニホールド30は、内側の光学的ハウジング26の半径方向外側に配置されていてもよい。内側の光学的ハウジング26の外面と、外側の光学的ハウジング28の内面とは、漏れマニホールド30の一部を画定していてもよい。別の実施の形態では、光学的構成部材40の外面と、外側の光学的ハウジング28の内面とが、漏れマニホールド30の一部を画定していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、漏れマニホールド30は、内側の光学的ハウジング26の周囲に周方向に延びていてもよい。
【0016】
少なくとも1つの実施の形態では、シーリングシステム20のマニホールドリング32は、漏れマニホールド30内に配置されていてもよく、二重シールを形成するために、第1および第2のシール22,24が外側の光学的ハウジング28の側面と内側の光学的ハウジング26とに押し付けられた状態に維持するために利用されてもよい。マニホールドリング32は、内側の光学的ハウジング26または光学的構成部材40の半径方向外側に配置されていてもよい。マニホールドリング32は、内側の光学的ハウジング26と外側の光学的ハウジング28との間に配置されていてもよい。別の実施の形態では、マニホールドリング32は、光学的構成部材40と外側の光学的ハウジング28との間に配置されていてもよい。図2に示すように、少なくとも1つの実施の形態では、マニホールドリング32は、内側の光学的ハウジング26の周囲に部分的にまたは周方向に延びていてもよい。別の実施の形態では、マニホールドリング32は、その他の非円筒状の形状を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、マニホールドリング32は、一貫した横断面積を有していてもよく、略円筒状であってもよい。マニホールドリング32は、図2に示すように、内側の漏れ捕捉チャンバ36と外側の漏れ捕捉チャンバ38とを部分的に画定している砂時計形であってもよい。別の実施の形態では、図8に示すように、マニホールドリング32は、マニホールドリング32の半径方向内側および外側に配置された漏れマニホールド30を有する略矩形であってもよい。
【0017】
マニホールドリング32は、マニホールドリング32を通って延びる1つまたは複数の漏れポート44を有していてもよい。マニホールドリング32は、凹面状の内面54および凹面状の外面56を有していてもよい。凹面状の内面および外面54,56は、マニホールドリング32の高圧側表面58および低圧側表面60が第1および第2のシール22,24の幅だけ延び、それぞれ第1のシール22の側面62および第2のシール24の側面64に係合することを可能にしながら、内側および外側の漏れ捕捉チャンバ36,38を形成している。マニホールドリング32は、図4および図5に示すように、1つの孔であってもよい1つの漏れポート44、マニホールドリング32の周囲に周方向にほぼ100%延びた孔、一列またはランダムに配置された複数の漏れポート44、1つまたは複数のスロット、またはその他の適切な構成を含んでもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1つまたは複数の漏れポート44は、マニホールドリング32の中心線46に沿って配置されていてもよい。しかしながら、別の実施の形態では、漏れポート44は、マニホールドリング32の別の領域に配置されていてもよい。漏れポート44は、図2および図3に示すように、半径方向外方へ延びているか、マニホールドリング32の中心線46に対して非直交かつ非平行に延びていてもよい。
【0018】
図2および図3は、シーリングシステム20の様々な構成部材の特定の構成例を示しているが、シーリングシステム20は、より多数または少数の構成部材を使用することを含んでもよい、構成部材のその他の構成を含んでもよい。例えば、シーリングシステム20は、例示的に、一対のシール22,24、マニホールドリング32、漏れマニホールド30、漏れポート44および排気口34を含むように示されている。しかしながら、シーリングシステム20は、シーリングシステム20において、より多数のシール22,24、マニホールドリング32、漏れマニホールド30、漏れポート44、排気口34、またはあらゆる数のあらゆるその他の構成部材を含んでもよい。このように、シーリングシステム20は、本明細書に提供された説明または例に限定されない。
【0019】
タービンエンジンの作動中、タービンエンジンの高圧側52からの空気流漏れが生じることがある。シーリングシステム20は、タービンエンジンの高圧側52に配置された第1のシール22を通って空気流の僅かな漏れが通過することを許容する。漏れ空気が第1のシール22を通過すると、空気は、漏れマニホールド30の内側および外側の漏れ捕捉チャンバ36,38に収集される。内側の漏れ捕捉チャンバ36に収集された漏れ空気は、マニホールドリング32の1つまたは複数の漏れポート44を通って漏れマニホールド30の外側の漏れ捕捉チャンバ38内へ流入してもよい。空気流が漏れマニホールド30の外側の漏れ捕捉チャンバ38に進入すると、空気流は、1つまたは複数の排気口34を介して外側の光学的ハウジング28を通って排出されてもよく、これは、第1のシール22の両側に大気圧ゾーンを維持する。その結果、第1のシール22を横切る漏れが、タービンエンジン201の光学的感知部分48に進入し、タービンエンジンの過誤トリップにつながる問題を生じることが防止される。
【0020】
上記説明は、本発明を例示、説明および記述するという目的で提供されている。これらの実施の形態に対する変更および適応は、当業者に明らかになるであろうし、本発明の範囲または思想から逸脱することなく成し得るものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8