特許第6469863号(P6469863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブルースター・シリコーンズ・フランス・エスアエスの特許一覧 ▶ センター ナショナル ド ラ ルシェルシュ サイエンティフィークの特許一覧

特許6469863ゲルミレン系有機触媒を用いたヒドロシリル化方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469863
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】ゲルミレン系有機触媒を用いたヒドロシリル化方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/18 20060101AFI20190204BHJP
   C07F 19/00 20060101ALI20190204BHJP
   B01J 31/24 20060101ALI20190204BHJP
   C07F 9/6596 20060101ALN20190204BHJP
   C07F 7/21 20060101ALN20190204BHJP
   C07F 7/30 20060101ALN20190204BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20190204BHJP
【FI】
   C07F7/18 E
   C07F7/18 D
   C07F19/00
   B01J31/24 Z
   !C07F9/6596
   !C07F7/21
   !C07F7/30 F
   !C07B61/00 300
【請求項の数】14
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2017-525891(P2017-525891)
(86)(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公表番号】特表2018-500290(P2018-500290A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】FR2015053060
(87)【国際公開番号】WO2016075414
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年7月11日
(31)【優先権主張番号】1461032
(32)【優先日】2014年11月14日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507421304
【氏名又は名称】エルケム・シリコーンズ・フランス・エスアエス
【氏名又は名称原語表記】ELKEM SILICONES France SAS
(73)【特許権者】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】センター ナショナル ド ラ ルシェルシュ サイエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・バセイレド
(72)【発明者】
【氏名】カトウ・ツヨシ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンリー・マオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリエット・ベルト
(72)【発明者】
【氏名】マガリ・ブスキエ
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−534765(JP,A)
【文献】 BERTHE, Juliette, et al.,Journal of the American Chemical Society,2011年,133(40),pp. 15930-15933
【文献】 Inorganic Chemistry,GARCIA, Juan M. , et al.,2012年,51,pp. 8187-8193
【文献】 NOZOMI TAKAGI; SHIGEYOSHI SAKAKI,THEORETICAL STUDY OF REACTIVITY OF GE(II)-HYDRIDE COMPOUND: COMPARISON WITH RH(I)-HYDRIDE 以下備考,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2013年 5月23日,VOL:135, NR:24,PAGE(S):8955 - 8965,COMPLEX AND PREDICTION OF FULL CATALYTIC CYCLE BY GE(II)-HYDRIDE,URL,http://dx.doi.org/10.1021/ja402039b
【文献】 SIWATCH, Rahul Kumar, et al.,Organometallics,2012年,31(8),pp. 3389-3394
【文献】 COURET, C. , et al.,Journal of Organometallic Chemistry,1978年,157(2),pp. C35-C39
【文献】 STRADIOTTO, Mark, et al.,Journal of the American Chemical Society,2003年,125(19),pp. 5618-5619
【文献】 HADLINGTON, Terrance J. , et al.,Journal of the American Chemical Society,2014年,136(8),pp. 3028-3031
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
CAplus/MARPAT/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JST7580/JMEDPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含む不飽和化合物(A)をヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)によってヒドロシリル化するための方法であって、
式1で表される有機化合物(C)で触媒されることを特徴とする、前記方法。
【化1】
(ここで、
Lは1〜個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、
Yはアルキル基及び/又はアリールアルキル基で1回以上置換されたC6〜C10アリール基であり、
基R1及びR2は一緒になって5〜8個の原子を有する飽和又は不飽和の置換された環を形成、そして
ホスフィン基
【化2】
において、基R3及びR4は、それらが結合している原子と一緒になって、3〜10個の原子から成る単環を形成し、この単環は飽和であり、ホスフィンのP原子に結合した2個の窒素原子を含み、随意にSi原子を含み、且つ、随意にアルキル基及び/又はアリールアルキル基で1回以上置換されていてもよい。)
【請求項2】
前記不飽和化合物(A)が1個以上のアルケン又はアルキン官能基を含み、好ましくは
2〜40個の炭素原子を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)が、
・ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシラン又はポリシラン化合物、
・ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むオルガノポリシロキサン化合物、好ましくはヒドロゲノシリル官能基を1分子当たり少なくとも2個含むオルガノポリシロ
キサン化合物、及び
・末端位置にヒドロゲノシリル官能基を含む有機ポリマー
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記不飽和化合物(A)が式(I):
ghSiO(4-(g+h))/2 (I)
(ここで、
基Aは同一であっても異なっていてもよく、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルケニル又はアルキニル基を表し、
基Uは同一であっても異なっていてもよく、水素原子以外の一価の基を表し、
g及びhは整数を表し、gは1又は2であり、hは0、1又は2であり、(g+h)は1、2又は3である)
の単位を含むオルガノポリシロキサン化合物から選択され;
ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)が、式(III):
deSiO(4-(d+e))/2 (III)
(ここで、
基Uは上記と同じ意味を持ち、
d及びeは整数を表し、dは1又は2であり、eは0、1又は2であり、(d+e)は1、2又は3である)
の単位を少なくとも1個含むオルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式1:
【化3】
(ここで、
Lは1〜個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、
Yはアルキル基及び/又はアリールアルキル基で1回以上置換されたC6〜C10アリール基であり、
基R1及びR2は一緒になって5〜8個の原子を有する飽和又は不飽和の置換された環を形成、そして
ホスフィン基
【化4】
において、基R3及びR4、3〜10個の原子から成る単環を形成し、この単環は飽和であり、ホスフィンのP原子に結合した2個の窒素原子を含み、随意にSi原子を含み、且つ、随意にアルキル基及び/又はアリールアルキル基で1回以上置換されていてもよい
で表される有機化合物(C)。
【請求項6】
前記ホスフィン基が次式:
【化5】
(ここで、tBuはt−ブチル基である)
で表されることを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Lがメトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシから選択されるアルコキシ基であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の化合物。
【請求項8】
Lがエトキシ基であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
1とR2とが一緒になって5〜8個の原子を有する飽和又は不飽和の置換された環であってこの環上で2個の置換基が1〜3個の原子のブリッジを形成する前記環を形成することを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
式1の有機化合物(C)が次の構造:
【化6】
[ここで、
Yは2,6−iPr2−C63であり、
ホスフィン基は次式:
【化7】
(ここで、tBuはt−ブチル基である)
で表される]
を有することを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
前記有機化合物(C)が次の構造:
【化8】
[ここで、
Yは2,4,6−トリメチル−C62であり、
ホスフィン基は次式:
【化9】
(ここで、tBuはt−ブチル基である)
で表される]
を有することを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
ヒドロシリル化触媒としての、請求項5〜11のいずれかに記載の有機化合物(C)の使用。
【請求項13】
・ケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含む少なくとも1種の不飽和化合物(A)、
・ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む少なくとも1種の化合物(B)、及び
・請求項5〜11のいずれかに記載の有機化合物(C)から選択される触媒
を含む組成物。
【請求項14】
組成物中の不飽和化合物(A)のモル数に対する触媒のモル濃度が0.5%〜10%である、請求項13に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3配位有機ゲルマニウム化合物で触媒される、不飽和化合物とヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物とのヒドロシリル化方法に関する。本発明はまた、前記3配位有機ゲルマニウム化合物にも関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロシリル化反応(重付加とも称される)の際には、不飽和化合物、即ち二重結合又は三重結合タイプの少なくとも1個の不飽和を含む化合物が、ヒドロゲノシリル官能基、即ちケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含む化合物と反応する。この反応は、例えばケトン又はアルデヒド化合物が有するもののようなC=Oタイプの不飽和の場合には
【化1】
と記載することができ、アルケンタイプの不飽和の場合には
【化2】
と記載することができ、そしてアルキンタイプの不飽和の場合には
【化3】
と記載することができる。
【0003】
不飽和化合物のヒドロシリル化反応は、有機金属触媒を用いた触媒作用によって遂行される。この反応に適した従来の有機金属触媒は、白金触媒である。工業的な(特にアルケンの)ヒドロシリル化方法の多くは、一般式Pt2(ジビニルテトラメチルジシロキサン)3(Pt2(DVTMS)3と略記される)の白金Karstedt錯体で触媒される。
【化4】
【0004】
2000年代初頭には、一般式:
【化5】
の白金−カルベン錯体の調製がより一層安定な触媒へのアクセスを可能にした(例えば国際公開WO01/42258号を参照されたい)。
【0005】
しかしながら、白金有機金属触媒の使用は依然として問題がある。これは毒性がある上に高価な金属であり、見つけ出すのが難しくなってきており、その価格は大きく変動する。従って、工業的規模で用いるのは難しい。従って、収率や反応速度が低下することなく反応に必要な触媒の量を減少させることが望まれている。さらに、反応が進行する間中安定な触媒を得ることも望まれている。触媒反応の際に白金金属は沈殿してしまって、反応媒体中に不溶性のコロイドの形成をもたらすことがあることがわかっている。その際には触媒は低活性になる。さらに、これらのコロイドは反応媒体中に曇りを形成し、得られる生成物は変色してしまうので審美的に満足できないものとなる。
【0006】
環境問題が日々ますます重要となってきて競争がますます激しくなってきている世界的状況において、より一層環境に優しくて経済性に優れた化合物を触媒とするヒドロシリル化方法を開発することが大いに望まれている。金属フリーの有機触媒反応は、これらのグリーンケミストリーの構想を実現するための有望なアプローチと考えられる。
【0007】
しかしながら、有機触媒は空気中で不安定であり、分解が早いので、使用するのが特に難しい。例えばゲルマニウムヒドリド有機化合物は、空気中ですぐに分解してしまうことが知られている(Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 2602-2605)。
【0008】
さらに、これらの有機触媒の反応性は、有機金属誘導体の反応性より劣ることがしばしばある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開WO01/42258号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 2602-2605
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
かくして、本発明の1つの目的は、空気中及び反応媒体中で安定であり且つ良好な反応性を有する新しいタイプの有機化合物を触媒とするヒドロシリル化方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、3配位有機ゲルマニウム化合物を触媒とするヒドロシリル化方法を開発した。全く驚いたことに、本発明者らは、ゲルマニウム原子に結合したアルコキシ基とホスフィン基とを有するこれらの化合物の特定の環状構造が空気中及び反応媒体中で安定であり且つヒドロシリル化反応に関して良好な反応性を有していて、結果としてこのヒドロシリル化反応を触媒することができる3配位有機ゲルマニウム化合物を得ることを最初に可能にするということを示した。
【0013】
3配位ゲルマニウムヒドリド(DipNacNac)GeHの反応性は、密度汎関数理論(DFT計算)によるTakagi氏らの理論プロジェクション(J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 8955-8965)の主題を形成した。その計算は、3配位ゲルマニウムヒドリドがケトンヒドロシリル化反応についての触媒であり得ることを理論上示しているように思われる。しかしながら、Hadlington氏らによって実施されたその後の実験(J. Am. Chem. Soc., 2014, 136,3028-3031)により、3配位ゲルマニウムヒドリド(DipNacNac)GeHは活性化されたケトンと反応するだけであり、その活性は2配位ゲルマニウムヒドリドタイプの化合物の活性より低いことが明らかにされた。Hadlington氏らは、2配位化合物は3配位化合物より安定性が低いのでより一層反応性が高いと説明している。従って、Hadlington氏らは、ゲルマニウムヒドリドの安定性が高くなれば反応性の低下がもたらされてしまうと示唆していることになる。
【0014】
しかしながら、本発明者らは、特定の式のある種の3配位有機ゲルマニウム化合物が構造的に安定化されていてしかもヒドロシリル化方法を効率よく触媒することができることを示した。
【0015】
本発明の1つの主題は、ケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含む不飽和化合物(A)を、ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)によってヒドロシリル化するための方法であって、式1で表される有機化合物(C)で触媒されることを特徴とする、前記方法にある。
【化6】
ここで、
Lは1〜18個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、
Yは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基であり、
基R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基を表し、また、R1とR2とが一緒になって5〜8個の原子を有する飽和又は不飽和の置換された環を形成することもでき、そして
ホスフィン基
【化7】
において、基R3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはハロアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、4〜40個の炭素原子を有するシクロアルキル−アルキル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基又は6〜38個の炭素原子を有するアリール−アルキル基を表し;R3及びR4はまた、それらが結合している原子と一緒になって3〜20個の原子から成る単環式又は多環式環を形成することもできる。
【0016】
最後に、本発明の主題はまた、式1で表される有機化合物(C)にもある。
【化8】
ここで、
Lは1〜18個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、
Yは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基であり、
基R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基を表し、また、R1とR2とが一緒になって5〜8個の原子を有する飽和又は不飽和の置換された環を形成することもでき、そして
ホスフィン基
【化9】
において、基R3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはハロアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、4〜40個の炭素原子を有するシクロアルキル−アルキル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基又は6〜38個の炭素原子を有するアリール−アルキル基を表し;R3及びR4はまた、それらが結合している原子と一緒になって3〜20個の原子から成る単環式又は多環式環を形成することもできる。
【0017】
これらの有機化合物は、ヒドロシリル化触媒として用いるのに特に好適であり、これもまた本発明の主題を構成する。
【0018】
最後に、本発明の主題は、
・ケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含む少なくとも1種の不飽和化合物(A)、
・ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む少なくとも1種の化合物(B)、並びに
・上で定義したような式1の有機化合物(C)から選択される触媒
を含む組成物にある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
方法
【0020】
第1の局面に従えば、本発明は、不飽和化合物(A)、即ち二重結合又は三重結合タイプの少なくとも1個の不飽和(ケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基が持つ不飽和、好ましくは少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基が持つ不飽和)を含む化合物と、ヒドロゲノシリル官能基(≡Si−H)を少なくとも1個含む化合物(B)とのヒドロシリル化方法であって、式1で表される有機化合物(C)で触媒されることを特徴とする、前記方法に関する。
【化10】
ここで、
Lは1〜18個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、
Yは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基であり、
基R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基を表し、また、R1とR2とが一緒になって5〜8個の原子を有する飽和又は不飽和の置換された環を形成することもでき、そして
ホスフィン基
【化11】
中、基R3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはハロアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、4〜40個の炭素原子を有するシクロアルキル−アルキル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基又は6〜38個の炭素原子を有するアリール−アルキル基を表し;R3及びR4はまた、それらが結合している原子と一緒になって3〜20個の原子から成る単環式又は多環式環を形成することもできる。
【0021】
有機化合物(C)は、3配位ゲルマニウム原子の周りの環状構造、ゲルマニウム原子に結合したアルコキシ基、及びゲルマニウム原子に電子対を付与するホスフィン基を含むことを特徴とする。
【0022】
本出願人は、この特定の環状構造によって、有機化合物(C)をその反応性が損なわれることなく安定化させることが可能となることを示した。
【0023】
本発明に従えば、用語「3配位ゲルマニウム」とは、ゲルマニウム原子が少なくとも2個の置換基に共有結合し且つ第3の置換基に供与結合によって結合していることを意味する。有機化合物(C)の場合、ゲルマニウム原子は共有結合によって窒素原子及びリガンドLに結合し且つリン原子によって生じる供与結合によってホスフィン基に結合する。
【0024】
本発明に従えば、用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状飽和炭化水素鎖を意味する。アルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチル、イソブチル、n−ブチル、n−ペンチル、イソアミル及び1,1−ジメチルプロピル基等から選択することができる。
【0025】
本発明に従えば、用語「アルコキシ」は、上で定義したアルキル基が酸素原子に結合したものであって、好ましくは1〜18個の炭素原子、より一層好ましくは1〜6個の炭素原子を有するものを意味する。アルコキシ基はメトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシ基等から選択することができる。
【0026】
本発明に従えば、用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より成る群から選択される原子を意味する。
【0027】
本発明に従えば、用語「アルケニル」は、2〜12個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状不飽和炭化水素鎖を意味する。
【0028】
本発明に従えば、用語「ハロアルキル」は、上で定義した通りのアルキル基が上で定義した通りのハロゲン原子で置換されたものを意味する。
【0029】
本発明に従えば、用語「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子を有する飽和単環式又は多環式、好ましくは単環式又は二環式の炭化水素基を意味する。シクロアルキル基が多環式である場合、多環核は、共有結合及び/又はスピラン原子によって互いに結合することもでき、且つ/或は、互いに融合することもできる。シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンタン及びノルボルナン基等から選択することができる。
【0030】
本発明に従えば、用語「シクロアルキル−アルキル」は、上で定義した通りのシクロアルキル基が上で定義した通りのアルキル基で置換されたものを意味する。
【0031】
本発明に従えば、用語「アリール」は、6〜18個の炭素原子を有する単環式又は多環式芳香族炭化水素基を意味する。アリール基は、フェニル、ナフチル、アントラセニル及びフェナントリル基等から選択することができる。
【0032】
本発明に従えば、用語「アリール−アルキル」は、上で定義した通りのアリール基が上で定義した通りのアルキル基で置換されたものを意味する。
【0033】
用語「アシル」は、上で定義した通りのアルキル、シクロアルキル又はアリール基にC=O基が結合したものを意味する。
【0034】
本発明に従えば、用語「アミン」は、第1アミン基、又は置換基が上で定義した通りのアルキル基から選択される第2、第3若しくは第4級アミン基を意味する。
【0035】
本発明の特に好ましい実施形態に従えば、有機化合物(C)のリガンドLは、エトキシ基である。
【0036】
有利なことに、リガンドLは、有機化合物(C)が本発明に従う方法を触媒する時にその反応性を損なうことなくこの有機化合物(C)を安定化させることを可能にする。
【0037】
本発明の1つの実施形態に従えば、ホスフィン基が持つ基R3及びR4は、3〜20個の原子から成り且つ随意に1個以上の不飽和を含み且つ随意にO、N、Si及びPから選択される1個以上のヘテロ原子を含む環を形成することができる。前記単環式又は多環式環は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、アリール−アルキル基、アシル基、アミン基、ヒドロキシル基又はアルコキシ基で1回以上随意に置換されていてもよい。
【0038】
好ましい実施形態に従えば、R3及びR4は、それらが結合している原子と一緒になって、3〜10個の原子、好ましくは3〜6個の原子から成る単環を形成する。好ましくは、前記単環は飽和であり、N、Si及びPから、好ましくはN及びSiから選択される1個以上のヘテロ原子を随意に含んでいてもよい。前記単環はまた、アルキル基及び/又はアリール−アルキル基で、さらにより一層好ましくはアルキル基で、1回以上置換されていてもよい。
【0039】
特に好ましい実施形態に従えば、有機化合物(C)が持つホスフィン基は、次式で表される。
【化12】
(ここで、tBuはt−ブチル基である。)
【0040】
何らかの理論に縛られることは望まないが、ホスフィン基は有機化合物(C)中のゲルマニウム原子の分子内錯化を可能にして、空気中及び反応媒体中におけるその安定性を改善するように思われる。
【0041】
有機化合物(C)において、基Yは1〜20個の炭素原子を有するアルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基である。好ましくは、基Yは、アルキル及び/又はアリール−アルキル基で1回以上置換されたC6〜C10アリール基である。より一層好ましくは、基Yは、アルキル基で、特にメチル及び/又はイソプロピルで置換されたフェニル基である。
【0042】
本発明の特に好ましい実施形態に従えば、基Yは、2,6−iPr2−C63及び2,4,6−トリメチル−C62から選択される。
【0043】
有利なことに、基Yは、前記化合物が本発明に従う方法を触媒する時にその反応性を損なうことなくこの化合物を安定化させることを可能にする。
【0044】
式(I)で表される有機化合物(C)において、基R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基を表し、また、R1とR2とが一緒になって5〜8個の原子を有する飽和又は不飽和の置換された環を形成することもできる。
【0045】
好ましくは、R1とR2とが一緒になって6個の原子を有する置換された環であってこの環上で2個の置換基が1原子のブリッジを形成するものを形成することができる。
【0046】
本発明の好ましい実施形態に従えば、有機化合物(C)は、次の構造を有する。
【化13】
ここで、
Yは2,6−iPr2−C63又は2,4,6−トリメチル−C62であり、
ホスフィン基は次式:
【化14】
(ここで、tBuはt−ブチル基である)
で表される。
【0047】
本発明の別のより一層好ましい実施形態に従えば、有機化合物(C)は、次の構造を有する。
【化15】
ここで、
Yは2,4,6−トリメチル−C62であり、
ホスフィン基は次式:
【化16】
(ここで、tBuはt−ブチル基である)
で表される。
【0048】
本発明に従うヒドロシリル化方法において用いられる不飽和化合物(A)は、芳香環を形成しない少なくとも1個の不飽和を含む化合物である。この不飽和化合物(A)は、ケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含む。ヒドロシリル化反応の邪魔をしたり阻止すらするかも知れない反応性化学官能基を含有しないものである限り、ケトン、アルデヒド、アルケン及び/又はアルコキシ官能基を少なくとも1個含む任意の化合物を、本発明に従う方法において用いることができる。
【0049】
1つの実施形態に従えば、不飽和化合物(A)は、ケトン官能基を1個以上含み、且つ2〜40個の炭素原子を有する。その場合、不飽和化合物(A)は好ましくはトリフルオロアセトフェノン、ジエチルケトン及びアセトフェノンから選択することができる。
【0050】
別の実施形態に従えば、不飽和化合物(A)は、アルデヒド官能基を1個以上含み、且つ2〜40個の炭素原子を有する。その場合、不飽和化合物(A)は好ましくはヘキサナール、4−フルオロベンズアルデヒド及びベンズアルデヒドから選択することができる。
【0051】
特に好ましい実施形態に従えば、本発明に従うヒドロシリル化方法において用いられる不飽和化合物(A)は、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含む。
【0052】
別の好ましい実施形態に従えば、不飽和化合物(A)は、アルケン官能基を1個以上含み、且つ2〜40個の炭素原子を有する。別の好ましい実施形態に従えば、不飽和化合物(A)は、アルキン官能基を1個以上含み、且つ2〜40個の炭素原子を有する。
【0053】
不飽和化合物(A)は好ましくは、アセチレン、C1〜C4アルキルアクリレート及びメタクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸、アルケン類、好ましくはオクテン、より一層好ましくは1−オクテン、アリルアルコール、アリルアミン、アリルグリシジルエーテル、アリルピペリジルエーテル、好ましくは立体障害アリルピペリジルエーテル、スチレン類、好ましくはα−メチルスチレン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、塩化アリル、クロロアルケン類、好ましくは塩化アリル及びフルオロアルケン類、好ましくは4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1−ヘプテンより成る群から選択することができる。
【0054】
不飽和化合物(A)は、複数個のアルケン官能基、好ましくは2個又は3個のアルケン官能基を含む化合物から選択することができ、特に好ましくは以下の化合物(A)から選択される。
【化17】
【0055】
不飽和化合物(A)はまた、式(I)の単位を含み且つ随意に式(II)の別の単位を含むオルガノポリシロキサン化合物(通称POS)から選択することもできる。
ghSiO(4-(g+h))/2 (I)
(ここで、
基Aは同一であっても異なっていてもよく、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルケニル又はアルキニル基を表し、
基Uは同一であっても異なっていてもよく、水素原子以外の一価の基を表し、
g及びhは整数を表し、gは1又は2であり、hは0、1又は2であり、(g+h)は1、2又は3である。)
iSiO(4-i)/2 (II)
(ここで、Uは上記と同じ意味を持ち、
iは0〜3の整数を表す。)
【0056】
式(I)及び式(II)において、Uは1〜8個の炭素原子を有し且つ随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、及びアリール基より成る群から選択される一価の基を表すことができる。Uは有利にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリル及びフェニルより成る群から選択される一価の基を表すことができる。
【0057】
本発明に従う不飽和化合物(A)であることができるオルガノポリシロキサンの例には、次のものがある:
・ジメチルビニルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン);
・ジメチルビニルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルフェニルシロキサン);
・ジメチルビニルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルビニルシロキサン);及び
・トリメチルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルビニルシロキサン;及び
・環状ポリ(メチルビニルシロキサン)。
【0058】
本発明に従うヒドロシリル化方法においてはまた、ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)も用いられる。1つの実施形態に従えば、ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)は、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むシラン又はポリシラン化合物である。
【0059】
本発明において、用語「シラン」化合物とは、4つの水素原子又は有機置換基に結合したケイ素原子を含む化合物を意味する。本発明において、用語「ポリシラン」化合物とは、≡Si−Si≡単位を少なくとも1個有する化合物を意味する。
【0060】
特に好ましい実施形態に従えば、化合物(B)はフェニルシランである。
【0061】
化合物(B)はまた、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むオルガノポリシロキサン化合物であることもできる。本発明において、用語「オルガノポリシロキサン」化合物とは、≡Si−O−Si≡単位を少なくとも1個有する化合物を意味する。このオルガノポリシロキサン化合物は、少なくとも2個のケイ素原子、好ましくは少なくとも3個又はそれ以上のケイ素原子を含む。該オルガノポリシロキサン化合物は、有利には、式(III)の単位を少なくとも1個含み且つ随意に式(IV)の別の単位を含むオルガノポリシロキサン(通称POS)であることができる。
deSiO(4-(d+e))/2 (III)
(ここで、
基Uは同一であっても異なっていてもよく、水素原子以外の一価の基を表し、
d及びeは整数を表し、dは1又は2であり、eは0、1又は2であり、(d+e)は1、2又は3である。)
fSiO(4-f)/2 (IV)
(ここで、Uは上記と同じ意味を持ち、
fは0〜3の整数を表す。)
【0062】
上記の式(III)及び式(IV)中に複数個の基Uが存在する場合には、それらは互いに同一であっても異なっていてもよいものとする。
【0063】
式(III)において、記号dは有利には1であることができる。
【0064】
さらに、式(III)及び式(IV)において、Uは、1〜8個の炭素原子を有し且つ随意に1個以上のハロゲン原子で置換されていてよいアルキル基及びアリール基より成る群から選択される一価の基を表すことができる。Uは有利にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリル及びフェニルより成る群から選択される一価の基を表すことができる。式(III)の単位の例には、次のものがある:H(CH3)2SiO1/2、HCH3SiO2/2及びH(C65)SiO2/2
【0065】
前記オルガノポリシロキサンは、線状、分岐鎖状、環状又は網状構造を有することができる。ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも1個含むオルガノポリシロキサン化合物であることができるオルガノポリシロキサンの例には、次のものがある:
・ヒドロゲノジメチルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン);
・トリメチルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルヒドロゲノシロキサン);
・ヒドロゲノジメチルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルヒドロゲノシロキサン);
・トリメチルシリル末端基を有するポリ(メチルヒドロゲノシロキサン);及び
・環状ポリ(メチルヒドロゲノシロキサン)。
【0066】
好ましくは、化合物(B)は、ヒドロゲノシリル官能基(Si−H)を1分子当たり少なくとも2個含むオルガノポリシロキサン化合物である。
【0067】
最後に、化合物(B)は、末端位置にヒドロゲノシリル官能基を含む有機ポリマーであることもできる。この有機ポリマーは、例えばポリオキシアルキレン、飽和炭化水素系ポリマー又はポリ(メタ)アクリレートであることができる。末端位置に反応性官能基を含む有機ポリマーは、特に米国特許出願公開第2009/0182099号及び同第2009/0182091号明細書に記載されている。
【0068】
本発明の特別な実施形態に従えば、不飽和化合物(A)とヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)とが同じ化合物であること、即ち、一方でケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含み、他方で少なくとも1個のケイ素原子とこのケイ素原子に結合した少なくとも1個の水素原子とを含む化合物であることが可能である。この化合物はこの場合「二官能性」と称することができ、ヒドロシリル化反応によってそれ自体と反応することができる。かくして、本発明は、一方でケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含み(好ましくは少なくとも1個のアルケン官能基及び/又は少なくとも1個のアルキン官能基を含み)、他方で少なくとも1個のケイ素原子とこのケイ素原子に結合した少なくとも1個の水素原子とを含む二官能性化合物とそれ自体とのヒドロシリル化のための方法であって、上記の有機化合物(C)で触媒されることを特徴とする、前記方法に関するものであることもできる。
【0069】
二官能性化合物であることができるオルガノポリシロキサンの例には、次のものがある:
・ジメチルビニルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−ヒドロゲノメチルシロキサン−コ−ビニルメチルシロキサン):
・ジメチルヒドロゲノシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−ヒドロゲノメチルシロキサン−コ−ビニルメチルシロキサン);及び
・トリメチルシリル末端基を有するポリ(ジメチルシロキサン−コ−ヒドロゲノメチルシロキサン−コ−プロピルグリシジルエーテル−メチルシロキサン)。
【0070】
不飽和化合物(A)及びヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)の使用に関する事項は、二官能性化合物の使用に関するものでもあるということを、当業者であれば理解する。
【0071】
ヒドロシリル化反応は、溶媒中で実施することもでき、溶媒の不在下で実施することもできる。また、試薬の内の1つ、例えば不飽和化合物(A)が溶媒としての働きをすることもできる。好適な溶媒は、化合物(B)と混和性の溶媒である。
【0072】
ヒドロシリル化反応は、15℃〜300℃の範囲の温度で実施することができ、好ましくは20℃〜240℃の範囲、より一層好ましくは70℃〜200℃の範囲、より一層好ましくは50℃〜140℃の範囲、さらにより一層好ましくは50℃〜100℃の範囲の温度において実施することができる。
【0073】
有機化合物(C)
【0074】
本発明の主題はまた、前記の式1で表される有機化合物(C)(前記の有機化合物のすべての実施形態を含む)にもある。
【0075】
使用
【0076】
本発明の主題はまた、前記の有機化合物(C)をヒドロシリル化触媒として使用することにもある。
【0077】
組成物
【0078】
本発明の主題はまた、以下のものを含む組成物にもある:
・ケトン官能基、アルデヒド官能基、アルケン官能基及び/又はアルキン官能基を少なくとも1個含む少なくとも1種の不飽和化合物(A)、
・ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む少なくとも1種の化合物(B)、並びに
・式1で表される有機化合物(C)から選択される触媒。
【0079】
この組成物は、本発明に従うヒドロシリル化反応を行うことができる反応媒体を形成する。その場合、この組成物は前記のように加熱することができる。
【0080】
化合物(A)及び化合物(B)の相対量を調節することによって、不飽和とヒドロゲノシリル官能基との反応の速度を保証することができる。化合物(B)のSi−H官能基対化合物(B)のアルケン及びアルキン官能基のモル比は、1:100〜100:1の範囲であることができ、好ましくは1:10〜10:1の範囲、より一層好ましくは1:5〜5:1の範囲である。1つの実施形態に従えば、化合物(B)のSi−H官能基対化合物(A)のアルケン及びアルキン官能基のモル比は、厳密に1未満とする。Si−H官能基はここでは不飽和官能基に対して不足状態にある。別の実施形態に従えば、化合物(B)のSi−H官能基対化合物(A)のアルケン及びアルキン官能基のモル比は、厳密に1超とする。この場合、Si−H官能基は不飽和官能基に対して過剰状態にある。
【0081】
本発明に従えば、組成物中の触媒のモル濃度は、不飽和化合物(A)のモル数に対して0.5%〜10%、好ましくは1%〜7.5%、より一層好ましくは1.5%〜5.5%とする。
【0082】
特定的には、ヒドロシリル化反応の間、通常は不飽和化合物(A)が不足状態にあり、触媒のモル濃度は不足状態にある化合物(A)のモル数に対して表される。ヒドロシリル化反応の間ヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)が不足状態にあるという仮定では、組成物中の触媒のモル濃度は、不足状態にある化合物(B)のモル数に対して0.5%〜10%、好ましくは1%〜7.5%、より一層好ましくは1.5%〜5.5%となるだろう。不飽和化合物(A)及びヒドロゲノシリル官能基を少なくとも1個含む化合物(B)に加えて、本発明の組成物は、随意に添加剤を含んでいてもよい。
【0083】
本発明の1つの実施形態に従えば、添加剤は、ヒドロシリル化反応用の抑制剤又は遅延剤であることができる。これらの化合物は当業者に周知であり、商品として入手可能である。例えば、次の化合物を挙げることができる:少なくとも1個のアルケニルで置換されたオルガノポリシロキサン(随意に環状形態にあってもよいが、テトラメチルビニルテトラシロキサンが特に好ましい);ピリジン;有機ホスフィン及びホスファイト;不飽和アミド;マレイン酸アルキル;並びにアセチレン系アルコール。
【0084】
好ましいヒドロシリル化反応熱遮断剤の中で、アセチレン系アルコール(例えば仏国特許第1528464号及び同第2372874号に記載)は、次式を有する。
(R’)(R”)C(OH)−C≡CH
この式中、R’は直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又はフェニル基であり;R”は水素原子又は直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又はフェニル基であり;基R’及びR”と三重結合に対してα位にある炭素原子とが随意に環を形成することもでき;R’及びR”中に含有される炭素原子の総数は少なくとも5、好ましくは9〜20の範囲である。
【0085】
前記アセチレン系アルコールの例としては、以下のものを挙げることができる。
・1−エチニル−1−シクロヘキサノール;
・3−メチル−1−ドデシン−3−オール;
・3,7,11−トリメチル−1−ドデシン−3−オール;
・1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール;
・3−エチル−6−エチル−1−ノニン−3−オール;
・2−メチル−3−ブチン−2−オール;
・3−メチル−1−ペンタデシン−3−オール;及び
・マレイン酸ジアリル又はマレイン酸ジアリル誘導体。
【0086】
本発明の組成物はまた、通常の機能性添加剤を含むこともできる。通常の機能性添加剤の類としては、以下のものを挙げることができる。
・フィラー;
・粘着促進剤;
・粘着改変剤;
・耐熱添加剤;
・粘稠性強化剤;
・顔料;及び
・耐熱性、耐油性又は耐火性添加剤、例えば金属酸化物。
【0087】
随意に思い描かれるフィラーは、好ましくは無機物である。それらは特にケイ質のものであることができる。それらがケイ質材料である場合、それらは補強用又は半補強用フィラーとして働くことができる。補強用ケイ質フィラーは、コロイドシリカ、粉体状のヒュームドシリカ及び沈降シリカ、又はそれらの混合物から選択される。これらの粉体は、一般的に0.1μm(マイクロメートル)未満の平均粒子寸法及び30m2/g超、好ましくは30〜350m2/gの範囲のBET比表面積を有する。また、ケイ藻土や石英粉末のような半補強用ケイ質フィラーを用いることもできる。非ケイ質無機材料に関しては、これらは半補強用又は増量用無機フィラーとしての働きをすることができる。これらの非ケイ質フィラーとして単独で又は混合物として用いることができるものの例には、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アルミニウム、水和アルミナ、膨張バーミキュライト、非膨張バーミキュライト、炭酸カルシウム(随意に脂肪酸で表面処理されたもの)、酸化亜鉛、マイカ、タルク、酸化鉄、硫酸バリウム及び消石灰がある。これらのフィラーは、一般的に0.001〜300μm(マイクロメートル)の範囲の粒子寸法及び100m2/g未満のBET比表面積を有する。実用上、用いられるフィラーは石英とシリカとの混合物であることができるが、これに限定されるわけではない。フィラーは、任意の好適な物質で処理されていてもよい。重量に関しては、組成物のすべての成分に対して1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%の範囲のフィラーの量を採用するのが好ましい。
【0088】
より一般的には、量的関係において、本発明に従う組成物は、意図した用途もまた考慮に入れなければならないが、懸案下の技術分野において標準的な割合を有することができる。
【0089】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の実施例から明らかになるであろう。これらの実施例は、純粋に非限定的な例示として与えたものである。
【実施例】
【0090】
すべての実施例は、Ge−Cl4やn−BuLi、トリクロロホスフィン等の空気に対して敏感な試薬を用いる場合にはアルゴン雰囲気下で、グローブボックス及びシュレンク管中で標準的な技術を用いて、実施した。酸素フリーの乾燥溶媒を用いた。1H、13C、29Si及び31P−NMRスペクトルをBruker Avance 300 MHz分光光度計について記録した。1H、13C及び29Si−NMRスペクトルの化学シフトは、内部標準として用いた(CH3)4Siに対してppmで示される。31P−NMRスペクトルの化学減衰は、85%H3PO4に対してppmで表される。119Sn−NMRスペクトルの化学シフト及び1H−BMRスペクトルの相関比は、標準的な手順を用いて得た。
【0091】
例1:式1の化合物C1の合成
【0092】
次式を有する化合物C1を合成した。
【化18】
ここで、
Yは2,6−iPr2−C63であり、
ホスフィン基は次式:
【化19】
(ここで、tBuはt−ブチル基である)
で表される。
次の化合物から出発する:
【0093】
二塩化ゲルマニウム−ジオキサン錯体(Ge−Cl2−ジオキサン)の合成
【化20】
【0094】
冷却管を備えた二口シュレンク管中にテトラクロロゲルマン(11.4mL、98ミリモル)、ジエチルエーテル(50mL)及びテトラメチルジシロキサン(18.7mL、106ミリモル)を入れた。この溶液を、透明になり次いで突然相分離するまで、穏やかに加熱還流した。この反応をさらに2時間続けて、すべての生成物を沈殿させた。無色の上相を注意深く三角フラスコに移し、エタノールを滴下することによって失活させた。残った黄色い相に、1,4−ジオキサン(13.7mL、160ミリモル)を滴下した。白色固体が沈殿し、この固体をアルゴン雰囲気下での濾過によって採集し、ペンタンですすいだ。Ge−Cl2−ジオキサに相当する白色固体を次いで乾燥させ、グローブボックス中に貯蔵した(16.8g、74%)。
【0095】
化合物2の合成
【化21】
【0096】
冷却管及びディーンスターク装置を備えた500ミリリットルの二口丸底フラスコ中に、ノルカンファー1(30g、0.3モル)、ジイソプロピルアニリン(57ml、0.3モル)、触媒量のp−トルエンスルホン酸(0.58g、3ミリモル)及びトルエン(150ml)を入れた。この混合物を135℃(油浴温度)において3日間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、オイル状物をペンタン中に取り出し、少量の沈殿を除去するために濾過した。溶液を室温において結晶化のために放置してゆっくり蒸発させた。2日後に化合物2に相当する無色の結晶が採集された(60g、74%)。
【0097】
化合物2のNMR分析
【0098】
1H NMR (300 MHz, C6D6, ppm) δ = 1.09 (d, JHH = 6.8 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.10 (d, JHH = 6.7 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.12 (d, JHH = 6.3 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.13 (d, JHH = 6.9 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.21-1.89 (m, 8H, CH2), 2,44 (m, 1H, CHtdp), 2.75 (sept, JHH = 6.8 Hz, 1H, CHi-Pr), 2.82 (sept, JHH = 6.8 Hz, 1H, CHi-Pr), 2.98 (m, 1H, CHtdp), 7.03 (m, 3H, CHar) ;
【0099】
13C{1H} (75 MHz, C6D6, ppm) δ = 22.7 (s, CH3i-Pr), 22.9 (s, CH3i-Pr), 23.4 (s, CH3i-Pr), 23.6 (s, CH3i-Pr), 26.5 (s, CH2), 27.6 (s, CH2), 27.7 (s, CHi-Pr), 28.0 (s, CHi-Pr), 35.9 (s, CHtdp), 38.2 (s, CH2), 38.8 (s, CH2), 47.0 (s, CHtdp), 123.0 (s, CHar), 123.1 (s, CHar), 123.4 (s, CHar), 135.8 (s, Car), 136.2 (s, Car), 147.0 (s, Car), 179.9 (s, C=N).
【0100】
化合物5の合成
【化22】
【0101】
Me2Si(NHtBu)2(化合物4)(7.38g、36.46ミリモル)を−78℃においてTHF40ml中に含有させて撹拌した溶液に、ヘキサン中のn−BuLiの溶液(1.6M)46.7mL(74.47ミリモル)を加えた。添加後、溶液を50℃に4時間加熱した。PCl3の溶液(3.2mL、36.58ミリモル)を上記の溶液に−100℃において滴下し、温度を−100℃以下に2時間保った。次いでこの溶液を一晩かけてゆっくり室温まで温めた。真空下で溶媒を蒸発させ、残渣をペンタン40mL中に取り出した。この混合物を濾過し、残留物をペンタン20mLで2回抽出した。ペンタンを真空下で蒸発させ、残渣を真空蒸留によって精製して、化合物5を無色のオイル状物の形で得た(7.0g、72%)。
【0102】
化合物5のNMR分析
【0103】
1H NMR (300 MHz, CDCl3, ppm) δ = 0.45 (s, 6H, SiCH3), 1.23 (d, JPH = 1.3 Hz, 18H, CH3t-Bu);
【0104】
13C NMR{1H} (75 MHz, CDCl3, ppm) δ = 5.2 (d, JPC = 3.6 Hz, SiCH3), 31.9 (d, JPC = 7.8 Hz, CH3t-Bu), 52.0 (d, JPC = 7.8 Hz, Ct-Bu);
【0105】
31P NMR { 1H} (121 MHz, CDCl3, ppm) δ = 212.3;
【0106】
29Si NMR { 1H} (59 MHz, CDCl3, ppm) δ = 27.2.
【0107】
化合物8の合成
【化23】
【0108】
前もって調製した化合物2(10.0g、37.1ミリモル)を−78℃においてTHF80ml中に含有させて撹拌した溶液に、nBuLi(1.6M、24.3mL、39ミリモル)を加え、この混合物を次いで撹拌しながら放置して1時間かけて室温まで温めた。この溶液を再び−78℃に冷却し、前もって調製した化合物5(9.9g、37.1ミリモル)を加えた。この混合物を放置して室温まで温め、溶媒を真空下で蒸発させた。固体をアセトニトリルで洗浄し(3回、80ml)、乾燥させ、ペンタンで溶解させ、次いで濾過した。揮発性物質を取り除いて、化合物8を白色固体の形で得た(17.4g、94%)。
【0109】
化合物8のNMR分析
【0110】
1H NMR (300 MHz, C6D6, ppm) δ = 0.34 (s, 3H, SiCH3), 0.42 (s, 3H, SiCH3), 1.05 (m, 1H, CH2), 1.20 (m, 1H, CH2), 1,22 (s, 9H, CH3t-Bu), 1,27 (d, JHH = 6.8 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1,32 (d, JHH = 6.8 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.38 (m, 2H, CH2), 1,41 (s, 9H, CH3t-Bu), 1.61 (m, 1H, CH2), 1.75 (m, 1H, CH2), 2.56 (d, JHH = 3,6 Hz,1H, CHbridgehead), 2.62 (d, JHH = 3,6 Hz,1H, CHbridgehead), 3.06 (m, 1H, CH), 3.09 (m, 1H, CHiPr), 3.45 (sept., JHH= 6.8Hz, 1H, CHiPr), 7.11-7.24 (m, 3H, CHAr);
【0111】
13C{1H} (75 MHz, C6D6, ppm) δ = 7,2 (s,SiCH3), 7,5 (d, JPC = 1.7 Hz,SiCH3), 22,3 (s, CH3i-Pr), 23.1 (s, CH3i-Pr), 24.5 (s, CHi-Pr), 24.9 (s, CH3i-Pr), 25.1 (s, CH2), 27,9 (d, JPC = 3.6 CHi-Pr), 28,5 (s, CH3i-Pr), 30.5 (s, CH2), 32,3 (d, JPC = 5.9 Hz, CH3t-Bu) 32.4 (d, JPC = 7,4 Hz, CH3t-Bu), 37.3(s, CH2), 40.2 (s, CHbridgehead), 42,1 (s, CHbridgehead), 51,0 (d, JPC = 15,7 Hz, Ct-Bu), 51,6 (d, JPC = 8.0 Hz, Ct-Bu), 66,4 (d, JPC = 59.8 Hz, PCH), 122,7 (s, CHar), 123,2 (s, CHar), 123,4 (s, CHar), 136,7 (d, JPC = 1.3 Hz, Car), 136,8 (d, JPC = 0.9 Hz, Car), 148.0 (s, Car), 180.6 (d, JPC = 10.3 Hz, C=N);
【0112】
31PNMR { 1H} (121 MHz, C6D6, ppm) δ = 147.3;
【0113】
29Si NMR { 1H} δ = (59 MHz, C6D6, ppm) 19,1 (d, JPsi = 3,7 Hz).
【0114】
化合物11の合成
【化24】
【0115】
前もって調製した化合物8(5.0g、10ミリモル)を−78℃に冷却したTHF40ml中に含有させて撹拌した溶液に、nBuLi(1.6M、6.9mL、11ミリモル)を加え、この混合物を次いで撹拌しながら放置して1時間かけて室温まで温めた。この溶液を再び−78℃に冷却し、前もって調製した二塩化ゲルマニウム−ジオキサン錯体(2.32g、10ミリモル)のTHF(10mL)中の溶液を加えた。この混合物を放置して2時間かけて室温まで温め、溶媒を真空下で蒸発させた。固体をトルエン40mL中に取り出し、濾過した。濾液を濃縮乾固させ、得られた固体をペンタンで2回洗浄した(2×20mL)。揮発性物質を取り除いて、化合物11を白色固体の形で得た(5.7g、94%)。
【0116】
化合物11のNMR分析
【0117】
化合物11の主要異性体(64%)
【0118】
1H-NMR ( 300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.22 (s, 3H, SiCH3), 0.27 (s, 3H, SiCH3), 1.17 (s, 9H, CH3tBu), 1.19 (d, JHH = 9.1 Hz, 1H, CH2), 1.24 (d, JHH = 6.7 Hz, 3H, CH3iPr), 1.29 (d, JHH = 6.7 Hz, 3H, CH3iPr), 1.29 (d, JHH = 7.1 Hz, 1H, CH2), 1.33 (d, JHH = 7.1 Hz, 1H, CH2), 1.38 (d, JHH = 6.7 Hz, 3H, CH3iPr), 1.39 (s, 9H, CH3tBu), 1.60 (d, JHH = 6.0 Hz, 3H, CH3iPr), 1.64 (m, 2H, CH2), 1.67 (d, JHH = 9.1 Hz, 1H, CH2), 2.58 (b, 1H, CHbridgehead), 3.05 (b, 1H, CHbridgehead), 3.47 (sept., JHH = 6.9 Hz, 1H, CHiPr), 3.68 (sept., JHH = 6.9 Hz, 1H, CHiPr), 7.13-7.23 (m, 3H, CHAr);
【0119】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 3.6 (d, JPC = 1.3 Hz, SiCH3), 5.5 (d, JPC = 5.0 Hz, SiCH3), 24.3 (s, CH3iPr), 24.6 (s, CH3iPr), 25.2 (d, JPC = 1.3 Hz, CH2), 25.5 (s, CH3iPr), 26.1 (d, JPC = 2.1 Hz, CH3iPr), 27.7 (s, CHiPr), 28.4 (s, CHiPr), 29.0 (d, JPC = 1.5 Hz, CH2), 32.7 (d, JPC= 3.0 Hz, CH3tBu), 32.8 (d, JPC = 4.2 Hz, CH3tBu), 40.6 (d, JPC = 7.0 Hz, CHbridgehead), 43.8 (d, JPC = 14 Hz, CHbridgehead), 46.5 (d, JPC = 5.2 Hz, CH2), 51.0 (d, JPC = 2.9 Hz, CtBu), 51.5 (d, JPC = 3.0 Hz, CtBu), 98.9 (d, JPC = 21 Hz, PC), 123.7 (s, CHAr), 124.2 (s, CHAr), 126.7 (s, CHAr), 139.1 (d, JPC = 3.9 Hz, CAr), 145.5 (s, CAr), 147.5 (s, CAr), 184.6 (d, JPC = 42 Hz, NC);
【0120】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 83.6 (s);
【0121】
29Si{1H}-NMR (59 MHz, C6D6, 25℃) δ = 11.1 (d, JPSi = 4.1 Hz).
【0122】
化合物11の少量異性体(36%)
【0123】
1H-NMR ( 300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.23 (s, 3H, SiCH3), 0.27 (s, 3H, SiCH3), 1.20 (s, 9H, CH3tBu), 1.22 (d, JHH = 9.0 Hz, 1H, CH2), 1.24 (d, JHH = 6.6 Hz, 3H, CH3iPr), 1.30 (d, JHH = 6.9 Hz, 3H, CH3iPr), 1.34 (d, JHH = 6.9 Hz, 1H, CH2), 1.35 (d, JHH = 7.0 Hz, 1H, CH2), 1.39 (d, JHH = 6.9 Hz, 3H, CH3iPr), 1.41 (s, 9H, CH3tBu), 1.61 (d, JHH = 6.3 Hz, 3H,CH3iPr), 1.58-1.71 (m, 3H, CH2), 2.40 (b, 1H, CHbridgehead), 3.05 (b, 1H, CHbridgehead), 3.22 (sept., JHH = 6.9 Hz, 1H, CHiPr), 4.00 (sept., JHH = 6.9 Hz, 1H, CHiPr), 7.13-7.27 (m, 3H, CHAr);
【0124】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 3.9 (d, JPC = 1.3 Hz, SiCH3), 5.5 (d, JPC = 5.0 Hz, SiCH3), 23.9 (s, CH3iPr), 25.2 (s, CH3iPr), 25.4 (s, CH3iPr), 25.6 (d, JPC = 1.3 Hz, CH2), 26.1 (d, JPC = 2.1 Hz, CH3iPr), 27.6 (s, CHiPr), 28.4 (s, CHiPr), 28.6 (d, JPC = 1.5 Hz, CH2), 32.4 (d, JPC = 4.0 Hz, CH3tBu), 32.9 (d, JPC = 2.9 Hz, CH3tBu), 40.6 (d, JPC = 7.0 Hz, CHbridgehead), 43.3 (d, JPC = 14 Hz, CHbridgehead), 48.7 (d, JPC = 6.0 Hz, CH2), 51.5 (d, JPC = 3.9 Hz, 2C, CtBu), 98.9 (d, JPC = 21 Hz, PC), 123.7 (s, CHAr), 124.4 (s, CHAr), 126.8 (s, CHAr), 139.5 (s, CAr), 145.9 (s, CAr), 147.8 (s, CAr), 184.5 (d, JPC = 23 Hz, NC);
【0125】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 84.4 (s);
【0126】
29Si{1H}-NMR (59 MHz, C6D6, 25℃) δ = 11.0 (d, JPSi = 4.3 Hz).
【0127】
化合物C1の合成
【化25】
【0128】
THF(5mL)中のLiOC25(106mg、2.0ミリモル)の調製したての溶液を、−60℃の冷浴中で冷却したクロロゲルミレン11(1.125g、1.85ミリモル)とテトラヒドロフラン(THF)(10mL)との撹拌した溶液に滴下した。この反応混合物を−60℃において30分間撹拌した。冷浴を取り除いた後に、この反応混合物を室温においてさらに30分間貯蔵した。揮発性物質を真空下で取り除き、残渣をペンタン(20mL)で抽出した。−30℃の冷凍室中で結晶化を達成するために濾液を約3mLに濃縮した。
【0129】
濾過によって化合物C1が白色固体の形で得られた。収率88%(1.0g)。
【0130】
化合物C1のNMR分析:
【0131】
化合物C1の主要異性体(64%)
【0132】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.29 (s, 3H, Si(CH3)2), 0.31 (s, 3H, Si(CH3)2), 1.11 (t, 3JHH = 6.9 Hz, 3H, CH3), 1.25 (b, 1H, CH2), 1.28 (s, 9H, CH3tBu), 1.30 (m, 3H, CH3iPr), 1.34 (s, 9H, CH3tBu), 1.38 (m, 3H, CH3iPr), 1.43 (m, 3H, CH3iPr), 1.46 (b, 2H, CH2), 1.51 (m, 3H, CH3iPr), 1.68 (b, 1H, CH2), 2.57 (b, 1H, CHbridgehead), 3.10 (b, 1H, CHbridgehead), 3.70 (m, 1H, CHiPr), 3.84 (m, 1H, CHiPr), 3.85 (m, 2H, CH2), 7.08-7.26 (m, 3H, CHAr).
【0133】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 4.05 (d, JPC = 1.4 Hz Si(CH3)2), 5.54 (d, JPC = 5.4 Hz, Si(CH3)2), 20.10 (s, CH3), 24.35 (s, CH3iPr), 24.35 (s, CH3iPr), 24.7 (s, CH3iPr), 25.36 (d, JPC = 3.5 Hz, CH2), 26.13 (d, JPC = 2.8 Hz, CH3iPr), 27.64 (s, CHiPr), 28.24 (s, CHiPr), 29.14 (d, JPC = 1.2 Hz, CH2), 32.66 (d, JPC = 4.6 Hz, CH3tBu), 32.79 (d, JPC = 2.7 Hz, CH3tBu), 40.35 (d, JPC = 7.7 Hz, CHbridgehead), 43.64 (d, JPC = 11.8 Hz, CHbridgehead), 46.09 (d, JPC = 3.7 Hz, CH2), 50.86 (d, JPC = 4.4 Hz, CtBu), 50.98 (d, JPC = 3.6 Hz, CtBu), 60.80 (d, JPC = 4.6 Hz, OCH2), 97.58 (d, JPC = 13.7 Hz, PCCN), 123.43 (s, CHAr), 123.68 (s, CHAr), 126.03 (s, CHAr), 140.32 (d, JPC = 2.9 Hz, CAr), 145.65 (s, CAr), 147.53 (s, CAr), 183.19 (d, JPC = 36.5 Hz, PCCN).
【0134】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 80.18 (s).
【0135】
29Si{1H}-NMR (60 MHz, C6D6, 25℃) δ = 6.74 (d, JPC = 4.2 Hz).
【0136】
化合物C1の少量異性体(64%)
【0137】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.29 (s, 3H, Si(CH3)2), 0.31 (s, 3H, Si(CH3)2), 1.11 (t, 3JHH = 6.9 Hz, 3H, CH3), 1.25 (b, 1H, CH2), 1.28 (s, 9H, CH3tBu), 1.30 (m, 3H, CH3iPr), 1.34 (s, 9H, CH3tBu), 1.38 (m, 3H, CH3iPr), 1.43 (m, 3H, CH3iPr), 1.46 (b, 2H, CH2), 1.51 (m, 3H, CH3iPr), 1.74 (m, 2H, CH2), 2.45 (b, 1H, CHbridgehead), 3.07 (b, 1H, CHbridgehead), 3.38 (sept., JHH = 6.9 Hz, 1H, CHiPr), 3.85 (m, 2H, CH2), 4.03 (sept., JHH = 6.9 Hz, 1H, CHiPr), 7.09-7.26 (m, 3H, CHAr).
【0138】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 4.25 (d, JPC = 1.4 Hz Si(CH3)2), 5.62 (d, JPC = 5.4 Hz, Si(CH3)2), 20.16 (s, CH3), 23.76 (s, CH3iPr), 24.35 (s, CH3iPr), 25.02 (s, CH3iPr), 25.62 (s, CH2), 26.34 (d, JPC = 1.8 Hz, CH3iPr), 27.35 (s, CHiPr), 28.17 (s, CHiPr), 28.90 (d, JPC = 1.3 Hz, CH2), 32.06 (d, JPC = 4.7 Hz, CH3tBu), 32.99 (d, JPC = 2.9 Hz, CH3tBu), 40.53 (d, JPC = 7.6 Hz, CHbridgehead), 43.28 (d, JPC = 13.2 Hz, CHbridgehead), 48.28 (d, JPC = 5.1 Hz, CH2), 50.98 (d, JPC = 3.6 Hz, CtBu), 51.09 (d, JPC = 4.6 Hz, CtBu), 60.80 (d, JPC = 4.6 Hz, OCH2), 99.69 (d, JPC = 13.5 Hz, PCCN), 123.54 (s, CHAr), 123.74 (s, CHAr), 126.17 (s, CHAr), 141.02 (d, JPC = 2.9 Hz, CAr), 146.11 (s, CAr), 147.60 (s, CAr), 183.07 (d, JPC = 38.1 Hz, PCCN).
【0139】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 81.58 (s).
【0140】
29Si{1H}-NMR (60 MHz, C6D6, 25℃) δ = 6.98 (d, JPC = 4.1 Hz).
【0141】
例2:式1の化合物C2の合成
【0142】
次式を有する化合物C2を合成した。
【化26】
(ここで、
Yは2,4,6−トリメチル−C62であり、
ホスフィン基は次式:
【化27】
(ここで、tBuはt−ブチル基である)
で表される。
【0143】
二塩化ゲルマニウム−ジオキサン錯体の合成
【0144】
この化合物は、例1に記載したプロトコルに従って調製される。
【0145】
化合物3の合成
【化28】
【0146】
冷却管及びディーンスターク装置を備えた250ミリリットルの二口丸底フラスコ中に、ノルカンファー1(22.3g、0.2モル)、2,4,6−トリメチルアニリン(28ml、0.2モル)、触媒量のp−トルエンスルホン酸(0.38g)及びトルエン(100ml)を入れた。この混合物を135℃(油浴温度)において4日間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、オイル状物をペンタン中に取り出し、少量の沈殿を除去するために濾過した。溶液を濃縮乾固させて、化合物3を黄色オイル状物の形で得た。
【0147】
化合物3のNMR分析:
【0148】
異性体31
【0149】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 1.32-1.39 (m, 1H, CH2), 1.50-1.56 (m, 2H, CH2), 1.64-1.68 (m, 1H, CH2), 1.72-1.80 (m, 3H, CH2), 1.86-1.92 (m, 1H, CH2), 2.03 (s, 6H, CH3), 2.28 (s, 3H, CH3), 2.51 (m, 1H, CHtdp), 3.05 (m, 1H, CHtdp), 6.85 (br s, 2H, CHAr);
【0150】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 17,4 (s, CH3), 17.5 (s, CH3), 20.6 (s, CH3), 26.6 (s, CH2), 27.5 (s, CH2), 35.6 (s, CHtdp), 38.3 (s, CH2), 39.1 (s, CH2), 46.9 (s, CHtdp), 125.4 (s, CAr), 125.8 (s, CAr), 128.4 (s, CHAr), 128.5 (s, CHAr), 131.6 (s, CAr), 146.1 (s, CAr), 182.2 (s, C=N)
【0151】
異性体32
【0152】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 1.32-1.39 (m, 1H, CH2), 1.42-1.46 (m, 2H, CH2), 1.50-1.56 (m, 1H, CH2), 1.64-1.68 (m, 1H, CH2), 1.76-1.78 (m, 1H, CH2), 2.04 (s, 3H, CH3), 2.10 (s, 3H, CH3), 2.19 (m, 1H, CH2), 2.25 (m, 1H, CH2), 2.30 (s, 3H, CH3), 2.51 (m, 1H, CHtdp), 2.61 (m, 1H, CHtdp), 6.86 (br s, 2H, CHAr);
【0153】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 17.9 (s, CH3), 18.1 (s, CH3), 20.6 (s, CH3), 24.9 (s, CH2), 27.6 (s, CH2), 35.2 (s, CHtdp), 38.2 (s, CH2), 41.5 (s, CH2), 42.0 (s, CHtdp), 125.5 (s, CAr), 126.4 (s, CAr), 128.3 (s, CHAr), 128.3 (s, CHAr), 131.6 (s, CAr), 146.8 (s, CAr), 181.5 (s, C=N).
【0154】
化合物5の合成
【0155】
この化合物は、例1に記載したプロトコルに従って調製される。
【0156】
化合物9の合成
【化29】
【0157】
化合物3(11.7g、51.46ミリモル)を−78℃においてTHF70ml中に含有させて撹拌した溶液に、nBuLi(1.6M、34mL、54ミリモル)を加え、次いでこの混合物を撹拌しながら放置して1時間かけて室温まで温めた。この溶液を−78℃に冷却し、化合物5(12.5g、46.8ミリモル)を加えた。この混合物を放置して室温まで温め、溶媒を真空下で蒸発させた。固体をアセトニトリルで洗浄し(3回、80ml)、乾燥させ、ペンタンで溶解させ、次いで濾過した。揮発性物質を取り除いて、化合物9を白色固体の形で得た(19.7g、92%)。
【0158】
化合物9のNMR分析:
【0159】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.37 (s, 3H, CH3Si), 0.41 (s, 3H, CH3Si), 1.00-1.05 (m, 1H, CH2), 1.21 (s, 9H, CH3t-Bu), 1.28-1.32 (m, 3H, CH2), 1.37 (s, 9H, CH3t-Bu), 1.60 (m, 1H, CH2), 1.72-1.75 (m, 1H, CH2), 2.21 (s, 9H, CH3), 2.47 (m, 1H, PCCHbridgehead), 2.57 (d, JPH = 3.6 Hz, 1H, PCH), 3,04 (m, 1H, NCCHbridgehead), 6,83 (s, 2H, CHAr);
【0160】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 7.0 (s, CH3Si), 7.2 (d, JPC = 2.0 Hz, CH3Si), 20.6 (s, 3C, CH3), 25.6 (s, CH2), 30.3 (s, CH2), 32.2 (d, JPC = 6.2 Hz, 3C, CH3t-Bu), 32.3 (d, JPC = 7.5 Hz, 3C, CH3t-Bu), 37.0 (s, CH2), 39.7 (s, NCCHbridgehead), 42.1 (s, PCCHbridgehead) 50.8 (d, JPC = 15.8 Hz, Ct-Bu), 51.4 (d, JPC = 8.3 Hz, Ct-Bu), 66.5 (d, JPC = 60.1 Hz, PCH), 128.6 (s, 2C, CHAr), 130.9 (s, 2C, CAr), 148.3 (s, CAr), 148.3 (s, CAr), 180.5 (d, JPC = 9.4 Hz, N=C);
【0161】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 146.5;
【0162】
29Si{1H}-NMR (59 MHz, C6D6, 25℃) δ = 18.6 (d, JPSi = 7.2 Hz).
【0163】
化合物12の合成
【化30】
【0164】
前もって調製した化合物9(4.5g、9.83ミリモル)を−78℃に冷却したTHF25ml中に含有させて撹拌した溶液に、nBuLi(1.6M、6.45mL、10.32ミリモル)を加え、この混合物を次いで撹拌しながら放置して1時間かけて室温まで温めた。この溶液を再び−78℃に冷却し、前もって調製した二塩化ゲルマニウム−ジオキサン錯体(2.28g、9.83ミリモル)のTHF(10mL)中の溶液を加えた。この混合物を放置して2時間かけて室温まで温め、溶媒を真空下で蒸発させた。固体をトルエン40mL中に取り出し、濾過した。濾液を濃縮乾固させ、得られた固体をペンタンで2回洗浄した(2×20mL)。揮発性物質を取り除いて、化合物12を黄色固体の形で得た(3.7g、86%)。
【0165】
化合物12のNMR分析:
【0166】
化合物12の主要異性体(78%)
【0167】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.24 (s, 3H, CH3Si), 0.28 (s, 3H, CH3Si), 1.15 (d, JPH = 0.6 Hz, 9H, CH3t-Bu), 1.13-1.2 (m, 2H, CH2), 1.37 (d, JPH = 0.9 Hz, 9H, CH3t-Bu), 1.57-1.71 (m, 3H, CH2), 2.11 (m, 1H, CH2), 2.17 (s, 3H, CH3), 2.42 (s, 3H, CH3), 2.53 (m, 1H, PCCHtdp), 2.56 (s, 3H, CH3), 3.02 (m, 1H, NCCHtdp), 6.78-7.14 (s, 2H, CHAr);
【0168】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 4.02 (d, JPC = 1.5 Hz, CH3Si), 5.94 (d, JPC = 4.8 Hz, CH3Si), 20.09 (s, CH3), 20.47 (d, JPC = 2.5 Hz, CH3), 21.03 (s, CH3), 25.75 (s, CH2), 29.49 (s, CH2), 33.14 (d, JPC = 3.3 Hz, 3C, CH3t-Bu), 33.23 (d, JPC = 4.4 Hz, 3C, CH3t-Bu), 40.96 (d, JPC = 7.2 Hz, CHbridgehead), 44.32 (d, JPC = 14.1 Hz, CHbridgehead), 47.08 (d, JPC = 4.2 Hz, CH2), 51.30 (d, JPC = 3.0 Hz, Ct-Bu), 51.87 (d, JPC = 3.6 Hz, Ct-Bu), 99.25 (d, JPC = 19.2 Hz, PC), 129.57 (s, CHAr), 130.05 (s, CHAr), 134.42 (s, CAr), 134.80 (s, 2C, CAr), 136.62 (s, CAr), 185.17 (d, JPC = 42.0 Hz, NC);
【0169】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 83.02;
【0170】
29Si{1H}-NMR (59 MHz, C6D6, 25℃) δ = 11.44 (d, JPSi = 4.1 Hz).
【0171】
化合物12の少量異性体(22%)
【0172】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.25 (s, 3H, CH3Si), 0.29 (s, 3H, CH3Si), 1.20-1.25 (m, 2H, CH2), 1.21 (d, JPH = 0.3 Hz, 9H, CH3t-Bu), 1.43 (d, JPH = 0.6 Hz, 9H, CH3t-Bu), 1.45-1.60 (m, 3H, CH2), 2.11 (m, 1H, CH2), 2.16 (s, 3H, CH3), 2.29 (s, 3H, CH3), 2.35 (m, 1H, PCCHtdp), 2.65 (s, 3H, CH3), 3.02 (m, 1H, NCCHtdp), 6.78-7.14 (m, 2H, CHAr);
【0173】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 4.32 (d, JPC = 1.7 Hz, CH3Si), 5.86 (d, JPC = 5.3 Hz, CH3Si), 19.80 (d, JPC = 1.0 Hz, CH3), 20.23 (s, CH3), 21.03 (s, CH3), 25.67 (s, CH2), 28.95 (s, CH2), 32.90 (d, JPC = 4.9 Hz, 3C, CH3t-Bu), 33.48 (d, JPC = 3.1 Hz, 3C, CH3t-Bu), 40.96 (d, JPC = 7.2 Hz, CHbridgehead), 43.82 (d, JPC = 14.0 Hz, CHbridgehead), 49.41 (d, JPC = 3.1 Hz, CH2), 51.30 (d, JPC = 3.0 Hz, Ct-Bu), 51.89 (d, JPC = 2.4 Hz, Ct-Bu), 101.25 (d, JPC = 18.8 Hz, PC), 129.17 (s, CHAr), 130.20 (s, CHAr), 135.04 (s, CAr), 135.18 (s, CAr), 136.83 (s, CAr), 140.54 (d, JPC = 3.0 CAr), 184.46 (d, JPC = 38.5 Hz, NC);
【0174】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 84.26;
【0175】
29Si{1H}-NMR (59 MHz, C6D6, 25℃) δ = 11.07 (d, JPSi = 4.1 Hz).
【0176】
化合物C2の合成
【化31】
【0177】
THF(5mL)中のLiOC25(56mg、1.08ミリモル)の調製したての溶液を、−10℃の冷浴中で冷却した化合物12(0.58g、1.02ミリモル)とテトラヒドロフラン(THF)(10mL)との撹拌した溶液に滴下した。この反応混合物を−10℃において30分間撹拌し、次いで冷浴を取り除いた。この反応混合物をさらに30分間放置して室温まで温めた。揮発性物質を真空下で取り除き、残渣をペンタン(20mL)で抽出した。
【0178】
濾液を濃縮乾固させて、化合物C2を充分純粋な非晶質の固体の形で得た(0.55g、94%)。
【0179】
化合物C2のNMR分析:
【0180】
化合物C2の主要異性体(64%)
【0181】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.29 (s, 3H, CH3Si), 0.31 (s, 3H, CH3Si), 1.13 (d, JPH = 6.9 Hz, 3H, CH3), 1.27 (b, 9H, CH3t-Bu), 1.30 (m, 2H, CH2), 1.40 (b, 9H, CH3t-Bu), 1.60-1.78 (m, 3H, CH2), 2.19 (s, 3H, CH3), 2.23 (m, 1H, CH2), 2.51 (s, 3H, CH3), 2.54 (m, 1H, PCCHtdp), 2.57 (s, 3H, CH3), 3.07 (m, 1H, NCCHtdp), 3.76-3.98 (m, 2H, CH2), 6.92 (s, 1H, CHAr), 7.16 (s, 1H, CHAr);
【0182】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 4.31 (d, JPC = 1.7 Hz, CH3Si), 6.04 (d, JPC = 5.0 Hz, CH3Si), 18.84 (s, CH3), 19.83 (s, CH3), 20.43 (s, CH3), 21.09 (s, CH3), 25.91 (s, CH2), 29.38 (s, CH2), 32.95 (d, JPC = 4.6 Hz, 3C, CH3t-Bu), 33.13 (d, JPC = 3.1 Hz, 3C, CH3t-Bu), 40.89 (d, JPC = 7.9 Hz, CHbridgehead), 44.06 (d, JPC = 12.7 Hz, CHbridgehead) 46.89 (d, JPC = 4.3 Hz, CH2), 50.18 (d, JPC = 12.4 Hz, Ct-Bu), 51.18 (d, JPC = 3.6 Hz, Ct-Bu), 61.61 (d, JPC = 14.9 Hz, CH2), 97.10 (d, JPC = 19.3 Hz, PC), 129.29 (s, CHAr), 129.34 (s, CHAr), 134.22 (s, CAr), 134.81 (s, CAr), 135.12 (s, CAr), 136.94 (s, CAr), 184.44 (d, JPC = 51.0 Hz, NC);
【0183】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 77.89;
【0184】
29Si{1H}-NMR (59 MHz, C6D6, 25℃) δ = 6.74 (d, JPSi = 4.1 Hz).
【0185】
化合物C2の少量異性体(36%)
【0186】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.28 (s, 3H, CH3Si), 0.32 (s, 3H, CH3Si), 1.22 (d, JPH = 6.9 Hz, 3H, CH3), 1.26 (b, 9H, CH3t-Bu), 1.32 (m, 2H, CH2), 1.43 (s, 9H, CH3t-Bu), 1.45-1.56 (m, 3H, CH2), 2.16 (m, 1H, CH2), 2.19 (s, 3H, CH3), 2.38 (s, 3H, CH3), 2.44 (b, 1H, PCCHtdp), 2.65 (s, 3H, CH3), 3.44 (m, 1H, NCCHtdp), 3.76-3.98 (m, 2H, CH2), 6.75 (s, 1H, CHAr), 6.84 (s, 1H, CHAr);
【0187】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 4.58 (d, JPC = 1.6 Hz, CH3Si), 7.76 (d, JPC = 5.4 Hz, CH3Si), 19.72 (s, CH3), 20.30 (s, CH3), 20.57 (s, CH3), 21.01 (s, CH3), 26.82 (s, CH2), 29.74 (s, CH2), 32.55 (d, JPC = 5.0 Hz, 3C, CH3t-Bu), 33.49 (d, JPC = 3.1 Hz, 3C, CH3t-Bu), 41.05 (d, JPC = 7.7 Hz, CHbridgehead), 43.74 (d, JPC = 13.1 Hz, CHbridgehead), 48.82 (d, JPC = 5.4 Hz, CH2), 50.58 (d, JPC = 11.2 Hz, Ct-Bu), 51.46 (d, JPC = 4.0 Hz, Ct-Bu), 61.41 (d, JPC = 14.2 Hz, CH2), 99.16 (d, JPC = 13.3 Hz, PC), 129.29 (s, CHAr), 129.43 (s, CHAr), 134.44 (s, CAr), 135.35 (s, CAr), 136.13 (s, CAr), 137.05 (s, CAr), 183.05 (d, JPC = 48.1 Hz, NC);
【0188】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 80.43;
【0189】
29Si{1H}-NMR (59 MHz, C6D6, 25℃) δ = 6.98 (d, JPSi = 4.0 Hz).
【0190】
例3:式1の化合物C3の合成
【0191】
次式を有する化合物C3を合成した。
【化32】
(ここで、
Yは2,6−iPr2−C63であり、
ホスフィン基は次式:
【化33】
で表される。
【0192】
二塩化ゲルマニウム−ジオキサン錯体の合成
【0193】
この化合物は、例1に記載したプロトコルに従って調製される。
【0194】
化合物2の合成
【0195】
この化合物は、例1に記載したプロトコルに従って調製される。
【0196】
化合物7の合成
【化34】
【0197】
0℃に冷却したペンタン60ml中に化合物6(14.4g、0.10モル)及びトリエタノールアミン(70ml、0.50モル)を含有させて撹拌した溶液に、PCl3(8.75mL、0.10モル)を滴下した。この反応混合物を室温において一晩(20時間)撹拌した。この溶液を濾過し、濾過ケークを100mlのペンタンで2回洗浄した。濾液を一緒にして濃縮し、得られた残渣を真空蒸留して、化合物7を無色のオイルの形で得た(12.3g、60%)。
【0198】
化合物7のNMR分析:
【0199】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.90 (d, JHH = 3.4 Hz, 12H, CH3), 2,87 (b, 2H, CH), 2.97 (m, 4H, CH2);
【0200】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 21,4 (s, CH3), 22,0 (s, CH3), 46,7 (d, JPC = 10.4 Hz, CH2), 48.0 (d, JPC = 14.9 Hz, CH);
【0201】
31P{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 160.8.
【0202】
化合物10の合成
【化35】
【0203】
前もって調製した化合物2(16.03g、59.5ミリモル)を−78℃においてTHF70ml中に含有させて撹拌した溶液に、nBuLi(1.6M、39mL、62.5ミリモル)を加え、この混合物を次いで撹拌しながら放置して1時間かけて室温まで温めた。この溶液を再び−78℃に冷却し、前もって調製した化合物7(12.3g、59.5ミリモル)を加えた。この混合物を放置して2時間かけて室温まで温め、溶媒を真空下で蒸発させた。固体をアセトニトリルで洗浄し(3回、80ml)、乾燥させ、ペンタンで溶解させ、次いで濾過した。揮発性物質を取り除いて、化合物10を白色固体の形で得た(20.2g、76%)。
【0204】
化合物10のNMR分析
【0205】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 1.03 (d, JHH = 2.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.06 (b, 9H, CH3i-Pr), 1.11 (b, 9H, CH3i-Pr), 1.15 (d, JHH = 1.8 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.22 (m, 2H, CH2), 1.32 (m, 2H, CH2), 1.68 (m, 2H, CH2), 2.16 (d, JHH = 3.6 Hz, 1H, PCH), 2.46 (d, JHH = 9.6 Hz, 1H, CHbridgehead), 2.56 (m, 1H, CHbridgehead), 2.79 (sept, JHH = 9.6 Hz, 1H, CHi-Pr), 2.91 (m, 1H, CHi-Pr), 3.02 (m, 3H, NCH2, CHi-Pr), 3.20 (m, 2H, NCH2), 3.41 (m, 1H, CHi-Pr), 6.90-7.05 (m, 3H, CHAr);
【0206】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 22.0 (d, JPC = 6.7 Hz, CH3i-Pr), 22.2 (d, JPC = 6.5 Hz, CH3i-Pr), 22.2 (s, CH3i-Pr), 22.4 (d, JPC = 7.3 Hz, CH3i-Pr), 22.8 (d, JPC = 13.8 Hz, CH3i-Pr), 23.0 (s, CH3i-Pr), 24.3 (s, CH3i-Pr), 24.7 (s, CH3i-Pr), 25.2 (d, JPC = 1.5 Hz, CH2), 27.5 (d, JPC = 3.4 Hz, CHi-Pr), 28.3 (s, CHi-Pr), 29.2 (d, JPC = 1.2 Hz, CH2), 35.9 (d, JPC = 4.2 Hz, CH2), 39.4 (d, JPC = 4.7 Hz, CHi-Pr), 42.2 (s, CHi-Pr), 45.6 (d, JPC = 8.8 Hz, CH2), 48.2 (d, JPC = 7.2 Hz, CH2), 49.0 (d, JPC = 20.7 Hz, CHbridgehead), 52.2 (d, JPC = 26.0 Hz, CHbridgehead), 55.6 (d, JPC = 42.1 Hz, PCH), 122.6 (s, CHAr), 123.1 (s, CHAr), 123.2 (s, CHAr),136.2 (d, JPC = 1.7 Hz, CAr), 136.8 (d, JPC = 1.3 Hz, CAr), 147.9 (d, JPC = 1.4 Hz, CAr),180.4 (d, JPC = 8.0 Hz, N=C);
【0207】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 104.7.
【0208】
化合物13の合成
【化36】
【0209】
前もって調製した化合物10(3.0g、6.79ミリモル)を−78℃に冷却したTHF20ml中に含有させて撹拌した溶液に、nBuLi(1.6M、4.4mL、7.1ミリモル)を加え、この混合物を次いで撹拌しながら放置して1時間かけて室温まで温めた。この溶液を再び−78℃に冷却し、前もって調製した二塩化ゲルマニウム−ジオキサン錯体(1.6g、6.8ミリモル)のTHF(10mL)中の溶液を加えた。この混合物を放置して2時間かけて室温まで温め、溶媒を真空下で蒸発させた。固体をトルエン40mL中に取り出し、濾過した。濾液を濃縮乾固させ、得られた固体をペンタンで2回洗浄した(2×20mL)。揮発性物質を取り除いて、化合物13を黄色固体の形で得た(3.7g、86%)。
【0210】
化合物13のNMR分析:
【0211】
化合物13の少量異性体(45%)
【0212】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.91 (d, JHH = 6.8 Hz, 3H, CH3i-Pr), 0.93 (d, JHH = 6.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.01 (d, JHH = 7.0 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.19 (d, JHH = 7.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.20 (m, 1H, CH2), 1.26 (d, JHH = 7.4 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.27 (d, JHH = 7.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.29 (d, JHH = 5.8 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.35 (b, 1H, CH2), 1.50 (b, 2H, CH2), 1.53(d, JHH = 6.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.68 (b, 1H, CH2), 1.73 (b, 1H, CH2), 2.32 (b, 1H, PCCHtdp), 2.42-2.70 (m, 4H, NCH2), 2.73 (b, 1H, NCCHtdp), 3.14 (sept, JHH = 6.9 Hz, 1H, CHi-Pr), 3.24 (m, 1H, CHi-Pr), 3.70 (sept, JHH = 6.8 Hz, 1H, CHi-Pr), 4.05 (m, 1H, CHi-Pr), 7.07-7.22 (m, 3H, CHAr);
【0213】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 20.3 (d, JPC = 2.1 Hz, CH3i-Pr), 20.7 (s, CH3i-Pr), 21.1 (d, JPC = 5.4 Hz, CH3i-Pr), 22.2 (d, JPC = 4.3 Hz, CH3i-Pr), 24.0 (s, CH3i-Pr), 24.6 (s, CH3i-Pr), 25.5 (s, CH2), 25.9 (s, CH3i-Pr), 26.2 (s, CH3i-Pr), 27.8 (s, CHi-Pr), 28.8 (s, CHi-Pr), 29.6 (d, JPC = 0.8 Hz, CH2), 38.7 (s, CH2), 39.3 (d, JPC = 1.9 Hz, CH2), 40.5 (d, JPC = 8.0 Hz, CHtdp), 43.4 (d, JPC = 14.2 Hz, CHtdp), 44.4 (d, JPC = 9.7 Hz, CHi-Pr), 45.0 (d, JPC = 1.75 Hz, CHi-Pr), 48.8 (d, JPC = 3.1 Hz, CH2), 91.8 (d, JPC = 21.6 Hz, PC), 123.8 (s, CHAr), 124.5 (s, CHAr), 126.6 (s, CHAr),140.3 (d, JPC = 5.7 Hz, CAr), 146.3 (s, CAr), 147.6 (s, CAr), 191.1 (d, JPC = 42.4 Hz, NC);
【0214】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 71.3.
【0215】
化合物13の主要異性体(55%)
【0216】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.98 (d, JHH = 6.5 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.00 (d, JHH = 7.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.04 (d, JHH = 7.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.18 (m, 1H, CH2), 1.21 (d, JHH = 6.8 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.24 (d, JHH = 7.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.31 (d, JHH = 6.5 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.34 (d, JHH = 7.1 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.38 (b, 1H, CH2), 1.40 (b, 1H, CH2), 1.50 (d, JHH = 6.7 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.52 (b, 1H, CH2), 1.62 (b, 1H, CH2), 1.68 (b, 1H, CH2), 2.42-2.70 (m, 4H, CH2), 2.60 (b, 1H, PCCHtdp), 2.88 (b, 1H, NCCHtdp), 3.26 (sept, JHH = 6.7 Hz, 1H, CHi-Pr), 3.47 (m, 1H, CHi-Pr), 3.99 (sept, JHH = 6.9 Hz, 1H, CHi-Pr), 4.21 (m, 1H, CHi-Pr), 7.07-7.22 (m, 3H, CHAr);
【0217】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 20.4 (d, JPC = 0.7 Hz, CH3i-Pr), 21.0 (d, JPC = 2.3 Hz, CH3i-Pr), 21.3 (d, JPC = 5.6 Hz, CH3i-Pr), 22.0 (d, JPC = 6.9 Hz, CH3i-Pr), 24.2 (s, CH3i-Pr), 24.4 (s, CH3i-Pr), 25.4 (s, CH3i-Pr),25.5 (s, CH2), 26.1 (d, JPC = 2.0 Hz, CH3i-Pr), 27.9 (s, CHi-Pr), 28.7 (s, CHi-Pr), 29.6 (d, JPC = 1.2 Hz, CH2), 38.7 (s, CH2), 39.4 (d, JPC = 2.8 Hz, CH2), 40.9 (d, JPC = 8.5 Hz, CHtdp), 44.2 (d, JPC = 13.4 Hz, CHtdp), 44.8 (d, JPC = 3.4 Hz, CHi-Pr), 45.2 (d, JPC = 9.0 Hz, CHi-Pr), 46.8 (d, JPC = 4.7 Hz, CH2), 89.7 (d, JPC = 25.2 Hz, PC), 123.3 (s, CHAr), 124.3 (s, CHAr), 126.6 (s, CHAr), 139.5 (d, JPC = 4.1 Hz, CAr), 145.5 (s, CAr), 147.6 (s, CAr), 190.5 (d, JPC = 41.1 Hz, NC);
【0218】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 65.2.
【0219】
化合物C3の合成
【化37】
【0220】
THF(5mL)中のLiOC25(227mg、4.37ミリモル)の調製したての溶液を、前もって調製した化合物13(2.0g、3.64ミリモル)とTHF(10mL)との−10℃の冷浴中で冷却して撹拌した溶液に滴下した。この反応混合物を−10℃において30分間撹拌し、次いで冷浴を取り除いた。この反応混合物をさらに30分間放置して室温まで温めた。揮発性物質を真空下で取り除き、残渣をペンタン(20mL)で抽出した。
【0221】
濾液を濃縮して約5mlにし、結晶化させるために−30℃の冷凍室中に貯蔵した。濾過後、化合物C3(1.3g)が白色結晶の形で得られた(収率64%)。
【0222】
化合物C3のNMR分析:
【0223】
化合物C3の主要異性体(72%)
【0224】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 0.94 (d, JHH = 6.6 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.05-1.13 (m, 9H, CH3i-Pr), 1.19-1.29 (m, 2H, CH2), 1.22-1.31 (m, 9H, CH3i-Pr), 1.34-1.43 (m, 1H, CH2), 1.40-1.48 (m, 9H, CH3, CH3i-Pr), 1.60-1.76 (m, 3H, CH2), 2.56 (b, 1H, CHbridgehead), 2.58-2.76 (m, 4H, NCH2), 2.93 (b, 1H, CHbridgehead), 3.41-4.04 (m, 6H, OCH2, CHi-Pr), 7.11-7.24 (m, 3H, CHAr); 13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 20.45 (s, CH3i-Pr), 21.20 (d, JPC = 3.7 Hz, CH3i-Pr), 21.30 (d, JPC = 5.8 Hz, CH3i-Pr), 21.99 (d, JPC = 5.5 Hz, CH3i-Pr), 24.69 (s, CH3i-Pr), 24.79 (s, CH3i-Pr), 25.06 (s, CH3i-Pr), 25.92 (s, CH2), 26.32 (s, CH3i-Pr), 28.26 (s, 2C, CH3, CHi-Pr), 28.75 (s, CHi-Pr), 30.35 (d, JPC = 1.8 Hz, CH2), 40.50 (d, JPC = 2.1 Hz, CH2), 40.64 (s, CH2), 41.23 (d, JPC = 8.9 Hz, CHbridgehead), 44.18 (d, JPC = 11.2 Hz, CHtdp), 45.18 (d, JPC = 7.3 Hz, CHi-Pr), 45.45 (d, JPC = 10.0 Hz, CHi-Pr), 46.56 (d, JPC = 3.4 Hz, CH2), 62.02 (d, JPC = 13.6 Hz, CH2), 91.18 (d, JPC = 19.1 Hz, PC), 123.89 (s, CHAr), 124.04 (s, CHAr), 126.34 (s, CHAr), 145.98 (s, CAr), 148.13 (s, 2C, CAr), 187.75 (d, JPC = 39.3 Hz, NC);
【0225】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 69.41.
【0226】
化合物C3の少量異性体(28%)
【0227】
1H-NMR (300 MHz, C6D6, 25℃) δ = 1.04 (d, JHH = 6.6 Hz, 3H, CH3i-Pr), 1.03-1.16 (m, 9H, CH3i-Pr), 1.19-1.29 (m, 2H, CH2), 1.19-1.29 (m, 9H, CH3i-Pr), 1.34-1.43 (m, 1H, CH2), 1.34-1.44 (m, 9H, CH3i-Pr), 1.60-1.76 (m, 3H, CH2), 2.41 (b, 1H, CHbridgehead), 2.58-2.76 (m, 4H, CH2), 2.86 (b, 1H, CHbridgehead), 3.30 (sept, JHH = 1.7 Hz, 1H, CHi-Pr), 3.41-4.04 (m, 5H, OCH2, CHi-Pr), 7.11-7.24 (m, 3H, CHAr);
【0228】
13C{1H}-NMR (75 MHz, C6D6, 25℃) δ = 20.65 (s, CH3i-Pr), 21.73 (d, JPC = 3.9 Hz, CH3i-Pr), 21.80 (d, JPC = 1.9 Hz, CH3i-Pr), 22.17 (d, JPC = 4.0 Hz, CH3i-Pr), 24.19 (s, CH3i-Pr), 25.34 (s, CH3i-Pr), 25.43 (s, CH3i-Pr), 26.29 (s, CH3i-Pr), 26.40 (s, CH2), 27.77 (s, 2C, CH3, CHi-Pr), 28.80 (s, CHi-Pr), 30.10 (d, JPC = 1.8 Hz, CH2), 40.24 (d, JPC = 1.7 Hz, CH2), 41.43 (s, CH2), 41.44 (d, JPC = 4.6 Hz, CHbridgehead), 43.84 (d, JPC = 13.2 Hz, CHbridgehead), 45.34 (d, JPC = 6.9 Hz, CHi-Pr), 45.78 (d, JPC = 11.5 Hz, CHi-Pr), 48.72 (d, JPC = 3.4 Hz, CH2), 62.17 (d, JPC = 10.7 Hz, CH2), 92.93 (d, JPC = 16.5 Hz, PC), 123.83 (s, CHAr), 124.27 (s, CHAr), 126.49 (s, CHAr), 140.95 (d, JPC = 2.7 Hz, CAr), 146.90 (s, CAr), 147.75 (s, CAr), 188.86 (d, JPC = 40.6 Hz, NC);
【0229】
31P{1H}-NMR (121 MHz, C6D6, 25℃) δ = 62.51.
【0230】
例4:トリフルオロアセトフェノンとフェニルシランとのヒドロシリル化反応に対する化合物C1、C2及びC3の触媒活性の研究
【0231】
化合物C1(34mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.4mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、次いで20当量のトリフルオロアセトフェノン及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C1のモル濃度はトリフルオロアセトフェノンに対して5%である。次いで管を120℃に加熱し、3時間後に31P及び19F−NMR分析によって、トリフルオロアセトフェノンとフェニルシランとのヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0232】
化合物C2(31.6mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.3mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、次いで40当量のトリフルオロアセトフェノン及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C2のモル濃度はトリフルオロアセトフェノンに対して2.5%である。次いで管を80℃に加熱し、9時間後に31P及び19F−NMR分析によって、トリフルオロアセトフェノンとフェニルシランとのヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0233】
化合物C3(32mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.3mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、40当量のトリフルオロアセトフェノン及びフェニルシランをそれぞれ室温において加えた。この組成物において、化合物C3のモル濃度はトリフルオロアセトフェノンに対して2.5%である。室温において3時間後に31P及び19F−NMR分析によって、トリフルオロアセトフェノンとフェニルシランとのヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0234】
例5:ジエチルケトンとフェニルシランとのヒドロシリル化反応に対する化合物C2及びC3の触媒活性の研究
【0235】
化合物C2(31.6mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.3mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、次いで40当量のジエチルケトン及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C2のモル濃度はジエチルケトンに対して2.5%である。次いで管を80℃に加熱し、3時間後に31P及び19F−NMR分析によって、ヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0236】
化合物C3(32mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.3mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、次いで40当量のジエチルケトン及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C3のモル濃度はジエチルケトンに対して2.5%である。次いで管を120℃に加熱し、2時間後に31P及び19F−NMR分析によって、ヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0237】
例6:4−フルオロベンズアルデヒドとフェニルシランとのヒドロシリル化反応に対する化合物C1及びC3の触媒活性の研究
【0238】
化合物C1(34mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.4mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、20当量の4−フルオロベンズアルデヒド及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C1のモル濃度は4−フルオロベンズアルデヒドに対して5%である。次いで管を120℃に加熱し、6時間後に31P及び19F−NMR分析によって、ヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0239】
化合物C3(32mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.3mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、40当量の4−フルオロベンズアルデヒド及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C3のモル濃度は4−フルオロベンズアルデヒドに対して2.5%である。次いで管を80℃に加熱した。3日後に、反応を停止させ、31P及び19F−NMR分析によって、ヒドロシリル化反応が71%の転化率で行われたことが確認された。
【0240】
例7:ヘキサナールとフェニルシランとのヒドロシリル化反応に対する化合物C1、C2及びC3の触媒活性の研究
【0241】
化合物C1(34mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.4mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、20当量のヘキサナール及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C1のモル濃度はヘキサナールに対して5%である。次いで管を80℃に加熱し、15時間後に31P及び19F−NMR分析によって、ヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0242】
化合物C2(31.6mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.3mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、40当量のヘキサナール及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C2のモル濃度はヘキサナールに対して2.5%である。次いで管を80℃に加熱した。3日後に31P−及び19F−NMR分析によって、ヒドロシリル化反応が100%の転化率で完了したことが確認された。
【0243】
化合物C3(32mg、0.055ミリモル)、重水素化ベンゼン(C66)0.3mL及びフェニルシラン(7.5μL、0.06ミリモル)を混合し、40当量のヘキサナール及びフェニルシランをそれぞれ加えた。この組成物において、化合物C3のモル濃度はヘキサナールに対して2.5%である。次いで管を80℃に加熱した。3日後に、反応を停止させ、31P及び19F−NMR分析によって、ヒドロシリル化反応が95%の転化率で行われたことが確認された。