特許第6469883号(P6469883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6469883移動型ロボット用の現場配備可能ドッキングステーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469883
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】移動型ロボット用の現場配備可能ドッキングステーション
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20190204BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   G05D1/02 Z
   B25J5/00 A
【請求項の数】35
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-547548(P2017-547548)
(86)(22)【出願日】2016年3月2日
(65)【公表番号】特表2018-511126(P2018-511126A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】US2016020336
(87)【国際公開番号】WO2016144627
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】62/130,347
(32)【優先日】2015年3月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599130449
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パブロ・カラスコ・ザニーニ
(72)【発明者】
【氏名】アリ・フセイン・オウタ
(72)【発明者】
【氏名】ファドゥル・アブデルラティフ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・パロット
(72)【発明者】
【氏名】サヘジャド・パテル
(72)【発明者】
【氏名】ハサン・トゥリグイ
(72)【発明者】
【氏名】アイマン・アメル
(72)【発明者】
【氏名】アリ・シェフリ
【審査官】 山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−142936(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2684733(EP,A1)
【文献】 特開2012−043072(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0106969(KR,A)
【文献】 特開2014−112222(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3169558(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0279270(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0324736(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/144627(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合部により少なくとも1つの移動型ロボットに結合された場合に、サポートサービスおよび少なくとも1つの資源を前記少なくとも1つの移動型ロボットに供給するように、前記少なくとも1つの移動型ロボットに結合可能であり、前記少なくとも1つの移動型ロボットは、表面を縦走することが可能なタイプである、配備可能ドッキングステーションであって、
ハウジングと、
前記表面に選択的に係合するように構成された前記ハウジングに連結されたアンカと、
を備え、
前記配備可能ドッキングステーションは、前記少なくとも1つの移動型ロボットおよび前記配備可能ドッキングステーションが前記結合部を通じて係合され且つ前記アンカが前記表面から係合解除された第1の状態であって、前記少なくとも1つの移動型ロボットが前記表面に沿った所望位置まで前記配備可能ドッキングステーションを輸送するように構成された、第1の状態と、前記少なくとも1つの移動型ロボットおよび前記配備可能ドッキングステーションが係合解除され且つ前記アンカが前記表面に係合された第2の状態であって、前記少なくとも1つの移動型ロボットが前記配備可能ドッキングステーションを伴わずに前記表面に沿って移動するように構成され且つ前記配備可能ドッキングステーションが前記表面に沿った前記所望位置にて定置状態に留まっている、第2の状態と、の間において選択的に切り換わるように構成されている、配備可能ドッキングステーション。
【請求項2】
前記配備可能ドッキングステーションは、記憶媒体および前記記憶媒体に動作可能に結合されたプロセッサを備えた制御モジュールをさらに備え、前記プロセッサは、前記記憶媒体に記憶された1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され、前記制御モジュールは前記ハウジングに連結されて、前記少なくとも1つの移動型ロボットとの間でデータを送受信するように構成されている、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記制御モジュールから前記少なくとも1つの移動型ロボットへの信号により、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記配備可能ドッキングステーションを選択的に切り換えるように構成されている、請求項2に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項4】
前記ハウジングに連結された拘束体をさらに備え、前記少なくとも1つの資源は前記拘束体により供給される、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項5】
内蔵型供給源をさらに備え、前記少なくとも1つの資源は前記内蔵型供給源により供給される、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項6】
前記少なくとも1つの資源は消耗性資源である、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項7】
前記消耗性資源は、電力、空気、加圧空気、ガス、油、燃料、塗料、または水の中の少なくとも1つを含んでいる、請求項6に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項8】
前記少なくとも1つの資源は非消耗性資源である、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項9】
前記非消耗性資源は、通信資源または対環境保護特徴部の少なくとも一方を含んでいる、請求項8に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項10】
前記通信資源は、Wi-Fi(登録商標)、RF、Zigbee(登録商標)、Serial UART、SPI、またはi2cの中の少なくとも1つを含む通信プロトコルを介して供給されている、請求項9に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項11】
前記配備可能ドッキングステーションは、Wi-Fi(登録商標)ルータ、信号中継器、またはアクセスポイントの中の少なくとも1つをさらに含んでいる、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項12】
前記アンカと前記表面との間の前記係合は、磁気接着、電磁接着、真空接着、吸引接着、静電接着、ドライ接着、または摩擦力ベース接着の中の少なくとも1つである、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項13】
前記アンカは、1つ以上の永久磁石を備えている、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項14】
調節可能取付け台を前記アンカ上にさらに備え、前記アンカ上の前記1つ以上の永久磁石の位置決めが調節可能である、請求項13に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項15】
前記配備可能ドッキングステーションは、前記ハウジングに連結された電磁石をさらに備え、前記1つ以上の永久磁石の効果に対抗して、前記表面から前記アンカを係合解除する、請求項13に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項16】
前記1つ以上の永久磁石により生成された磁束回路が、前記配備可能ドッキングステーションからの信号により短絡されて、前記表面から前記アンカを係合解除し得る、請求項13に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項17】
前記結合部は受動結合機構である、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項18】
前記結合部は能動結合機構である、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項19】
前記結合部を介した前記配備可能ドッキングステーションと前記少なくとも1つの移動型ロボットとの間の前記係合は、磁気結合、機械結合、電気結合、および電気機械結合の中の少なくとも1つである、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項20】
前記結合部による前記配備可能ドッキングステーションと前記少なくとも1つの移動型ロボットとの間の前記係合は、スパークレスである、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項21】
前記結合部を介した前記配備可能ドッキングステーションと前記少なくとも1つの移動型ロボットとの間の前記係合は、誘導無線結合を介したものである、請求項20に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項22】
前記結合部を介した前記配備可能ドッキングステーションと前記少なくとも1つの移動型ロボットとの間の前記係合は、前記配備可能ドッキングステーションから前記移動型ロボットへの電力伝送を結果としてもたらしている、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項23】
前記配備可能ドッキングステーションは、前記ハウジングに連結された支持部をさらに備え、前記支持部は前記表面に係合することが可能である、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項24】
前記支持部は、前記表面にそれぞれ係合し得る3つの支持部材を備えている、請求項23に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項25】
前記支持部材は、前記表面に係合するホイールをさらに含んでいる、請求項24に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項26】
前記配備可能ドッキングステーションは、充電式バッテリを備えている、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項27】
前記配備可能ドッキングステーションは、前記ハウジングに連結され且つ前記少なくとも1つの移動型ロボットに対して前記ドッキングステーションを垂直方向に変位させるように構成されたアクチュエータをさらに備え、結合の最中に前記配備可能ドッキングステーションと前記少なくとも1つの移動型ロボットとの間の不整列を補正する、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項28】
前記配備可能ドッキングステーションは、前記少なくとも1つの移動型ロボットから独立した移動システムを有する、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項29】
前記配備可能ドッキングステーションは、前記ハウジングに連結された1つ以上の太陽光パネルを含み、前記太陽光パネルは、少なくとも前記配備可能ドッキングステーション用の電力を発生させることが可能である、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項30】
前記配備可能ドッキングステーションは、前記少なくとも1つの移動型ロボットにより受信され得る信号を発するように構成されており、前記配備可能ドッキングステーションの位置特定において前記少なくとも1つの移動型ロボットを支援している、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項31】
前記信号は、可視光源、赤外光源、無線信号、またはGPS信号の中の少なくとも1つである、請求項30に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項32】
前記配備可能ドッキングステーションは、前記ハウジングに連結された検査プローブをさらに備える、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項33】
前記検査プローブは、前記少なくとも1つの移動型ロボットに較正データを供給する、請求項32に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項34】
前記第1の状態から前記第2の状態への切換えは、前記アンカが前記表面に係合されていることの確認信号がない場合には、前記配備可能ドッキングステーションが前記少なくとも1つの移動型ロボットから係合解除されることが不可能となるように制御されている、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【請求項35】
前記第2の状態から前記第1の状態への前記切換えは、前記配備可能ドッキングステーションが前記少なくとも1つの移動型ロボットに係合されていることの確認信号がない場合には、前記アンカが前記表面から係合解除されることが不可能となるように制御されている、請求項1に記載の配備可能ドッキングステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動型ロボットに関し、詳細にはかかるロボットに対してサポートサービス、実用物、および/または消耗性資源を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
移動型ロボットは、コンビナートの検査において不可欠な役割を果たし得る。従来は、コンビナートの多数の高架梁、パイプ、および他の到達困難な表面を検査するためには、足場が組まれなければならなかった。しかし、かかる足場の構築は危険であり、多大な時間を要し、労働集約的であり、且つ高額となる恐れがある。さらに、これらの足場を使用した作業員によるコンビナートの到達困難エリアの検査は、同様に危険で多大な時間を要する恐れがある。そのため、移動型ロボットを使用することにより、コンビナートの特定エリアのより効果的な検査が可能となり得る。
【0003】
現行では、移動型ロボットは、従来の検査プロトコルの安全性および労力面での問題の多くを軽減するが、欠点がないわけではない。例えば、従来の移動型ロボットは、固有電源(例えばバッテリ)を使用するかまたは外部電源(例えば電源コードまたは拘束体を介して外部電源に装着される)を使用するかのいずれかにより作動するように設計される。固有電力で作動する移動型ロボットは、到達困難な場所(例えばパイプ)におけるより高い移動性を有するようになるが、バッテリが消耗するまでの限られた期間だけ動作することが可能となる。対照的に、外部電源に装着された移動型ロボットは、長い動作期間を有するが、電源コードの長さおよび電源コードの交絡し易さなどの物理的制約により移動性がより低くなり得る。
【0004】
移動型ロボットが固有電力で作動する例では、固定型ドッキングステーションが開発されてきており、移動型ロボットが、バッテリの再充電または他のタスクの実施のために固定型ドッキングステーションに戻り得るようにされてきた。しかし、これらのドッキングステーションは、固定位置に留まらなければならないため、固定型ドッキングステーションが永続的に装着され得る特定エリアに制限される。さらに、固定型ドッキングステーションの位置に関する制約により、移動型ロボットは、バッテリ電力が消耗する前にドッキングステーションに戻ることが可能となるようにドッキングステーションの付近の検査エリアに同様に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の移動型ロボットおよび検査プロトコルの効率に関するこれらのおよび他の制限に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、表面を縦走することが可能である少なくとも1つの移動型ロボットにサポートサービスを提供するための配備可能ドッキングステーションが提供される。この配備可能ドッキングステーションは、配備可能ドッキングステーションおよびその構成要素に機械的フレームワークを提供するハウジングを備える。配備可能ドッキングステーションは、消耗性資源、サポートサービス、および/または有用物を含む1つ以上の資源を少なくとも1つの移動型ロボットに供給することが可能である。本発明の一態様によれば、これらの資源は、ハウジングに連結された拘束体を介して供給され得る。さらなる一態様によれば、これらの資源は、内蔵型供給源により供給され得る。
【0007】
配備可能ドッキングステーションは、表面に係合し得る、ハウジングに連結されたアンカをさらに備える。また、配備可能ドッキングステーションは、少なくとも1つの移動型ロボットに対して結合および結合解除するように構成される。また、配備可能ドッキングステーションは、移動型ロボットとの間でデータを送受信するように構成され、第1の状態と第2の状態との間で配備可能ドッキングステーションを選択的に切り換えるように構成され得る。本明細書で説明されるように、状態は、機械的状態として理解され得る。第1の状態では、着脱自在カプラが移動型ロボットに係合され、アンカが表面から係合解除され、移動型ロボットが、表面に沿った所望位置まで配備可能ドッキングステーションを輸送することが可能である。第2の状態では、着脱自在カプラは移動型ロボットから係合解除され、アンカは表面に係合される。さらなる一態様によれば、第1の状態から第2の状態への移行のために、アンカは、着脱自在カプラが移動型ロボットから係合解除される前に、初めに表面に係合されなければならない。別の態様によれば、第2の状態から第1の状態への移行のために、着脱自在カプラは、表面からアンカが係合解除される前に、初めに移動型ロボットに係合されなければならない。より一般的には、結合は、結合状態と結合解除状態との間において、配備可能ドッキングステーションの安全性を確保するために所定のシーケンスに従って移行する。
【0008】
さらなる一態様によれば、配備可能ドッキングステーションは、ハウジングに連結された制御モジュールをさらに備えることが可能であり、制御モジュールは、移動型ロボットとの間でデータを送受信し、第1の状態と第2の状態との間で配備可能ドッキングステーションを選択的に切り換えるように構成される。
【0009】
さらなる一態様によれば、拘束体を介して配備可能ドッキングステーションに供給される消耗性資源は、移動型ロボットがそのバッテリを再充電し得るか、または配備可能ドッキングステーションの着脱自在カプラに係合された場合にロボットのシステムに給電するために直接的に使用し得るような電力である。
【0010】
さらなる一態様によれば、アンカと表面との間の係合は磁気的なものである。さらなるオプションの態様によれば、アンカは1つ以上の永久磁石を備える。
【0011】
さらなる一態様によれば、配備可能ドッキングステーションは、ハウジングに連結された支持部を備えることが可能であり、支持部は、表面上における配備可能ドッキングステーション位置の維持において配備可能ドッキングステーションを支援するために、表面に係合し得る。さらなる一態様によれば、支持部は、表面に接触するようなホイールを備える部材を備えることが可能である。さらなる一態様によれば、これらのホイールは、着脱自在カプラが第1の状態と第2の状態との間で移動せず、したがって移動型ロボットへのより容易な連結を可能にするように位置決めされ得る。
【0012】
さらなる一態様によれば、配備可能ドッキングステーションは、配備可能ドッキングステーションの位置特定において移動型ロボットを支援するために移動型ロボットにより受信され得る信号を発することが可能である。この態様は、配備点から移動型ロボットが動作している最中に、移動型ロボットのための絶対基準点を維持することにおいて有用となり得る。
【0013】
これらのおよび他の態様、特徴、ならびに利点は、本発明の特定の実施形態の添付の説明ならびに添付の図面および特許請求の範囲から理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願の少なくとも一実施形態による第1の状態にある配備可能ドッキングステーションを含む移動型ロボットシステムの側面図である。
図2】本願の少なくとも一実施形態による第2の状態にある配備可能ドッキングステーションを含む移動型ロボットシステムの側面図である。
図3】本願の少なくとも一実施形態による第1の状態にある配備可能ドッキングステーションを含む移動型ロボットシステムの斜視図である。
図4】本願の少なくとも一実施形態による第2の状態にある配備可能ドッキングステーションを含む移動型ロボットシステムの斜視図である。
図5】本願の少なくとも一実施形態による配備可能ドッキングステーションの例示の制御モジュールを示すハイレベル図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1つ以上の実施形態によれば、移動型ロボットをサポートするための配備可能ドッキングステーションが提供される。この配備可能ドッキングステーションは、コンビナートの特定エリアの検査において1つ以上の移動型ロボットを支援するために使用され得る。
【0016】
配備可能ドッキングステーションは、少なくとも1つの移動型ロボットに消耗性資源および/または非消耗性資源を供給し得る。さらに、配備可能ドッキングステーションは、配備可能ドッキングステーションが表面に沿った位置にて配備される場合のその表面に係合し得るアンカを備え得る。また、配備可能ドッキングステーションは、移動型ロボットに結合し得る着脱自在カプラなどの結合機構を備え得る。
【0017】
少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーションは、移動型ロボットが、配備可能ドッキングステーションに結合された場合に表面に沿った1つ以上の所望位置にドッキングステーションを輸送し得るように、検査において移動型ロボットをサポートするように設計される。所望位置において、配備可能ドッキングステーションは、アンカが表面に係合することにより配備可能ドッキングステーションをその位置に固定状態で留め得るように、そのアンカを作動させ得る。この所望位置において、配備可能ドッキングステーションおよび移動型ロボットは、相互から結合解除されることにより、移動型ロボットにドッキングステーションから離れて機能を実施させることができる。その機能の実施後に、移動型ロボットは、再結合と、バッテリの再充電、高速データ伝送、Wi-Fi(登録商標)信号中継、検査センサの較正、位置測定データにおけるドリフト補正、環境条件(例えば雨、風、日光)からの保護、および異なる位置へのドッキングステーションの輸送などの様々なサポート機能とのために、任意選択でドッキングステーションに戻り得る。
【0018】
移動型ロボットおよび配備可能ドッキングステーションシステム100の例示の一実施形態が、図1図4に示される。このシステム100は、少なくとも1つの配備可能ドッキングステーション110および少なくとも1つの移動型ロボット115を備える。配備可能ドッキングステーション110は、配備可能ドッキングステーション110およびそれによりサポートされる構成要素に機械的フレームワークを提供するハウジング120を備える。配備可能ドッキングステーション110の構成要素は、ハウジング120の上もしくは中に取り付けられるか、またはそれらの組合せであることが可能である。1つ以上の実施形態において、ハウジング120は、配備可能ドッキングステーション110の様々な構成要素が取り付けられるシャシフレームであることが可能である。少なくとも一実施形態では、ハウジング120は、オープンフレーム構造であることが可能である。
【0019】
配備可能ドッキングステーション110は、1つ以上の移動型ロボットに1つ以上の資源を供給し得る。これらの資源は、消耗性資源および/または非消耗性資源であることが可能である。少なくとも一実施形態では、これらの資源は、内蔵型供給源を介して配備可能ドッキングステーション110により供給され得る。
【0020】
少なくとも一実施形態では、資源は、図1図4に示すように、ハウジング120に連結された拘束体125を介して配備可能ドッキングステーションにより供給され得る。拘束体125は、遠隔源から配備可能ドッキングステーション110に1つ以上の資源を供給し得る。さらに、少なくとも一変形例では、拘束体125は、移動型ロボット115および/または配備可能ドッキングステーション110により収集されたサンプルが配備可能ドッキングステーション110から遠隔位置(例えば制御センタ)へと拘束体125を介して輸送され得るように、輸送内腔を備える空気圧駆動式コンベヤチューブを備え得る。1つ以上の実施形態では、拘束体125は、遠隔電源(図示略)に装着されることにより配備可能ドッキングステーション110に電力を供給する。少なくとも一変形例では、配備可能ドッキングステーション110は、配備可能ドッキングステーション110による二次電源としての使用のために太陽エネルギーを利用することが可能な、ハウジング120に装着された1つ以上の太陽光パネルを備えることも可能である。特定の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、遠隔電源から独立して配備可能ドッキングステーション110に給電するための充電式バッテリパックを備えることも可能である。この充電式バッテリパックは、ハウジング120内に位置し得るか、またはハウジング120に接続され得る。
【0021】
1つ以上の消耗性資源としては、電力、空気、加圧空気、塗料、ガス、油、燃料、水、および/または他の液体資源が含まれ得るが、それらに限定されない。1つ以上の非消耗性資源としては、高速通信、および環境の危険要素から移動型ロボット115を保護するための遮蔽カバーが含まれ得るが、それらに限定されない。少なくとも一実施形態では、1つ以上の消耗性資源は、移動型ロボット115が配備可能ドッキングステーション110に結合されるときに移動型ロボット115にも供給され得る。
【0022】
また、再び図1図4を参照すると、配備可能ドッキングステーション110は、ステーションを配備させるために表面135(配備可能ドッキングステーション110がその上で輸送される)に係合し得る、ハウジング120に連結されたアンカ130を備える。アンカ130は、磁石、電磁石、負圧空気(例えば真空)、吸引、ドライ接着(例えばナノテクスチャード接着材料)、摩擦力ベース接着、静電接着、またはこれらの任意の組合せを含むがそれらに限定されない多数の技術を利用して表面135に係合することが可能である。
【0023】
少なくとも一実施形態では、アンカ130は、配備可能ドッキングステーション110が予想外の停電時に表面に装着された状態に留まるように、フェールセーフとして機能するように構成され得る。例えば、少なくとも一実施形態では(例えば表面135が磁性/強磁性を有する場合)、アンカ130は、アンカ130内の1つ以上の永久磁石により表面135に係合し、これにより配備可能ドッキングステーション110に対する停電時においても、表面135に対する引力が確保され得る。アンカ130内の永久磁石は、表面135に対するアンカ130の係合または係合解除を行うために、ロボット制御により調節可能であることが可能である。アンカ130内における永久磁石の位置は、調節可能とされ得る。例えば、永久磁石の位置決めが調節可能になるように、アンカ上に調節可能取付け台が存在してもよい。さらに、少なくとも一実装形態では、永久磁石により生成される磁束回路が、配備可能ドッキングステーション110からの信号を介した命令に応じて中断されることにより、アンカ130を表面135から係合解除させることが可能である。より具体的には、炭素鋼などの機械的に係合された強磁性材料片が、磁束に対する代替経路を与えるために永久磁石の特定セクションに組み込まれることにより、表面における磁石の引力を著しく減少させることが可能である(いくつかの場合では、殆どゼロにまで引力を減少させる)。別の実装形態では、配備可能ドッキングステーション110は、電磁石を有することが可能であり、これにより配備可能ドッキングステーション110からの信号を介して永久磁石に対抗し、それによってアンカ130を表面135から係合解除させ得る。例えば、永久磁石は、南北配向で存在し、電磁石は、永久磁石に対抗する磁場を有することが可能である。
【0024】
1つ以上の実施形態では、アンカ130を表面135に係合させる(および係合解除させる)ための機構が、例えば配備可能ドッキングステーション110からの信号を介して作動される。例えば、配備可能ドッキングステーション110からの信号により、アンカ130は、(図1に示すような)表面135上方の位置から(図2に示すような)表面135に装着された位置へと垂直方向に移動し得る。少なくとも一実施形態では、接着力を発生させる手段は受動的であり、例えば永久磁石およびドライ接着などが含まれ得る。
【0025】
1つ以上の変形例では、配備可能ドッキングステーション110は、表面135に対して命令に応じてステーションの位置を固定するための機構を有し得る。例えば、永久磁石が、配備可能ドッキングステーション110のハウジング120に対して1つ以上のばねを介して連結され、初期設定において表面135に装着された状態に留まるように設計され得る(延伸構成にばねを留める)。永久磁石は、配備可能ドッキングステーション110と表面135との間に十分な引力およびしたがって摩擦力を発生させて、配備可能ドッキングステーション110をその位置に固定された状態で留まらせ得るように選択される。少なくとも一実施形態では、この場合に、配備可能ドッキングステーション110に装着された電磁石が、永久磁石に対抗し(配備可能ドッキングステーション110からの信号を介して)、それにより永久磁石を表面135から係合解除させるために使用され得る。
【0026】
配備可能ドッキングステーション110は、少なくとも1つの移動型ロボット115に対して結合および結合解除するように構成され得る。例えば、配備可能ドッキングステーション110は、ハウジング120に連結された着脱自在カプラ140をさらに備えることが可能である。1つ以上の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110および移動型ロボット115は、結合部を介して相互に結合し得る。配備可能ドッキングステーション110と移動型ロボット115との間のこの結合部(例えば移動型ロボット115に結合した着脱自在カプラ140)は、磁気結合、機械結合、電気結合、電気機械結合、またはそれらの任意の組合せを含むが、それらに限定されない様々な方法で実現され得る。1つ以上の実施形態では、着脱自在カプラ140は、配備可能ドッキングステーション110と移動型ロボット115との間で、ガス、油、燃料、塗料、水、および/または他の液体資源、ならびに移動型ロボット115により収集されたサンプルを含むが、それらに限定されない材料を移送することが可能である(例えば輸送内腔を備え得る空気圧駆動式コンベヤチューブを介して)。少なくとも一実施形態では、着脱自在カプラ140は、結合中に配備可能ドッキングステーション110から移動型ロボット115に電力を伝送し得るようにサイズ設定、形状設定、および調整された電気接触子を備え得る。この電力は、移動型ロボット115のバッテリを再充電するために使用され得る。
【0027】
1つ以上の実施形態では、移動型ロボット115との配備可能ドッキングステーション110の(例えば移動型ロボット115との着脱自在カプラ140の)係合部は、可燃性蒸気が存在するエリアにシステム100が位置する状況において結合プロセスが火災を引き起こさないように、スパークレスである。少なくとも一実施形態では、移動型ロボット115との配備可能ドッキングステーション110の(例えば移動型ロボット115との着脱自在カプラ140の)電気接続部は、無線Qi充電(例としてのものであり限定的なものではない)などの誘導無線結合を介したものである。これらの例示の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110が着脱自在カプラ140を備えることが示されるが、他の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、着脱自在カプラが移動型ロボット115上に位置する機構を使用して移動型ロボット115に対して結合および結合解除し得る点を理解されたい。代替的には、移動型ロボット115および配備可能ドッキングステーション110のいずれもが着脱自在カプラを有しない実施形態では、配備可能ドッキングステーション110および移動型ロボット115は、例えば配備可能ドッキングステーション110および/または移動型ロボット115の磁性表面を介して結合することが可能である。
【0028】
以下においてさらに詳細に説明されるように、配備可能ドッキングステーション110および移動型ロボット115の結合(または結合解除)は、移動型ロボット115との間で配備可能ドッキングステーション110を結合させるまたは結合解除させるように、配備可能ドッキングステーション110からの信号を介して実行され得る。少なくとも一変形形態では、配備可能ドッキングステーション110および移動型ロボット115の結合または結合解除を生じさせる信号は、移動型ロボット115から生成され得る。少なくとも一実施形態では、図1図4に示すように、配備可能ドッキングステーション110および移動型ロボット115の結合は、ハウジング120に装着された制御モジュール145により制御されることが可能であり、制御モジュール145は、配備可能ドッキングステーション110から移動型ロボット115を切り離す信号を送信する。特定の実施形態では、制御モジュール145は、ハウジング120内に位置することが可能であり、またはハウジング120の外部に取り付けられ得る。
【0029】
代替的な実施形態では、移動型ロボット115または配備可能ドッキングステーション110は、移動型ロボット115から切り離すためのハウジング120に接続されたデバイスを備えることが可能である。少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110および移動型ロボット115の結合(または結合解除)は、オペレータ制御センタからの信号を介して実行され得る。
【0030】
1つ以上の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110と移動型ロボット115との間の結合における不整列の補正は、配備可能ドッキングステーション110を垂直方向に移動させることにより実現され得る。例えば、配備可能ドッキングステーション110が着脱自在カプラ140を備える実施形態では、配備可能ドッキングステーション110を垂直方向に移動させることにより、着脱自在カプラ140を垂直方向に移動させて、移動型ロボット115との不整列を補正する。代替的には、着脱自在カプラ140は、ステーション110に対して垂直方向に移動させることにより不整列を補正し得る。同様に、少なくとも一実施形態では、結合における不整列の補正は、配備可能ドッキングステーション110ではなく移動型ロボット115および/またはそのカプラを垂直方向に移動させることにより実現され得る。不整列の補正のために配備可能ドッキングステーション110(および/または着脱自在カプラ140)を垂直方向に移動させるために、配備可能ドッキングステーション110は、例えばアクチュエータを有することが可能であり、このアクチュエータが係合されると、配備可能ドッキングステーション110(および/または着脱自在カプラ140)は、移動型ロボット115に対して垂直方向に変位して不整列を補正し得る。少なくとも一実施形態では、移動型ロボット115は、アクチュエータを有することが可能であり、このアクチュエータが係合されると、移動型ロボット115(および/またはそのカプラ)は、配備可能ドッキングステーション110に対して垂直方向に変位して不整列を補正し得る。
【0031】
少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110のハウジング120は、着脱自在カプラ140を収容する頂部部分を備えることが可能であり、この頂部部分は、ハウジング120の中心軸を中心として回転し得る。頂部部分を回転させることにより、配備可能ドッキングステーション110は、移動型ロボット115が配備可能ドッキングステーション110の任意の側から着脱自在カプラ140に結合し得るように、着脱自在カプラ140の位置を回転させることが可能である。
【0032】
少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、ロボットシステム内の複数のロボットと結合することが可能である。より具体的には、配備可能ドッキングステーション110は、ある特定の移動型ロボットと結合することに限定されず、システム100内の任意の適合性のある移動型ロボットと結合し得る。
【0033】
配備可能ドッキングステーション110は、無線通信プロトコル(例えばWi-Fi(登録商標)、RF、Zigbee(登録商標))を介して移動型ロボット115および/またはオペレータ制御センタとデータを送受信するように構成され得る。また、配備可能ドッキングステーション110は、第1の状態と第2の状態との間で選択的に切り換えるようにも構成され得る。この切換えは、移動型ロボット115から着脱自在カプラ140への信号を介して実現され得る。第1の状態では、図1に示すように、着脱自在カプラ140は移動型ロボット115に係合され、アンカは、移動型ロボットが表面135に沿って配備可能ドッキングステーションを輸送し得るように表面135から係合解除される。例えば、移動型ロボット115がコンビナート用の検査ロボットである一実施形態では、移動型ロボット115は、移動型ロボット115が検査後に配備可能ドッキングステーション110へと容易に戻ることが可能となるように、ロボットによる検査が計画された装置またはエリアの付近の位置に配備可能ドッキングステーション110を輸送することが可能である。さらに、少なくとも一実施形態では、移動型ロボット115は、水平パイプの底面に沿って反転状態での移動を可能にし得る磁気ホイールを有する磁気クローラロボットであることが可能であり、配備可能ドッキングステーション110は、水平パイプの底面に沿って反転状態で配備され得るように永久磁石を備えたアンカ130を有することが可能である。
【0034】
ロボット技術の当業者には理解されるように、配備可能ドッキングステーション110は、具体的には1つ以上の移動型ロボット115によるタスクを含む動作タスクの実施を容易にするように設計された機能的ハードウェアコンポーネントを備えることが可能である。また、配備可能ドッキングステーションは、構成設定および1つ以上の制御プログラムなどの配備可能ドッキングステーションの動作に関連する情報を記憶するように構成されたメモリおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体を含む電子回路をハウジング120内に備えることも可能である。
【0035】
より具体的には、配備可能ドッキングステーション110は、ハウジング120に装着され得る制御モジュール145を備えることが可能である。少なくとも一実施形態による例示の制御モジュール145が、図5に示されている。図5に示されたように、制御モジュール145は、プロセッサ210、メモリ220、センサ240、通信インターフェース250、およびコンピュータ可読記憶媒体290を備えるシステムの動作を可能にする役割を果たす様々なハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントと共に構成され得る。プロセッサ210は、メモリ220にロードされ得るソフトウェア命令を実行する役割を果たす。プロセッサ210は、特定の実装形態に応じて複数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、またはいくつかの他のタイプのプロセッサであることが可能である。また、1つ以上の実施形態では、1つ以上の移動型ロボット115が、様々なハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネント(例えばプロセッサ、メモリ、通信インターフェース)を備えることが可能である。
【0036】
好ましくは、メモリ220および/またはストレージ290は、プロセッサ210によるアクセスが可能であり、それによりプロセッサ210は、メモリ220および/またはストレージ290に記憶された命令を受信および実行することが可能となる。メモリ220は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)または任意の他の適切な揮発性もしくは不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体などであることが可能である。さらに、メモリ220は、固定式または取外し可能であることが可能である。ストレージ290は、特定の実装形態に応じて様々な形態をとり得る。例えば、ストレージ290は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書き換え可能光ディスク、書き換え可能磁気テープ、または上記の何らかの組合せなどの、1つ以上の構成要素またはデバイスを含み得る。また、ストレージ290は、固定式、または取外し可能、またはクラウドベースデータストレージシステムなどのリモート式であることが可能である。
【0037】
1つ以上のソフトウェアモジュール230が、ストレージ290および/またはメモリ220内において符号化される。ソフトウェアモジュール230は、プロセッサ210で実行されるコンピュータプログラムコードもしくは命令セットを有する1つ以上のソフトウェアプログラムまたはアプリケーションを備えることが可能である。動作を実行し本明細書において開示されるシステムおよび方法の態様を実装するためのかかるコンピュータプログラムコードまたは命令は、1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書くことができる。プログラムコードは、配備可能ドッキングステーション110上で完全に、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、配備可能ドッキングステーション110上で部分的におよびリモートコンピュータ/デバイスにおいて部分的に、またはかかるリモートコンピュータ/デバイス上で完全に実行することが可能である。後者のシナリオでは、リモートコンピュータシステムは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して配備可能ドッキングステーション110に接続することが可能であり、またはこの接続は、外部コンピュータを介して(例えばインターネットサービスプロバイダを利用したインターネットを介して)行うことが可能である。
【0038】
好ましくは、ソフトウェアモジュール230の中には、データベースモジュール270、構成モジュール272、位置モジュール274、センサモジュール276、および通信モジュール278が含まれ、これらはプロセッサ210により実行される。ソフトウェアモジュール230の実行中に、プロセッサ210は、以下でさらに詳細に説明されるように、配備可能ドッキングステーションの構成に関する様々な動作を実施するように構成される。さらに、例えば配備可能ドッキングステーション110の構成において使用される様々な制御プログラム260などの本システムおよび方法の動作に関する他の情報および/またはデータが、ストレージ290に記憶され得る点に留意されたい。
【0039】
また、データベース280が、ストレージ290上に記憶され得る。データベース280は、配備可能ドッキングステーションシステム100の様々な動作にわたり利用される様々なデータアイテムおよび要素を含みおよび/または維持し得る。好ましくは、データベース280に記憶された情報の一部または全てが、任意の所与のアプリケーションを実装するプログラムによる必要性に応じて配備可能ドッキングステーション110を動作させ得る形態である、またはそのような形態へと変形され得る使用可能データであることが可能である。また、データベースは、プロセッサ210により実行された場合に1つ以上の移動型ロボット115と通信するようにプロセッサを構成するデバイスに特有のアプリケーションを備えることも可能である。同様に、データベースは、配備可能ドッキングステーション110および/または移動型ロボット115に特有の他の動作パラメータを記憶することが可能である。
【0040】
データベース280は、配備可能ドッキングステーション110のストレージにローカル構成されたものとして図示されているが、特定の実装形態では、データベース280および/またはデータベース280に記憶された様々なデータ要素は、(図示していないがリモートサーバ上になどに)リモート配置され、当業者に既知の方法でネットワークを介して配備可能ドッキングステーション110に接続され得る点に留意されたい。
【0041】
また、通信インターフェース250がプロセッサ210に動作可能に接続され、配備可能ドッキングステーション110と移動型ロボット115などの外部デバイス、外部機械、および/または外部要素との間の通信を可能にする任意のインターフェースであることが可能である。好ましくは、通信インターフェース250は、モデム、ネットワークインターフェースカード(NIC)、統合ネットワークインターフェース、無線周波数トランスミッタ/レシーバ、(例えばBluetooth(登録商標)、セルラー、NFC)、衛星通信トランスミッタ/レシーバ、赤外線ポート、USB接続、および/またはプライベートネットワークおよびインターネットなどの他のコンピューティングデバイスおよび/または通信ネットワークに配備可能ドッキングステーション110を接続するための任意の他のかかるインターフェースを含むが、それらに限定されない。かかる接続としては、有線接続または無線接続(例えばIEEE802.11規格を利用した)が含まれ得るが、通信インターフェース250は、配備可能ドッキングステーション110へ/からの通信を可能にする実質的に任意のインターフェースであることが可能である点を理解されたい。
【0042】
制御モジュール145は、無線通信プロトコル(例えばWi-Fi(登録商標)、RF、Zigbee(登録商標))を介して移動型ロボット115および/またはオペレータ制御センタ295(1つ以上のサーバ297を備え得る)との間でデータを送受信するように構成され得る。また、制御モジュール145は、第1の状態と第2の状態との間で配備可能ドッキングステーション110を選択的に切り換えるように構成され得る。1つ以上の実施形態では、この切換えは、制御モジュール145から着脱自在カプラ140および/または移動型ロボット115への信号を介して実現され得る。さらに、第1の状態において、配備可能ドッキングステーション110は、(例えば拘束体125または配備可能ドッキングステーション110内の別個のバッテリを介して供給される電力による)バッテリ再充電、高速データ転送、および材料移送を含むがこれらに限定されない様々なサポートサービスを、着脱自在カプラ140を介して移動型ロボット115に提供することが可能である。1つ以上の実施形態では、2つ以上のサポートサービスが、配備可能ドッキングステーション110により同時に提供され得る。少なくとも一変形形態では、異なるサポートサービスが、配備可能ドッキングステーション110により逐次的に提供される。
【0043】
特定の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、(例えば配備可能ドッキングステーション110が第2の位置にある場合に)移動型ロボット115の支援を伴わずに表面135に沿って移動できるように独立移動システムを有し得る。これにより、配備可能ドッキングステーション110は、再結合およびサポートサービスを迅速処理するために移動型ロボット115に対してより近い位置へと移動することが可能となり得る。独立移動システムは、例えば電動式ホイール、電動式磁気ホイール、ハウジング120上の永久磁石または電磁石と組み合わされた電動式ホイール、および/またはタンクトレッドなどを備え得る。第2の状態では、図2に示すように、着脱自在カプラ140は移動型ロボット115から係合解除され、アンカ130は、配備可能ドッキングステーション110が表面135に沿った現在位置にて固定された(「配備された」)状態に留まるように、表面135に係合される。1つ以上の実施形態では、第1の状態から第2の状態への移行のために、アンカ130は、初めに表面135に係合されなければならず、次いで着脱自在カプラ140は、移動型ロボット115から係合解除されなければならない。着脱自在カプラ140の係合解除前に表面135にアンカ130を係合させることにより、例えば表面135が傾斜している場合になど、ドッキングステーションが表面135から落下し得る状況における配備可能ドッキングステーション110の安全性が強化され得る。同様に、第2の状態から第1の状態への移行において、表面135からのアンカ130の係合解除前に移動型ロボット115に着脱自在カプラ140が係合することにより、ドッキングステーションが表面135から落下し得る状況における配備可能ドッキングステーション110の安全性が強化され得る。
【0044】
特定の実施形態において安全性をさらに強化するために、第1の状態から第2の状態へと移行する最中に、移動型ロボット115から着脱自在カプラ140を係合解除する前に表面135とのアンカ係合を確認することが必要となり得る。これは、配備可能ドッキングステーション110に装着されたセンサを介して実現され得るものであり、このセンサは、表面135上に配備可能ドッキングステーションを維持するのに十分な力でのアンカリングが実現されたか否かを判定することができる。同様に、1つ以上の実施形態では、第2の状態から第1の状態に戻る移行中に、アンカ係合解除前に着脱自在カプラ140と移動型ロボット115との間の結合を確認することが必要となり、これは、やはり配備可能ドッキングステーション110に装着されたセンサを介して実現され得る。
【0045】
第1の状態から第2の状態への移行は、移動型ロボット115(またはいくつかの実施形態では制御モジュール145)から着脱自在カプラ140への信号を介して実現され得る。代替的には、この移行は、配備可能ドッキングステーション110(またはいくつかの実施形態では制御モジュール145)から移動型ロボット115への信号を介して実現され得る。換言すれば、特定の実施形態では、着脱自在カプラ140への信号により、配備可能ドッキングステーション110は移動型ロボット115から結合解除されることが可能となり、他の実施形態では、移動型ロボット115への信号により、ロボット115は配備可能ドッキングステーション110から結合解除され得る。
【0046】
少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110が第2の状態にある場合に、移動型ロボット115は、配備可能ドッキングステーション110から独立して表面135に沿って移動し得る。例えば、移動型ロボット115がコンビナート用の検査ロボットである一実施形態では、移動型ロボット115は、配備可能ドッキングステーション110から独立してコンビナートのパイプおよび他の面を検査し得る。これにより、移動型ロボット115は、配備可能ドッキングステーション110によるアクセスが不可能なエリア(例えば拘束体125が交絡する恐れのあるエリア)を検査することが可能となり得る。より具体的には、配備可能ドッキングステーション110を配備させることにより、移動型ロボット115は、拘束体の交絡を回避し得るようになるので、操縦性が改善され、配備可能ドッキングステーション110の余剰重量を支持する必要性がなくなる。少なくとも一実施形態では、検査は、移動型ロボット115が配備可能ドッキングステーション110に結合されている(すなわち配備可能ドッキングステーション110が第1の状態にある)間に移動型ロボット115により実施され得る。
【0047】
配備可能ドッキングステーション110から独立した検査後に、移動型ロボット115は、移動型ロボット115が配備可能ドッキングステーション110にデータおよび/もしくは材料を転送/移送し得るように、またはその逆を行い得るように、配備可能ドッキングステーション110に後で再結合し得る。さらに、1つ以上の実施形態では、移動型ロボット115は、移動型ロボット115のバッテリが配備可能ドッキングステーション110から移送された電力により再充電され得るように、配備可能ドッキングステーション110に再結合し得る。1つ以上の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、移動型ロボット115により受信され得る信号を(特定の実施形態では制御モジュール145を介して)発することが可能であり、この信号は、移動型ロボット115が再結合のために配備可能ドッキングステーション110を位置特定するのを支援し得る。例えば、位置モジュール274およびセンサ276を含む1つ以上のソフトウェアモジュール230を実行するプロセッサ210は、ロボットが再結合のために配備可能ドッキングステーション110を位置特定するのを支援するために、移動型ロボット115に信号を送信するように制御モジュール145を設定する。少なくとも一実施形態では、この信号は、配備可能ドッキングステーション110が第2の状態にある場合に送信され得る。この信号は、以下のもの、すなわち可視光源、赤外光源、無線信号、またはGPS信号の中の1つ以上であることが可能であるが、それらに限定されない。この態様は、配備点からの動作中に移動型ロボットのための絶対基準点を維持することにおいて有用となり得る。
【0048】
さらに、1つ以上の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、システム100内の付近の移動型ロボットのための位置測定基準点として機能し得ることにより、移動型ロボット115は、その位置測定データ(例えばレーザ光線リファレンシング)のドリフトエラーを定期的に補正することが可能となり得る。例えば、配備可能ドッキングステーション110は、パイプ上に配備され、移動型ロボット115がパイプ上で検査を実施する時にパイプの長さ部分に沿って低出力レーザ光線を発するように構成され得る。さらに、移動型ロボット115は、検査中にロボット115がレーザ光線経路を横断するたびに通知を受け、それにより位置推定のための追加の基準点を生成し得るように、パイプの検査中に螺旋状経路を辿ることが可能である。これにより、検査中および検査後における移動型ロボット115の位置推定の精度をさらに高めることが可能となる。
【0049】
配備可能ドッキングステーション110および移動型ロボット115は、配備可能ドッキングステーション110が第1の状態および第2の状態にある場合に相互に通信し得る。配備可能ドッキングステーション110は、Wi-Fi(登録商標)、RF、Zigbee(登録商標)、Serial UART、SPI、またはi2cを含むがそれらに限定されない、当技術分野において知られている任意の適切な規格通信プロトコルを介して移動型ロボット115と通信し得る。少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110の規格通信プロトコルは、制御モジュール145により制御され得る。少なくとも一実施形態では、高速通信プロトコル(例えばギガビットイーサネット)が、移動型ロボット115との通信のためにおよび移動型ロボット115からオペレータ制御センタへのメッセージ中継のために、配備可能ドッキングステーション110により使用され得る。1つ以上の実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、Wi-Fi(登録商標)ルータ、無線信号中継器、および/またはアクセスポイントを含むことにより、オペレータ制御センタなどの他のシステムとの通信のための移動型ロボット115用の信号対応範囲を改善し得る。
【0050】
少なくとも一実施形態では、制御モジュール145は、配備可能ドッキングステーション110から遠隔に位置するオペレータ制御センタ295と通信状態にある信号モジュールを備え得る。1つ以上の実施形態では、制御モジュール145は、制御モジュール145と通信状態にある複数のモジュールを備えることが可能であり、これらは、配備可能ドッキングステーション110から遠隔に位置するオペレータ制御センタ295と通信状態にあることが可能である。
【0051】
少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、ハウジングに連結され表面135に係合し得る支持部150を備えることが可能である。特定の実施形態では、制御モジュール145は、配備可能ドッキングステーション110が第2の状態にある場合に、支持部150が表面135に係合し所望位置にて表面135上で配備可能ドッキングステーション110を安定化させるように支持部150を作動させるために使用され得る。支持部150は、第2の状態で配備された場合に配備可能ドッキングステーション110の移動を防止するために、アンカ130に加えて使用され得る。支持部150は、例えば1つ以上の半球状低摩擦部材、1つ以上のポスト、あるいは1つ以上の脚部(図1図4に示すように)などを備えることが可能である。
【0052】
また、支持部150による配備可能ドッキングステーション110の安定化により、配備可能ドッキングステーション110が実質的に定置状態にある場合には配備可能ドッキングステーション110(および特定の実施形態では着脱自在カプラ140)が移動型ロボット115とより容易に整列され得るので、移動型ロボット115とのより容易な再結合が可能となり得る。好ましい一実施形態では、支持部150は、表面135との接点をそれぞれ形成する少なくとも3つの支持部材を備える。
【0053】
少なくとも一実施形態では、支持部150は、各脚部がその遠位端部にホイールを備える1つ以上の脚部を備えることが可能であり、このホイールは、表面135に係合することが可能である。さらなる一態様では、ホイールは、着脱自在カプラ140が第1の状態と第2の状態との間で移動せず、したがって移動型ロボット115へのより容易な連結を可能にするように位置決めされ得る。1つ以上の実施形態では、制御モジュール145は、支持部150のホイールが、表面135に係合し、移動型ロボット115による配備可能ドッキングステーション110の回転または牽引を可能にするように、第1の状態で支持部150を作動させるために使用され得る。この実施形態では、移動型ロボット115は、配備可能ドッキングステーション110を輸送する場合にそのステーション110の全重量を支持する必要はない。1つ以上の実施形態では、これらのホイールは球状ローラもしくはボールキャニスタと、または1つ以上の半球状低摩擦部材と、置き換えることが可能である。
【0054】
また、少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、配備可能ドッキングステーション110が付近の移動型ロボットに較正データを提供し得るように、ハウジング120に連結された検査プローブを備えることが可能である。少なくとも一実装形態では、検査プローブは超音波検査プローブである。
【0055】
少なくとも一実施形態では、配備可能ドッキングステーション110は、結合の最中に環境条件(例えば雨、風、日光)から移動型ロボット115を保護するように構成され得る。例えば、配備可能ドッキングステーション110は、結合中に移動型ロボット115を部分的にまたは完全に覆うハウジング120に連結された遮蔽カバーを備えることが可能である。
【0056】
従来の検査ロボットシステムでは、移動型ロボットは、固有のバッテリ電力で作動し得る一方で、バッテリ電力がほぼ消耗した時にステーションに戻り得るように直近の固定ドッキングステーションの近傍に留まらなければならないので範囲が限定される。対照的に、上述の配備可能ドッキングステーションは、移動型ロボットに対するより高いアクセス性が得られる位置へと配備可能ドッキングステーションを輸送し得るので、移動型ロボットによる範囲および検査時間量の拡大を可能にする。さらに、移動型ロボットが拘束体を伴わずに動作することにより、配備可能ドッキングステーションの使用によってロボットの操縦性または多用性を損なうことなくロボットの検査時間を増加させ得る。さらに、検査時間がロボットのバッテリ寿命よりも長い状況では、特定の実施形態では、ドッキングステーションは、ロボットがバッテリを充電するためにドッキングステーションに戻り、バッテリが充電されると検査へと迅速に復帰し得るように、ロボットにより近い位置へと独立的に移動することが可能である。
【0057】
一使用例では、配備可能ドッキングステーション110は、磁気クローラロボット(磁気ホイールを備えるロボット)との組合せにおいて提供される。初期構成において、ステーションおよびロボットは、ロボットがコンビナートの強磁性パイプに沿ってステーションを運ぶように結合される(すなわち第1の状態にある)。この例では、磁気クローラは、水平方向に、垂直方向に、または強磁性パイプに沿って反転状態で移動し得る。クローラロボットが、配備可能ドッキングステーションと共にパイプに沿って移動するにつれて、信号が、第1の状態から第2の状態に切り換えるためにおよび次いでパイプライン上の特定位置を検査するためにロボットに送信される。信号を受信すると、永久磁石を備えるドッキングステーションのアンカは、初めに強磁性パイプの表面に係合する。アンカが、パイプの表面に係合されると、次いでクローラロボットは、ドッキングステーションから結合解除される。アンカは、結合解除前に表面に係合することにより、配備可能ドッキングステーションが移動しないこと、または結合解除時にパイプから落下しないことを確実にする。この特徴は、クローラロボットおよびドッキングステーションが反転状態でパイプを縦走する場合には特に重要となる。
【0058】
クローラロボットがドッキングステーションから結合解除されると、クローラロボットは、パイプラインの特定位置の検査を開始する。第2の状態において、クローラロボットは、ドッキングステーションの重量を最早支持していないので第1の状態にある場合よりも高い操縦性を有し、ドッキングステーションが拘束体を備える場合には、クローラロボットは、拘束体がよじれるまたは交絡する懸念を伴わずに自由に移動できる。クローラロボットが、その検査タスクを完了している、バッテリもしくは供給の低い状態で作動している、または基地局との通信を必要とする場合には、クローラロボットは、ステーションとの再結合のために配備可能ドッキングステーションに戻ることが可能である。
【0059】
再結合を支援するために、クローラロボットによる検査の最中に、配備可能ドッキングステーションは、移動型ロボット115がパイプ上で検査を実施する際に、パイプの長さに沿って低出力レーザを放出することが可能である。この例では、クローラロボットは、パイプの検査中に螺旋状経路を辿り、その検査中にクローラロボットがレーザ光線を横断するたびに通知を受け、それにより位置推定のための追加の基準点を生成し得る。これにより、移動型ロボットの位置推定の精度をさらに高めることが可能となり、それにより移動型ロボットは、配備可能ドッキングステーションへとより容易に戻ることが可能となる。
【0060】
再結合のために、配備可能ドッキングステーションの着脱自在カプラは、初めにクローラロボットと結合され、次いでアンカはパイプの表面から係合解除される。ここで、着脱自在カプラおよびクローラロボットは、表面からアンカを係合解除する前に結合して、配備可能ドッキングステーションが再結合前にパイプから移動しないことまたは落下しないことを確実にする。
【0061】
クローラロボットおよびステーションが再結合し、アンカが表面から係合解除されると、クローラロボットは、新たな検査のためにパイプラインに沿って第2の位置へとドッキングステーションと共に移動し、結合解除および検査プロセスを繰り返すことが可能となる。代替的には、第1の位置における再結合の最中に、クローラロボットは、そのバッテリを再充電し、結合解除し、次いで第1の位置の検査を継続することが可能である。さらに、第1の位置における再結合の最中に、クローラロボットは、検査中に収集されたサンプルをドッキングステーションに預け、次いで第1の位置の検査を継続するために結合解除し得る。
【0062】
最終的に、クローラロボットは、検査の全てを完了すると、配備可能ドッキングステーションに再結合し、パイプラインから基地局へとドッキングステーションを輸送し得る。
【0063】
当業者により本発明の様々な組合せ、代替、および変更が考案され得る点を理解されたい。本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのかかる代替、変更、および変形を包含するように意図される。
【0064】
本発明をその好ましい一実施形態を参照して詳細に示し説明したが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく形態および細部における様々な変更をなし得る点が当業者には理解されよう。
【符号の説明】
【0065】
100 移動型ロボットおよび配備可能ドッキングステーションシステム
110 配備可能ドッキングステーション
115 移動型ロボット
120 ハウジング
125 拘束体
130 アンカ
135 表面
140 着脱自在カプラ
145 制御モジュール
150 支持部
210 プロセッサ
220 メモリ
230 ソフトウェアモジュール
240 センサ
250 通信インターフェース
260 制御プログラム
270 データベースモジュール
272 構成モジュール
274 位置モジュール
276 センサモジュール
278 通信モジュール
280 データベース
290 ストレージ
290 ストレージ
295 制御センタ
297 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5