特許第6469891号(P6469891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469891
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】清浄装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/02 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   A61C17/02 B
   A61C17/02 G
【請求項の数】36
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2017-559536(P2017-559536)
(86)(22)【出願日】2015年6月5日
(65)【公表番号】特表2018-520723(P2018-520723A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】GB2015051642
(87)【国際公開番号】WO2016185154
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2018年1月12日
(31)【優先権主張番号】1508371.0
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・フォローズ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・コートニー
(72)【発明者】
【氏名】グラハム・レモン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ベックス−ラッセル
【審査官】 立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−501412(JP,A)
【文献】 特開2004−097776(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0266396(US,A1)
【文献】 特表2016−539721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 15/00−17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯清浄装置において、
ハンドルと、
作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための流体供給システムであって、前記流体供給システムの少なくとも一部分が、前記歯清浄装置が前記利用者の歯に沿って移動される場合に、前記ハンドルに対して相対的に移動可能とされる、前記流体供給システムと、
前記ハンドルに対する前記流体供給システムの少なくとも一部分の移動によって変化する出力を提供するためのセンサと、
前記センサの出力に従って、前記利用者の歯に対して作動流体を供給するための制御回路と、
を備えていることを特徴とする歯清浄装置。
【請求項2】
前記歯清浄装置が、前記歯清浄装置の少なくとも一部分と共に移動するために前記歯清浄装置の少なくとも一部分に接続されている構成部品を備えており、
前記センサが、前記ハンドルに対する前記構成部品の移動によって変化する出力を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歯清浄装置。
【請求項3】
前記構成部品が、前記流体供給システムの少なくとも一部分を支持するためのサポートを備えていることを特徴とする請求項2に記載の歯清浄装置。
【請求項4】
前記歯清浄装置が、サポートと共に移動するために前記サポートに接続されているアームを備えており、
前記センサが、前記ハンドルに対する前記アームの移動によって変化する出力を提供するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の歯清浄装置。
【請求項5】
前記構成部品が、磁石とされることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項6】
前記センサが、前記センサと前記磁石との相対位置に従って変化する出力を発生させるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の歯清浄装置。
【請求項7】
前記センサが、ホール効果センサとされることを特徴とする請求項5又は6に記載の歯清浄装置。
【請求項8】
前記流体供給システムの少なくとも一部分が、前記作動流体の噴流を前記利用者の歯に供給するためのノズルを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項9】
前記ノズルが、前記歯清浄装置の利用の際に前記ノズルを前記利用者の歯に抗して付勢する方向において前記ハンドルに対して移動するように付勢されることを特徴とする請求項8に記載の歯清浄装置。
【請求項10】
前記ノズルが、湾曲した経路に沿って前記ハンドルに対して移動するように付勢されることを特徴とする請求項8又は9に記載の歯清浄装置。
【請求項11】
前記流体供給システムの少なくとも一部分が、前記作動流体の噴流を前記ノズルに輸送するための流体導管を備えていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項12】
前記流体導管が、前記ノズルと共に移動可能とされることを特徴とする請求項11に記載の歯清浄装置。
【請求項13】
前記流体導管が、前記ノズルに接続又は係合されていることを特徴とする請求項12に記載の歯清浄装置。
【請求項14】
前記センサが、前記ハンドルに対する前記流体導管の移動によって変化する出力を提供するように構成されていることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項15】
前記歯清浄装置が、ヘッドと、前記ヘッドと前記ハンドルとの間に延在しているステムとを備えており、
前記ノズルが、前記ヘッドから外方に突出していることを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項16】
前記ノズルが、前記ヘッドに対して相対的に移動可能とされることを特徴とする請求項15に記載の歯清浄装置。
【請求項17】
前記ノズルが、前記ヘッドから離隔する方向において前記ヘッドに対して相対的に移動するように付勢されることを特徴とする請求項16に記載の歯清浄装置。
【請求項18】
前記ノズルが、遠位位置と近位位置との間において、前記ヘッドに対して相対的に移動可能とされることを特徴とする請求項17に記載の歯清浄装置。
【請求項19】
前記制御回路が、前記遠位位置への又は前記遠位位置からの前記ノズルの移動に応答して、前記利用者の歯に対して前記作動流体の噴流を供給するように構成されていることを特徴とする請求項18に記載の歯清浄装置。
【請求項20】
前記ヘッドが、前記歯清浄装置の利用の際に前記利用者の歯に接触するための接触手段を備えており、
前記ノズルが、前記接触手段に対して相対的に移動可能とされることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項21】
前記ヘッドが、前記歯清浄装置の利用の際に前記利用者の歯に接触するための接触手段を備えており、
前記ノズルが、前記接触手段に対して相対的に移動可能とされ、
前記ノズルが前記遠位位置に位置している場合に、前記ノズルの先端が、前記接触手段の少なくとも一部分を越えて突出していることを特徴とする請求項18に記載の歯清浄装置。
【請求項22】
前記接触手段が、弾性材料から形成されていることを特徴とする請求項20又は21に記載の歯清浄装置。
【請求項23】
前記接触手段が、前記ノズルの周りに配置されている複数の弾性部材を備えていることを特徴とする請求項22に記載の歯清浄装置。
【請求項24】
前記接触手段が、前記ノズルの周りに配置されている複数の剛毛を備えていることを特徴とする請求項22に記載の歯清浄装置。
【請求項25】
前記剛毛が、前記ノズルに対して相対的に移動可能とされる剛毛キャリアに取り付けられていることを特徴とする請求項24に記載の歯清浄装置。
【請求項26】
前記ヘッドと前記ステムとが、前記ハンドルに接続されている清浄ツールの一部分を形成していることを特徴とする請求項15〜25のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項27】
前記清浄ツールが、前記ハンドルに取り外し可能に接続されていることを特徴とする請求項26に記載の歯清浄装置。
【請求項28】
前記制御回路が、前記センサからの出力の変化率に従って、前記利用者の歯に対して前記作動流体を供給するように構成されていることを特徴とする請求項1〜27のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項29】
前記センサが、前記ハンドルの内部に配置されていることを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項30】
前記流体供給システムが、加圧された作動流体の供給源と弁とを備えており、
前記制御回路が、前記センサからの出力に従って、前記弁を開くように構成されていることを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項31】
前記弁が、ソレノイド弁とされることを特徴とする請求項30に記載の歯清浄装置。
【請求項32】
前記流体供給システムが、ポンプを備えており、
前記制御回路が、前記センサからの出力に従って、前記ポンプを動作させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜31のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項33】
前記作動流体が、液状とされることを特徴とする請求項1〜32のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項34】
前記歯清浄装置が、前記作動流体を前記流体供給システムに供給するための流体リザーバを備えていることを特徴とする請求項1〜33のいずれか一項に記載の歯清浄装置。
【請求項35】
前記流体リザーバが、再充填可能とされることを特徴とする請求項34に記載の歯清浄装置。
【請求項36】
前記清浄ツールが、前記流体リザーバを備えていることを特徴とする請求項26に従属する場合における請求項34又は35に記載の歯清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清浄装置に関する。清浄装置は、好ましくは携行式清浄装置とされ、好ましくは表面処理装置とされる。本発明の好ましい実施例では、清浄装置は歯清浄装置とされる。好ましい実施例では、歯清浄装置は、流体を利用者の歯に供給するための流体供給システムを有している電動歯ブラシとされる。当該流体は、歯磨き粉や隣接歯間の清浄を改善するための流体とされる。代替的には、歯清浄装置は、歯を磨くための剛毛又は他の要素を含んでおらず、専用の隣接歯間清浄装置の形態とされる。また、本発明は、歯清浄装置と共に利用するための清浄ツール、及び、歯清浄装置と共に利用するためのハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電動歯ブラシは、ハンドルに接続されている清浄ツールを備えている。清浄ツールは、ステムと、歯を磨くための剛毛を支持するブラシヘッドとを備えている。ブラシヘッドは、ステムに接続されている静止部分と、可動部分に取り付けられている剛毛にブラッシング運動を及ぼすために、例えば往復運動、揺動運動、振動運動、回動運動、又は回転運動を伴いつつ静止部分に対して相対的に移動可能とされる少なくとも1つの可動部分とを備えている。ステムは、ハンドルの内部において伝動ユニットと結合している駆動シャフトを収容している。伝動ユニットはモータに接続されており、ハンドルの内部に収容されているバッテリによってモータは駆動される。駆動シャフトと伝動ユニットとは、ブラシヘッドの静止部分に対するブラシヘッドの可動部分のモータの回転運動又は振動運動を所望の運動に変換する。
【0003】
隣接歯間の清浄のために流体の噴流を初精させるためのアセンブリが伝動歯ブラシに組み込まれていることが知られている。例えば、特許文献1は、電動歯ブラシのハンドルが、例えば水のような液体を格納するための流体チャンバと、利用者が流体チャンバにアクセス可能となるように滑動可能とされるカバーとを形成している、電動歯ブラシを開示している。流体経路は、流体チャンバを、ブラシヘッドの静止部分に配置されているノズルに接続している。流体経路の内部に配置されているポンプは、流体チャンバからノズルに流体を吐出することによってノズルからの圧力を開放するために、ハンドルのアクチュエータが利用者によって操作されると動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8522384号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の実施態様では、本発明は、歯清浄装置であって、ハンドルと、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための流体供給システムであって、流体供給システムの少なくとも一部分が、歯清浄装置が利用者の歯に沿って移動される場合に、ハンドルに対して移動可能とされる、流体供給システムと、ハンドルに対する流体供給システムの少なくとも一部分の移動によって変化する出力を提供するためのセンサと、センサからの出力に従って、利用者の歯に対して作動流体を供給するための制御回路と、を備えている歯清浄装置を提供する。
【0006】
好ましくは、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる流体供給システムの一部分が、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズルを備えている。好ましくは、ノズルは、ノズルの先端に配置されている流体出口を貫通しているノズル軸線に沿って延在している。ノズル軸線は、ハンドルの長手方向軸線に対して略垂直に位置合わせされている。
【0007】
好ましくは、ノズルは、例えばエラストマー材料やゴムのような弾性材料から形成されている。
【0008】
ノズルは、流体出口がノズル軸線に対して相対的に移動可能とされるように、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる。例えば、ノズルは屈曲されるように構成されている。例えば、ノズルが歯清浄装置の利用の際に利用者の歯に沿って移動される場合に、特にノズルが隣接歯間の間隙に入って歯の側面に接触した場合に、ノズルの先端がノズルの基部に対して相対的に撓む場合がある。ノズルがハンドルに対して相対的に撓むことによって、センサからの出力が変化するので、当該出力変化に応答して、制御回路は、隣接歯間の間隙の内部に位置する物体を除去するために、利用者の歯に対して作動流体の噴流を供給する。
【0009】
代替的には、ノズルは、ノズル軸線に対して略平行とされるか、又はノズル軸線に沿っている方向において、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる。好ましくは、ノズルは、歯清浄装置の利用の際にノズルが利用者の歯に抗して付勢される方向において、ハンドルに対して相対的に移動するように付勢される。ノズルが利用者の歯に沿って移動される際にノズルが隣接歯間の間隙に入った場合には、ノズルがハンドルに対して相対的に移動することによって、センサからの出力が変化するので、当該出力変化に応答して、制御回路は、隣接歯間の間隙の内部に位置する物体を除去するために、利用者の歯に対して作動流体の噴流を供給する。
【0010】
センサは、ハンドルに対するノズルの運動を直接検出するように構成されている。例えばセンサは、ノズルに隣り合って配置されている。代替的には、センサは、ノズルに接続されているか、又はノズルと共に移動可能とされる構成部品の移動を検出するように構成されている。例えば、アームは、ノズルに接続されており、センサは、ハンドルに対するアームの移動を検出するように構成されている。
【0011】
好ましくは、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる流体供給システムの一部分が、作動流体の噴流をノズルに輸送するための流体導管を備えている。好ましくは、ノズルは流体導管と共に移動可能とされる。例えば、流体導管はノズルに直接接続されている。代替として、流体導管の端部は、ハンドルに対する流体導管の移動に応答して、ノズルがノズル軸線に沿って押されるように、ノズルの基部に接触又は当接している。
【0012】
好ましくは、ノズルは、歯清浄装置の利用の際にノズルを利用者の歯に抗して付勢する方向において、ハンドルに対して移動するように付勢される。上述のように、ノズルは、アームに接続されており、アームは、歯清浄装置の利用の際にノズルを利用者の歯に抗して付勢する方向において、ハンドルに対して相対的に移動するように付勢される。例えば、アームは、アームに係合する弾性部材によって、当該方向に移動するように付勢される。代替的には、アームは、アームの弛緩によってノズルが利用者の歯に抗して付勢されるように弾性変形される。この場合には、流体導管が利用者の歯に向かって付勢される際に、流体導管はノズルと共に移動する。
【0013】
好ましい実施例では、流体導管が、歯清浄装置の利用の際にノズルを利用者の歯に抗して付勢する方向において、ハンドルに対して相対的に移動するように付勢される。従って、流体導管は、歯清浄装置の利用の際にノズルが利用者の歯に抗して付勢される方向において、ハンドルに対して相対的に移動するようにノズルを付勢するように機能する。上述のように、ノズルは、流体導管の端部に接続されているので、ノズルは、流体リザーバと共に、ハンドルに対して相対的に移動する。代替的には、ノズルは、例えばノズルから外方に延在している環状フランジのような弾性手段を介して、歯清浄装置の本体に固定されており、これにより、ノズルが、流体導管がハンドルに対して相対的に移動した場合にノズルが流体導管と共に移動するように、流体導管の端部に抗して付勢される。また、環状フランジがノズルと本体との間を密閉するので、放出された作動流体又は他の材料がノズルの周りから歯清浄装置の本体の内部に侵入することを防止することができる。
【0014】
流体導管は、様々な方法のうち一の態様でハンドルに対して相対的に移動可能とされる。例えば、流体導管は、ハンドルに対して相対的に滑動可能、回転可能、並進運動可能とされる。代替的には、流体導管は、伸長可能又は膨張可能とされる。
【0015】
第2の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズル、及び、作動流体をノズルに輸送するための流体導管を具備する流体供給システムと、を備えている歯清浄装置であって、流体導管が、ハンドルに対して相対的に移動可能とされ、ノズルが、流体導管と共に移動可能とされ、流体導管が、歯清浄装置の利用の際にノズルを利用者の歯に抗して付勢する方向に移動するように付勢される、歯清浄装置を提供する。
【0016】
好ましい実施例では、流体導管が、軸線を中心としてハンドルに対して相対的に移動可能とされる。好ましくは、流体導管が、軸線を中心として回動可能とされる。好ましくは、軸線は、ハンドルの長手方向軸線に対して略垂直とされる。軸線は、好ましくはノズル軸線に対して傾斜しており、より好ましくはノズル軸線に対して略垂直とされる。
【0017】
好ましくは、流体導管は、歯清浄装置の利用の際に、流体導管がハンドルに対して相対的に移動する場合であっても、又はノズルが利用者の歯に抗して付勢される場合であっても、変形、屈曲、若しくは捩れを起こさないような剛性を有している。好ましくは、流体導管は、金属材料又はプラスチック材料から形成されている。しかしながら、アームがノズルを利用者の歯に向かって付勢するために利用される場合には、流体導管は、流体導管がハンドルに対して相対的に自在に移動するように、より可撓性に富んだ材料から形成されている。
【0018】
好ましくは、流体導管は、弾性部材を介してハンドルに対して相対的に移動するように付勢される。弾性歩部材は、流体導管に接続されている構成部品に接触している。アームがハンドルに対して相対的に移動する場合に、流体導管は、好ましくは軸線を中心として、ハンドルに対して相対的に移動する。代替的には、弾性部材は流体導管に接触している。好ましくは、弾性部材は、ノズルが利用者の歯に抗して押圧された場合に、利用者を不快にする過剰な力を歯に作用させることなく、ノズルを弾性部材の付勢力に抗して移動させるのに十分な大きさを有する力を、流体導管又はアームに作用させている。
【0019】
弾性部材は、本体と流体導管との間に配置されており、流体導管は、歯清浄装置の利用の際に利用者の歯に抗してノズルを付勢する方向において、軸を中心として移動するように、流体導管を付勢することができる。弾性部材は、バネや他の弾性要素の形態とされる。弾性部材は、流体導管に直接接触しているか、又は流体導管に接続されると共に流体投函と共に移動可能とされる歯清浄装置の構成部品に接触している。このような構成部品は、ハンドルに対して相対的に移動するように流体導管を支持するためのサポート、又は流体導管に接続しているアームとされる。
【0020】
好ましい実施例では、弾性部材が、流体供給システムの一部分を形成しており、好ましくは回動可能又は移動可能とされる流体導管に接続されている弾性流体導管の形態とされる。弾性流体導管は、歯清浄装置の利用の際にノズルを利用者の歯に抗して付勢する方向においてハンドルに対して相対的に移動するように弾性流体導管を付勢する、回動可能な流体導管に力を作用させるように捩じれ、屈曲、圧縮、又は変形可能される。
【0021】
従って、流体供給システムは、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズルと、軸線を中心として回動可能とされる比較的高剛性な流体導管と、歯清浄装置の利用の際に利用者の歯に抗してノズルを付勢する方向において軸線を中心として回動するように回動可能な流体導管を付勢するための、比較的可撓性を有している弾性流体導管とを備えている。
【0022】
好ましくは、回動可能な流体導管は、ノズルと弾性流体導管との間に配置されている。例えば、弾性流体導管は、回動可能な流体導管の一方の端部に接続されており、ノズルが、回動可能な流体導管の他方の端部に接続又は係合されている。
【0023】
好ましくは、回動可能な流体導管は複数の部分から成る。例えば、流体導管は、第1の部分と、第1の部分とは異なる方向に延在している第2の部分とを有している。言い換えると、好ましくは、流体導管は非直線状である。好ましくは、弾性流体導管は第1の部分に接続されている。第2の部分は、第1の部分に対して傾斜しており、第1の部分に対して略垂直とされる。代替的には、第2の部分は湾曲している。好ましくは、ノズルは、第2の部分に接続又は係合されているので、好ましくは、第2の部分の少なくとも一部分は、ノズルと同一直線状に配置されている。第2の部分は湾曲しているが、ノズルに係合している第2の部分の少なくとも一部分は、ノズルと同一直線状に配置されている。第1の部分は、好ましくは直線状とされ、好ましくは第2の部分より長いので、回動可能な流体導管は、略L字状に形成されている。
【0024】
好ましくは、センサは、ハンドルに対する流体供給システムの可動部分の移動によって、当該実施例ではノズル、回動可能な流体導管、及び弾性流体導管の移動によって変化する出力を提供するように構成されている。センサは、動作感知装置の形態とされる。
【0025】
センサは、流体供給システムの可動部分の移動を直接検出するように構成されている。例えば、センサは、例えばカメラや流体供給システムの可動部分から反射された光を受容するための光センサのような、光検出器の形態とされる。代替的には、流体供給システムの可動部分は、磁性材料から形成され得ている。センサは、センサに作用する磁場の変動から、流体供給システムの磁性部分の移動を検出するように構成されている。例えば、センサはホール効果センサとされる。
【0026】
代替的には、センサは、流体供給システムの可動部分の内部において移動可能とされる構成部品の移動を検出するように構成されている。構成部品は、光反射性要素又は光放射性要素とされる。代替的には、構成部品は、流体供給システムの可動部分に接続されている変形可能部材とされ、センサは、変形可能部材の変形を検出するように構成されている。例えば、変形可能部材は、流体供給システムの可動部分に接続されている弾性ロッドの形態とされ、センサは、変形可能部材の歪によって変化する信号を出力するための歪ゲージの形態とされる。
【0027】
好ましくは、構成部品は、磁石とされ、好ましくは、センサは、磁石がセンサに対して相対的に移動した場合にセンサに作用する磁場の変動から、磁石の移動を検出するように構成されている。磁石は、流体供給システムの可動部分に直接接続されている。代替的には、組み立てを容易にするために、磁石が、流体供給システムの可動部分に接続又は装着されている構成部品に接続されている。例えば、歯清浄装置は、ハンドルに対して相対的に移動するために流体供給システムの可動部分を支持するためのサポートを備えている。好ましくは、サポートは、流体供給システムの可動部分と共に、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる。好ましい実施例では、サポートは回動可能な流体導管に接続されている。
【0028】
磁石は、サポートに直接接続されている。しかしながら、好ましい実施例では、歯清浄装置は、サポートと共に移動するためにサポートに接続されているアームを備えており、磁石は、アームの一部分に接続されているか、又はアームの一部分を形成している。好ましくは、磁石はアームの自由端に接続されている。
【0029】
好ましくは、アームは、サポートに対して相対的に移動可能とされる。アームは、好ましくは、サポートと共に回転するようにサポートに接続されている第1の端部と、第1の端部から離隔している第2の端部とを有している。好ましくは、磁石又は磁性材料は、第2の回動軸線を中心として、サポートに対して相対的に回動可能に移動可能とされる。第2の回動軸線は、アームの第1の端部に配置されているか、又はアームの第1の端部と第2の端部との間に配置されており、第2の回動軸線とアームの第2の端部との間にける距離が、第2の回動軸線とアームの第1の端部との間における距離より大きい。その結果として、第2の回動軸線を中心としてアームを回転させることによって、サポートをハンドルに対して相対的に回動させるために、第2の回動軸線を中心とするアームの第2の端部の移動量は、ハンドルに対するサポートの移動量より大きい。
【0030】
これにより、ハンドルに対する流体供給システムの可動部分の比較的小さい移動量が、ハンドルに対するアームの第2の端部の比較的大きい移動量に変換される。これにより、ハンドルに対する流体供給システムの可動部分の移動を容易に検出することができ、歯清浄装置の内部に且つアームの第2の端部の移動を検出するために適切な位置にセンサを配置することができる。例えば、センサは、センサを好ましくは歯清浄装置のハンドルの内部に配置されている制御回路に容易に接続するために、歯清浄装置のハンドルの内部に配置されている。また、好ましくは、制御回路に給電するためのバッテリは、歯清浄装置のハンドルの内部に配置されている。好ましくは、バッテリは、再充電可能とされる。
【0031】
好ましくは、歯清浄装置は、ヘッドと、ヘッドとハンドルとの間に延在しているステムとを備えている。好ましくは、ノズルは、ヘッドから外方に突出している。好ましくは、弾性流体導管は、ステムの内部に配置されている。従って、回動可能な流体導管は、ステムとヘッドとの間に延在している。好ましい実施例では、回動可能な流体導管の第1の部分がステムの内部に配置されており、回動可能な流体導管の第2の部分がヘッドの内部に配置されている。
【0032】
好ましくは、ノズルが、ヘッドに対して相対的に移動可能とされる。好ましくは、ノズルは、ヘッドから離隔する方向においてヘッドに対して相対的に移動するように付勢される。
【0033】
好ましくは、ノズルは、ヘッドに対する遠位位置とヘッドに対する近位位置との間において移動可能とされる。好ましくは、ノズルは、遠位位置に向かって移動するように付勢される。好ましくは、制御回路は、遠位位置に向かう、又は遠位位置からのノズルの移動に応答して、利用者の歯に対して作動流体の噴流を供給するように構成されている。
【0034】
制御回路は、センサからの出力の大きさに従って、利用者の歯に対して作動流体の噴流を供給するように構成されている。好ましくは、制御回路は、センサからの出力の変化率に従って、利用者の歯に対して作動流体の噴流を供給するように構成されている。好ましくは、センサからの出力は電圧とされる。
【0035】
好ましい実施例では、制御回路は、所定の間隔でセンサからの出力をサンプリングすることによって、サンプリングされたセンサ出力Sの一群を提供するように構成されている。例えば、所定の間隔は、5ms〜25msとされ、好ましい実施例では10msとされる。サンプリングされたセンサ出力Sについての変化率Sは、連続するサンプリングされたセンサ出力Sの差分から計算される。好ましい実施例では、Sは10ms毎に計算される。
【0036】
さらに、制御回路は、n個の直近の値Sの平均値を計算することによってセンサ出力の平均変化率Sを決定するように構成されている。好ましくは、整数nは、5〜40とされ、当該実施例では10である。従って、Sの値も10ms毎に計算される。Sの値から、100msの時間周期に亘って、ノズルが遠位位置に向かって移動しようとしているのか、遠位位置から離隔するように移動しようとしているのか、又はハンドルに対して相対的に静止位置に、例えば遠位位置に維持されているのか決定することができる。
【0037】
好ましくは、制御回路は、Sの値に従って、利用者の歯に対して作動流体を供給するように構成されている。制御回路は、時間当たりのSの値の変化に従って、利用者の歯に対して作動流体を供給するように構成されている。例えば、制御回路は、(i)Sの値が−ノズルが遠位位置に向かって移動していることを示す−プリセットされた第1の閾値より大きくなった場合に又は小さくなった場合に、及び、その後にSの値が−ノズルが隣接歯間の間隙の内部に配置されていること、若しくは隣接歯間の間隙から離隔して近位位置に向かって移動していることを示す−プリセットされた第2の閾値より小さくなった場合に又は大きくなった場合に、利用者の歯に対して作動流体を供給するように構成されている。
【0038】
遠位位置から離隔するノズルの移動に応答して利用者の歯に対して作動流体を供給することに関する利点は、歯清浄装置が利用者の歯から離隔するように移動された場合に、例えば清浄作業の最後に、作動流体がノズルから放出されないことである。
【0039】
上述のように、好ましくは、回動可能な流体導管は、回動軸線を中心として移動可能とされる。ノズルがヘッドに対する遠位位置とヘッドに対する近位位置との間において移動する場合に、好ましくは、ノズルは、湾曲した経路に沿って、好ましくは流体導管の回動軸線に配置されている中心を有する弧状の経路に沿って移動する。回動軸円を中心とするノズルの先端の角運動量は、好ましくは1°〜5°とされる。好ましい実施例では、ノズルの先端は、ノズルが遠位位置から近位位置に移動する場合に、回動軸線を中心として約2.5°移動する。従って、ノズルは、ノズル軸線を含む平面内において、当該平面内に配置された湾曲した経路又は円状の経路に沿って移動するように付勢されるとみなされる。ノズルが遠位位置に位置している場合に、好ましくは、ノズル軸線は、ハンドルの長手方向軸線に対して90°の角度で位置合わせされている。
【0040】
歯清浄装置の利用の際に利用者の歯に沿ってノズルを容易に移動させるために、好ましくは、ヘッドは、利用者の歯に接触させるための接触手段を備えており、ノズルは、遠位位置と近位位置との間において、接触手段に対して相対的に移動可能とされる。利用者の快適性のために、接触手段は、略平坦な上側表面、湾曲した上側表面、又は段付部を具備する上側表面を有している。例えば、接触手段は、凹状の上側表面を有している場合がある。ノズルがヘッドに対して遠位位置に位置している場合には、好ましくは、ノズルの先端が、接触手段の少なくとも一部分を越えて外方に突出しているので、ノズルが利用者の歯に対して押圧された場合に、ノズルは、遠位位置から離隔して近位位置に向かって移動する。
【0041】
歯清浄装置は、利用者の歯の隙間同士の間を清浄するための専用の隣接歯間清浄装置の形態とされる。ノズルが利用者の歯に沿って移動されるので、ノズルが隣接歯間の間隙に入ったことが、センサに対する磁石の移動から得られるセンサからの出力の変化を介して検出される。このような歯清浄装置については、接触手段は、ノズルを囲んでいる単一の弾性部材を備えている。代替的には、接触手段は、ノズルに隣り合って配置されている複数の弾性部材を備えている。弾性部材は、ヘッドの側面それぞれに又は端部それぞれに配置されている。例えば、弾性部材は、ノズルに関して周方向に配置されている。1つ以上の弾性部材が、エラストマー材料から形成されている場合もある。
【0042】
代替的には、歯清浄装置は、作動流体の噴流を隣接歯間の間隙に放出することによって隣接歯間の清浄を向上させるという付加的な機能を有している。歯清浄装置は歯ブラシの形態とされるが、好ましくは、接触手段は複数の剛毛を備えている。剛毛は、好ましくはノズルの周りに配置されており、ノズルに関して周方向に配置されている場合がある。
【0043】
複数の剛毛が、ハンドルに対して相対的に移動することができるヘッドの静止部分に取り付けられている。代替的又は付加的には、複数の剛毛はヘッドの可動部分に取り付けられており、可動部分はハンドルに対して相対的に移動可能とされる。好ましい実施例では、歯清浄装置は、剛毛キャリアと剛毛キャリアに取り付けられている複数の剛毛とを備えており、剛毛キャリアは、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる。好ましくは、ノズルは、ブラシユニットから離隔する方向において、ブラシユニットに対して相対的に移動するように付勢される。
【0044】
ノズルがブラシユニットに対して相対的に移動可能とされることに加えて、好ましくは、ブラシユニットがノズルに対して相対的に移動可能とされる。従って、剛毛の端部によって利用者の歯の表面全体を掃くために、ブラシユニットがノズルに対して相対的に移動することは、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するために、ノズルがハンドルに対して相対的に移動することから独立している。これにより、剛毛がハンドルに対して相対的に移動することの結果として、誤って又は不慮に利用者の歯に対して作動流体を供給することが防止される。
【0045】
剛毛キャリアは、ノズルに対して相対的に並進移動、回転、回動、又は振動する。好ましい実施例では、剛毛キャリアは、ノズルが遠位位置に位置している場合に、ノズルの周りを、好ましくはノズルの軸線を中心として回るように配置されている。好ましくは、ブラシユニットは、ノズルの周りに少なくとも部分的に延在している。例えば、剛毛キャリアは、ノズルの周りに部分的に延在するように湾曲しているか、又は部分的に環状とされ、例えばC字状に形成されている。代替的には、剛毛キャリアは、環状の形状とされるか、ノズルを囲むように形成されている。例えば、剛毛キャリアは、ノズルを突出させるための開口部を備えている。
【0046】
第3の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための流体供給システムであって、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズルを具備する流体供給システムと、剛毛キャリア、及び剛毛キャリアに取り付けられている複数の剛毛を具備するブラシユニットであって、ノズルの周りに少なくとも部分的に延在しているブラシユニットと、剛毛キャリアをノズルに対して相対的に移動させるための駆動ユニットと、を備えている歯清浄装置を提供する。
【0047】
好ましくは、歯清浄装置は、剛毛キャリアを移動させるための駆動ユニットと、駆動ユニットによって発生される回転運動を剛毛キャリアの軌道運動に変換するための伝動ユニットとを含んでいる。好ましくは、駆動ユニットは、歯清浄装置のハンドルに配置されている。好ましくは、駆動ユニットは、バッテリによって給電されるモータと第1の歯車列とを備えている。
【0048】
好ましくは、伝動ユニットは、第2の歯車列と、クランクと、剛毛キャリアをクランクに接続している接続ロッドとを備えている。好ましくは、接続ロッドはステムの内部に配置されている。好ましくは、回動可能な又は移動可能な流体導管もステムの内部に配置されており、好ましくは、流体導管は接続ロッドと並列に配置されている。
【0049】
流体供給システムは、加圧された作動流体の供給源と弁とを備えている。好ましくは、加圧された作動流体の供給源と弁とは、歯清浄装置のハンドルの内部に配置されている。制御回路は、好ましくは、センサからの出力に従って、所定の期間、弁を開くように構成されている。好ましくは、弁は、選定された体積を有する加圧された作動流体の噴流を供給源からノズルに輸送するのに十分な期間、利用者の歯に供給するために開いている。当該期間は、好ましくは1秒より短く、より好ましくは0.5秒より短く、さらにより好ましくは0.25秒より短い。
【0050】
好ましくは、弁はソレノイド弁とされる。
【0051】
作動流体は、好ましくは液状とされ、好ましくは水である。作動流体が液状の作動流体とされるが、好ましくは、加圧された作動流体の供給源は液圧式アキュムレータの形態とされる。好ましくは、液圧式アキュムレータは、バネ式アキュムレータ又はガス充填式アキュムレータとされる。好ましくは、アキュムレータは、所定の圧力を作用させた状態において作動流体を格納するための流体チャンバを備えている。好ましくは、アキュムレータは、4bar〜7barの圧力を作用させた状態において作動流体を格納するように配置されている。好ましくは、流体チャンバは、0.1ml〜1mlの容量を有している。
【0052】
液圧式アキュムレータとソレノイド弁とを組み合わせて利用することによって、略一様な圧力及び持続性を有する作動流体の噴流を利用者の歯に供給することができる。
【0053】
好ましくは、流体供給システムは、ソレノイド弁が閉位置に位置している場合に作動流体をアキュムレータに供給するためのポンプを備えている。ポンプは、流体入口を通じて作動流体を引き込むように配置されている。好ましくは、ポンプは隔膜ポンプの形態とされる。代替的には、ポンプはピストン式ポンプとされる場合がある。好ましくは、第1の一方向弁は、作動流体が流体入口に逆流することを防止するために、流体入口とポンプとの間に配置されている。好ましくは、第2の一方向弁は、作動流体がアキュムレータからポンプに逆流することを防止するために、ポンプとアキュムレータとの間に配置されている。
【0054】
第4の実施態様では、本発明は、流体供給システム及び制御回路を具備する歯清浄装置であって、流体供給システムが、流体入口と、流体入口を通じて作動流体を引き込むためのポンプと、ポンプからの作動流体を受容するための液圧式アキュムレータと、流体出口を有するノズルと、液圧式アキュムレータとノズルとの間に配置されている弁とを備えており、弁が、液圧式アキュムレータによって作動流体の噴流がノズルに供給可能とされる開位置と、ポンプの作用下において液圧式アキュムレータが再充填可能とされる閉位置とを有しており、制御回路が、ポンプを動作させるように、且つ、弁の位置を制御するように構成されている、歯清浄装置を提供する。
【0055】
アキュムレータの流体チャンバの容積は、単一の作動流体の噴流の体積と略同一とされる。例えば、流体チャンバは、約0.25mlの容積を有しており、単一の作動流体の噴流は、約0.25mlの体積を有している。この場合には、アキュムレータは、単一の作動流体の噴流をノズルに供給した後に実質的に空になるので、さらなる作動流体の噴流を供給する前に再充填することを必要とする。好ましくは、アキュムレータの再充填に要する時間は、0.25秒〜1秒とされ、好ましくは、制御回路は、センサの出力とは無関係に、再充填の間に作動流体をノズルに供給することを防止するように構成されている。
【0056】
代替的には、アキュムレータの流体チャンバの容積は、単一の作動流体の噴流の体積より大きい場合がある。例えば、流体チャンバは、約0.75mlの容積を有しており、単一の作動流体の噴流は、約0.25mlの体積を有している。この場合には、ソレノイド弁が、選定された体積を有する作動流体の噴流がアキュムレータから放出されるのに必要とされる時間の間、制御回路によって、ソレノイド弁が開位置に保持される。例えば、ソレノイド弁は、0.25mlの体積を有する単一の作動流体の噴流をノズルに供給するために、1ms〜100msの間、より好ましくは5ms〜50msの間、好ましい実施例では30msの間、開位置に保持される。
【0057】
この場合には、アキュムレータは、3つの作動流体の噴流を供給した後に実質的に空になる一方、アキュムレータの容積が比較的大きいので、3つの作動流体の噴流を供給した後にアキュムレータを再充填するために必要な時間が、例えば0.75秒〜3秒の期間に増加する。アキュムレータの流体チャンバの容積が大きくなっていることとは対照的に、単一の作動流体の噴流の体液が小さくなっている。例えば、流体チャンバは、約0.25mlの容積を有しており、単一の作動流体の噴流は、約0.08mlの体積を有している。この場合には、ソレノイド弁は、0.08mlの体積を有する単一の作動流体の噴流をノズルに供給するために、選定された体積を有する作動流体をアキュムレータから放出するのに必要とされる時間の間、例えば約10msの期間の間、制御回路によって開位置に保持されている。後者の場合には、再び、アキュムレータは、3つの作動流体の噴流を供給した後に実質的に空になるが、3つの作動流体の噴流を供給した後にアキュムレータを再充填するために必要とされる時間は、0.25秒〜1秒である。
【0058】
上述のように、制御回路は、センサからの出力に従って、単一の作動流体の噴流を供給するように構成されている。しかしながら、制御回路は、センサからの出力に従って、作動流体の噴流の一群を供給するように構成されている場合もある。連続する作動流体の時間間隔は、一群の作動流体の噴流の一群全体が単一の隣接歯間の間隙に供給されるように、好ましくは均等であり、好ましくは1ms〜25msとされ、より好ましくは2ms〜10msとされる。これにより、連続する噴流それぞれによって、ノズル36の先端が隣接歯間の間隙に対して僅かに変位するので、隣接歯間の間隙からの物体の除去が改善される。
【0059】
第5の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体を利用者の歯に供給するための流体供給システムと、受けた入力に従って利用者の歯に対して作動流体を供給するための制御回路と、を備えている歯清浄装置であって、入力それぞれについて、制御回路が、利用者の歯に対して作動流体の噴流の一群を供給するように構成されている、歯清浄装置を提供する。入力は、センサによって発生される。代替的には、入力は、歯清浄装置に対する利用者の操作に応答して、例えば歯清浄装置のボタンを操作することによって発生する。
【0060】
好ましくは、一群のおける噴流の数は2本〜10本とされる。好ましくは、噴流の一群における利用者の歯に供給される作動流体の体積は0.1ml〜1mlとされる。噴流の一群において、作動流体の噴流それぞれが、好ましくは均等であり、好ましくは0.05ms〜0.5msとされ、より好ましくは0.05ms〜0.25msとされる。
【0061】
アキュムレータの流体チャンバの容積は、作動流体の噴流の単一群における歯清浄装置から放出される作動流体の体積と略同一とされる。例えば、流体チャンバは、約0.25mlの容積を有しており、作動流体の噴流の単一群は、約0.25mlの体積を有する作動流体を放出する。この場合には、流体チャンバは、さらなる作動流体の噴流を供給する前に再充填を必要とする。代替的には、作動流体の噴流の単一群において、アキュムレータの流体チャンバの容積は、歯清浄装置から放出される作動流体の体積より大きい場合がある。例えば、流体チャンバは、約0.75mlの容積を有しており、作動流体の噴流の単一群は、約0.25mlの体積を有している。この場合には、流体チャンバは、作動流体の噴流の3つの群を供給した後に再充填を必要とする。
【0062】
好ましくは、歯清浄装置は、作動流体、好ましくは液状の作動流体を格納するための流体リザーバを備えており、作動流体は、流体リザーバから流体供給システムに供給される。流体リザーバは、好ましくは5ml〜50mlの容積を有している。例えば、25mlの容積を有している流体リザーバは、0.25mlの液体容量を有しているアキュムレータと組み合わせて利用され、利用者の歯に供給するために十分な量の作動流体を、最大で0.25mlの作動流体を有する100本の噴流又は100本の噴流の群をアキュムレータに供給することができる。
【0063】
流体リザーバは、好ましくは再充填可能とされる。従って、好ましくは、流体リザーバは、利用者が作動流体で流体リザーバを再充填するための流体ポートを備えている。流体ポートは、流体リザーバの境界を形成している壁に配置されているか、又は流体リザーバから遠位に位置しており、且つ、流体ポートから流体リザーバに至るまで延在している流体導管を介して流体リザーバと流通している状態で配置されている。
【0064】
制御回路は、流体リザーバが再充填を必要とすることを利用者に知らせるために、警告を発報するように構成されている。例えば、アキュムレータは、アキュムレータに格納されている作動流体の体積を示す信号を制御回路に提供するためのセンサを備えている。センサは、アキュムレータの内部に格納されている作動流体の圧力を示す信号を提供するための圧力センサを備えている。例えば、センサは、アキュムレータの内部圧力がプリセットされた閾値を上回った場合に、信号を制御回路に出力する。代替的には、センサは、例えばピストンやダイアフラムのような、アキュムレータの一部分に接触しているセンサであって、アキュムレータが作動流体で満たされた場合に移動するセンサの形態とされる。例えば、センサは、ダイアフラムがセンサに接触した場合に信号を制御回路に出力する。作動流体をノズルに供給した後にアキュムレータを再充填する際に、制御回路は、当該信号を受けるとポンプの動作を停止するように構成されている。ポンプを動作させた後に、当該信号が所定の期間内に、例えば0.5秒〜2秒の間に受信されない場合には、当該信号は、
流体リザーバの内部に格納されている作動流体がアキュムレータを完全に再充填するためには不十分であることを示すことができる。この場合には、好ましくは、制御回路は、当該所定の期間が経過した後に、流体リザーバが再充填を必要とすることを利用者に知らせるための警告を発報するように構成されている。当該警告は、歯清浄装置のディスプレイに表示される視覚的警報又は音響的警報の形態とされる。
【0065】
歯清浄装置のハンドルは、流体リザーバを備えている。例えば、流体リザーバは、ハンドルの本体の内部に完全に収容されている。代替的には、ハンドルの外部壁が、流体リザーバの境界を少なくとも部分的に形成している。外部壁の少なくとも一部分が透明になっており、利用者は流体リザーバの内部に収容された作動流体の量を見ることができる。このような流体リザーバを再充填するために、流体ポートは、利用者がハンドルの本体に設けられたカバーを移動させることによって、又は利用者が栓又は他の閉塞装置を流体ポートから取り外すことによって、手動により露出させることができる。
【0066】
流体リザーバは、ステムの内部に収容されている。上述のように、ステムの外部壁は流体リザーバの境界を少なくとも部分的に形成しており、外部壁の少なくとも一部分が透明になっており、利用者は流体リザーバの内部に収容された作動流体の量を見ることができる。
【0067】
ステムの内部に流体リザーバを収容する代わりに、流体リザーバが、ステムの外部に配置されるようにステムに接続されている場合がある。これにより、流体リザーバは、再充填又は交換のために、必要に応じてステムから取り外すことができる。代替的には、流体リザーバは、ステムに接続されている外部壁によって部分的に形成されている。また、外部壁の少なくとも一部分が透明になっており、利用者は流体リザーバに収容された作動流体の量を見ることができる。
【0068】
流体リザーバの容量を最大にするために、且つ、歯清浄装置の長手方向軸線を中心とする比較的一様な重量分布を実現するために、好ましくは、流体リザーバは、ステムの周りに延在しているか、又はステムを囲んでいる。
【0069】
好ましくは、歯清浄装置は、ハンドルに接続されている清浄ツールを備えている。清浄ツールは、流体供給システムのノズルを備えている。好ましくは、清浄ツールは、歯清浄装置のヘッド及びステムを備えている。
【0070】
好ましくは、清浄ツールは、ハンドルに取り外し可能に接続されている。これにより、例えば再充填することができない流体リザーバを使い果たした場合や歯清浄装置の剛毛及び/又はノズルが擦り切れた場合に、清浄ツールを交換することができる。また、これにより、例えば異なる利用者の利用のために、異なる清浄ツールをハンドルに接続することができる。
【0071】
第6の実施態様では、本発明は、ハンドルと、ハンドルに取り外し可能に接続されている清浄ツールであって、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズル、ハンドルとノズルとの間に延在しているステム、及び作動流体を格納するための流体リザーバを具備する清浄ツールと、を備えている歯清浄装置であって、流体リザーバが、ステムに接続されており、且つ、ステムの周りに延在している、歯清浄装置を提供する。
【0072】
好ましくは、流体リザーバが、ステムの一部分を囲んでいる外部壁を備えている。好ましくは、ステムの一部分は、歯清浄装置のハンドルに隣り合って配置されている。外部壁の少なくとも一部分が、好ましくは透明になっており、好ましくは透明なプラスチック材料から形成されており、利用者は、流体リザーバの内部に収容された作動流体の量を見ることができる。好ましい実施例では、外部壁は、透明な材料から形成されている単一の成型部品とされる。
【0073】
好ましくは、流体リザーバの外部壁は、湾曲した形状、凸状の形状、又は多面体の形状とされる。外部壁は、楕円体状の、回転楕円体状の、又は球状の曲面を有している。
【0074】
上述のように、歯清浄装置は、作動流体で流体リザーバを再充填するための流体ポートを備えている。流体ポートは、作動流体が流体リザーバから流体ポートを通じて漏出することを防止するために、栓又は他の閉塞装置が流体ポートの内部に取り外し可能に配置された状態で永続的に露出されている。好ましくは、流体ポートは、外部カラーに配置されており、外部カラーは、流体リザーバが再充填可能とされるように流体ポートが露出されている第1の位置と流体ポートが閉塞されている第2の位置との間において、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる。これにより、利用者は、流体リザーバを再充填するために、流体ポートを容易に且つ急速に露出させることができる。
【0075】
第7の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体を格納するための流体リザーバと、流体リザーバからの作動流体を受容するための、且つ、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための流体供給システムと、流体ポートを具備する外部カラーであって、流体リザーバが再充填可能とされるように流体ポートが露出されている第1の位置と流体ポートが閉塞されている第2の位置との間においてハンドルに対して相対的に移動可能とされる外部カラーと、を備えている歯清浄装置を提供する。
【0076】
カラーが第2の位置に位置している場合に、流体ポートは、流体ポートが流体ポートを通じた作動流体の漏出を防止するシールに係合する位置に配置されている。当該シールは、ハンドルの壁の内面に、又はカラーが第2の位置に位置している場合に流体ポートに面しているハンドルの他の部分に配置されている。好ましくは、カラーが第2の位置に位置している場合に、流体ポートは、作動流体が、付加的な流体ポートからではなく、当該流体ポートを通じて流体供給システムに供給されるように流体供給システムに接続されている。
【0077】
カラーは、ハンドルに対して相対的に滑動可能とされる。好ましくは、カラーは、好ましくはハンドルの長手方向軸線を中心として、ハンドルに対して相対的に回転可能とされる。カラーは、ハンドルの本体に対して相対的に移動するように、ハンドルの本体に接続されている。好ましい実施例では、カラーは、歯清浄装置の清浄ツールに接続されており、好ましくはステムの周りに配置されている。カラーは、ステムの長手方向軸線を中心として回転される。カラーは、湾曲した形状、凸状の形状、又は多面体状の形状とされ、楕円体状の、回転楕円体状の、又は球状の曲面を有している。
【0078】
カラーは、流体リザーバとは別体とされる。流体ポートは、流体ポートに接続されている端部を具備する可撓性を有する導管を介して、流体リザーバに接続されている。可撓性を有する導管の端部は、流体ポートが第1の位置と第2の位置との間において移動される場合にカラーと共に移動するようになっている。
【0079】
代替的には、カラーは、流体リザーバの境界を少なくとも部分的に形成しており、流体リザーバの外部壁の一部分を形成している。従って、流体リザーバの外部壁の少なくとも一部分は、外部壁のカラー部分が第1の位置と第2の位置との間において移動される場合に、ハンドルに対して相対的に移動する。シールは、流体リザーバの可動部分と流体リザーバの他の部分との間に配設されており、流体リザーバの他の部分は、流体リザーバの可動部分と他の部分との間からの作動流体の漏出を防止するために、シールに対して相対的に移動する。しかしながら、好ましい実施例では、カラー、外部壁、及び流体リザーバの境界を形成する他の構成部品を含む流体リザーバの全体が、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる。
【0080】
例えば、流体リザーバは、外部壁に接続されている内部壁を備えており、内部壁は、外部壁と共に、ハンドルに対して相対的に移動する。内部壁は、環状の形状又は管状の形状とされ、ステムを囲んでいるステムを提供するようにステムの周りに配置されている。内部壁の端部は、例えば溶着手法又は接着剤を利用することによって、外部壁に接続されている。
【0081】
内部壁の全体が、外部壁と共に、比較的高剛性の材料から形成されているので、流体リザーバの容積は一定であり、流体リザーバの境界は、外部壁及び内部壁の内面によって形成されている。代替的には、流体リザーバの内部壁の一部分、又は流体リザーバの境界を部分的に形成している別の構成部品は、流体リザーバの容積を変化させるように、外部壁に対して相対的に移動可能とされる。可動部材は、ピストンによって、又は作動流体が流体供給システムに供給された場合に流体リザーバの容積を小さくするように制御回路によって動作する他の装置によって移動される。このことは、作動流体が流体供給システムに供給された場合における流体リザーバの内部のエアロックの形成を防止する。ピストンは、流体リザーバの容積の低減がポンプによって流体リザーバから引き込まれる作動流体の体積と等しくなるように、流体リザーバから作動流体を引き込むために、ポンプの動作と同時に、制御回路によって動作される。
【0082】
代替的には、可動部材は、作動流体が流体供給システムに供給される場合に可動部材の表面において確立される圧力差に応答して移動可能とされる。歯清浄装置は、可動部材に隣り合って、好ましくは可動部材の一方の側面に隣り合って配置されている膨張チャンバを備えている。作動流体が流体供給システムに供給される場合に、流体リザーバの容積が小さくなるに従って膨張チャンバの容積が大きくなる。
【0083】
第8の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体を格納するための流体リザーバであって、壁、好ましくは外部壁、及び流体リザーバの容積を変化させるように壁に対して相対的に移動可能とされる可動部材によって少なくとも部分的に形成されている流体リザーバと、流体リザーバからの作動流体を受容するための、且つ、作動流体を利用者の歯に供給するための流体供給システムと、可動部材に隣り合って配置されている膨張チャンバであって、作動流体が流体供給システムに供給される場合に流体リザーバの容積が小さくなるに従って容積が大きくなる膨張チャンバと、を備えている歯清浄装置を提供する。
【0084】
膨張チャンバは、可動部材に力を作用させる加圧ガスを収容しており、作動流体が流体供給システムに供給された場合に可動部材を移動させることができる。しかしながら、好ましくは、膨張チャンバは、膨張チャンバの容積が大きくなるに従って周囲空気を受容するように、外気に対して開口している。
【0085】
好ましくは、外部壁は、比較的高剛性な材料から形成されており、好ましくは、可動部材は、比較的可撓性を有する材料から形成されている。好ましい実施例では、可動部材は、可動部材の表面における圧力差に応答して膨張可能とされるダイアフラム又は袋とされる。
【0086】
好ましくは、外部壁はダイアフラムを囲んでいる。好ましくは、ダイアフラムは、環状の形状又は管状の形状とされ、好ましくは外部壁に、好ましくは外部壁の径方向において互いに反対側に位置している位置にそれぞれ接続している端部を有している。好ましくは、壁とダイアフラムとは、ダイアフラムが膨張するように、共通する長手方向軸線を中心として延在しており、ダイアフラムは、当該長手方向軸線から離隔するように外方に膨張する。
【0087】
好ましくは、ダイアフラムは、作動流体が流体供給システムに供給される場合にダイアフラムを流体リザーバに向かって引っ張るために、比較的一様な力がダイアフラムの表面全体に亘って作用するように、膨張チャンバを中心として延在している。このことは、作動流体が流体供給システムに供給される場合に、ダイアフラムの一様な膨張を促進させる。歯清浄装置の部品点数を最小限に抑えるために、好ましくは、ダイアフラムは、膨張チャンバを少なくとも部分的に形成している。例えば、ダイアフラムは、膨張チャンバと流体リザーバとの間に配置されており、膨張チャンバと流体リザーバとの間における障壁を形成している。好ましくは、膨張チャンバは環状の形状とされる。膨張チャンバは、ダイアフラムと歯清浄装置の清浄ツールのステムとによって形成されている。代替的には、膨張チャンバは、ダイアフラムと、空気が膨張チャンバに流入する際に通過するポートを形成している壁とによって形成されている。膨張チャンバの壁は、好ましくは、外部壁及びダイアフラムに接続されており、好ましくは、膨張チャンバの壁がステムに対して相対的に移動される場合に、外部壁と共に移動可能とされる。言い換えれば、好ましくは、流体リザーバと膨張チャンバとの両方が、ステムに対して相対的に移動可能又は回転可能とされる。
【0088】
ダイアフラムが膨張するに従って、ダイアフラムの大きさ及び形状が流体リザーバの大きさ及び形状に近づく。言い換えれば、ダイアフラムが、流体リザーバが空である場合に発生する完全膨張状態とされる際には、好ましくは、ダイアフラムの大きさ及び形状は、流体リザーバの外部壁の大きさ及び形状と略同一とされる。第フラムが、流体リザーバが満杯である場合に発生する完全縮小状態すなわち完全収縮状態とされる際には、好ましくは、可動部材の大きさ及び形状は、膨張チャンバの壁の大きさ及び形状と略同一とされる。従って、好ましくは、膨張チャンバは、流体リザーバの最大容積と略同一とされる最大容積を有している。
【0089】
上述のように、好ましくは、流体リザーバの外部壁は透明になっており、利用者は、流体リザーバの内容物と作動流体が水の場合にはダイアフラムとの両方を見ることができる。好ましくは、ダイアフラムの少なくとも一部分は、着色された材料から形成されており、さもなければ歯清浄装置の清浄ツールを他の部品と見分けるために利用される識別子を有している。これにより、清浄ツールは、当該清浄ツールを歯清浄装置の他の利用者の清浄ツールと見分けるために、又は歯清浄装置を他の同様の歯清浄装置と見分けるために利用可能とされる識別子を有することができる。例えば、清浄ツールは、一連の類似する清浄ツールのうち一の清浄ツールを形成しているが、当該一連の類似する清浄ツールそれぞれが、それぞれ異なる識別子を有している。
【0090】
第9の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体を格納するための流体リザーバであって、流体リザーバが、透明な外部壁と内部壁とによって少なくとも部分的に形成されており、内部壁が、利用者が清浄ツールを識別するための識別子を有している、流体リザーバを具備する清浄ツールと、流体リザーバからの作動流体を受容するための、且つ、作動流体を利用者の歯に供給するための流体供給システムと、を備えている歯清浄装置を提供する。
【0091】
識別子は着色されている場合がある。例えば、内部壁は、着色された材料から形成されている。代替的には、識別子は、内部壁に成形又は形成された1つ以上の英数字を備えている。上述のように、内部壁は、比較的可撓性を有する材料から形成されており、外部壁に対して相対的に移動可能とされるダイアフラムを備えている。
【0092】
好ましくは、流体供給システムは、清浄ツール導管システムとハンドル導管システムとを備えている。好ましくは、ハンドル導管システムは、流体リザーバからの作動流体を受容するための流体入口と、流体入口とポンプとアキュムレータとソレノイド弁と流体出口ポートとの間において作動流体を輸送するための複数の導管とを備えている。好ましくは、清浄ツール導管システムは、ハンドル流体出口ポートからの作動流体の噴流を受容するための流体入口ポートと、可撓性を有する又は弾性的な流体導管と、回動可能な流体導管と、ノズルとを備えている。
【0093】
上述のように、好ましくは、清浄ツールは、ハンドルに取り外し可能に接続されている。清浄ツールがハンドルに接続されている場合に、清浄ツール流体入口ポートは、ハンドル流体出口ポートと位置合わせされている。流体入口ポート及び流体出口ポートのうち一方は、メス型流体コネクタを備えており、流体入口ポート及び流体出口ポートのうち他方は、オス型流体コネクタ又はパイプを備えている。オス型流体コネクタは、清浄ツールの本体から突出しており、清浄ツールがハンドルに接続されている場合にメス型流体コネクタによって受容される。
【0094】
清浄ツールがハンドルに接続されている場合に流体入口ポートを流体出口ポートと位置合わせするために、好ましくは、ハンドルは、回転することができない第1のコネクタを備えており、好ましくは、清浄ツールは、ハンドルを清浄ツールに接続するために第1のコネクタと接続するための第2のコネクタを備えている。好ましくは、第1のコネクタは、ハンドルの長手方向軸線に対して平行に延在しているオス型コネクタとされ、好ましくは、第2のコネクタは、オス型コネクタを受容するためのメス型コネクタとされる。好ましくは、オス型コネクタは、ハンドルの外部表面から突出しているロッド又は栓の形態とされる。代替的には、第2のコネクタは、オス型コネクタの形態とされ、第1のコネクタは、メス型コネクタの形態とされる。
【0095】
清浄ツール流体入口ポートをハンドル流体出口ポートと容易に位置合わせするために、オス型コネクタ及びハンドル流体出口ポートそれぞれは、好ましくは、径方向においてハンドルの長手方向軸線から離隔している。清浄ツールをハンドルに接続するために、利用者は、長手方向において目視で清浄ツールをハンドルと位置合わせし、清浄ツールをハンドルに対して相対的に回転させるか、又はハンドルを清浄ツールに対して相対的に回転させ、これによりオス型コネクタをメス型コネクタと位置合わせさせる。その後に、オス型コネクタをメス型コネクタに押し込むと同時に、清浄ツール流体入口ポートをハンドル流体出口ポートと位置合わせするか、又は清浄ツール流体入口ポートをハンドル流体出口ポートに挿入する。
【0096】
第10の実施態様では、本発明は、清浄ツールと、清浄ツールに取り外し可能に接続されているハンドルであって、ハンドルが、回転することができない第1のコネクタを備えており、ハンドル導管システムが、第1のコネクタから離隔されているハンドル流体出口ポートを備えており、第1のコネクタ及びハンドル流体出口ポートそれぞれが、ハンドルの端面に配置されており、且つ、径方向においてハンドルの長手方向軸線から離隔している、ハンドルと、を備えている歯清浄装置であって、清浄ツールが、ハンドルを清浄ツールに接続するために第1のコネクタと接続するための第2のコネクタを備えており、清浄ツール導管システムが、清浄ツールがハンドルに接続されている場合にハンドル流体出口ポートと位置合わせするための清浄ツール流体入口ポートを備えている、歯清浄装置を提供する。
【0097】
好ましくは、清浄ツールは、剛毛キャリアと、剛毛キャリアに取り付けられている複数の剛毛と、剛毛キャリアに接続されている伝動ユニットとを備えており、好ましくは、ハンドルは、剛毛キャリアをハンドルに対して相対的に移動させるために伝動ユニットを駆動するための駆動ユニットを備えている。好ましくは、ハンドルは、清浄ツールに配置されている伝動ユニット結合部材と結合するための結合部材を備えている。好ましくは、駆動ユニット結合部材は、ハンドル、オス型コネクタ、及びメス型コネクタの長手方向軸線それぞれから離隔している。好ましくは、ハンドル流体出口ポートは、駆動ユニット結合部材から角度的に離隔している。好ましくは、ハンドル流体出口ポートは、径方向において駆動ユニット結合部材の反対側に配置されている。オス型コネクタは、好ましくはハンドル流体出口ポートと駆動ユニット結合部材との間に、より好ましくはンドル流体出口ポートと駆動ユニット結合部材との中間に角度的に配置されている。
【0098】
好ましくは、駆動ユニット結合部材は、ハンドルに対して相対的に回転可能とされる。好ましくは、駆動ユニット結合部材は、ハンドルの本体から突出しており、清浄ツールがハンドルに接続されている場合に伝動ユニット結合部材によって受容されている。
【0099】
好ましくは、ハンドルのオス型コネクタと清浄ツールのメス型コネクタとは、清浄ツールをハンドルに接続するための嵌め込み式コネクタを形成している。
【0100】
上述のように、歯清浄装置は、センサからの出力に従って、利用者の歯に対して作動流体を供給するための制御回路を備えている。好ましくは、センサは、ハンドルに対する流体供給システムの一部分の移動を検出するように構成されている。ノズルが利用者の隣接歯間の間隙の内部に配置されていない場合に、例えば歯清浄装置の運搬の際に作動流体の噴流が不慮に放出されるという危険性を低減するために、好ましくは、歯清浄装置は、利用者の歯に対する作動流体の噴流の供給を防止する第1の動作モードと、利用者の歯に対する作動流体の噴流の供給を許可する第2の動作モードとを有しており、歯清浄装置の利用の際に、制御回路は、歯清浄装置の検出された動作パラメータに従って、第1の動作モードと第2の動作モードとの間における移行を自動的に実施するように構成されている。
【0101】
第11の実施態様では、本発明は、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための流体供給システムと、利用者の歯に対する作動流体の噴流の供給を制御するための制御回路と、を備えている歯清浄装置であって、歯清浄装置は、利用者の歯に対する作動流体の噴流の供給を防止する第1の動作モードと、利用者の歯に対する作動流体の噴流の供給を許可する第2の動作モードとを有しており、歯清浄装置の利用の際に、制御回路は、歯清浄装置の検出された動作パラメータに従って、第1の動作モードと第2の動作モードとの間における移行を自動的に実施するように構成されている、歯清浄装置を提供する。
【0102】
歯清浄装置の複数の異なる動作パラメータのうち一のパラメータが、歯清浄装置の動作モード間の移行を実施するために検出される。例えば、動作パラメータは、剛毛キャリアの回転を駆動するためのモータの動作状態(on又はoff)、モータによって引き込まれた電流の大きさ、例えば接触手段を介して歯清浄装置に作用する力、ノズルに作用する力、若しくは利用者がハンドルを把持している場合にハンドルに作用する力のような、利用の際に歯清浄装置に作用する負荷の大きさ、歯清浄装置の向き、アキュムレータの内部における作動流体の量、又はハンドルに対する相対的にカラーの位置とされる。
【0103】
好ましくは、制御回路は、歯清浄装置の検出された動作パラメータが非零の閾値を上回った場合に、第1の動作モードと第2の動作モードとの間における移行を実施するように構成されている。
【0104】
センサからの出力に従って作動流体の噴流をノズルに供給することに加えて、又はその代替として、制御回路は、歯清浄装置に対する利用者の操作に応答して、利用者の歯に対して流体を供給するように構成されている。歯清浄装置に対する利用者の操作は、歯清浄装置のボタンに対する操作である場合がある。
【0105】
例えば、歯清浄装置は、流体供給の“自動”モードすなわち第1のモードを有しており、“自動”モードすなわち第1のモードは、利用者によって選定可能とされ、“自動”モードすなわち第1のモードでは、センサからの出力に従って、作動流体の噴流が利用者の歯に供給される。“自動”モードすなわち第1のモードが利用者によって選定されていない場合、すなわち流体供給の“手動”モードすなわち第2のモードが利用者によって選定されている場合には、歯清浄装置に対する利用者の操作に従って、作動流体の噴流が利用者の歯に供給される。
【0106】
清浄ツールが移動可能とされる剛毛キャリアを備えているが、好ましくは、検出された動作パラメータは、剛毛キャリアを移動させるためにモータによって引き込まれた電流の大きさとされる。駆動ユニットと伝動ユニットとは、好ましくは、ハンドルに対する剛毛キャリアの移動速度を一定にするように構成されている。最初に歯清浄装置が利用者によって起動される場合、すなわち歯清浄装置の電源が利用者によって入れられる場合には、歯清浄装置は、利用者の歯と接触しないようになっている。その結果として、モータによって引き込まれた電流は、比較的低く、好ましくは歯清浄装置が最初に起動した場合に第1の動作モードとなるように設定された閾値より小さい。
【0107】
剛毛が利用者の歯に対して付勢されている場合には、剛毛キャリアの動作に対する抵抗が、剛毛を歯に対して押圧する力に従って増大する。剛毛キャリアの移動速度を一定に維持するために、モータは、剛毛キャリアに作用する力に従って増大された電流量を引き込む。制御回路は、モータによって引き込まれた電流の大きさを検出し、電流が、剛毛を利用者の歯に抗して移動させるのに必要とされる電流を示す閾値を超過した場合には、制御回路は、第2の動作モードへの移行を実施する。検出された電流が当該閾値を下回るように降下した場合には、制御回路が、第1の動作モードへの移行を実施する。
【0108】
上述のように、好ましくは、ノズルは近位位置と遠位位置との間において移動可能とされる。遠位位置では、好ましくは、ノズルの先端は、剛毛の自由端の少なくとも一部より突出している。剛毛が利用者の歯に対して押圧された場合には、剛毛が撓むので、剛毛の暗部と剛毛キャリアとの直接的な間隔が低減されると同時に、ノズルの先端が剛毛キャリアに向かって、具体的には剛毛キャリアの近位位置に向かって移動される。利用の際における剛毛の屈曲の程度、ひいては剛毛の剛性に従って、ヘッドに対するノズルの移動が、センサから受けた出力の変動に従って検出され、歯清浄装置の利用の際にヘッドに作用する負荷についての指針として利用される。このことは、剛毛が静止状態にある剛毛キャリアに取り付けられている場合に、すなわち剛毛が歯清浄装置のヘッドに直接取り付けられている場合に、特に有用である。
【0109】
第12の実施態様では、本発明は、ハンドルと、ハンドルに接続されている清浄ツールであって、清浄ツールの一部分が、清浄ツールが利用者の歯に沿って移動される場合にハンドルに対して相対的に移動可能とされ、清浄ツールの当該一部分が、第1の軸線を中心として移動可能とされる、清浄ツールと、清浄ツールの当該一部分と共に移動するために清浄ツールの当該一部分に接続されている第1の端部、及び第1の端部から離隔している第2の端部を有しているアームであって、第1の軸線から離隔している第2の軸線を中心として回動可能に清浄ツールの当該一部分に対して相対的に移動可能とされるアームと、センサとアームの第2の端部との相対位置に従って変化する出力を発生させるためのセンサと、を備えている歯清浄装置を提供する。
【0110】
上述のように、好ましくは、清浄ツールはハンドルに取り外し可能に接続されている。これにより、ハンドルは、異なる識別子をそれぞれ有する類似する清浄ツールの一群を具備することができる。また、これにより、ハンドルは、類似しない清浄ツールの一群を具備することもできる。例えば、清浄ツールの一群は、ノズル及び移動可能とされるブラシユニットを具備する第1のタイプの清浄ツールと、ノズル及び静止状態にあるブラシユニットを具備する第2のタイプの清浄ツールと、ノズルを具備するが剛毛を具備しない第3のタイプの清浄ツールと、移動可能なブラシユニットを具備するがノズルを具備しない第4のタイプの清浄ツールとのうち2つ以上の清浄ツールから選定される。例えば異なる剛性をそれぞれ有する剛毛を具備する第1のタイプの清浄ツールや流体出口の大きさがそれぞれ異なるノズルを具備する第1のタイプの清浄ツールのような、同一タイプの複数の異なる清浄ツールが設けられている場合もある。
【0111】
好ましくは、歯清浄装置は、歯清浄装置の上述の構成部品をすべて含んでいる携行式装置とされる。
【0112】
清浄ツールは、独立したアイテムとして、例えば予備部品として又は既存のハンドルと共に利用するための代替的な清浄ツールとして販売されている。
【0113】
第13の実施態様では、本発明は、歯清浄装置のための清浄ツールであって、ステムを具備する清浄ツールが脱着可能とされるハンドルと、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズル、及びステムに対して相対的に移動可能とされる可動式流体導管を具備する清浄ツール導管システムと、を備えている清浄ツールにおいて、ノズルが、流体導管と共に移動可能とされ、流体導管が、歯清浄装置の利用の際にノズルを利用者の歯に抗して付勢する方向に移動するように付勢される、清浄ツールを提供する。
【0114】
第14の実施態様では、本発明は、歯清浄装置のための清浄ツールであって、清浄ツールが、清浄ツールが脱着可能とされるハンドルであって、ハンドルが、駆動ユニットを具備し、駆動ユニットが、モータ及び駆動ユニット結合部材を具備する、ハンドルを備えており、清浄ツールが、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズルを具備する清浄ツール流体導管システムと、剛毛キャリア、及び剛毛キャリアに取り付けられている複数の剛毛を具備するブラシユニットであって、ノズルの周りに延在しているブラシユニットと、剛毛キャリアをノズルに対して相対的に移動させるために剛毛キャリアに接続されている伝動ユニットであって、清浄ツールがハンドルに接続されている場合に駆動ユニット結合部材と結合するための伝動ユニット結合部材を具備する伝動ユニットと、を備えている清浄ツールを提供する。
【0115】
第15の実施態様では、本発明は、歯清浄装置のための清浄ツールであって、清浄ツールが脱着可能とされるハンドルを備えている清浄ツールにおいて、ステムと、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズルと、作動流体を格納するための流体リザーバであって、ステムに接続されていると共にステムの周りに延在している流体リザーバと、を備えている清浄ツールを提供する。
【0116】
第16の実施態様では、本発明は、歯清浄装置のための清浄ツールであって、清浄ツールが脱着可能とされるハンドルを備えている清浄ツールにおいて、ステムと、作動流体を格納するための流体リザーバと、流体ポートを具備する外部カラーであって、清浄ツールがハンドルに接続されている場合に流体リザーバが再充填可能とされるように流体ポートが露出されている第1の位置と清浄ツールがハンドルに接続されている場合に流体ポートが閉塞されている第2の位置との間において、ステムに対して相対的に移動可能とされる外部カラーと、を備えている清浄ツールを提供する。
【0117】
第17の実施態様では、本発明は、歯清浄装置のための清浄ツールであって、清浄ツールが脱着可能とされるハンドルであって、ハンドル導管システムを具備するハンドルを備えている清浄ツールにおいて、清浄ツールが、作動流体をハンドル導管システムに供給するための流体リザーバであって、壁と流体リザーバの容積を変化させるように壁に対して相対的に移動可能とされる可動部材とによって少なくとも部分的に形成されている流体リザーバと、ハンドル導管システムからの作動流体の噴流を受容するための、且つ、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための清浄ツール導管システムと、可動部材に隣り合って配置されている膨張チャンバであって、作動流体がハンドル導管システムに供給される場合に流体リザーバの容積が小さくなるに従って容積が大きくなる膨張チャンバと、を備えている清浄ツールを提供する。
【0118】
歯清浄装置のハンドルは、また、清浄ツールとは別体として、例えば歯清浄装置についての予備部品として又は他の利用者による利用のために設けられている場合がある。例えば、異なる形状をそれぞれ有するハンドルが、異なる年齢の利用者による利用のために設けられている。
【0119】
第18の実施態様では、本発明は、歯清浄装置のためのハンドルであって、歯清浄装置が、ハンドルが脱着可能とされる清浄ツールを備えており、清浄ツールが、作動流体の噴流を利用者の歯に供給するためのノズルを備えている、ハンドルにおいて、流体入口と、流体入口を通じて作動流体を引き込むためのポンプと、ポンプからの作動流体を受容するための液圧式アキュムレータと、清浄ツールがハンドルに接続されている場合にノズルと流通している流体出口と、液圧式アキュムレータと流体出口との間に配置されている弁であって、液圧式アキュムレータによって作動流体の噴流が流体出口に供給可能とされる開位置、及びポンプの作用下において液圧式アキュムレータが再充填可能とされる閉位置を有している弁と、弁の位置を制御するための制御回路と、を備えているハンドルを提供する。
【0120】
第19の実施態様では、本発明は、歯清浄装置のためのハンドルであって、歯清浄装置が、ハンドルが脱着可能とされる清浄ツールを備えており、清浄ツールが、作動流体を格納するための流体リザーバ、及び流体リザーバと流通している流体ポートを具備する可動式カラーを備えている、ハンドルにおいて、清浄ツールがハンドルに接続されていると共にカラーが本体に関する第1の位置に位置している場合に流体ポートを露出させるための、凹状部分を具備する本体と、清浄ツールがハンドルに接続されていると共にカラーが本体に関する第2の位置に位置している場合に流体リザーバからの作動流体を受容するための、流体入口を具備するハンドル導管システムと、を備えているハンドルを提供する。
【0121】
また、本発明の上述の実施態様のうち1つ以上の実施態様が、清浄装置又は清浄デバイスに適用可能とされる。清浄装置は、表面処理装置である場合がある。例えば、清浄装置は、機器、好ましくは作業表面を清浄するための携行式機器であって、ブラシユニットが、作業表面に接触するように配置されており、ノズルが、清浄の際に清浄流体を作業表面に供給するように配置されている、携行式機器の形態とされる。
【0122】
第20の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体の噴流を表面に供給するためのノズルを具備する流体供給システムと、表面に接触するためのブラシユニットであって、剛毛キャリア、及び、剛毛キャリアに取り付けられている複数の剛毛を備えており、且つ、ノズルの周りに少なくとも部分的に延在しているブラシユニットと、剛毛キャリアをノズルに対して相対的に移動させるための駆動ユニットと、を備えている表面処理装置を提供する。
【0123】
第21の実施態様では、本発明は、流体入口、流体入口を通じて作動流体を引き込むためのポンプ、ポンプからの作動流体を受容するための液圧式アキュムレータ、流体出口を具備するノズル、及び液圧式アキュムレータとノズルとの間に配置されている弁であって、液圧式アキュムレータによって作動流体の噴流がノズルに供給可能とされる開位置とポンプの作用下において液圧式アキュムレータの再充填可能とされる閉位置とを有する弁を具備する流体供給システムと、ポンプを動作させるための、且つ、弁の位置を制御するための制御回路と、を備えている表面処理装置を提供する。
【0124】
第22の実施態様では、本発明は、ハンドルとハンドルに脱着可能とされる清浄ツールとを備えている表面処理装置であって、清浄ツールが、作動流体の噴流を表面に供給するためのノズルと、ハンドルとノズルとの間に延在しているステムと、作動流体を格納するための流体リザーバとを備えており、流体リザーバが、ステムに接続されており、且つ、ステムの周りに延在している、表面処理装置を提供する。
【0125】
第23の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体を格納するための流体リザーバと、流体リザーバからの作動流体を受容するための、且つ、作動流体の噴流を表面に供給するための流体供給システムと、流体ポートを具備する外部カラーであって、流体リザーバが再充填可能とされるように流体ポートが露出されている第1の位置と流体ポートが閉塞されている第2の位置との間において、ハンドルに対して相対的に移動可能とされる外部カラーと、を備えている表面処理装置を提供する。
【0126】
第24の実施態様では、本発明は、ハンドルと、作動流体を格納するための流体リザーバであって、壁と流体リザーバの容積を変化させるように壁に対して相対的に移動可能とされる可動部材とによって少なくとも部分的に形成されている流体リザーバと、流体リザーバからの作動流体を受容するための、且つ、作動流体を表面に供給するための流体供給システムと、可動部材に隣り合って配置されている膨張チャンバであって、作動流体が流体供給システムに供給される場合に流体リザーバの容積が小さくなるに従って容積が大きくなる膨張チャンバと、を備えている表面処理装置を提供する。
【0127】
本発明の第1の実施態様と関連する上述の特徴は、本発明の第2〜第24の実施形態に等しく適用可能とされ、その逆も然りである。
【0128】
本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照のみしつつ、例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0129】
図1(a)】歯清浄装置の右側面図である。
図1(b)】歯清浄装置の正面図である。
図1(c)】歯清浄装置の左側面図である。
図2(a)】歯清浄装置の、上方から見た左側面の斜視図である。
図2(b)】歯清浄装置の、上方から見た右側面の斜視図である。
図3】歯清浄装置の清浄ツールの、上方から見た右側面の斜視図である。
図4】歯清浄装置のハンドルの、上方から見た右側面の斜視図である。
図5】ブラシユニットをハンドルに対して相対的に移動させるための駆動機構の斜視図である。
図6】ハンドルの一部分の断面図である。
図7(a)】ハンドルに対するブラシユニット及び駆動機構の伝動ユニットの移動を表わす。
図7(b)】ハンドルに対するブラシユニット及び駆動機構の伝動ユニットの移動を表わす。
図7(c)】ハンドルに対するブラシユニット及び駆動機構の伝動ユニットの移動を表わす。
図7(d)】ハンドルに対するブラシユニット及び駆動機構の伝動ユニットの移動を表わす。
図8(a)】清浄ツールのヘッドの上面図である。
図8(b)】図8(a)の断面A−Aにおける断面図である。
図9】作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための流体供給システムと流体供給システムを制御するための制御システムとの構成部品を概略的に表わす。
図10】ハンドルの本懐を省略した、図2(a)に類似する斜視図である。
図11(a)】ハンドルの本体を省略すると共にハンドルに対する第1の位置に清浄ツールのカラーを設けた、図2(b)に類似する斜視図である。
図11(b)】ハンドルに対する第2の位置に清浄ツールのカラーを設けた、図11(a)に類似する斜視図である。
図12(a)】流体リザーバのダイアフラムが完全に収縮した状態における、清浄ツールの流体リザーバの断面図である。
図12(b)】ダイアフラムが部分的に展開された状態における、図12(a)に類似する断面図である。
図12(c)】ダイアフラムがほぼ完全に展開された状態における、図12(a)に類似する断面図である。
図13(a)】ポンプが吸入状態とされる、流体供給システムの隔膜ポンプの断面図である。
図13(b)】ポンプが排出状態とされる、流体供給システムの隔膜ポンプの断面図である。
図14(a)】アキュムレータの流体チャンバが空の状態とされる、流体供給システムのバネ式アキュムレータの断面図である。
図14(b)】アキュムレータの流体チャンバが満杯の状態とされる、流体供給システムのバネ式アキュムレータの断面図である。
図15(a)】アキュムレータの流体チャンバが空の状態とされる、代替的なガス充填式アキュムレータの断面図である。
図15(b)】アキュムレータの流体チャンバが満杯の状態とされる、代替的なガス充填式アキュムレータの断面図である。
図16(a)】流体供給システムのソレノイド弁の断面図である。
図16(b)】ソレノイド弁の分解された断面図である。
図17(a)】清浄ツールとハンドルの本体のインターフェイス部品との正面図である。
図17(b)】清浄ツールとハンドルの本体のインターフェイス部品との右側面図である。
図17(c)】図17(a)の断面E−Eにおける側面断面図である。
図18(a)】清浄ツール導管システムの斜視図である。
図18(b)】清浄ツール導管システムの流体導管のための回動可能なサポートを追加した、図18(a)に類似する斜視図である。
図18(c)】固定された案内部材を追加した、図18(b)に類似する斜視図である。
図18(d)】伝動ユニットとブラシユニットの一部分とサポートの移動を検出するためのシステムとを追加した、図18(b)に類似する斜視図である。
図19(a)】ノズルが清浄ツールに関する遠位位置に配置されている、図18(d)に表わすアセンブリの側面図である。
図19(b)】ノズルが清浄ツールに関する近位位置に配置されている、図19(a)に表わすアセンブリの側面図である。
図20】作動流体で流体リザーバを再充填することを表わす。
図21(a)】利用者の歯の上方で清浄ツールを移動させることと作動流体を隣接歯間の間隙に放出することとを概略的に表わす。
図21(b)】利用者の歯の上方で清浄ツールを移動させることと作動流体を隣接歯間の間隙に放出することとを概略的に表わす。
図21(c)】利用者の歯の上方で清浄ツールを移動させることと作動流体を隣接歯間の間隙に放出することとを概略的に表わす。
図21(d)】利用者の歯の上方で清浄ツールを移動させることと作動流体を隣接歯間の間隙に放出することとを概略的に表わす。
図21(e)】利用者の歯の上方で清浄ツールを移動させることと作動流体を隣接歯間の間隙に放出することとを概略的に表わす。
図21(f)】利用者の歯の上方で清浄ツールを移動させることと作動流体を隣接歯間の間隙に放出することとを概略的に表わす。
【発明を実施するための形態】
【0130】
図1及び図2は、歯清浄装置10の一の実施例についての外面図である。当該実施例では、歯清浄装置10は、携行式装置の形態であって、隣接歯間の清浄を改善するために作動流体を供給するための一体型アセンブリを有している電動歯ブラシの形態とされる。
【0131】
歯清浄装置10は、ハンドル12と清浄ツール14とを備えている。ハンドル12は、歯清浄装置10の利用の際に利用者によって把持される外部本体16を備えている。外部本体16は、好ましくはプラスチック材料から形成されており、好ましくは略円筒状の形状とされる。ハンドル12は、利用者が操作可能な複数のボタン18,20,22を備えており、ボタン18,20,22は、利用者によってアクセス可能とされるように外部本体16に形成されている開口部それぞれの内部に配置されている。さらに、ハンドル12は、歯清浄装置10の利用の際に利用者によって視認可能とされるように位置決めされているディスプレイ24を備えている。当該実施例では、ディスプレイ24も、本体16に形成されている開口部の内部に配置されている。
【0132】
清浄ツール14は、ステム26とヘッド28とを備えている。ステム26は、杆体状の形状とされ、ヘッド28をハンドル12から離隔させることによって利用者が歯清浄装置10を容易に操作することができるように機能する。ヘッド28は、ブラシユニット29を備えており、ブラシユニット29は、剛毛キャリア30と、剛毛キャリア30に取り付けられている複数の剛毛32とを備えている。以下に詳述するように、剛毛キャリア30は、ステム26及びハンドル12に対して相対的に移動可能とされる。また、清浄ツール14は、作動流体を格納するための流体リザーバ34と、歯清浄装置10の利用の際に作動流体の1つ以上の噴流を利用者の歯に供給するためのノズル36とを備えている。流体リザーバ34はステム26に接続されている。流体リザーバ34は、ノズル36の周りに少なくとも部分的に延在している。ブラシユニット29はノズル36の周りに少なくとも部分的に延在している。また、流体リザーバ34及びノズル36については、以下に詳述する。
【0133】
清浄ツール14はハンドル12に取り外し可能に接続されている。図3及び図4を参照すると、ハンドル12は、好ましくはピン又は栓の形態とされるオス型コネクタ38を備えており、オス型コネクタ38は、清浄ツール14の、好ましくは凹所の形態とされる相補的なメス型コネクタ40によって受容される。好ましくは、オス型コネクタ38は、好ましくはハンドル12の長手方向軸線Xに対して平行とされる方向において、本体16の凹状の端面42から外方に突出している。端面42は、図1図3に表わすように、清浄ツール14がハンドル12に接続されている場合に清浄ツール14の外側表面の一部分がハンドル12によって閉塞又はカバーされるように、清浄ツール14の凸状の端面を受容するための凹所を形成している。
【0134】
オス型コネクタ38は、ハンドル12の長手方向軸線Xから径方向に離隔しており、メス型コネクタ40は、清浄ツール14の長手方向軸線Yから同様に離隔している。清浄ツール14をハンドル12に接続するために、利用者は、ハンドル12の長手方向軸線Xを清浄ツール14の長手方向軸線Yと目視で位置合わせし、オス型コネクタ38及びメス型コネクタ40の向きを合わせた後に、清浄ツール14をハンドル12に向かって押圧することによってオス型コネクタ38をメス型コネクタ40に挿入する。好ましくは、オス型コネクタ38及びメス型コネクタ40は、オス型コネクタ38がメス型コネクタ40に完全に挿入された場合に嵌め込み式で接続されるようになっている。その後に、ハンドル12及び清浄ツール14を引き離すことによって、オス型コネクタ38とメス型コネクタ40との接続が解除される。
【0135】
上述のように、清浄ツール14は、ステム26に対して相対的に移動可能とされる剛毛キャリア30を含んでいる。また、図5図8を参照すると、歯清浄装置10は、剛毛キャリア30をステム26に対して相対的に移動させるための駆動機構50を備えている。駆動機構50は、剛毛キャリア30に接続されている伝動ユニット52と、剛毛キャリア30をステム26に対して相対的に移動させるように伝動ユニット52を駆動するための駆動ユニット54とを備えている。
【0136】
ハンドル12は、駆動機構50の駆動ユニット54を備えている。駆動ユニット54は、好ましくはDCモータの形態とされるモータ56を備えており、モータ56は、利用者がハンドル12の1つ以上のボタンを押下したことに応答して、制御回路58(図10に表わす)を介して動作される。モータ56は、ハンドル12の内部に配置されているバッテリ60によって給電される。バッテリ60は、再充電することができないバッテリとされ、当該バッテリは、交換のために、ハンドル12の基部に配置されている取り外し可能なカバー62を介して、利用者によってアクセス可能とされる。代替的には、バッテリ60は、再充電可能なバッテリとされ、当該バッテリは、必要に応じて利用者が無線充電器を利用することによって充電可能とされる。
【0137】
モータ56は、ハンドル12の内部に配置されている歯車列に接続されている。歯車列は、モータ56の回転シャフトに接続されている第1の平歯車64と、第1の平歯車64と咬合する第2の平歯車66とを備えており、平歯車66は、モータ56の回転軸線と略平行とされる軸線を中心として回転するように、シャフト68によって支持されている。第2の平歯車66は、本体16の端面42から外方に突出している駆動ユニット結合部材70に接続されており、駆動ユニット結合部材70は、モータ56の動作の際に、本体16に対して相対的に回転する。また、駆動ユニット結合部材70は、ハンドル12の長手方向軸線Xから離隔しており、好ましくはオス型コネクタ38から角度的に離隔している。
【0138】
清浄ツール14は、駆動機構50の伝動ユニット52を備えている。伝動ユニット52は、伝動ユニット結合部材72を備えており、伝動ユニット結合部材72は、清浄ツール14がハンドル12に接続された場合に駆動ユニット結合部材70と結合し、好ましくは駆動ユニット結合部材70を受容する。伝動ユニット結合部材72は、清浄ツール14に配置されている歯車列に接続されている。歯車列は、伝動ユニット結合部材72に接続されている第1の正面歯車74と、第1の正面歯車74と直角に咬合する第2の正面歯車76とを備えており、第2の正面歯車76が、清浄ツール14の長手方向軸線Yに対して直角とされる軸線を中心として回転するようになっている。
【0139】
クランク78は、クランク78の軸線が第2の正面歯車78の回転軸線から離隔するように、第2の正面歯車78に接続されている。第2の正面歯車76の回転を伴って、クランク78は、第2の正面歯車76の回転軸線を中心とする円状の軌道経路に沿って移動する。杆体状の接続ロッド82の第1の端部80は、第2の正面歯車76の回転軸線を中心としてクランク78と共に移動するように、クランク78に接続されている。接続ロッド82は、ステム26の内部に収容されている。接続ロッド82の他方の端部は、剛毛キャリア30の側面に接続されている。ステム26に対する接続ロッド82の相対的な横方向運動は、一組の平行に配置された状態でステム26に接続されている案内部材84,86によって後続されており、案内部材84,86それぞれが、接続ロッド82の側面それぞれに係止されているので、クランク78の軌道に沿った運動によって、剛毛キャリア30が、ステム26に対して相対的に円状の軌道経路の周りにおいて軌道運動する。
【0140】
上述のように、ブラシユニット29は、剛毛キャリア30と剛毛32とを備えており、ノズル36の周りに少なくとも部分的に延在している。当該実施例では、剛毛キャリア30はノズル36を囲んでいる。図7及び図8に表わすように、剛毛キャリア30は、環状の形状とされ、好ましくは、剛毛キャリア30がノズル36に対して相対的に移動するようにノズル36から離隔している。好ましくは、剛毛キャリア30の軌道経路はノズル36を中心とする。当該軌道経路の半径は、好ましくは0.5mm〜1mmとされる。
【0141】
ノズル36は、流体リザーバ34からの作動流体を受容するための、且つ、歯清浄装置10の利用の際に作動流体の噴流を利用者の歯に供給するための流体供給システム100の一部分を形成している。ノズル36の先端は、作動流体の噴流が利用者の歯に供給される際に通過する流体出口102を備えている。流体供給システム100は、図9に概略的に図示されている。概して、流体供給システム100は、流体リザーバ34からの作動流体を受容するための流体入口104を備えている。当該実施例では、作動流体は、液状の作動流体であって、好ましくは水とされる。流体供給システム100は、作動流体を流体リザーバ34から流体入口104を通じて引き込むための、及び、作動流体を液圧式アキュムレータ108に供給するためのポンプ106を備えている。第1の一方向弁110は、流体入口104とポンプ106との間に配置されており、第2の一方向弁112は、ポンプ106と液圧式アキュムレータ108との間に配置されている。ソレノイド弁114は、液圧式アキュムレータ108の下流に配置されている。制御回路58は、ポンプ106によって作動流体が液圧式アキュムレータ108に供給される場合に選択される閉位置と、作動流体の噴流を液圧式アキュムレータ108からノズル36に供給するために選択される開位置との間におけるソレノイド弁108の運動を制御する。
【0142】
流体入口104、ポンプ106、液圧式アキュムレータ108、及びソレノイド弁114が、ハンドル12の内部に配置されている。言い換えれば、流体供給システム100の第1の部分が、ハンドル12の内部に配置されており、流体供給システム100の第2の部分が、清浄ツール14の内部に配置されている。従って、流体供給システム100は、ハンドル12の内部に配置されているハンドル導管システム116と、清浄ツール14の内部に配置されている清浄ツール導管システム118とを備えている。図3及び図4を参照すると、流体入口104は、ハンドル導管システム116の流体入口として機能し、ハンドル流体出口ポート120は、ハンドル導管システム116の流体出口として機能する。
【0143】
流体リザーバ34は、清浄ツール14のステム26に接続されており、清浄ツール14のステム26の周りに少なくとも部分的に延在している。当該実施例では、流体リザーバ34は、環状の形状とされ、ステム26を囲んでいる。好ましくは、流体リザーバ34は、ヘッド28から離隔しているステム26の端部に、又は当該端部に向かって配置されている。流体リザーバ34は、好ましくは5ml〜50mlの容量を有しており、当該実施例では25mlの容量を有している。
【0144】
流体入口104は、流体リザーバ34からの作動流体を受容するように配置されており、当該実施例では、流体入口104は、ハンドル12の本体16の凹状端面42に配置されている。図10図12(c)を参照すると、作動流体は、流体リザーバ34と流通している流体ポート122から、ハンドル導管システム116の流体入口104に供給される。流体ポート122は、清浄ツール14の外部カラー124に配置されている。外部カラー124は、ハンドル12と清浄ツール14のステム26との両方に対して相対的に移動可能とされる。当該実施例では、外部カラー124は、清浄ツール14の長手方向軸線Yを中心として、ハンドル12に対して相対的に回転可能とされる。外部カラー124をハンドル12に対して相対的に移動させるために、利用者は、一方の手でハンドル12を把持し、他方の手で長手方向軸線Yを中心として所望の角度方向に外部カラー124を回転させる。
【0145】
外部カラー124は、図11(a)に表わす第1の位置と図11(b)に表わす第2の位置との間において、ハンドル12に対して相対的に移動させる。第2の位置は、好ましくは60°〜180°の角度で、当該実施例では約90°で第1の位置から角度的に離隔されている。
【0146】
図1図3及び図10に表わすように、外部カラー124がハンドル12に関する第1の位置に位置している場合に、流体ポート122は、利用者によって流体リザーバ34が再充填可能とされるように露出されている。流体ポート122は、ハンドル12の本体16の凹状部分126を介して露出されている。凹状部分126は、湾曲した壁128を備えている。湾曲した壁128は、利用者による流体リザーバ34の充填又は再充填の際に作動流体が露出された流体ポート122に向かって案内されるように形成されている。
【0147】
外部カラー124がハンドル12に関する第2の位置に位置している場合には、流体ポート122は、流体ポート122が利用者にとってアクセスすることができないように、ハンドル12によって閉塞されている。流体ポート122も、作動流体をハンドル導管システム116に供給するために利用されるので、第2の位置において、流体ポート122は、流体入口104と流通する状態で配置されている。本体16の端面42は、流体入口104の周りに延在している環状シールすなわちOリング130を備えている。外部カラー124が第2の位置に位置している場合には、環状シール130は、外部カラー124の表面の環状部分に係合している。当該環状部分は、流体リザーバ34からの作動流体の漏出を防止するように、流体ポート122を囲んでいる。1つ以上のストッパ部材が、外部カラー124が第1の位置及び第2の位置を越えて移動することを防止するために、流体リザーバ34及びハンドル12のうち1つ以上に設けられている場合がある。
【0148】
外部カラー124は、流体リザーバ34から離隔されているが、当該実施例では、外部カラー124が、流体リザーバ34の外部壁132の一部分を形成している。従って、流体リザーバ34の外部壁132は、ハンドル12と清浄ツール14のステム26とに対して相対的に移動可能とされる。好ましくは、外部壁132は、利用者が流体リザーバ34の内容物を観察することができるように透明になっているので、利用者は、歯清浄装置10の利用の前に流体リザーバ34を再充填する必要があるか否かを決定することができる。
【0149】
流体リザーバ34の外部壁132は、清浄ツール14のステム26の周りに延在している。好ましくは、外部壁132は、清浄ツール14の長手方向軸線Yに関して対称とされる形状を有している。外部壁132は、好ましくは湾曲した形状、より好ましくは凸状に湾曲した形状を有しているが、代替的には、外部壁132は、多角形状又は多面体形状を有している。当該実施例では、外部壁132は、球状の曲面を有している。外部壁132は、対角線上において互いに対して反対側に位置する円状の開口部134,136を有しており、開口部134,136は、清浄ツール14のステム26を通過させることができるように、清浄ツール14の長手方向軸線Yを中心として配置されている。
【0150】
さらに、流体リザーバ34は、外部壁132に接続されている内部壁138を備えている。外部壁132と内部壁138とは共に、流体リザーバ34の容量を規定している。内部壁138は、管状の形状とされ、清浄ツール14のステム26を囲んでいる。内部壁138の端部140,142は、好ましくは円状の形状とされ、外部壁132と内部壁138との間に液密シールを形成するように外部壁132に接続されている。
【0151】
従って、当該実施例では外部壁132の一部分を形成している外部カラー124がハンドル12に対して相対的に移動する場合に、内部壁138は外部壁132と共に移動する。外部カラー124が第1の位置と第2の位置との間においてハンドル12に対して相対的に移動される場合に、流体リザーバ34の全体がハンドル12に対して相対的に移動可能とされるとみなされる。
【0152】
内部壁138は、流体リザーバ34の外部壁132に面している外部表面144を有している。内部壁138が、利用者にとって外部壁132を通じて視認可能とされるので、内部壁138の外部表面144が、利用者が清浄ツール14を識別するための識別子を担う場合がある。例えば、識別子は、内部壁138の外部表面144の着色された部分、又は内部壁138の外部表面144に成形若しくは形成された1つ以上の英数字とされる。
【0153】
図12(a)は、作動流体で充填されている流体リザーバ34を表わす。当該実施例では、外部壁132は比較的高剛性な材料から形成されており、内部壁138は比較的可撓性を有する材料から形成されている。内部壁138の厚さ及び内部壁138を形成する材料は、ポンプ106によって作動流体が流体リザーバ34から引き出された場合に発生する内部壁138における圧力差に応じて、内部壁138の少なくとも一部分が外部壁132に対して相対的に移動可能とされるように選定される。当該実施例では、内部壁138は、外部壁132に固定された端部140,142を有している膜又は袋の形態とされ、作動流体が流体リザーバ34から引き出された際に内部壁138の外部表面144及び内部表面146に発生する圧力差に応じて膨張可能とされる。図12(a)は、完全に収縮された構成の、すなわち流体リザーバ34の容積が最大化された状態における内部壁138を表わす。
【0154】
当該実施例では、清浄ツール14は、内部壁138に隣り合って配置されている膨張チャンバ148を備えている。膨張チャンバ148の容積は、流体リザーバ34の容積が減少するに従って増大する。当該実施例では、膨張チャンバ148は、作動流体が流体供給システム100に供給された場合に、内部壁138が外部壁132に向かって移動するに従って大気が膨張チャンバ148に流入するように、大気に対して開放されている。図12(b)及び図12(c)は、膨張チャンバ148を表わすが、それぞれ部分的に膨張された構成及び略完全に膨張された構成の内部壁138を示している。膨張チャンバ148は、内部壁138の内部表面146と膨張チャンバ壁152の外部表面150とによって形成されている。また、膨張チャンバ壁152は、略管状の形状とされ、比較的高剛性な材料から形成されている。膨張チャンバ壁152の端部は、外部カラー124がハンドル12に対して相対的に移動される際に膨張チャンバ壁152が流体リザーバ34と共に移動するように、外部壁132の端部と流体リザーバ34の内部壁138とに接続されている。膨張チャンバ壁152は、好ましくはスリーブの形態とされ、ステム26の外側壁の周りに延在しており、ステム26の外側壁に対して相対的に移動可能とされる。1つ以上の開口部又はポート154が、膨張チャンバ壁152に形成されているので、大気が、内部壁138の膨張を伴って、例えばステム26と膨張チャンバ壁152との間に延在している空気流路から、膨張チャンバ148に流入する。
【0155】
内部壁138が完全に膨張された構成となるように膨張するに従って、内部壁138の大きさ及び形状が外部壁132の大きさ及び形状に近づく。言い換えれば、内部壁138が完全に膨張された構成になった場合に、すなわち流体リザーバ34が実質的に空になった場合に、内部壁138の大きさ及び形状が、流体リザーバ34の外部壁132の大きさ及び形状と略同一になる。従って、膨張チャンバ148の最大容量は、好ましくは流体リザーバ34の最大容量と略同一である。
【0156】
作動流体は、流体供給システム100のポンプ106によって、流体リザーバ34から引き出される。ポンプ106は、ハンドル導管システム116の流体導管156を介して、流体入口104に流通している。ポンプ106は、好ましくは隔膜ポンプの形態とされ、流体供給システム100の一方向弁110,112を備えている。図13(a)及び図13(b)を参照すると、ポンプ106は、制御回路58を介して動作されるモータ160を備えている。また、モータ160は、バッテリ60によって給電される。モータ160は、クランク166を介して膜164の中央に接続されている歯車列162を駆動する。膜164は、チャンバ入口170及びチャンバ出口172を有しているポンプチャンバ168を形成している。モータ160の動作の際に、膜164は、図13(a)に表わす第1の構成と図13(b)に表わす第2の構成との間において移動する。図13(a)に表わすように、膜164が第1の構成に向かって移動する際に、第1の一方向弁110が開位置に引き込まれ、第2の一方向弁112が閉位置に引き込まれる。これにより、作動流体が、チャンバ入口170を通じて、膨張しているポンプチャンバ168に引き込まれる。その後に、図13(b)に表わすように、膜164が第2の構成に向かって移動すると、第1の一方向弁110が閉位置に引き込まれ、第2の一方向弁112が開位置に引き込まれる。これにより、作動流体が、チャンバ出口172を通じて、収縮しているポンプチャンバ168から押し出される。
【0157】
第2の一方向弁112が開位置に位置しており、且つ、ソレノイド弁114が閉位置に位置している状態において、作動流体が、流体導管174を介して液圧式アキュムレータ108に輸送される。図14(a)及び図14(b)は、液圧式アキュムレータ108の第1の実施例を表わすが、液圧式アキュムレータ108は、バネ型アキュムレータの形態とされる。液圧式アキュムレータ108は、流体導管174からの作動流体を受容するための、及び、受容した作動流体を流体チャンバ182に輸送するための流体ポート180を備えている。流体チャンバ182の境界は、バネ装填式ピストン186を介して流体ポート180に向かって付勢される弾性膜184によって形成されている。作動流体がポンプ106から流体チャンバ182に流入する際に、図14(b)に表わすように、弾性膜184は、流体チャンバ182の内部の作動流体によって、バネ188の付勢力に抗して流体ポート108から離隔するように付勢される。ストッパ部材が、ピストン186が流体ポート180から離隔するように移動することを制限するために設けられている場合がある。ストッパ部材は、ピストン186と接触すると制御回路58への出力を発生させるセンサを備えている。第2の一方向弁112が第2の位置に位置しており、且つ、ソレノイド弁114が閉位置を維持している場合には、流体チャンバ182の内部に圧力が作用した状態において、作動流体の容量が保持される。
【0158】
アキュムレータ190の代替的な第2の実施例は、図15(a)及び図15(b)に表われており、ガス充填式アキュムレータの形態とされる。液圧式アキュムレータ108と同様に、アキュムレータ190は、流体導管174からの作動流体を受容するための、及び、受容された作動流体を流体チャンバ194に輸送するための流体ポート192を備えている。流体チャンバ194の境界は、弾性膜196によって形成されており、弾性膜196は、ガス充填式チャンバ198によって、流体ポート192に向かってひいては作動流体を流体チャンバ194から流体ポート192を通じて戻るように付勢する方向に付勢されている。作動流体がポンプ106から流体チャンバ194に流入した際に、図15(b)に表わすように、弾性膜196が、ガス充填式チャンバ198の内部のガスによって弾性膜196に作用される付勢力に抗して、流体チャンバ182の内部の作動流体によって、流体ポート180から離隔するように付勢される。第2の一方向弁112が閉位置に位置しており、且つ、ソレノイド弁114が閉位置を維持している場合には、流体チャンバ194の内部に圧力が作用した状態において、作動流体の容量が保持される。また、ストッパ部材が、弾性膜196が流体ポート192から離隔するように移動することを制限するために設けられている。ストッパ部材は、弾性膜196と接触すると制御回路58への出力を発生させるセンサを備えている。
【0159】
図16(a)は、ソレノイド弁114の断面図であり、図16(b)は、ソレノイド弁114の分解図である。ソレノイド弁114は、ソレノイド弁114の流体入口202を具備する磁心ハウジング200と、ソレノイド弁114の流体出口206を具備する下側弁ハウジング204とを備えている。Oリング208は、磁心ハウジング200と下側弁ハウジング204との間におけるシールを形成している。下側弁ハウジング204は、弁シート210を形成しており、磁心212が、バネ214によって、磁心ハウジング200と磁心212との間に配置されている弁シート210に抗して付勢されている。コイル216は、磁心ハウジング200の周りに配置されており、磁束導体218は、コイル216の周りに配置されている。コイル216は、制御回路58に接続されており、制御回路58は、コイル216を選択的に通電させることによって、コア212を弁シート210から離隔するように引っ張る磁場を発生させるので、図16(a)に表わす閉位置から、作動流体を流体入口202から流体出口206に通過させることができる開位置に、ソレノイド弁114を移行させることができる。コイル216が通電されてない場合には、バネ214が弁シート210に抗してコア212を付勢するので、ソレノイド弁214が閉位置に配置される。
【0160】
ソレノイド弁114の流体出口206は、流体導管222を介して、ハンドル流体出口ポート120に接続されている。図4に表わすように、ハンドル流体出口ポート120は、本体16の端面42において、流体入口104に隣り合って配置されている。また、ハンドル流体出口ポート120は、ハンドル12の長手方向軸線Xから離隔しており、当該実施例では、径方向においてオス型コネクタ38の反対側に配置されている。また、ハンドル流体出口ポート120は、駆動ユニット結合部材70から角度的に離隔している。清浄ツール14は、ハンドル流体出口ポート120からの作動流体を受容するための清浄ツール流体入口ポート224を備えている。好ましくは、清浄ツール流体入口ポート224は、ハンドル流体出口ポート120によって受容されるオス型コネクタの形態とされる。代替的には、清浄ツール流体入口ポート224は、メス型コネクタの形態とされ、ハンドル流体出口ポート120は、清浄ツール流体入口ポート224によって受容されるオス型コネクタの形態とされる。
【0161】
清浄ツール流体入口ポート224は、清浄ツール導管システム118の流体入口を提供する。ノズル36の流体出口102は、清浄ツール導管システム118の流体出口を提供する。図17及び図18を参照すると、清浄ツール導管システム118は、清浄ツール流体入口ポート224からノズル36に作動流体を輸送するための複数の導管を備えている。当該実施例では、清浄ツール導管システムは、好ましくはプラスチック材料又は金属材料から形成されている比較的高剛性な第1の流体導管230と、例えばPVCのような弾力性及び弾性を有する材料から形成されている比較的可撓性を有している第2の導管232とを備えている。
【0162】
第2の流体導管232は、第1の流体導管230と清浄ツール流体入口ポート224との間において延在している。第1の流体導管230は、ステム26の内部において接続ロッド82に隣り合って延在している杆体状の第1の部分234と、第2の部分236とを備えている。第1の部分234の一方の端部は第2の流体導管232に接続されており、第1の部分234の他方の意端部は第1の流体導管230の第2の部分236に接続されている。第2の部分236は、第1の部分234から曲げられており、当該実施例では、作動流体をノズル36に輸送するために約90°で曲がっている湾曲した導管部分から形成されている。ノズル36は、第1の流体導管230の第2の部分236に接続されている。
【0163】
第1の流体導管230は、比較的高剛性なサポート240に接続されている。サポート240は、サポート取付部242に接続されており、サポート取付部242は、ステム26の内部の所定位置にステム26に対して保持されている。当該実施例では、サポート240は、回動軸線P1を中心として回動運動するように、サポート取付部242に接続されている。回動軸線P1は、ステム26を貫通して延在しており、清浄ツール14の長手方向軸線Yに対して略直角に配置されている。
【0164】
従って、第1の流体導管230は、清浄ツール14のステム26に対して相対的に回動可能とされ、ひいてはハンドル12に対して回動可能とされる。案内部材244は、ステム26を中心とする第1の流体導管230の回動運動を案内するように、サポート取付部242に接続されている。ノズル36と第1の流体導管230との接続に鑑みて、第1の流体導管230がステム26に対して相対的に移動することによって、ノズル36が第1の流体導管230と共に移動する。結果として、ノズル36が、ステム26に接続されているブラシユニット29に対して相対的に移動される。当該実施例では、第1の流体導管230は、第1の流体導管230が回動軸線P1を中心として回動運動することによって、ノズル36が回動軸線P1を中心として延在している円状経路に沿ってブラシユニット29に対して相対的に移動されるように形成されている。
【0165】
ノズル36は、ブラシユニット29に関する第1の位置すなわち遠位位置とブラシユニット29に関する第2の位置すなわち近位位置との間において、ブラシユニット29に対して相対的に移動可能とされる。遠位位置では、ノズル36の先端が、剛毛32の端部を越えて外方に突出しており、近位位置では、ノズル36の先端は、剛毛32の端部に対して引っ込んでいる。
【0166】
案内部材244は、図19(a)に表わすように、ノズル36が遠位位置を越えて移動することを防止するためのストッパ部材と、図19(b)に表わすように、ノズル36が近位位置を越えて移動することを防止するためのストッパ部材とを備えている。ノズル36が遠位位置から近位位置に移動する際におけるノズル36の移動距離は、好ましくは1mm〜5mmとされ、当該実施例では約3mmとされる。ノズル36が遠位位置に位置している場合には、好ましくは、ノズル軸線Zが清浄ツール14の長手方向軸線Yに対して略直角とされる。第1の流体導管230が、回動軸線P1を中心として回動可能とされるので、ノズル36の先端が、回動軸線P1を通過する中心を有している円状経路に沿って、ブラシユニット29に対して相対的に移動する。ノズル36が遠位位置から近位位置に移動する際における、回動軸線P1を中心とするノズル36の先端の角度の変化量は、好ましくは約2.5°とされる。
【0167】
第1の流体導管230は、遠位位置に向かって且つブラシユニット29に対して相対的にノズル36を付勢する方向において、回動軸線P1を中心として運動するように付勢される。別の付勢部材が、回動軸線P1に関する当該方向において回動するように第1の流体導管230又はサポート240を付勢するように、ステム26の内部に配置されている場合がある。当該実施例では、第1の流体導管230は、第2の流体導管232によって、当該方向に移動するように付勢される。上述のように、第2の流体導管232は、好ましくは弾性材料から形成されているので、弾性変形可能な状態で第1の流体導管230と第2の流体導管232とを接続している。第2の流体導管232の一方の端部は、清浄ツール流体入口ポート224によって、ステム26に対して相対的に第1の位置に保持されている。清浄ツール流体入口ポート224は、コネクタ246を介してサポート取付部242に接続されており、第2の正面歯車76は、コネクタ246に対して相対的に回転運動するように、コネクタ246に取り付けられている。第2の流体導管232の他方の端部は、第1の流体導管230に接続されており、ステム26に対して自在に移動可能とされる。弾性変形された第2の流体導管232に作用する内力は、第2の流体導管232の固定端部に対して相対的に移動するように第2の流体導管232の自由端部を付勢する方向に作用する。これにより、第1の流体導管230が、ノズル36をブラシユニット29に対して相対的に遠位位置に向かって付勢する回動軸線P1に関して、上述の方向に回動するように付勢される。
【0168】
センサ250は、ハンドル12と清浄ツール14のステム26とに対するサポート240の移動ひいてはサポート240を伴う第1の流体導管230及びノズル36の移動を検出するために設けられている。センサ250は制御回路58に接続されている。当該実施例では、センサ250は、ホール効果センサの形態とされ、サポート240に接続されている磁石252の移動を検出し、センサ250及び磁石252の相対位置に依存する電圧を有している出力を発生させる。制御回路58は、センサ250からの出力を受け、10ms毎にすなわち100Hzの周波数で当該出力をサンプリングすることによって、サンプリングされた出力すなわちサンプリングされた電圧Sを発生させるように構成されている。
【0169】
10ms毎に受信したサンプリングされた出力に基づいて、制御回路58は、連続するサンプリングされた出力同士の差分から、サンプリングされた出力の変化率Sを発生させるように構成されている。従って、制御回路は、10ms毎にSの値を計算するように構成されている。
【0170】
さらに、制御回路は、Sの直近の10個の値についての平均値を計算することによって、センサからの出力Sの平均変化率を決定するように構成されている。従って、Sの値も、先行する100msの時間周期に際に計算される値から10ms毎に計算される。
【0171】
磁石252はアーム254に接続されており、アーム254はサポート240に接続されている。アーム254は、アーム254の第1の端部256がソケット258の内部において回転可能とされるように、サポート240に形成されているソケット258に挿入されている第1の端部256を備えている。磁石252はアーム256の第2の端部260に接続されている。アーム256の長さは、清浄ツール14がハンドル12に接続された場合に磁石252がハンドル12に面している清浄ツール14の端面に隣り合って配置されるように選定されている。これにより、センサ250がハンドル12に配置されるので、センサ250は制御回路58に容易に接続可能とされる。
【0172】
好ましくは、アーム254は、第2の回動軸線P2を中心として、サポート240に対して相対的に回動可能とされる。第2の回動軸線P2は、回動軸線P1から離隔配置されており、且つ、回動軸線P1に対して平行とされる。第2の回動軸線P2は、サポート240が回動軸線P1を中心として移動することによってアーム254の第1の端部256が移動し、その結果として、アーム254の第2の端部260が第2の回動軸線P2を中心としてより大きく移動するように、アーム254の第1の端部256が接続されているソケット258を貫通している。このことは、サポート240に直接接続されている磁石252が生み出す移動と比較して、センサ250に対する磁石252の移動を大きくするように機能する。第2の回動軸線P2を中心とするアーム256の移動は、一組の拘束部材262によって案内される。一組の拘束部材262の間にはアーム256が配置されており、一組の拘束部材262はステム26に接続されている。
【0173】
利用の際には、利用者は、最初に作動流体で、当該実施例では水で流体リザーバ34を充填する。図20に表わすように、利用者は、蛇口の吐出口の下方に歯清浄装置10を載置し、蛇口を捻り、吐出口からの水をハンドル12の本体16の凹状部分126に注ぐ。流体ポート122が露出されるように外部カラー124が第1の位置に位置している状態において、湾曲した壁128は、流体ポート122を通じて流体リザーバ34の内部に向かって、水を案内する。流体リザーバ34の外部壁132が透明になっているので、利用者は、流体リザーバ34の充填の程度、及び、水の重量が作用した条件下における流体リザーバ34の内部壁138の収縮を観察することができる。流体リザーバ34が水で充填されると、空気が膨張チャンバ148から放出される。流体リザーバ34が満杯になっている場合には、利用者は、外部カラー124を第2の位置に移動させることによって、流体ポート122を流体供給システム100の流体入口104に接続させる。
【0174】
利用者がボタン22を押下することによって歯清浄装置10の電源を入れると、ボタン22の押下が制御回路58によって検出される。その後に、利用者は、ボタン20を押下することによって歯清浄装置10の動作モードを選択することができる。現在選択されている歯清浄装置10の動作モードはディスプレイ24に表示され、利用者は、所望の動作モードがディスプレイ24に表示されるまで、ボタン20を押下することによって、選択可能とされる様々な動作モードに切り替えることができる。当該実施例では、6つの異なる利用者が選択可能な動作モードが、[表1]に示すように存在する。
【0175】
【表1】
【0176】
動作モード1〜3及び6のうちいずれかが選択された場合には、制御回路58が、図21に表わすように、ブラシ歯300に至るまでハンドル12に対して相対的にブラシユニット29を移動させるために、モータ56を動作させる。利用者は、このようなブラシユニット29の移動に抗して、ブラシユニット29を押す。駆動機構50とモータ58とは、毎分4000回転から毎分6000回転の範囲で、剛毛キャリア30をノズル36の周りで移動させるように構成されている。回転それぞれがクランク78の単一の360°回転、すなわちノズル36を中心とする剛毛キャリア30の単一の360°の軌道運動とされる。
【0177】
動作モード2〜6のいずれかが選択された場合には、最初に、制御回路58が、アキュムレータ108を満たすようにポンプ106を動作させる。ソレノイド弁114が閉位置に位置している状態において、ポンプ106は、所定量の水を流体リザーバ34から引き込み、引き込まれた所定量の水をアキュムレータ108に輸送するように、所定の期間、当該実施例では約500msの間、動作される。当該実施例では、ポンプ106が動作する所定の期間それぞれにおいて流体リザーバ34から引き込まれる所定量の水は、約25mlとされる。所定量の水がアキュムレータ108によって受容されている場合には、アキュムレータ108の流体チャンバ182の内部における水の圧力は、約5.5bar(約550kPa)とされる。ポンプ106は、所定の期間を経過した際に、又はアキュムレータ108に配置されているセンサが発生させる出力の受信に応答して、制御回路58によって動作停止される。所定量の水をアキュムレータ108に供給した後に、第2の一方向弁112が閉位置に位置され、これにより水がアキュムレータ108からポンプ106に逆流することが防止される。
【0178】
動作モード2、動作モード4、又は動作モード6が利用者によって選択された場合には、水の噴流が、ボタン18の押下に応答してノズル36から放出される。ボタン18の押下は、制御回路58によって検出される。制御回路58は、ソレノイド弁114を開位置に移動させるために、ソレノイド弁114のコイル216を動作させる。これにより、アキュムレータ108のピストン186が流体ポート180に向かって急速に移動し、加圧された水の噴流として所定量の水をアキュムレータ108から外部に向かって付勢する。所定量の水をアキュムレータ108から付勢するのに要する時間は、好ましくは1ms〜50msとされ、当該実施例では約30msとされる。水の噴流は、ソレノイド弁114及び清浄ツール導管システム118を通過して、ノズル36の流体出口102から放出される。ノズル36が隣接歯間の間隙の内部に位置決めされている場合、又は隣接歯間の間隙と位置合わせされている場合には、ノズル36から放出された水の噴流は、隣接歯間の間隙の内部に位置する物体を除去することができる。
【0179】
制御回路58は、水の噴流を清浄ツール導管システム118に供給した後にアキュムレータ108を再充填するように構成されている。制御回路58は、ソレノイド弁114を閉位置に移動させるように、且つ、流体リザーバ34からアキュムレータ108に別の水の噴流を輸送するためにポンプ106を動作させるように構成されている。制御回路58は、アキュムレータ108が水で完全に再充填されるまで、すなわち水の最後の噴流がノズル36から放出された後の約500msの間において、利用者によるボタン18の押下に応答してソレノイド弁114が開くことを防止するように構成されている。
【0180】
動作モード3、動作モード5、又は動作モード6が利用者によって選択された場合には、水の噴流が、センサ250からの出力に従ってノズル36から放出される。従って、動作モード6が選択された場合には、水の噴流が、センサ250からの出力に従って、又はボタン18の押下に応答して、ノズル36から放出される。図21(a)〜図21(f)は、利用者の歯300を清浄するための歯清浄装置10の利用を概略的に表わす。ブラシユニット29が利用者の歯を横断して移動される場合に、ノズル36の先端が利用者の歯に接触する。ノズル36が利用者の歯に対して押圧された場合にノズル36に作用する力は、第2の流体導管232が第1の流体導管230に作用させる付勢力より大きいので、ノズル36は、ノズル36の遠位位置から離隔してノズル36の近位位置に向かって移動する。ブラシユニット29が例えば歯302を横断して移動される場合には、ステム26に対するノズル36の位置は、歯302の輪郭とヘッド28を歯302に対して押圧する力とに大きく依存する。
【0181】
制御回路58は、初期に、第1の状態すなわち“準備未完了”状態とされる。ブラシユニット29が歯302から隣り合う歯304に通過する場合には、図21(c)に表わすように、ノズル306は、歯302,304同士の隣接歯間の間隙の上方に配置されている。このような配置では、利用者の歯との接触を通じてノズル36に作用する力が解消される。これにより、第2の流体導管232が、回動軸線P1を中心として回動するように第1の流体導管230を付勢するので、ノズル36がノズル36の遠位位置に向かって急速に移動される。このように第1の流体導管230が回動軸線P1を中心として移動することによって、サポート240がサポート取付部242に対して相対的に移動し、これにより磁石252がセンサ250に対して相対的に図19(a)に表わす位置に向かって急速に移動する。
【0182】
このことは、センサ250から制御回路58に出力される信号に急激な変化を発生させるので、制御回路58によって計算されるSの値に比較的大きな変化をもたらす。当該実施例では、Sは、ノズル36がノズル36の遠位位置に向かって急速に移動した場合に、比較的大きい負の値を有している。Sの値が第1の閾値を下回った場合に、制御回路58は、第2の状態すなわち“準備完了”状態に移行する。このような場合は、ノズル36の先端が隣接歯間の間隙に侵入した際に発生する。
【0183】
ノズル36の先端が隣接歯間の間隙の内部に配置されている状態において、Sの値が急速に増大する。Sの値は、約零の値、又は零より大きい値とされる。ノズル36の先端が歯304の上方を移動し始めると、ノズル36がノズル36の遠位位置から離隔するように移動するからである。
【0184】
実質的にSの値が第1の閾値より大きい第2の閾値を上回った場合に、制御回路58は、第3の状態すなわち“放出”状態に移行する。第3の状態では、制御回路58が、ソレノイド弁114を開くようにソレノイド弁114のコイル216を動作させる。上述のように、ソレノイド弁114を開くことによって、図21(e)において参照符号306で示すように、水の噴流が、ノズル36から隣接歯間の間隙の内部に放出される。
【0185】
制御回路58は、水の噴流を清浄ツール導管システム118に供給した後に、アキュムレータ108を再充填するように構成されている。制御回路58は、ソレノイド弁114を閉位置に移動させるように、且つ、他の水の噴流を流体リザーバ34からアキュムレータ108に輸送するためにポンプ106を動作させるように構成されている。制御回路58は、アキュムレータ108が水で完全に再充填されるまで、すなわち水の最後の噴流がノズル36から放出された後の約500msの間において、センサ250から受けた出力に応答してソレノイド弁114が開くことを防止するように構成されている。アキュムレータ108が再充填されると、制御回路58は、第1の状態すなわち“準備未完了”状態に復帰する。
【0186】
歯清浄装置10は、ノズル36が利用者の隣接歯間の間隙の内部に配置されていない場合に、例えば歯清浄装置10の運搬中に動作モード2、動作モード4、及び動作モード6のうちいずれかが利用者によって選択されてしまった場合に作動流体の噴流が不慮に放出される危険性を低減するように構成されている。これら動作モードそれぞれの場合に、モータ56が、剛毛キャリア30をハンドル12に対して相対的に移動させるように動作される。ハンドル12に対する剛毛キャリア30の移動速度を一定に維持するために、モータ56は、抵抗に従って変化する可変の電流量を引き込み、引き込まれた電流は、ノズル36を中心とするブラシユニット29の動作に利用される。モータ56によって引き込まれた電流量は、ブラシユニット29が利用者の歯に対して押圧されている状態を示す。
【0187】
制御回路58は、モータ56によって引き込まれた電流を監視するように構成されている。モータ56によって引き込まれた電流がプリセットされた閾値を下回った場合には、例えば最初に歯清浄装置10の電源が利用者によって入れられた場合、又は歯清浄装置10の電源が入っているが、流体リザーバ34が利用者によって再充填された場合には、このことは、ブラシユニット29が利用者の歯を清浄するために利用されていない状態を示す。この場合には、歯清浄装置10は、ボタン18が押下されているか否か(動作モード2又は動作モード6になっているか)やセンサ250から出力されているか否か(動作モード3又は動作モード6になっているか)とは無関係に、水の噴流を利用者の歯に供給することを防止する第1の動作モードに移行する。
【0188】
モータ56によって引き込まれた電流がプリセットされた閾値を上回った場合には、このことは、ブラシユニット29が利用者の歯を清浄するために利用されている状態を示す。この場合には、歯清浄装置10は、水の噴流を利用者の歯に供給することを許可する第2の動作モードに移行する。モータ56によって引き込まれた電流は、制御回路58によって連続的に監視されている。制御回路58は、検出された電流がプリセットされた閾値を下回った場合に、又は検出された電流がプリセットされた閾値を上回った場合に、第1の動作モードと第2の動作モードとを自動的に移行するように構成されている。
【0189】
また、第1の閾値より大きい第2の閾値が、制御回路58にプリセットされている。モータ56によって引き込まれた電流が第2の閾値を上回った場合には、制御回路58は、ブラシユニット29が利用者の歯に対して過剰な力で押し付けられていることを利用者に喚起するために、例えば音響的警報やディスプレイ24に表示される視覚的警報のような警告を発報する。
【0190】
上述の実施例では、アキュムレータ108の流体チャンバ182の容積は、単一の作動流体の噴流の体積と略同一である。しかしながら、流体チャンバ182の容積は、単一の作動流体の噴流の体積より大きい場合もある。
【0191】
第2の実施例では、流体チャンバは0.75mlの容積を有しており、単一の作動流体の噴流は約0.25mlの体積を有している。第2の実施例では、制御回路58は、第3の状態にある場合に、所定の期間、ソレノイド弁114を開位置に保持するように構成されており、これにより、単一の作動流体の噴流を形成するために必要とされる体積の作動流体のみが、アキュムレータ108から放出可能とされる。例えば、ソレノイド弁114は、0.25mlの体積を有する単一の作動流体の噴流をノズル36に供給するために、30msの間、開位置に保持される。制御回路58は、当該単一の作動流体の噴流が放出された後に、第1の状態に復帰する。この場合において、アキュムレータ108の内部の作動流体の量が3つの作動流体の噴流をノズル36に供給するのに十分であるならば、制御回路58は、3つの作動流体の噴流それぞれを清浄ツール導管システム118に供給した後に、アキュムレータ108を再充填するように構成されている。
【0192】
第3の実施例では、流体チャンバが0.25mlの容積を有しており、単一の作動流体の噴流は約0.08mlの体積を有している。第2の実施例と同様に、第3の実施例では、制御回路58は、所定の期間、ソレノイド弁114を開位置に保持するように構成されており、これにより、単一の作動流体の噴流を形成するために必要とされる体積の作動流体のみが、アキュムレータ108から放出可能とされる。例えば、ソレノイド弁は、0.08mlの体積を有する作動流体の噴流をノズル36に供給するために、約10msの間、開位置に保持される。また、制御回路58が、3つの作動流体の噴流それぞれを清浄ツール導管システム118に供給した後に、アキュムレータ108を再充填するように構成されている場合には、第3の実施例においてアキュムレータ108を再充填するために必要とされる時間は、第2の実施例においてアキュムレータ108を再充填するために必要とされる時間より短い。
【0193】
第1〜第3の実施例それぞれにおいて、制御回路58は、センサ250からの出力又は例えばボタン18の押下のような利用者による歯清浄装置10の操作とされる、受けた入力に従って作動流体の単一の噴流を供給するように構成されている。しかしながら、制御回路58は、当該受けた入力に従って作動流体の噴流の一群を供給するように構成されている場合がある。好ましくは、当該一群の作動流体の噴流それぞれの体積は略同一である。
【0194】
第4の実施例では、アキュムレータ108の流体チャンバ182が0.25mlの容積を有しており、制御回路48は、動作モード2〜動作モード6のうち一の動作モードが利用者によって選択されていれば、利用者によるボタン18の押下に応答して又はセンサ250からの出力に従って、約0.08mlの体積をそれぞれ有する3つの作動流体の噴流から成る一群を供給するために流体供給システム100を制御するように構成されている。
【0195】
例えば、動作モード2又は動作モード4が利用者によって選択された場合には、水の噴流の一群が、利用者によるボタン18の押下に応答して、ノズル36から放出される。ボタン18の押下は、制御回路58によって検出される。制御回路58は、ソレノイド弁114を開位置に移動させるために、ソレノイド弁114のコイル216を動作させる。制御回路58は、所定の期間のみ、ソレノイド弁114を開位置に保持し、これにより、アキュムレータ108のピストン186が、第1の加圧された水の噴流を形成するために、アキュムレータ108からの所定量の水を付勢することができる。当該実施例では、アキュムレータ108からの所定量の水を付勢するために要する時間は約10msであるので、当該所定の期間の経過後に、制御回路58がソレノイド弁114のコイル216の動作を停止させることによって、ソレノイド弁114は閉位置に移動する。
【0196】
ソレノイド弁114が閉位置に配置されると、制御回路58は、ソレノイド弁114を開位置に復帰させるために、ソレノイド弁114のコイル216を再作動させる。また、制御回路58は、所定の期間のみ、当該実施例では約10msの第2の期間、ソレノイド弁114を開位置に保持し、これにより、アキュムレータ108のピストン186は、第2の加圧された水の噴流を形成するために、第2の所定量の水をアキュムレータ108から付勢することができる。
【0197】
当該所定の期間が経過した後に、制御回路58はソレノイド弁114のコイル216の動作を停止させるので、ソレノイド弁114が閉位置に移動する。ソレノイド弁114が閉位置に配置されると、制御回路58は、ソレノイド弁114を開位置に復帰させるために、ソレノイド弁114のコイル216を再び再作動させる。もう一度、制御回路58は、所定の期間のみ、当該実施例では約10msの第3の期間、ソレノイド弁114を開位置に保持し、これにより、アキュムレータ108のピストン186は、第3の加圧された水の噴流を形成するために、第3の所定量の水をアキュムレータ108から付勢することができる。当該所定の期間が経過した後に、制御回路58はソレノイド弁114のコイル216の動作を停止させるので、ソレノイド弁114が閉位置に移動する。その後に、ポンプ106は、アキュムレータ108を再充填するように動作される。
【0198】
連続する作動流体の時間間隔は、一群の作動流体の噴流全体が単一の隣接歯間の間隙に供給されるように、好ましくは均等であり、好ましくは1ms〜25msとされ、より好ましくは2ms〜10msとされる。これにより、連続する噴流それぞれによって、ノズル36の先端が隣接歯間の間隙に対して僅かに変位するので、隣接歯間の間隙からの物体の除去が改善される。
【0199】
第4の実施例では、アキュムレータ108の流体チャンバ182の容積は、ノズル36から作動流体の噴流から成る単一群に放出される作動流体の体積と略同一とされる。代替的には、アキュムレータ108の流体チャンバ182の容積は、作動流体の噴流から成る単一群としてノズル36から放出される作動流体の体積より大きい場合がある。例えば第5の実施例では、流体チャンバ182の容積が0.75mlに増加しているが、制御回路58は、利用者によるボタン18の押下に応答して又はセンサ250からの出力に従って、約0.08mlの体積をそれぞれ有する3つの作動流体の噴流から成る同一の単一群を放出するように構成されている。従って、第5の実施例では、アキュムレータ108は、3つの作動流体の噴流を歯清浄装置10から供給した後に再充填を必要とする。
【符号の説明】
【0200】
10 歯清浄装置
12 ハンドル
14 清浄ツール
16 本体
18 ボタン
20 ボタン
22 ボタン
24 ディスプレイ
26 ステム
28 ヘッド
29 ブラシユニット
30 剛毛キャリア
32 剛毛
34 流体リザーバ
36 ノズル
38 オス型コネクタ
40 メス型コネクタ
50 駆動機構
52 伝動ユニット
54 駆動ユニット
56 モータ
58 制御回路
60 バッテリ
62 カバー
64 第1の平歯車
66 第2の平歯車
68 シャフト
70 駆動ユニット結合部材
72 伝動ユニット結合部材
74 第1の正面歯車
76 第2の正面歯車
78 クランク
80 (接続ロッド82の)第1の端部
82 接続ロッド
100 流体供給システム
102 (ノズル36の)流体出口
104 (ノズル36の)流体入口
106 (流体供給システム100の)ポンプ
108 液圧式アキュムレータ
110 第1の一方向弁
112 第2の一方向弁
114 ソレノイド弁
116 ハンドル導管システム
118 清浄ツール導管システム
120 ハンドル流体出口ポート
122 流体ポート
124 外部カラー
126 (本体16の)凹状部分
128 (凹状部分126の)湾曲した壁
130 環状シール(Oリング)
132 (流体リザーバ34の)外部壁
134 (外部壁132の)開口部
136 (外部壁132の)開口部
138 (流体リザーバ34の)内部壁
140 (内部壁138の)端部
142 (内部壁138の)端部
144 (内部壁138の)外部表面
146 (内部壁138の)内部表面
148 (清浄ツール14の)膨張チャンバ
150 (膨張チャンバ壁152の)外部表面
152 (膨張チャンバ148の)膨張チャンバ壁
154 (膨張チャンバ壁152の)開口部(ポート)
156 (ハンドル導管システム116の)流体導管
160 (ポンプ106の)モータ
162 (モータ160の)歯車列
164 膜
166 クランク
168 ポンプチャンバ
170 (ポンプチャンバ168の)チャンバ入口
172 (ポンプチャンバ168の)チャンバ出口
174 流体導管
180 (液圧式アキュムレータ108の)流体ポート
182 流体チャンバ
184 弾性膜
186 バネ装填式ピストン
188 バネ
190 アキュムレータ
192 (アキュムレータ190の)流体ポート
194 流体チャンバ
196 弾性膜
198 ガス充填式チャンバ
200 (ソレノイド弁114の)磁心ハウジング
202 (ソレノイド弁114の)流体入口
204 (ソレノイド弁114の)下側弁ハウジング
206 (ソレノイド弁114の)流体出口
208 Oリング
210 弁シート
212 磁心
214 バネ
216 コイル
218 磁束導体
222 流体導管
224 清浄ツール流体入口ポート
230 第1の流体導管
232 第2の流体導管
234 (第1の流体導管230の)第1の部分
236 (第1の流体導管230の)第2の部分
240 サポート
242 サポート取付部
244 案内部材
250 センサ
252 磁石
254 アーム
256 (アーム254の)第1の端部
258 ソケット
260 (アーム254の)第2の端部
300 ブラシ歯
P1 回動軸線
P2 第2の回動軸線
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図7(d)】
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図13(a)】
図13(b)】
図14(a)】
図14(b)】
図15(a)】
図15(b)】
図16(a)】
図16(b)】
図17(a)】
図17(b)】
図17(c)】
図18(a)】
図18(b)】
図18(c)】
図18(d)】
図19(a)】
図19(b)】
図20
図21(a)】
図21(b)】
図21(c)】
図21(d)】
図21(e)】
図21(f)】