特許第6469897号(P6469897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469897
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】タービンブレード
(51)【国際特許分類】
   F01D 9/02 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   F01D9/02 102
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-567740(P2017-567740)
(86)(22)【出願日】2016年6月21日
(65)【公表番号】特表2018-524511(P2018-524511A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】EP2016064274
(87)【国際公開番号】WO2017005484
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2018年4月5日
(31)【優先権主張番号】15175301.9
(32)【優先日】2015年7月3日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・ブーフホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ゴシリン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ・コフ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・シューラー
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/144244(WO,A1)
【文献】 特開2003−314203(JP,A)
【文献】 特開2001−271603(JP,A)
【文献】 特開2006−342804(JP,A)
【文献】 特開2004−183656(JP,A)
【文献】 特開2007−182777(JP,A)
【文献】 特開2008−051104(JP,A)
【文献】 特表2009−517574(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2476863(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/14
F01D 5/18
F01D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットフォームと、前記プラットフォーム上に配置された中空のブレード翼(18)であって、前記ブレード翼(18)が、圧縮側ブレード翼壁部(34)及び吸引側ブレード翼壁部(32)を備え、前記圧縮側ブレード翼壁部(34)及び前記吸引側ブレード翼壁部(32)が、共通の前縁部(28)から共通の後縁部(30)まで、中央に配置された湾曲プロファイル中央線(42)に沿って延在する、ブレード翼(18)と、前記ブレード翼(18)と前記プラットフォーム(16)との間の、外側輪郭プロファイルを示す移行部(36)と、
を有する鋳造された中空のタービンブレード(10)であって、
前記吸引側ブレード翼壁部(32)及び前記圧縮側ブレード翼壁部(34)が、局所的に決定されるブレード壁部厚さ(D)をそれぞれ有し、
前記タービンブレード(10)が、前記移行部(36)の領域において、キャビティを画定する内面を有し、前記内面の輪郭が、前記移行部(36)の領域において略一様なブレード壁部厚さ(D)となるように、第1の部分(41)の内面に適合される、タービンブレード(10)において、
前記移行部(36)では、前記ブレード翼(18)における前記前縁部(28)の第の部分(40)上での内面の輪郭プロファイルが、前記第1の部分(41)の前記移行部(36)の前記ブレード壁部厚さ(D)と比較してブレード壁部厚さ(D)が前記第2の部分(40)において増大されるように構成されることを特徴とするタービンブレード(10)。
【請求項2】
前記第2の部分(40)の前記輪郭プロファイルが、径方向軸線(14)に沿って直線形であることを特徴とする請求項1に記載のタービンブレード(10)。
【請求項3】
前記プラットフォームが、所定のプラットフォーム壁部厚さ(D)を有し、前記第2の部分(40)から離れる前記ブレード翼(18)が、所定のブレード壁部厚さ(D)を有し、略一様なブレード壁部厚さを有する前記領域では、所定のプラットフォーム壁部厚さ(D)に対する所定のブレード壁部厚さ(D)の比率(D/D)が、0.5から1の間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタービンブレード(10)。
【請求項4】
増大されたブレード壁部厚さ(D)を有する前記第2の部分(40)が、前記前縁部(28)から、前記吸引側ブレード翼壁部(32)及び/又は前記圧縮側ブレード翼壁部(34)に沿って、前記湾曲プロファイル中央線(42)に沿って、前記湾曲プロファイル中央線(42)の長さの15%よりも小さい位置まで延在していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のタービンブレード(10)。
【請求項5】
タービンガイドベーンとして構成された、請求項1から4のいずれか一項に記載のタービンブレード(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書き部に記載のタービンブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
中空のタービンブレード、特にガスタービンブレードは、ブレード翼からプラットフォームへの移行部の領域において、外面に、負荷及び鋳造の観点から必要な湾曲を有し、材料の蓄積部が、内部に設けられた冷却ダクトの直線的内部構成に起因して、このフィレットのような移行部で局所的に生じ、前記材料の蓄積部は、蓄積部で流れることが可能な冷却媒体によって冷却しづらい。このようなタービンブレードは、例えば特許文献1及び2から公知であり、特許文献2は、局所的な冷却空気ダクトを設けることによって材料の蓄積部を冷却することを提案している。さらに、特許文献3は、曲げられた金属シートから製造されたタービンブレードを示している。
【0003】
より長い寿命を有するタービンブレードは、特許文献4からさらに公知であり、特許文献4では、ブレード内部におけるブレード翼からプラットフォームへの移行部の輪郭は、移行領域でさえも所定のブレード翼壁部厚さを得るように構成され、この所定のブレード翼壁部厚さは、ブレード翼の残りの部分の壁部厚さにおおよそ相当する。この場合、輪郭は、全体的な閉じられた周囲に沿って、すなわちプラットフォームに沿って適合される。しかしながら、減少された壁部厚さは、強度の理由のために、タービンブレードの寿命にネガティブな影響を有する可能性があり、これは望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6019579号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/012592号パンフレット
【特許文献3】米国特許第2861775号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1355041号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、増大された寿命が達成されるとともにブレード翼からプラットフォームへの移行領域が十分に冷却可能であり続ける、鋳造されたタービンブレードを示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
目的は、請求項1において規定される特徴を有するタービンブレードによって達成される。有利な形態は、従属請求項に表され、従属請求項の特徴は、要求に応じて互いに組み合わせることができる。
【0007】
本発明によれば、おいて書き部に対応するタービンブレードに対して、移行部の領域において、キャビティを画定する内面を有し、前記内面の輪郭が、移行部の領域において略一様なブレード壁部厚さとなるように、第1の部分の内面に適合され、移行部では、ブレード翼における前縁部の反対側に配置された第2の内面部分上での内面の輪郭プロファイルが、内面の第1の部分の移行部のブレード壁部厚さと比較してブレード壁部厚さが第2の内面部分において増大されるように構成されることが規定される。言い換えれば、移行部では、ブレード翼における前縁部の反対側に配置された内面部分上での輪郭プロファイルが、局所的な内面部分から離れる移行部のブレード壁部厚さと比較してブレード壁部厚さが第2の内面部分において増大されるように構成される。
【0008】
従って、タービンブレードは、その内部において、プラットフォームのレベルに、キャビティの周囲周りで異なる輪郭を有する。前縁部の領域では、キャビティの内部輪郭は、前縁部を備えるガスタービンの径方向軸線に沿って直線形である傾向があり、移行部から離れる、前縁部の反対側に配置された当該内面と一直線にされる。このようにして、材料の蓄積を回避する内部輪郭が、前縁部のさらに下流で見つかるブレード翼の当該領域にのみ存在する。
【0009】
好ましくは、増大されたブレード壁部厚さを有する第2の内面部分は、ブレード翼の前縁部から、吸引側壁部及び/又は圧縮側壁部に沿って、プロファイル中央線に沿って、プロファイル中央線の長さの9%以下である位置まで、延在している。
【0010】
本発明により、特にタービンブレードの前縁部領域での強度が局所的に増大され、これにより、問題となる領域での増大された寿命をもたらす。
【0011】
プラットフォームが、所定のプラットフォーム壁部厚さを有し、移行部から離れるブレード翼が所定のブレード壁部厚さを有し、移行部の略一様なブレード壁部厚さを有する領域では、所定のブレード壁部厚さに対する所定のプラットフォーム厚さの比率が0.5から1の間であることが、特に有利であることが分かった。
【0012】
このようなタービンブレードは、特に均一に冷却することができ、それにより、タービンブレードの材料の熱機械応力を減少させる。
【0013】
本発明の例示的な実施形態が、以下の図に示されている。
【0014】
すべての図では、同一の特徴には、同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ガイドベーンとして構成されたタービンブレードの基部領域の平面図を示す。
図2】切断線II−IIに沿った、図1によるタービンブレードの長手方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、タービンブレード10の斜視図を示す。斜視図は、ガイドベーンとして構成されたタービンブレード10の固定領域12の平面図が図示されるように、選択されている。図2は、図1の切断線II−IIでのタービンブレード10の長手方向断面図を示す。タービンブレード10は、径方向軸線14に沿って連続して、固定領域12と、固定領域12に隣接するブレードプラットフォーム16と、ブレード翼18と、を備えている。固定領域12には、タービンブレード10をタービンガイドベーン支持体(図示せず)に固定するために働くブレード基部20が形成されている。
【0017】
本発明は、例として、2つのプラットフォームを有するガイドベーンとして構成されたタービンブレードを用いて図示されている。それにもかかわらず、他の形態が可能であり、特に、タービンブレードはタービンのロータブレードとして構成することもできる。タービンブレードの少なくとも本体は、鋳造プロセスによって製造され、少なくともブレード翼18及び少なくとも1つのプラットフォーム16を備えている。
【0018】
図から明らかなように、本発明によるタービンブレード10、特にそのブレード翼18は、内部が中空となるように実現され、このため、タービンブレード10は、キャビティ25を備えており、キャビティ25は、衝突冷却を有するか又は有しない冷却ダクトとして公知の方式で構成することができる。
【0019】
ブレード翼18は、前縁部28から後縁部30まで延在している。この場合、ブレード翼18は、(図1において概略的にのみ示された)吸引側ブレード壁部32と、圧縮側ブレード壁部34と、を備えている。径方向14では、ブレード壁部32,34は、略一定である壁部厚さDを有している。
【0020】
製造プロセスに起因して、ブレード翼18とプラットフォーム16との間には移行部36があり、前記移行部36は、タービンブレード10の外面上で丸みを帯びており、従ってフィレットの形態にある。
【0021】
内部では、ブレード翼18は、外面の反対側に配置された内面を有している。これは、吸引側ブレード壁部32の領域においてブレード翼18が移行部の外側輪郭プロファイルに部分的に適合され、すなわちブレード先端からブレード基部まで径方向14に沿って部分的に適合され、このため、吸引側ブレード壁部32での移行部36において略一様なブレード壁部厚さDとなるように構成される。
【0022】
移行部36の領域での内面は、前縁部28の反対側に配置された第2の内面部分40を備え、第2の内面部分40の輪郭プロファイルは、第2の内面部分40から離れる移行部のブレード壁部厚さDと比較するとブレード壁部厚さDが第2の内面部分40において増大されるように構成される。言い換えれば、第2の内面部分40は、前縁部のすぐ近くの場所のみに配置され、径方向14又は長手方向断面で見るとブレード翼の残りの部分と一直線を形成している一方で、吸引側及び/又は圧縮側の内面の残りの部分は、移行部において湾曲しており、すなわちおおよそ一様なブレード壁部厚さDを有する第1の内面部分41が維持されている。従って、前縁部28からスタートして移行部36に沿って、増大された壁部厚さDを有する第2の内面部分40は、ブレード翼の壁部厚さDに対応する壁部厚さDを有する第1の内面部分41に続いている。
【0023】
結果として、前縁部28の領域で厚くされた、タービンブレード10の移行領域が設けられ、前記移行領域は、残りの領域よりも高い剛性を有する。これは、タービンブレード10の寿命を向上させる。
【0024】
全体として、本発明は、プラットフォーム16と、プラットフォーム16上に配置された中空のブレード翼18であって、ブレード翼18が、圧縮側ブレード壁部34及び吸引側ブレード壁部32を備え、圧縮側ブレード壁部34及び吸引側ブレード壁部32が、共通の前縁部28から共通の後縁部30まで、中央に配置された湾曲プロファイル中央線42に沿って延在する、ブレード翼18と、ブレード翼とプラットフォーム16との間の、外側輪郭プロファイルを示す移行部36と、を有する鋳造されたタービンブレード10であって、ブレード壁部32,34が、局所的に決定されるブレード壁部厚さDをそれぞれ有し、タービンブレードが、内部では、所定の輪郭プロファイルを有し、所定の輪郭プロファイルが、移行部36の領域において略一様なブレード壁部厚さとなるように、移行部36の外側輪郭プロファイルに部分的に適合される、タービンブレードに関する。このようなタービンブレードの寿命をさらに向上させるために、本発明は、移行部36において、ブレード翼における前縁部28の反対側に配置された第2の内面部分40上での輪郭プロファイルが、前縁部から離れる移行部のブレード壁部厚さと比較してブレード壁部厚さが第2の内面部分40において増大されるように構成されることを提供する。
【符号の説明】
【0025】
10 タービンブレード、14 径方向軸線、16 プラットフォーム、18 ブレード翼、28 前縁部、30 後縁部、32 吸引側ブレード翼壁部、34 圧縮側ブレード翼壁部、36 移行部、40 第2の内面部分、41 第1の部分、42 湾曲プロファイル中央線、D ブレード壁部厚さ、D ブレード壁部厚さ、D ブレード壁部厚さ、D プラットフォーム壁部厚さ、D/D 比率
図1
図2