特許第6469901号(P6469901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6469901
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】ネットフェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   E04H17/16 105A
   E04H17/16 106
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-7167(P2018-7167)
(22)【出願日】2018年1月19日
【審査請求日】2018年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】502313233
【氏名又は名称】共和鋼業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100155457
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】森永 耕治
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−007638(JP,U)
【文献】 特開2015−010372(JP,A)
【文献】 実開平06−074761(JP,U)
【文献】 特開2008−038507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00−17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の支柱と、前記一対の支柱に取り付けられた上下の胴縁と、両胴縁の間に張設されたひし形金網とを備えたネットフェンスであって、
前記ひし形金網が、胴縁の延在方向に延びる複数の波形の列線の屈曲部同士を上下方向で互いに係合させてなり、
下側の胴縁の両端を、前記一対の支柱にフェンス厚さ方向両側に係合可能に取り付けた状態で上下方向にスライド可能としたネットフェンス。
【請求項2】
各支柱が、上下方向に延びる開口部が設けられた壁を有し、
前記下側の胴縁に固定された取付金具と、前記取付金具に設けられた穴及び前記支柱の開口部に挿通されたボルトと、前記ボルトに螺合し、前記取付金具との間に前記支柱の壁を挟持する留め具とを有する請求項1に記載のネットフェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットフェンスは、安全や防犯等を目的として建物や公園等に設けられる。ネットフェンスとしては、複数の波形の列線の屈曲部同士を互いに係合させてなる、いわゆるひし形金網を用いたものが広く知られている。
【0003】
ひし形金網は、列線の数を増やすことで、列線の延在方向と直交する方向に延ばすことができる。同方向に長尺に形成されたひし形金網は、通常、ロール状に巻いた状態でネットフェンスの施工現場まで搬送される。そして、施工現場で、ロール状のひし形金網を平面状に展開しながら、列線の延在方向を上下方向とした状態で、予め設置された支柱及び胴縁に沿わせる。そして、ひし形金網の上下両端に水平方向に張線を挿通しながら、上下の胴縁に設けられた爪に張線を引っ掛けることで、ひし形金網が上下の胴縁に取り付けられる(下記の特許文献1参照)。しかし、このように、長尺のひし形金網に張線を挿通しながら胴縁に取り付ける作業は容易ではなく、施工に手間がかかるという問題がある。
【0004】
これに対し、下記の特許文献2には、列線の延在方向を水平方向としたひし形金網を有するネットフェンスが示されている。このひし形金網には、予め上下両端に胴縁が取り付けられ、これらの一体品が施工現場まで搬送される。そして、施工現場で、ひし形金網を上下に引き延ばして平面状に展開し、地面に立設された一対の支柱の上部に上側の胴縁を仮置きする。この状態で、一対の胴縁を、それぞれ支柱の所定位置にボルト等で固定することで、ネットフェンスが組み立てられる。この場合、施工現場で、長尺のひし形金網に張線を挿通しながら胴縁に取り付ける作業が不要になるため、施工が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−98426号公報
【特許文献2】特開2015−10372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ネットフェンスには、通行する必要がある箇所に扉を設けることがある。しかし、点検等の目的で一年に数回しか通行しない場所に扉を設けると、コスト高となる。
【0007】
本発明は、ネットフェンスに使用頻度の少ない扉を設けることによるコスト高を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、一対の支柱と、前記一対の支柱に取り付けられた上下の胴縁と、両胴縁の間に張設されたひし形金網とを備えたネットフェンスであって、前記ひし形金網が、胴縁の延在方向に延びる複数の波形の列線の屈曲部同士を上下方向で互いに係合させてなり、下側の胴縁を、前記一対の支柱に取り付けた状態で上下方向にスライド可能としたネットフェンスを提供する。
【0009】
上記のように、ひし形金網の列線の延在方向を胴縁と平行とすることで、ひし形金網を、胴縁と直交する方向(上下方向)に伸縮させることができる。従って、ひし形金網を縮めながら、下側の胴縁を上方にスライドさせることにより、下側の胴縁の下方に一時的な通路を設けることができる。このとき、一対の支柱に取り付けた状態のまま、下側の胴縁を上下方向にスライド可能とすることで、下側の胴縁を安定的かつ容易にスライドさせることができる。
【0010】
上記のネットフェンスの各支柱には、例えば、上下方向に延びる開口部を有する壁が設けられる。この場合、下側の胴縁に固定された取付金具と、取付金具に設けられた穴及び各支柱の開口部に挿通されたボルトと、ボルトに螺合した留め具とを設け、ボルトを締めつけて留め具と取付金具とで支柱を挟持することで、胴縁を支柱に固定することができる。また、ボルトを緩めて留め具と取付金具とによる支柱の挟持を解除することで、下側の胴縁の上下方向のスライドが許容される。このとき、支柱の壁と、その両側に配された留め具及び取付金具とが係合することにより、下側の胴縁が取付金具を介して支柱に取り付けられた状態が維持され、この状態で下側の胴縁を上下方向にスライドさせることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明のネットフェンスによれば、下側の胴縁を上側にスライドさせることで一時的な通路を設けることができるため、使用頻度の少ない扉を設けることによるコスト高を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ネットフェンスの正面図である。
図2】支柱の斜視図である。
図3】上側の胴縁の斜視図である。
図4】下側の胴縁の斜視図である。
図5】支柱と下側の胴縁との取付部を示す斜視図である。
図6図1のA−A断面図である。
図7】支柱と下側の胴縁との取付部を、図1のB方向から見た下面図である。
図8図6のG−G断面図である。
図9】ネットフェンスの拡大正面図である。
図10】ひし形金網と支柱との取付部を示す断面図であり、図11のD−D断面図である。
図11】ひし形金網と支柱との取付部を、図10のE方向から見た側面図である。
図12】(A)は図1のC−C断面図である。(B)は、(A)図のF−F断面図である。
図13】(A)はひし形金網の正面図、(B)は伸縮パネルの正面図、(C)は伸縮パネルを縮めた状態の正面図である。
図14】ネットフェンスの下側の胴縁を上方にスライドさせて一時的な通路を形成した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施形態に係るネットフェンス1は、図1に示すように、設置面S(地面や床面)に立設された一対の支柱2,2と、両端が支柱2,2に取り付けられ、上下方向に離間して設けられた上側の胴縁3及び下側の胴縁4と、上下の胴縁3,4の間に張設されたひし形金網5とを備える。図示例では、複数のネットフェンス1が並べて設置され、隣接するネットフェンス1の支柱2同士が連結されている。尚、以下の説明では、支柱2の延在方向を「上下方向」、胴縁3,4の延在方向を「幅方向」、支柱2及び胴縁3,4と直交する方向を「フェンス厚さ方向」と言う。図示例では、ネットフェンス1を水平な設置面に設置する場合を示し、上下方向が鉛直方向であり、幅方向が水平方向である。
【0015】
支柱2は、図2に示すように、上下方向に延びる筒状を成している。本実施形態の支柱2は、断面略矩形の角筒状を成し、具体的には、幅方向内側(対向する支柱2に近い側)に設けられた前壁2aと、幅方向外側(対向する支柱2から遠い側)に設けられた後壁2bと、前壁2aと後壁2bとを連結する一対の側壁2cとを有する。前壁2aには、上下方向に延びる開口部2dが設けられる。図示例では、前壁2aが、一対の側壁2cの幅方向内側の端部からフェンス厚さ方向内側(互いに接近する側)に延びる一対の前面部2a1と、各前面部2a1のフェンス厚さ方向内側の端部から幅方向外側に向けて延びる折り曲げ部2a2とを有する。
【0016】
各支柱2の上部には、上側の胴縁3を仮置きするための支持部が設けられる。図示例では、一対の前壁2aの上端が、支柱2の他の部分(後壁2b及び側壁2c)の上端よりも下方に設けられ、この一対の前壁2aの上端が支持部となる。一対の側壁2cの上端付近には、上側の胴縁3を固定するための穴2c1が設けられる。
【0017】
上側の胴縁3は、図3に示すように、水平方向に延びる筒状を成している。本実施形態の上側の胴縁3は、断面略矩形の角筒状を成し、具体的には、下壁3aと、上壁3bと、これらを連結する一対の側壁3cとを有する。下壁3aには、幅方向に延びる開口部3dが設けられる。図示例では、下壁3aが、一対の側壁3cの下端からフェンス厚さ方向内側に延びる一対の下面部3a1と、各下面部3a1のフェンス厚さ方向内側の端部から上方に延びる折り曲げ部3a2とを有する。一対の側壁3cには、支柱2と固定するための穴3c1が設けられる。
【0018】
下側の胴縁4は、図4に示すように、水平方向に延びる筒状を成し、おおよそ上側の胴縁3を上下反転させた構成を有している。具体的に、下側の胴縁4は、上壁4aと、下壁4bと、これらを連結する一対の側壁4cとを有する。上壁4aには、幅方向に延びる開口部4dが設けられる。図示例では、上壁4aが、一対の側壁4cの上端からフェンス厚さ方向内側に延びる一対の上面部4a1と、上面部4a1のフェンス厚さ方向内側の端部から下方に延びる折り曲げ部4a2とを有する。下壁4bの端部付近には、穴4b1が設けられる。また、下壁4bの長手方向中間部には、複数の水抜き穴が設けられる(図示省略)。下側の胴縁4の長さは、上側の胴縁3よりも短く、一対の支柱2の間隔よりも僅かに小さい。
【0019】
下側の胴縁4は、図5図8に示すように、取付金具11を介して支柱2に取り付けられる。取付金具11は、下側の胴縁4に固定された胴縁固定部11aと、留め具12及びボルト13により支柱2に固定された支柱固定部11bとを有する。図示例では、胴縁固定部11aと支柱固定部11bとが金属板で一体に形成される。尚、図5図8では、ひし形金網5の図示を省略している。
【0020】
図6に示すように、取付金具11の胴縁固定部11aは、底部11a1と、底部11a1のフェンス厚さ方向両端から上方に延びる側部11a2とを有する。図8に示すように、底部11a1に設けられた穴11a10と、下側の胴縁4の下壁4bに設けられた穴4b1とにボルト8aを挿通し、ナット8bを締結することで、取付金具11の胴縁固定部11aと下側の胴縁4とが固定される。一対の側部11a2は、下側の胴縁4を胴縁固定部11aに固定する際に、下側の胴縁4をフェンス厚さ方向両側から支持するガイドの役割を果たす。
【0021】
図7及び図8に示すように、取付金具11の支柱固定部11bは、支柱2の前壁2aに着座する本体11b1と、本体11b1の下端から支柱2の幅方向外側に延びる係止片11b2とを有する。本体11b1は、平板状をなし、略中央に穴11b10を有する。係止片11b2は、支柱2の開口部2dの幅よりも若干小さい幅を有し、開口部2dに入り込んでいる。
【0022】
留め具12は、略矩形状を成した金属板で形成される(図6参照)。留め具12の対角線方向で対向する角部には、切り欠き部12bが設けられる。留め具12の中央には、ねじ穴12aが設けられる(図7及び図8参照)。留め具12の幅方向内側の面には、上下方向に延びる一対の溝12cが設けられる(図7参照)。留め具12のフェンス厚さ方向の幅W1は、支柱2の一対の側壁2cの間隔W2よりも小さく、支柱2の開口部2dの幅W3よりも大きい(図7参照)。留め具12の上下方向寸法W4(図6参照)は、支柱2の開口部2dの幅W3よりも小さい。
【0023】
図7及び図8に示すように、取付金具11の支柱固定部11bの穴11b10にボルト13を挿通し、支柱2の内部に配した留め具12のねじ穴12aに螺合させて締め付けることにより、取付金具11と留め具12とで支柱2の前壁2aの折り返し部2a2が挟持され、取付金具11が支柱2の所定の高さに固定される。この場合、外部から見えやすい支柱2の側面に、ボルト13や留め具12(ナット)が露出しないため、ネットフェンス1のデザイン性が向上する。
【0024】
ボルト13を締め付ける際、取付金具11の支柱固定部11bの係止片11b2が支柱2の開口部2dに挿入され、支柱2の前壁2aと係合することにより、取付金具11の連れ回りが規制される。また、留め具12のうち、切り欠き部12bが設けられていない角部12d(図6参照)が支柱2の側壁2cと干渉すると共に、留め具12の溝12cが支柱2の前壁2aの折り返し部2a2に嵌合することで(図7参照)、留め具12の連れ回りが規制される。
【0025】
ひし形金網5は、図9に示すように、幅方向に延びる複数の波形の列線5aで構成される。各列線5aの屈曲部5a1は、隣接する列線5aの屈曲部5a1と上下方向に係合している。図示例では、ひし形金網5の網目の幅方向のピッチL1が、上下方向のピッチL2よりも小さい。ひし形金網5の幅方向両端部では、図10に示すように、隣接する列線5aの端部が、互いに交差した状態で略180°折り返され、これにより列線5aの端部同士の結合部Pが形成される(このような結合部Pを「完全ナックル」と言う)。このように、隣接する列線5aの端部同士を結合することで、施工時等にひし形金網5を伸縮させる際に列線5a同士が外れることがなく、扱いやすい。
【0026】
ひし形金網5の幅方向両端は、支柱2に取り付けられる。本実施形態では、図10に示すように、ひし形金網5の幅方向両端に設けられた列線5aの端部同士の結合部Pが、支柱2の内部に収容されている。そして、上下方向の少なくとも一箇所において、結合部Pと支柱2の前壁2aとの間に留め具20が配される。本実施形態では、図11に示すように、留め具20が支柱2の開口部2dの幅よりも大きいフェンス厚さ方向寸法を有し、これにより留め具20が支柱2の前壁2aに幅方向外側から係合して、結合部Pを支柱2の内部に留めている。留め具20としては、例えば、図6図8に示す留め具12と同様のものが使用できる。
【0027】
ひし形金網5の上端には、係合部材を介して上側の胴縁3が取り付けられる。係合部材としては、例えば図12(A)(B)に示すようなコイル6が用いられる。コイル6は、螺旋状に巻回した鋼線からなる。コイル6のピッチは、ひし形金網5の列線5aの屈曲部5a1のピッチと等しい。コイル6のフェンス厚さ方向の幅は、上側の胴縁3の開口部3dの幅よりも大きい。コイル6が、ひし形金網5の上端の列線5aの屈曲部5a1に挿通されると共に、上側の胴縁3の下壁3aと上下方向で係合することで、ひし形金網5がコイル6を介して上側の胴縁3に取り付けられる。同様に、ひし形金網5の下端は、係合部材としてのコイルを介して、下側の胴縁4に取り付けられる(図示省略)。
【0028】
次に、ネットフェンス1の製造方法(施工方法)を説明する。
【0029】
まず、金網製造工場においてひし形金網5を形成する{図13(A)参照}。ひし形金網5の幅方向両端には、列線5a同士の結合部Pが形成される(図10参照)。
【0030】
次に、図13(B)に示すように、ひし形金網5の上下方向両端に上側の胴縁3及び下側の胴縁4を取り付けて、伸縮パネル30を形成する。具体的には、ひし形金網5の上下両端の列線5aの屈曲部5a1にコイル6を挿通し、各コイルを上下の胴縁3,4の内周に挿入することで、ひし形金網5の上下両端に胴縁3,4が取り付けられる(図12参照)。
【0031】
本実施形態では、ひし形金網5の列線5aの延在方向と、胴縁3,4の延在方向とが平行であるため、図13(C)に示すように、ひし形金網5を縮めながら胴縁3,4を接近させて、伸縮パネル30をコンパクトに収納することができる。これにより、伸縮パネル30の輸送時や保管時のスペースが縮小されるため、輸送コスト及び保管コストを低減することができる。
【0032】
次に、施工現場において、設置面に複数の支柱2を立設する。本実施形態では、図1に示すように、複数のネットフェンス1が横方向に連結して使用される。この場合、複数のネットフェンス1の連結部に設けられる支柱2が、図2に点線で示すように背中合わせの状態で配され、これらの支柱2の後壁2b同士がリベット等により予め結合される。複数のネットフェンス1の端部に設けられる支柱2は、単体で使用される。各支柱2には、取付金具11が、留め具12及びボルト13により所定の高さに固定されている。
【0033】
そして、伸縮パネル30を上下に引き延ばして展開しながら、上側の胴縁3を一対の支柱2の上部に仮置きする。具体的には、図12(A)に示すように、上側の胴縁3の端部を、支柱2の一対の側壁2cの間に嵌め込みながら、支柱2の前壁2aの上に載置する。この状態で、支柱2の側壁2cの穴2c1(図2参照)と上側の胴縁3の側壁3cの穴3c1(図3参照)とにボルト7aを挿通し、このボルト7aにナット7bを締め付けることで、支柱と上側の胴縁3とが固定される{図12(A)参照}。
【0034】
上記のように、上側の胴縁3を一対の支柱2の上部に仮置きし、ひし形金網5及び下側の胴縁4を自重のみで吊り下げた状態では、図6に鎖線で示すように、下側の胴縁4が、実線で示す固定位置よりも上方に配される。この状態で、下側の胴縁4の穴4b1及び取付金具11の胴縁固定部11aの穴11a10にボルト8aを挿通し(図8参照)、このボルト8aをナット8bに螺合させて締め付ける。このボルト8aを締め付ける際の引き込み力により、下側の胴縁3が下方に引き下げられ、取付金具11の胴縁固定部11aの底部11a1に当接した状態で固定される。
【0035】
こうして、下側の胴縁4を下方に引っ張った状態で支柱2に固定することで、ひし形金網5に上下方向の張力が付与されるため、ひし形金網5をきれいに張ることができる。また、ひし形金網5に張力が付与されることで、ひし形金網5の強度が高められるため、ひし形金網5の上下方向中間部に水平方向の張線を設ける必要が無くなる。これにより、図1に示すように、ひし形金網5を、上下方向中間部(支柱2及び胴縁3,4と重ならない領域)に水平方向の張線が設けられていない構成とすることができる。このようにひし形金網5を補強する張線を省略することで、ネットフェンス1の低コスト化が図られると共に、ひし形金網5の模様がひし形の網目のみで構成されるため、デザイン性が向上する。
【0036】
また、ひし形金網5が上下に引っ張られることで、波形の列線5aの屈曲部5a1のピッチが狭まる方向、すなわち、ひし形金網5の幅方向寸法が縮小する方向の張力が付与される。これにより、図10に点線で示すように、ひし形金網5の列線5a同士の結合部Pが支柱2よりも幅方向内側に配された状態となる。この結合部Pを、留め具20で支柱2の内部に押し込む。具体的には、図11に鎖線で示すように留め具20の長手方向を上下方向とし、この状態の留め具20によりひし形金網5の結合部Pを支柱2の内部に押し込み(図10の矢印参照)、その後、支柱の2の内部で留め具20を90°回転させる(図11の矢印参照)。これにより、ひし形金網5の幅方向の張力により、結合部Pが留め具20を支柱2の前壁2aに押し付け、留め具20を介して結合部Pが支柱2に固定されると共に、留め具20自身が結合部Pと支柱2の前壁2aとで挟持固定される。
【0037】
このように、ひし形金網5の張力を利用して、留め具20でひし形金網5の幅方向両端を支柱2に係止することで、例えばボルト及びナットを用いてひし形金網5の幅方向両端を支柱2に取り付ける場合と比べて、取り付けが容易化される。また、外部から見える支柱2の外面(特に側壁2cの外面)にボルトやナットが配されないため、ネットフェンス1のデザイン性が向上する。以上により、ネットフェンス1が完成する。
【0038】
上記のネットフェンス1は、図14に示すように、下側の胴縁4を上方にスライドさせることで、一時的な通路Qを設けることができる。具体的には、取付金具11と支柱2とを固定するボルト13(図8参照)を緩めた後、下側の胴縁4及び取付金具11を一体的に上昇させる。このとき、ひし形金網5の列線5aが胴縁3,4の延在方向に延びていることで、ひし形金網5が上下方向で縮められる{図13(C)参照}。そして、下側の胴縁4を上昇させた位置で、ボルト13を締め付けることで、下側の胴縁4を支柱2に固定する。以上により、下側の胴縁4の下方に一時的な通路Qが形成される。
【0039】
このとき、留め具12をボルト13から取り外さずにボルト13に螺合させておくことで、支柱2の前壁2aとそのフェンス厚さ方向両側に配された留め具12及びボルト13とが係合するため、取付金具11と支柱2とが完全に分離することがない。このように、下側の胴縁4を、取付金具11、留め具12及びボルト13を介して支柱2に取り付けた状態で、上方にスライドさせることで、安定的かつ容易にスライドさせることができる。特に、留め具12の溝12cに支柱2の前壁2aの折り返し部2a2を嵌合させて留め具12の回転を規制しながら(図7参照)、下側の胴縁4を上昇させることで、留め具12が支柱2の開口部2dから外れて下側の胴縁4と支柱2とが分離する事態を確実に防止できる。
【0040】
このように、下側の胴縁4を上昇させて一時的な通路Qを設けることで、使用頻度の少ない扉を設ける必要がなくなるため、低コスト化が図られる。また、並べて設置した複数のネットフェンス1を、何れも、上記のように下側の胴縁4を支柱2に取り付けた状態で上下方向にスライド可能な構造とすることで、任意の場所に一時的な通路Qを設けることができる。
【0041】
本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、ひし形金網5の幅方向両端を支柱2に取り付ける手段として、取付金具11を支柱2に取り付けるための留め具12と同じ留め具20を用いた場合を示したが、これに限られない。例えば、留め具20には、ねじ穴12aは不要であるため、ねじ穴を省略してもよい。また、留め具20に、治具(例えばマイナス又はプラスドライバー)が差し込まれる溝を設けておけば、治具を溝に挿し込んだ状態で留め具20を支柱2の内部に押し込み、この状態で、治具と溝とを係合させて留め具20を回転させることができるため、施工性が向上する。また、ひし形金網5と支柱2とをボルト及びナット等で固定してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 ネットフェンス
2 支柱
2a 前壁
2b 後壁
2c 側壁
2d 開口部
3,4 胴縁
5 ひし形金網
5a 列線
11 取付金具
11a 胴縁固定部
11b 支柱固定部
12 留め具
13 ボルト
20 留め具
30 伸縮パネル
P 列線の結合部
Q 通路
【要約】
【課題】ネットフェンスに使用頻度の少ない扉を設けることによるコスト高を回避する。
【解決手段】ネットフェンス1は、一対の支柱2と、一対の支柱2に取り付けられた上下の胴縁3,4と、両胴縁3,4の間に張設されたひし形金網5とを備える。ひし形金網5は、胴縁の延在方向に延びる複数の波形の列線5aの屈曲部5a1同士を上下方向で互いに係合させてなる。下側の胴縁4を、一対の支柱2に取り付けた状態で上下方向にスライド可能とした。
【選択図】図8
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