(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記模様を検出する検出工程を備え、前記成形工程が、前記模様の検出に伴い、前記模様を基準として、前記フィルター層の予めプログラムされた所定の領域を切断及び溶着又は縫合を行う工程であることを特徴とする、請求項1に記載のティーバッグの製造方法。
前記フィルター層形成工程において、食用色素からなる模様が付されているフィルターの、模様が付されている面が、前記フィルター層の内側に位置するように、フィルターを重ねることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のティーバッグの製造方法。
さらに、前記模様の検出に伴い、前記所定の領域における前記フィルター層の内部空間に原料を投入する原料投入工程を備える、請求項1〜4の何れか一項に記載のティーバッグの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、ティーバッグのデザイン性を高める手法として、特許文献1及び2に記載のようにティーバッグの形状を変化するか、ティーバッグに付されているタグの形状及び模様を工夫することが知られていたが、これらの手法のみでは、ティーバッグのデザイン性の幅が狭く、あらゆる需要に対応することができなかった。
【0008】
したがって、ティーバッグのデザイン性を高めることが可能な新規な手法を提供することを課題とする。
【0009】
また、本願発明は、ティーバッグを効率良く製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決する本発明は、
2枚以上のフィルターを重ねて、フィルター層を形成するフィルター層形成工程を備え、
前記フィルター層を構成するフィルターの少なくとも1枚には、食用色素からなる模様が付されており、
前記模様を基準として、前記フィルター層の所定の領域を切断及び溶着又は縫合を行う成形工程を備える、ティーバッグの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、従来存在していなかった、ティーバッグを構成するフィルターそのものに食用色素からなる模様が付されたティーバッグを効率良く製造することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、さらに、前記模様を検出する検出工程を備え、前記成形工程が、前記模様の検出に伴い、前記模様を基準として、前記フィルター層の予めプログラムされた所定の領域を切断及び溶着又は縫合を行う工程である。
このような形態とすることで、より効率的にフィルターに食用色素からなる模様が付されたティーバッグを製造することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記成形工程において、レーザーを照射し、前記フィルター層の切断及び溶着を同時に行う。
レーザーを用いてフィルター層の切断及び溶着を同時に行うことで、より効率的に模様が付されたティーバッグを製造することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記フィルター層形成工程において、食用色素からなる模様が付されているフィルターの、模様が付されている面が、前記フィルター層の内側に位置するように、フィルターを重ねる。
模様が付されている面をフィルター層の内側に配置することで、製造時に食用色素が擦れ、模様が歪んだり、消えることを抑制することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記模様の検出に伴い、前記所定の領域における前記フィルター層の内部空間に原料を投入する原料投入工程を備える。
前記原料投入工程を備えることで、より効率よくティーバッグを製造することができる。
【0015】
また、前記課題を解決する本発明は、前記ティーバッグを構成するフィルターに、食用色素からなる模様が付されていることを特徴とする、ティーバッグである。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記食用色素からなる模様が、前記ティーバッグを構成するフィルターの内側に位置する面に付されている。
このような構成とすることで、模様を指で擦ることで、模様が歪んだり、消えることを抑制することができる。
【0017】
また、上記課題を解決する本発明は、食用色素からなる模様が付されたフィルターを構成部品とする、組立式フィルター成型品である。
【0018】
また、上記課題を解決する本発明は、2枚以上のフィルターが重ねられたフィルター層に付された食用色素からなる模様を検出する検出手段と、
前記フィルター層の所定の領域を、切断、及び溶着又は縫合する成形手段と、
前記検出手段が模様を検出した後、前記成形手段に、所定領域を成形するための指示情報を送信する指示手段と、を備える、ティーバッグ製造システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明のティーバッグは、従来にないデザイン性を有している。
また、本発明のティーバッグは、当該デザイン性を利用して、効率良く製造することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るティーバッグの製造方法、及びティーバッグ製造システムについて説明するが、本発明はこれに限られない。
【0022】
(実施例1)
[材料]
本発明のティーバッグの製造方法において、フィルターの種類は、一般にティーバッグに用いることができる素材であれば、特に限定されず、紙、不織布、ナイロン紗、ポリエステル紗及び植物由来の生分解性繊維等を用いることができる。
【0023】
本発明のティーバッグの製造方法において、使用可能な食用色素は特に限定されず、脂溶性色素、水溶性色素、天然色素及び合成色素の何れも用いることができる。例えば、クチナシ黄色素、クチナシ緑色素、クチナシ青色素、クチナシ赤色素、ウコン色素、カラメル色素、ベニコウジ色素、パプリカ色素、ラック色素、アナトー色素、コチニール色素、植物炭末色素、β−カロテン、リコピン、ルテイン、β−クリプトキサンチン、キサントフィル類、クロロフィル、カカオ色素、アントシアニン系色素、ビートレッド、ベニバナ赤色素、ベニバナ黄色素、イカスミ、食用タール系色素等が例示できる。
使用する食用色素は、1種類でもよく、2種以上であってもよい。
【0024】
[フィルター層形成工程]
図1に、実施例1に係るフィルターの製造方法のイメージ図を示す。
本実施形態においては、食用色素からなる模様30が印刷されたフィルター10aと、模様30が印刷されていないフィルター10bとを、模様30が印刷された面が外側となるように重ねて、フィルター層を形成する。
本実施形態において、模様30はハロウィンを想起させる模様である。
【0025】
また、
図1には、切断及び溶着する領域として、予めプログラミングされた所定領域20を示す。所定領域20は、フィルター10aに付された模様30をすべて含むように設定される。
【0026】
本実施形態においては、2枚のフィルター10を用いてフィルター層を形成する工程について例示したが、フィルター10の枚数は、2枚以上であれば特に限定されない。
【0027】
また、本実施形態においては、模様30が印刷されたフィルター10aと、模様30が印刷されていないフィルター10bとを重ねる形態について例示したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、模様30が印刷されていないフィルター10a及び10bを重ねた後に、模様30を印刷し、フィルター10a及び10bの何れもに模様30が付されてもよく、フィルター10aとフィルター10bとで、それぞれ異なる模様30が付される形態であってもよい。
【0028】
模様30は、食用色素からなるものであれば、点、線、及びあらゆる文字、図、絵及び形を採用することができる。また、バーコード及び二次元コード等の読み取り可能な識別子を模様30として付してもよい。模様30として、好ましくは、図、絵及び形を採用する。
【0029】
模様30をフィルター10に付する方法は特に限定されず、食用色素を扱うことができる器具、装置を用いて付することができる。製造効率の観点から、食品用プリンターを用いてフィルター10に模様30を印刷することが好ましい。
【0030】
また、本実施形態においては、所定領域20が、フィルター10aに付された模様30をすべて含むように設定されるが、これに限定されず、所定領域20は、模様30の一部を含む領域に設定されても、模様30をすべて含まない領域に設定されてもよい。
【0031】
[検出工程及び成形工程]
図2には、本実施形態に係るティーバッグの製造方法における、検出工程を示す。
フィルター層を形成するフィルター10a及び10bは、コンベア(図示せず)により光電センサ40aの検出位置まで運ばれる。光電センサ40は、フィルター層に付された模様30の検出処理を行う。
【0032】
レーザー照射装置(図示せず)は、指示手段(図示せず)から所定領域20を成形するための指示情報を受け取ることでレーザーを照射し、フィルター層の所定領域20を切断及び溶着し、ティーバッグ50(
図3)を成形する。この時、所定領域20を示す縁の一部分は、溶着を行わず、切断のみを行うよう、予めプログラムしておく。
【0033】
光電センサ40としては、公知のものを使用することができ、反射型、透過型及び回帰反射型の何れを用いてもよい。
【0034】
また、模様の検出手段として、光電センサ40を用いる形態について例示したが、これに限定されず、模様を検出するために常用されている手段を用いることができる。
例えば、画像センサを用いて、模様30が付されたフォルター層を撮影し、既存の画像解析技術を用いて、撮影した画像に含まれる色や形から模様30を検出することもできる。
【0035】
レーザーとしては、一般的に加工・溶着に使われる固体レーザー及び気体レーザーを用いることができ、CO
2レーザーを用いることが好ましい。
【0036】
レーザーの出力の上限及び下限は、フィルターの種類により異なるが、当業者であれば、適宜レーザーの出力を調整することが可能である。
例えば、フィルターが不織布である場合には、レーザーの出力の下限は、好ましくは0.1W以上、より好ましくは0.3W以上、さらに好ましくは0.5W以上、特に好ましくは0.6Wである。また、レーザーの出力の上限は、好ましくは20W以下、より好ましくは18W以下、さらに好ましくは16W以下、特に好ましくは14W以下である。
【0037】
本実施形態においては、成形手段のうち、切断媒体及び溶着媒体としてレーザーを用いる形態について例示したが、本発明はこれに限られない。
切断媒体としては、カッター、超音波カッター、裁断機等を用いることができる。また、溶着媒体としては、超音波溶着、熱風式溶着、インパルス式溶着及びコテ式溶着等を用いることができる。溶着媒体に代えて、縫合媒体として、ミシンを用いて、フィルター層を縫合することもできる。
【0038】
本発明のティーバッグの製造方法においては、レーザーを用いることが好ましい。
レーザーを用いて、フィルター層の切断とフィルター層を形成するフィルター同士の溶着を同時に行うことができるため、より製造効率が向上する。
【0039】
また、レーザー以外の切断方法、及び溶着方法は、直線的で単純な形状のティーバッグを製造するのに適しているが、ハート型や星形等の、曲線部を含む形状、鋭角又は鈍角を含む形状等の複雑な形状のティーバッグを製造しようとすると、上手く溶着できず、隙間が生じたり、切断面が綺麗にならないという問題があった。
一方で、レーザーを用いると、複雑な形状のティーバッグであっても、綺麗にフィルター層を切断及び溶着をすることができる。本実施形態においては、矩形状のティーバッグの製造方法について例示したが、切断及び溶着の手法としてレーザーを採用することで、製造できるティーバッグの形状の幅を増やすことができる。
【0040】
また、レーザーを用いてフィルター層を切断及び溶着する前に、所定領域20の縁を予め溶着又は縫合することにより、仮止めしてもよい。
【0041】
本実施形態においては、検出工程を備える形態について例示したが、検出工程を備えなくてもよい。
例えば、工業用の印刷機を使用して、フィルター10に模様30を印刷し、当該模様30が付されたフィルター10を切断手段及び溶着手段又は縫合手段を行う位置まで移動させ、別のフィルター10と重ねてフィルター層を形成する。そして、当該模様30を基準として、目視により成形を行ってもよい。
【0042】
従来のティーバッグの製造方法においては、フィルターには基準となる模様が何ら付されておらず、この状態で成形を行っても、成形箇所がずれてしまい、不良品が製造されてしまうことが往々にしてあった。
【0043】
本発明のティーバッグの製造方法によれば、フィルターに基準となる模様30が付されているため、目視であっても、従来のティーバッグの製造方法と比して不良品の発生を抑制することができる。
【0044】
本発明のシステムについて、
図3を用いて詳細に説明する。
【0045】
ステップS1において、検出手段が模様30を検出する。
検出手段としては、上述した光電センサ又はカメラ等を用いることができる。
【0046】
次に、ステップS2において、指示手段が成形手段に指示情報を送信する。
【0047】
指示手段としては、有線を用いて検出手段が成形手段に成形を指示する指示情報を送信する手段であっても、無線を用いてもよい。
【0048】
指示情報は、例えば、成形手段が、予め定められた範囲を成形するようにプログラミングされている場合には、成形手段に起動を指示する情報を指示情報とすることができる。
例えば、進行方向の上流側に検出手段を、下流側に成形手段を設置したベルトコンベア等の搬送体に、2枚以上のフィルターを載せ、前記検出手段の検出位置まで運ぶ。前記検出手段は、模様30を検出すると、搬送体の移動速度、及び検出位置と、予め定められた範囲の所定位置との距離から算出される時間の経過後、成形手段に起動を指示する情報を送信する。
切断媒体及び、溶着媒体又は縫合媒体として別体を用いる場合には、搬送体の移動速度、並びに検出位置と、切断位置及び溶着位置又は縫合位置との距離からそれぞれ算出される時間の経過後、各媒体に時間差を設けて指示情報を送信することもできる。
また、検出手段が模様30を検出すると同時に、成形手段に起動を指示する指示情報を送信し、指示情報を受け取った成形手段が、一定時間経過後に起動する形態とすることもできる。
【0049】
成型手段を起動する情報を送信する時間は、予め算出しておき、情報を送信する時間を設定してもよく、検出位置と、切断位置及び溶着位置又は縫合位置との距離を設定しておき、搬送体の移動速度を検出して、時間を算出する算出手段を備えてもよい。
【0050】
また、検出手段が模様30を検出すると同時に、成型手段に起動を指示する情報を送る形態であってもよい。
【0051】
プログラミングの方法は、特に限定されず、例えば、成型手段に内蔵されている入力手段を用いて直接プログラミングしてもよく、成型手段とは別体の端末装置で作成したCAMデータを受信可能な形態であってもよい。
【0052】
成形手段が、受信した指示情報に基づく所定領域20を成形するようプログラミングされている場合は、指示情報には、所定領域20を確定する情報を含む。
例えば、指示情報は、検出手段が取得した模様30の位置情報を含み、当該位置情報を含む指示情報を受け取った成形手段は、模様30の位置(原点)から所定距離離れた範囲(オフセット)を所定領域20とし、切断及び溶着又は縫合する。
【0053】
指示情報に、模様30の位置情報を含む場合には、例えば、複数のフィルター層を、成形を行う位置に並べて配置し、一つのフィルター層の一つの模様30を基準として、複数のフィルター層の複数の所定領域20を一度に成形することもできる。この場合、一つの模様30の位置を原点として、各所定領域20までの距離(オフセット)を設定すればよい。
【0054】
別の例として、指示情報は、検出手段が取得した模様30が付されたフィルター層の画像情報を含む。フィルター層の画像情報は、画像処理手段が、CAMデータ等の成形用の情報と合成し、この合成された情報で表される領域を所定領域20とし、切断及び溶着又は縫合する。
また、検出手段が取得した画像情報を、画像処理手段が、模様30から所定距離離れた位置を所定領域20とする処理を行い、当該画像情報を成形手段が受け取る形態とすることもできる。
【0055】
指示手段は、独立して存在してもよく、検出手段が備えていてもよい。
【0056】
画像処理手段としては、従来用いられている画像処理用の装置やCPU又はGPU等のハード、又は画像処理用のソフトを用いることができる。画像処理手段は独立して存在していてもよく、検出手段、及び/又は成形手段が備えていてもよい。
【0057】
検出手段が模様30を検出し、成形手段に指示情報を送る方法は、上述したものに限定されず、本出願時において常用されている方法を採用することができる。
【0058】
次に、ステップS3において、上述した指示情報に基づいて、成形手段がフィルター層を切断、及び溶着又は縫合する。
【0059】
次にステップS4において、次の模様30を検出する場合には、ステップ70〜72を繰り返す。次の模様30を検出しない場合には、操作を終了する。
【0060】
[原料投入工程]
図4に、本実施形態に係る原料投入工程のイメージ図を示す。
ティーバッグ50は、上記成形工程にて一部溶着を行わなかったことで、原料投入口51を有している。
【0061】
ティーバッグ50は、コンベアにより光電センサ40bの検出位置まで運ばれる。光電センサ40bは、ティーバッグ50に付された模様30の検出処理を行う。
【0062】
検出処理結果を受け取った原料投入機(図示せず)は、ティーバッグ50に原料60を投入する。次いで、超音波溶着により、原料投入口51を封止する。
【0063】
本実施形態においては、切断及び/又は溶着若しくは縫合のための検出処理を行う光電センサ40aと、原料投入のための検出処理を行う光電センサ40bとが、それぞれ独立している形態について例示したが、光電センサ40は、何れの工程においても同一のものを使用することができる。
この場合、光電センサ40は、模様30の検出処理を完了すると、各装置における起動を指示する信号を、時間差を設けて送信する。
【0064】
本実施形態においては、原料投入口51を、成形工程において一部溶着しない箇所を作ることによって生成したが、これに限定されず、様々な方法により原料投入口51を生成することができる。
【0065】
例えば、フィルター層形成工程において、フィルター10aの縁の少なくとも一部分と、フィルター10bの面とが重なるように、フィルター10a及び10bを配置する。このように配置すると、2枚のフィルターが重なる領域と、重ならない領域が存在することになる。
そして、2枚のフィルターが重なる領域と、重ならない領域との両方の領域を含むように、所定領域20を設定し、フィルター層を切断及び/又は溶着若しくは縫合し、ティーバッグ50を製造する。
このように製造されたティーバッグ50は、2枚のフィルターが重なる領域と、重ならない領域との境界に開口部を有するため、この開口部を原料投入口51とすることができる。
【0066】
別の方法としては、所定領域20の縁の一部を、人の手や機械により簡単にはがせる程度に仮溶着し、原料投入の際に、仮溶着部分を剥がして原料投入口51を生成する方法が挙げられる。
【0067】
本実施形態においては、原料投入工程を備える形態について例示したが、本発明のティーバッグの製造方法においては、上述した原料投入工程を備えなくともよい。
例えば、上述した成形工程で製造を完了させ、使用者が、好みの原料60を投入することができる空のティーバッグとしてもよい。
【0068】
また、フィルター10a及び10bを重ねてフィルター層を形成する際に、フィルター10a及び10bの間に予め原料60を挟む形態であってもよい。
【0069】
原料60としては、茶葉、コーヒー、漢方、健康食品、インスタント類(お味噌汁、スポーツ飲料、スープ等)等、出汁用原料等の食品等が例示できる。
また、アロマ及びポプリ等の雑貨や、石・鉱石等を投入し、風呂に入れることで、温泉効能的用途を有する雑貨、脱臭剤及び防臭剤等に用いることができる。さらに、医薬原料、及び洗顔料の粉末等の化粧品原料を用いることもできる。
【0070】
(実施例2)
実施例1にて述べた事項については適宜省略し、実施例2について説明を加える。
【0071】
図5に、実施例2に係るフィルター層形成工程のイメージ図を示す。
本実施形態においては、模様30が付されていないフィルター10b、模様30が付されたフィルター10a及び模様30が付されていないフィルター10cを順に重ね、模様が付されているフィルター10bが内側に位置するように、フィルター層を形成する。
【0072】
図示しないが、実施例1と同様の検出工程及び成形工程を経て、原料投入口51を有するティーバッグ50を得る。
【0073】
そして、図示しないが原料投入工程において、フィルター10a及びフィルター10bが形成する原料投入口51から、原料60を投入し、原料投入口51を封止する。
【0074】
本実施形態において、フィルター10cは、フィルターを通して隣接した模様を観察した際に、模様の細部が観察できる程度の透明性を有していることが好ましい。フィルター10cは、フィルター10a及び10bとは異なる種類のフィルターを用いてもよい。
【0075】
例えば、フィルター10a及び10bとして紙フィルターを使用し、フィルター10cとして、透明性が高いナイロン紗フィルターを用いることができる。
【0076】
本実施形態に係る、食用色素からなる模様が、ティーバッグを構成するフィルターの内側に位置する面に付されているティーバッグは、製造時及び使用時において、機械や人の手が擦れることで、模様が歪んだり、消えたりすることを抑制することができる。
【0077】
本実施形態においては、模様が付されているフィルター10bが内側に位置するように、3枚のフィルター10を重ねる形態について例示したが、模様30が付されているフィルター面が内側に位置する形態であれば、使用するフィルター10は2枚であっても、4枚以上であってもよい。
【0078】
フィルター10を2枚用いる場合には、フィルター層形成工程において、フィルター10aの模様30が付されている面が、フィルター10bと向かい合うように重ねることで、模様30が付されているフィルター面が内側に配置される。
【0079】
また、本発明のティーバッグは、1枚のフィルター10から構成されてもよい。
【0080】
(実施例3)
実施例1及び2にて述べた事項については適宜省略し、実施例3について説明を加える。
【0081】
実施例3では、フィルター10を切断及び/又は溶着して製造され、食用色素からなる模様30が付されたフィルター成型品を構成部品とする、組立式フィルター成型品について説明する。
【0082】
図6に、プラモデル様組立式フィルター成型品70を示す。プラモデル様組立式フィルター成型品70は、ランナー部71と、ゲート部72と、パーツ部73を備える。そして、各パーツ部73は、点線状の食用色素からなる模様30が付されている。
【0083】
ランナー部71とは、プラモデル様組立式フィルター成型品70の枠部分である。
【0084】
ゲート部72とは、プラモデル様組立式フィルター成型品70の、ランナー部71とパーツ部73、又はパーツ部73同士を繋ぐ部分である。
パーツ部73とは、鶴74を構築するための部品である。
【0085】
本実施形態に係るプラモデル様組立式フィルター成型品70は、腹パーツ部73aに、使用者が自ら好みの茶葉を入れる。
【0086】
本実施形態に係るプラモデル様組立式フォルター成型品70は、パーツ部73をゲート部72から切り離し、各パーツ部73を所定の形状に折り込み、各パーツ部73を差し込むことで、鶴74を完成させることができる(
図7)。
【0087】
本実施形態における模様30は、各パーツ部73における、折り込み箇所を示す。
【0088】
模様30は、点線に限定されず、折り込み箇所であることが理解できる態様であればよい。例えば、丸、バツ、三角、又は四角等の図形が、直線状に複数個連なった模様であってもよい。
【0089】
プラモデル様組立式フィルター成型品70は、本実施形態に限定されず、鶴の形状以外に、他の動物、乗り物、植物、建物及び衣服等を模した様々な形状となるような、パーツ部を備える構成とすることができる。
【0090】
本発明のプラモデル様組立式フィルター成型品70は、本実施形態のように使用者が好みの原料を封入できるように中身が空の形態であってもよく、パーツ部73の1つ又は2つ以上に原料が封入されている形態であっても良い。
【0091】
本発明のプラモデル様組立式フィルター成型品70は、パーツ部が折り込みを前提とする構成である必要はなく、例えば、フィルターを重ねる枚数を増やし、厚みを出して、パーツを差し込むことで組立が可能な形態であってもよい。
【0092】
また、本発明のプラモデル様組立式フィルター成型品70は、各パーツ部73同士を熱溶着することで、所定の形状を完成させる形態であってもよい。
【0093】
(実施例4)
組立式フィルター成型品として、パズル様組立式フィルター成型品80を
図8に示す。
パズル様組立式フィルター成型品80は、複数のピース部81を備えており、各ピース部81には、模様30の一部分が付されている。
【0094】
パズル様組立式フィルター成型品80は、組立後のパズル様組立フィルター成型品80の外形となるように、上述してきた方法でフィルターを切断及び溶着したあとに、ピース状に分かれるように、レーザーを用いてさらに切断及び溶着し、各ピース部81を製造する。
【0095】
各ピース部81の形状は、パズルの様にはめ込むことが可能であれば、特に限定されない。
また、各ピース部81をはめ込むことで、完成するパズル様組立式フィルター成型品80の形状も、特に限定されない。