(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469976
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20190204BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G01C21/26 B
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-135775(P2014-135775)
(22)【出願日】2014年7月1日
(65)【公開番号】特開2016-14718(P2016-14718A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2017年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 勇一郎
(72)【発明者】
【氏名】池内 健一
【審査官】
大山 栄成
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−237393(JP,A)
【文献】
特開2007−093610(JP,A)
【文献】
特開2008−256623(JP,A)
【文献】
特開2010−223867(JP,A)
【文献】
特開2014−209139(JP,A)
【文献】
特開2010−198393(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0020211(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/00−29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示する地図表示制御手段と、
所定の方向から位置を指し示す形状の複数のアイコンのそれぞれを、前記地図における複数の位置のそれぞれを指し示すように前記地図上に表示するアイコン表示制御手段と
を備え、
前記アイコンは、上から下へ向かう方向以外の方向から位置を指し示す形状のアイコンを含み、
前記アイコン表示制御手段は、少なくとも一部が互いに重なり合うように表示される複数の前記アイコンについて、前記アイコンが位置を指し示す方向と前記地図上の前記アイコンの位置とに基づいて、前記アイコンが位置を指し示す方向とは逆の方向に位置する前記アイコンから順に下に表示されるように重畳して表示する、表示制御装置。
【請求項2】
前記アイコン表示制御手段は、表示される前記地図の縮尺と、複数の前記アイコンのそれぞれが指し示す位置の間の距離とに応じて、本来表示されるべき位置から前記アイコンをずらして表示する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記アイコン表示制御手段は、前記アイコンをずらして表示するときに、前記アイコンが指し示す位置が前記地図の縮尺に応じた幅だけずれるように表示する、請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記アイコン表示制御手段は、前記アイコンをずらして表示するときに、前記アイコンが位置を指し示す方向を変更して表示する、請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
地図を表示する地図表示制御ステップと、
所定の方向から位置を指し示す形状の複数のアイコンのそれぞれを、前記地図における複数の位置のそれぞれを指し示すように前記地図上に表示するアイコン表示制御ステップと
を備え、
前記アイコンは、上から下へ向かう方向以外の方向から位置を指し示す形状のアイコンを含み、
前記アイコン表示制御ステップは、少なくとも一部が互いに重なり合うように表示される複数の前記アイコンについて、前記アイコンが位置を指し示す方向と前記地図上の前記アイコンの位置とに基づいて、前記アイコンが位置を指し示す方向とは逆の方向に位置する前記アイコンから順に下に表示されるように重畳して表示する、表示制御方法。
【請求項6】
コンピュータを
地図を表示する地図表示制御手段、
所定の方向から位置を指し示す形状の複数のアイコンのそれぞれを、前記地図における複数の位置のそれぞれを指し示すように前記地図上に表示するアイコン表示制御手段
として機能させ、
前記アイコンは、上から下へ向かう方向以外の方向から位置を指し示す形状のアイコンを含み、
前記アイコン表示制御手段は、少なくとも一部が互いに重なり合うように表示される複数の前記アイコンについて、前記アイコンが位置を指し示す方向と前記地図上の前記アイコンの位置とに基づいて、前記アイコンが位置を指し示す方向とは逆の方向に位置する前記アイコンから順に下に表示されるように重畳して表示する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に情報を重畳して表示させる表示装置が知られている。特許文献1には、地図表示装置に表示される地図上に、施設等の位置を示すアイコンを表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−347634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、複数のアイコン間の表示位置が近いことにより、互いに重なり合うように複数のアイコンを表示させる必要がある場合、アイコンが示す内容を把握しにくくなることがあるという問題があった。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、地図上に表示させる複数のアイコン間の表示位置が近い場合であっても、当該アイコンが示す内容をより把握しやすくするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示制御装置は、地図を表示する地図表示制御手段と、所定の方向から位置を指し示す形状の複数のアイコンのそれぞれを、前記地図における複数の位置のそれぞれを指し示すように前記地図上に表示するアイコン表示制御手段とを備え、前記アイコン表示制御手段は、少なくとも一部が互いに重なり合うように表示される複数の前記アイコンについて、前記アイコンが位置を指し示す方向とは逆の方向に位置する前記アイコンから順に下に表示されるように重畳して表示する。
【0007】
本発明に係る表示制御方法は、地図を表示する地図表示制御ステップと、所定の方向から位置を指し示す形状の複数のアイコンのそれぞれを、前記地図における複数の位置のそれぞれを指し示すように前記地図上に表示するアイコン表示制御ステップとを備え、前記アイコン表示制御ステップは、少なくとも一部が互いに重なり合うように表示される複数の前記アイコンについて、前記アイコンが位置を指し示す方向とは逆の方向に位置する前記アイコンから順に下に表示されるように重畳して表示する。
【0008】
本発明のプログラムは、コンピュータを、地図を表示する地図表示制御手段、所定の方向から位置を指し示す形状の複数のアイコンのそれぞれを、前記地図における複数の位置のそれぞれを指し示すように前記地図上に表示するアイコン表示制御手段として機能させ、前記アイコン表示制御手段は、少なくとも一部が互いに重なり合うように表示される複数の前記アイコンについて、前記アイコンが位置を指し示す方向とは逆の方向に位置する前記アイコンから順に下に表示されるように重畳して表示する。
【0009】
また、本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、地図上に表示させる複数のアイコン間の表示位置が近い場合であっても、当該アイコンが示す内容をより把握しやすくするための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態における表示制御装置のハードウェア構成を示す概念図である。
【
図2】一実施形態における表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】表示制御装置による表示方法の例を示す概念図である。
【
図4】表示制御装置による表示方法の例を示す概念図である。
【
図5】表示制御装置による表示方法の例を示す概念図である。
【
図6】表示制御装置による表示方法の例を示す概念図である。
【
図7】表示制御装置により実行される処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、発明の範囲をこれらに限定するものではない。
【0013】
図1を参照して、一実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成の例について説明する。表示制御装置10は、例えば、携帯電話機(スマートフォンを含む)、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)、ナビゲーション装置、ウェアラブルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータなどの情報処理装置として構成される(または、これらの装置の一部として構成される)。表示制御装置10は、制御部11、通信部14、記憶部15、操作部16及び表示部17を主に備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)12及びメモリ13を主に備えて構成される。なお、表示制御装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信可能に接続された複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0014】
制御部11では、CPU12は、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行することにより、表示制御装置10が備える各種構成の動作を制御し、また、各種処理の実行を制御する。制御部11において実行される処理の詳細は後述する。
【0015】
通信部14は、外部装置と通信するための通信インタフェースである。通信部14は、例えば、外部装置からデータやコマンドを受信したり、表示制御装置10による処理結果を外部へ送信する。
【0016】
記憶部15は、ハードディスク等の記憶装置によって構成される。記憶部15は、制御部11における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報を記憶する。
【0017】
操作部16は、表示制御装置10のユーザの指示を受け付け、当該指示を制御部11へ出力するためのユーザインタフェースである。操作部16は、キーボード、マウス、操作キー、及びタッチパネルなどにより構成される。
【0018】
表示部17は、表示制御装置10による処理結果を表示するためのユーザインタフェースである。表示部17は、液晶、LED(Light Emitting Diode)、又はCRT(Cathode Ray Tube)などを用いた表示装置により構成される。
【0019】
図2を参照して、一実施形態に係る表示制御装置10の機能構成の例を説明する。表示制御装置10は、機能構成として、地図表示制御部111、アイコン表示制御部112及びデータベース120を主に備える。これらの機能は、例えば、制御部11において、CPU12が、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行することにより実現される。以下に、表示制御装置10が備える各機能構成の詳細を説明する。
【0020】
まず、データベース120は、表示制御装置10において実行される処理に必要な情報、及び当該処理により生成された情報など、各種情報を記憶する。データベース120は、例えば、地図情報を記憶している。地図情報は、施設情報、道路情報、鉄道路線情報、建造物情報、地形情報、住所情報、及びその他の地理情報など、地図に関する各種の情報を含む。
【0021】
地図表示制御部111は、データベース120に記憶された地図情報を参照して、表示部17に対して所定の縮尺で地図を表示するように制御する処理を行う。表示される地図の縮尺は、ユーザからの指示等に応じて変更される。また、地図表示制御部111は、ノースアップ(北を上にして表示)やヘッドアップ(進行方向を上にして表示)など、任意の向きで地図を表示するように制御する。
【0022】
アイコン表示制御部112は、データベース120に記憶された地図情報を参照して、所定の施設が存在するような地図上の1つ又は複数の所定の位置を、アイコンにより位置が指し示されるべき場所として特定する。アイコン表示制御部112は、特定された所定の位置のそれぞれを指し示すように、地図上に1つ又は複数のアイコンを表示する。当該アイコンは、所定の方向から(例えば、上、斜め上、又は横から)位置を指し示す形状をしている。
【0023】
また、表示される複数のアイコンのそれぞれの少なくとも一部分が互いに重なり合うように表示される場合、アイコン表示制御部112は、当該複数のアイコンについて、アイコンが示す内容(アイコンが指し示す位置)をより把握しやすくするようにアイコンを表示する。そのような表示方法として、(1)アイコンの表示順序を変更する方法と、(2)アイコンの表示位置をずらす方法とを以下に説明する。
【0024】
(1)アイコンの表示順序を変更する方法
この方法では、表示される複数のアイコンのそれぞれの少なくとも一部分が互いに重なり合うように表示される場合、当該複数のアイコンについて、アイコンが位置を指し示す方向とは逆の方向に位置するアイコンから順に下に表示されるように重畳して表示する。
【0025】
図3を参照して、従来のアイコンの表示方法と、(1)の方法によるアイコンの表示方法との違いについて説明する。
【0026】
図3(A)は、従来のアイコンの表示方法の例を示している。この例において、アイコンは、所定の方向から(上から)位置を指し示す形状であるピン形状をしている。複数の当該アイコンのそれぞれは、ピン形状の先端部分により、地図上の所定の位置を指し示している。また、この例において、複数のアイコンのそれぞれは、表示されている地図の中心部に近い位置に存在するアイコンから順に表示される。その結果、同図において、少なくとも一部分が互いに重なり合う位置に存在する複数のアイコンについて、あるアイコン(例えば、アイコンi)のピン形状の先端部分が他のアイコン(例えば、アイコンii)上の位置を示している場合がある。そのため、アイコンが示す内容(例えば、アイコンiが指し示す位置)を把握しにくい。
【0027】
図3(B)は、(1)の方法によるアイコンの表示方法の例を示している。この例においても
図3(A)と同様のアイコンが地図上の位置を指し示している。また、
図3(B)では、複数のアイコンのそれぞれは、アイコンが位置を指し示す方向(上から下へ向かう方向)とは逆の方向に位置するアイコンから順に(つまり、地図の上部に位置するアイコンから順に)下に表示されるように重畳して表示される。その結果、同図において、少なくとも一部分が互いに重なり合う位置に存在する複数のアイコンについて、あるアイコンのピン形状の先端部分が他のアイコン上の位置を示すことはない。そのため、(1)の方法によるアイコンの表示方法によれば、アイコン表示制御部112は、複数のアイコンのそれぞれの少なくとも一部分が互いに重なり合う位置に存在する場合に、アイコンが示す内容(例えば、ピン形状の先端部分が表示されているアイコンが指し示す位置)をより把握しやすくすることができる。
【0028】
また、アイコン表示制御部112は、地図がヘッドアップで表示されている場合、進行方向が変わることによる地図の表示の向きの変更に応じて、上記の通り重畳して表示されるアイコンの表示順序を変更することができる。
【0029】
図4を参照して、地図の表示の向きが変更したときに、重畳して表示されるアイコンの表示順序を変更する方法の例を説明する。
【0030】
図4(A)は、地図の表示の向きの変更前に地図上に表示されたアイコンを示している。同図では、アイコンa〜dが地図上に表示されており、地図の上部に存在するアイコンから順に(すなわち、アイコンa、b、c、dの順序で)重畳的にこれらのアイコンが表示されている。
【0031】
図4(B)は、
図4(A)の地図の中央部を中心に地図を180°回転して表示したとき(つまり、地図の表示の向きを180°変更したとき)に地図上に表示されたアイコンを示している。同図では、アイコンa〜dが地図上に表示されており、地図の上部に存在するアイコンから順に(すなわち、アイコンd、c、b、aの順序で)重畳的にこれらのアイコンが表示されている。すなわち、地図の表示の向きの変更に応じて、重畳して表示されるアイコンの表示順序を変更することができる。
【0032】
(2)アイコンの表示位置をずらす方法
この方法では、複数のアイコンについて、表示されている地図の縮尺と、複数のアイコンのそれぞれが指し示す位置の間の距離とに応じて、アイコンをずらして表示させる。
図5を参照して、従来のアイコンの表示方法と、(2)の方法によるアイコンの表示方法との違いについて説明する。
【0033】
図5(A)は、地図の縮尺を変更したときの従来のアイコンの表示方法の例を示している。同図において、地図の縮尺が1/50,000のとき、複数のアイコンのそれぞれは、それぞれ異なる位置を示していることが示されている。また、この地図の縮尺を1/150,000に(すなわち、小さい縮尺に)変更して表示した場合、アイコンが完全に重なって表示されている。このように、従来の表示方法では、地図の縮尺を小さくして表示した場合、アイコンが完全に重なってしまい、アイコンが示す内容(アイコンが指し示す位置)を把握できなくなることがある。
【0034】
図5(B)は、(2)の方法によるアイコンの表示方法を示している。同図において、地図の縮尺が1/50,000のとき、複数のアイコンのそれぞれは、それぞれ異なる位置を示していることが示されている(
図5(A)における地図の縮尺1/50,000と同じ内容を示している)。また、この地図の縮尺を1/150,000に変更して表示した場合、アイコンが完全に重なるのではなく、複数のアイコンのそれぞれが本来表示されるべき位置からずれて表示されている(すなわち、アイコンは、本来指し示す位置からずれた位置を指し示している)。このような表示を行うために、具体的には、アイコン表示制御部112は、まず、表示される地図の縮尺と、複数のアイコンのそれぞれが指し示す位置の間の距離とに応じて、アイコンをずらして表示させる必要があるか否か(複数のアイコンが完全に、又は所定の割合以上、重なって表示されてしまうか否か)を判断する。例えば、アイコン表示制御部112は、表示される地図の縮尺が1/150,000であり、複数のアイコンのそれぞれが指し示す位置の間の緯度経度距離が所定値以内であるときに、当該複数のアイコンが完全に、又は所定の割合以上、重なって表示されてしまうか否かを判断する。アイコンをずらして表示させる必要がある(複数のアイコンが完全に、又は所定の割合以上、重なって表示されてしまう)と判断された場合、アイコン表示制御部112は、複数のアイコンのそれぞれが指し示す位置の間の距離(例えば、緯度経度距離)に応じた距離だけ複数のアイコンのそれぞれを本来表示されるべき位置からずらして地図上に表示させる。
【0035】
このように、(2)の方法によるアイコンの表示方法によれば、アイコン表示制御部112は、複数のアイコンのそれぞれが互いに重なり合うように表示される場合に、アイコンが示す内容(アイコンが指し示す位置)をより把握しやすくすることができる。なお、(1)と(2)の方法を組み合わせてアイコンを表示させることもできる。
【0036】
また、アイコンの表示位置をずらす他の方法として、アイコン表示制御部112は、アイコンをずらして表示させる必要があると判断した場合、複数のアイコンのそれぞれが位置を指し示す方向を変更して当該複数のアイコンを表示することもできる。
【0037】
図6は、アイコンをずらして表示させる必要があると判断された場合に、複数のアイコンのそれぞれが位置を指し示す方向を変更してアイコンの表示を行う例を示している。この例において、地図の縮尺を小さい縮尺に(1/50,000から1/150,000に)変更したときに、複数のアイコンのそれぞれが位置を指し示す方向が変更され、同じ位置を指し示すように放射状に表示されている。
【0038】
次に、
図7を参照して、表示制御装置10において実行される処理のフローを説明する。なお、以下に説明する処理フローに含まれる各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。なお、各処理ステップの処理の詳細は、既に説明しているためここでは省略する。
【0039】
まず、ステップS11において、制御部11は、記憶部15に記憶された地図情報を参照して、表示部17に対して所定の縮尺で地図を表示するように制御する。
【0040】
ステップS12において、制御部11は、記憶部に記憶された地図情報を参照して、アイコンにより位置が指し示されるべき場所として、所定の施設が存在するような地図上の1つ又は複数の所定の位置を特定する。
【0041】
ステップS13において、制御部11は、ステップS12で特定された所定の位置のそれぞれを指し示すように、地図上に1つ又は複数のアイコンを表示する。表示される複数のアイコンのそれぞれの少なくとも一部分が互いに重なり合う位置に存在する場合、制御部11は、当該複数のアイコンについて、アイコンが示す内容(アイコンが指し示す位置)をより把握しやすくするようにアイコンを表示する。そのような表示方法として、(1)アイコンの表示順序を変更する方法と、(2)アイコンの表示位置をずらす方法とがある。それぞれの方法の詳細は、上記で説明した通りである。
【0042】
以上のように本実施形態によれば、地図上に表示させる複数のアイコン間の表示位置が近い場合であっても、当該アイコンが示す内容をより把握しやすくすることができる。
【0043】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
10 表示制御装置、11 制御部、12 CPU、13 メモリ、14 通信部、15 記憶部、16 操作部、17 表示部