(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、設営状態を上から見て2間(約360cm)×3間(約540cm)サイズの大型テントの場合、最大伸長状態で長さ3間となる長辺伸縮フレームは、両端のみを柱部材で支えるだけでは支持強度が不十分であるので、長辺伸縮フレームの両端以外の部分を支持する中柱を設けることが普通とされていた。
【0006】
しかし、前記中柱を設けると、テントの四隅以外の箇所に柱が位置するので、中柱がテントへの出入りの邪魔になり、使い勝手が悪かった。2間×3間のサイズにすることでテントの面積を大きくしたにもかかわらず、前記中柱の存在がテントの間口を狭くする要因となってしまっていたのである。
【0007】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、2間×3間サイズのテントの間口を制約無く利用できるテントフレームを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るテントフレームは、設営状態を上から見て2間×3間のサイズの長方形のテントの四隅を画定する
六角パイプからなる四本の柱部材と、
縦長の長方形の角パイプの中に幅方向中央部を縦断するリブを備えた棒材からなり、二本の棒材をX字状に枢支してなる開閉自在なシザー組立体が水平方向に二つ枢支連結され、テントの短辺を画定するように前記柱部材間に伸縮自在に架設される短辺フレームと、二つの棒材をX字状に枢支してなる開閉自在のシザー組立体が水平方向に三つ枢支連結され、テントの長辺を画定するように前記柱部材間に伸縮自在に架設される長辺フレームと、前記短辺フレームと前記長辺フレームの少なくともいずれかに直接又は間接的に支持されるトップ柱と、を備え、前記柱部材の分散と、前記短辺フレーム及び前記長辺フレームと、前記トップ柱の上昇とが連動して起こることで設営状態に移行し、且つ、前記柱部材の集合と、前記短辺フレーム及び前記長辺フレームの収縮と、前記トップ柱の下降とが連動して起こることで収納状態に移行し、前記四本の柱部材のみでテントの設営状態が維持され得る強度を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、テント設営時には、前記柱部材の分散に連動して前記短辺フレーム及び前記長辺フレームが伸長し、且つ前記トップ柱が上昇する。また、テント収納時には、前記柱部材の集合に連動して前記短辺フレーム及び前記長辺フレームが収縮し、且つ前記トップ柱が下降する。よって、テントの設営及び収納をごく少ない人員で迅速に行うことができる。
【0010】
前記四本の柱部材のみで、テント設営状態を維持することができるので、前記長辺フレームを支持するために従来必要とされていた中柱を設ける必要がない。よって、2間×3間サイズのテントの間口を制約無く利用することができる。
【0011】
本発明では、前記各柱部材が六角パイプで形成される。このようにすれば、前記各柱部材が四角パイプで形成される場合よりも柱部材の強度が高くな
る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。
【0014】
本発明に係るテントフレームは、
図1に示すように、設営状態を上から見て2間(約360cm)×3間(約540cm)のサイズの長方形のテント1用のフレームである。
【0015】
本発明の実施の一形態に係るテントフレーム2は、
図2に示すように、四本の柱部材3と、二つの短辺フレーム4と、二つの長辺フレーム5と、二本のトップ柱6と、トップ柱支持フレーム7と、を備える。テントフレーム2は、四本の柱部材3のみでテント設営状態が維持され得る強度を備える。具体的には、各柱部材3の強度が高められ、且つ、短辺フレーム4及び長辺フレーム5の強度が高められる。テントフレーム2には、四本の柱部材3のみでの使用(中柱なしでの使用)に耐え得る強度を有することが第一に求められるが、強度を重視するあまり、運搬や設営作業、収納作業に支障が出るほどの重量になってしまっては、取り扱い性が悪くなり実用性に欠ける。よって、必要十分な強度と、良好な取り扱い性とを備えるテントフレームを提供することが本発明の目的である。
【0016】
柱部材3は、起立状態でテントフレーム2の四隅を形成する。柱部材3は、テントフレーム2の収納時には中央に集合し、テントフレーム2の設営時には四方へと分散する。
本発明では、柱部材3は軽量化のために中空のパイプを用い
られ、強度向上の観点から
六角パイプが用いられる。
【0017】
柱部材3は、下側柱部材8と上側柱部材9との結合体であり、上側柱部材9の内部に下側柱部材8が嵌挿されて相対伸縮可能な構成とされている。そして、上側柱部材9は、上側柱部材9に取り付けられるロック装置10によって、下側柱部材8に対して上下位置変更可能に固定できるようになっている。下側柱部材8の下端部には、地面に接触するベースパッド11が固着されている。
【0018】
ロック装置10は、周知の構成であるので詳細には図示していないが、下側柱部材8に形成したロック孔に出入り自在なロックピンと、このロックピンをロック孔に突入する方向に常時付勢するロックばねと、ロックピンをロック孔から抜き操作するためのロック解除操作部材等によって構成される。柱部材3が長さ調整可能であるので、テントフレーム2の収納時にはコンパクト性が向上し、テントフレーム2の展開状態では内部をより広くして使用できる。
【0019】
短辺フレーム4は、平面視長方形のテント1の短辺を画定する柱部材3,3の上部同士を連結する伸縮自在なものである。長辺フレーム5は、平面視長方形のテント1の長辺を画定する柱部材3,3の上部同士を連結する伸縮自在なものである。短辺フレーム4及び長辺フレーム5の詳細については後述する。
【0020】
トップ柱6は、柱部材3で囲まれる空間内に位置する収納時高さ位置と、該収納時高さ位置から真上に移動した設営時高さ位置との間を垂直に昇降自在なものである。トップ柱6は、テント設営状態において、テントシート12(
図6,7参照)を下から支える。
【0021】
トップ柱支持フレーム7は、短辺フレーム4の途中と長辺フレーム5の途中にある上下一対の関節部13a,13bとトップ柱6とを連結する伸縮自在なものであり、短辺フレーム4及び長辺フレーム5上でトップ柱6を支持する。トップ柱6の配設態様は、
図2の例には限定されず、短辺フレーム4と長辺フレーム5の少なくともいずれかに直接又は間接的に支持されるものであればよい。例えば、各短辺フレーム4の途中にある上下一対の関節部13a,13bによってトップ柱6を支持させることもでき、この場合には、各短辺フレーム4がトップ柱支持フレームを兼ねることになる。
【0022】
図3に示すように、短辺フレーム4は、シザー組立体14を水平方向に二つ、相互間に上下一対の関節部13a,13bを介して枢支連結した伸縮自在なものである。シザー組立体14は、同じ長さの二本の棒材15をそれぞれの長さの中央部でX字状に枢支したものであり、枢支軸16を中心として両端部が鋏のように上下に開閉自在である。短辺フレーム4は、テント1の短辺を画定する柱部材3,3間を伸縮自在に連結する。
【0023】
図4に示すように、シザー組立体14を構成する二本の棒材15,15は、軽量化のために断面長方形の角パイプを使用し、強度を高めるために、縦長の長方形の角パイプの中に、幅方向中央部を縦断するリブ17を備えた構成と
される。
【0024】
図3に示すように、短辺フレーム4の上側の両外端部18,18は、柱部材3の上端に固着して設けた上端連結具19に枢支軸20で枢着される。短辺フレーム4の下側の両外端部21,21は、柱部材3に上下スライド自在に嵌装したスライド部材22に枢支軸23で枢着される。スライド部材22の上下スライドにより、短辺フレーム4の収縮と伸長が可能となる。
【0025】
スライド部材22は、ロック装置24によって、柱部材3上の設営時高さ位置(
図3に示した位置)で固定することができる。ロック装置22は、周知の構成であるので詳細には図示していないが、柱部材3に形成したロック孔に出入り自在なロックピンと、このロックピンをロック孔に突入する方向に常時付勢するロックばねと、ロックピンをロック孔から抜き操作するためのロック解除操作部材等によって構成される。
【0026】
図5に示すように、長辺フレーム5は、シザー組立体14を水平方向に三つ、相互間に上下一対の関節部13a,13bを介して枢支連結した伸縮自在なものである。長辺フレーム5と短辺フレーム4との違いは、シザー組立体14の連結数のみである。また、長辺フレーム5と柱部材3との連結態様は、短辺フレーム4と柱部材3との連結の態様と同一である。よって、
図5に
図3と同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0027】
なお、
図3と
図5に示す短辺フレーム4及び長辺フレーム5の最大伸長状態において、シザー組立体14を構成する二本の棒材15,15間の角度θが小さすぎると、短辺フレーム4及び長辺フレーム5の強度が低下する。そこで、短辺フレーム4及び長辺フレーム5の強度が必要十分な範囲に保たれるように前記角度θを適切な大きさにした上で、最大伸長状態における短辺フレーム4及び長辺フレーム5によって2間×3間の長さが確保できるように、シザー組立体14の二本の棒材15,15の長さを適宜に設定する。
【0028】
前記角度θは、テント設営状態における上下一対の関節部13a,13b間の上下間隔(関節部離間寸法)Lの大小によって変わる。2間×3間のテントフレームの場合、前記上下間隔(関節部離間寸法)Lは、長辺フレーム5を支持するための中柱を用いていた従来品において、例えば24cm程度であった。これに対し、本実施の形態では、前記上下間隔(関節部離間寸法)Lを35〜40cmとすることで、短辺フレーム4及び長辺フレーム5の強度アップが達成でき、中柱なしのテントフレームが実現できた。
【0029】
図6及び
図7に示すように、トップ柱支持フレーム7は、複数のシザー組立体14を枢支連結した伸縮自在なものである。シザー組立体14自体については、短辺フレーム4及び長辺フレーム5を構成するシザー組立体と同一である。トップ柱支持フレーム7は、短辺フレーム4及び長辺フレーム5の途中にある上下一対の関節部13a,13b上でトップ柱6を支持する。
【0030】
本実施の形態では、
図2に示すように、二つの長辺間トップ柱支持フレーム25(短辺フレーム4と平行に延びている)と、一つの短辺間トップ柱支持フレーム26(長辺フレーム5と平行に延びている)との組み合わせで、二本のトップ柱6が支持される。長辺間トップ柱支持フレーム25は、一対の長辺フレーム5,5において互いに対応する位置にある上下一対の関節部13a,13b同士の間に架設される。短辺間トップ柱支持フレーム26は、一対の短辺フレーム4,4において互いに対応する位置にある上下一対の関節部13a,13b同士の間に架設される。そして、二つの長辺間トップ支持フレーム25と一つの短辺間トップ柱支持フレーム26とで形成される二つの交差部のそれぞれに位置する上下一対のトップ柱支持関節部27a,27bによってトップ柱6が支持される。
【0031】
短辺間トップ柱支持フレーム
26は、
図6に示すように、短辺フレーム4に対応する構成であり、シザー組立体14を水平方向に二つ、相互間に上下一対のトップ柱支持関節部27a,27bを介して枢支連結した伸縮自在のものである。
短辺間トップ柱支持フレーム
26の上側の両外端部28,28は、
短辺フレーム4に含まれる上側の関節部13aに枢支軸29で枢着される。
短辺間トップ柱支持フレーム
26の下側の両外端部30,30は
短辺フレーム4に含まれる下側の関節部13bに枢支軸31で枢着される。
【0032】
長辺間トップ柱支持フレーム
25は、
図7に示すように、長辺フレーム5に対応する構成であり、シザー組立体14を水平方向に三つ、相互間に上下一対のトップ柱支持関節部27a,27bを介して枢支連結した伸縮自在なものである。
長辺間トップ柱支持フレーム
25の上側の両外端部32,32は、
長辺フレーム5に含まれる上側の関節部13aに枢支軸33で枢着される。
長辺間トップ柱支持フレーム25の下側の両外端部34,34は
長辺フレーム5に含まれる下側の関節部13bに枢支軸35で枢着される。
【0033】
図6及び
図7に示すように、下側のトップ柱支持関節部27bには、トップ柱支持フレーム7を構成するシザー組立体14の下側の端部が枢支軸36で枢着される。そして、下側のトップ柱支持関節部27bは、トップ柱6の下端部に固着される。一方、上側のトップ柱支持関節部27aには、トップ柱支持フレーム7を構成するシザー組立体14の上側の端部が枢支軸37で枢着される。そして、上側のトップ柱支持関節部27aは、トップ柱6に上下スライド自在に嵌装される。
【0034】
トップ柱6は、下側トップ柱38と、この下側トップ柱38に対して上下動可能に嵌装される上側トップ柱39と、下側トップ柱38と上側トップ柱39との間に介装されるテンションスプリング40と、を備える。下側トップ柱38の下端部に、下側のトップ柱支持関節部27bが固着され、上側トップ柱39に、上側のトップ柱支持関節部27aが上下スライド自在に嵌装される。
【0035】
テンションスプリング40は、下側トップ柱38上で上側トップ柱39を上方へ付勢し、トップ柱6上のテントシート12に張りを与える。テンションスプリング40としては、円筒形圧縮コイルばねを用いることができる。テンションスプリング40の下端部は、下側のトップ柱支持関節部27bに当接し、上端部は、上側トップ柱39の下端面に当接する。テンションスプリング40は、上側トップ柱39と下側トップ柱38との間に外部から見えないように介装することもできるが、
図6及び
図7のように外部に露出させた態様で配設すると、テンションスプリング40の配設スペースに自由度が出るので、テンションスプリング40としてばね力の大きい比較的大型のものを使用することが可能となる。このため、2間×3間という大型のテント1の、面積の大きいテントシート12に対して必要十分なだけの適切な張りを付与することができる。
【0036】
なお、
図6及び
図7に示すように、前記上側トップ柱39の上端には、テントシート支持面41が形成される。このテントシート支持面41は、テントシート12を損傷することがないように、滑らかなドーム状に形成される。
【0037】
短辺フレーム4及び長辺フレーム5の伸縮により短辺フレーム4及び長辺フレーム5に含まれる下側の関節部13bが上下動し、下側の関節部13bの上下動と上側のトップ柱支持関節部27aのトップ柱6に沿う上下スライドとにより、トップ柱支持フレーム7の収縮と伸長が可能となる。そして、前記トップ柱支持フレーム7の伸縮により、トップ柱6が昇降する。
【0038】
テントフレーム2は、
図8に示すように、収縮状態と展開状態との間で状態移行させることができる。
図8(a)はテントフレーム2の完全な収縮状態であり、四本の柱部材3が集合し、短辺フレーム4、長辺フレーム5及びトップ柱支持フレーム7が完全に収縮してトップ柱が四本の柱部材の間に隠れている状態である。
【0039】
図8(a)の状態から、四本の柱部材3の分散と、短辺フレーム4、長辺フレーム5及びトップ柱支持フレーム7の伸長と、トップ柱6の上昇とが互いに連動して起こり、
図8(b)、
図8(c)、
図8(d)の順にテントフレーム2が展開する。
図8(d)は、テントフレーム2の水平方向への完全な展開状態である。
図8(d)の状態から、必要に応じて各柱部材3を伸ばすことで、テント下の空間の大きい
図8(e)の伸脚状態となる。
【0040】
テントフレーム2の収納時には、
図8(e)の状態から各柱部材3を縮めて
図8(d)に移行する。その後、四本の柱部材3の分散と、短辺フレーム4、長辺フレーム5及びトップ柱支持フレーム7の収縮と、トップ柱6の下降とが互いに連動して起こり、
図8(d)、
図8(c)、
図8(b)、
図8(a)の順でテントフレーム2の収縮状態となる。
【0041】
図8には示していないが、テントフレーム2には、予めテントシート12が取り付けられる。テントフレーム2を
図8(d)の設営状態にすることでテントシート12も自然に広がってテントフレーム2上に張られ、テントフレーム2を
図8(a)の収縮状態(収納状態)にすることでテントシート12も自然に押し縮められてテントフレーム2上にまとまる。
【0042】
以上のように構成されるテントフレーム2によれば、テントの設営及び収納をごく少ない人員で迅速に行うことができる。加えて、四本の柱部材3のみで、テント設営状態を維持することができるので、長辺フレーム5を支持するために従来必要とされていた中柱を設ける必要がない。よって、2間×3間サイズの大型のテント1の間口を制約無く利用することができる。