(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記混雑情報は、前記利用駅候補の現在の混雑状況を示すリアルタイム情報、および/または、前記利用駅候補の将来の混雑状況を示す予測情報を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。本実施形態に係る情報処理システム1は、モバイル端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等)やパソコン等の電子機器の使用者(以下、単に「ユーザ」ともいう)に対して経路を提供するシステムである。
【0011】
情報処理システム1は、
図1に示すように、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークとは、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0012】
端末装置2は、経路を探索するためにユーザが使用するものであり、例えば、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である。なお、端末装置2は、デスクトップ型のパソコンであってもよい。
【0013】
端末装置2は、
図1に示すように、通信部21と、制御部22と、入力部23と、出力部24とを有する。まず、端末装置2の構成要素のうち、制御部22以外の構成要素、即ち、通信部21、入力部23および出力部24について説明する。
【0014】
通信部21は、ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0015】
入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、デスクトップ型のパソコンにおけるキーボード、タッチパッドもしくはダイヤルボタンであってもよい。
【0016】
出力部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には、出力部24は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、後述する移動経路情報などを表示する。あるいは、出力部24は移動経路情報などを音声で出力するスピーカであってもよい。
【0017】
なお、出力部24は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部24は、端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される印刷装置にデータを出力するものであってもよいし、端末装置2内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0018】
次に、端末装置2の制御部22について説明する。制御部22は、
図1に示すように、探索条件取得部221と、情報提示部222とを有する。これら各部は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0019】
探索条件取得部221は、経路探索用の探索条件を取得する。探索条件は、出発地および目的地のうち少なくともいずれか一方を含む。出発地や目的地は、鉄道駅に限られず、例えば、バスの停留所、水上バスの乗降船場、空港、港、自宅、会社、あるいは、GPSやWifi測位等の測位手段によって検出された現在位置などであってもよい。
【0020】
探索条件は、出発地や目的地の他、経由地(鉄道の場合は乗換駅や通過駅等)、使用路線、出発時刻、到着時刻等を含んでもよい。
【0021】
探索条件取得部221は、入力部23を介して探索条件を取得する他、入力部23を介さずに探索条件の少なくとも一部を取得してもよい。例えば、出発地として、端末装置2が有する測位手段(図示せず)から現在位置を取得してもよいし、出発時刻として、端末装置2が有する計時手段(図示せず)もしくは外部のサーバから現在時刻を取得してもよいし、目的地や到着時刻等の情報をスケジューラアプリから取得してもよい。
【0022】
情報提示部222は、移動経路等に関する各種情報を、出力部24を介してユーザに提示する。
【0023】
なお、出力部24が映像表示手段である場合、情報提示部222は、提示すべき情報を映像信号に変換して出力部24に出力し、出力部24が音声出力手段である場合には、情報提示部222は、提示すべき情報を音声信号に変換して出力部24に出力する。
【0024】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に、通信部31および記憶部33について説明する。
【0025】
通信部31は、ネットワークを介して端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0026】
記憶部33は、例えばハードディスク等の固定型データストレージであり、後述の各種データベースを格納する。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワークを介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0027】
記憶部33は、経路ネットワークデータベース331と、混雑情報データベース332とを有する。
【0028】
経路ネットワークデータベース331は、経路探索用のデータベースであり、経路ネットワーク情報として、例えば地図情報、および交通ネットワーク情報を含む。地図情報は、全国または各地方の道路地図などの地図データを含み、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(施設情報、注記情報、記号情報等)を含んでよい。交通ネットワーク情報は、鉄道やバスや船舶(例えば水上バスやフェリー)等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の種類としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0029】
混雑情報データベース332は、駅の混雑状況を示す混雑情報のデータベースである。ここで、駅とは、移動手段(交通機関)が乗客を乗り降りさせるために停留する場所を意味し、例えば、移動手段が鉄道の場合には鉄道駅、移動手段がバスの場合には停留所、移動手段が船舶の場合には港(乗降船場)、移動手段が飛行機の場合には空港、移動手段がタクシーの場合はタクシー乗り場である。
【0030】
混雑情報は、駅の混雑状況を示すものであり、後述する混雑情報取得部322が選択的に取得し得るものであれば、その具体的な態様は特に限定されない。例えば混雑情報は、駅の現在の混雑状況を示すリアルタイム情報および駅の将来の混雑状況を示す予測情報の少なくとも一方であってもよい。例えば、リアルタイム情報および予測情報の両方を用いることで、ユーザが駅に到着した時点での混雑状況をより正確に判断することができる。
【0031】
具体的には、リアルタイム情報は、例えば鉄道駅における駅や電車の混み具合のレベルをユーザからの投稿を元に示す電車混雑リポート情報であってもよい。また、駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数、駅の公式発表データ等であってもよい。また、予測情報は、上記各リアルタイム情報、駅の周囲のイベント情報、駅を検索した地点検索ログ、駅を出発地とした経路検索ログ等から推定する任意時点での駅の混雑状況に関する情報であってもよい。
【0032】
なお、イベント情報は、イベントの開催場所(地図上の座標)、開催時間(例えば、開始時刻、終了時刻)、規模(例えば、参加人数や会場面積)、混雑するイベントか否かを示すフラグなどを含む情報であってもよい。
【0033】
混雑情報には、駅の混雑状況だけでなく、駅の周辺の領域の混雑状況を示す情報が含まれていてもよい。
【0034】
混雑情報の少なくとも一部(例えば、駅の公式発表データ等)は、混雑情報データベース332ではなく、外部サーバのデータベースが管理するものであってもよい。
【0035】
次に、サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は、
図1に示すように、利用駅候補抽出部321と、混雑情報取得部322と、代替経路取得部323とを有する。これら各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。
【0036】
利用駅候補抽出部321は、探索条件や現在位置等に基づいて、ユーザが利用する可能性のある駅(以下、単に「利用駅候補」ともいう)を抽出する。
【0037】
利用駅候補は、例えば、現在位置の最寄駅や、現在位置もしくは最寄駅を中心とした所定距離の半径の円形領域内に存在する駅、ユーザが端末装置2を用いて指定した駅等であってもよい。利用駅候補は、探索条件に含まれる出発地や経由地等であってもよい。利用駅候補が探索条件に含まれる場合、利用駅候補抽出部321は、探索条件に基づいて利用駅候補を抽出してもよい。
【0038】
利用駅候補の個数は限定されず、単数および複数のいずれであってもよい。例えば利用駅候補は、出発駅および乗換駅の双方を含んでもよく、また、乗換駅の個数は、単数および複数のいずれであってもよい。
【0039】
混雑情報取得部322は、利用駅候補抽出部321が抽出した利用駅候補の混雑情報を取得する。
【0040】
混雑情報取得部322は、混雑情報データベース332内の各駅の混雑情報のうち、例えば利用駅候補と同一の座標に対応付けられた混雑情報や、利用駅候補と同一の識別情報や経路ネットワーク情報に対応付けられた駅の混雑情報を、利用駅候補の混雑情報として取得してもよい。利用駅候補の混雑情報は、リアルタイム情報および予測情報のいずれであってもよい。また、混雑情報取得部322は、探索条件等に基づいて利用駅候補の利用時刻を考慮し、利用時刻に適合した時刻に対応する混雑情報を混雑情報データベース332から取得してもよい。
【0041】
また、混雑情報取得部322は、現在位置(出発地)から利用駅候補までの混雑情報を取得してもよい。
【0042】
代替経路取得部323は、利用駅候補が混雑する場合は、代替経路を取得する。一方、代替経路取得部323は、利用駅候補が混雑しない場合は、代替経路を取得しなくてもよい。
【0043】
ここで、代替経路とは、代替利用駅を利用する経路を示す移動経路情報である。代替利用駅とは、混雑する利用駅候補(以下、「混雑駅」ともいう)に代替可能な駅である。
【0044】
例えば、本実施形態において、代替利用駅は、現在位置の周辺の駅であって混雑駅の移動手段である第1移動手段とは異なる第2移動手段の駅であり、代替経路は、当該第2移動手段の駅を利用する経路である。現在位置の周辺とは、現在位置の周囲の所定の領域内の位置であれば特に限定されず、例えば、現在位置を中心とした所定距離の半径(例えば、半径500m等)を有する円形領域内の位置や、現在位置から徒歩で所定時間内に到達できる領域内の位置等であってもよい。
【0045】
なお、代替利用駅は、出発地の周辺の第2移動手段の駅であってもよい。出発地の具体的な態様は特に限定されず、例えば出発駅等であってもよい。出発地の周辺は、現在位置の周辺と同様に、出発地の周囲の所定の領域内の位置であってもよい。
【0046】
また、代替利用駅は、混雑駅の周辺の第2移動手段の駅であってもよい。混雑駅の周辺は、現在位置の周辺と同様に、混雑駅の周囲の所定の領域内の位置であってもよい。
【0047】
なお、混雑情報がそれ自体で混雑の発生を示す情報である場合(すなわち、混雑が発生していないと取得されない情報である場合)がある。この場合には、代替経路取得部323は、混雑情報取得部322による混雑情報の取得を契機として、混雑の有無を判定せず直ちに代替経路を取得してもよい。一方、混雑情報が、混雑の有無を示す情報や混雑の有無の判定に利用可能な情報である場合がある。この場合には、代替経路取得部323は、混雑情報に基づいて利用駅候補の混雑の有無を判定したうえで、混雑が発生していると判断した場合に、代替経路を取得してよい。
【0048】
代替経路取得部323は、代替経路だけでなく、利用駅候補を利用する移動経路(通常のコスト計算に基づいた移動経路)を取得してもよい。利用駅候補を利用する移動経路は、混雑の有無を問わなくてよい。
【0049】
サーバ3の通信部31は、代替経路取得部323が取得した代替経路を端末装置2に送信する。これにより、端末装置2の情報提示部222は、代替経路を出力することができる。
【0050】
ここで、もし、駅の混雑状況を駅における所要時間のコストに反映させて経路探索を行う場合、混雑する駅のコストが上昇したために、別の駅を利用する経路が探索される可能性はある。しかるに、そのようなコスト計算による経路探索では、混雑する駅の利用を回避する経路を高い確度で取得できるとは限らない。なぜならば、コスト計算においては、所要時間以外にも、運賃、乗換回数など種々の要素が考慮され得るからである。
【0051】
これに対して、代替経路取得部323によれば、代替利用駅が存在する場合には、この代替利用駅を利用する代替経路を確実に取得してユーザに提供できる。具体的には、第1移動手段の混雑駅の利用を回避する第2移動手段の代替経路を提供することができる。より具体的には、混雑情報がリアルタイム情報である場合には、ユーザの現在位置の近くの混雑駅の利用回避に有効な代替経路を提供することができる。また、混雑情報が予測情報である場合には、ユーザの現在位置から遠距離の混雑駅または将来的な混雑駅の利用回避にも有効な代替経路を提供することができる。なお、混雑情報としての予測情報に基づいて当初の経路探索時は混雑駅でないと判断された利用駅候補が、不意に発生した交通機関の遅延等によって、実際に利用駅候補に赴いたタイミングで混雑駅になっている場合がある。しかるに、この場合には、再探索によって混雑駅の周辺の第2移動手段の駅を代替利用駅とした代替経路を探すことで、不意に発生した混雑に速やかに対応することができる。
【0052】
また、サーバ3の通信部31は、端末装置2の情報提示部222において混雑駅を利用する移動経路の情報(以下、「混雑経路」ともいう)と代替経路とを識別可能および/または比較可能に出力し得るように、代替経路とともに混雑経路を送信してよい。これにより、情報提示部222は、混雑経路と代替経路とを識別可能および/または比較可能に出力できる。このようにして出力された混雑経路および代替経路によれば、ユーザは、代替経路の利用の是非を容易に判断し得る。
【0053】
なお、代替経路取得部323は、代替経路、および利用駅候補を利用する移動経路(混雑経路となるものを含む)を、例えば、経路探索の結果や予め探索済みの経路(例えば、履歴や予め登録済みの経路であるMyルート等)に基づいて取得してよい。代替経路、および利用駅候補を利用する移動経路を経路探索の結果によって取得する場合、当該経路探索は、代替経路取得部323およびその他の経路探索手段(例えば外部サーバ等)のいずれが行ってもよい。代替経路を探索する場合、その過程で代替利用駅を抽出することになるが、代替利用駅の抽出は、現在地の最寄の利用駅候補の抽出と同様のロジックで行ってもよい。一方、代替経路、および利用駅候補を利用する移動経路を予め探索済みの経路に基づいて取得する場合、予め探索済みの経路は、サーバ3の記憶部33およびその他の記憶手段(例えば外部サーバの記憶部等)のいずれに記憶されていてもよい。
【0054】
また、利用駅候補を利用する移動経路が予め探索済みの経路に基づいて取得された場合、利用駅候補抽出部321は、当該移動経路中の出発駅を抽出し、混雑情報取得部322は、該出発駅の混雑情報を取得してもよい。そして、代替経路取得部323は、該混雑情報が混雑を示すもの否かを判定し、該混雑情報が混雑を示すものであると判定されると、代替経路を探索してもよい。
【0055】
次に、
図2および
図3を参照して、上記の構成を有する情報処理システム1の処理動作の一例について説明する。
【0056】
まず、
図2に示すように、端末装置2の探索条件取得部221が、経路探索用の探索条件を取得する(ステップS21)。そして、端末装置2の通信部21が当該探索条件をサーバ3に送信し(ステップS22)、サーバ3の通信部31が当該探索条件を受信する(ステップS31)。
【0057】
次に、サーバ3の利用駅候補抽出部321が、ステップS31において受信された探索条件に基づいて、利用駅候補を抽出する(ステップS32)。そして、サーバ3の代替経路取得部323が、ステップS32において抽出された利用駅候補(第1移動手段)を利用する経路を探索する(ステップS33)。なお、利用駅候補を利用する経路は、該利用駅候補が混雑駅である場合には、混雑経路となる。次に、サーバ3の混雑情報取得部322が、利用駅候補の混雑情報を取得する(ステップS34)。
【0058】
次に、
図3に示すように、サーバ3の代替経路取得部323が、ステップS34において取得された混雑情報に基づいて、利用駅候補が混雑しているか否かを判定する(ステップS35)。
【0059】
例えば、混雑情報が電車混雑リポート情報である場合、電車混雑リポート情報が示す利用駅候補でのレベルが、「乗れない」に相当するレベルであれば、混雑有りと判定し、該レベルよりも低いレベルであれば、混雑無しと判定してもよい。また、混雑情報が駅またはその周辺の端末プローブ情報の数である場合、この数が閾値を超えるのであれば、混雑有りと判定し、閾値以下であれば、混雑無しと判定してもよい。また、混雑情報がイベント情報である場合、利用駅候補の周囲で大きなイベントが開催されているのであれば、混雑有りと判定し、開催されていないのであれば、混雑無しと判定してもよい。また、混雑情報が地点/経路検索ログである場合、検索数が閾値を超えるのであれば、混雑有りと判定し、閾値以下であれば、混雑無しと判定してもよい。
【0060】
そして、利用駅候補が混雑している場合には(ステップS35:Yes)、代替経路取得部323が、第2移動手段の駅を利用する代替経路を探索して取得する(ステップS361)。一方、利用駅候補が混雑していない場合には(ステップS35:No)、代替経路取得部323は、代替経路を探索しない。
【0061】
なお、ステップS35の判定は、ステップS32とステップS33の間すなわち、経路探索前に行ってもよい。
【0062】
ここで、
図4は、ステップS361の実行によって取得される経路の一例を模式的に示す経路図である。
図4に示すように、本実施形態においては、利用駅候補としての現在位置の最寄駅が、第1移動手段の混雑駅である場合、混雑経路R1と、第2移動手段を利用する代替経路R2とを取得することができる。
【0063】
具体的には、
図4の混雑経路R1は、現在位置から目的地である第1移動手段の到着駅Gまで移動する経路である。より具体的には、混雑経路R1は、現在位置から第1移動手段の混雑駅Sまでの徒歩ルートR11と、混雑駅Sから目的地Gまで第1移動手段を利用するルートR12とによって構成されている。
【0064】
また、
図4の代替経路R2は、現在位置から目的地Gまでの第2移動手段を利用した経路である。より具体的には、代替経路R2は、現在位置周辺の代替利用駅S’までの徒歩ルートR21と、代替利用駅S’から目的地Gに最寄りの第2移動手段の到着駅G’まで第2移動手段を利用するルートR22と、当該到着駅G’から目的地Gまでの徒歩ルートR23とによって構成されている。
【0065】
次に、
図3に示すように、サーバ3の通信部31が、代替経路取得部323の経路探索結果を端末装置2に送信する(ステップS37)。このとき、代替経路が取得されている場合(ステップS361を経た場合)には、通信部31は、代替経路と混雑経路とを端末装置2に送信する。一方、代替経路が取得されていない場合(ステップS361を経ていない場合)には、通信部31は、第1移動手段の最寄駅(混雑駅ではない)を利用する経路のみを端末装置2に送信する。
【0066】
次に、端末装置2の通信部21は、ステップS37において送信された経路探索結果を受信する(ステップS23)。そして、端末装置2の情報提示部222は、当該経路探索結果を、出力部24を介してユーザに提示する。
【0067】
ここで、
図5は、ステップS24において提示される端末装置2の表示画面(経路探索結果の表示画面)の第2の例である。
図5の表示画面では、第1移動手段としての電車と、徒歩とを利用した混雑経路R1と、第2移動手段としての水上バスと、徒歩とを利用した代替経路R2とが、簡易一覧表示の態様で識別可能かつ比較可能に表示されている。
【0068】
具体的には、
図5の混雑経路R1は、「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間が表示されているので、ユーザは、混雑経路R1を一目で識別することができる。なお、
図5の混雑経路R1は、徒歩および電車のイラストが表示されているので、ユーザは、混雑経路R1が電車を利用する経路であることを一目で把握することができる。
【0069】
一方、
図5の代替経路R2は、「混雑回避」と表示されているので、ユーザは、代替経路R2を一目で識別することができる。なお、
図5の代替経路R2は、徒歩および船のイラストが表示されているので、ユーザは、代替経路R2が水上バスを利用する経路であることを一目で把握することができる。
【0070】
また、
図5の混雑経路R1、代替経路R2は、出発地から目的地までの所要時間と、混雑状況に応じた遅延時間とが表示されているので、ユーザは、両経路の実質的な所要時間を容易に比較することができる。その他、ユーザは、運賃、乗換の有無なども比較することができる。
【0071】
また、
図6は、ステップS24において提示される端末装置2の表示画面(ルート地図の表示画面)の第1の例である。
図6の表示画面では、出発地Sから目的地Gまで、第1移動手段として電車を利用した混雑経路R1と、第2移動手段として水上バスを利用した代替経路R2とが、地図上に識別可能に重畳表示されている。このような表示画面によれば、ユーザは、混雑経路R1と代替経路R2との移動手段の違いを一目で把握できる。
【0072】
以上説明したように、情報処理システム1では、利用駅候補が第1移動手段を利用する混雑駅の場合に、混雑駅の周辺の第2移動手段の代替利用駅を利用する代替経路を取得する。これにより、第1の実施形態に係る情報処理システムによれば、混雑する駅の利用を回避する経路を従来よりも高い確度でユーザに提供することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。第2の実施形態と第1の実施形態との相違点は、代替利用駅が上流駅であることである。ここで、上流駅とは、目的地に対して混雑駅よりも上流に位置する混雑駅と同一の移動手段の駅である。
【0074】
なお、上流駅は、第1の実施形態で説明した第2移動手段の駅と同様に、例えば現在位置の周辺の駅であるが、上流駅についての現在位置の周辺とみなされる基準は、第2移動手段の駅についての現在位置の周辺とみなされる基準と異なってもよい。例えば、第2移動手段の駅よりも現在位置から遠い位置に存在する利用駅候補であっても、上流駅と判断してもよい。また、上流駅は、出発地の周辺の駅であってもよい。また、上流駅は、混雑駅の周辺の駅であってもよい。
【0075】
以上のような代替利用駅の相違点により、第2の実施形態においては、
図7に示すように、
図3のステップS361の如く第2移動手段の駅を利用する代替経路を探索する代わりに、上流駅を利用する代替経路を探索する(ステップS362)。
【0076】
ここで、
図8は、ステップS362において取得される経路の一例を模式的に示す経路図である。
図8の代替経路R2は、現在位置から目的地Gまでの第1移動手段を利用した経路である。具体的には、代替経路R2は、現在位置から上流駅S’までの徒歩ルートR21と、上流駅S’から目的地まで第1移動手段を利用したルートR22とによって構成されている。
【0077】
もし、代替利用駅を混雑駅Sの下流に位置する混雑駅Sと同一移動手段の駅(以下、「下流駅」ともいう)とした場合、下流駅に入場できたとしても、下流駅に到着した移動手段は、混雑駅Sでの乗客に占められていることによって乗れない可能性がある。
【0078】
これに対して、本実施形態では、代替利用駅を上流駅とすることで、移動手段を利用できる可能性を高めることができる。その他の作用・効果は、基本的に第1の実施形態と同様である。
【0079】
第2の実施形態は、第1の実施形態と組み合わせてもよい。例えば、代替経路取得部323は、第2移動手段を利用する代替経路が探索されなかった場合に、上流駅を利用する代替経路を探索してもよい。あるいは、代替経路取得部323は、上流駅を利用する代替経路が探索されなかった場合に、第2移動手段を利用する代替経路を探索してもよい。またあるいは、第2移動手段を利用する代替経路と、上流駅を利用する代替経路の双方を探索して提示してもよい。このようにすれば、混雑する駅の利用を回避する経路を更に高い確度でユーザに提供することができる。
【0080】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0081】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0082】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0083】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。