(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
棒状化粧料繰出容器と、この棒状化粧料繰出容器を収容する有底筒状の保持体と、棒状化粧料の色見本とを備え、上記保持体の底部には、棒状化粧料繰出容器の外筒挿通用の貫通穴を有する底板が設けられ、この底板近傍の筒状内周面には、径方向内側に向けて突出するリブ状のストッパが周方向等配に複数形成され、上記保持体の上面または側面に設けられた開口から、棒状化粧料繰出容器の繰出口を下向きにして上記貫通穴に外筒を挿通させた状態で、下記(A)の棒状化粧料繰出容器のアダプタの下部または下記(B)の棒状化粧料繰出容器のハカマ部が、上記保持体内周面のストッパに抜け落ち防止状に係止されていることを特徴とする棒状化粧料テスター。
(A)外筒とこの外筒の一端から露出する内筒の回動操作部との相対回転に伴って、その内部に収容された棒状化粧料が他端側の繰出口から繰り出される棒状化粧料繰出容器であって、上記回動操作部に、上記保持体の筒状内周面形状に対応するアダプタが、相対回転不能に装着されている試供用棒状化粧料繰出容器。
(B)棒状化粧料を収容する外筒と、繰り出し操作用の回動操作部を有する内筒とを備え、この回動操作部の周囲に、装飾用の大径のハカマ部が装着された市販用棒状化粧料繰出容器。
上記保持体が、この保持体に下向きに挿入された各繰出容器の底部に直接係合してその容器の上方への抜け出しを防止する上側係止部を備えている請求項1記載の棒状化粧料テスター。
【背景技術】
【0002】
従来、口紅等、棒状化粧料の色見本品を店頭等で展示する際には、
図10に示すように、有天筒状の保持体(レフィルホルダ31)の上側に色見本32(ダミーや色板,シール等)が取り付けられ、その下側に試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル34)が配設された棒状化粧料テスター30を各色ごとに用意し、これらを、
図11に示すように、上面に多数のテスター挿入穴40aが設けられた展示台40や陳列棚等に並べて展示する方法が用いられている(例えば、特許文献1,2等を参照。)。
【0003】
この試供用のレフィル34は、相対回転する外筒35と内筒(回動操作部36)からなる筒状体(二重筒構造)の内部に、上記色見本32と同じ色の化粧料を充填したもので、
図10の組立図(左側)に示すように、その開口(棒状化粧料繰出容器の繰出口)を下に向けた状態でアダプタ33に嵌入され、このアダプタ33ごと、有天筒状のレフィルホルダ31の下端開口から押し込まれ、上記レフィルホルダ31の内側に、下向きに保持されている。
【0004】
顧客(ユーザー)が上記のような棒状化粧料テスター30を試用する場合は、この棒状化粧料テスター30を展示台40等から抜き出し、試供用のレフィル34の開口を上に向け、その状態で、レフィル34の上記レフィルホルダ31から露出(突出)している部位(筒状体の外筒35の先端部)と、上記内筒の回動操作部36と回転不能に嵌合されたレフィルホルダ31とを、相対回転させて棒状化粧料を繰り出し、試し塗りすることが行われる。
【0005】
また、上述のような棒状化粧料テスター30の展示方法では、棒状化粧料テスター30が長期間展示されると、試し塗りによって化粧料が使い尽くされたり、すり減って見栄えが悪くなったりする場合がある。その場合は、試供用のレフィル34を新しいものと交換する必要があるが、このレフィル34は販売促進用として限定生産されたものが多く、再入手がむずかしい。そこで、使用済みのレフィル34に代えて、
図10の組立図(右側)のように、市販品(商品)に用いられている棒状化粧料繰出容器37を、上記レフィルホルダ31に差し替えて展示することが行われる。
【0006】
ただし、市販用棒状化粧料繰出容器37は、通常、その上部の回動操作部の周囲に、「ハカマ(袴)」と呼ばれる装飾用の筒状部材(以下「ハカマ部」という)38が装着されており、上記試供用のレフィル34の回動操作部36に相当するこのハカマ部38の外径は、上記レフィル34より大径になっている。そのため、この市販用棒状化粧料繰出容器37を棒状化粧料テスター30に用いる場合は、レフィルホルダ31内から使用済みのレフィル34とこのレフィル34用のアダプタ33を取り去った後、このレフィルホルダ31の下端開口からそのまま押し込んで固定するか、あるいは、別途専用のアダプタを介して固定する方法が採られる。
【0007】
なお、この棒状化粧料繰出容器の保持体(レフィルホルダ31)は、元々、上記試供用のレフィル34に代えて、この市販用棒状化粧料繰出容器37を差し替えできるように設計されており、レフィルホルダ31の筒状部内周面には、この市販用棒状化粧料繰出容器37の大径部分(ハカマ部38)の外周面、または、前記レフィル34用のアダプタ33の外周面を嵌合して、回転不能な状態で保持するリブ(レフィルホルダ長手方向の凸条,図示省略)が形成されている(特許文献3を参照)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0021】
図1(a)は、本発明の第1実施形態における棒状化粧料テスターA1の組み立て方法を説明する分解斜視図である。また、
図1(b)〜(d)は、それぞれ、上記棒状化粧料テスターA1に用いられているキャップ2、アダプタ3、レフィルホルダ11を開口側から見た斜視図であり、
図1(e)は、組み立ての完成した棒状化粧料テスターA1全体を上側から見た外観斜視図である。
【0022】
なお、ユーザーの操作を考慮して、
図1(a)における筒状の保持体(レフィルホルダ11)の上下方向を、そのまま「上側」および「下側」として説明する。また、
図1(a)においては、使用時に取り除かれる、輸送時用の保護カバー(樹脂キャップ)5aの図示を省略している。
【0023】
この第1実施形態は、本発明を、口紅等、棒状化粧料の色見本品を店頭等で展示する際に用いられる棒状化粧料テスターA1に適用したものであり、
図1,
図2に示すように、有底筒状の保持体(レフィルホルダ11)と、棒状化粧料の色見本を兼用する蓋部材(キャップ2)とからなる、繰出容器保持体として構成されている。
【0024】
この棒状化粧料テスターA1は、
図1(a)のように、レフィルホルダ11の上面に設けられた開口11eから、アダプタ3が装着された試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル4)を、その繰出口4aを下向きにしてレフィルホルダ11内に挿入し、
図2に示す断面図のように、上記繰出口4aをレフィルホルダ11の底部(底板11b)に設けられた貫通穴11cから下方に突出させた状態に、組み立てられている。
【0025】
そして、この状態で、レフィル4に装着されたアダプタ3の
下部(底板3b)が、上記レフィルホルダ11の筒状部11a内周面の下部に形成されたリブ状の各ストッパ11d〔
図1(d)参照〕に係止されることにより、上記レフィル4の下方への抜け落ちが防止されている。
【0026】
図1を用いて、上記棒状化粧料テスターA1を構成する各部材について、詳しく説明すると、棒状化粧料繰出容器の保持体としてのレフィルホルダ11は、外周が多角形状(本実施形態においては略四角形状)に形成された筒状部11aと、上記レフィル4の先端の繰出口4aを挿通させることのできる貫通穴11cを有する底板11bとからなり、その上部(上面)には、アダプタ3を装着したレフィル4を挿入するための開口11eが設けられている。
【0027】
また、このレフィルホルダ11の筒状部11aの内周面の下部(貫通穴11cの近傍)には、
図1(d)に示すように、各角部(入隅部)に2つずつ、リブ状のストッパ11d,11dが設けられており、これらストッパ11d,11dに、上記アダプタ3
の下部の、底板3bの外
縁が係合するようになっている。
【0028】
なお、上記レフィルホルダ11の筒状部11a内周面の上部(開口11eの近傍)には、後記キャップ2の嵌合部2bに設けられた係合部2cと係合する被係合部11fが形成されている。また、
図1(d)に示すように、レフィルホルダ11の筒状部11aの外周面の下部から底板11bに向かって、レフィルホルダ11の筒状部11aを斜めに貫通するストラップホール11xが設けられており、このストラップホール11xに、盗難防止用のテグス等を挿通することができるようになっている。
【0029】
上記レフィルホルダ11の開口11eを蓋するキャップ2は、その上部が上記レフィルホルダ11と略同じ外周形状(略四角形状)を有する色見本部2aになっており、その下部がレフィルホルダ11の開口11eの内周に嵌合する嵌合部2bになっている。また、このキャップ2の嵌合部2bの外周面には、先に述べた係合部2cが設けられている。
【0030】
なお、上記キャップ2の嵌合部2bの色見本部2aからの突出長さ(下方への突出量)は、
図2のように、レフィルホルダ11に嵌合させた場合に、レフィルホルダ11の内周面に設けられた段部に当接する長さに形成されており、この状態で、キャップ2の嵌合部2bの下端が、レフィルホルダ11内に収容されたアダプタ3の上端(天板3c)に当接するようになっている。
【0031】
図1に示すように、レフィル4に装着されるアダプタ3は、内周面にレフィル嵌合用の複数のリブ3eを有する円筒部3aと、下部の底板3
bおよび上部の天板3cとから構成されており、この円筒部3aの内周に、上記レフィル4の回動操作部6を嵌入して固定することができるようになっている。また、アダプタ3の円筒部3aの上部には、上向きコの字状の窓状切り欠き部位が設けられており、この中に、下向き舌片状のレフィル係合部3d,3dが形成されている。そして、このレフィル係合部3dの内側(内面側)に設けられた凸部が、
図2に示すように、内周に嵌入された回動操作部6の段部に嵌り込んでこれを固定するようになっている。
【0032】
なお、上記アダプタ3のレフィル係合部3d内側の凸部は、レフィル4の回動操作部6を抜け止め状に固定するために、いわゆる「返し」形状に形成されている。そして、各レフィル係合部3dの凸部の係合と上記円筒部3a内周面の各リブ3eの当接により、このアダプタ3は、レフィル4の回動操作部6に対して一体(相対回転不能)に装着・固定されている(レフィル4の外筒5は回動自在)。
【0033】
上記棒状化粧料テスターA1に出荷当初にセットされる棒状化粧料繰出容器(本例では、レフィル4)は、従来品と同様、相対回転する外筒5と内筒(回動操作部6)からなる筒状体の内部に、色見本(キャップ2)と同じ色の化粧料が充填されたものである。そして、その上部(回動操作部6)をアダプタ3に嵌入して、レフィルホルダ11に挿入、セットすることにより、このレフィル4は、
図2に示すように、その下部(先端の繰出口4a)をレフィルホルダ11の底部(底板11b)に設けられた貫通穴11cから下方に突出した状態で、レフィルホルダ11に保持されるようになっている。
【0034】
そして、先にも述べたように、このレフィル4は、試し塗りによってその内部の化粧料が使い尽くされたり、すり減って見栄えが悪くなったりした場合、交換される。その交換は、上記レフィルホルダ11からキャップ2を取り外し、このレフィル4をアダプタ3ごと上方に引き抜いて取り去った後、新たなレフィル4(アダプタ3付き)、または、代わりとなる市販用棒状化粧料繰出容器(
図3の符号7を参照)をレフィルホルダ11内に挿入することにより、簡単に行うことができる。
【0035】
なお、上記新たなレフィル4(アダプタ3付き)または市販用棒状化粧料繰出容器7に交換した際も、上記新たなレフィル4
のアダプタ3の下部または市販用棒状化粧料繰出容器7の
ハカマ部8が、前記と同様、レフィルホルダ11の筒状部11a内周面の下部(貫通穴11cの近傍)に設けられたリブ状のストッパ11dに係止され、下方への抜け止めがなされるようになっている。
【0036】
以上の構成により、本実施形態の棒状化粧料テスターA1は、レフィルホルダ11の内部に、試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル4)もしくは市販用棒状化粧料繰出容器7のどちらを収容した場合でも、これらの下方への抜け出しを防止することができる。
【0037】
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。
図3(a)は、本発明の第2実施形態における棒状化粧料テスターB1の組み立て方法を説明する分解斜視図である。また、
図3(b),(c)は、それぞれ、上記棒状化粧料テスターB1に用いられているキャップ2、レフィルホルダ12を開口側から見た斜視図であり、
図3(d)は、組み立てが完成した棒状化粧料テスターB1全体を上側から見た外観斜視図である。
【0038】
なお、この第2実施形態においては、試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル4)が使い尽くされ、それを市販用棒状化粧料繰出容器7に交換する際を例に示している。また、図中の符号12bはレフィルホルダ12の底板を、符号12fはレフィルホルダ12の被係合部を示し、第1実施形態と同様の機能を有する他の構成部材は、第1実施形態と同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0039】
先の第1実施形態でも述べたように、試し塗りによってレフィル4(図示省略)に充填された化粧料が使い尽くされたり、すり減って見栄えが悪くなったりした場合、このレフィル4は、市販用棒状化粧料繰出容器7に交換される。その交換は、
図3(a)に示すように、レフィルホルダ12からキャップ2を取り外し、上記レフィル4をアダプタ3ごと上方に引き抜いて取り去った後、代わりとなる市販用棒状化粧料繰出容器7を、その先端の繰出口7aを下に向けて、上記レフィルホルダ12の上面に設けられた開口12eから挿入する。
【0040】
これにより、第1実施形態と同様、
図4の断面図に示すように、交換後の市販用棒状化粧料繰出容器7の大径
のハカマ部
8が、上記レフィルホルダ12の筒状部12a内周面の下部(貫通穴12cの近傍)に形成されたリブ状の各ストッパ12dに係止され、上記市販用棒状化粧料繰出容器7の下方への抜け落ちが防止される。したがって、本第2実施形態の棒状化粧料テスターB1においても、試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル4)もしくは市販用棒状化粧料繰出容器7のどちらを収容した場合でも、これらの下方への抜け落ちを防止することができる。
【0041】
なお、この第2実施形態で使用するレフィルホルダ12は、
図3(d)に示すように、普段、テスター展示台(符号40,
図11参照)側となるレフィルホルダ12の下面〔
図3(d)では上面〕に、透明なオーバーキャップ10を嵌合できる段部12yが形成されており、ここに、上記オーバーキャップ10を装着することにより、通常の保管状態とは上下(天地)逆向きで、このままテスターとして卓上等に陳列したり、他の場所に運搬して試用に供したりすることができるようになっている。もちろん、この形態においても、レフィルホルダ12の内部に試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル4)を収容して使用することもできる。
【0042】
つぎに、上記レフィルホルダの上面に設けられた開口から下向きに挿入された棒状化粧料繰出容器(レフィル4または市販用棒状化粧料繰出容器7)の、上方への抜け出しを防止できる棒状化粧料テスターA2,B2,B3について説明する。
【0043】
図5(a)は、本発明の第3実施形態における棒状化粧料テスターA2の組み立て方法を説明する分解斜視図である。また、
図5(b),(c)は、それぞれ、上記棒状化粧料テスターA2に用いられているキャップ9,レフィルホルダ13を開口側から見た斜視図であり、
図5(d)は、組み立てられた状態の棒状化粧料テスターA2の縦方向断面図である。
【0044】
この棒状化粧料テスターA2も、前記第1実施形態の棒状化粧料テスターA1と同様、
図5(a)のように、レフィルホルダ13の上面に設けられた開口13eから、アダプタ3が装着されたレフィル4(試供用棒状化粧料繰出容器)を、その繰出口4aを下向きにしてレフィルホルダ13内に挿入し、
図5(c)に示すように、上記繰出口4aをレフィルホルダ13の底部(底板13b)に設けられた貫通穴13cから下方に突出させた状態に、組み立てられている。
【0045】
上記棒状化粧料テスターA2の構成が、前記棒状化粧料テスターA1と異なる点は、上記レフィル4を挿入するためのレフィルホルダ13の上部開口13eの縁部に、
図5(c)のように、レフィル4(およびそれを嵌合したアダプタ3)の容器の上方(開口方向)への抜け出しを防止する上側係止部(上側ストッパ)13g,13gが形成されている点である。
【0046】
これら上側係止部13g,13gは、レフィルホルダ13の上面開口13eの縁部に縦方向に設けられた2本のスリットの間に形成された板ばね状の可撓片の先端部分に、内側(内周)に向かって所定量突出するように形成されており、
図5(c)および
図5(d)のように、アダプタ3に嵌合されたレフィル4を挿入した場合、上記各上側係止部13g,13gが、アダプタ3の天板3cの縁部に係合して、この天板3cをしっかりと保持するようになっている。
【0047】
なお、上記のように上面開口13eの内側(内周)に上側係止部13g,13gを設けたことに伴い、色見本部9aを有するキャップ9との嵌合は、上記上面開口13eの外側(筒状部13aの外周)に嵌め入れるように変更されており、上記キャップ9の内側側面に形成された係合部9b(凹状)が、上記レフィルホルダ13の外側側面に設けられた被係合部13f(凸状)に係合されるようになっている〔
図5(d)では表れない側の側面〕。また、他の部位の構成は前記棒状化粧料テスターA1と同様であるため、詳細な説明は省略する(11aと13a等、参照符号のアルファベットが同一のものは、同じ機能を備える部材を表す)。
【0048】
以上の構成によっても、上記アダプタ3を装着したレフィル4をレフィル13の内周に挿入・収納した場合、アダプタ3の下
部の底板3
bが、上記レフィルホルダ13の筒状部13a内周面の下部に形成されたリブ状の各ストッパ13dに係止され、上記レフィル4の下方への抜け落ちが防止される。しかも、上記棒状化粧料テスターA2は、アダプタ3の上
部の天板3
cが、上記のように、レフィルホルダ13の上側係止部13g,13gで保持されることから、この棒状化粧料テスターA2を下向きに(レフィル4の繰出口4aを下にして)落下させてしまった場合に、このレフィル4に加わる上向きの衝撃荷重を、上記上側係止部13g,13gの保持で受け止め、このレフィル4(およびアダプタ3)の上方への抜け出しを、防止することができる。
【0049】
つぎに、
図6(a)は、本発明の第4実施形態における棒状化粧料テスターB2の組み立て方法を説明する分解斜視図である。また、
図6(b),(c)は、それぞれ、上記棒状化粧料テスターB2に用いられているキャップ9,レフィルホルダ14を開口側から見た斜視図であり、
図6(d)は、組み立てられた状態の棒状化粧料テスターB2の縦方向断面図である。
【0050】
この棒状化粧料テスターB2も、前記第2実施形態の棒状化粧料テスターB1と同様、
図6(a)のように、レフィルホルダ14の上面に設けられた開口14eから、市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部8
を、繰出口7aを下向きにしてレフィルホルダ14内に挿入し、
図6(c)に示すように、市販用棒状化粧料繰出容器7の内筒5をレフィルホルダ14の底部(底板14b)に設けられた貫通穴14cから下方に突出させた状態に、組み立てられている。
【0051】
そして、上記棒状化粧料テスターB2の構成が、前記棒状化粧料テスターB1と異なる点は、上記市販用棒状化粧料繰出容器7を挿入するためのレフィルホルダ14の上部開口14eの縁部に、
図6(c)
および図6(d)に示すように、市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部
8の上方(開口方向)への抜け出しを防止する上側係止部14g,14gが形成されている点である。
【0052】
これら上側係止部14g,14gは、前記の第3実施形態におけるレフィルホルダ13と同様、レフィルホルダ14の上面開口14eの縁部に縦方向に設けられた板ばね状の可撓片の先端部分に、内側(内周)に向けて所定量突出するように形成されており、
図6(c)および
図6(d)
に示すように、市販用棒状化粧料繰出容器7を挿入した場合、上記各上側係止部14g,14gが、この市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部
8の上側縁部に係合して、このハカマ部8をしっかりとホールドするようになっている。
【0053】
なお、上面開口14eの内側(内周)に上側係止部14g,14gを設けたことに伴い、この棒状化粧料テスターB2でも、色見本部9aを有するキャップ9は、上記上面開口14eの外側(筒状部14aの外周)に嵌合されるように変更されており、上記キャップ9の内側側面に形成された係合部9b(凹状)が、上記レフィルホルダ14の外側側面に設けられた被係合部14f(凸状)に係合されるようになっている〔
図6(d)では表れない側の側面〕。また、他の部位の構成は前記棒状化粧料テスターB1と同様であるため、詳細な説明は省略する(12aと14a等、参照符号のアルファベットが同一のものは、同じ機能を備える部材を表す)。
【0054】
以上の構成によっても、上記市販用棒状化粧料繰出容器7をレフィル14の内周に挿入・収納した場合、市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部8
の下側が、上記レフィルホルダ14の筒状部14a内周面の下部に形成されたリブ状の各ストッパ14dに係止され、上記市販用棒状化粧料繰出容器7の下方への抜け落ちが防止される。しかも、上記棒状化粧料テスターB2は、市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部8
の上側が、上記のように、レフィルホルダ14の上側係止部14g,14gで保持されることから、この棒状化粧料テスターB2を下向きに(市販用棒状化粧料繰出容器7の繰出口7aを下にして)落下させてしまった場合、この市販用棒状化粧料繰出容器7に加わる上向きの衝撃荷重を、上記上側係止部14g,14gの保持で受け止め、この市販用棒状化粧料繰出容器7の上方への抜け出しを、防止することができる。
【0055】
つぎに、
図7に示す第5実施形態(棒状化粧料テスターB3)は、上記第4実施形態における棒状化粧料テスターB2のキャップ9(色見本を兼用する)を、異なる形状のキャップ9’に交換したものであって、
図7(a),(b)は、それぞれ、棒状化粧料テスターB3に用いられているキャップ9’,レフィルホルダ14を開口側から見た斜視図であり、
図7(c),(d)は、それぞれ、互いに直交する方向で切断した棒状化粧料テスターB3の断面図である。
【0056】
この棒状化粧料テスターB3も、前記第2,4実施形態の棒状化粧料テスターB1,B2と同様、
図7(a)のように、レフィルホルダ14の上面に設けられた開口14eから、市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部8
を、繰出口7aを下向きにしてレフィルホルダ14内に挿入し、
図7(c),(d)に示すように、市販用棒状化粧料繰出容器7の内筒5をレフィルホルダ14の底部(底板14b)に設けられた貫通穴14cから下方に突出させた状態に、組み立てられる。
【0057】
また、上記市販用棒状化粧料繰出容器7を挿入するためのレフィルホルダ14の上部開口14eの縁部には、
図7(a)のように、市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部8
の上方(開口方向)への抜け出しを防止する上側係止部(上側ストッパ)14g,14gが形成されている。
【0058】
上記棒状化粧料テスターB3の構成が、前記棒状化粧料テスターB1,B2と異なる点は、
図7(b)に示すように、レフィルホルダ14の上面開口14eを蓋するキャップ9’の内面における各上側係止部14g,14gにそれぞれ対応する位置(内側側面)に、上記板ばね状の可撓片(上側係止部14g)を内側に向かって撓ませるための「テーパー状のリブ9c」が形成されている点である。
【0059】
これら上側係止部14g,14gに対応して配置された各テーパー状のリブ9cは、
図7(c)に示すように、レフィルホルダ14の上部(上面開口14e)に嵌め入れられた場合、これら各テーパー状のリブ9cの押圧により、上記各上側係止部14gを、それぞれ内側(すなわちハカマ部8側)に向かって撓ませるため、上記レフィルホルダ14内に収納された市販用棒状化粧料繰出容器7およびそのハカマ部8を、よりしっかりと保持することができる。
【0060】
この構成により、上記棒状化粧料テスターB3は、上記市販用棒状化粧料繰出容器7の下方への抜け落ちを防止できることは勿論、この棒状化粧料テスターB3を真下に向けて(市販用棒状化粧料繰出容器7の繰出口7aを鉛直下方にして)垂直落下させてしまった場合でも、この市販用棒状化粧料繰出容器7に加わる過大な上向きの衝撃荷重を、上記上側係止部14g,14gの保持でしっかり受け止め、この市販用棒状化粧料繰出容器7の上方への抜け出しを、防止することができる。
【0061】
なお、市販用棒状化粧料繰出容器7のハカマ部8の径が小さく、上記キャップ9’のリブ9cの内側方向への押圧が不足する場合は、上記ハカマ部8の外径に、その径を太くして上記上側係止部14g,14gへの係合(係止)を強めることのできるアタッチメント等を嵌め入れてもよい。
【0062】
つぎに、
図8,
図9に示す本発明の第6実施形態(棒状化粧料テスターC1)は、前記第1〜第5実施形態の棒状化粧料テスターA1,A2,B1,B2,B3が、上記各棒状化粧料繰出容器4,7を保持体(レフィルホルダ11〜14)上面に設けられた開口11e,12e,13e,14eから挿入して保持する構造であったのに対し、この棒状化粧料テスターC1は、これら各棒状化粧料繰出容器4,7を、保持体(レフィルホルダ21)の側面に設けられた開口(図示では見えない側の側面開口23)から挿入して収容する構造を採用するものである。
【0063】
保持体としてのレフィルホルダ21は、外周が多角形状(本実施形態においては略四角形状)に形成され、その側面の一面(図示右側に位置する紙面裏側)が側面開口23として大きく開口する筒状部21aと、各棒状化粧料繰出容器4,7の先端(繰出口4a,7a)を挿通させることのできる貫通穴21cを有する底板21bと、筒状部21aの上面を覆う天板部21eとから構成されている。このレフィルホルダ21の筒状部21a内周面の下部(貫通穴21cの近傍)には、
図8(a),(b)に示すように、リブ状(もしくはフランジ状)のストッパ21dが設けられており、後記する側面部材22のリブ状のストッパ22dとともに、この位置で、上記各棒状化粧料繰出容器4,7の
特定部分
(棒状化粧料繰出容器4にあってはアダプタ3の下部、棒状化粧料繰出容器7にあってはハカマ部8)を係止するリング状(もしくはフランジ状)のストッパを形成するようになっている。
【0064】
また、上記レフィルホルダ21の側面開口23(図示の紙面裏側方向)を蓋する側面部材22は、棒状化粧料の色見本または商品説明表示部を兼用する側板22aと、上記レフィルホルダ21を蓋した際に上記底板21bの貫通穴21cに対応する開口を有する底板22bと、上記レフィルホルダ21の内部に挿入できる幅を有する天板部22cとからなり、上記レフィルホルダ21を蓋した際に上記レフィルホルダ21内のストッパ21dに対応する位置に、リブ状(もしくはフランジ状)のストッパ22dが設けられている。そして、先にも述べたように、この側面部材22でレフィルホルダ21の上記側面開口23を蓋することにより、レフィルホルダ21の筒状部21a内周面の下部(貫通穴21cの近傍)の所定位置に、全体としてリング状の、棒状化粧料繰出容器4,7の
特定部分
(棒状化粧料繰出容器4にあってはアダプタ3の下部、棒状化粧料繰出容器7にあってはハカマ部8)を係止するストッパが形成される。
【0065】
上記のような構造の棒状化粧料テスターC1において、アダプタ3が装着されたレフィル4を収容する場合は、
図8(a)に示すように、上記レフィルホルダ21の側面開口23(図示の紙面裏側方向)を開放した状態で、この側面開口23から、アダプタ3付きレフィル4を、その先端の繰出口4aが上記貫通穴21cを通過するように斜めに挿通させ、レフィル4
のアダプタ3の下
部(底板3b)の一部を、開口奥側のストッパ21dに係止させる。ついで、この側面開口23に、側面部材22を嵌め入れて側面開口23を蓋することにより、上記レフィル4の
アダプタ3の下部(底板3b)の全体が、略リング状のストッパ(レフィルホルダ21のストッパ21dおよび側面部材22のストッパ22d)によって、抜け落ち防止状に係止される〔
図9(a)参照〕。
【0066】
また、市販用棒状化粧料繰出容器7を収容する場合も同様に、
図8(b)に示すように、上記レフィルホルダ21の側面開口23(図示右側に位置する紙面裏側)を開放した状態で、この側面開口23から、市販用棒状化粧料繰出容器7を、その先端の繰出口7aが上記貫通穴21cを通過するように斜めに挿通させ、市販用棒状化粧料繰出容器7
のハカマ部8の下
側を、開口奥側のストッパ21dに係止させる。ついで、この側面開口23に、側面部材22を嵌め入れて側面開口23を蓋することにより、上記市販用棒状化粧料繰出容器7の
ハカマ部8の下側全体が、略リング状のストッパ(レフィルホルダ21のストッパ21dおよび側面部材22のストッパ22d)によって、抜け落ち防止状に係止される〔
図9(b)参照〕。
【0067】
以上の構成により、第6実施形態の棒状化粧料テスターC1も、レフィルホルダ21の内部に、試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル4)もしくは市販用棒状化粧料繰出容器7のどちらを収容した場合でも、これらの下方への抜け落ちを防止することができる。
【0068】
なお、上記各実施形態においては、保持体内に試供用棒状化粧料繰出容器(レフィル4)を収容するにあたり、レフィルホルダ11〜14,21への収容前にアダプタ3を装着したレフィル4を用いたが、本発明の棒状化粧料テスターの組み立ては、上記レフィルホルダ11〜14,21内に予め、空のアダプタ3のみを所定位置にセットしておき、レフィルホルダ11〜14,21の底板11b〜14b,21bにそれぞれ設けられた貫通穴11c〜14c,21cから、上記レフィル4の回動操作部6を挿入して、この回動操作部6をアダプタ3の円筒部3aの内周に、相対回転不能に嵌合固定してもよい。
【0069】
また、各レフィルホルダ11〜14,21(22)の内面に形成される、棒状化粧料繰出容器係止用のストッパ11d〜14d,21d(22d)の数や形状も、上記レフィル4のアダプタ3または市販用棒状化粧料繰出容器7の外形形状等に合わせて、適宜変更することができる。
【0070】
さらに、第1,3実施形態で例示した、レフィルホルダ11,13の筒状部11a,13aの外側角部を斜め状に貫通するストラップホール11x,13xは、他の実施形態のレフィルホルダに形成してもよい。これにより、従来の棒状化粧料テスターに比べ、盗難防止用に用いられるテグス等を簡単に挿通して利用することができるようになる。
【0071】
そして、第2,4,5実施形態で例示した、透明なオーバーキャップ10嵌合用のレフィルホルダ12,14下面の段部12y,14yを、第1,3,6実施形態のレフィルホルダ11,13,21の上面に形成し、オーバーキャップ10を使用する構成としてもよい。これにより、第2,4,5実施形態と同様、通常の保管状態とは上下(天地)逆向きの、繰出口4aが上向きの棒状化粧料テスターとして、卓上等に陳列したり、他の場所に運搬して試用に供したりすることができ、その利便性や利用形態を拡張することができる。