(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る定期券発行システムの第1の構成例を示す図である。
図1に示す第1の構成例の定期券発行システムは、1つの定期券発行機1と複数の情報入力端末Dとを有する。
【0008】
定期券発行機1は、駅の係員などの操作員が操作する係員対応の定期券発行機である。定期券発行機1は、情報入力端末Dとのデータ通信機能を有する。定期券発行機1は、無線通信を介して、各情報入力端末Dと通信接続する。定期券発行機1と情報入力端末Dとの無線通信は、セキュリティ設定により保護された状態で実施される。また、定期券発行機は、駅内のネットワークあるいは事業者内のネットワークを介して情報入力端末Dと通信接続しても良い。
【0009】
情報入力端末Dは、駅の係員又は利用者自身が定期券の発券に必要な情報を入力する装置である。情報入力端末Dは、例えば、タブレットPC、PDA、ノートPCなどの情報端末装置である。情報入力端末Dは、携帯可能な装置であっても良いし、据え置き型の装置であっても良い。また、情報入力端末Dは、後述する処理が実行できる装置であれば良く、複数種類の装置が混在した状態でシステムを構成しても良い。情報入力端末Dは、定期券の発券に必要な情報を入力する機能と定期券発行機1と通信するための通信機能を有する。
【0010】
図2は、実施形態に係る定期券発行システムの第2の構成例を示す図である。
図2に示す第2の構成例の定期券発行システムは、1つのサーバSと複数の定期券発行機1(1a、1b、1c、…)と複数の情報入力端末Dとを有する。
サーバSは、定期券発行機1と情報入力端末Dとの通信機能を有する。サーバSは、駅内のネットワーク又は事業者内のネットワークを介して各定期券発行機1と通信接続する。また、サーバSは、無線通信を介して各情報入力端末Dと通信接続する。サーバSと情報入力端末Dとの無線通信は、セキュリティ設定により保護された状態で実施される。また、サーバSは、駅内のネットワーク又は事業者内のネットワークを介して情報入力端末Dと通信接続しても良い。
【0011】
定期券発行機1は、第1の構成例と同様に、駅の係員などの操作員が操作する係員対応の定期券発行機である。定期券発行機1は、サーバSとのデータ通信機能を有する。
情報入力端末Dは、第1の構成例と同様に、係員又は利用者自身が定期券の発券に必要な情報を入力する装置であり、サーバSと通信する機能を有する。情報入力端末Dは、例えば、タブレットPC、PDA、ノートPCなどの情報端末装置である。
【0012】
次に、定期券発行システムの運用例について概略的に説明する。
係員は、申請者から定期券の発券に必要な情報を記載した申込用紙を回収する。係員は、定期券の発券処理を行う際に申請者を呼び出すための呼出番号を申請者に通知する。例えば、申込用紙には、係員が受領する申請書部と受領後に申請者に渡される申込控え部とが有り、申請書部と申込控え部とにはそれぞれ呼出番号が記載される。係員は、申込用紙を受け取ると、申込書部と申込控え部とを切り離し、申込控え部を申請書に渡し、申込書部を申請書として受領する。
【0013】
申請書を受領した係員(又は申込用紙を回収した係員から申請書を受け取った係員)は、情報入力端末Dを用いて、申請書に記載されている呼出番号と定期券の発券情報(定期券発行機1での定期券の発券に必要な情報)とを入力する操作を行う。情報入力端末Dは、係員により入力された情報(入力情報)を、定期券発行機1或いはサーバSへ送信する。例えば、
図1に示す第1の構成例では、情報入力端末Dは、入力情報を定期券発行機1へ送信する。
図2に示す第2の構成例では、情報入力端末Dは、入力情報をサーバSへ送信する。
【0014】
定期券発行機1は、情報入力端末Dで入力された発券情報を含む入力情報を取得する。例えば、
図1に示す第1の構成例では、定期券発行機1は、情報入力端末Dからの入力情報をデータ記憶部に記憶しておき、呼出番号の順番(或いは、入力情報の受信順番)に入力情報を取得する。
図2に示す第2の構成例では、情報入力端末Dが情報入力端末Dからの入力情報をデータ記憶部に記憶しておき、定期券発行機1は、サーバSから入力情報を取得する。
【0015】
定期券発行機1は、情報入力端末Dで入力された発券情報を含む入力情報を取得すると、取得した入力情報に基づいて定期券の発券処理を実行する。定期券の発券処理を行う際、定期券発行機1の操作員は、呼出番号或いは申請者の氏名などにより申請者を呼び出す。申請者を呼び出すと、操作員は、定期券発行機1が表示する定期券の発券内容を申請者に確認させる。発券内容が確認できた後、定期券発行機1は、発券開始の指示に応じて定期券の発券処理を行う。係員は、定期券発行機1が発券した定期券を申請者に渡す。
【0016】
このような定期券発行システムによれば、定期券の発券情報の入力操作を情報入力端末で支援できるため、定期券発行機1では、定期券の発券処理を迅速に行える。また、申請者は、定期券発行機1に並んで順番待ちをする必要がなく、定期券の発券処理待ちの負担が軽減できる。
【0017】
次に、定期券発行機1の構成について説明する。
図3は、定期券発行機1の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、定期券発行機1は、制御部11、通信部12、メモリ部13、データ記憶部14、案内部15、表示部16、操作部17、硬貨処理部18、紙幣処理部19、クレジットカード処理部20、ICカード処理部21、氏名転写部22、磁気発券部23、および、レシート印刷部24などを有する。
【0018】
制御部11は、定期券発行機1全体を制御する。制御部11は、定期券発行機1内の各部とバスを介して接続される。制御部11は、たとえば、プロセッサ、各種のメモリ、および、各種のインターフェースなどにより構成される。制御部11は、CPUなどのプロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより、様々な処理機能を実現する。
【0019】
例えば、制御部11は、案内部15、表示部16、操作部17、硬貨処理部18、紙幣処理部19、クレジットカード処理部20、ICカード処理部21、氏名転写部22、磁気発券部23、および、レシート印刷部24を統括的に制御する。案内部15、表示部16、操作部17、硬貨処理部18、紙幣処理部19、クレジットカード処理部20、ICカード処理部21、氏名転写部22、磁気発券部23、および、レシート印刷部24は、制御部11からの動作指示に応じて動作する。
【0020】
通信部12は、取得部或いは受信部として機能する通信インターフェースである。例えば、定期券発行システムが
図1に示すような第1の構成例である場合、通信部12は、情報入力端末Dとデータ通信するための通信インターフェースで構成する。例えば、情報入力端末Dとデータ通信するための通信部12は、無線受信部として機能する無線通信部で構成する。ただし、この場合も、通信部12は無線通信部に限定されるものではない。また、定期券発行システムが
図2に示すような第2の構成例である場合、通信部12は、サーバSとデータ通信するための通信インターフェースである。
【0021】
メモリ部13は、ROM、RAM、書換え可能な不揮発性メモリなどの記憶装置を含む。メモリ部13は、例えば、制御部11が実行するプログラムを記憶する。また、メモリ部13は、表示データあるいは各種の制御データなどを記憶しても良い。また、メモリ部13は、情報入力端末DあるいはサーバSとのデータ通信におけるバッファメモリとして用いても良い。
【0022】
データ記憶部14は、大容量の書換え可能な不揮発性の記憶装置である。データ記憶部14は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)、又はSSD(ソリッドステートドライブ)などで構成する。なお、データ記憶部14は、通信可能な外部装置に設けられた記憶装置で実現しても良い。
【0023】
定期券発行システムが第1の構成例である場合、データ記憶部14は、情報入力端末Dから受信する入力情報を順番に蓄積するデータテーブルが設けられる。また、定期券発行システムが第2の構成例である場合、データ記憶部14は、サーバSから取得する入力情報を記憶する。なお、定期券発行システムが第2の構成例である場合、サーバSから取得する入力情報は、制御部11内のメモリやメモリ部13に一時的に記憶するようにしても良い。
【0024】
案内部15は、接客用の表示画面である。案内部15は、利用者(定期券の申請書)に対する案内画面を表示する。案内部15は、例えば、カラー表示装置である。案内部15は、利用者からの操作指示を受け付けるタッチパネルを設けても良い。また、案内部15としては、音声案内を行うようにしても良い。
【0025】
表示部16は、操作員に対して種々の操作画面および案内画面などを表示する。表示部16は、例えば、カラー表示装置である。操作部17は、操作員が入力する操作指示を受け付ける。操作部17は、例えば、表示部16の表示画面上に設けられたタッチパネルである。操作部17としては、タッチパネル以外にもハードキーなどを具備しても良い。本実施形態において、表示部16及び操作部17は、タッチパネル内蔵のカラー液晶表示器で構成されるものとする。
【0026】
硬貨処理部18は、硬貨を処理する。硬貨処理部18は、投入される硬貨を鑑査したり、つり銭としての硬貨を放出したりする。紙幣処理部19は、紙幣を処理する。紙幣処理部19は、投入された紙幣を鑑査したり、つり銭としての紙幣を放出したりする。クレジットカード処理部20は、クレジットカードを処理する。クレジットカード処理部20は、定期券の購入代金などの決済に用いるクレジットカードを処理する。
【0027】
ICカード処理部21は、定期券として使用する媒体としてのICカード(例えば、非接触式ICカード)を処理する。ICカード処理部21は、新規の定期券として使用するICカード(以下、IC定期券とも称する)を発行する機能、および、既存のIC定期券を継続定期券として発行する機能を有する。つまり、ICカード処理部21は、IC定期券の発券部として機能する。ICカード処理部21は、例えば、ICカードと通信する通信機能とICカードの券面に定期券情報を印字する印字機能とを有する。通信機能は、ICカードに対してコマンドを送信し、コマンドに対する処理結果としてのレスポンスをICカードから受信する。通信機能は、ICカードに対するリーダライタとして機能する。印字機能は、ICカードの券面に、区間、経由、氏名、金額などを印字するものである。例えば、印字機能は、ICカードの券面に、書換え可能な情報を印字する。この場合、印字機能は、ICカードの券面に印字されている情報を消去する機能と、消去後の券面に新たな定期券情報を印字する機能とを有する。
【0028】
氏名転写部22は、申込書に記載された申請者の自筆の氏名を定期券の券面に転写するものである。氏名転写部22は、申込書の氏名記入欄の画像を読み取る機能と、氏名記入欄の画像を定期券の券面に転写する機能とを有する。また、氏名転写部22は、情報入力端末から申込書の氏名記入欄の画像を取得し、その画像を定期券の券面に転写する機能を有するものとしても良い。磁気発券部23は、磁気券としての定期券を発券する発券部として機能する。磁気発券部23は、情報入力端末Dあるいは直接的に操作部17などで入力した情報に基づく定期券情報を記録した磁気券としての定期券(以下、磁気定期券とも称する)を発券する。
レシート印刷部24は、レシート(領収書)を印刷する。例えば、レシート印刷部24は、決済内容或いは定期券の発券内容などを印刷したレシートを発行する。
【0029】
次に、情報入力端末Dの構成について説明する。
図4は、実施形態に係わる情報入力端末Dの制御系の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、情報入力端末Dは、制御部31、通信部32、メモリ部33、データ記憶部34、表示部35、操作部36などを有する。
制御部31は、情報入力端末D全体を制御する。制御部31は、情報入力端末D内の各部とバスを介して接続される。制御部31は、たとえば、プロセッサ、各種のメモリ、および、各種のインターフェースなどにより構成される。制御部31は、CPUなどのプロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより、様々な処理機能を実現する。
【0030】
通信部32は、送信部として機能する通信インターフェースである。通信部32は、例えば、無線送信部として機能する無線通信部で構成する。ただし、通信部32は、無線通信部に限定されるものではない。例えば、定期券発行システムが
図1に示すような第1の構成例である場合、通信部32は、定期券発行機1とデータ通信するための通信インターフェースで構成する。また、定期券発行システムが
図2に示すような第2の構成例である場合、通信部32は、サーバSとデータ通信するための通信インターフェースである。
【0031】
メモリ部33は、ROM、RAM、書換え可能な不揮発性メモリなどの記憶装置を含む。メモリ部33は、例えば、制御部31が実行するプログラムを記憶する。また、メモリ部33は、表示データあるいは各種の制御データなどを記憶しても良い。また、メモリ部33は、サーバS或いは定期券発行機1とのデータ通信におけるバッファメモリとして用いても良い。
【0032】
データ記憶部34は、大容量の書換え可能な不揮発性の記憶装置である。データ記憶部34は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)、又はSSD(ソリッドステートドライブ)などにより構成する。なお、データ記憶部34は、通信可能な外部装置に設けられた記憶装置で実現しても良い。
【0033】
表示部35は、種々の操作画面および案内画面などを表示する。表示部35は、例えば、カラー表示装置である。操作部36は、操作員が入力する操作指示を受け付ける。操作部36は、例えば、表示部35の表示画面上に設けられたタッチパネルである。操作部36としては、タッチパネル以外にもハードキーなどを具備しても良い。本実施形態において、表示部35及び操作部36は、タッチパネル内蔵のカラー液晶表示器で構成されるものとする。
【0034】
次に、サーバSの構成について説明する。
図5は、実施形態に係わるサーバSの構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、サーバSは、制御部41、第1通信部42、第2通信部43、メモリ部44、データ記憶部45などを有する。
制御部41は、サーバS全体を制御する。制御部41は、サーバS内の各部とバスを介して接続される。制御部41は、たとえば、プロセッサ、各種のメモリ、および、各種のインターフェースなどにより構成される。制御部41は、CPUなどのプロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより、様々な処理機能を実現する。
【0035】
第1通信部42は、通信インターフェースである。第1通信部42は、定期券発行機1とデータ通信するための通信インターフェースで構成する。第2通信部43は、情報入力端末Dとデータ通信するための通信インターフェースである。第2通信部43は、例えば、無線受信部として機能する無線通信部で構成する。ただし、第2通信部43は、無線通信部に限定されるものではない。なお、第1通信部42と第2通信部43とは、1つの通信インターフェースで実現しても良い。
【0036】
メモリ部44は、ROM、RAM、書換え可能な不揮発性メモリなどの記憶装置を含む。メモリ部44は、例えば、制御部41が実行するプログラムを記憶する。また、メモリ部44は、表示データあるいは各種の制御データなどを記憶しても良い。また、メモリ部44は、サーバS或いは定期券発行機1とのデータ通信におけるバッファメモリとして用いても良い。
【0037】
データ記憶部45は、大容量の書換え可能な不揮発性の記憶装置である。データ記憶部45は、HDD(ハードディスクドライバ)、SSD(ソリッドステートドライブ)などにより構成する。データ記憶部45は、情報入力端末Dから受信する入力情報を順番に蓄積するデータテーブルが設けられる。なお、データ記憶部45は、通信可能な外部装置に設けられた記憶装置で実現しても良い。また、情報入力端末Dから取得する入力情報は、メモリ部44に記憶するようにしても良い。
【0038】
次に、情報入力端末Dにおける情報入力処理について説明する。
図6は、情報入力端末Dにおける情報入力処理の例を説明するためのフローチャートである。
申請書を受領した係員(又は申込用紙を回収した係員から申請書を受け取った係員)は、情報入力端末Dを用いて、定期券発行機1での定期券の発券に必要な情報を入力する操作を行う。まず、係員は、情報入力端末Dにおいて、定期券発行機1での定期券の発券に必要な情報(以下、発券情報)の入力(入力支援)を行う入力支援プログラムを起動させる(ステップS1)。情報入力端末Dには、入力支援プログラムが予めHDD34或はメモリ部33にインストールされているものとする。入力支援プログラムを起動すると、制御部31は、表示部に入力用の操作画面を表示し、操作部による発券情報の入力を受け付ける。
【0039】
制御部31は、まず、申請書を受け付ける(ステップS2)。申請書の受け付けとして、制御部31は、定期券の発券を申し込む申請者(又は申請書)を識別するための申請者情報(申請書に記載された呼出番号)の入力を受け付ける。本実施形態では、情報入力端末Dで情報を入力した後に定期券発行機が定期券を発券する。このため、後述する情報入力端末Dにおける入力処理で入力される発券情報と申請者(又は申請書)を識別するための申請者情報としての呼出番号とを対応づけて管理するものとする。
【0040】
例えば、制御部31は、申請書の受け付け操作画面として呼出番号(申請者情報)を入力するための操作画面を表示部35に表示し、呼出番号の入力を促す。申請者情報は、申請者を識別できる情報であれば良く、上述の呼出番号に限定されるものではない。例えば、申請者情報は、係員が申込用紙(申請書)を受け取った順番に発番する受付番号であっても良いし、申請者に記載される氏名などの個人情報であっても良い。
【0041】
申請者情報としての呼出番号が入力されると、制御部31は、申請書の記載内容などに従って定期券の発券に必要な各種の情報としての発券情報を入力する(ステップS3)。例えば、制御部31は、各種の操作画面を順番に表示部35に表示し、表示された操作画面上での操作部36による各種の情報の入力を受け付ける。制御部31は、操作部36により入力された情報をメモリ部33に蓄積し、定期券1件分の発券情報の入力が終了したかを判断する(ステップS4)。1件分の発券情報の入力が終了するまで、制御部31は、情報入力を継続して実行する。
【0042】
なお、制御部31は、操作者の指示に応じて情報入力を中断し、上記ステップS2へ戻ることにより、次の申請書の受け付けを行うようにしても良い。例えば、発券情報として入力すべき情報が不明である場合、操作者は、情報入力の中断を指示する。このような中断の指示に応じて、制御部31は、情報入力を中断するようにしても良い。
【0043】
1件分の情報入力が終了した場合(ステップS4、YES)、制御部31は、入力された発券情報を定期券発行機1或いはサーバSへ送信する(ステップS5)。例えば、定期券発行システムが第1の構成例である場合、制御部31は、1件分の発券情報を定期券発行機1へ送信する。また、定期券発行システムが第2の構成例である場合、制御部31は、入力が終了した1件分の発券情報をサーバSへ送信する。
【0044】
入力された1件分の発券情報の送信が完了すると、制御部31は、発券情報の入力処理を終了するか否かを判断する(ステップS6)。例えば、操作員が次の情報入力を指示すると(ステップS6、NO)、制御部31は、ステップS2へ戻り、次の情報入力を行う。また、操作員が入力処理の終了を指示した場合(ステップS6、YES)、制御部31は、入力処理を終了する。
【0045】
以上の処理により、情報入力端末Dは、定期券の発券申請に応じた発券情報の入力を受け付けることができ、入力される発券情報を定期券発行機1あるいは定期券発行機1に発券情報を配信するサーバSへ供給することができる。
【0046】
なお、情報入力端末Dの操作は、駅係員が行っても良いし、駅係員の案内に従って申請者自身が行っても良い。
また、情報入力端末Dでの情報入力処理によって入力する情報は、必ずしも定期券の発券に必要な全ての発券情報でなくても良い。例えば、申請書の氏名欄の画像は、情報入力端末Dで入力せずに定期券発行機1で入力するようにしても良い。ただし、申請書の氏名欄の画像も、カメラなどで申請書の氏名欄を撮影することにより、情報入力端末Dで入力するようにしても良い。
【0047】
次に、定期券発行機1あるいはサーバSにおける入力情報の管理について説明する。
図7は、サーバSにおける入力情報の管理処理の例を説明するためのフローチャートである。
図2に示す定期券発行システムにおいて、サーバSの制御部41は、情報入力端末Dからの入力情報(発券情報)を受け付ける(ステップS11)。情報入力端末Dからの入力情報を受信した場合(ステップS11、YES)、制御部41は、受信した入力情報(発券情報)を順番に登録する(ステップS12)。例えば、制御部41は、受信順に入力情報(発券情報)をデータ記憶部45に設けたデータテーブルに蓄積する。また、制御部41は、受信元の情報入力端末Dを識別するための識別情報と対応づけて入力情報をデータ記憶部45に記憶するようにしても良い。
【0048】
また、サーバSの制御部41は、定期券発行機1から定期券の発券情報としての入力情報の転送要求を受け付ける(ステップS13)。定期券発行機1から入力情報の転送要求を受けた場合(ステップS13、YES)、制御部41は、データ記憶部45に情報入力端末Dで入力された定期券の発券情報としての入力情報のうち定期券発行機1へ未転送の入力情報(未処理の入力情報)が蓄積されているか否かを判断する(ステップS14)。
【0049】
未転送の入力情報が蓄積されていないと判断した場合(ステップS14、NO)、制御部41は、入力情報が無いことを要求元の定期券発行機1へ通知する(ステップS15)。なお、制御部41は、入力情報が無い事を通知した定期券発行機1に対して、入力情報を登録した際に入力情報が登録されたことを通知するようにしても良い。
【0050】
定期券の発券情報としての入力情報が蓄積されていると判断した場合(ステップS14、YES)、制御部41は、データ記憶部45に登録(記憶)している入力情報のうち、最も受付順が古い1件分の入力情報を抽出し、抽出した入力情報を転送供給元の定期券発行機1へ転送する(ステップS16)。1件の入力情報を転送すると、制御部41は、転送した入力情報に対して定期券発行機1へ転送済みであることを示す情報(或いは処理済みである事を示す情報)を付加する。
【0051】
また、サーバSの制御部41は、転送した入力情報による定期券の発券状況を転送先の定期券発行機1から取得するようにしても良い。この場合、制御部41は、定期券発行機1から定期券の発券が完了したことを示す通知を受信すると、発券完了が通知された入力情報(転送済みの入力情報)に対して発券完了済みであることを示す情報を付加するようにしても良い。また、制御部41は、発券完了が通知された入力情報をデータ記憶部45から削除するようにしても良い。
【0052】
以上のように、サーバSは、情報入力端末Dからの定期券の発券情報としての入力情報を受けて受付順に記憶部に蓄積し、蓄積した入力情報を定期券発行機1からの転送要求に応じて受付順に転送する。これにより、サーバSは、定期券発行機1が複数あるシステムであっても、複数の情報入力端末Dから受け付ける入力情報を受け付け順に、各定期券発行機へ転送できる。
【0053】
なお、
図7は、サーバSの動作例として説明したが、
図7に示す動作は、定期券発行機1が実施しても良い。また、
図1に示す第1の構成例では、定期券発行機1が
図7に示す処理を当該定期券発行機内で実施しているとしても良い。
【0054】
次に、定期券発行機1における発券処理について説明する。
図8は、定期券発行機1における発券処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
定期券発行機1は、情報入力端末Dで入力された情報を用いて定期券の発券処理を実行する動作モード(以下、外部入力モードと称する)を有するものとする。定期券発行機1の操作員は、情報入力端末Dで入力された情報を用いて定期券の発券処理を実行する場合、外部入力モードを起動させる操作指示を入力する。外部入力モードが指示されると、定期券発行機1の制御部11は、外部入力モードを起動させる(ステップS21)。
【0055】
外部入力モードが起動すると、制御部11は、1件分の入力情報としての1件分の定期券の発券情報を取得する処理を行う(ステップS22)。
図1に示す第1の構成例の定期券発行システムである場合、制御部11は、データ記憶部14に蓄積(記憶)している入力情報のうち、最も受付順が古い1件分の入力情報を取得する。また、
図2に示す第2の構成例の定期券発行システムである場合、制御部11は、サーバSに入力情報の転送を要求し、サーバから転送される入力情報を取得する。
【0056】
1件分の入力情報を取得すると、制御部11は、取得した情報を表示部16に表示する(ステップS23)。制御部11は、取得した入力情報に含まれる定期券の発券情報と呼出番号とを表示部16に表示する。操作員は、表示部16に表示される定期券の発券情報を目視で確認するとともに、表示部16に表示された呼出番号(或いは申請者の氏名等)により申請者を呼び出す。また、制御部11は、操作員が操作部17より追加の情報を入力した場合、定期券の発券情報などの表示内容を更新する。
【0057】
また、制御部11は、入力情報を取得した場合或いは追加の情報が入力された場合、定期券の発券情報のチェックを行う(ステップS24)。例えば、制御部11は、取得した入力情報が定期券の発券に必要な全ての情報を含むか否かを判定する。また、制御部11は、取得した入力情報から申請者に対して確認が必要な情報(例えば、IDカード、学生証、証明書など)が含まれているか否かを判定する。
【0058】
制御部11は、入力情報のチェックに基づいて定期券の発券が可能か否かを判断する(ステップS25)。すなわち、制御部11は、定期券を発券するために不足している情報又は不正な情報があるか否かを判断する。定期券を発券するために不足の情報(又は不正な情報)があると判断した場合(ステップS25、YES)、制御部11は、追加あるいは修正すべき情報(追加情報)の入力案内を表示部16に表示する(ステップS26)。制御部11は、追加情報の入力案内を表示すると、操作部17による追加情報の入力を受け付ける(ステップS27)。
【0059】
例えば、追加又は修正が必要な追加情報がある場合、制御部11は、追加又は修正が必要な情報の入力案内を表示部16に表示する。この場合、制御部11は、追加情報の入力案内とともに、追加情報を入力するための操作ボタンなどを表示部16に表示する。これにより、操作員は、案内された情報を申請者に確認するなどの確認作業を行った後、操作部17を用いて案内された情報の追加又は修正を入力する。
【0060】
また、操作員による確認が必要な情報(例えば、IDカード、学生証、証明書など)があると判断した場合、制御部11は、確認が必要な情報の確認を促す案内を表示する。この場合、制御部11は、確認を促す案内を表示するとともに、確認結果を入力するためのボタンを表示部16に表示する。これにより、操作員は、申請者に対して案内された事項の確認作業を行い、操作部17を用いて確認結果を示す情報を入力する。
【0061】
また、追加情報の入力案内を表示部16に表示する場合、制御部11は、発券中止の指示を受け付け可能とする(ステップS28)。すなわち、追加情報の入力案内が表示部16に表示された後、申請者に確認しても定期券の発券が不可であると判断した場合、操作員は、操作部17により当該入力情報による定期券の発券処理の中止を指示する。発券処理の中止が指示された場合(ステップS28、YES)、制御部11は、当該入力情報による定期券の発券処理の中止し、ステップS32へ進む。
【0062】
発券中止が指示されることなく追加情報が入力されると、制御部11は、上記ステップS23へ戻り、追加入力された情報と取得した入力情報とを合わせた定期券の発券情報を表示部16に表示する。制御部11は、定期券の発券に必要な情報が得られるまで、上記ステップS23−28の処理を繰り返し実行する。
【0063】
定期券の発券に必要な情報が取得できた場合(ステップS24、NO)、制御部11は、定期券の発券が可能である旨を表示部16に表示するとともに、発券内容を申請者が視認可能な案内部15に表示する(ステップS29)。操作員は、自身で発券内容を確認するとともに、案内部15に表示した発券内容の確認を申請者に促す。申請者による確認が完了すると、操作員は、発券開始を指示するボタンを指示する。制御部11は、発券開始を指示するボタンへの指示入力によって発券処理の開始を判断する(ステップS30)。発券開始を判断すると(ステップS30、YES)、制御部11は、取得した発券情報(入力情報或いは入力情報と追加情報)に基づいてICカード処理部21あるいは磁気発券部23による発券処理を行う(ステップS31)。
【0064】
1件分の定期券の発券処理が完了すると、制御部11は、発券処理待ちの入力情報があるか否かを判断する(ステップS32)。
図1に示す第1の構成例であれば、制御部11は、データ記憶部14に蓄積している入力情報があるか否かにより、発券処理待ちの入力情報の有無を判断できる。また、
図2に示す第2の構成例であれば、制御部11は、サーバSに問い合わせることにより発券処理待ちの入力情報の有無を判断できる。
【0065】
発券処理待ちの入力情報が有ると判断した場合(ステップS32、YES)、制御部11は、上記ステップS22へ戻り、次の入力情報に基づく定期券の発券処理を実行する。また、発発券処理待ちの入力情報が無いと判断した場合(ステップS32、NO)、制御部11は、外部入力モードの終了の有無をチェックする(ステップS33)。外部入力モードを終了しないと判断した場合(ステップS33、NO)、制御部11は、次の入力情報の取得待ち状態となる。外部入力モードを終了すると判断した場合(ステップS33、YES)、制御部11は、外部入力モードでの動作を終了する。
【0066】
上記のような定期券発行システムによれば、複数の情報入力端末で定期券の発券情報の入力を行い、定期券発行機は、情報入力端末で入力された定期券の発券情報に基づいて定期券の発券処理を行う。これにより、複数の情報入力端末で、定期券の発券情報の入力作業を行うことができ、定期券発行機での発券処理を迅速に行える。この結果として、定期券を購入する利用者に対しては、待ち時間の短縮を図ることができ、定期券発行機の操作員に対しては負担の軽減を図れる。
【0067】
さらに、定期券発行機では、情報入力端末で入力された情報の確認し、追加情報の入力あるいは入力情報の修正を行う。これにより、情報入力端末での入力情報を発券処理前に定期券発行機で確認することができる。また、定期券発行機の操作員が直接、申請者から確認することが必要な事項についても、確実に確認させる後に発券処理を行うことができる。
【0068】
また、定期券発行システムは、情報入力端末が無線通信などを使用してサーバ或いは定期券発行機と通信する構成とすることにより、情報入力端末の設置および情報入力端末を操作する係員(入力支援メンバ)の増減が容易である。このため、定期券発行システムは、混雑状況に応じた入力支援が可能であり、定期券発券機での発券操作を状況に応じて効率よく軽減できる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
情報入力端末で入力された定期券の発券情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得した定期券の発券情報を表示する表示部と、
前記表示部に定期券の発券情報を表示した後、表示した情報に基づく定期券の発券を指示する操作部と、
前記操作部により定期券の発券が指示された場合、前記定期券の発券情報に基づいて定期券を発券する発券部と、
を有する定期券発行機。
[2]
前記操作部は、前記表示部に表示した定期券の発券情報に追加する追加情報の入力を受け付け、
前記発券部は、前記取得部により取得した定期券の発券情報と前記操作部により入力された追加情報とに基づいて定期券を発券する、
[1]に記載の定期券発行機。
[3]
前記情報入力端末と無線通信する無線通信部を有し、
前記取得部は、前記無線通信部による無線通信で前記情報入力端末から前記定期券の発券情報を取得する、
[1]又は[2]の何れかに記載の定期券発行機。
[4]
情報入力端末との通信機能を有するサーバとデータ通信する通信部を有し、
前記取得部は、前記通信部により通信可能なサーバを介して前記情報入力端末から前記定期券の発券情報を取得する、
[1]又は[2]の何れかに記載の定期券発行機。
[5]
情報入力端末と定期券発行機とを有する定期券発行システムにおいて、
前記情報入力端末は、
定期券の発券情報を入力するための情報入力部と、
前記情報入力部を用いて入力された定期券の発券情報を定期券発行機へ送信する送信部と、を有し、
前記定期券発行機は、
前記情報入力端末から転送された定期券の発券情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信した定期券の発券情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶した定期券の発券情報を受信した順番が古いものから順に取得する取得部と、
前記取得部により取得した定期券の発券情報を表示する表示部と、
前記表示部に定期券の発券情報を表示した後、表示した情報に基づく定期券の発券を指示する操作部と、
前記操作部により定期券の発券が指示された場合、前記定期券の発券情報に基づいて定期券を発券する発券部と、を有する、
定期券発行システム。
[6]
前記定期券発行機の前記操作部は、前記表示部に表示した定期券の発券情報に追加する追加情報の入力を受け付け、
前記定期券発行機の前記発券部は、前記取得部により取得した定期券の発券情報と前記操作部により入力された追加情報とに基づいて定期券を発券する、
[5]に記載の定期券発行システム。
[7]
前記情報入力端末の送信部は、前記定期券の発券情報を無線通信で送信する無線送信部であり、
前記定期券発行機の受信部は、前記無線通信で送信される前記定期券の発券情報を受信する無線受信部である、
[5]又は[6]の何れかに記載の定期券発行システム。
[8]
情報入力端末とサーバと定期券発行機とを有する定期券発行システムにおいて、
前記情報入力端末は、
定期券の発券情報を入力するための情報入力部と、
前記情報入力部を用いて入力された定期券の発券情報を前記サーバへ送信する送信部と、を有し、
前記サーバは、
前記情報入力端末が送信する前記定期券の発券情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信した定期券の発券情報を記憶する記憶部と、
前記定期券発行機からの転送要求に応じて前記記憶部に記憶した情報のうち受信した順番が古い定期券の発券情報を転送する転送部と、
前記定期券発行機は、
前記サーバから転送される定期券の発券情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得した定期券の発券情報を表示する表示部と、
前記表示部に前記定期券の発券情報を表示した後、表示した情報に基づく定期券の発券を指示する操作部と、
前記操作部により定期券の発券が指示された場合、前記定期券の発券情報に基づいて定期券を発券する発券部と、を有する、
定期券発行システム。
[9]
前記情報入力端末の送信部は、前記定期券の発券情報を無線通信で送信する無線送信部であり、
前記サーバの受信部は、前記無線通信で送信される前記定期券の発券情報を受信する無線受信部である、
[8]に記載の定期券発行システム。