特許第6470086号(P6470086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6470086
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】揺動板式可変容量圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 27/12 20060101AFI20190204BHJP
   F04B 27/18 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   F04B27/12 M
   F04B27/18
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-71563(P2015-71563)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-191347(P2016-191347A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2018年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】杉野 健二
【審査官】 田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−153592(JP,A)
【文献】 特開2013−60838(JP,A)
【文献】 特開2014−136969(JP,A)
【文献】 特開昭59−150988(JP,A)
【文献】 特開平5−99137(JP,A)
【文献】 特開昭54−51013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 27/12
F04B 27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側と後端側がハウジングに回転自在に軸支された回転主軸と、前記回転主軸と共に回転し前記回転主軸に対して傾斜可能な斜板と、前記斜板の回転に伴って前記回転主軸に対して揺動してシリンダボア内のピストンを往復動させる揺動板と、前記回転主軸の中間部に設けられ前記回転主軸の回転時に前記揺動板の回転を阻止する揺動板回転阻止機構と、を備え、前記回転主軸に対する前記斜板の傾角を可変して前記ピストンのストローク量を変化させる揺動板式可変容量圧縮機であって、
前記揺動板回転阻止機構は、
前記回転主軸の軸方向に移動可能で軸回りの回転が阻止されるように前記ハウジングのガイド孔内周面に対して外周面が支持される第1支持部を有するガイド部材と、
前記ガイド部材に対して前記揺動板が揺動可能に且つ前記ガイド部材の回転阻止力が伝達するように前記揺動板と前記ガイド部材を連結する連結機構と、を備え、
前記ガイド部材は、前記回転主軸を内周面で支持する第2支持部を更に有し、
前記第1支持部と前記第2支持部とは、前記回転主軸の軸方向において重複していることを特徴とする揺動板式可変容量圧縮機。
【請求項2】
前記第1支持部と前記第2支持部は、前記回転主軸の軸方向において前記斜板の最小傾角から最大傾角までの範囲で重複する請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
【請求項3】
前記揺動板と前記ガイド部材を連結する前記連結機構は、等速ジョイントである請求項1又は2に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
【請求項4】
前記連結機構は、動力伝達用のボールをガイドするため前記ガイド部材に形成された複数のガイド溝と、前記ガイド部材の各ガイド溝と対向する位置に前記ボールをガイドするための複数のガイド溝を有し外周に前記揺動板を固定支持し且つ前記斜板を軸受を介して回転可能に支持する支持部材と、互いに対向する前記ガイド溝によって保持され両ガイド溝間で圧縮されることにより動力伝達を行う複数のボールと、前記支持部材を揺動可能に支持すると共に前記回転主軸上を前記ガイド部材と共に軸方向に移動可能に前記ガイド部材と係合しその内周面で前記回転主軸を支持するスリーブと、を備えて構成された請求項3に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
【請求項5】
前記揺動板と前記ガイド部材を連結する前記連結機構は、ユニバーサルジョイントである請求項1又は2に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転主軸の回転に伴って揺動する揺動板によりピストンを往復動させる揺動板式可変容量圧縮機に関し、特に、車両エアコンシステム等の冷媒循環装置に使用される揺動板式可変容量圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の揺動板式可変容量圧縮機として、特許文献1に記載されたものが提案されている。特許文献1に記載された揺動板式可変容量圧縮機は、先端側と後端側が軸受を介してハウジングに回転自在に軸支された主軸と共に回転する斜板の回転に伴ってピストンサポートを揺動させてピストンをシリンダボア内で往復動させる。そして、ピストンサポートの回転阻止機構を主軸の中間部に設け、回転阻止機構の構造を工夫することによって、圧縮機駆動時に生じる主軸の振れ回り振動や騒音を抑制するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−99137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された揺動板式可変容量圧縮機の回転阻止機構は、主軸に対して軸方向に移動可能で主軸と一体に回転するように組み込まれた斜板スリーブの外周に、この斜板スリーブと相対回転自在にサポートスリーブが挿入され、このサポートスリーブは、シリンダブロック(ハウジングの一部を構成する)内のガイド孔に主軸の軸方向にのみ移動可能に支持されている。即ち、サポートスリーブの内周面で斜板スリーブを介して主軸を支持し、このサポートスリーブをシリンダブロックのガイド孔で支持する構成となっている。しかしながら、主軸を支持するサポートスリーブの支持部とシリンダブロックのガイド孔で支持されるサポートスリーブの支持部とが、主軸の軸方向において重複していないため、圧縮機駆動時に生じる主軸の振れ回り振動等に対してサポートスリーブの支持が片持ち梁構造となり、主軸の振れ回り振動の抑制効果が十分ではない。
【0005】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、回転阻止機構の取付け構造を工夫することにより、回転主軸の振れ回り振動を十分に抑制できる揺動板式可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明の揺動板式可変容量圧縮機は、先端側と後端側がハウジングに回転自在に軸支された回転主軸と、前記回転主軸と共に回転し前記回転主軸に対して傾斜可能な斜板と、前記斜板の回転に伴って前記回転主軸に対して揺動してシリンダボア内のピストンを往復動させる揺動板と、前記回転主軸の中間部に設けられ前記回転主軸の回転時に前記揺動板の回転を阻止する揺動板回転阻止機構と、を備え、前記回転主軸に対する前記斜板の傾角を可変して前記ピストンのストローク量を変化させる揺動板式可変容量圧縮機であって、前記揺動板回転阻止機構は、前記回転主軸の軸方向に移動可能で軸回りの回転が阻止されるように前記ハウジングのガイド孔内周面に対して外周面が支持される第1支持部を有するガイド部材と、前記ガイド部材に対して前記揺動板が揺動可能に且つ前記ガイド部材の回転阻止力が伝達するように前記揺動板と前記ガイド部材を連結する連結機構と、を備え、前記ガイド部材は、前記回転主軸を内周面で支持する第2支持部を更に有し、前記第1支持部と前記第2支持部とは、前記回転主軸の軸方向において重複していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の揺動板式可変容量圧縮機によれば、圧縮機の運転時に発生する回転主軸の振れ回り振動を抑制できる。これにより、揺動板回転阻止機構の各部の接触状態が改善でき、揺動板回転阻止機構の異常摩耗等が改善でき、揺動板式可変容量圧縮機の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る揺動板式可変容量圧縮機の構成例を示す断面図である。
図2図1の揺動板式可変容量圧縮機の別の運転状態における断面図である。
図3図1の揺動板式可変容量圧縮機の揺動板回転阻止機構を含む要部の分解斜視図である。
図4図1の揺動板式可変容量圧縮機の一形態例を示し、(A)は部分断面図、(B)は部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機の一実施形態の構成例について図1図4を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の揺動板式可変容量圧縮機の構成の一例であり、斜板の傾角が最大となる最大吐出容量時の運転状態を示している。図2は、図1の揺動板式可変容量圧縮機における斜板の傾角が最小となる最小吐出容量時の運転状態を示している。図3は、図1の揺動板式可変容量圧縮機における揺動板回転阻止機構を含む要部の分解斜視図を示している。図4は、図1の揺動板式可変容量圧縮機における揺動板回転阻止機構の一形態例を示している。
【0011】
この揺動板式可変容量圧縮機1は、回転主軸と共に回転する斜板の回転主軸に対する傾角を可変して、斜板の回転に伴って回転主軸に対して揺動する揺動板の揺動幅を変更することにより、ピストンのストローク量を変更してシリンダボアからの冷媒吐出容量を可変するものである。
【0012】
図1において、揺動板式可変容量圧縮機1は、中央部に配置されたシリンダブロック2と、その両側に配置されたフロントハウジング3及びリアハウジング4によりハウジングが形成され、外部から回転駆動力が入力される回転主軸5が、フロントハウジング3からシリンダブロック2部分まで貫通して設けられている。回転主軸5は、先端側がフロントハウジング3に軸受33(ラジアル軸受)を介して、後端側がシリンダブロック2内の固定壁に軸受22(ラジアル軸受)を介して、それぞれ回転可能に軸支されている。回転主軸5には、ロータ6が一体回転可能に固定されており、ロータ6とフロントハウジング3との間にはスラスト軸受32が介装されている。ロータ6には、ヒンジ機構7を介して斜板8が回転主軸5に対して傾斜可能に且つ回転主軸5と共に回転可能に連結されている。シリンダブロック2の内部周縁部に配置された各シリンダボア9内には、それぞれピストン10が往復動可能に挿入されており、ピストン10は、コネクティングロッド11を介して揺動板12に連結されている。揺動板12と斜板8との間にはスラスト軸受31が介装され、揺動板12が斜板8の回転に伴って揺動することにより、コネクティングロッド11を介してピストン10が往復動される。このピストン10の往復動に伴って、リアハウジング4の内部周縁部に形成された吸入室13から被圧縮流体(例えば、冷媒ガス)が、バルブプレート14に形成された吸入孔15(吸入弁は図示省略)を通してシリンダボア9に吸入され、吸入された被圧縮流体は圧縮された後、吐出孔16(吐出弁は図示省略)を通してリアハウジング4の内部中央部に形成された吐出室17内に吐出され、そこから外部回路へと送られる。
【0013】
前記揺動板12は、回転主軸5の中間部に設けられた搖動板回転阻止機構21によって回転が阻止された状態で揺動運動する。以下に、この揺動板回転阻止機構21について説明する。
【0014】
揺動板回転阻止機構21は、回転主軸5の軸方向に移動可能で後述する内輪回転阻止機構によって回転主軸5回りの回転が阻止されている。揺動板回転阻止機構21は、ガイド部材として内輪27と、揺動板12と内輪27とを連結する連結機構とを備える。内輪27は、回転主軸5の軸方向に移動可能で軸回りの回転が阻止されるようにシリンダブロック2のガイド孔2A内周面に対して外周面が支持される第1支持部52と、内周面で当該内周面に取付けられたすべり軸受51を介して回転主軸5を支持する第2支持部53とを有する。また、前記連結機構は、いわゆる等速ジョイントとして構成されている。前記連結機構は、動力伝達用の(複数の)ボール25をガイドするため内輪27に形成された複数のガイド溝26と、内輪27の各ガイド溝26と対向する位置にボール25をガイドするための複数のガイド溝28を有し、外周部に揺動板12を固定支持し且つ斜板8を軸受29(ラジアル軸受)を介して回転可能に支持する支持部材としての外輪30と、内輪27及び外輪30に形成された互いに対向するガイド溝26,28によって保持され、両ガイド溝26,28間で圧縮されることにより動力伝達を行う前述の複数のボール25と、軸受23(ラジアル軸受)を介して回転主軸5を支持して回転主軸5に対し相対回転可能及び軸方向移動可能に設けられ、外輪30を揺動可能に支持すると共に回転主軸5上を内輪27と共に軸方向に移動可能に内輪27と係合するスリーブ24と、を備えて構成されている。そして、外輪30は、互いのガイド溝26,28とボール25との球面接触を介して内輪27に対してスリーブ24を中心に揺動可能である。また、内輪27側からの回転阻止力がガイド溝26,28とボール25との球面接触を介して外輪30側に伝達される。
【0015】
前述した内輪回転阻止機構は、回転主軸5の回転時に、シリンダブロック2内のガイド孔2Aと内輪27の外周面とを互いに当接させる当接構造により構成されている。具体的には、内輪27の外周面が、隣り合う周面と周面のなす角が60°の略三角形状に形成された3つの周面から構成されている。また、シリンダブロック2内のガイド孔2Aも、内輪27の外周面に対応させて隣り合う周面と周面のなす角が60°の略三角形状に形成された3つの周面から構成されている。そして、回転主軸5の回転に伴って内輪27がシリンダブロック2に対して回動したとき、内輪27の各周面の端縁部がシリンダブロック2内のガイド孔2Aの各周面に当接して内輪27の回転が阻止される。
【0016】
尚、本実施形態の揺動板回転阻止機構21における内輪回転阻止機構としては、上述した当接構造に限らず、キーやスプライン等の一般的な回転規制機構でもよい。
【0017】
図4は、揺動板回転阻止機構21において、内、外輪27,30の相対角度がゼロの状態を示している。図4(A)に示すように、揺動板回転阻止機構21の内輪27及び外輪30に形成されるガイド溝26,28が回転主軸5の中心軸に対して相対角度(30°〜60°の範囲内の相対角度)をもって配置されている。そして、一つのボールガイド41を構成し、互いに対向する、内輪27に形成されたガイド溝26(ガイド溝26の軸は42で表示)と外輪30に形成されたガイド溝28(ガイド溝28の軸は43で表示)とが、内輪27の軸と外輪30の軸との相対角度がゼロの状態にて回転主軸5に垂直で且つ揺動板12の揺動中心を通る平面44に対し対称形態になるように配置されている。このガイド溝26の軸42とガイド溝28の軸43との交点上にボール25が規制、支持される。また、図4(B)に示すように、揺動板回転阻止機構21の複数のボールガイド41のうち、隣り合った2つのボールガイドを一対とし、この一対のボールガイド45におけるそれぞれのボールガイド41が、換言すれば、この部分における内、外輪に形成されたガイド溝の軸46が、互いに平行に配置されている構成とすることができる。この構成により、前述の如く、揺動板回転阻止機構部の回転方向ガタは、内、外輪27,30に設置された一組のガイド溝底間距離とボール球径の関係で概ね決まるため、クリアランスの設定、管理が容易となり、適正なクリアランスの設定によりガタを小さく抑えることが可能となる。そして、複数のボール25は、各ボール25を挟み込んで向き合ったガイド溝26,28間で圧縮方向に支持され動力伝達を行う。ボール25は、向き合ったガイド溝26,28に抱き抱えられるように保持されて両ガイド溝26,28に接触するので、ボール25とそれぞれのガイド溝26,28間の接触面積を十分に大きく確保できるようになり、接触面圧を低減することが可能になって、信頼性、振動、静粛性の面で極めて有利な構造となる。また、ボール25の球径を小さくすることも可能で、揺動板回転阻止機構21全体の小型化が可能となる。
【0018】
また、回転主軸5を中心としたモーメントとして与えられるボール25にかかる負荷は、実接触面の垂直抗力として発生する。モーメントの方向に対する接触面法線の傾きが小さいほど、接触荷重が小さくなり、上記の如く平行に配置された一対のボールガイド45が、回転主軸5の中心軸5aを含む平面に対し対称に配置されていることにより、換言すれば、内、外輪27,30に形成された2組のガイド溝の軸46が回転主軸5の中心軸5aを含む平面に対し対称に配置されていることにより、回転方向を選ばない揺動板回転阻止機構として、ボール接触荷重を最小とすることが可能である。
【0019】
上述のように構成された揺動板回転阻止機構21において、シリンダブロック2のガイド孔2A内周面に対して外周面が支持される第1支持部52を有する内輪27は、回転主軸5を内周面で支持する第2支持部53を更に有している。そして、内輪27の第1支持部52と第2支持部53とは回転主軸5の軸方向において重複するように構成され、揺動板回転阻止機構21は、回転主軸5の振れ回り振動を抑制する機能を担っている。具体的には、本実施形態では、斜板8が回転主軸5に対して直交するときの斜板8の傾角を0°としたとき、図2に示す斜板8の最小傾角から図1に示すように斜板8がロータ6に当接することにより規制される斜板8の最大傾角までの範囲で第1支持部52と第2支持部53とが回転主軸5に軸方向で重複するように構成されている。但し、これに限るものではない。第1支持部52と第2支持部53とは、少なくとも斜板8の最小傾角のときに重複していればよく、例えば斜板8の最大傾角のときに重複しなくともよい。
【0020】
かかる構成の揺動板式可変容量圧縮機1によれば、第1支持部52と第2支持部53が回転主軸5の軸方向で重複していることにより、回転主軸5の中間部の支持構造が従来のような片持ち梁構造とならず、圧縮機駆動時に生じる回転主軸5の振れ回り振動を有効に抑制できる。これにより、回転主軸5の回転が滑らかになり、揺動板回転阻止機構21の各部の接触状態が改善され、揺動板回転阻止機構21の異常摩耗等が改善され、揺動板式可変容量圧縮機1の耐久性を向上できる。また、本実施形態では、スリーブ24でも回転主軸5が支持されているので、より一層回転主軸5の振れ回り振動を抑制でき、揺動板式可変容量圧縮機1の耐久性をより向上できる。
【0021】
尚、本実施形態では、揺動板12と内輪27とを連結する連結機構として、傾角が変化しても伝達される回転速度が変化しない等速ジョイントを適用したが、これに限るものではなく、例えば、傾角が変化すると伝達される回転速度が変化するユニバーサルジョイントを適用してもよい。
【0022】
また、本実施形態では、スリーブ24と回転主軸5との間に軸受23を介在させる構成であるが、軸受23を省略してスリーブ24が回転主軸5を直接支持する構成としてもよい。
【0023】
また、本実施形態では、内輪27と回転主軸5との間にすべり軸受51を介在させる構成としたが、すべり軸受51を省略して内輪27の内周面で回転主軸5を直接支持する構成としてもよい。
【0024】
なお、複数の分割部材、例えば2つの分割部材を組付けて内輪27を形成する場合が考えられる。この場合、複数(例えば2つ)の分割部材が回転主軸とガイド孔との間に配置され、各分割部材の内面で回転主軸を支持することになる。このような各分割部材の内面すなわち、回転主軸と対向する面も「内周面」に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
1 揺動板式可変容量圧縮機
2 シリンダブロック
2A ガイド孔
5 回転主軸
6 ロータ
8 斜板
9 シリンダボア
10 ピストン
12 揺動板
21 揺動板回転阻止機構
22,33 ラジアル軸受
24 スリーブ
25 ボール
26 ガイド溝(内輪側)
27 内輪
28 ガイド溝(外輪側)
30 外輪
51 すべり軸受
52 第1支持部
53 第2支持部
図1
図2
図3
図4