特許第6470118号(P6470118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6470118配達物処理装置、配達物処理支援装置、配達物処理システム、配達物処理プログラム、および配達物処理支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6470118
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】配達物処理装置、配達物処理支援装置、配達物処理システム、配達物処理プログラム、および配達物処理支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   B07C 3/08 20060101AFI20190204BHJP
   B07C 3/14 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   B07C3/08
   B07C3/14
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-117185(P2015-117185)
(22)【出願日】2015年6月10日
(65)【公開番号】特開2017-954(P2017-954A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 厚
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−269622(JP,A)
【文献】 特開2015−58390(JP,A)
【文献】 特表2001−503672(JP,A)
【文献】 特表2007−503988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 3/00 − 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得する第1取得部と、
処理対象日に関する第2種類の配達対象物の宛先情報を取得する第2取得部と、
複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、
前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部と、
前記第1取得部により取得された宛先情報と前記第2取得部により取得された宛先情報とが合致するか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記第1取得部により宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれかに搬送するように前記搬送部を制御する搬送制御部と、
を備える配達物処理装置。
【請求項2】
処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得する取得部と、
複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、
前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部と、
前記取得部により取得された第1種類の配達対象物の宛先情報を含む情報を他装置に送信し、前記送信した宛先情報に対応する前記第1種類の配達対象物を前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれに搬送するかを決定するための情報を、前記他装置から取得する判定依頼部と、
前記判定依頼部により取得された判定結果に基づいて、前記取得部により宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれかに搬送するように前記搬送部を制御する搬送制御部と、
を備える配達物処理装置。
【請求項3】
前記第2種類の配達対象物は、厚さ方向の制限が、前記第1種類の配達対象物に対して設定された厚さ方向の制限に比して緩やかに設定された配達対象物である、
請求項1または請求項2記載の配達物処理装置。
【請求項4】
処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得する第1取得部と、
処理対象日に関する第2種類の配達対象物の宛先情報を取得する第2取得部と、
前記第1取得部により取得された宛先情報と前記第2取得部により取得された宛先情報とが合致するか否かを判定し、判定結果に基づいて、複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部とを有する配達物処理装置に対し、前記第1取得部により宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれかに搬送するための情報を送信する判定部と、
を備える配達物処理支援装置。
【請求項5】
前記第2種類の配達対象物は、厚さ方向の制限が、前記第1種類の配達対象物に対して設定された厚さ方向の制限に比して緩やかに設定された配達対象物である、
請求項4記載の配達物処理支援装置。
【請求項6】
請求項2記載の配達物処理装置と、
請求項4記載の配達物処理支援装置と、
を有する配達物処理システム。
【請求項7】
複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部とを有する配達物処理装置のコンピュータに、
処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得させ、
処理対象日に関する第2種類の配達対象物の宛先情報を取得させ、
前記取得させた第1種類の配達対象物の宛先情報と前記取得された第2種類の配達対象物の宛先情報とが合致するか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記宛先情報が取得させた前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれかに搬送するように前記搬送部を制御させる、
配達物処理プログラム。
【請求項8】
複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部とを有する配達物処理装置のコンピュータに、
処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得させ、
前記取得させた第1種類の配達対象物の宛先情報を含む情報を他装置に送信し、前記送信した宛先情報に対応する前記第1種類の配達対象物を前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれに搬送するかを決定するための情報を、前記他装置から取得させ、
前記取得させた判定結果に基づいて、前記宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれかに搬送するように前記搬送部を制御させる、
配達物処理プログラム。
【請求項9】
配達物処理支援装置のコンピュータに、
処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得させ、
処理対象日に関する第2種類の配達対象物の宛先情報を取得させ、
前記取得させた宛先情報と前記取得させた宛先情報とが合致するか否かを判定させ、
前記判定結果に基づいて、複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部とを有する配達物処理装置に対し、前記宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれに搬送するかを決定させるための情報を送信させる、
配達物処理支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配達物処理装置、配達物処理支援装置、配達物処理システム、配達物処理プログラム、および配達物処理支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品に対応した物品情報と、物品情報に対応した区分情報とを取得し、取得した区分情報に基づいて物品情報を配達順序に並び換える物品配達システムが知られている。このシステムによれば、様態や取扱い方法が多様である物品情報を、配達する順序に1つにまとめて提供することで、配達対象物を効率的に配達できるようにしている。しかしながら、従来のシステムでは、種類の異なる配達対象物を同時に配達可能に並べ換えようとすると、区分するための機構が複雑化する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−262977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、区分機構を複雑にせず、配達対象物を効率的に配達できるように区分することができる配達物処理装置、配達物処理支援装置、配達物処理システム、配達物処理プログラム、および配達物処理支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の配達物処理装置は、第1取得部と、第2取得部と、集積ユニットと、搬送部と、搬送制御部とを持つ。第1取得部は、処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得する。第2取得部は、処理対象日に関する第2種類の配達対象物の宛先情報を取得する。集積ユニットは、複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義される。搬送部は、前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する。搬送制御部は、前記第1取得部により取得された宛先情報と前記第2取得部により取得された宛先情報とが合致するか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記第1取得部により宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれかに搬送するように前記搬送部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】配達物処理システム1の構成を簡易に示す概念図。
図2】配達物処理装置20の構成の概略を示す図。
図3】区分前処理部30の構成の概略を示す図。
図4】制御部50を中心とした配達物処理装置20の構成例を示す図。
図5】記憶部80に格納された配達先コードマスタ82の一例を示す図。
図6】記憶部80に格納される配達先リスト84の一例を示す図。
図7】記憶部80に格納されたスタッカ情報86の一例を示す図。
図8】スタッカ42に対して定義される定義状態の模式図。
図9】小包宛先情報を取得し、配達先リスト84に小包宛先情報を追加する処理の流れを示すフローチャート。
図10】配達物処理装置20が紙葉類Sを同時配達スタッカ、または単独配達スタッカに区分する処理の流れを示すフローチャート。
図11】配達物処理システム1が、配達対象物である小包Pと紙葉類Sとを配達先に配送するまでの処理の流れを模式的に示す図。
図12】第2の実施形態の配達物処理システム1の概念図。
図13】第2の実施形態の制御部50Aを中心とした配達物処理装置20Aの構成例を示す図。
図14】配達物処理システム1Aが実行する処理の流れを示すシーケンス図。
図15】第2の実施形態の変形例の配達物処理装置20Bを中心とした配達物処理システム1Bの機能構成の概略を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の配達物処理装置、配達物処理支援装置、配達物処理プログラム、および配達物処理支援プログラム含む配達物処理システムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、配達物処理システム1の構成を簡易に示す概念図である。配達対象物である小包Pおよび紙葉類Sは、発送営業所T1、発送ターミナルT2、到着ターミナルT3、到着営業所T4を経由して、配達先に配達される。小包Pは、「第2種類の配達対象物」の一例である。一方、紙葉類Sは、例えばはがきや封書、メール便等であり、「第1種類の配達対象物」の一例である。例えば、紙葉類Sに関しては、厚さに関する制限が小包Pに関する厚さの制限に比して厳しく設定されており、小包Pに関しては、厚さに関する制限が紙葉類Sに関する厚さの制限よりも緩やかに設定されている。小包Pに関しては、例えば数百ミリメートル[mm]の厚さ(高さ)まで許容される。小包Pは、ベルトコンベアを有する区分装置によって、ベルトコンベア上に載せられて宛先情報に対応した集積部まで搬送される。一方、紙葉類Sは、紙葉類Sを挟持する挟持部材を有する区分装置によって、紙葉類Sが挟持部材に挟まれながら宛先情報に対応した集積部まで搬送される。なお、小包Pを配達対象物、紙葉類Sを配達対象物としたのは、あくまで一例であり、第1種類の配達対象物、第2種類の配達対象物として、他の配達対象物が適用されてもよい。
【0009】
ハンディターミナル2は、カメラを内蔵し、操作者の操作によって、小包Pに貼付された伝票や、小包Pに記載された配達対象物情報を含む画像を撮像する。また、ハンディターミナル2は、例えば無線通信部(不図示)を備え、無線通信によってネットワークNWにアクセスすることで、画像をサーバ装置10に送信する。配達対象物情報とは、配達対象物を識別する識別番号や、配達対象物の宛先情報、配達対象物を配達先に届ける指定された日時である配達指定日時等である。また、宛先情報とは、配達対象物の郵便番号や、住所、小包Pの受取人の情報等を含む。配達対象物情報が取得された小包Pは、発送営業所T1において所定の処理がされ発送ターミナルT2に運ばれる。ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット等を含む。
【0010】
小包処理装置4は、例えば発送ターミナルT2に設置され、小包Pを区分する区分装置である。小包処理装置4は、ベルトコンベアを有し、ベルトコンベア上に載せられた小包Pなどの荷物を、宛先情報に応じた集積部まで搬送する。また、小包処理装置4は、撮像部6を備える。撮像部6は、例えば移動する小包Pを高解像度に撮影できるラインスキャン方式の複数のスキャナと、照明装置とを有する。照明装置は、ベルトコンベアを含む搬送機構により搬送される小包Pに向けて光を照射する。撮像部6は、複数のスキャナを、例えば異なる角度から小包Pを撮影できる位置に配置されることで、小包Pの各面を撮像する。小包処理装置4は、撮像部6により撮像された配達対象物情報を含む画像を、ネットワークNWを介してサーバ装置10に送信する。
【0011】
サーバ装置10は、サーバ通信部12と、OCR(Optical Character Recognition)処理部14とを備える。サーバ通信部12は、ハンディターミナル2、小包処理装置4、配達物処理装置20、および到着営業所T4の端末装置(不図示)と、ネットワークNWを介して通信する。OCR処理部14は、ハンディターミナル2から取得した画像、および/または配達物処理装置20から取得した画像に対してOCR処理を行って、紙葉類Sの配達対象物情報を読み取る。サーバ通信部12は、OCR処理部14によってOCR処理された結果を、ネットワークNWを介して配達物処理装置20に送信する。
【0012】
配達物処理装置20は、宛先情報に応じて紙葉類Sを複数のスタッカ(集積部)42のいずれかに区分する。図2は、配達物処理装置20の構成の概略を示す図である。配達物処理装置20は、区分前処理部30と、区分部40とを備える。区分部40には、複数のスタッカ(集積部)42(1)から42(10)が設けられている。以下、符号に付された括弧内の数字は、スタッカ42の識別情報であるものとする。なお、スタッカ42の数は複数であればよく、2以上の任意の数であってもよい。
【0013】
図3は、区分前処理部30の構成の概略を示す図である。区分前処理部30は、例えば供給部31と、取出部32と、排除集積部33と、OCR依頼部35と、小包情報取得部37とを備える。なお、OCR依頼部35は請求項1における第1取得部の一例であり、小包情報取得部37は請求項1における第2取得部の一例である。
【0014】
供給部31では、例えば作業者による手作業で複数の紙葉類Sがセットされる。取出部32は、供給部31にセットされた紙葉類Sを1つずつ取出し、搬送路に供給する。この搬送路では、異物が混入している紙葉類Sや定型外の紙葉類Sが排除され、排除集積部33に集積される。
【0015】
OCR依頼部35は、紙葉類Sを撮像するカメラ(ラインセンサ)を備える。OCR依頼部35は、カメラによって撮像された画像をサーバ装置10にネットワークNWを介して送信し、サーバ装置10にOCR処理を依頼する。OCR依頼部35は、ネットワークNWを介してサーバ装置10のOCR処理部14がOCR処理した処理結果を取得する。OCR依頼部35は、OCR処理の結果を制御部50の住所特定部53(後述)に出力する。
【0016】
小包情報取得部37は、サーバ装置10からハンディターミナル2または撮像部6により取得された画像に対するOCR処理の処理結果を取得する。小包情報取得部37は、取得したOCR処理の処理結果を制御部50に出力する。
【0017】
以上のような構成を有する配達物処理装置20の各部は、制御部50により制御される。図4は、制御部50を中心とした配達物処理装置20の構成例を示す図である。制御部50は、例えば取出制御部51と、排除制御部52と、住所特定部53と、搬送制御部54とを備える。これらの機能部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ(不図示)が記憶部80に格納されたプログラムを実行することで機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、各種インターフェース等のハードウェアを含んでもよい。また、制御部50は2以上のプロセッサにより実現されてもよい。また、制御部50は、操作用端末70等とLAN等を介して通信するための通信インターフェースを備える。なお、制御部50と操作用端末70は一つのコンピュータ装置であってもよい。すなわち、操作用端末70のプロセッサが制御部50として機能してもよい。
【0018】
また、制御部50には、搬送機構60、入力部71、表示部72、記憶部80等が接続される。搬送機構60は、区分部40内で紙葉類Sを搬送するベルト、ベルトを駆動するモータ等を含む。入力部71は、キーボードや、マウス、タッチパネル等の入力デバイスである。表示部72は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置等の表示装置である。
【0019】
記憶部80は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置により実現される。記憶部80には、制御部50のプロセッサが実行するプログラムの他、配達先コードマスタ82、配達先リスト84、スタッカ情報86等が格納される。
【0020】
取出制御部51は、取出部32を制御する。排除制御部52は、排除集積部33に指向させる図示しないゲート部を駆動するモータ等を制御する。
【0021】
住所特定部53は、OCR依頼部35による処理結果を取得し、これらの処理結果に含まれる配達対象物情報の宛先情報を取得する。そして、住所特定部53は、取得した宛先情報から、処理単位の宛先情報を特定する。処理単位の宛先情報は、例えば日本国の住所であれば、宛先情報における「○丁目」が一致する住所を一括りにして決定される。住所特定部53は、例えば宛先情報と、処理単位の宛先情報とが対応付けられた対応情報を参照し、処理単位の宛先情報を特定する。なお、この対応情報は、テーブルデータであってもよいし、関数やプログラムの中に埋め込まれた情報であってもよい。また、住所特定部53は、紙葉類Sに対して指定された配達指定日時を特定する。
【0022】
搬送制御部54は、搬送機構60を制御することで、紙葉類Sを所望のスタッカ42に搬送する。搬送制御部54は、住所特定部53によって取得された紙葉類Sの処理単位の宛先情報(以下、紙葉類宛先情報)と、小包情報取得部37によって取得された小包Pの宛先情報(以下、小包宛先情報)との比較に基づいて、紙葉類Sを搬送する搬送先のスタッカ42を決定する。以下、これについて説明する。
【0023】
搬送制御部54は、小包情報取得部37から取得した小包宛先情報を、記憶部80の配達先コードマスタ82を参照して、記憶部80の配達先リスト84に格納させる。
【0024】
図5は、記憶部80に格納された配達先コードマスタ82の一例を示す図である。配達先コードマスタ82は、配達先コードに、配達先コード枝番と住所とが対応付けられた情報である。配達先コードおよび配達先コード枝番は、住所をグループ化したものに対して付与される。そして、配達先コードおよび配達先コード枝番で特定される住所のグループが、スタッカ情報86によってスタッカ42に割り当てられている。すなわち、配達先コードマスタ82は、スタッカ42に対する対応付けの基準となる住所のグループ(紙葉類宛先情報)を定義した情報である。
【0025】
配達先コードマスタ82において、配達先コードは、例えば郵便における郵便番号と同様のコードである。また、配達先コードは、郵便番号よりも細かい区分であってもよいし、大きい区分であってもよい。配達先コード枝番は、配達先コードで示される地域内に存在する宛先全件を枝番で定義したコード体系である。配達先コード枝番は、丁目番地単位であってもよいし、番地単位であってもよい。住所は、配達先枝番の地点を示す住所の詳細データである。配達先コードおよび配達先コード枝番は、集配運用上で都合のよい単位にまとめたり、全ての宛先を個別に定義したりしてもよい。
【0026】
図6は、記憶部80に格納される配達先リスト84の一例を示す図である。配達先リスト84は、例えば配達予定日毎や配達予定時間毎に、配達が予定されている小包宛先情報を一覧情報化したものである。小包宛先情報も、例えば配達先コードと配達先コード枝番とで特定される。
【0027】
配達先リスト84では、配達先コードに、配達先コード枝番と、住所とが対応付けられている。配達先リスト84の配達先コード、配達先コード枝番、および住所は、小包情報取得部37により取得された小包宛先情報に基づいて搬送制御部54によりデータ化されて記憶部80に格納される。なお、これに代えて、図6で例示したような形式で生成された配達先リスト84が、他装置からネットワークNWを介して取得されて記憶部80に格納されてもよいし、配達先リスト84が格納された記憶媒体が、配達物処理装置20のドライブ装置に装着され、記憶媒体から配達先リスト84が読み出されてもよい。
【0028】
複数のスタッカ42は、記憶部80のスタッカ情報86によって、紙葉類宛先情報との対応付けが定義されている。図7は、記憶部80に格納されたスタッカ情報86の一例を示す図である。スタッカ情報86には、同一の紙葉類宛先情報に対して、単独配達スタッカを示すスタッカ42の識別情報と、同時配達スタッカを示すスタッカ42の識別情報との双方が対応付けられている。単独配達スタッカとは、小包Pとは別に単独で配達する紙葉類Sが集積されるスタッカである。同時配達スタッカとは、小包Pと共に配達する紙葉類Sが集積されるスタッカである。図2および図8では紙面の関係上、スタッカ42(1)から42(10)までを示したが、図7ではスタッカ42(1)から42(36)まで定義された例を示している。
【0029】
図8は、スタッカ42に対して定義される定義状態の模式図である。図8の例では、スタッカ42(1)および42(2)と、スタッカ42(3)および42(4)と、スタッカ42(5)および42(6)と、・・・に同一の配達先の枝番が対応付けられている。また、スタッカ42の後に付された識別番号が奇数のスタッカ42は単独配達用スタッカ42として定義され、スタッカ42の後に付された識別番号が偶数のスタッカ42は同時配達用スタッカ42として定義されている。
【0030】
図9は、小包宛先情報を取得し、配達先リスト84に小包宛先情報を追加する処理の流れを示すフローチャートである。まず、ハンディターミナル2が、操作者の操作によって、自装置のカメラにより撮像された小包Pの画像をサーバ装置10のサーバ通信部12に送信する(ステップS100−1)。または、発送ターミナルT2の小包処理装置4の撮像部6が、小包Pを撮像した画像をサーバ装置10のサーバ通信部12に送信する(ステップS100−2)。
【0031】
次に、サーバ装置10のOCR処理部14が、サーバ通信部12を介して取得した画像に対してOCR処理を行って、配達対象物情報(例えば宛先情報や伝票番号配達指定日時等)を認識する(ステップS102)。次に、配達物処理装置20の搬送制御部54は、配達先コードマスタ82を参照し、サーバ通信部12から取得した配達対象物情報に対応する配達先コード、および配達先枝番を検索し(ステップS104)、検索結果を小包宛先情報として特定する。次に、搬送制御部54は、小包宛先情報である配達先コードおよび配達先枝番と、小包宛先情報に含まれる住所とを配達先リスト84に格納する(ステップS106)。このとき、搬送制御部54は、配達先リスト84のうち小包Pの配達指定日時に対応する部分に小包宛先情報を格納する。なお、搬送制御部54は、更に伝票番号や配達指定日時等を配達先リスト84に格納してもよい。これにより本フローチャートの処理は終了する。
【0032】
図10は、配達物処理装置20が紙葉類Sを同時配達スタッカ、または単独配達スタッカに区分する処理の流れを示すフローチャートである。まず、OCR依頼部35がサーバ装置10のOCR処理部14から処理結果としての宛先情報を取得する(ステップS150)。次に、搬送制御部54が、配達先コードマスタ82を参照し、ステップS150で取得した宛先情報に対応する配達先コード、および配達先枝番を検索し(ステップS152)、検索結果を紙葉類宛先情報として特定する。次に、搬送制御部54が、ステップS152で検索した配達先コード、および配達先枝番(紙葉類宛先情報)に合致する配達先コード、および配達先枝番が、配達先リスト84(小包宛先情報の一覧)中に存在する否かを判定する(ステップS154)。ここで、搬送制御部54が参照する配達先リスト84は、紙葉類Sの配達予定日時や配達指定日時と一致する日時に対応した配達予定に係る、小包Pの配達対象物情報である。また、「合致する」とは、完全一致の他、ある程度の部分が一致していることを含んでもよい。
【0033】
合致する配達先コード、および配達先枝番が配達先リスト84に存在する場合、搬送制御部54は、搬送機構60を制御して同時配達スタッカに紙葉類Sを搬送させる(ステップS156)。合致する配達先コード、および配達先枝番が配達先リスト84に存在しない場合、搬送制御部54は、搬送機構60を制御して単独配達スタッカに紙葉類Sを搬送させる(ステップS158)。これにより本フローチャートの処理は終了する。
【0034】
図11は、配達物処理システム1が、小包Pと紙葉類Sとを配達先に配送するまでの処理の流れを模式的に示す図である。発送元T0は、例えばコンビニエンスストアや、顧客の居住地である。発送営業所T1には、発送元T0から集荷された小包P、または顧客により持ち込まれた小包Pが集められる。発送営業所T1に集められた小包Pは、発送ターミナルT2に発送される。小包宛先情報は、発送元T0でハンディターミナル2のカメラにより撮像され、或いは発送ターミナルT2で小包処理装置4の撮像部6によりされる。小包Pは、発送ターミナルT2から到着ターミナルT3に送られる。
【0035】
到着ターミナルT3では、各種経路を経由した紙葉類Sが、配達物処理装置20により区分される。配達物処理装置20は、紙葉類宛先情報を取得し、自装置内のスタッカ42に紙葉類Sを搬送する。配達物処理装置20は、事前に取得された小包宛先情報に基づいて、紙葉類Sを小包Pと共に配達する紙葉類Sであるか、小包Pとは別に単独で配達する紙葉類Sであるかを住所毎にスタッカ42に区分する。
【0036】
小包Pおよび紙葉類Sは、区分に従ってコンテナに詰め込まれて配達先の住所に応じた到着営業所T4に送られる。ここで、配達物処理装置20において小包Pとの関係が考慮されていない場合、同じ日に同じ地域に何度も配達が行われる場合がある。ある到着営業所に所属する小包Pの配達を担当する配達員と紙葉類Sの配達を担当する配達員とが、それぞれ担当する配達対象物を担当する地域に配達するためである。
【0037】
これに対し、本実施形態の配達物処理装置20では、小包Pとの関係が考慮され、紙葉類Sがスタッカ42に区分される。この場合、例えば小包Pと、小包Pと共に配達する紙葉類Sと、小包Pとは別に単独で配達される紙葉類Sとが、それぞれコンテナに区分されて到着営業所T4に送られる。到着営業所T4には、紙葉類Sが小包Pと共に配達する紙葉類であるかが区分された状態で届く。このため、小包Pと共に配達する紙葉類Sは小包Pと共に配達先T5に配達し、小包Pとは別に単独で配達する紙葉類Sは配達先T5に単独で配達するという運用を容易にすることができる。この結果、配達員は配達対象物を効率的に配達先に配達することができる。
【0038】
また、配達物処理装置20では、小包Pと紙葉類Sとの双方を受け入れて区分するものでないため、区分機構を複雑にすることなく処理を行うことができる。仮に厚さが大きく異なるこれらを同時に区分しようとすると、区分機構が複雑になってしまい、コストやサイズが増大してしまう。
【0039】
以上説明した第1の実施形態の配達物処理システム1は、配達物処理装置20の搬送制御部54が、紙葉類宛先情報に対応する配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が配達先リスト84に存在する否かを判定し、判定結果に基づいて、搬送機構60を制御して同時配達スタッカ、または単独配達スタッカに紙葉類Sを搬送させる。これにより小包Pと共に配達される紙葉類Sは同時配達スタッカに蓄積され、小包Pとは別に単独で配達される紙葉類Sは単独配達スタッカに蓄積される。この結果、配達物処理システム1は、区分機構を複雑にせず、配達対象物を効率的に配達できるように区分することができる。
【0040】
なお、第1の実施形態では、取出制御部51と、排除制御部52と、住所特定部53と、搬送制御部54と、記憶部80とが配送物処理装置20として機能するものとして説明したが、上述の機能部は、複数の装置に分散されていてもよい。この場合、上述の機能部が含まれる複数の装置が1つのシステムとして機能することにより、配達物処理装置20と同様の機能を実現する。また、上述の機能部が含まれる複数の装置は、例えばネットワークNWを介して通信することで、配達物処理装置20と同様の機能を実現してもよい。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の配達物処理システム1Aでは、搬送制御部54に代えてリスト生成判定装置(配達物処理支援装置)100が、支援装置側配達先リスト114を生成し、生成した支援装置側配達先リスト114の紙葉類宛先情報と合致する小包宛先情報が存在するか否かを判定する点で第1の実施形態と異なる。以下、この相違点を中心に説明する。
【0042】
図12は、第2の実施形態の配達物処理システム1の概念図である。配達物処理システム1Aは、更にリスト生成判定装置100を備える。また、配達物処理システム1Aは、配達物処理装置20に代えて、配達物処理装置20Aを備える。リスト生成判定装置100は、リスト生成通信部102と、リスト生成部104と、判定部106と、記憶部110とを備える。なお、リスト生成通信部102は、請求項4における第1取得部および第2取得部の一例である。
【0043】
リスト生成通信部102は、ネットワークNWを介してサーバ装置10と通信する。リスト生成部104は、サーバ装置10のサーバ通信部12から小包宛先情報を取得する。リスト生成部104は、支援装置側配達先コードマスタ112を参照し、サーバ通信部12から取得した小包宛先情報に対応する配達先コード、および配達先枝番を検索する。リスト生成部104は、検索した配達先コードおよび配達先枝番と、小包宛先情報に含まれる住所とを記憶部110の支援装置側配達先リスト114に格納する。また、判定部106は、配達物処理装置20Aの依頼に応じて支援装置側配達先コードマスタ112を参照し、紙葉類宛先情報の配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が支援装置側配達先リスト114に存在するか否かを判定する。判定部106は、判定結果を依頼元の配達物処理装置20Aに送信する。
【0044】
記憶部110は、支援装置側配達先コードマスタ112と、支援装置側配達先リスト114とを備える。支援装置側配達先コードマスタ112は、前述した配達先コードに、配達先コード枝番と住所とが対応付けられた情報(図5参照)である。支援装置側配達先リスト114は、前述した配達予定日毎や配達予定時間毎に、配達が予定されている小包宛先情報を一覧情報化したものである(図6参照)。支援装置側配達先リスト114の配達先コード、配達先コード枝番、および住所は、リスト生成通信部102により取得された小包宛先情報に基づいてリスト生成部104によりデータ化されて記憶部110に格納される。
【0045】
図13は、第2の実施形態の制御部50Aを中心とした配達物処理装置20Aの構成例を示す図である。配達物処理装置20Aは、第1の実施形態の配達物処理装置20の機能構成において小包情報取得部37および搬送制御部54に代えて、判定依頼部39および搬送制御部54Aを備える。また、配達物処理装置20Aは、第1の実施形態の記憶部80に代えて、記憶部80Aを備える。記憶部80Aは、スタッカ情報86を格納する。スタッカ情報86には、紙葉類宛先情報に対して、単独配達スタッカを示すスタッカ42の識別情報と、同時配達スタッカを示すスタッカ42の識別情報との双方が対応付けられている(図7参照)。
【0046】
判定依頼部39は、紙葉類宛先情報と合致する小包宛先情報が支援装置側配達先リスト114に存在するかを判定させるため、紙葉類宛先情報をリスト生成判定装置100に送信する。判定依頼部39は、送信した紙葉類宛先情報に応じた判定結果をリスト生成判定装置100から取得する。搬送制御部54Aは、判定依頼部39により取得された判定結果と、住所特定部53により取得された紙葉類宛先情報とに基づいて、紙葉類Sを搬送する搬送先のスタッカ42を決定する。搬送制御部54Aは、決定したスタッカ42に紙葉類Sを搬送するように搬送機構60を制御する。
【0047】
図14は、配達物処理システム1Aが実行する処理の流れを示すシーケンス図である。まず、ハンディターミナル2のカメラまたは小包処理装置4の撮像部6が、小包Pの画像を取得する(ステップS200)。次に、ハンディターミナル2のカメラまたは撮像部6が、無線通信を用いて取得した小包Pの画像をサーバ装置10に送信する(ステップS202)。次に、サーバ装置10のOCR処理部14が、OCR処理を実行し(ステップS204)、処理結果である小包宛先情報を含む配達対象物情報をリスト生成判定装置100に送信する(ステップS206)。
【0048】
リスト生成判定装置100のリスト生成部104が、支援装置側配達先コードマスタ112を参照し、小包宛先情報に対応する配達先コード、および配達先枝番を検索し(ステップS208)、検索結果を小包宛先情報として特定する。リスト生成部104は、小包情報である配達先コードおよび配達先枝番と、小包宛先情報に含まれる住所とを記憶部110の支援装置側配達先リスト114に格納し、支援装置側配達先リスト114を生成する(ステップS210)。
【0049】
次に、配達物処理装置20AのOCR依頼部35が、カメラによって撮像された画像をサーバ装置10に送信し(ステップS212)、OCR処理を依頼する(ステップS214)。次に、サーバ装置10のOCR処理部14が、OCR処理を実行し(ステップS216)、処理結果を配達物処理装置20Aに送信する(ステップS218)。
【0050】
次に、配達物処理装置20Aの判定依頼部39が、処理結果の紙葉類宛先情報と合致する小包宛先情報が支援装置側配達先リスト114中に存在するか否かを判定させるために、リスト生成判定装置100に紙葉類宛先情報を送信する(ステップS220)。次に、リスト生成判定装置100の判定部106が、支援装置側配達先コードマスタ112を参照し、配達物処理装置20Aにより送信された紙葉類宛先情報の配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が支援装置側配達先リスト114中に存在するか否かを判定する(ステップS222)。次に、判定部106は、判定結果を送信元の配達物処理装置20Aに送信する(ステップS224)。
【0051】
次に、搬送制御部54Aが、判定依頼部39により取得された判定結果と、住所特定部53により取得された紙葉類宛先情報とに基づいて、紙葉類Sを搬送するスタッカ42を決定し、決定したスタッカ42に紙葉類Sを搬送するように搬送機構60を制御する(ステップS226)。紙葉類宛先情報の配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が支援装置側配達先リスト114中に存在するとの判定結果を取得した場合には、搬送制御部54Aは、同時配達スタッカに紙葉類Sを搬送するように搬送機構60を制御する。一方、紙葉類宛先情報の配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が支援装置側配達先リスト114中に存在しないとの判定結果を取得した場合には、搬送制御部54Aは、単独配達スタッカに紙葉類Sを搬送するように搬送機構60を制御する。これにより1ルーチンの処理が終了する。
【0052】
なお、第2の実施形態の配達物処理システム1Aでは、リスト生成判定装置100の判定部106が、紙葉宛先情報の配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が支援装置側配達先リスト114中に存在するか否かを判定し、判定結果を配達物処理装置20Aに送信するものとした。これに代えて、リスト生成判定装置100の判定部106は、紙葉類宛先情報の配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が支援装置側配達先リスト114中に存在するか否かを判定し、更に同時配達スタッカと単独配達スタッカとのいずれに紙葉類Sを搬送するかを指示する情報を生成して、配達物処理装置20Aに送信してもよい。この場合、配達物処理装置20Aの搬送制御部54Aは、判定部106の判定結果に基づいて、搬送機構60を制御することで紙葉類宛先情報に応じたスタッカ42に搬送させる。
【0053】
以上説明した第2の実施形態の配達物処理システム1Aは、リスト生成判定装置100の判定部106が、紙葉類宛先情報の配達先コード、および配達先枝番に合致する配達先コード、および配達先枝番が支援装置側配達先リスト114中に存在する否かを判定し、判定結果に基づいて、搬送機構60を制御して同時配達スタッカ、または単独配達スタッカに紙葉類Sを搬送させる。これにより小包Pと共に配達される紙葉類Sは同時配達スタッカに蓄積され、小包Pとは別に単独で配達される紙葉類Sは単独配達スタッカに蓄積される。この結果、配達物処理システム1Aは、区分機構を複雑にせず、配達対象物を効率的に配達できるように区分することができる。
【0054】
なお、第2の実施形態では、取出制御部51と、排除制御部52と、住所特定部53と、搬送制御部54Aと、記憶部80Aとが配送物処理装置20Aとして機能するものとして説明したが、上述の機能部は、複数の装置に分散されていてもよい。この場合、上述の機能部が含まれる複数の装置が1つのシステムとして機能することにより、配達物処理装置20Aと同様の機能を実現する。また、上述の機能部が含まれる複数の装置は、例えばネットワークNWを介して通信することで、配達物処理装置20Aと同様の機能を実現してもよい。
【0055】
なお、第1の実施形態の配送物処理システム1および第2の実施形態の配達物処理システム1Aでは、サーバ装置10がOCR処理を実行するOCR処理部14を備えるものとして説明したが、第1の実施形態の配送物処理装置20または第2の実施形態の配送物処理装置20Aが、OCR処理部14を備える構成としてもよい。
【0056】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、OCR処理によって紙葉類宛先情報を取得するものとしたが、配達物処理装置20(20A)は、OCR処理によって文字認識ができなかった場合にオペレータが目視で宛先を確認し、確認結果をオペレータが入力することで紙葉類宛先情報を取得する仕組み(VC;Video Coding)を採用してもよい。この場合、オペレータの使用する端末は、ネットワークNWに接続され、配達物処理装置20(20A)とは別の場所に設置されてもよい。また、VCによって取得された紙葉類宛先情報を、ステルスバーコード等の形式で紙葉類Sに印刷し、再度配達物処理装置20(20A)にかけることでステルスバーコードを読み取り、自動的な仕分けを行う仕組みを採用してもよい。
【0057】
例えば第2の実施形態において上記の仕組みを採用した場合の構成について説明する。図15は、第2の実施形態の変形例の配達物処理装置20Bを中心とした配達物処理システム1Bの機能構成の概略を示す図である。第2の実施形態の変形例の配達物処理システム1Bは、第2の実施形態の配達物処理システム1Aの機能構成に加え、VC端末90を備える。VC端末90は、ネットワークNWを介して配達物処理装置20Bと通信する。VC端末90は、配達物処理装置20Bから受信した画像をオペレータに表示し、オペレータにより目視で確認され、手動で入力された配達対象物情報を配達物処理装置20Bに返信する。この画像を表示して入力を受け付ける処理をVC処理という。なお、VC端末90は、配送物処理装置20Bに付設されるものであってもよい。
【0058】
区分前処理部30Bは、第2の実施形態の配達物処理装置30Aの機能構成に加え、更にバーコード読取部34と、VC依頼部36と、IPJ(Ink Jet Printer)38とを備える。なお、VC依頼部36は請求項1における第1取得部の一例である。
【0059】
バーコード読取部34は、バーコードまたはステルスバーコードが印刷された紙葉類Sからバーコードを読み込み、バーコードまたはステルスバーコードにエンコードされた情報をデコードして配達物処理装置20Bの制御部50Bに出力する。バ−コードまたはステルスバーコードが印刷された紙葉類Sとは、例えば、VC処理により識別情報が読み取られたが、配達先に応じたスタッカ42への搬送が行われなかった紙葉類Sである。また、バ−コードまたはステルスバーコードは、配達物処理装置20Bが設置された到着ターミナルに紙葉類Sが届けられた際に、既に印刷や貼付等されていてもよい。
【0060】
VC依頼部36は、OCR処理部14によって情報の一部または全部が読み取れなかった紙葉類Sの画像を、ネットワークNWを介してVC端末90に送信し、VC端末90から紙葉類Sの配達対象物情報(例えば郵便番号や宛先)を受信する。
【0061】
IJP38は、OCR依頼部35またはVC依頼部36によって取得された配達対象物Sの情報をエンコードしたオブジェクトを、バーコードまたはステルスバーコードとして紙葉類Sに印刷する。このバーコードまたはステルスバーコードは、IJP38に付設されたバーコード読取部34によって読み取られ、ベリファイ処理が行われる。
【0062】
制御部50Bは、例えば第2の実施形態の制御部50Aの機能構成に加え、更にIJP制御部55を備える。IJP制御部55は、IJP38を制御する。また、住所特定部53は、OCR依頼部35による処理結果に加え、更にバーコード読取部34、またはVC依頼部36による処理結果を取得し、これらの処理結果に含まれる配達対象物情報の宛先情報を取得する。
【0063】
以上説明した第2の実施形態の変形例の配達物処理システム1Bは、VC端末90と、バーコード読取部34と、VC依頼部36と、IPJ(Ink Jet Printer)38とを備え、住所特定部53が、バーコード読取部34、またはVC依頼部36による処理結果を取得し、取得した処理結果に含まれる配達対象物情報の宛先情報を取得する。この結果、配達物処理システム1は、多様な方法により紙葉類Sの宛先情報を取得することができるため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0064】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を取得する第1取得部と、処理対象日に関する第2種類の配達対象物の宛先情報を取得する第2取得部と、複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部と、前記第1取得部により取得された宛先情報と前記第2取得部により取得された宛先情報とが合致するか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記第1取得部により宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部と前記単独配達用の集積部とのうちいずれかに搬送するように前記搬送部を制御する搬送制御部とを持つことにより、区分機構を複雑にせず、配達対象物を効率的に配達できるように区分することができる。
【0065】
実施形態の配達物処理装置は、以下のように表現することができる。
処理対象となる第1種類の配達対象物の宛先情報を、ネットワークに接続された他の装置から通信によって取得する第1取得部と、
処理対象日に関する第2種類の配達対象物の宛先情報を、ネットワークに接続された他の装置から通信によって取得する第2取得部と、
複数の集積部を有し、前記第1種類の配達対象物が集積される集積ユニットであって、同一の宛先情報に対して、前記第1種類の配達対象物が前記第2種類の配達対象物と共に配達される場合に集積される同時配達用の集積部、および前記第1種類の配達対象物が単独で配達される場合に集積される単独配達用の集積部が定義された集積ユニットと、
前記第1種類の配達対象物を前記集積ユニットのいずれかの集積部に搬送する搬送部と、
前記第1取得部により取得された宛先情報と前記第2取得部により取得された宛先情報とが合致するか否かを判定し、前記第1取得部により取得された宛先情報と前記第2取得部により取得された宛先情報とが合致する場合に、前記第1取得部により宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記同時配達用の集積部に搬送するように前記搬送部を制御し、前記第1取得部により取得された宛先情報と前記第2取得部により取得された宛先情報とが合致しない場合に、前記第1取得部により宛先情報が取得された前記第1種類の配達対象物を、前記単独配達用の集積部に搬送するように前記搬送部を制御する搬送制御部と、
を備える配達物処理装置。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
1、1A…配達物処理システム、6…撮像部、10…サーバ装置、12…サーバ通信部、14…OCR処理部、20、20A…配達物処理装置、35…OCR依頼部、37…小包情報取得部、42…スタッカ、50…制御部、53…住所特定部、54…搬送制御部、60…搬送機構、80…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15