(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6470135
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】付加製造された表面仕上げ
(51)【国際特許分類】
F02C 7/18 20060101AFI20190204BHJP
F01D 5/18 20060101ALI20190204BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20190204BHJP
F01D 25/12 20060101ALI20190204BHJP
F28F 13/12 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
F02C7/18 C
F02C7/18 E
F01D5/18
F01D9/02 102
F01D25/12 E
F28F13/12
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-137362(P2015-137362)
(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公開番号】特開2016-20693(P2016-20693A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2015年7月9日
【審判番号】不服2017-3789(P2017-3789/J1)
【審判請求日】2017年3月15日
(31)【優先権主張番号】62/024,023
(32)【優先日】2014年7月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005449
【氏名又は名称】ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ジョー オット
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー ジェイ.ファンク
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー オー.コッフィ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ステンピンスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェイ.ラップ,ジュニアー
(72)【発明者】
【氏名】リュツシア ダウトヴァ
(72)【発明者】
【氏名】デニス エム.モウラ
【合議体】
【審判長】
金澤 俊郎
【審判官】
鈴木 充
【審判官】
佐々木 芳枝
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0183850(US,A1)
【文献】
特開2010−156327(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0046596(US,A1)
【文献】
特開2001−12207(JP,A)
【文献】
米国特許第6402464(US,B1)
【文献】
米国特許第5975850(US,A)
【文献】
特開2004−169689(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0149313(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0033312(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/18
F01D 25/12
F01D 9/02
F02C 7/18
F28F 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造された構成部品であって、付加製造された表面仕上げを有する熱伝達増大特徴部を備えており、
前記表面仕上げは、125マイクロインチ〜900マイクロインチの間の表面粗さ平均(Ra)を画定し、
前記表面仕上げは、熱伝達を調整するよう空気流の乱流を制御するように空気流に関して配置される、画定された外形を含むことを特徴とする、付加製造された構成部品。
【請求項2】
前記熱伝達増大特徴部がピンであることを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項3】
前記熱伝達増大特徴部がフィンであることを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項4】
前記表面仕上げがシェブロンを含むことを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項5】
前記表面仕上げがバンプを含むことを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項6】
前記表面仕上げがハローを含むことを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項7】
前記表面仕上げがディンプルを含むことを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項8】
前記熱伝達増大特徴部が通路を含むことを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項9】
付加製造された構成部品の熱伝達増大特徴部であって、付加製造された表面仕上げを備えており、
前記表面仕上げは、125マイクロインチ〜900マイクロインチの間の表面粗さ平均(Ra)を画定し、
前記表面仕上げは、熱伝達を調整するよう空気流の乱流を制御するように空気流に関して配置される、画定された外形を含むことを特徴とする、付加製造された構成部品の熱伝達増大特徴部。
【請求項10】
画定された外形を有する付加製造された表面仕上げを有する構成部品を付加製造する、
ことを含み、
前記画定された外形は、125マイクロインチ〜900マイクロインチの間の表面粗さ平均(Ra)を画定し、
前記表面仕上げは、熱伝達を調整するよう空気流の乱流を制御するように空気流に関して配置される、画定された外形を含むことを特徴とする、構成部品の製造方法。
【請求項11】
前記付加製造された構成部品の熱伝達増大特徴部に前記表面仕上げを適用することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記付加製造された構成部品のフィンに前記表面仕上げを適用することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
空気流に関して前記表面仕上げを制御することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記構成部品の通路内に前記表面仕上げを適用することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記表面仕上げを約125マイクロインチ〜900マイクロインチ内になるように制御することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記画定された外形が、表面積を変化させることを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項17】
前記構成部品が、ガスタービンエンジン燃焼器の支持シェルであることを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【請求項18】
前記構成部品が、ガスタービンエンジン燃焼器のライナパネルであることを特徴とする請求項1に記載の構成部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はガスタービンエンジンに関し、より詳細にはガスタービンエンジンのための表面仕上げの付加製造制御に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、最新の民間航空機および軍用機に動力を提供するガスタービンエンジン等のガスタービンエンジンは、空気流を圧縮するための圧縮機セクションと、圧縮空気が存在する場合に炭化水素燃料を燃焼させるための燃焼器セクションと、結果として生じる燃焼ガスからエネルギーを抽出するためのタービンセクションとを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
燃焼器は長期間、高い熱負荷にさらされている。歴史的に、燃焼器は燃焼器ライナアッセンブリを冷却するために多様な冷却構成を実施してきた。これらの中には、燃焼ガスに直接的に隣接するライナパネルが裏側での衝突を介して冷却され、ガス側でフィルム冷却されて材料の限界内に温度を維持する二重壁アッセンブリ手法がある。
【0004】
厳しい熱環境および動作環境を考慮すると、ライナパネルは、インベストメント鋳造または手の込んだシートメタル製作の形で、例えばニッケル、コバルト等の高温合金から構築される。燃焼器内の温度は、多くの場合母材の温度を超えることがあり、したがってライナパネルはフィルム冷却を実現するために冷却孔を収容する。また、燃焼器シェルは、冷却空気噴流をライナパネルの裏面の上に導入するインピンジメント冷却孔を含んでもよい。
【0005】
冷却効果を依然としてさらに高めるために、ピン、シリンダ、角錐、および/または矩形幾何学形状等の非常に小さい特徴部の形をとる裏面での表面増大も提供されてもよい。これらの特徴部は、熱伝達のための効果的な面積増加を提供する。これらのような特徴部の最適化は、現在、従来の製造方法/ツーリングの信頼性、精度、およびコストによって制限されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの開示された非限定的な実施例に係る付加製造された構成部品は、約125マイクロインチ〜900マイクロインチの間の表面仕上げを施した熱伝達増大特徴部を含む。
【0007】
本開示の追加の実施例は、熱伝達増大特徴部がピンであることを含む。
【0008】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、熱伝達増大特徴部がフィンであることを含む。
【0009】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げが画定された外形を含むことを含む。
【0010】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げがシェブロンを含むことを含む。
【0011】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げがバンプを含むことを含む。
【0012】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げがハローを含むことを含む。
【0013】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げがディンプルを含むことを含む。
【0014】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、熱伝達増大特徴部が通路を含むことを含む。
【0015】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げが空気流に関して配置されることを含む。
【0016】
本開示の別の開示された非限定的な実施例に係る構成部品は、付加製造された表面仕上げを含み、前述の表面仕上げは画定された外形を含む。
【0017】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げが約125マイクロインチ〜900マイクロインチの間あたりであることを含む。
【0018】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げが付加製造された構成部品の熱伝達増大特徴部上にあることを含む。
【0019】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げが付加製造された構成部品の熱伝達増大特徴部上にあることを含む。
【0020】
本開示の別の開示された非限定的な実施例に係る構成部品を製造する方法が、画定された外形を有する表面仕上げを施した構成部品を付加製造することを含む。
【0021】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、付加製造された構成部品の熱伝達増大特徴部に表面仕上げを適用することを含む。
【0022】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、付加製造された構成部品のフィンに表面仕上げを適用することを含む。
【0023】
本開示の上述の実施例のいずれの追加の実施例は、空気流に関して表面仕上げを制御することを含む。
【0024】
本開示の上述の実施例のいずれの追加の実施例は、通路内で表面仕上げを適用することを含む。
【0025】
本開示の上述の実施例のいずれかの追加の実施例は、表面仕上げを約125マイクロインチ〜900マイクロインチの範囲内となるように制御することを含む。
【0026】
上述の特徴部および要素は、別段の明示的な指示がない限り、排他性なく多様な組合せで組み合されてもよい。本発明の作用だけではなく、これらの特徴部および要素は、以下の説明および添付図面に鑑みてより明らかになるだろう。ただし、以下の説明および図面が実際は例示的かつ非限定的であることを意図することが理解されるべきである。
【0027】
開示されている非限定的な実施例の以下の発明を実施するための形態から、多様な特徴部が当業者に明らかになるだろう。発明を実施するための形態に伴う図面は、以下の通り簡略に説明できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】
図1に示されるガスタービンエンジンとともに使用され得る、1つの非限定的な実施例に係る燃焼器断面の拡大長手方向概略断面図である。
【
図3】低温側からのライナパネルアレイの拡大斜視図である。
【
図6】付加製造された構成部品の実施例の表面仕上げの外形の概略図である。
【
図7】付加製造された構成部品の実施例の表面仕上げの外形の概略図である。
【
図8】付加製造された構成部品の実施例の表面仕上げの外形の概略図である。
【
図9】付加製造された構成部品の実施例の表面仕上げの外形の概略図である。
【
図10】付加製造された構成部品の実施例の表面仕上げの外形の概略図である。
【
図11】付加製造された構成部品の実施例の表面仕上げの外形の概略図である。
【
図12】局所的な付加製造された表面仕上げが施された通路の概略図である。
【
図13】付加製造された表面仕上げが施された熱伝達増大特徴部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1はガスタービンエンジン20を概略で示す。ガスタービンエンジン20は、概してファン部22と、圧縮機セクション24と、燃焼器セクション26と、タービンセクション28とを組み込んだ2スプールターボファンとして本明細書に開示される。ファン部22は、バイパス流路およびコア流路に沿って空気を動かす。圧縮機セクション24は、燃焼器セクション26への連通、次いでタービンセクション28を通した膨張のためにコア流路に沿って空気を圧縮する。開示されている非限定的な実施例ではターボファンとして示されているが、教示は、ターボジェット、ターボシャフト、および3スプール(ファン追加)ターボファン等の他のタイプのターボエンジンにも適用され得るので、本明細書に説明される概念がターボファンとの使用に限定されないことが理解されるべきである。
【0030】
エンジン20は、概して、エンジン静止構造36に対するエンジン中心長手方向軸A周りの回転のために取り付けられた低スプール30および高スプール32を含む。低スプール30は、概して、ファン42、低圧圧縮機(low pressure compressor)(「LPC」)44、および低圧タービン(low pressure turbine)(「LPT」)46を相互接続する内側シャフト40を含む。内側シャフト40は、直接的にまたは低スプール30よりも低速度でファン42を駆動するためにギヤ付きのアーキテクチャ48を通してファン42を駆動する。例示的な減速トランスミッションは、周転円トランスミッション、つまり遊星ギヤシステムまたはスターギヤシステムである。
【0031】
高スプール32は、高圧圧縮機(high pressure compressor)(「HPC」)52および高圧タービン(high pressure turbine)(「HPT」)54を相互接続する外側シャフト50を含む。燃焼器56は、HPC52とHPT54との間に配置される。内側シャフト40および外側シャフト50は同心であり、エンジン中心長手方向軸A周りに回転する。
【0032】
コア空気流はLPC44、次にHPC52によって圧縮され、燃焼器56内で燃料と混合され、燃焼され、次いでHPT54およびLPT46を通して膨張する。LPT46およびHPT54は、膨張に応えてそれぞれ低スプール30および高スプール32を回転駆動する。
【0033】
図2を参照すると、燃焼器56は、概して外側燃焼器壁アッセンブリ60、内側燃焼器壁アッセンブリ62、およびディフューザケースモジュール64を含む。外側燃焼器壁アッセンブリ60および内側燃焼器壁アッセンブリ62は、燃焼室66が外側燃焼器壁アッセンブリ60と内側燃焼器壁アッセンブリ62との間に画定されるように離間されている。燃焼室66の形状は略環状である。
【0034】
外側燃焼器壁アッセンブリ60は、ディフューザケースモジュール64の外側ディフューザケース54Aから径方向内向きに離間されて、外側環状プレナム76を画定する。内側燃焼器壁アッセンブリ62は、ディフューザケースモジュール64の内側ディフューザケースG4Bから径方向外向きに離間されて、内側環状プレナム78を画定する。特定の燃焼器が示されているが、多様な燃焼器ライナ構成付きの他の燃焼器タイプも本文書の恩恵を受けることが理解されるべきである。
【0035】
燃焼器ライナアッセンブリ60、62は、タービンセクション28に向かう方向のための燃焼生成物を含む。各燃焼器センブリ60、62は、概して、それぞれの支持シェル68、70の高温側に取り付けられた1枚または複数のライナパネル72、74を支持するそれぞれの支持シェル68、70を含む。ライナパネル72、74のそれぞれは略直線からなり、例えば、ニッケル基超合金、セラミックまたは他の耐熱性材料等から製造されてもよく、ライナアレイを形成するために配置される。1つの開示された非限定的な実施例では、ライナアレイは、(
図3にも示される)外側シェル68の高温側の内側を覆うために周方向に互い違いになる複数の前方ライナパネル72Aおよび複数の後方ライナパネル72Bを含む。複数の前方ライナパネル74Aおよび複数の後方ライナパネル74Bは、内側シェル70の高温側の内側を覆うために周方向に互い違いになる。
【0036】
燃焼器56は、圧縮機セクション24のすぐ下流に前方アッセンブリ80をさらに含み、圧縮機セクション24から圧縮された空気流を受け取る。前方アッセンブリ80は、概して環状フード82、バルクヘッドアッセンブリ84、複数の燃料ノズル86(1つが図示)および複数の燃料ノズルガイド90(1つが図示)を含む。燃料ノズルガイド90のそれぞれは、バルクヘッドアッセンブリ84を通って突出するようにフードポート94の内の1つと周方向に位置合わせされる。各バルクヘッドアッセンブリ84は、燃焼器ライナアッセンブリ60、62に固定されたバルクヘッド支持シェル96、および中央開口部92周りのバルクヘッド支持シェル96に固定され、周方向に分散された複数のバルクヘッドライナパネル98を含む。
【0037】
環状フード82は、燃焼器ライナアッセンブリ60、62の間で径方向に延在し、燃焼器ライナアッセンブリ60、62の最も前方の端部に固定される。環状フード82は、それぞれ燃料ノズル86を収容し、中央開口部92を通して燃焼室66の前方端部の中に空気を導入する周方向に分散された複数のフードポート94を含む。各燃料ノズル86は、ディフューザケースモジュール64に固定されてもよく、フードポート94の内の1つを通って、かつそれぞれの燃料ノズルガイド90の中で中央開口部92を通って突出する。
【0038】
前方アッセンブリ80は、燃焼室66の前方セクションの中にコア燃焼空気を導入する。一方、残りは外側環状プレナム76および内側環状プレナム78に進入する。複数の燃料ノズル86および隣接する構造が、燃焼室66内で安定した燃焼をサポートする混合された燃料−空気混合物を生成する。
【0039】
前方アッセンブリ80の反対側で、外側支持シェルおよび内側支持シェル68、70が、HPT54内のノズルガイドベーン(Nozzle Guide Vane)(NGV)54Aの第1の列に取り付けられる。NGV54Aは、タービンセクション28内の第1のタービンロータのタービンブレードの上にコア空気流燃焼ガスを導いて、圧力エネルギーの運動エネルギーへの変換を容易にする静止エンジン構成部品である。また、コア空気流燃焼ガスは、NGV54Aの収束形状のためにNGV54Aによって加速され、通常、HPTロータ回転の方向で「旋回」または「渦巻き」を与えられる。
【0040】
図4を参照すると、複数のスタッド100が、ライナパネル72、74をそのそれぞれの支持シェル68、70に、ナット等の固締具102で取り付けることを可能にするようにライナパネル72、74から伸長する。すなわち、スタッド100はライナパネル72、74から、かつ支持シェル68、70それぞれを通ってしっかりと突出して、固締具102をそのネジ切られた末端部セクションで受け入れる。
【0041】
複数の冷却インピンジメント孔104は、支持シェル68、70を貫通して、それぞれの環状プレナム76、78からの空気が、支持シェル68、70それぞれとライナパネル72、74との間の燃焼器ライナアッセンブリ60、62に形成された空洞106A、106Bに進入できるようにする。冷却インピンジメント孔104は、ライナパネル72、74の表面に略垂直である。空洞106A、106B内の空気は、本明細書では内部対流を介した熱除去として概して定められるライナパネル72、74の裏側インピンジメント冷却を提供する。
【0042】
多様な冷却膜孔108は、ライナパネル72、74のそれぞれを貫通する。例えば、高温の主流に対する孔の場所だけではなく、直径、形状、密度、表面角度、入射角等の膜孔の幾何学形状も流出フィルム冷却の一因となる。インピンジメント孔104と膜孔108の組合せは、インピンジメント膜浮遊壁(Impingement Film Floatwall)アッセンブリと呼ばれることがある。
【0043】
冷却膜孔108は、空気が、ライナパネル72、74の低温側110によって部分的に画定される空洞106A、106Bからライナパネル72、74の高温側112に通過し、それによって高温側112に沿った冷却空気の膜の形成を容易にできるようにする。冷却膜孔108は、高温側112に沿ったフィルム冷却の発生を促進して、ライナパネル72、74を覆うために、概して、インピンジメント孔104よりも多数である。本明細書に定められるフィルム冷却は、高温環境に曝される表面に沿った1つまたは複数の異なる場所で相対的により冷たい空気流を導入して、空気流噴射の下流だけではなく、空気流噴射の直近の領域内でもその表面を保護することである。
【0044】
複数の希釈孔116は、共通の軸に沿ってそれぞれの支持シェル68、70とライナパネル72、74の両方を通って貫通して、高温ガスを急冷する、またはそれ以外の場合、燃焼室66の中への冷却空気の直接的な供給によって高温ガスを達成する。
【0045】
複数の熱伝達増大特徴部118は、各ライナパネル72、74の低温側110から延在する。熱伝達増大特徴部118の多様な形状、高さ、幅、および長さは活用されてもよい。さらに、熱伝達増大特徴部118の多様な分散および組合せは、周方向またはスパン方向のどちらかまたは両方で活用されてもよい。
【0046】
開示されたこの非限定的な実施例の支持壁68、70、およびライナパネル72、74は、製造中に冷却インピンジメント孔104、冷却膜孔108、および/または希釈孔116だけではなく相対的に小さい熱伝達増大特徴部118の組込みを有益に可能にする付加製造プロセスを介して製造される。
【0047】
付加製造プロセスは、直接選択的レーザ焼結(Direct Selective Laser Sintering)(DSLS)、電子ビーム焼結(Electron Beam Sintering)(EBS)、電子ビーム融解(Electron Beam Melting)(EBM)、レーザ工学ネットシェイブ加工(Laser Engineered Net Shaping)(LENS)、レーザネットシェイプ製造(Laser Net Shape Manufacturing)(LNSM)、直接金属堆積(Direct Metal Deposition)(DMD)、およびレーザ粉体層融解(Laser Powder Bed Fusion)(LPBF)を含むが、これに限定されるものではない。付加製造プロセスは、625合金、718合金、230合金、ステンレス鋼、工具鋼、コバルトクロム、チタン、ニッケル、アルミニウム、Waspaloy、Stellite、チタン、鋼、ステンレス鋼、コバルトクロム、HastalloyX、および他を含むが、これに限定されるものではない噴霧合金および/またはセラミック粉末材料の層を連続的に構築する。625、718、および230等の合金は、例えば、航空宇宙構成部品およびガスタービンエンジン構成部品が通常遭遇する環境等の高温環境で動作する部品のための特定の利点を有することがある。
【0048】
熱伝達増大特徴部118は、ピン、シリンダ、角錐、矩形および/または他の幾何学形状であろうと、孔104、108、116であろうと、それによって、層状の金属製作アーキテクチャ内に埋め込まれ、または層状の金属製作アーキテクチャに固有である。1つの開示された非限定的な実施例での熱伝達増大特徴部118は、厚さまたは直径が約0.01”〜1.0”(0.254mm〜25.4mm)の間である。概して本明細書に一般的に熱伝達増大特徴部118として定義されるものの多様な幾何学形状も本文書の恩恵を受けることが理解されるべきである。
【0049】
言い換えると、上述の技法は、必要な熱伝達増大特徴部118を提供するように、特定の領域でかつターゲットの寸法で粉末金属を溶解、焼結、または溶接するための「印刷分解能」を有する。これらの技法は、熱伝達増大特徴部118としての利点を有する明確に定義された形状を生じさせるために適切である約20ミクロン〜50ミクロンの層分解能を有する。直接金属レーザ焼結法(Direct Metal Laser Sintering)(DMLS)は、自由形状製作粉体層製造プロセスである。ハードウェアは、CADファイルを20μm(0.8ミル)以上の層にスライスすることによって開始するプロセスで層ごとに構築される。この改変されたCADファイルは、新しいCADファイルによって画定されるように、一度に1つの層ずつハードウェアを構築するDMLS機械の中に装填される。電子ビーム融解(electron beam melting)(EBM)は、粉体層付加製造プロセスである。ただし、EBMは、真空中で層ごとに堆積された粉末金属を融解して三次元部品を構築するために、電子ビームを使用する。CADファイルは、STLファイルとして蓄積される50μmまたは70μm(2.0ミルまたは2.8ミル)の厚さの層にスライスされ、次いでEBM機械の中に装填される。電子ビームは、タングステンフィラメントに電流を流し、次いでそれを横切る電位を生じさせて電子をはぎ取ることによって生成される。電子は磁場によって構築プレートに誘導され、収束される。可動部がないことで、最高8000m/sの非常に高速の走査速度が可能になる。
【0050】
支持シェル68、70、およびライナパネル72、74等の構成部品を製造するために付加製造プロセスを活用すると、表面仕上げ140(
図5)の特定の制御も提供される。表面仕上げ140は、表面テクスチャのより細かな表面むらの基準であり、3つの構成要素、つまり粗さ、うねり、および形状から成るテクスチャの表面粗さを定義する。これらは、表面を作成するために利用される製造プロセス、ここでは付加製造プロセスの結果である。算術平均(arithmetic average)(AA)としても知られる表面粗さ平均(roughness average)(Ra)は、マイクロインチまたはマイクロメートルで表される表面の谷および山頂の算術平均偏差として評価される。ISO規格は用語CLA(Center Line Average)(中心線平均)を使用する。容易に理解されるように、1マイクロインチ=0.000001インチ(1インチの100万分の1)である。
【0051】
1つの開示された非限定的な実施例では、所望される表面仕上げ140は、付加製造プロセスを介して制御されてもよい。すなわち、例えば、熱伝達増大特徴部118は、特定の表面仕上げ140で付加製造されてもよい。表面仕上げ140の制御を通じて、表面積は選択的に制御され、それによって空気流の乱流を制御して、局所化されたまたは一般化された方法で熱伝達を調整する。
【0052】
付加製造を実行する一方、表面仕上げ140は、1つの開示された非限定的な実施例で、約125マイクロインチ〜900マイクロインチの範囲内となるように制御される。さらに、所望された表面仕上げ140は、空気流(図)に関して画定されるフィン(
図6)、ピン(
図7)、フック(
図8)、シェブロン(
図9)、バンプ(
図10)、ディンプル(
図11)等の画定された外形142であってもよい。
【0053】
図12に関して、1つの開示された非限定的な実施例では、表面仕上げ140は通路144内で適用される。表面仕上げ140は、曲げ146を通る流れを容易にするために曲げ146に隣接する等、局所化されてもよい。
【0054】
図13に関して、別の開示された非限定的な実施例では、表面仕上げ140がフィン150に適用される。付加製造を介して製造されるフィン150は、約0.02インチ(2千、0.5mm)厚さであってもよい。1つのフィン150が示されているが、多数の係るフィンは熱交換器または他の係る装置の典型として付加製造されてもよいことが理解されるべきである。
【0055】
付加製造された表面仕上げ制御は、例えば最適化された熱伝達等、製造コストを削減し、動作を削減し、部品寿命を延ばし、局所的な流れを制御し、局所的な乱流および/または他の構造上の利点を制御するために動作可能である。特定の構成部品に関して本明細書で説明されているが、表面仕上げの付加製造制御は、任意の産業、すなわち航空宇宙、HVAC、自動車および産業、発電、モータ、ミサイル/ロケット、防衛、電子熱管理等に、容易に適用可能であることが理解されるべきである。
【0056】
説明との関連での(特に以下の特許請求の範囲との関連での)用語「ある」、「一つの」、「前記」および類似する参照の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。量との関連で使用される修飾語句「約」は、記載された値を含み、文脈によって決定される意味を有する(例えば、それは、特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。本明細書に開示されるすべての範囲は終端点を含み、終端点は独立して互いと結合可能である。
【0057】
異なる非限定的な実施例が特定の示されている構成部品を有するが、本発明の実施例はそれらの特定の組合せに限定されない。非限定的な実施例のいずれかからの構成要素または特徴部のいくつかを、他の非限定的な実施例のいずれかからの特徴部または構成要素と組み合わせて、使用することが可能である。
【0058】
類似する参照符号は、いくつかの図面を通して対応または類似する要素を識別することが理解されるべきである。また、特定の構成要素配置が示されている実施例で開示されているが、他の配置が本明細書の恩恵を受けることも理解されるべきである。
【0059】
特定のステップ順序が示され、説明され、請求されているが、別段の指示がない限りステップが、任意の順序で実行されても、分離されても、または組み合されてもよく、依然として本開示の恩恵を受けることが理解されるべきである。
【0060】
上述の説明は、中の限定によって定義されるよりむしろ例示的である。多様な非限定的な実施例が本明細書に開示されているが、当業者は、多様な修正形態および変形形態が、上記教示を鑑みて添付の特許請求の範囲内に入ることを認識するだろう。したがって、添付の特許請求の範囲内では、開示は特に説明される以外に実施されてもよいことが理解されるべきである。そのため、添付の特許請求の範囲は、真の範囲および内容を決定するために検討されるべきである。
【符号の説明】
【0061】
68、70…支持壁
72、74…ライナパネル
104…冷却インピンジメント孔
108…冷却膜孔
110…低温側
118…熱伝達増大特徴部