特許第6470173号(P6470173)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6470173
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】組織性状診断及び治療で用いる医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20190204BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   A61B10/02 300D
   A61B10/02 300A
   A61B17/32
【請求項の数】27
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-521127(P2015-521127)
(86)(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公表番号】特表2015-531612(P2015-531612A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】IB2013055661
(87)【国際公開番号】WO2014009893
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2016年6月17日
(31)【優先権主張番号】13/547,950
(32)【優先日】2012年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/676,993
(32)【優先日】2012年11月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/856,340
(32)【優先日】2013年4月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515007947
【氏名又は名称】デューン メディカル デヴァイシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DUNE MEDICAL DEVICES LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ハシムショニー,ダン
(72)【発明者】
【氏名】コヘン,ギル
(72)【発明者】
【氏名】ゲルトナー,イド
(72)【発明者】
【氏名】アハラノヴィッツ,ガル
【審査官】 湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/010960(WO,A2)
【文献】 特表2010−512848(JP,A)
【文献】 特開2009−136377(JP,A)
【文献】 特開2008−165680(JP,A)
【文献】 特表2003−520062(JP,A)
【文献】 特表2009−526554(JP,A)
【文献】 特表2002−513607(JP,A)
【文献】 特表2012−504015(JP,A)
【文献】 特表2010−511463(JP,A)
【文献】 特開2004−073582(JP,A)
【文献】 米国特許第03732858(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0050574(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織性状診断及び治療で用いる医療装置において、当該装置が、
複数の組織性状診断センサを支持する細長いキャリアを具える組織性状診断プローブを具え、前記細長いキャリアが長手方向軸と近位端と遠位端とを有しており、各々の組織性状診断センサがそのセンサの位置で組織塊に対応する組織性状診断信号を生成するよう構成され動作可能であり、前記複数の組織性状診断センサが自身の間の既知の距離で、少なくとも前記長手方向軸に沿って、および少なくとも前記細長いキャリアの遠位部分の範囲内に間隔を隔てた関係で配置され、これにより組織塊を通るプローブの前進中に、前記複数の組織性状診断センサの各々が、組織塊の中で自身の連続的な位置から複数の組織性状診断信号を生成し、これにより複数の組織性状診断センサからの複数の組織性状診断信号に基づいて前記組織塊の内部の組織標本の位置決め及びその寸法の測定を可能にし、
前記細長いキャリアが、近位部分と前記遠位部分を含む2つの一体型の部分を有して、前記長手方向軸に沿って前記近位端から前記細長いキャリアの遠位端まで連続して延在しており、前記近位部分が円筒状の中空の形状を有し、前記遠位部分は、前記遠位部分に配置された前記組織性状診断センサに少なくとも対向する側が前記遠位部分の長さに沿って切開されているとともに、前記細長いキャリアの遠位端において前記遠位部分の横断面のすべてが切開されており、
これにより、前記細長いキャリアが、中空の前記近位部分の中に治療ツールを通して、前記治療ツールの少なくとも遠位の部分が、中空の前記近位部分から突出し、前記遠位部分に沿って前記長手方向軸上を前方に延びるとともに、前記細長いキャリアの開いた遠位端を超えて前方に延びることが可能なように構成され、
これにより前記装置は、前記治療ツールによる組織標本の結果的な治療を可能にすることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記複数の組織性状診断センサのうちのいくつかのセンサが、前記近位部分の少なくとも遠位の部分において、前記細長いキャリアの周方向領域に沿って配置されていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置において、切開された前記遠位部分が窪み状部材であり、前記組織塊の同じ区画に対して、前記細長いキャリアの遠位部分の内側における前記治療ツールの遠位の部分と、前記細長いキャリアの遠位部分の外側における複数の前記組織性状診断センサの少なくとも1つのセンサとを一致させて配置できるよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の装置が、前記細長いキャリアの近位端に接続可能な又は一体化したハンドル部分を具えることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、前記ハンドル部分は、前記治療ツールが前記細長いキャリアの中空の前記近位部分の中に挿入されるときに、所定の治療ツールのハンドル部分と係合するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の装置が、前記細長いキャリアの近位端に配置された移動機構を具え、前記移動機構は、前記細長いキャリアと当該細長いキャリアによって支持される治療ツールとの間の相対的な移動を実行するように構成され動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記移動機構は、前記細長いキャリアの近位端に接続可能な又は前記近位端と一体化したハンドル部分に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、前記移動機構は、前記装置によって規定された特定の基準面に対する複数の組織性状診断センサ用の基準位置を規定するように構成されて動作可能な登録アセンブリを具え、これにより前記基準面に対する前記細長いキャリアの移動によってもたらされる前記複数の組織性状診断センサの再配置の監視が可能になることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、前記登録アセンブリが、前記基準面に対する前記複数の組織性状診断センサの位置を特定し、この位置を示すデータを生成するよう構成され動作可能なセンサユニットを具えることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項4に従属してハンドル部分を有する請求項8又は9に記載の装置において、前記登録アセンブリが、所定の長さのその一方のアームによって前記ハンドル部分に動作可能に接続され、その他方のアームによってキャリアに接続される、L字形状のブラケットを具え、前記基準面は前記ハンドル部分の遠位端によって規定され、これにより前記基準面に対する前記ブラケットの移動によってもたらされる前記複数の組織性状診断センサの再配置の監視が可能になることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項6〜10の何れか1項に記載の装置において、前記移動機構は、固定位置で前記複数の組織性状診断センサを維持するように構成されたロッキングシステムを具えることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項6〜11の何れか1項に記載の装置において、前記移動機構は、前記相対的な移動を提供するように構成されたスライダを具え、不作動位置と作動位置との間で、前記細長いキャリアによって支持される治療ツールの選択的な移動を可能にすることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項6〜12の何れか1項に記載の装置において、前記移動機構は、回転移動を、前記細長いキャリアと、当該細長いキャリアによって支持される治療ツールとの間の相対的な直線移動に変換するように構成されることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項6〜13の何れか1項に記載の装置において、前記移動機構がラックアンドピニオン構成を具えることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載の装置が、第1のアセンブリと第2のアセンブリとを具える2つの部分のアセンブリとして構成されており、前記第1及び第2のアセンブリが互いに取外し可能に取り付け可能であり、前記2つの部分のアセンブリは以下の複数の構成のうちの一方を有する:(i)前記第1のアセンブリが前記組織性状診断プローブを支持し、前記第2のアセンブリが治療ツールを支持するように構成される;及び(ii)前記第1及び第2のアセンブリの何れか一方が、前記組織性状診断プローブと治療ツールとを支持するように構成される、ことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載の装置が、前記複数の組織性状診断センサからの前記複数の組織性状診断信号を受信及び分析し、異常な組織標本の位置を測定するためにそれぞれのセンサの各々の位置を示すデータを利用するように構成された制御ユニットを具え、これにより前記細長いキャリアによって支持される治療ツールによる前記異常な組織標本の結果的な治療が可能になることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記制御ユニットは、全ての組織性状診断センサから受信した複数の組織性状診断信号に関する情報を表示するように構成されたグラフィカルユーザインタフェースを具え、これにより複数の組織性状診断センサの複数の位置で組織型に関する情報をオペレータに提供し、治療すべき組織の位置及び範囲の分析を容易にすることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、前記グラフィカルユーザインタフェースは、測定軸である前記長手方向軸に少なくとも沿って配置された前記複数の組織性状診断センサに対応する複数の測定位置を表示し、当該複数の測定位置に関連する測定データの対応する一群を表示するように構成され、前記測定データの一群はそれぞれ、前記複数の組織性状診断センサから受信した前記複数の組織性状診断信号を示し、これにより複数の組織性状診断センサと並ぶ組織塊に沿って測定された組織特性のプロファイルに関する情報をオペレータに提供することを特徴する装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記測定データの一群の形態で前記複数の測定位置を表示するように構成され、各々が:(1)それぞれのセンサによって検出される組織特性に対応するそれぞれの値であって、当該複数の値が複数のセンサと並ぶ領域の中の前記測定された組織特性のプロファイルを規定する、それぞれの値と;(2)それぞれのセンサによって検出される組織特性に対応する形状又はサイズを有するそれぞれの図であって、当該複数の図が複数の組織性状診断センサと並ぶ領域の中の前記測定された組織特性のプロファイルを規定する、それぞれの図と;(3)それぞれの図及び値であって、前記図の形状又はサイズ及び前記値がそれぞれのセンサによって検出される組織特性に対応し、前記複数の図及び値が前記複数の組織性状診断センサと並ぶ領域の中の前記測定された組織特性のプロファイルを規定する、それぞれの図及び値と;のうちの1つによって表されることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、前記図が着色され、これにより同じ測定データに対応する図が同じ色を有し、異なる測定データに対応する図が異なる色を有することを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項18〜20の何れか1項に記載の装置において、前記グラフィカルユーザインタフェースが、測定される前記組織特性の閾値を示すデータを表示するように構成されることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項18〜21の何れか1項に記載の装置において、前記グラフィカルユーザインタフェースは、各々が着色した領域によって表示される前記測定データの一群の形態で前記複数の測定位置を表示するように構成され、これにより同じ測定データに対応する領域が同じ色を有し、異なる測定データに対応する領域が異なる色を有することを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項18〜22の何れか1項に記載の装置において、前記制御ユニットは、測定される組織に対する前記組織性状診断プローブの位置の画像データを1又は複数の画像診断法から受信し、当該画像データを前記測定データとマージし、これによりマージした画像上で前記複数の組織性状診断センサの位置を特定するように構成され動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項1に記載の装置において、前記複数の組織性状診断センサにより組織特性の測定を監視する制御ユニットを具え、
前記制御ユニットが、前記キャリアの長手方向軸に対応する測定軸に沿った前記複数の組織性状診断センサの相対的な位置を表示するように構成されたグラフィカルユーザインタフェースを具え、対応する1以上の測定データ値の一群は、前記キャリアによる組織塊の動的走査時に前記複数の組織性状診断センサにより測定された1以上の組織の特性を表示しており、
前記グラフィカルユーザインタフェースにおいて、
a)各測定データは、各測定センサの横に表示され、
b)前記1以上の測定データの一群は:形状、サイズ、色、および前記測定軸に沿ってグラフィック表示された複数の組織性状診断センサに対する配置、のうちの1以上によって特徴づけられ、
c)異なる色が:所定の閾値に対する同じ組織特性の測定データ値の相対値、および異なる組織特性、のうちの1以上を表しており、
これにより、前記測定軸に沿った前記複数の組織性状診断センサと並んでいる組織塊において測定された1以上の組織特性のプロファイルをオペレータに提供することを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、前記グラフィカルユーザインタフェースが、表示された各測定データ値の近くに、それぞれの数値を表示するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項24又は25に記載の装置において、前記制御ユニットが、測定された組織塊に対する前記キャリアの位置の画像データを1又は複数の画像診断法から受信し、当該画像データを前記測定データとマージし、これによりマージした画像上で前記複数の組織性状診断センサの位置を特定するように構成され動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項1に記載の装置において、グラフィカルユーザインタフェースを具え、
前記グラフィカルユーザインタフェースが、前記キャリアの長手方向軸に対応する測定軸に沿って複数の組織性状診断センサの相対的な位置をグラフィック表示し、対応する1以上の測定データ値の一群が、前記キャリアによる組織塊の動的走査時に前記複数の組織性状診断センサにより測定された1以上の組織の特性を表示しており、
異なる色が:所定の閾値に対する同じ組織特性の測定データ値の相対値、および異なる組織特性、のうちの1以上を表しており、
これにより、前記測定軸に沿った前記複数の組織性状診断センサと並んでいる組織塊において測定された1以上の組織特性のプロファイルをオペレータに提供することを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織性状診断及び治療で用いる医療装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織の異常な(例えば腫瘍)細胞を特定するための技術が一般に知られている。そのような技術は、組織の電気的性質の測定を利用するもの、例えば、電気インピーダンス又は誘電定数の測定によるものを含む。幾つかの種類の腫瘍は、組織の測定した電気的性質の違いを判定することによって特定することができる。次いで、異常な組織の特定及び位置決めした領域を治療及び/又は身体から除去することができる。
【0003】
様々なタイプの組織性状診断センサや組織治療/除去ツールとのその統合が、以下の特許刊行物に記載されており、全てが本願の譲受人に譲渡されている:米国特許出願第2003138378号、国際公開第2006103665号、国際公開第2007015255号、 国際公開第2009010906号、米国特許第6813515号、及び米国特許第7184824号。
【0004】
また、組織塊からある組織標本を除去するために様々な技術が知られている。これらの技術は、例えば米国特許第6,689,145号及び米国特許第7,122,011号に開示されている。
【発明の概要】
【0005】
当該技術分野において、治療すべき(例えば除去すべき)組織標本(例えば異常な組織)の正確な位置決めと、当該組織標本の量の測定と、異常な組織標本の前記測定した量に対する治療する量の調整とを容易にする必要がある。
【0006】
本発明は、組織性状診断及び治療で用いる新しい医療装置を提供することによって上記問題を解決する。当該装置は、複数の組織性状診断センサのアレイ(1次元又は2次元アレイ)を支持する細長いキャリアを具える組織性状診断プローブを具え、前記複数の組織性状診断センサは、前記キャリアの遠位部分に少なくとも配置され、前記キャリアの少なくとも長手軸に沿って(場合により更にキャリアの周囲の少なくとも一部に沿って)自身の間の既知の距離で間隔を隔てた関係で配置される。各々の組織性状診断センサは、当該センサの位置で組織塊に対応する組織性状診断信号を生成するように構成され動作可能である。したがって、組織塊を通るプローブの前進中に、複数のセンサの各々が、組織塊の中の連続的な位置から複数の組織性状診断信号を生成し、前記アレイ内の複数のセンサからの複数の組織性状診断信号に基づいて、組織塊の中の異常な組織の位置決めを可能にする。前記細長いキャリアは、遠位部分と、当該キャリアの近位端と前記遠位部分との間に延在する中空部分とを含む2つの一体型の部分を有する。キャリアは更に、自身の中空部分の中に治療ツールを通し、当該治療ツールの少なくとも一部が前記中空部分から突出し、前記遠位部分に沿って延在するのを可能にするように構成される。前記装置のこの構成により、キャリアによって支持された治療ツールによる異常な組織の結果的な治療が可能になる。
【0007】
本発明の装置で使用すべき適切な治療ツールは、以下の少なくとも1つを実行するように構成することができる:生検、切除、理学療法の送達、治療薬物の送達、診断。本発明の幾つかの実施形態では、治療ツールが、組織性状診断プローブのキャリアによって(例えば当該キャリアに搭載されるか又はその内部に)支持される。幾つかの実施形態では、治療ツールが選択的に、実質的に完全にキャリアの内部に配置されるその不作動位置と、キャリアの外部の方へ少なくとも1つの組織治療部分が突出するその作動位置との間で移動可能とすることができる。キャリアから突出可能な組織治療部分の寸法と、場合により更にキャリアに対する組織治療部分の位置とを制御可能に変更することができる。
【0008】
幾つかの実施形態では、遠位部分が窪み状部材として構成され、これにより組織塊の同じ部分に対して、キャリアの遠位部分の一方側における治療ツールの遠位部分と、キャリアの遠位部分の反対側における複数の組織性状診断センサのアレイとの同時配置が可能になる。
【0009】
前記装置は、キャリアの近位端に接続可能な又は当該近位端と一体化したハンドル部分を具えることができる。当該ハンドル部分は、治療ツールがキャリアの中空部分の中に挿入されたときに前記治療ツールのハンドルと係合するように構成することができる。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記装置は、キャリアの近位端に配置された移動機構を具え、キャリアと治療ツールとの間の相対的な移動を可能にするように構成され動作可能である。移動機構は、キャリアのハンドル部分の中に配置することができる。
【0011】
前記移動機構は、前記装置によって規定されたある基準面に対する複数の組織性状診断センサのアレイの基準位置を規定するために登録アセンブリを具えることができ、これにより基準面に対するキャリアの移動によってもたらされる複数の組織性状診断センサの再配置の監視が可能になる。前記登録アセンブリは、前記基準面に対する複数のセンサのアレイの位置を特定し、この位置を示すデータを生成するよう構成され動作可能なセンサユニットを具えることができる。
【0012】
前記移動機構は、前記キャリアの近位端に配置することができ、前記基準面はハンドルによって規定される。
【0013】
前記登録アセンブリは、所定の長さのその一方のアームによって前記ハンドルに動作可能に接続され、その他方のアームによってキャリアに接続される、L字形状のブラケットを具えることができる。前記基準面は、前記ハンドルの遠位端によって規定することができ、これにより基準面に対するブラケットの移動によってもたらされる複数の組織性状診断センサの再配置の監視が可能になる。
【0014】
前記移動機構を構成するために幾つかの選択肢がある。例えば、前記移動機構は、固定位置及びロック位置でセンサアレイを維持するように構成されたロッキングシステムを具えることができる。更に、前記移動機構は、不作動位置と作動位置との間で治療ツールを選択的に移動するように構成されたスライダを具えることができる。前記移動機構は、回転移動を、キャリアと治療ツールとの間の相対的な直線移動に変換するように構成することができる。前記移動機構は、ラックアンドピニオン構成を具えることができる。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記装置は、第1のアセンブリと第2のアセンブリとを具える2つの部分のアセンブリとして構成することができ、第1及び第2のアセンブリが互いに取外し可能に取り付け可能である。
【0016】
前記第1のアセンブリは組織性状診断プローブを支持することができ、前記第2のアセンブリは治療ツールを支持する。代替的に、組織性状診断プローブ及び治療ツールは双方とも、前記第1のアセンブリ又は前記第2のアセンブリの何れかによって支持することができる。
【0017】
本発明の別の広い態様によれば、組織性状診断及び治療で用いられる医療装置が提供され、当該装置が、治療ツールを通すための中空部分を有する細長いキャリアを具える組織性状診断プローブと、少なくとも自身の遠位部分で前記キャリアに配置され、自身の間の既知の距離で間隔を隔てた関係で配置された複数の組織性状診断センサのアレイであって、当該複数の組織性状診断センサのアレイからの複数の組織性状診断信号に基づいて組織塊を通るプローブの前進中に組織塊の内部の異常な組織の位置決め及び治療ツールによる組織標本の結果的な治療の実施が可能になる、複数の組織性状診断センサのアレイと、前記キャリアの近位端に配置された移動機構であって、前記キャリアと前記治療ツールとの間の相対的な移動を可能にするように構成された移動機構とを具える。上述したように、幾つかの実施形態では、前記遠位部分が窪み状部材として構成されることにより、前記組織塊の同じ部分で、治療ツールの遠位部分と、複数の組織性状診断センサのアレイとの同時配置が可能になる。更に上述したように、前記治療ツールは選択的に、実質的に完全に前記キャリアの中空部分の内部に配置されるその不作動位置と、前記キャリアの遠位部分の方へ少なくとも1つの組織治療部分が突出するその作動位置との間で移動可能とすることができる。
【0018】
幾つかの実施形態によれば、前記治療ツール及び前記キャリアは、治療ツールが選択的に、実質的に完全に前記キャリアの中空部分の内部に配置されるその不作動位置と、治療ツールの一部がキャリアの遠位部分に沿って延在するときにキャリアの外部の方へ少なくとも1つの組織治療部分が突出するその作動位置との間で移動可能となるように構成される。
【0019】
好適には、上記実施形態の何れか1つの装置が、全てのセンサの各々からの組織性状診断信号を受信及び分析し、異常な組織標本の位置及び選択的にその寸法を測定するそれぞれのセンサの位置を示すデータを利用するように構成された制御ユニットを具え、これにより前記治療ツールによる異常な組織標本の結果的な治療が可能になる。前記制御ユニットは好適には、全てのセンサから受信した複数の信号に関する情報を表示するように構成されたグラフィカルユーザインタフェースを具え、これにより複数のセンサの複数の位置で組織型に関する情報をオペレータに提供し、治療すべき組織の位置及び範囲の分析を容易にする。
【0020】
上述したように、本発明の組織性状診断プローブが複数の組織性状診断センサのアレイ(1次元又は2次元アレイ)を具える。最も単純な実施例では、これは、プローブの長手軸に沿って間隔を隔てた複数のセンサの1次元アレイである。従って、測定下の組織(プローブを挿入する組織)に対するプローブの所定の位置について、所定の方法で配置された複数のセンサのアレイが実際に、複数の測定位置/部位のアレイを表示する。本発明によれば、複数の測定位置(複数のセンサの位置)のそのようなアレイ/マトリクスが、対応する測定データと共に表示される。
【0021】
本発明の別の態様によれば、組織性状診断及び治療で用いるシステムが提供され、当該システムが上記医療装置と、これに接続可能な制御ユニットとを具える。前記制御ユニットは、全てのセンサから受信した複数の信号に関する情報を表示するよう構成されたグラフィカルユーザインタフェースを具える。前記表示される情報は、複数の測定位置のアレイに関連する測定データの対応するアレイを含む。前記測定データのアレイは、複数のセンサのアレイからそれぞれ受信した複数の信号の示し、これにより複数のセンサの位置で組織型に関する情報、すなわち複数のセンサのアレイと並んだ組織塊に沿って測定された組織特性のプロファイルをオペレータに提供し、治療すべき組織の位置及び範囲の分析を容易にする。
【0022】
測定データは:
(1)それぞれのセンサによって検出される組織特性に対応するそれぞれの値であって、当該値のアレイが複数のセンサのアレイと並ぶ領域の中の測定された組織特性のプロファイルを規定する、値と;
(2)それぞれのセンサによって検出される組織特性に対応する形状又はサイズを有するそれぞれの図であって、当該図のアレイが複数のセンサのアレイと並ぶ領域の中の測定された組織特性のプロファイルを規定する、それぞれの図と;
(3)それぞれの図及び値であって、当該図の形状又はサイズ及び当該値がそれぞれのセンサによって検出される組織特性に対応し、前記図及び値のアレイが複数のセンサのアレイと並ぶ領域の中の測定された組織特性のプロファイルを規定する、それぞれの図及び値と;
のうちの1つによって表示することができる。例えば、同じ測定データに対応する図は同じ色を有し、異なる測定データに対応する図は異なる色を有する。
【0023】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、測定される組織特性の閾値を示すデータを表示するように構成することができる。
【0024】
前記測定位置のアレイは、それぞれが着色した領域で表示される測定データのアレイの形態で表示することができ、これにより同じ測定データに対応する領域が同じ色を有し、異なる測定データに対応する領域が異なる色を有する。
【0025】
前記制御ユニットは、測定される組織に対する組織性状診断プローブの位置の画像データを1又は複数の画像診断法から受信し、当該画像データを前記測定データとマージし、これによりマージした画像上に複数のセンサの位置を特定するように構成され動作可能である。
【0026】
本発明の更に別の広い態様によれば、組織特性の測定を監視するための制御ユニットが提供され、当該制御ユニットは、測定軸に沿って所定の間隔を隔てた関係で配置された複数のセンサのアレイから受信した複数の信号に関する情報を表示するように構成されたグラフィカルユーザインタフェースを具え、前記表示される情報が、前記複数のセンサのアレイに対応する軸に沿って間隔を隔てた位置のアレイと、前記位置のアレイに関連する測定データの対応するアレイとの形態であり、前記測定データのアレイはそれぞれ前記複数のセンサのアレイから受信した複数の信号を示し、これにより前記複数のセンサのアレイと並ぶ組織塊に沿って測定された組織特性のプロファイルに関する情報をオペレータに提供する。
【0027】
本発明の更に更なる態様によれば、測定軸に沿って所定の間隔を隔てた関係で配置された複数のセンサのアレイから受信した複数の信号に関する情報を表示するように構成されたグラフィカルユーザインタフェースが提供され、前記表示される情報が、前記複数のセンサのアレイに対応する軸に沿って間隔を隔てた位置のアレイと、前記位置のアレイに関連する測定データの対応するアレイとの形態であり、前記測定データのアレイはそれぞれ前記複数のセンサのアレイから受信した複数の信号を示し、これにより前記複数のセンサのアレイと並ぶ組織塊に沿って測定された組織特性のプロファイルに関する情報をオペレータに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明を理解し、実際にどのようにそれを実施するかを理解するために、ここで添付図面を参照して限定しない実施例のみによる実施形態を記載する。
図1A図1Aは、本発明の医療装置の実施例の概略図である。
図1B図1Bは、本発明の医療装置の実施例の概略図である。
図1C図1Cは、図1Bのプローブの断面図である。
図2図2は、組織標本の組織性状診断及び除去の双方の装置構成の実施例を示す。
図3図3は、組織標本の組織性状診断及び除去の双方の装置構成の実施例を示す。
図4図4は、組織標本の組織性状診断及び除去の双方の装置構成の実施例を示す。
図5図5は、組織標本の組織性状診断及び除去の双方の装置構成の実施例を示す。
図6図6は、組織標本の組織性状診断及び除去の双方の装置構成の実施例を示す。
図7A図7A1図7A2は、概略的に図1A及び図1Bに示すように構成されたプローブを利用する装置構成の実施例を示し、ここでは治療ツールが組織性状診断センサによって特定された所望の位置に適用することができるのに対し、複数のセンサを所定の位置に維持することができる。
図7B図7B1図7B2は、概略的に図1A及び図1Bに示すように構成されたプローブを利用する装置構成の実施例を示し、ここでは治療ツールが組織性状診断センサによって特定された所望の位置に適用することができるのに対し、複数のセンサを所定の位置に維持することができる。
図7C図7Cは、手持ち式の装置への治療ツール及びプローブの取り付けをより具体的に例示する。
図7D図7Dは、手持ち式の装置への治療ツール及びプローブの取り付けをより具体的に例示する。
図7E図7Eは、手持ち式の装置への治療ツール及びプローブの取り付けをより具体的に例示する。
図8A図8Aは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置の1つの構成を示す。
図8B図8Bは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置の1つの構成を示す。
図9図9は、本発明の医療装置を利用する組織治療装置の第2の構成を示す。
図10A図10Aは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び移動機構の実施例を示す。
図10B図10Bは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び移動機構の実施例を示す。
図11A図11Aは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び別のブラケット構成を有する手動式の移動機構の実施例を示す。
図11B図11Bは、ブラケット要素の可能な構成の拡大した側面図である。
図12A図12Aは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び別のブラケット構成を有する手動式の移動機構の実施例を示す。
図12B図12Bは、ブラケット要素の別の可能な構成の拡大した側面図である。
図13A図13Aは、本発明の医療機器を使用する組織治療装置の底部部分の実施例を示す。
図13B図13Bは、本発明の医療機器を使用する組織治療装置の底部部分の実施例を示す。
図14A図14Aは、本発明の医療機器を利用する組織治療装置及び移動機構の実施例を示す。
図14B図14Bは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び移動機構の実施例を示す。
図14C図14Cは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び移動機構の実施例を示す。
図14D図14Dは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び移動機構の実施例を示す。
図14E図14Eは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置及び移動機構の実施例を示す。
図15A図15Aは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置の実施例を示す。
図15B図15Bは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置の実施例を示す。
図15C図15Cは、本発明の医療装置を利用する組織治療装置の実施例を示す。
図16図16は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
図17図17は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
図18図18は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
図19図19は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
図20図20は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
図21図21は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
図22図22は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
図23図23は、本発明の装置の複数のセンサによって収集された情報を表示するために利用されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の特徴に関する実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1A及び図1Bを参照し、本発明の幾つかの実施形態に係る、概略的に10で示した医療装置を概略的に例示する。当該装置10は、組織性状診断及び治療で用いるように構成され、細長いシャフト/キャリア14によって支持される組織性状診断プローブ12を具え、当該細長いシャフト/キャリアは遠位端及び近位端14A及び14Bを有し、その近位端14Bに制御ハンドル部分15が形成される。組織性状診断プローブ12は、複数の組織性状診断センサを具える。
【0030】
組織性状診断センサのアレイは、1又は複数の光学、無線周波数(RF)、マイクロ波(MW)、電気的、磁気的、温度、生物学的、化学的、放射性発光、及び任意の既知のタイプの機械的な複数のセンサを具える。組織性状診断センサの構成及び動作は、本発明の一部を構成しないため、具体的に記載する必要がない。例えば、本願の譲受人に譲渡された上記特許刊行物に記載された複数のセンサを使用することができる。
【0031】
複数のセンサは1次元アレイで構成することができ、ここではキャリア14の表面にその長手軸のみに沿って間隔を隔てた関係で配置するか、又は(図1Bの実施例により構成する場合には)キャリアの長手軸及び側方軸に沿って間隔を隔てた関係で2次元アレイで複数のセンサを配置することができる。丸いプローブ(実質的に円形断面)の場合には、キャリアの軸LAに沿って、更に、図1B及び図1Cで分かるように、キャリアの周囲の少なくとも一部に沿って間隔を隔てた関係で2次元アレイで複数のセンサを配置することができる。時に、複数の組織性状診断センサの2次元アレイは実際に、プローブの少なくとも一部を覆う柔軟な構造である。本願の譲受人に譲渡された、この特定の限定しない実施例に関して本書に援用する国際公開第2011/016035号に記載するように、そのような柔軟な構造を実装することができる。
【0032】
図1Aの実施例では、8つの複数のセンサS〜Sが示されており、複数のセンサS〜Sはキャリア14の長手軸LAに沿って間隔を隔てた関係で配置され、1次元又は2次元アレイで配置することができる。例えば、センサアレイは、1次元アレイで配置された複数のセンサのグループに加え、キャリアの周方向領域に沿って間隔を隔てて配置された複数のセンサを具えることができる。当該センサアレイは、リアルタイムで、キャリア14に沿った組織の性質に関する表示を提供する。
【0033】
図1Bは、医療装置10の別の可能な構成をより具体的に例示しており、ここでは複数のセンサの2次元アレイがキャリア14に設けられ、キャリアの軸及びその周方向の双方に沿って延在する。図面では16個のセンサが見えているが、アレイ内により多くのセンサ、例えばプローブのこの側面図では見ることができない複数のセンサがあることが明らかである。
【0034】
図1Cは、図1BのラインCS−CSに沿って切り取られたキャリア14の断面図を示している。この実施例に示すように、キャリアの全周に沿って間隔を隔てた関係で複数のセンサが配置される。この構成により、プローブを回転することなく全ての方向で周囲の組織の監視が可能になる。
【0035】
複数のセンサは、アレイ内の全てのセンサについて等しいか又は等しくない既知の距離で互いに間隔を隔てている。キャリア14の軸に沿った複数のセンサの既知の相対的な位置と、場合により更に周囲(又は概して側方軸)に沿ったセンサの既知の相対的な位置とにより、複数のセンサから受信した複数の信号に基づいてプローブが組織塊を前進している(すなわち組織を走査する)ときの組織塊の対応する位置の特定が可能になる。これに関し、医療装置10は、複数のセンサによって生成された信号を受信及び分析するように構成された適切な制御システム19に連結される。複数のセンサと制御ユニットとの間の接続は概略的に図面に示されており、複数のセンサと制御ユニットとの間で有線接続を使用する場合、当該有線はキャリア14の内部に延在し、近位端14Bで出るだろう。複数のセンサは、本願の譲受人に譲渡された上記国際公開第2011/016035号に開示するような柔軟な信号伝送構造を使用して制御システムに接続することができる。
【0036】
前記制御システムは、複数のセンサに(有線又は無線信号伝送を介して)接続可能な外部システムでもよいし、又はプローブ自身の構成部分でもよい。前記制御システムは、受信した複数の信号の分析に基づいて、検査される組織塊の内部で異常な組織領域の周縁の位置を測定し、異常な組織領域の寸法を示す出力データを生成するように動作する。これにより、適切な治療ツールによる異常な組織領域の結果的な治療が可能になる。
【0037】
前記制御システムは、好適にはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)19Aを具え、複数のセンサの各々から受信した複数の信号に関する情報を表示するよう構成される。各々のセンサから受信した複数の信号は、そのセンサの相対的な位置と、前記位置における組織特性とを示す。このため、GUIはプローブ伝搬軸に沿った組織特性、好適には更にプローブを回転することなく得られるプローブの周囲(すなわちプローブの所定の位置の角分解能)の組織特性のマップを表示する。この情報は、複数のセンサの複数の位置での組織型に関する情報をオペレータに提供する。GUIで表示される情報は、治療すべき組織の位置及び範囲を分析する際にオペレータを支援することができる。GUIは、本書に援用する同時係属中の米国特許出願第13/676,993号に記載するように構成することができる。
【0038】
概して、治療ツールは以下の1又は複数を実行するように構成することができる:生検、切除、理学療法の送達、治療薬物の送達、診断。より具体的には、無傷組織標本(異常な組織)の除去に本発明を使用するため、この特定の限定しない実施例に関して後述する。
【0039】
好適には、プローブ12が更に治療ツール、例えば切除ツールを支持する。これは、治療ツールが選択的に、実質的に完全にキャリア14の内部に配置されるときのその不作動位置と、(1又は複数の組織治療要素を構成する)その1又は複数の切除要素がキャリアから突出するときのその作動位置との間で移動できるようにプローブを構成することによって実装される。
【0040】
本発明の幾つかの実施例では、切除要素の選択的な突出が当該技術分野で既知の種類の治療ツールを使用することによって達成され、ここでは切除要素が、軸LAに対して傾く軸に沿ってキャリアに対して移動しながら本体部分に沿って作成された開口を通ってキャリア本体から突出する。幾つかの他の実施例では、切除要素が実質的に軸LAに沿ってキャリアに対して移動しながらキャリアから(例えばその遠位端から)突出する。そのような構成もまた、一般に当該技術分野で知られている。治療ツールは、除去された組織を収集するユニットと共に構成することができ、これはプローブから選択的に突出可能又は突出不可能とすることができる。
【0041】
本発明によれば、異常な組織の周縁の測定した寸法に従ってキャリアから突出する切除要素部分の寸法を制御可能に調整(変更)することができるように医療装置が構成され、これにより切除量を調整する。好適には、切除要素は、組織を切除し切除される組織を収集するように構成される。
【0042】
以下は、本発明の装置の構成の幾つかの特定の実施例であるが、限定しない実施例である。全ての実施例で共通の構成要素を特定するために同じ参照符号を使用する。
【0043】
図2は、組織標本の治療用、例えば無傷組織標本の除去用の医療装置100を示す。装置100は、組織性状診断プローブ12の複数のセンサS〜Sが間隔を隔てた位置に搭載された細長いシャフト/キャリア14と、当該キャリア14に搭載された組織切除ツール(概略的に、治療ツール)16とを具える。この特定の限定しない実施例では、キャリア14が(円筒形状の)中空体HPを有し、治療ツール16(切除ツール)が前記中空体HPの中に挿入可能である。
【0044】
また、この限定しない実施例では、切除ツール16がキャリア14の中空体HPの内部に配置された本体部分22と、キャリア14の中空体HPに作成された開口18を通って本体22から突出可能な切除要素20とを有する。図面では、切除要素20がその作動的な突出状態で示されている。切除要素は刃先21を有し、突出状態のときにカップ形状を有するように構成することができ、これによりキャリア14の回転中、ひいては切除要素20の回転中に切除しながら組織の収集が可能になる。
【0045】
切除要素20は、その第1及び第2の端部20A及び20Bの間に延在し、これらはそれぞれ治療ツール本体22のそれぞれの第1及び第2の位置に取り付けられ、キャリア14の軸LAに沿って間隔を隔てている。この実施例の治療ツールは、切除要素20の寸法の制御可能な変更を可能にするように構成される。本実施例では、2つの間隔を隔てた部材22A及び22Bから治療ツール本体22を作成することによってこれが実装され、ここではそれらの少なくとも一方がキャリアの軸LAに沿って他方に対して摺動可能である。その結果、第1及び第2の位置の間の距離、ひいては切除要素の第1及び第2の端部20A及び20Bの間の距離が変化し、これによりキャリア14を通って突出する刃部21の寸法の調整が可能になる。
【0046】
キャリア14に沿った切除要素の遠位端20A及び近位端20Bの位置を制御し、ひいては切除量を制御することによって、ユーザは例えば乳房生検処置中に組織標本の最適な切除を行うことができる。切除要素20全体が本体22に沿って移動可能としてもよい。このように、切除量は、キャリア14に沿った切除要素20の位置を変化させ、切除要素の遠位端と近位端との間の距離を変化させることによってユーザにより制御される。
【0047】
上記実施例では、組織除去処置はキャリア14を回転しながら行われる。そのような処置は、キャリアの位置を維持し治療ツールを回転しながら行うことができる。これを図3に例示する。装置200は、キャリア114の中の治療ツール16によって共に維持される2つの別個の部分114A及び114Bによって形成されたキャリア114を具える。治療ツール16は、2つの間隔を隔てた部材22A及び22Bによって形成された本体部分22と、その遠位端20A及び近位端20Bによってそこに取り付けられた切除要素120とを有する。切除要素120は、刃先21を規定する半球面124を有する。半球面124は軸LAに沿って移動可能な2つの円弧状の部分124A及び124Bを有し、これによりそれらが互いの方に移動するときに一方の部分124Aが他方の部分124Bによって受け取られるようになる。また、半球面124は別個に移動可能な2つの部分124C及び124Dを有し、部分124Cは部分124Dによって受け取ることができる。これらの移動は、切除要素120の作動的な突出状態のときの切除量の変更と、キャリア14の内部に配置されたその作動的な突出位置とその不作動的な位置との間における切除要素120の移動とを可能にする。切除は、キャリア14に対してツール本体22を回転しながら実施される。また、この構成は切除中の組織標本の収集を可能にする。
【0048】
図4は、本発明の更に別の実施形態に係る医療装置300を示す。ここでは、治療ツール16が本体シャフト22を有しその遠位端で切除要素220を支持する。後者は、本体シャフト22と一体型でもよいし、又は一体型でなくてもよい。切除要素は、キャリア14の内部にあるときのその不作動的な閉じた位置からキャリアから突出するときの開いたリング形状に展開するように製造中に予め曲げられた閉じたループ状の刃先221を有する。刃先221に取り付けられたものは、柔軟な組織収集ユニットである。切除要素がその遠位端を通ってキャリア14から(ユーザによって)押し出されると、それは徐々にその異なる作動状態を介して異なる寸法のスプーン形状となる。
【0049】
図5は、本発明の更に別の実施例に係る医療装置400を示す。ここでは、細長いシャフト(キャリア)14は、2つの部分14a及び14bに分離可能であり、これらはワイヤ又はシャフト430によって互いに接続された状態である。キャリア14の中に配置された治療ツール16は、本体シャフト22を有しその遠位端22Aで切除要素320を支持する。後者は、本体シャフト22と一体型でもよいし、又は一体型でなくてもよい。治療ツールの本体シャフト22は、その遠位端22Aが部分14Aの遠位端に達するまでシャフト14の中を進められる。その後、切除要素220が無傷組織部分を切除するように展開される。
【0050】
図6は、本発明の更に別の実施例に係る医療装置500を示す。ここでは、周囲スロット310がシャフト/キャリア14に設けられ複数の組織性状診断センサの間の空間を占めている。シャフト14に沿った各々の位置に、2〜8個の周囲スロットがあってよい。治療ツール16は、本体シャフト22を有しその遠位端で切除要素420を支持する。後者は、本体シャフト22と一体型でもよいし、又は一体型でなくてもよい。切除要素320の数は、スロット310の数に対応する。治療ツール16は、その遠位端が特定のスロット310の位置に配置されるまでシャフト14の中を進められる。治療ツールのシャフト22の遠位端は、テーパ状の/角度を成した端部330を有する。この端部により、組織の中にシャフト14から切除要素420が延長される角度の制御が可能になる。切除要素420は、延長されたときにそれらがシャフト14上に戻って閉じ、ひいてはシャフト14に隣接する組織部分を切除するように予め曲げられる。加えて、切除要素420は、ワイヤ又は他の柔軟な接続によってそれらの端部で接続することができる。この接続は、シャフト14の方へ切除要素420の収縮を導くように操作することができ、シャフト14に隣接する組織部分の切除を容易にする。
【0051】
ここでは本発明の幾つかの例示する特徴をより具体的に示す図7A図7Eを参照する。医療装置600は、組織性状診断及び治療で使用するように構成され、細長いシャフト/キャリア14によって支持される組織性状診断プローブ12を具え、治療ツールを支持するように構成される。キャリア14は、遠位端14A及び近位端14Bを有し、2つの一体型の部分、すなわち近位端14Bから延在する(円筒形状の)中空部分HPと、遠位端14Aの方へ前記中空部分HPから延在する(例えば窪み状部分又は開削部分として構成される)遠位部分14Dとを有する。後述するように、医療装置に取り付け/搭載したときの治療ツールは、少なくとも部分的に中空部分HPの中に配置され、永久的に又は選択的に(必要なときに)中空部分HPから突出可能でり、治療ツールの一部が遠位(窪み)部分14Dに沿って延在し組織に晒される。中空部分HPは薄壁構成を有することができ、それは治療ツールがそれを通過する厚さではなく、代わりにこれは被検者の身体に装置600を使用し挿入する際の利便性を高める。組織性状診断プローブ12は、概略的にSにおいて、間隔を隔てた複数の組織性状診断センサのアレイを具える。複数のセンサは、窪み部分14Dの外側(底面)に配置される一方で(本書で後述するように、中空部分に沿って延在する更に複数のセンサがあってよい)、反対の窪み部分14Dの内側は、その作動位置にいる間に治療ツールの一部を配置するための部位として機能する)。
【0052】
図7A1図7A2の限定しない実施例に示すように、複数のセンサは窪み部分14Dに沿って延在し、キャリア14の長手軸に沿って延在する1次元アレイで構成することができる。図7B1図7B2は、医療装置600の構成の別の可能性のある限定しない実施例の側面図及び底面図を示す。装置600は、治療ツール(図7C図7Eの610)を支持するように構成された細長いシャフト/キャリア14を有する組織性状診断プローブ12を具える。キャリア14は、2つの一体型の部分、すなわちキャリアの近位端14Bから延在する(円筒形状の)中空部分HPと、前記中空部分HPからキャリアの遠位端14Aの方へ延在する窪み部分(又は開削部分)14Dとを有する。組織性状診断プローブ12は複数のセンサSの2つのグループを具え、1つのグループ12Aは窪み部分14Dに配置され、例えば間隔を隔てた組織性状診断センサの1次元アレイとして構成され、複数のセンサの他方のグループ12Bは中空部分HPに沿って延在し、キャリアの周囲の全体又は一部を覆う複数のセンサの2次元アレイを具える。中空部分HPに沿った複数のセンサの提供は、監視に非常に役立ち、組織性状診断プロセスがオペレータを誘導し、治療ツールによって治療される組織がどのくらいの大きさかを示す表示を与えることができ、これにより時間を節約し、患者の利便性を高める。
【0053】
複数のセンサは薄くすることができるので、キャリア/窪みの部分14Dの外面から殆ど突出せず、結果的に被検者の身体の内部で前記装置を使用する際の効果及び利便性を更に高めることに留意されたい。そのような薄く、場合により柔軟なセンサ構造は、例えば国際公開第2011/016035号に記載され、これは本願の譲受人に譲受されており、これを本書に援用する。この技術によれば、センサユニット/センサ構造は、近接場電磁気センサと柔軟な信号伝送構造とを具え、これらは1又は複数の共通の連続面によって互いに一体化される。柔軟な信号伝送構造は、近接場電磁気センサのセンサセルに連結した信号接続ラインを具える第1の層と、前記センサの導電性材料に電気的に連結された第2の導電層とから構築することができる。
【0054】
治療ツールの部分は窪み部分14Dの内側によって物理的に支持してもよいし、又は支持しなくてもよいことを理解されたい。したがって、治療ツールの部分、ひいては治療ツールによってアクセスされる組織部分は、複数のセンサと同時配置することができ、前記装置のセンサ部分を移動することなく治療処置の実施を可能にする。このため、複数のセンサのアレイの少なくとも一部が細長いシャフト14の遠位部分14Dに配置され、この遠位部分14Dは組織の同じ部分/区分に複数のセンサ及び治療ツールの双方を同時に晒す前記装置の窪み部分を形成する。装置600は、例えば上記装置400で要求するような場所から複数のセンサを移動することなく、組織塊の走査中に、複数のセンサのうちの何れか1つの正確な位置で非常に小さな組織塊の緊急治療又は収集を可能にすることを認識することができる。
【0055】
図7C図7Eに示すように、治療ツール16(例えば組織切除ツール)は、シャフト14の近位の中空部分HPの内部に支持及び収容され、そこから突出し、キャリアの遠位の窪み部分14Dより上に延在する。シャフト14及びここに搭載した治療ツール16は、互いに対して前方及び後方に移動することができる。前記治療ツールは、切除要素612として構成された自身の部分で形成することができ、切除要素は、窪み部分14Dより上に配置されたとき又はそれを前方に越えて治療される組織塊の中に少なくとも部分的に延在するとき、その作動位置にある。キャリア14の形状と寸法に一致する任意の適切な治療ツールを使用することができ、本発明はこの特定の実施例に示す切除ツール、及び任意の他の切除ツールに限定されないだけではなく、治療薬物を送達するためのツールといった任意の他の治療ツールを使用することができることに留意されたい。
【0056】
装置600は一般にハンドル部分630を有する手持ち式の機器として構成され、当該ハンドル部分はキャリア14(図7B)の近位端14Bに接続可能であるか又は一体化されたキャリア14のハンドル部分(図1Aの15)に連結される。更に、装置600は、キャリア14の近位端14Bに配置された移動機構を具え、キャリア14と治療ツール16との間の相対的な移動を実行するように構成及び動作可能である。前記移動機構は、ユーザによって手動で起動することができ、及び/又はモータユニット640によって支援することができる。前記移動機構(例えばモータユニット)は、ハンドルの内部に搭載することができる。
【0057】
モータユニット640は、図7E及び図7Dに示すように治療ツール(切除ツール)610に対して前方及び後方へのキャリア/シャフト14の移動を駆動し、治療プロセス中に治療ツール16を覆う、現わす、又は再配置するのを可能にする。図7D及び図7Eは、キャリア及び治療ツールの2つの異なる相対的な位置を例示する。この特定の限定しない実施例では、キャリア14が治療ツール610に対して移動するような構成である。図7Dの実施例では、キャリア14が(ハンドルの方へ格納した)その格納位置にあり、治療ツールのより短い部分が晒される、図7Eに示すキャリア14の展開位置と比べて、組織塊に治療ツールのより長い部分を晒す。
【0058】
場合により、移動機構(手動又はモータによる駆動の何れか)は、ハンドル位置で規定することができる基準面に対する複数のセンサのアレイの基準位置/登録位置を規定するために登録アセンブリを具える。これは、治療すべき異常な組織標本の寸法の正確な測定を支援する。登録アセンブリは、所定の長さのその一方のアームL1によってハンドル630に動作可能(伸縮自在)に接続され、その他方のアームL2によってキャリアに接続される、L字形状のブラケットによって形成することができる。このため、アームL1が、ハンドルに対するその格納位置と展開位置との間で(具体的に示していない各々のガイド機構を介して)ハンドル630の遠位端によって規定された基準面RPの方へ移動し、かつ当該基準面から離れるときに、キャリア14が対応してハンドルの方へ移動可能となり、かつ当該ハンドルから離脱可能になる。そのような構成はキャリアの移動によってもたらされる複数のセンサの再配置の監視を支援し、キャリアは代わりに基準面RPに対するブラケット620の移動によって制御される。基準面RPは前記装置に沿った別の点で規定することができ、図7D図7Eに示すものに限定されず、何れの場合も距離の計算は選択された基準面に適合されることを留意されたい。
【0059】
幾つかの実施形態では、移動機構の登録アセンブリは、基準面RP又は別の基準点/基準位置に対するセンサアレイの位置を動的に特定し、ハンドル630に若しくは医療装置の外部に配置することができる制御ユニットに、又は制御システム19にリアルタイムの位置データを送る、図7Dに示すセンサユニット642(例えば撮像ユニット、電気光学センサ、磁気センサ)を具えることができる。代わりに、センサユニットはキャリア14又はブラケット620に配置することができる。
【0060】
本発明の移動機構は、センサアレイ12を保持する機能を有し、治療ツール16に対する固定位置及びロック位置で、キャリア14によって支持され、機械的、電気的、又は電気機械的なロッキングシステムを具えることができる。前記ロック位置の提供は、侵襲的処置中に医療装置で身体組織によって加えられる摩擦力の低減/克服を可能にする。キャリア14の移動が連続的である場合、移動部分(例えばキャリア14)に沿った任意の点でロッキングシステムを起動することができる。代わりに、キャリア14の移動が既知の距離を有する規定のステップで(概略的にミリメートルで)発生する場合、それらの規定のステップでロッキングシステムを起動することができる。例えば、ハンドル630の内部に配置されたキャリア14の近位端14Bは、隣接する適切な部材の別の鋸歯部分と係合する長手軸に沿った鋸歯部分を具えることができる。歯のステップが移動ステップを規定する。
【0061】
一般に、前記移動機構はキャリア14と治療ツール16との間の相対的な移動に機械的支持を提供すると同時に、複数のセンサと、手持ち式の装置の外部に配置することができる制御ユニット(送信機/受信機)との間の電気信号伝送を維持するように構成される。装置600のこの特定の実施例では、ブラケット620と、機械的支持を提供するキャリア14との間に固定した接続がある。ハンドル630の内部には、上述したように構成された移動機構がある。具体的に示さないが、複数のセンサと、ハンドル630の内部又は外部に配置された制御ユニットとの間の電気的な接続を維持するために適切な接続構成が設けられることに留意されたい。これは、本願の譲受人に譲渡された、本書に援用する上記国際公開第2011/016035号に記載されるように構成された柔軟な伝送構造を使用することによって達成することができる。代わりに、電気的な接続は、ブラケット620の部分L1の特定の位置にセンサを接続する固定した部分と、複数のセンサからの複数の信号を送信すべきハンドルの内部の電子パネルの位置にブラケット620の部分L1の前記位置を接続する概して柔軟なケーブルとを具え、これにより前記移動に関係なく電気信号を伝送しながらキャリア14の後方移動及び前方移動を可能にする。ここで本発明の医療装置を利用する組織治療装置の2つの異なる構成を示す図8A図8B及び図9を参照する。
【0062】
図8A図8Bの実施例では、概略的に700で示した装置が2つの部分のアセンブリとして構成される。図8Bで良く分かるように、本発明の組織性状診断プローブを支持する装置600は部分700Aと連結される一方、治療ツールが部分700Bによって支持される。より具体的には、組織性状診断装置600はハンドル部分630と連結され、組織性状診断プローブのキャリアが、例えば登録アセンブリ620を介してハンドル部分630に適切に接続されており、治療ツール16はハンドル630’に連結される(搭載される)。2つの部分700A及び700Bは、キャリア14(図8B)の中空部分HPの中へ治療ツール16を挿入することによって実装されるハンドル部分630及び630’間の係合により、図8Aに示すように互いに係合するように構成され;前記係合した位置でハンドル630及び630’が互いに整列する。適切なロック機構を設け(図示せず)前記装置の動作中にハンドル630及び630’の係合した位置を固定することができ、これにより上述したようにブラケット620の移動によるキャリア14の移動のみが可能になる。本発明の装置600(すなわちキャリア14)は、適切な/所望の治療ツールの構成に一致するように設計することができることに留意されたい。
【0063】
図9の実施例では、800と指定された組織治療装置が、この特定の限定しない実施例で(手動、自動、又は双方の組合わせとすることができる)適切な移動機構615に連結したブラケット620を介してハンドル630に搭載される上記組織性状診断装置600を具える。ブラケット620は、治療ツール16に対するキャリア14の制御可能な移動をもたらすハンドルの遠位端によって規定された基準面に対して移動可能とすることができる。
【0064】
しかしながら、幾つかの用途については、例えば無菌状態では、又は使い捨ての用途については、上記治療装置は、全くハンドルを使用しないため、単に装置600(すなわち上記例示したように構成されたキャリア14)とブラケット620とによって形成することができる。代わりに、ブラケット620はハンドル630からブラケット620の接続と切断を可能にするように構成することができる。また、これにより、装置600(すなわち上記例示したように構成されたキャリア14)とブラケット620とを使い捨て及び/又は無菌にすることが可能である。
【0065】
本発明で使用される移動機構は、異なる用途に適するように構成することができ、その実装は、幾つかの要因、例えば侵襲的処置中に治療ツールに対してキャリアを移動させるために必要とされる力、好適な移動速度、移動の精度などの要因によって影響を受けるだろう。以下では、異なる構成を有する移動機構を含む医療装置の更なる実施例を提示する。
【0066】
図10A図10Bは、移動機構820の特定かつ限定しない構成を具える装置800の一例を示す。この特定かつ限定しない実施例では、装置800が2つの部分のアセンブリとして構成される。図1Bのプローブのような組織性状診断プローブ12を支持する前記装置は、部分800Aと連結する一方で、治療ツール16が部分800Bによって支持される。より具体的には、組織性状診断装置は、例えばブラケット620によって、ハンドル630に搭載され、治療ツール610はハンドル630’に搭載される。2つの部分800A及び800Bは互いに係合し、治療ツール610が装置800を形成するためにプローブ12を通過する。
【0067】
プローブ12は、図1Bに関して上述したように複数のセンサ12Aのアレイを具えることができる。複数のセンサのこのアレイは、国際公開第2011/016035号に開示された配置に従って構成することができ、プローブ12に取り付けられた信号伝送構造を具えることができる。当該構造は、ハンドル630の内部又は前記装置の外部に配置された制御ユニットに複数のセンサを接続する。
【0068】
前記装置は更に、登録アセンブリを具える。上述したように、登録アセンブリは、所定の長さのその一方のアームL1によってハンドル630に動作可能(伸縮自在)に接続され、その他方のアームL2によってキャリア14に接続される、L字形状のブラケットによって形成することができる。
【0069】
図10A図10Bに記載された特定の実施例では、移動機構820が、ブラケット620と、治療ツール(切除ツール)610に対して前方及び後方へのシャフト14の移動を生じるように構成されたスライダ632と、キャリアの中空部分の内部に実質的に完全に配置されるその不作動位置と、キャリアの外部の方へその治療部分が突出するその作動位置との間の治療ツール16とを具える。スライダ632は、ハンドル630の一方側又は両側に配置することができる。図10Bに示すようにスライダ632を前方に移動させることにより、ブラケット620と、当該ブラケットに取り付けられたプローブ12とが治療ツール16に対して前方に移動する(そして治療ツールの前方の活性部分を覆う)。スライダ632をその後部位置まで後方に移動させることにより、図10Aに示すように、ブラケット620とプローブ12を後部に摺動させ、切除要素612を具える治療ツールの前方側のより長い部分を晒す。スライダ632の摺動は、連続的であるか、又はキャリア14の既知の変位をもたらす所定のピッチによるものとすることができ;医療装置の制御及び使い勝手の良い操作を向上させる。
【0070】
本発明に係る治療装置900の別の限定しない実施例を図11A及び図11Bに示す。当該装置は更に、2つの部分のアセンブリとして構成される。本発明の組織性状診断プローブを支持する装置600は、底部部分900Aと連結される一方、治療ツールが頂部部分900Bによって支持される。装置900は、異なる移動機構920以外は図8Aの装置700の同じ特徴を有している。移動機構920Aは手動であり、ブラケット620Aと連結される。ブラケット620Aは、頂部領域622Aと底部領域624Aとを有する。操作中に、ユーザは頂部領域622A若しくは底部領域624A、又は(装置の方向に依存して)双方を、前方に押すことができるため、ブラケット620Aに取り付けられたキャリア14の中空部分を前方に移動させ、これにより治療ツール16の前方の活性部分を覆う。
【0071】
次いで、ユーザは部分630’の方へキャリア14を後方に移動させることができ、ブラケット620Aを後方に手動で押すことによって必要に応じて治療ツールを晒す。L字形の登録アセンブリの底部部分を形成する舌状突起要素626Aは、部品630に入り、キャリア14のバランスのとれた直線移動を維持する。遠位部分の舌状突起要素626Aは、キャリア14の外方移動を制限するインターロックとして作用する。
【0072】
装置910は、図12A及び図12Bに示すように、ブラケット620Bなどの別のブラケット構成と連結した移動機構940を具えることができる。この特定の限定しない実施例では、移動機構940が手動であり、2つの側方アーム622Bを利用しており、これをユーザが前方に押してキャリア14によって治療ツールの前方の活性部分610を覆わせることができる。反対に、ブラケット620Bの領域620Boを押すことにより、キャリア14を格納させ治療ツールの前方の活性部分を晒す。ブラケット620A又は620Bの選択は、とりわけ治療する身体の部分によって、影響を受けうる動作の効果及び/又は利便性に依存するだろう。
【0073】
図13A図13Bを参照し、本発明に係る装置1000の別の実施例を示す。ここでは、装置1000の底部部分1000Aと連結し、組織性状診断装置600を具える部分630のみを示す。治療ツール16と連結したアセンブリの第2の頂部部分は、示されておらず、700B、800B及び900Bなどの前に示した装置の頂部部分の何れか1つと類似する。(部分1000Aと一体化された)移動機構1080は、手動であり、ハンドル1020と、中間の小板1040と、連結ヒンジ1060A−B−Cと、L字形のブラケット620Cとを利用する。図面に示すように、ハンドル1020はその底部側によって、ヒンジ1060Cを介して前記装置の底部部分630に、及びヒンジ1060Aを介して小板1040に接続される。当該小板はその反対側によって、ヒンジ1060Bを介してブラケット620Cの頂部側に接続される。図13Aは、格納位置、すなわち組織性状診断装置600が前記装置のより近くにあり、これにより治療ツールの活性部分を晒しているときの、ハンドル1020を示す。ハンドル1020は、図13Bに示すように、前方に押されるように構成及び操作され、小板1040及びブラケット620Cの前方への相対的な移動をもたらし、キャリア14により治療ツールの前方の活性部分を覆う。この動作は、連結ヒンジ1060A−B−Cによって有効になり、制御される。装置1000の移動機構1080の特別な構成は、前に提示したシステム900に加えることができる力と比べてより大きな力を加えることができる。しかしながら、システム900は、より微妙でより小さな力を必要とするときに好適であろう。したがって、治療処置中にそのような大きな力を加える必要がある身体部分を扱うときに、システム1000が使用されるだろう。
【0074】
ここで、本発明の組織性状診断装置600を利用する別の医療装置1100を示す図14A図14Eを参照する。装置1100は、前に記載した装置900及び1000に類似しており、頂部部分が治療ツールと連結し、底部部分が組織性状診断プローブ600と連結する2つの部分のアセンブリ構成を有する。図14A及び図14Bは、それぞれブラケット620(及びプローブ600)の格納位置及び展開位置の側面図であり、図14C図14Eは装置1100の底部部分1100Aの平面図である。ここでは、移動機構1160が、(「ラック」と呼ばれる)直線状の棒材1140と連結した(「ピニオン」と呼ばれる)円形のギヤ1120を具える。図示するように、ピニオン1120及びラック1140は双方とも、係合した自身の歯を有し、これによりユーザによるピニオン1120の回転がラック1140の直線運動に変換される。ラック1140は、ブラケット620に固定して取り付けられているため、ラック1140が前方及び後方に移動すると、ブラケット620及び装置600が更に前方及び後方に移動する。
【0075】
図15A図15Cでは、本発明に係る1以上の可能な実施形態の概略図を示す。この実施形態は、国際公開第2011/016035号に記載された柔軟な伝送ラインの使用を強調する。装置1200は、相互に係合した2つの部分1200A(頂部)及び1200B(底部)を具える。治療ツール16は、頂部部分1200Aに固定して取り付けられる。組織性状診断プローブ12の近位側(代替的に装置600)は、部分1200A、場合によりハンドル630’に接続可能なベース660にしっかりと取り付けられている。ベース660及びプローブ12(又は600)は、治療ツール16を取り囲む。移動機構1220は、ベース660及びプローブ12の前方及び後方移動を可能にするように構成される。移動機構1220は、手動、自動、又はハイブリッド作動方式を利用する。プローブ12(図示せず)に取り付けられたセンサアレイは、プローブ12とハンドル630との間の動作に拘らず、複数のセンサからの複数の信号の安定した電気伝送を維持する柔軟な伝送ライン構造650を介して、ハンドル630の前方側に配置された固定コネクタ652へ接続され、次いで複数の信号は1又は複数の適切なケーブルを介してコネクタ652からハンドル630の内部又は外部に配置された制御ユニットに運ばれる。
【0076】
図15Aでは、プローブ12がその展開位置にあり、治療ツールの長さに対して、治療ツールの前方の長い部分を組織塊に晒す。図15Bでは、プローブ12がその格納位置にあり、治療ツールの長さに対して治療ツールの前方の長い部分を覆う。伝送構造650は、自身に十分な長さを提供することによってこの状況を可能にするように構成され選択される。図15Cでは、ハンドル630の脇及びプローブ12の下に配置された保護カバー651を示す。保護カバー651は、伝送ライン構造を保護する。
【0077】
上記例示した実施形態の全てにおいて、完全な組織治療(例えば切断及び除去)を支援するために装置を手動で又は機械的に回転することができることを理解されたい。関連する組織部分の除去/収集は、手動で又は場合により装置、例えばハンドル630’に実装された吸引機構を使用することによって行うことができる。除去した組織は、キャリア14の部分HPを介して、要望に応じて更に治療すべき身体から吸引される。
【0078】
したがって、本発明は、治療(除去)すべき組織量を正確に決めることができる新しい医療装置を提供し、更に一体型の治療ツールによる組織の治療(除去)を提供する。
【0079】
上述したように、組織性状診断装置、場合により更にこれによって支持される治療ツールは、複数のセンサからの複数の組織性状診断信号を受信及び分析し、異常な組織標本の位置及び選択的にその寸法を測定するためにそれぞれのセンサの各々の位置を示すデータを利用するように構成された制御ユニットに接続され、これにより前記組織性状診断装置によって支持される治療ツールによる異常な組織標本の結果的な治療が可能になる。好適には、制御ユニットは全てのセンサから受信した複数の信号に関する情報を表示するためのグラフィカルユーザインタフェースで構成され、これにより複数のセンサの複数の位置で組織型に関する情報をオペレータに提供し、治療すべき組織の位置及び範囲の分析を容易にする。GUIは、測定軸(キャリアの軸)に沿って配置された複数のセンサのアレイに対応する複数の測定位置のアレイを表示し、当該複数の測定位置のアレイに関連する測定データの対応するアレイを表示するように構成することができる。このため、測定データは複数のセンサのアレイと並ぶ組織塊に沿って測定された組織特性のプロファイルに関する情報をオペレータに提供する。GUIは測定データのアレイを表示するように構成することができ、ここでは各々のデータ片が、それぞれのセンサによって検出される組織特性に対応するそれぞれの値、及び/又はそれぞれのセンサによって検出される組織特性に対応する形状又はサイズを有するそれぞれの図、及び/又はそれぞれの図及び値であって、当該図の形状又はサイズ及び当該値がそれぞれのセンサによって検出される組織特性に対応する、それぞれの図及び値によって表示される。
【0080】
ここで、本発明の医療装置によって収集された情報がリアルタイムに表示されるGUI1500の幾つかの実施例を示す図16図23を参照する。
【0081】
図16は、組織性状診断プローブのキャリアの軸に対応する軸12gに沿った複数のセンサの位置のアレイ14gをグラフで例示するGUI1500を示す。この実施例では、センサの位置S1〜S5によって5つのセンサを例示するものとみなす。また、本実施例では、ある測定パラメータ/組織特性に対応する値を含むデータ片の対応するアレイの形態で測定データが表示される。図示するように、センサS2〜S5からの測定データは値「20」で表示される一方、センサS1の測定データは同じ測定パラメータのより高い値「25」を示す。2つの長手方向の境界線/リミット線M1及びM2は、最大値/最小値(閾値)又は表示する特定のパラメータの理想値を表す。境界線の値は、表示されるパラメータ毎に、制御ユニット19を介して、ユーザが設定することができる。更に、測定データ片は棒B1〜B5で表示され、複数の棒の大きさが複数の値の違いに対応する。したがって、この実施例では、棒(概略的に図)B2〜B5が同じ大きさであり、棒B1がより大きい。更に、本実施例では、測定データ片は、複数のセンサの右側と左側に同じく配置されたカラフルな棒B1〜B5(すなわち複数のセンサの複数の位置のグラフ表示)で表示される。各々の棒は、対応するセンサ、すなわち対応する組織部位で測定された関心のある組織パラメータに対応する値を表示する。
【0082】
2つの長手方向の境界線/リミット線M1及びM2は更に、(プローブが組織内を走査/移動する)所定の測定セッション中の測定データの最大値/最小値を動的に表示することができる。測定データの最大値/最小値は、広範囲な値、すなわち全てのセンサからの測定データを考慮に入れ、前記測定セッション中の累積的な測定データを考慮に入れる。この場合、プローブが組織内を走査/移動するとき、異なる測定値が得られるのでリミット線M1及びM2の値(GUIの位置)がリアルタイムに更新される。所定の時間において、リミット線M1及びM2の値(GUIの位置)は、測定セッションの開始から現在時刻までに得られた測定データの最大値/最小値を表す。リミット線の値は、表示されるパラメータ毎に、制御ユニット19を介して、ユーザが(又は予め特定した条件に基づいて自動的に)測定セッション中にリセットすることができる。この場合、リミット線M1及びM2の値は、前記値をリセットした時間から現在時刻までに得られた測定データの最大値/最小値を表す。
【0083】
したがって、棒の形状又は形状若しくはサイズ(高さ/長さ)の変化は、測定される組織パラメータの値の変化に対応し、測定値は更に各々の棒で数的に表示することができる。パラメータの値、ひいては棒の長さ(サイズ)は、装置が組織の内部でポイントからポイントへ移動するといつでも(すなわち走査中に)、リアルタイムに変化する。本実施例では、棒B1〜B5の全てが同じ色である。一般に、測定データ片が全て同じ組織パラメータ及び/又は条件に対応すること、測定パラメータの値が所定の閾値に関して同じ側にあることを示すために、同じ色を使用することができる。
【0084】
幾つかの実施形態では、棒が測定軸12gの一方側のみに存在することができる。他の場合には、同じ又は異なる測定パラメータを測定軸12gの両側に表示することができる。
【0085】
図示及び理解を簡単にするために、図16図23は全て、測定軸に沿って配置された同じ数の5つのセンサによって取得された測定値を例示するため、これら全ての図面にわたり同じ符号を使用する。全ての棒/測定データ片は、1つのセンサ位置に関連する。時に、同じセンサに関する1以上の棒を表示することができ、この場合複数の棒は通常異なる色であり、1以上のパラメータ/条件に関する情報を同時に提供する。
【0086】
上述したように、複数のセンサは、導電率、誘電率、インピーダンス、光学特性、機械的性質、温度などの幾つかの組織パラメータを測定するように構成することができる。ディスプレイ上の棒B1〜B5及び/又は複数の値は、測定パラメータの強さ又は強度に対応する。当該複数の値は通常、適切に標準化されたパラメータに対応するため、寸法のない(相対的な単位)である。
【0087】
また上述し且つ以下の図面でより具体的に例示するように、同じパラメータの複数の特別(例外的)な値、又は異なるセンサ/棒の組合わせで同時に表示される異なるパラメータの何れかを示すために、複数の棒を異なる色で表示することができる。複数の境界線と共に、棒の色及び/又はサイズは、値の範囲を示すのに利用することができる。更に、GUI1500は、GUI上の特定の領域を点灯することによって測定パラメータの幾つか又は全ての平均値に関する表示を具えることができる。
【0088】
図17は、棒B1〜B3が異なる色と寸法を有する実施例を示す:棒B1−B3は第1の色C1(オレンジ)であり、それぞれ値55、40及び35に対応する異なるサイズであるのに対し、棒B4及びB5はそれぞれ値20で同じサイズであり、第2の色C2(青)で表示される。この実施例では、測定パラメータの最大値を示す境界線M1及びM2の値が(棒B1の値と一致する)値55に配置される一方、異常な組織特性を示す測定パラメータに対応する値の範囲が30〜55の間とみなされる。このため、棒B1〜B3のサイズ及び色は、組織の異常状態の迅速な表示を提供する。しかしながら、複数の棒の異なる色は別の組織特性の測定値を示すのに使用することができることを理解されたい。
【0089】
棒の色及びサイズが境界線と共に値の範囲を示すために使用される別の類似する実施例を図18に示す。特定位置の測定パラメータが最小値より大きい場合、対応する棒は異なる色を有する一方、境界線は当該範囲の最大値、又は現在時刻までの測定セッション中に取得された最大値を示す。この実施例では、最小値が30に設定され、最大値は55である。図面に示すように、測定位置S1〜S4(センサの位置)の各々は最小値より小さい異なる値を示すため、それぞれの棒B1〜B4は異なるサイズだが全て同じ第2の色C2(青)で表示される。センサの位置S5の測定データ片は最小値より大きい値を有し、その棒B5はより大きなサイズ及び第1の色C1(オレンジ)を有する。反対に、全ての棒は境界線M1及びM2によって表示された最大値55より小さい値を示す。
【0090】
図19に例示するように、所定の閾値及び/又は測定データ片の平均値に対して大きい/小さい値に対応する複数の測定データ片(複数の棒)の数がある値を超えるか又は超えない場合、特定の組織部位の組織特性が特定のパラメータの予め規定された所定の閾値より大きい/小さいという状態を示す特定の表示(例えば色表示)1510が表示される。そのような更なる表示の使用は、リアルタイムでオペレータに更なる表示を提供する。当該表示の特定色(本実施例では赤色)は、通常の値より大きいか又は小さい「問題のある」値を示すことができ、前記表示の別の色(又はそのような表示が全くないもの)は、測定パラメータが安全な範囲にあることを示すことができる。全ての対応するデータ片が境界線によって表される最大値55に達しなくても、図19は複数の測定データ片の平均値が最大閾値より大きいという状態を例示することができる。各々の測定データ片の値は局所的な情報に関するが、時にオペレータは組織内の具体的な点のみではなく組織部位に関するより広範囲な情報に関心を持っている。
【0091】
図20で例示するように、GUI1500は、複数の棒のサイズのみによって予め規定された閾値M1に対する複数の測定データ片のプロファイルを表示するように設計することができ、複数の棒は測定軸12の一方の側のみにすることができる。
【0092】
更に、GUI1500は、図21の実施例で分かるように各々のセンサについて同時に1以上のパラメータを表示するために使用することができる。図21は、例えば、センサの複数の位置S1〜S5のそれぞれ1つに関連した1組の棒を示す。各々の棒は、オペレータによって選択された関連するパラメータの値を表示する。当該1組の2つの棒は、自身の色によって、例えば第1の色(オレンジ)及び第2の色(青)によって区別することができる。また、複数のパラメータは、それぞれの境界線Ma及びMbによって表された自身の対応する閾値を有する。
【0093】
本発明のGUIは、測定軸12gの両側で異なるパラメータを同時に表示するように構成することができる。これを図22に例示する。GUIは更に、一度に4つのパラメータ、すなわち測定軸12gの各側に2つのパラメータに関する情報を提供するために、図22の特徴を図21の特徴に組み合わせるように構成することができる。同様に、GUIは、奇数であろうと偶数であろうと、任意の有用な数のパラメータを同時に表示することができる。同時に表示されるパラメータの数の唯一の制限は、インタフェースの全体のサイズ/領域と、表示される情報の利便性及び読みやすさだろう。
【0094】
本発明のGUIは、棒の表示を設けずに、所定の配色に従って、異なる色の形態で異なる測定データを表示するように構成することができる。これを図23に例示する。この場合、配色CSは、GUIにも表示することができる。リミット値は、当該配色上の表示Mによって取り込まれる。図面に示すように、測定位置/センサ位置は、間隔を隔てた着色した領域としてGUIによって表示され、ここでは異なる色が測定データの異なる値に対応する。センサS2及びS5は、同じ測定データを示し、他のセンサS1、S3及びS4の測定データと異なるため、ディスプレイ上の対応する領域/位置が他の色とは異なる第1の色C1(オレンジ)によって表示される。センサS1、S3及びS4は、異なる測定データを示すため、ディスプレイ上の対応する位置に異なる色C4、C3及びC2(それぞれ赤、黄色、及び青)で着色される。表示され着色されたセンサ位置は、表示Mを有する配色CSと共に、測定軸に沿った組織特性のプロファイルの迅速な情報を提供し、センサ位置S1、S2及びS5で組織特性が閾値に近いことを示す。
【0095】
図16図23に関する実施例で表したように、測定データからの情報のグラフ表示は更に、他の診断法から取得した画像データ情報と重畳/マージすることができる。例えば、前記情報は、組織の特定領域にプローブを誘導するために使用される超音波、X線、又はPET(陽電子放射断層撮影)の画像とマージすることができる。マージした画像上でセンサの位置を特定するために、他の画像診断法のプローブの視界を使用する。
【0096】
したがって、本発明は、治療(除去)すべき組織部分を正確に位置決めすることができる新しい医療装置を提供し、更に一体型の医療装置による組織の治療(除去)を提供する。本発明は更に、測定データの表示を提供し、測定される組織パラメータのプロファイルの迅速かつ明瞭な表示を提供する。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7A1-7B2】
図7C-7E】
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A-13B】
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23