特許第6470187号(P6470187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6470187
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】弾性部材クランプ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   A61B17/70
【請求項の数】20
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-561622(P2015-561622)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-508845(P2016-508845A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(86)【国際出願番号】US2014020912
(87)【国際公開番号】WO2014138303
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年1月18日
(31)【優先権主張番号】13/785,487
(32)【優先日】2013年3月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/053,281
(32)【優先日】2013年10月14日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ,ミラン
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,ローリー
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0271354(US,A1)
【文献】 特表平08−505304(JP,A)
【文献】 特表2004−512899(JP,A)
【文献】 特表2011−500120(JP,A)
【文献】 特開2010−000352(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0268005(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中に細長いロッドを受容するためのクランプであって、前記クランプが前記細長いロッドを受容するための内部開口部を有し、第1の開口部が前記内部開口部と連通しており、第2の開口部が前記内部開口部と連通している、クランプと、
前記クランプの前記第1の開口部内に受容された止めねじと、
前記止めねじの遠位端に配置された套管と、
前記クランプの前記第2の開口部内に受容された弾性部材であって、前記弾性部材が前記クランプ内に受容された前記細長いロッドと接触するように構成される、弾性部材と、を備え、
前記套管が、細長いロッド及び弾性部材の形に適合する湾曲接触面を有し、前記湾曲接触面は、前記第1の開口部にねじ込まれる止めねじが下方にねじ込まれるときに、圧力を細長いロッド及び弾性部材の周りに分散させる圧力分散面として役立つように構成され
前記止めねじ及び前記套管は、異なる材料で形成されることを特徴とする、脊柱システム。
【請求項2】
前記内部開口部が前記クランプの内部湾曲壁により形成される、請求項1に記載の前記システム。
【請求項3】
前記クランプの前記内部湾曲壁が前記弾性部材を受容するための溝を含む、請求項2に記載の前記システム。
【請求項4】
前記止めねじ及び前記套管が別個の取り外し可能な部品である、請求項1に記載の前記システム。
【請求項5】
前記止めねじ及び前記套管が一体的に形成される、請求項1に記載の前記システム。
【請求項6】
前記套管が前記弾性部材に接触するための湾曲表面を備える、請求項1に記載の前記システム。
【請求項7】
前記弾性部材が弾性帯を備える、請求項1に記載の前記システム。
【請求項8】
中に細長いロッドを受容するためのクランプであって、前記クランプが前記細長いロッドを受容するための内部開口部を有し、第1の開口部が前記内部開口部と連通しており、第2の開口部が前記内部開口部と連通しており、前記内部開口部が中に弾性部材を受容するための単一溝を含む、クランプと、
前記クランプの前記第1の開口部内に受容された止めねじと、
前記止めねじの遠位端に取り付けられた套管と、
前記クランプの前記第2の開口部内に受容された弾性部材であって、前記弾性部材が前記クランプ内に受容された前記細長いロッドと接触するように構成される、弾性部材と、を備え、
前記止めねじ及び前記套管は、異なる材料で形成され、
前記単一溝が、前記クランプの前記内部開口部に沿って伸び、前記弾性部材の幅と略同一の幅を有することを特徴とする、脊柱システム。
【請求項9】
前記細長いロッドが前記クランプ内に底部で積載されるように、前記クランプの前記内部開口部が前記細長いロッドに下方に面する、請求項8に記載の前記システム。
【請求項10】
前記クランプが前記内部開口部と連通する第3の開口部をさらに備える、請求項8に記載の前記システム。
【請求項11】
前記弾性部材が前記第2の開口部及び前記第3の開口部を通って伸びる、請求項10に記載の前記システム。
【請求項12】
前記システムが、前記止めねじの遠位端に取り付けられた套管をさらに備える、請求項8に記載の前記システム。
【請求項13】
前記止めねじが、前記套管の一部を通って突出する伸長部分を含む、請求項12に記載の前記システム。
【請求項14】
前記弾性部材が、少なくとも4mmの幅を有する弾性帯を備える、請求項8に記載の前記システム。
【請求項15】
中に細長いロッドを受容するためのクランプであって、前記クランプが前記細長いロッドを受容するための内部開口部を有し、第1の開口部が前記内部開口部と連通しており、第2の開口部が前記内部開口部と連通している、クランプと、
前記クランプの前記第1の開口部内に受容された止めねじと、
前記止めねじの遠位端と接触する套管であって、前記止めねじが前記套管の一部を超えて伸びる突出部を含む、套管と、
前記クランプの前記第2の開口部内に受容された弾性部材であって、前記弾性部材が前記クランプ内に受容された前記細長いロッドと接触するように構成される、弾性部材と、を備え、
前記套管が、細長いロッド及び弾性部材の形に適合する湾曲接触面を有し、前記湾曲接触面は、前記第1の開口部にねじ込まれる止めねじが下方にねじ込まれるときに、圧力を細長いロッド及び弾性部材の周りに分散させる圧力分散面として役立つように構成され
前記止めねじ及び前記套管は、異なる材料で形成されることを特徴とする、脊柱システム。
【請求項16】
前記套管が湾曲接触面を備える、請求項15に記載の前記システム。
【請求項17】
前記クランプが、第3の開口部を通して前記弾性部材の少なくとも一部を通すための前記第3の開口部をさらに備える、請求項15に記載の前記システム。
【請求項18】
前記クランプが天板及び底板を有する、請求項15に記載の前記システム。
【請求項19】
前記天板が前記底板に対して回転可能である、請求項18に記載の前記システム。
【請求項20】
前記天板が前記底板に対して垂直に移動し得る、請求項18に記載の前記システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年3月5日に出願された米国特許出願第13/785,487号、表題「Elastic Member Clamps」の一部継続出願である。この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に整形外科安定化システムを対象とし、具体的には、クランプ及びロッド部材を含むシステムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
多くの種類の脊柱の不整は疼痛を生じさ、動きの範囲を限定する、または脊柱内の神経系を害する。これらの不整は、限定されるものではないが、外傷、腫瘍、椎間板変性及び疾患から生じ得る。多くの場合、これらの不整は、脊柱の一部を不動化することにより処置される。この処置は通常、1つ以上の椎骨に複数のねじ、フック及び/またはクランプを固着させることと、脊柱部材を安定化させる細長いロッドにねじ、フック及び/またはクランプを接続することとを含む。
【0004】
したがって、脊柱安定化のためのねじ、フック及び/またはクランプを含む改良されたシステムへの必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
脊柱クランプに関連するさまざまなシステム、装置及び方法が提供される。いくつかの実施形態では、脊柱システムは、その内部に細長いロッドを受容するためのクランプであって、クランプは細長いロッドを受容するための内部開口部を備え、第1の開口部は内部開口部と連通しており、第2の開口部は内部開口部と連通している、前記クランプと、クランプの第1の開口部内に受容される止めねじと、止めねじの遠位端に配置される套管と、クランプの第2の開口部内に受容される弾性部材であって、弾性部材はクランプ内に受容される細長いロッドと接するように構成される、前記弾性部材とを備える。
【0006】
他の実施形態では、脊柱システムは、その内部に細長いロッドを受容するためのクランプであって、クランプは細長いロッドを受容するための内部開口部を備え、第1の開口部は内部開口部と連通し、第2の開口部は内部開口部と連通し、内部開口部はその内部に弾性部材を受容するための溝を含む、前記クランプと、クランプの第1の開口部内に受容される止めねじと、クランプの第2の開口部内に受容される弾性部材であって、弾性部材はクランプ内に受容される細長いロッドと接するように構成される、前記弾性部材とを備える。
【0007】
他の実施形態では、脊柱システムは、その内部に細長いロッドを受容するためのクランプであって、クランプは細長いロッドを受容するための内部開口部を備え、第1の開口部は内部開口部と連通しており、第2の開口部は内部開口部と連通している、前記クランプと、クランプの第1の開口部内に受容される止めねじと、止めねじの遠位端と接する套管であって、止めねじは套管の一部を超えて伸びる突出部を含む、前記套管と、クランプの第2の開口部内に受容される弾性部材であって、弾性部材はクランプ内に受容される細長いロッドと接するように構成される、前記弾性部材とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】いくつかの実施形態による直列型クランプの上面斜視図である。
図1B図1Aの直列型クランプの横断面図である。
図2A】いくつかの実施形態による代替の直列型クランプの横断面図である。
図2B図2Aの直列型クランプの上面斜視図である。
図2C図2Aの直列型クランプの横断面図である。
図3A】いくつかの実施形態による代替の直列型クランプの横断面図である。
図3B図3Aのクランプの上面斜視図である。
図4A】いくつかの実施形態によるオフセットクランプの上面斜視図である。
図4B図4Aのオフセットクランプの断面図である。
図4C】弾性部材を伴う図4Aのオフセットクランプの上面斜視図である。
図4D】弾性部材を伴う図4Aのオフセットクランプの断面図である。
図5A】いくつかの実施形態によるチューリップ型クランプの上面斜視図である。
図5B図5Aのチューリップ型クランプの横断面図である。
図6】いくつかの実施形態による一体化保持器及び張力調整器機器の上面斜視図である。
図7図6の一体化保持器及び張力調整器機器の前面断面図である。
図8図6の一体化保持器及び張力調整器機器の遠位部分の拡大図である。
図9図6の一体化保持器及び張力調整器機器の遠位部分の代替の拡大図である。
図10図6の一体化保持器及び張力調整器機器の近位部分の拡大図である。
図11】いくつかの実施形態による代替の一体化保持器及び張力調整器機器の遠位部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、脊柱安定化装置に関し、特に骨を把持するために弾性部材を用いるクランプに関する。さまざまなクランプを直列またはオフセットのような骨部材に対して多くの位置に置くことができる。
【0010】
脊柱部材の安定化を補助するための多くの脊柱部品が存在する。用いられる部品の中には、骨を把持することができる脊柱フックがある。脊柱フックは有効であり、ねじのような他の部品に比べてあまり破壊されず、損傷を起こしづらいことがあるが、手術後にフックが外れ、それにより矯正するための潜在的な追加の外科的介入につながる可能性がある。
【0011】
本出願は、現在の脊柱装置に関連する問題を克服する脊柱安定化装置を対象とする。特に、骨部材を把持するために弾性帯のような弾性部材を用いる脊柱クランプが有効に与えられ得ることがわかっている。弾性部材の使用は、骨にクランプを有利に固定し、装置が手術後に骨から不利に外れる危険を低減する。
【0012】
図1A〜1Cは、いくつかの実施形態による、弾性部材を用いる直列型クランプのさまざまな図を示す。直列型クランプ10は、その内部にロッド部材80を受容するための本体12を含む。骨部材(例えば、椎体)にクランプ10を固定するために、直列型クランプ10は、それを貫いて弾性部材60を受容するように構成される。
【0013】
直列型クランプ10は、その内部にロッド部材80を受容するための湾曲開口部または口部17を形成する本体12を含む。図1Aに示されるように、いくつかの実施形態では、本体12の湾曲開口部17が、下方でロッド部材80の外側にわたり面するように形成されるので、ロッド部材80は、クランプ10に対して底部で積載される。有利には、湾曲開口部17は、椎体または骨部材の周りに巻き付けられる弾性部材60の一部を受容するようにも構成される。図1Aに示されるように、弾性部材60の第1の部分がロッド部材80の第1の側面と接触し、弾性部材60の第2の部分が、弾性部材を骨部材の周りに巻き付けた後に、第1の側面とは反対側のロッド部材80の第2の側面に接触するように、弾性部材60を配置することができる。他の実施形態では、図2Aに示されるように、弾性部材60を骨部材の周りに巻き付けた後でも、弾性部材60の一部がロッド部材80の片側とクランプ10の内壁との間で圧されたままであるように、弾性部材60を構成することができる。当業者は、ロッド部材80及びクランプ10に対する弾性部材60の位置決めが変化する場合があり、本明細書に示される説明が、弾性部材を配置するのに利用可能な位置を限定することを意味せず、むしろ弾性部材をシステム内に配置するための選択肢を示すと理解するであろう。
【0014】
ロッド部材80を受容するための湾曲開口部17は、クランプ10の内壁により形成される。いくつかの実施形態では、湾曲開口部17は、ロッド80とその中に配置される細長い部材60の両方を収容することができる半径を有する。図1Bに示されるように、クランプ10の内壁は、クランプ10の内壁に並走し、その内部に形成される、軌道または溝32を含み得る。溝32は、その内部に弾性部材32を有利に収容する。いくつかの実施形態では、溝32は、その内部に配置される弾性部材60の幅とほぼ同じ幅を有する。溝32の追加で、(以下に示されるように)止めねじ25を締め付ける前でさえ、クランプ10、ロッド部材80及び弾性部材60を一体的に保持することができる。いくつかの実施形態では、溝32は、実質的にまたは完全にクランプ10の内壁に並走する。
【0015】
湾曲開口部17は、各々がクランプ10の本体12を通って伸びる第1の開口部14及び第2の開口部16と連通している。装置の垂直中央面に対して対角線方向に走る第1の開口部14は、その内部にねじ込まれる止めねじ25を受容するように構成される。ロッド部材80及び弾性部材60が、クランプ10の口部内の所望の位置に配置されている場合、止めねじ25を下方にねじ込み、ロッド部材80及び弾性部材60上に圧縮力を与えて、クランプ10内に部材を確実に捕らえることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、図1A及び図1Bに示されるように、止めねじ25の遠位端に別個の套管28を取り付けることができる。套管28が止めねじ25と弾性部材60との間に中間接触面を有利に与えることにより、弾性部材60が止めねじ25の表面に接触することで磨り減るまたは裂けるのを防止する。図1Bに示されるように、套管28は、クランプの口部内に配置されるロッド部材80及び弾性部材60の形に適合する湾曲接触面29を有する。湾曲接触面29は、ねじ込まれる止めねじ25が下方にねじ込まれるときに、圧力をロッド及び弾性部材60の周りに無理なく分散させる圧力分散面として有利に役立つ。他の実施形態では、套管28の接触面29は部分的に直線である。止めねじ25及び套管28が別個の部品として示されているが、他の実施形態では、2つの部品は一体化された部品である。止めねじ25及び套管28を一体的に鋳造することができる、または単一塊部材で形成することができる。いくつかの実施形態では、止めねじ25及び套管28は異なる材料で形成されるが、他の実施形態では、止めねじ25及び套管28は同じ材料で形成される。いくつかの実施形態では、止めねじ25及び/または套管28を、ステンレス鋼、チタンまたはコバルト・クロムのようなさまざまな生体融合性金属で形成することができる。
【0017】
一般的に装置の垂直中央面を通って走る第2の開口部16は、それを通って1つ以上の弾性部材60を受容するように構成される。図1Aに示されるように、この中央開口部16は、椎体の周りに巻き付けられる弾性部材60の2つの末端または部分を受容するのに十分に広い。当業者は、第1及び第2の開口部14及び16の位置決めが限定されるべきではないと理解するであろう。例えば、代替の実施形態では、第1の開口部14と第2の開口部16の位置とを交換することができる。あるいは、他の実施形態では、弾性部材60の末端を受容するための第2の開口部16を装置の垂直中央面から遠ざけることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、弾性部材60は、ケーブルであり得る。好ましくは、弾性部材60は、広い弾性帯60である。広い弾性帯60の使用により、組織裂傷または外傷を害する危険を有利に低減することができる。いくつかの実施形態では、弾性帯60は2〜8mmである、または4mmよりも大きい。いくつかの実施形態では、帯はPETのようなポリマーで構成される。クランプ10が弾性帯60を介して骨部材に固定されたままであることを確保するために、帯が適切な引張と締めであることを確かにするためのシステムの一部として張力調整器を含むことができる。
【0019】
直列型クランプ10を以下のように用いることができる。いくつかの実施形態では、最初に弾性部材60(例えば、帯)をクランプ10内に、その内部に挿入されるロッド80を用いずに導入することができる。クランプの内面に沿って伸びる単一溝32に沿って且つその内部に弾性部材60を配置することができ、それは、弾性部材60を中央に配置するのに有利に役立つ。弾性部材60の両端が第2の穴16を通って伸びることにより、弾性部材60の底に輪を形成することができる。薄板のような脊柱の一部(図示されず)の周りに弾性部材60の輪を巻き付けることができる。適所に弾性部材60を用いて、クランプ10の底開口部17を通ってロッド部材80を受容することができる。ロッド部材80がクランプ10の底開口部17を通って、クランプの内面に対して押された後、ロッド部材80は、クランプ10内に一時的に保持される。この時点で、ロッド部材80は、その長手軸の方向に沿って有利に並進自在である。
【0020】
クランプ内にロッド部材80を用いて、弾性部材60を張るために張力調整器を用いることにより、変形を修正するために脊柱をロッド部材80に引き付けることができる。適切な補正が得られる場合、止めねじ25を下方にねじ込み、弾性部材60及びロッド部材80を締め付けて、確実に捕らえることができる。止めねじ25から分離した浮動部品、または止めねじ25と一体的に形成された部品のいずれかとして役立つ套管28は、止めねじ25の締め付け負荷を弾性部材60及びロッド部材80にわたり均一に分散させるために、止めねじ25の遠位端に配置される。止めねじ25が下方にねじ込まれるとき、止めねじ25は、弾性部材60及びロッド部材80に対して圧縮され、それによりシステムが固定される。この時点で、ロッド部材80は適所に係止され、もはや並進自在ではない。
【0021】
図2A〜2Cは、いくつかの実施形態による代替の直列型クランプ10のさまざまな図を示す。これらの図面内の直列型クランプ10は、図1A及び図1Bのクランプとは、第1の開口部14と、第2の開口部16と、クランプの本体を通って伸びる追加の第3の開口部18を有する点で異なる。図2Aに最良に示されるように、追加の第3の開口部18は、第2の開口部16の内部にも伸びる、輪にされた弾性部材60の2つの部分または鎖を受容するように構成される。加えて、湾曲開口部17は下方に開かれているので、ロッド部材80は、底部で積載されたままであり、湾曲開口部17は、ここでは装置の垂直中央面に対してより直径方向に配置される。
【0022】
この実施形態では、弾性部材60は、第2の開口部16と第3の開口部18の両方を貫通する。輪は、弾性部材60により第3の開口部18の近くに形成され、骨部材の周りを取り巻くことができる。本実施形態では、ロッド部材80がクランプ10の湾曲開口部17内に配置されるとき、弾性部材60は、ロッド部材80の片側に保たれる。言い換えれば、弾性部材60は、図2Aに示されるように、ロッド部材80とクランプ10の内部壁との間に配置される。したがって第3の開口部18の追加は、ロッド部材80及びクランプ10に対して弾性部材60を収容するための追加の方法を与える。
【0023】
図3A及び図3Bは、いくつかの実施形態による代替の直列型クランプ10のさまざまな図を示す。これらの図の直列型クランプ10は、図1A及び図1Bのクランプとは、第1の開口部14と、第2の開口部16と、追加の第3及び第4の開口部18、19と、伸長部材26を有する固有の止めねじ25とを有する点で異なる。第3の開口部18と第4の開口部19の両方は、ロッド部材を受容するための開口部17と連通し、クランプ10の低部の近くに配置される。
【0024】
クランプ10は、それを通って弾性部材60を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、弾性部材60の第1の末端は、第3の開口部18を通って伸び得るのに対し、弾性部材60の第2の末端は、第4の開口部19を通って伸び得るので、弾性部材60の第1の末端と第2の末端の両方は、第2の開口部16に合致し、その開口部を貫通する。輪は、骨部材を受容するように弾性部材60の底部で形成される。代替の実施形態では、弾性部材60の第1の末端と弾性部材60の第2の末端は、(図2Aに示されるようなものに類似する)第3の開口部18と第2の開口部16とを貫通し得る。さらなる代替の実施形態では、弾性部材60の第1の末端と弾性部材60の第2の末端は、第4の開口部19と第2の開口部16とを貫通し得る。後者の2つの選択肢では、弾性部材60は一般的に、クランプ10内に挿入されたロッド部材80の片側に保たれ得る。したがって、第3の開口部14と第4の開口部19とを加えて、これは、骨にクランプを固定するための複数の異なる選択肢を有利に与える。
【0025】
クランプ10は、その遠位端上に形成される伸長部材26を有する固有の止めねじ25を含む。図3Aに示されるように、伸長部材26は、套管28を通って伸び得る形作られた突出部である。弾性部材60が、(例えば、第4の開口部19に入りながらまたは出ながら)套管28付近の内部壁に沿って通るとき、止めねじ25の伸長部材26は、その内部に配置される弾性部材60の一部に接するように有利に構成される。止めねじ25の伸長部材26により与えられるこの追加の接触は、弾性部材60を有利に安定化させるのに役立ち、套管28とともに、ねじ25を下方にねじ込む間に生じる圧縮負荷を分散させるのに役立つ。いくつかの実施形態では、伸長部材26は、弾性部材60が磨り減る尤度を低減するために丸い先端を備える。
【0026】
図4A〜4Dは、いくつかの実施形態によるオフセットクランプのさまざまな図を示す。オフセットクランプ100は、クランプ100の一方の側に(例えば、スロットまたは開口部116を通って)弾性部材60を受容し、クランプ100の反対側にロッド部材80を受容するように構成される。クランプ100は、第1の開口部114及び第2の開口部116を有する上板110と下板120とを含む。第1の開口部114は、上板110及び下板120を通って伸びる止めねじ125を受容するように構成される。第2の開口部116は、以下に考察されるような弾性部材60を受容するように構成される。
【0027】
図4Bに示されるように、上板110を物理的に分離し、下板120から持ち上げて、それにより、それを通って弾性部材60の1つ以上の部分を受容するための空間130を与えることができる。いくつかの実施形態では、上板110は、下板120に対して垂直方向と水平方向の両方向に並進して、それにより弾性部材60を受容するための(図4Bに示される)十分に大きな空間130を与えることができる。弾性部材60は、骨部材の周りで伸びる輪を形成することができ、弾性部材60の第1の部分は第1の低部面121と接触し、弾性部材60の第2の部分は、下板120の反対側の第2の低部面(図示されず)と接触する。図4C及び図4Dには弾性部材の軌跡が示される。いくつかの実施形態では、下板120の低部面121は、弾性部材がアセンブリから滑り落ちるのを防止するために、弾性部材60を受容するための突出部を備えることができる。下板120の低部分と接触する弾性部材60の一部を用いて、上板110が下板120から分離されるときに作り出される(図4Bに示される)空間130を通して弾性部材60の第1及び第2の末端を挿入することができる。次に上板110で形成されるスロット116を通って弾性部材60の第1及び第2の末端を挿入することができる。
【0028】
骨部材の周りに巻き付けられるように且つその末端の両方がスロット116を貫通するように弾性部材60を適所に用いて、上板110を下方に下板120上に導くことにより、その内部に弾性部材60を固定することができる。上板110が下板120に固定されるのを確保するために、止めねじ125を下方にねじ込むことにより、上板110を下板120との固定関係に導くことができる。有利には、止めねじ125を下方にねじ込むことにより、クランプ100の反対の末端上に形成されるロッド開口部117内に受容されるロッド部材80が固定されることにもなる。言い換えれば、いくつかの実施形態では、止めねじ125を下方にねじ込むことにより、クランプ100の一方の側で、弾性部材60が上板及び下板内に固定され、同時にクランプ100の他方の側で、ロッド開口部117内に配置されるオフセットロッド部材80が固定されることになる。
【0029】
弾性部材60を空間130内に受容することができるように、上板110が下板120から(例えば、垂直方向に及び/または回転自在に)取り除かれる場合、クランプ100を「開き」または「係止解除」配置にあるとみなすことができる。弾性部材60が上板110及び下板120内に固定されるように、上板110が(例えば、止めねじ125を介して)下方に下板120に固定される場合、クランプ100を「閉じ」または「係止」配置にあるとみなすことができる。
【0030】
オフセットクランプ100を以下のように用いることができる。クランプが弾性部材60及びロッド部材80を受容するように準備されているとき、上板110と下板120との間に弾性部材(例えば、帯)60を挿入するための部屋(例えば、空間130)を与えるために、下板120から上板110を持ち上げ、僅かに回転させることができる。弾性部材は、脊柱部分(例えば、薄板)の周りに巻き付けることができ、下板120の外側の底側壁121に沿って伸びることができる。下板120の底側壁121は、弾性部材60がクランプ100から滑り落ちるのを防止するための突出部を含むことができる。弾性部材60の両方の末端は、上板110に形成されるスロット116を通って延在し続けることができる。クランプ100の反対側では、上板110と下板120との間にロッド部材80を受容することができる。上板110と下板120との間に伸びる止めねじ125を締め付ける前に、ロッド部材80は、クランプ100内に一時的に保持され、有利には、その長手軸に沿って並進自在である。骨部材及びクランプ100の周りに巻き付ける弾性部材60と、反対側の末端で受容されるロッド部材80とを用いて、クランプ100が弾性部材60とロッド部材80の両方を締め付けるように、止めねじ125を締め付けることができる。これは、クランプ100の一方の側で、上板110と下板120との間に弾性部材60を、クランプ100の反対の側で、ロッド開口部117内にオフセットロッド部材80を有利に固定する。
【0031】
図5A及び図5Bは、いくつかの実施形態によるチューリップ型クランプのさまざまな図を示す。チューリップ型クランプ200は、基底で結合される第1のアーム202と反対側の第2のアーム204とを備えることにより、ロッド部材80を受容するためのU形経路を形成する。第1のアーム202は、それを通って弾性部材60の第1の末端を受容するための第1の角度付きスロットまたは開口部214を備え、第2のアーム204は、それを通って弾性部材60の第2の末端を受容するための第2の角度付きスロットまたは開口部216を備える。弾性部材60の底部は、チューリップ型クランプの底部に形成された第3の開口部218を貫通する輪を形成することができる。輪は、薄板のような骨部材の周りに巻き付けられ得る。
【0032】
有利には、図5Bに示されるように、チューリップ型クランプ200の第3の開口部218は内壁に傾斜を付けている。これらの内壁は、弾性部材60がクランプ200よりも下で輪に開く前に、弾性部材60の第1及び第2の部分を誘導するものとして有利に役立つ。いくつかの実施形態では、第3の開口部218は、第1の開口部214及び/または第2の開口部216の最大幅よりも大きな幅を有する。
【0033】
チューリップ型クランプ200を以下のように用いることができる。最初に、基底開口部218を通って弾性部材60の第1及び第2の末端を通すことにより、チューリップ型クランプ200を通って弾性部材60を挿入することができる。弾性部材60の第1の末端は角度付きスロットまたは開口部214を貫通することができるのに対し、弾性部材60の第2の末端は角度付きスロットまたは開口部214を貫通することができる。弾性部材60の底部は、薄板のような脊柱部分の周りに巻き付けられ得る輪を形成する。弾性部材60を適所に用いて、弾性部材60がロッド部材80に2つの側面で接触するように、チューリップ型ヘッドのU形経路内にロッド部材80を挿入することができる。ロッド部材80が下方にチューリップ型ヘッド内に配送された後、止めねじ(図示されず)を含む係止キャップをロッド部材80上に配送することができる。いくつかの実施形態では、係止キャップは、アームに見られる係止キャップスロット231内に留まり得る。いくつかの実施形態では、止めねじは、ねじ込まれ、チューリップ型クランプのアーム上のねじ山と相互作用する。他の実施形態では、止めねじ及び係止キャップの代わりに、単一のねじ込まれない係止キャップを与えることができる。止めねじを係止する前に、ロッド部材80を一時的に、有利にはその長手軸に沿って移動自在であるように捕らえることができる。弾性部材60及びロッド部材80を適所に置いた状態で、張力調整器は、帯を引っ張って脊柱をロッド部材80に対して上に引いて変形を修正することができる。帯を引っ張ることにより変形が修正された時点で、係止キャップ内の止めめじは下方に締め付けられて、ロッド部材80及び弾性部材60をチューリップ型クランプ200内に固定する。
【0034】
上に考察されたクランプは、挿入及び移植しやすくするための1つ以上の器具を伴うことができる。例えば、クランプを適切に設置するために、弾性部材が骨構造の周りに巻き付けられる間、弾性部材を張るのを補助するために張力調整器を用いてもよい。張力調整器は、クランプの止めねじが最終的に、その構造物を確実に保持するように締め付けられるまで、弾性部材を補正位置に保持することができる。したがって、クランプは、少なくとも2つの器具、クランプを挿入及び配送しやすくするための保持器機器と、構造物を固定するのに先立って弾性帯を引張状態に保つための張力調整器機器とを伴うことができる。
【0035】
あるいは、クランプアセンブリを挿入及び移植しやすくするために新規の一体化保持器及び張力調整器機器を与えることができる。図6は、いくつかの実施形態による一体化保持器及び張力調整器機器の上面斜視図である。一体化保持器及び張力調整器機器を与えることにより、器具は、複数の器具の必要性を有利に低減し、クランプと弾性部材アセンブリとを着実に設置するための固定手段を与える。
【0036】
図6に示されるように、一体化保持器及び張力調整器機器300は、クランプを保持するためのクランプ保持器310を備える遠位部分を含む。クランプ保持器310は、弾性部材が貫通し得る1つ以上のスロット322を含む外部スリーブ320に動作可能に接続される。弾性部材係止基部340と弾性部材係止体330は、外部スリーブ320の近位部分に隣接する。それらのうちの後者はそのうえ、それを通って弾性部材を受容するように設計される。一体化器具300は、弾性部材を張るための張力調整ドライバ350と、クランプ保持器310を開閉するためのクランプ保持ハンドル300とをさらに含む。これらの部品の各々は、以下により詳しく考察される。
【0037】
いくつかの実施形態では、器具300の遠位部分は、その内部にクランプを受容するためのクランプ保持器310を備える。クランプ保持器310は、その内部にクランプを受容するために開口自在であり得る1対の指部または先端312を備える。先端312は、図7に示されるように、適応型細隙または切除部314を介して自由自在になる能力がある。クランプ保持器310は、2つの配置:その内部にクランプを一時的に且つ静かに保持することができる「開き」配置と、その内部にクランプを確実に且つ締め付けて捉える「閉じ」配置とを有することができる。クランプ保持器310は、最初にその内部にクランプ10を把持するとき、開き配置であり得る。クランプ10がクランプ保持器310内に一時的に捕らえられた後、クランプ10上にグリップを締め付けるために、クランプ保持器310を閉じ配置に置くことができる。これは、外部スリーブ320を下方にクランプ保持器310上に並進させるクランプ保持器ハンドル360を回転させることにより達成することができ、それによりクランプ保持器310の先端312が開口自在になるのを防止する。
【0038】
外部スリーブ320は、クランプ保持器310に動作自在に取り付けられる細長い本体を備える。外部スリーブ320の遠位部分は、1対の細長いスロット322を含むように構成される。細長いスロット320は、(図1Aに示されるように)弾性部材がクランプを通って、外部スリーブ320の遠位端内に通された後に、弾性部材の末端を受容するように構成され得る。弾性部材の各々の末端は、外部スリーブ内に形成されたスロット320を貫通することができ、外部スリーブの長さに沿って伸びることができ、それにより、弾性部材係止体330内に弾性部材を受容することができる。
【0039】
弾性部材係止体330は、その内部に弾性部材を受容するように設計された1対の「翼」形部材を備える。いくつかの実施形態では、弾性部材係止体330の各々は、弾性部材の末端を受容し、捕獲するための開口部または細隙332を備える。弾性部材が弾性部材係止体330を貫通するとき、弾性部材係止体330は、片道の一方向性自動締め付け機構を介して弾性部材を捕らえ、固定し、それにより弾性部材が弾性部材係止体330から後退して出るのを妨げる。言い換えれば、弾性部材が後退して出るのを心配することなく、弾性部材係止体330を貫通する弾性部材を引いて、引張状態にすることができる。片道自動締め付け機構は、カム、溝切りされた平らな及び/または丸められた表面を含む、異なる種類の機構を備えることができ、それにより係合後に係止体330内の弾性部材が滑るのを防止する。望まれる場合、弾性部材係止体330を下方に押すことにより、弾性部材係止体330から弾性部材を放つことができ、それにより解放機能を作動させる。
【0040】
弾性部材係止体330は、弾性部材係止基部340及び張力調整ドライバ350に隣接するように配置され、弾性部材の末端を引張状態に置くように協働して働く。張力調整ドライバ350を回転させることにより、弾性部材係止基部340は、外部スリーブの長手軸に沿って、クランプ10から離れて近位方向に並進する。弾性部材係止基部340のこの動きは、弾性部材を引き寄せ、それにより(弾性部材係止体330に束縛される)弾性部材の末端をより大きな引張状態に置く。
【0041】
これらの特徴に加えて、一体化器具300は、器具300の近位部分に配置されたクランプ保持ハンドル360を含む。以前考察されたように、クランプ保持ハンドル360は、外部スリーブ320を作動させる能力があり、それによりクランプ保持器310は「開き」または「閉じ」位置にされる。
【0042】
一体化保持器及び張力調整器機器300を使用するための方法がこれから説明される。いくつかの実施形態では、外科医は、患者の内部に挿入されるべきクランプ10を選択するであろう。次に、外科医は、クランプ保持器310を介して器具300をクランプに係合させる。クランプ保持器310は「開き」配置にあり、クランプ300と一時的にのみ係合される。クランプ保持器310をクランプ10に一時的に係合させた後、クランプ10を通って、外部スリーブ320のクランプ保持器310及びスロット322を通って出るように弾性部材(例えば、帯)を通すことができる。クランプ10を保持することに加えて、クランプ10内に押し込まれるロッド部材を一時的に保持するために、クランプ保持器310を用いることができる。クランプ10及びクランプ保持器310内に一時的に保持されるロッド及び弾性部材を用いて、外科医は、クランプ保持器310を「係止」配置に置くように、クランプ保持ハンドル360を回転させることができ、それによりクランプ10上のグリップを締め付ける。
【0043】
この時点で、弾性部材の末端は、弾性部材係止体330を通過することができ、それにより末端を着実に捕らえる。弾性部材の末端が弾性部材係止体330内に捕獲された後、弾性部材の末端をさらなる引張状態に置くように、張力調整ドライバ350を回転させることができる。弾性部材が所望の引張状態に置かれた後、外科医は、クランプ10の止めねじ25を締め付けるために六角ドライバを用いることができ、それによりクランプ部材、ロッド部材及び弾性部材を固定する。クランプ10及びその関連弾性部材がここで組み付けられるとき、外科医は、(i)弾性部材末端を滑らせて出すために弾性部材係止体330を係止解除することができる、または(ii)弾性部材係止体を係止解除することなく、弾性部材を両側で切断することができる。設置されたクランプ10から器具300を分離するためにクランプ保持器360を回転させることができ、それにより患者内に組み付けられたクランプ構造物から器具300を取り除くことができる。任意選択で、弾性部材の末端が緩められるとき、外科医は、未結の末端が磨り減らないように末端の焼灼を選択してもよい。
【0044】
上に考察された部品に加えて、一体化保持器及び張力調整器機器300は、他の部品をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、張力調整器機器300は、弾性部材基部340上の対向トルク取り付け表面370に取り付けられ得る対向トルク装置(図示されず)を伴うことができる。対向トルク装置は、張力調整ドライバを回転させる際に必要とされるそれらの部品に対してのみ回転を限定するのに役立つ。加えて、張力調整器機器300は、印加されるトルク量を限定するまたは示すためにクランプハンドル360に取り付けられた第2のハンドルを伴うことができ、それにより有利には弾性部材を過剰に引っ張るのを防止する。
【0045】
図7は、図6の一体化保持器及び張力調整器機器の前断面図である。この図から、クランプ保持端312の曲げを可能にする適応型削除部または細隙314を含むクランプ保持器310の断面を見ることができる。
【0046】
図8は、図6の一体化保持器及び張力調整器機器の遠位部分の拡大図である。この図から、外部スリーブ320内のスロット322を貫通する前に弾性部材が貫通し得る上部開口部16をクランプ10内に見ることができる。
【0047】
図9は、図6の一体化保持器及び張力調整器機器の遠位部分の代替の拡大図である。この図から、クランプ保持器310を介してクランプ10内に一時的に捕らえられるロッド部材80を見ることができる。ロッド部材80及びクランプ10上のグリップを締め付けるために、クランプ保持器310の適応型先端を圧縮するために、外部スリーブ320を下方に移動させることができ、それにより、クランプ310は「閉じ」締め付け位置にされる。
【0048】
図10は、図6の一体化保持器及び張力調整器機器の近位部分の拡大図である。この図から、弾性部材係止体330の各々の中に形成された、弾性部材が貫通し得る、開口部または細隙332を見ることができる。細隙332は、弾性部材を張るのに先だって弾性部材係止体330の各々を貫通するように構成される弾性部材の接触または係止表面として役立つ。
【0049】
一体化保持器及び張力調整器機器張力調整器機器の代替設計がこれから説明される。図11は、いくつかの実施形態による代替の一体化保持器及び張力調整器機器の遠位部分の拡大図である。図11の器具は、図6の器具と、クランプ保持器、外部スリーブ、弾性部材係止、弾性部材基部、張力調整ドライバ、及びクランプ保持ハンドルを含む多くの特徴を共有する。しかしながら、図6の器具とは対照的に、図11の器具は、1対のヒンジ先端312を有するクランク保持器310を備える。ヒンジ317は、先端312が、図6の器具と同様にクランプ及び/またはロッド部材上で開閉することができる。図6の器具とはさらに対照的に、図11の器具は、クランプ保持器310を外部スリーブ310に固定するための1つ以上の歯も含むことができる。
【0050】
本発明において本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及び変更を行うことができることが当業者に明らかになる。さらに、改良された骨締め留めアセンブリ及び関連する使用方法は、上に考察された目的、利点、特徴及び態様の全ての特徴を表記する必要はない。したがって、例えば、当業者は、本明細書で教示された1つの利点または一群の利点を達成または最適化するように、本明細書で教示または示唆され得るような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本発明が具現化または実行され得ると認識することになる。加えて、本発明の複数の変異形態が詳細に示され、記載されているが、本発明の範囲内にある他の修正及び使用方法が、本開示に基づいて当業者に容易に明らかになる。これらの実施形態の特定の特徴及び態様のさまざまな組み合わせまたは副次的な組み合わせが行われ、本発明の範囲内に尚もあり得ると考慮される。したがって、考察された骨締め留めアセンブリのさまざまな様式を形成するために、開示された実施形態のさまざまな特徴及び態様を互いに組み合わるまたは互いに入れ換えることができると理解されるべきである。したがって、本発明の修正及び変更が付属の請求項またはそれらの均等物の範囲内にあるという条件で、本発明が本発明の修正及び変更を包含すると意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11