(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記超臨界、亜臨界又は液状の二酸化炭素が、前記ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して0.1〜3質量部の割合となるように、含有せしめられている請求項1に記載のポリウレタンフォームの製造法。
前記発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィン及びハイドロクロロフルオロオレフィンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の発泡剤である請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォームの製造法。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性や接着性を利用して、主に断熱部材として、建築用内外壁材やパネル等の断熱、金属サイディングや、電気冷蔵庫等の断熱、ビル・マンション・冷凍倉庫等の躯体壁面、天井、屋根等の断熱及び結露防止、輸液パイプ等の断熱に、実用されている。また、かかるポリウレタンフォームは、一般に、ポリオール化合物に発泡剤、更に必要に応じて触媒や整泡剤、難燃剤等の各種助剤を配合したポリオール配合液(プレミックス液)からなるポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを、混合装置により連続的に又は断続的に混合して、フォーム形成箇所に適用し、反応せしめて、発泡・硬化させることにより、製造されている。
【0003】
そして、そのようなポリウレタンフォームの製造において、発泡剤として水を用い、この水とポリイソシアネートとの反応によって生成する二酸化炭素にて発泡させる場合において、そのような二酸化炭素を早期に発生させるべく、その反応を促進する作用を有するアミン系触媒が用いられているのであるが、かかるアミン系触媒の問題点として、ポリウレタンフォームの製造後に残留する触媒成分が揮散することによる臭気や、他材料への汚染が挙げられている。このため、近年、最終製品の安全性や環境面への配慮から、ポリウレタンフォームから揮発するアミンの低減が要求されているとの指摘が為されている(非特許文献1参照)。
【0004】
特に、そのようなポリウレタンフォームの製造に際して、スプレーフォーム用触媒として、泡化触媒活性を有する第三級アミン化合物を用いた場合において、発泡中にアミン化合物が揮発するようになるために、スプレー施工作業者が強い臭気を感じて、気分が悪くなったり、所謂アイレインボーといった、一時的な眼のかすみが発生する恐れがあることが、指摘されている(非特許文献2参照)
【0005】
そこで、そのような問題を解消すべく、アミン系触媒の使用量を低減して、ポリウレタンフォームを製造した場合にあっては、得られるポリウレタンフォームのスキン層(表面層)とコア層の間の密度差が顕著となってしまい、その結果、スキン層が厚く、またその密度が大きくなってしまうことにより、原料の使用量が多くなるという問題や、コア層の密度が小さくなってしまうことにより、強度や寸法安定性が低下してしまうという問題が惹起されることとなる。
【0006】
一方、特許文献1には、重量平均分子量の異なる2種のシリコーン系化合物を少なくとも含む、HLB7以下の整泡剤の存在下に、反応させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法が明らかにされ、そこでは、発泡剤として、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の代わりに、水、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロカーボン(HC)又は二酸化炭素を用いて、低密度の硬質ポリウレタンフォームを製造した際に、独立気泡率が高く、寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることが困難であるという課題を解決することが、その目的とされている。また、そこでは、発泡剤として、水、HFC、HCの他、液体状態、亜臨界状態又は超臨界状態の二酸化炭素等を用いることが明らかにされており、更に触媒として、アミン触媒を、ポリオールの100質量部当たり0.1〜15質量部の割合で用いることも、開示されている。しかしながら、アミン系触媒を用いた場合における臭気発生の問題について、かかる特許文献1は、何等明らかにしておらず、従って、そのような課題を解決するための具体的技術手段についても、何等示唆するものでないことに加えて、液体状等の二酸化炭素や水を比較的小割合において併用すると共に、HFCやHC等の発泡剤を反応系における二酸化炭素の存在量よりも多く用いることによって実現される作用乃至は効果について、何等明らかにされてはいない。
【0007】
また、特許文献2においては、ポリウレタンフォーム製造装置に液化二酸化炭素を供給するための装置が提案されており、そこには、液化二酸化炭素の供給量は、フォーム原料の全量に対して0.1〜4.0質量%とすることが開示されている。しかしながら、得られるポリウレタンフォームの圧縮強度や寸法安定性の向上対策について、何等の言及も為されていないことは勿論、アミン触媒を、ポリオールの100質量部に対して0.5〜25質量部用いるとされていても、そのようなアミン触媒を用いたときの臭気対策については、何等明らかにするものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、アミン系触媒を用いてポリウレタンフォームを製造するに際して惹起される、前記した臭気の問題の解決を図りつつ、フォーム特性低下の問題を解消することにあり、また他の課題とするところは、現場吹き付け発泡法(スプレー発泡法)において好適に採用される、フォーム特性に優れたポリウレタンフォームの有利な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、本発明者らが、上記の如き課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、アミン系触媒の使用量を低減せしめた状態下において、HFC、HC、HFO、HCFOの中から選ばれる炭化水素系の有機発泡剤と共に、超臨界、亜臨界、又は液状の二酸化炭素及び水の少量を、発泡剤として併用すると共に、かかる炭化水素系の有機発泡剤よりも少ない割合において、超臨界、亜臨界、又は液状の二酸化炭素及び水を用いて反応させ、発泡・硬化せしめることにより、アミン系触媒に起因するところの臭気を効果的に低減せしめつつ、得られるポリウレタンフォームのスキン層とコア層との密度差を有利に緩和せしめ得て、フォームとしての物性を効果的に改善し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0012】
すなわち、本発明は、ポリオール組成物とポリイソシアネートとを触媒の存在下に混合して反応させ、発泡・硬化せしめることにより、ポリウレタンフォームを製造するに際して、前記ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して0.1〜7質量部の割合において、超臨界、亜臨界又は液状の二酸化炭素を、該ポリオール組成物又は前記ポリイソシアネートに含有せしめ、更にかかるポリオールの100質量部に対して0.05〜7質量部の割合の水を、該ポリオール組成物に含有せしめる一方、該ポリオール組成物が、前記触媒の一つとして、該ポリオールの100質量部に対して0.1〜7質量部の割合のアミン系触媒を含有し、且つハイドロフルオロカーボン、ハイドロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン及びハイドロクロロフルオロオレフィンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の発泡剤を含有すると共に、該発泡剤が、該ポリオール組成物中に、前記超臨界、亜臨界又は液状の二酸化炭素と前記ポリウレタンフォームの製造時に前記ポリイソシアネートと前記水との反応によって発生する二酸化炭素との合計量の1モルに対して、1モルよりも多く且つ20モル以下となる割合において、存在せしめられて、前記反応を行うようにしたことを特徴とするポリウレタンフォームの製造法を、その要旨とするものである。
【0013】
なお、かかる本発明に従うポリウレタンフォームの製造法の好ましい態様の一つによれば、前記超臨界、亜臨界又は液状の二酸化炭素は、前記ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して0.1〜3質量部の割合となるように、含有せしめられている。
【0014】
また、本発明に従うポリウレタンフォームの製造法の好ましい態様の別の一つによれば、発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)及びハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の発泡剤を用いることが望ましく、更にかかる発泡剤として、HCFO−1233zd又はHFO−1336mzzが有利に用いられることとなる。
【0015】
そして、かかる本発明に従う製造法によって得られたポリウレタンフォームは、アミン系触媒の臭気が低減されてなると共に、その全体密度とコア密度との差が1〜12kg/m
3 となる特性を有するものである。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明に従うポリウレタンフォームの製造法にあっては、アミン系触媒の使用量を、ポリオールの100質量部に対して7質量部以下、特に3質量部以下の少ない割合としているところから、ポリウレタンフォームの製造時において、揮発するアミン化合物による臭気や、作業者への悪影響、更には得られるポリウレタンフォームに残留するアミン化合物の揮散による臭気の発生の問題が、効果的に低減せしめられ得ることに加えて、発泡剤として、所定の炭化水素系の有機発泡剤と共に、超臨界、亜臨界、又は液状の二酸化炭素とポリイソシアネートとの反応によって二酸化炭素を生成せしめる水の少量を併用して、発泡させるようにしたことによって、形成されるポリウレタンフォームの強度を確保しつつ、ポリオールとポリイソシアネートとの反応初期に気体の二酸化炭素を迅速に且つ効果的に発生せしめて、スキン層の密度の上昇を効果的に阻止して、コア層との間の密度差を有利に小さく為し得たのであり、またコア層にポリウレタン樹脂分を多く存在させることが出来るようになるところから、得られるポリウレタンフォームの圧縮強度が有利に高められ得、且つ寸法変化率を小さくすることが出来ることとなる。
【0017】
また、本発明に従うポリウレタンフォームの製造法においては、アミン系触媒の使用量が少量であるところから、HCFO等のようなハロゲン化オレフィン系発泡剤を、かかるアミン系触媒の作用により、経時変化(分解)させることなく、有利に使用することが出来ることとなり、その結果、地球温暖化係数の高い発泡剤を使用することなく、ポリウレタンフォームを有利に製造することが可能となったのである。
【0018】
そして、本発明に従う製造法によって得られるポリウレタンフォームにあっては、アミン系触媒の臭気が効果的に低減せしめられていると共に、その全体密度とコア密度との差が1〜12kg/m
3 となるように構成されていることにより、フォームの圧縮強度を効果的に高めることが出来、また寸法安定性を有利に小さくすることが出来るのである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に従うポリウレタンフォームの製造法及びそれによって得られたポリウレタンフォームについて、詳細に説明することとする。
【0020】
先ず、本発明に従うポリウレタンフォームの製造法においては、ポリオール組成物とポリイソシアネートとが混合され、触媒の存在下に反応させられて、発泡、硬化せしめられることにより、目的とする硬質のポリウレタンフォームが製造されることとなるのであるが、そこで用いられるポリオール組成物を構成する主たる成分であるポリオールには、ポリイソシアネートと反応してポリウレタンを生じる公知の各種のポリオール化合物が、単独で、又は適宜に組み合わされて、用いられるところであって、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等が、好適に用いられることとなる。
【0021】
具体的には、そのようなポリオールの中で、ポリエーテルポリオールは、多価アルコール、糖類、脂肪族アミン、芳香族アミン、フェノール類、マンニッヒ縮合物等の少なくとも1種の開始剤に、アルキレンオキシドを反応させて、得られるものである。なお、そこで、アルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、エチレンオキシド等を挙げることが出来る。また、開始剤としての多価アルコールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等があり、また糖類としては、シュクロース、デキストロース、ソルビトール等があり、更に脂肪族アミンとしては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンや、エチレンジアミン等のポリアミン等があり、そして芳香族アミンとしては、トリレンジアミンと総称されるフェニレンジアミンの各種のメチル置換体の他、そのアミノ基にメチル、エチル、アセチル、ベンゾイル等の置換基が導入されてなる誘導体や、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等が挙げられ、更にまたフェノール類としては、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂等を挙げることが出来る。また、マンニッヒ縮合物としては、フェノール類、アルデヒド類およびアルカノールアミン類をマンニッヒ縮合反応させて得られるマンニッヒ縮合物を挙げることが出来る。
【0022】
また、ポリエステルポリオールとしては、多価アルコール−多価カルボン酸縮合系のポリオールや、環状エステル開環重合体系のポリオール等を挙げることが出来る。そこにおいて、多価アルコールとしては、上記したものを用いることが出来、中でも、2価アルコールが好ましく用いられることとなる。また、多価カルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、及びこれらの無水物等を挙げることが出来、更に環状エステルとしては、ε−カプロラクトン等が用いられることとなる。
【0023】
そして、本発明に従うポリオール組成物には、発泡剤として、HFC、HC、HFO及びHCFOからなる群より選ばれた1種又は2種以上の有機の発泡剤が、含有せしめられることとなる。なお、それら有機の発泡剤としては、公知の各種のものの中から適宜に選択されて用いられ、例えば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)としては、ジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)、及び1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)等を挙げることが出来、更にHC(ハイドロカーボン)としては、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、イソブタン等を挙げることが出来る。
【0024】
加えて、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)としては、例えば、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO1225ye)等のペンタフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ye)等のテトラフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO1243zf)等のトリフルオロプロペン、テトラフルオロブテン(HFO1345)類、ペンタフルオロブテン異性体(HFO1354)類、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO1336mzz)等のヘキサフルオロブテン異性体(HFO1336)類、ヘプタフルオロブテン異性体(HFO1327)類、ヘプタフルオロペンテン異性体(HFO1447)類、オクタフルオロペンテン異性体(HFO1438)類、ノナフルオロペンテン異性体(HFO1429)類等を挙げることが出来、更にHCFO(ハイドロクロロフルオロオレフィン)としては、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)、ジクロロトリフルオロプロペン(HCFO1223)等を挙げることが出来る。特に、かかるHFOやHCFOは、化学的に不安定であるために、地球温暖化係数が低く、そのために、環境に優しい発泡剤として、注目を受けているのであるが、また触媒として用いられるアミン化合物によって分解される恐れもあるところ、本発明にあっては、アミン系触媒の使用量が可及的に低減されているところから、そのような発泡剤(中でも、HCFO)の分解の恐れなく、その発泡機能を有利に発揮させることが出来る利点がある。
【0025】
また、本発明にあっては、上記した有機の発泡剤に加えて、超臨界、亜臨界、又は液状の二酸化炭素(以下、液化CO
2 類と略称する)が、ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して0.1〜7質量部の割合において、かかるポリオール組成物又はポリイソシアネートに対して更に含有せしめられることとなる。なお、かかる液化CO
2 類は、よく知られているように、二酸化炭素気体を所定の温度下において加圧することによって、超臨界状態、亜臨界状態、又は液体状態とされてなるものであって、具体的には、液状の二酸化炭素は、三重点以上の温度と圧力条件下で液化されたものであり、また亜臨界状態の二酸化炭素とは、圧力が臨界圧力以上で、温度が臨界温度未満である液体状態の二酸化炭素、圧力が臨界圧力未満で温度が臨界温度以上である液体状態の二酸化炭素、或いは温度及び圧力が臨界点未満であるが、これに近い状態の二酸化炭素とされたものを指し、更に、超臨界状態の二酸化炭素とは、圧力、温度が共に、臨界圧力、臨界温度以上の臨界点を超えた流体状態の二酸化炭素とされたものである。
【0026】
そして、このような液化CO
2 類は、特開2011−247323号公報等に明らかにされている如き二酸化炭素供給装置によって、ポリオール組成物の流路又はポリイソシアネートの流路に供給されて混合せしめられ、それらポリオール組成物中のポリオールとポリイソシアネートとの反応によって生ずるポリウレタンの発泡に寄与せしめられるのである。勿論、そのような液化CO
2 類の供給が、ポリオール組成物とポリイソシアネートとが接触、混合せしめられる位置に対して、直接に行われるようにして、それら両者に、液化CO
2 類が供給されるようにすることも可能である。
【0027】
また、このような液化CO
2 類は、その配合によって、発泡初期における有効な発泡作用を実現して、得られるポリウレタンフォームにおけるスキン層の薄肉化に寄与し、またその低密度化を有利に実現するものであるが、その使用量が、ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して0.1質量部よりも少なくなると、その添加効果を充分に発現することが出来ず、特に、スプレー発泡法による吹き付け直後の発泡が不充分となって、コア層とスキン層との密度差が大きくなるために、圧縮強度が低下したり、寸法変化率が大きくなる等の問題を惹起することとなる。一方、かかる液化CO
2 類の使用量が、ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して7質量部よりも多くなると、反応初期に発生するガス(二酸化炭素)が過剰となって、発泡特性に悪影響をもたらし、例えばスプレー発泡法における吹き付けの際に、良好な発泡体を得ることが難しくなる等の問題が惹起される。このため、本発明にあっては、液化CO
2 類の使用量は、ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して0.1〜7質量部の範囲内とする必要があり、好ましくは0.3〜5質量部、より好ましくは0.5〜3質量部の範囲内とされることとなる。
【0028】
さらに、本発明に従うポリオール組成物には、ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して、0.05〜7質量部の割合の水が含有せしめられるのである。このような水が、ポリオール組成物中に存在することによって、ポリオール組成物とポリイソシアネートとが混合せしめられて、反応させられるときに、かかる水とポリイソシアネートとが反応して二酸化炭素を生じる際に、反応熱が発生することとなるため、その熱によって、ウレタン化反応やイソシアヌレート化反応が、効果的に進行せしめられ得て、得られるポリウレタンフォームの圧縮強度が更に高められ得るようになるのである。尤も、そのような水の含有量が多くなり過ぎると、かえって強度の低下を招くようになる。それは、水とポリイソシアネートとの反応によって生じる尿素結合が樹脂中に多くなること、またイソシアヌレート化反応に用いられるポリイソシアネートが水との反応で消費されてしまい、反応系のポリイソシアネートが少なくなるためである。従って、ポリオール組成物中の水の含有量は、ポリオールの100質量部に対して、7質量部以下、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下とすることが望ましく、また水の存在による効果を充分に奏せしめるべく、0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上とすることが、望ましいのである。なお、このような水は、ポリオール組成物を形成するための配合成分として、別個に添加、配合せしめられる他、ポリオール等の他の配合成分中に含まれる水として添加、配合せしめられ、また、ポリオール組成物を保管している間に吸湿により含まれる水も考慮され、それらの合計量において、上記規定された範囲内の割合となるように、調整されることとなる。
【0029】
そして、かくの如きポリオール組成物中の水の存在によって、そのようなポリオール組成物とポリイソシアネートとが混合せしめられて、反応させられると、かかる水とポリイソシアネートとの反応によって二酸化炭素が発生し、この二酸化炭素も、ポリウレタンの発泡に寄与することとなるところから、本発明にあっては、それら水とポリイソシアネートとの反応によって発生する二酸化炭素と、前記した液化CO
2 類として用いられる二酸化炭素との合計量の1モルに対して、前記した有機発泡剤が、1モルよりも多く、且つ20モル以下の含有量となるように、かかるポリオール組成物中に存在せしめられるのである。
【0030】
なお、かかる二酸化炭素の合計量に対する有機発泡剤の割合が、上記した1モル以下と少なくなり過ぎると、ポリウレタンの発泡に寄与する二酸化炭素の割合が大きくなって、得られるポリウレタンフォームの圧縮強度や寸法変化率が低下する等の問題が惹起され、また有機発泡剤の割合が上記の20モルよりも多くなり過ぎると、得られるポリウレタンフォームにおいて、スキン密度に比べてコア密度が小さくなって、圧縮強度が低下し、寸法変化率が大きくなる他、ポリオール組成物のコストが高くなる等の問題も惹起するようになる。なお、かかる有機発泡剤は、好ましくは、二酸化炭素の合計量の1モルに対して2〜10モル程度の割合において、有利に用いられることとなる。
【0031】
ところで、本発明にあっては、ポリオール組成物とポリイソシアネートとが混合され、触媒の存在下において反応せしめられて、発泡・硬化させられることにより、硬質のポリウレタンフォームが形成されることとなるのであるが、そこで用いられる触媒としては、その一つとして、アミン系触媒が用いられることに加えて、更に必要に応じて、従来からポリウレタンフォームの製造に際して用いられている公知の触媒が、適宜に選択されて、ポリオール組成物に含有せしめられることとなる。かかるアミン系触媒は、ポリウレタンの初期発泡性を有利に向上せしめ得るものであり、またスキン層とコア層との密度差を変えることなく、フォームの密度を全体的に下げる作用があり、更にフォームのべたつきを改善して、ゴミ等の付着による外観の悪化を阻止し得ると共に、スプレー発泡法においては、床等に付着した飛沫のべたつきによる作業性の悪化等を改善する特徴を発揮するものである。そして、そのようなアミン系触媒としては、化学構造内にOH基やNH基を有する反応性アミン化合物や、環状構造を有する環式アミン化合物を用いることが推奨され、中でも、反応性アミン化合物を触媒として用いることによって、より一層臭気の低減を図ることが出来る。
【0032】
なお、そのようなアミン系触媒として用いられる反応性アミン化合物や環式アミン化合物は、公知のウレタン化触媒の中から適宜に選択され得るところであって、例えば、反応性アミン化合物としては、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、エトキシ化ヒドロキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)、2−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、3,3−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N−メチル−N’−ヒドロキシエチルピペラジン等を挙げることが出来る。また、環式アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、メチレンビス(ジメチルシクロヘキシル)アミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルフォリン、4,4’−オキシジエチレンジモルフォリン、N,N’−ジエチルピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、1,8−ジアゾビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等を挙げることが出来る。
【0033】
そして、かかる触媒の一つとして用いられるアミン系触媒の使用量としては、その触媒としての機能を有効に発揮させつつ、臭気や作業環境の悪化等の問題を低減して、有効なフォーム特性を得るべく、ポリオール組成物中のポリオールの100質量部に対して0.1〜7質量部の範囲内において、好ましくは0.1〜3質量部の範囲内において、選択されることとなる。なお、このアミン系触媒の使用量が0.1質量部よりも少なくなると、触媒としての機能を充分に発揮せしめ難くなると共に、得られるフォームがべたつき、ゴミ等が付着して外観が悪くなる問題があり、またスプレー発泡操作においては、床等に付着した飛沫がべたつくことになるために、施工性が悪くなる等の問題を惹起する。また、かかるアミン系触媒の使用量が7質量部よりも多くなると、得られるポリウレタンフォームの臭気が顕著となり、また発泡中に揮発するアミン系触媒により、吹き付け施工を行っている作業者が気分を悪くしたり、アイレインボーといった一時的な目のかすみを発生せしめる恐れがある。
【0034】
また、上述の如きアミン系触媒に加えて、更に必要に応じて用いられる触媒としては、ポリオールとポリイソシアネートとの反応を促進させるために、樹脂化触媒が有利に用いられることとなる。この樹脂化触媒は、フォームの種類に応じて適宜に選択されて、用いられるものであり、例えば、ウレタン化触媒やイソシアヌレート化触媒が単独で用いられたり、或いはこれらが併用されたりされる。ここで、ウレタン化触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス(2−エチルヘキシル酸ビスマス)、ネオデカン酸ビスマス、ネオドデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の脂肪酸ビスマス塩、ナフテン酸鉛等を挙げることが出来る。一方、イソシアヌレート化触媒としては、第四アンモニウム塩、オクチル酸カリウム、酢酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等を挙げることが出来る。
【0035】
なお、本発明において、上記したポリオール組成物に対して配合せしめられて、かかるポリオール組成物中のポリオールと反応して、ポリウレタンを生成するポリイソシアネートは、分子中に2つ以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機系イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることが出来る。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。一般的には、反応性や経済性、取り扱い性等の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)が、好適に用いられることとなる。
【0036】
さらに、かかるポリイソシアネートと前記したポリオール組成物との配合割合は、フォームの種類(例えば、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート)によって変更されることとなるが、一般に、ポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)とポリオール組成物中のポリオールの水酸基(OH)との比率を示すNCO/OHインデックス(当量比)が0.9〜2.5程度の範囲となるように、適宜に決定されることとなる。
【0037】
ところで、本発明に従うポリオール組成物やポリイソシアネートには、上記した配合成分乃至は含有成分に加えて、更に必要に応じて、公知の難燃剤や整泡剤等の従来から知られている各種の助剤を適宜に選択して、配合せしめることも可能である。
【0038】
そして、かくして得られたポリオール組成物とポリイソシアネートとを用いて、触媒の存在下に反応させて、発泡・硬化せしめるに際しては、公知の各種のポリウレタンフォームの製造手法が採用され得るところであって、例えば、それらポリオール組成物とポリイソシアネートとの混合物を面材上に塗布して、板状に発泡・硬化を行うラミネート連続発泡法、電気冷蔵庫等の断熱性能が要求される空間部内や、軽量・高強度ボードのハニカム構造内に注入、充填して、発泡・硬化を行う注入発泡法、或いは現場発泡機のスプレーガンヘッドから被着体へ吹き付けて、発泡・硬化させる吹き付け(スプレー)発泡法によって発泡・硬化せしめられ、目的とするポリウレタンフォームが形成されることとなるのであるが、特に、本発明にあっては、環境温度(周囲温度)下において現場発泡せしめられる吹き付け発泡法に好適に適用される。このような現場吹き付け発泡法への適用によって、本発明に従うスキン層の薄肉化と低密度化を有利に実現して、フォームの全体密度とコア密度との差が1〜12kg/m
3 となる特性を有する、寸法安定性等の特性に優れたポリウレタンフォームが、有利に得られるのである。
【実施例】
【0039】
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、比較例と対比することにより、本発明の特徴を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下に示す%及び部は、何れも、質量基準である。
【0040】
−ポリオール組成物の調製−
ポリオールとして、芳香族系ポリエステルポリオールであるMAXIMOL RDK−133(川崎化成株式会社製品)を準備し、またシリコーン系整泡剤として、テゴスターブB8450(エボニック・デグサ・ジャパン社製品)を準備し、更に難燃剤として、トリス(1−クロロ−2−プロピル)フォスフェートであるWSFR−TCPP(ワンシャン社製品)を準備した。加えて、触媒としては、金属系樹脂化触媒であるプキャット25(日本化学産業株式会社製品)と、アミン系泡化触媒であるN,N−ジメチルアミノエトキシエタノールからなるカオーライザーNo.26(花王株式会社製品)とを準備し、更に有機発泡剤として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa:セントラル硝子株式会社製品)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc:SOLVAY社製品)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz:Dupont社製品)及び1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd:Honeywell社製品)を、それぞれ準備した。
【0041】
そして、それらポリオールとシリコーン系整泡剤と難燃剤と触媒と有機発泡剤とを、水と共に、下記表1〜3に示される組合せ及び配合割合において、均一に混合せしめて、実施例1〜10及び比較例1〜7に係る各種のポリオール組成物を調製した。
【0042】
−ポリイソシアネートの調製−
ポリイソシアネートとして、クルードMDI(ミリオネートMR−100:東ソー株式会社製品)を準備した。
【0043】
−ポリウレタンフォームの製造−
上記で調製したポリオール組成物とポリイソシアネート(クルードMDI)とを用い、液化二酸化炭素供給装置を備えた、現場発泡吹き付け装置により、先ず、ポリオール組成物に、表1〜3に記載の割合の液状の二酸化炭素を供給・混合せしめた後、その得られた液状二酸化炭素(液状CO
2 )を含むポリオール組成物を、ポリイソシアネートに対して、体積比1:1の割合において接触混合せしめ、次いで、JIS−A−9526に準じて、23±5℃、相対湿度80%以下の条件下で、2m×2m×1.5mのブース内において、躯体である合板表面に、下吹き1回及び上吹き2回の吹き付けを行い、かかる合板面上で反応させて、発泡・硬化せしめることにより、下吹き層が5mm及び2つの上吹き層がそれぞれ30mm以下の厚さとなる、実施例1〜10及び比較例1〜7に係る各種の硬質ポリウレタンフォームからなる発泡層を、それぞれ形成した。なお、表1〜3におけるCO
2 合計モル数は、配合された液状CO
2 のモル数と、配合された水の量に基づいて計算される、ポリイソシアネートとの反応により生成するCO
2 の理論モル数との合計量である。
【0044】
そして、かくして得られた各種のポリウレタンフォームを用いて、その圧縮強度、寸法変化率、全体密度、及びコア密度の測定をそれぞれ行い、また臭気発生の有無の評価を行い、それら得られた結果を、それぞれ、下記表1乃至表3に併せ示した。
【0045】
なお、圧縮強度の評価は、合板上に形成された発泡層から、試験片として、50mm×50mm×50mmのサイズにおいて、その中にスキン層が2層存在するようにして切り出し、その得られた試験片を用いて、JIS−K−7220に準じて、10%圧縮強度を、万能試験機を用いて測定することにより、実施した。また、寸法変化率の評価は、合板表面に形成された発泡層から、100mm×100mm×25mmのサイズにおいて、その中にスキン層が1層存在するように、試験片を切り出し、温度70℃、湿度95%に保持された、恒温恒湿槽に48時間静置せしめた後の寸法変化を測定することにより、行った。
【0046】
また、フォームの全体密度及びコア密度の評価は、次のようにして行った。即ち、910mm×910mmの合板上に吹き付けて形成した、スキン層の存在するポリウレタンフォームの厚みを、縦横に約等距離に位置する13の地点で測定し、その13点における厚みの平均から、ポリウレタンフォームの体積を求める一方、更にポリウレタンフォームを吹き付けた合板の質量を測定し、あらかじめ測定しておいた合板の質量を引くことで、ポリウレタンフォームの質量を求めることにより、全体密度を算出する。また、合板上に形成された発泡層からスキン層を取り除いて、コア層を現出せしめて、200mm×200mm×25mmのポリウレタンフォームを切り出し、そしてその質量を求めて、コア密度を算出する。
【0047】
さらに、臭気発生の有無についての評価は、次のようにして行った。即ち、15名の臭気パネラーが、合板表面にポリウレタンフォームからなる発泡層を形成した後のブース内の臭気を、下記の評価基準にて官能評価し、そしてその得られた評価レベルの平均値を算出して、優劣を評価した。なお、この評価レベルの値が高いほど、臭気が弱いことを意味している。
レベル4:臭気はほとんど感じられない
レベル3:やや臭気を感じる
レベル2:強い臭気を感じる
レベル1:非常に強い臭気を感じる
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
かかる表1及び表2の結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜10において得られたポリウレタンフォームにあっては、何れも、その製造工程における臭気の発生が殆ど認められないものであることに加えて、優れた圧縮強度と小さな寸法変化率を有するものであり、また全体密度とコア密度との差も小さなものであって、良好なフォーム特性を有していることが認められる。
【0052】
これに対して、表3の結果から明らかなように、液状CO
2 がポリオール組成物に全く配合されていない比較例1においては、圧縮強度が低く、また寸法変化率が大きくなると共に、全体密度とコア密度との差も大きくなり、フォーム物性において劣るものであることが認められた。また、液状CO
2 の配合量が多い比較例2及び比較例3の場合にあっては、目的とする発泡体を得ることが出来ず、更に有機発泡剤と合計CO
2 (液状CO
2 +水発生CO
2 )とのモル比が本発明の範囲外となる比較例4や比較例5においても、圧縮強度が充分でなく、且つ寸法変化率の大きなポリウレタンフォームであることを認めた。更にまた、有機発泡剤を用いない比較例6においては、寸法変化率が極めて大きく、且つ全体密度とコア密度との差も極めて大きく、フォーム物性に著しく劣るものであることを認めた。加えて、アミン系泡化触媒の使用量が多い比較例7においては、ポリウレタンフォームを製造したブース内に残留する臭気が、著しく作業環境を悪化せしめるものであることを認めた。