特許第6470667号(P6470667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6470667
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】作業機の動作システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 3/02 20060101AFI20190204BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20190204BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20190204BHJP
【FI】
   G07C3/02
   E02F9/20 N
   G06Q50/10
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-191622(P2015-191622)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-68452(P2017-68452A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】三浦 敬典
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−273015(JP,A)
【文献】 特開2013−016119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 3/00 − 3/14
E02F 9/20
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機のレンタルを管理する第1管理サーバと、
前記作業機の販売又は製造を管理する第2管理サーバと、
作業機に搭載され且つ、前記作業機の制御可能な制御装置と、
前記制御装置の制御に関する指令を、無線によって前記制御装置に出力可能な指令装置と、
を備え、
前記第1管理サーバは、前記作業機のレンタルを行う際に前記第2管理サーバに対して作業機のレンタルの許可の要求を行い、
前記第2管理サーバは、前記レンタルを行う作業機が前記販売又は製造されていることを確認した場合に前記作業機のレンタルの許可を行えると判断し、前記要求に対応して前記第1管理サーバにレンタルの許可を示す許可指令情報を送信し、前記レンタルを行う作業機が前記販売又は製造されていない場合には前記許可指令情報を送信せず、
前記指令装置は、
前記第1管理サーバが前記許可指令情報を受信した場合に前記第1管理サーバから出力される前記作業機の使用期限を取得可能な取得部と、
時間を求める時間算出部と、
前記時間算出部で求めた時間が、前記使用期限に達したか否かを判断する処理部と、
前記使用期限に達した場合には、前記制御装置の制御を制限する第1指令を出力し、前記使用期限に達していない場合には、前記制御装置の制御を制限なく行う第2指令を出力する通信部と、
を有している作業機の動作システム。
【請求項2】
前記制御装置は、当該制御装置の制御を制限なく行ってよいか否かを判定するための判定情報を記憶する記憶部を有し、
前記取得部は、前記レンタルを行う場合に前記第1管理サーバから送信される許可情報であって且つ前記制御装置の制御を制限なく行うことを示す許可情報と、前記制御装置の記憶部に記憶された判定情報とを取得可能であり、
前記処理部は、前記許可情報と前記判定情報との認証が成立し且つ前記使用期限に達しない場合には、前記通信部に前記第2指令を出力させる請求項1に記載の作業機の動作システム。
【請求項3】
前記作業機は、外部コードを入力可能な表示装置を備え、
前記取得部は、前記使用期限の延長期間、延長期間を有効にするための許可コードを前記第1管理サーバから取得可能であり、
前記処理部は、前記取得部が取得した許可コードと、前記表示装置に入力された入力された外部コードとの認証が成立した場合に、前記延長期間に基づいて使用期限を延長する請求項1に記載の作業機の動作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機の動作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の作業機の使用期限を管理するシステムとして、特許文献1に示す技術が知られている。
特許文献1の作業機では、使用期限が記憶された使用期限記憶手段と、使用期限に達したときに駆動部の動作を制限する動作制限手段と、使用期限を延長する使用期限延長手段と、使用期限の延長を許可する許可信号を予め設定された無線通信エリアに入ったときに受信可能な無線端末を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−016119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、作業機側に使用期限が記憶されていて、使用期限が来ると作業機の制限を行っている。このような方式である場合、作業機側に使用期限を書き込む必要があり、使用期限を設定する場合には必ず外部のサーバ等から作業機側に接続する必要がある。即ち、作業機の使用期限の設定や判定等に関して、大変な処理が必要である。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、簡単に使用期限に応じて作業機の動作を制御することができる作業機の動作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
作業機の動作システムは、作業機のレンタルを管理する第1管理サーバと、前記作業機の販売又は製造を管理する第2管理サーバと、作業機に搭載され且つ、前記作業機の制御可能な制御装置と、前記制御装置の制御に関する指令を、無線によって前記制御装置に出力可能な指令装置と、を備え、前記第1管理サーバは、前記作業機のレンタルを行う際に前記第2管理サーバに対して作業機のレンタルの許可の要求を行い、前記第2管理サーバは、前記レンタルを行う作業機が前記販売又は製造されていることを確認した場合に前記作業機のレンタルの許可を行えると判断し、前記要求に対応して前記第1管理サーバにレンタルの許可を示す許可指令情報を送信し、前記レンタルを行う作業機が前記販売又は製造されていない場合には前記許可指令情報を送信せず、前記指令装置は、前記第1管理サーバが前記許可指令情報を受信した場合に前記第1管理サーバから出力される前記作業機の使用期限を取得可能な取得部と、時間を求める時間算出部と、前記時間算出部で求めた時間が、前記使用期限に達したか否かを判断する処理部と、前記使用期限に達した場合には、前記制御装置の制御を制限する第1指令を出力し、前記使用期限に達していない場合には、前記制御装置の制御を制限なく行う第2指令を出力する通信部とを有している。
【0006】
記制御装置は、当該制御装置の制御を制限なく行ってよいか否かを判定するための判定情報を記憶する記憶部を有し、前記取得部は、前記レンタルを行う場合に前記第1管理サーバから送信される許可情報であって且つ前記制御装置の制御を制限なく行うことを示す許可情報と、前記制御装置の記憶部に記憶された判定情報とを取得可能であり、前記処理部は、前記許可情報と前記判定情報との認証が成立し且つ前記使用期限に達しない場合には、前記通信部に前記第2指令を出力させる。
前記作業機は、前記外部コードを入力可能な表示装置を備え、前記取得部は、前記使用期限の延長期間、延長期間を有効にするための許可コードを前記第1管理サーバから取得可能であり、前記処理部は、前記取得部が取得した許可コードと、前記表示装置に入力された入力された外部コードとの認証が成立した場合に、前記延長期間に基づいて使用期限を延長する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単に使用期限に応じて作業機の動作を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業機のレンタルシステムの概略図である。
図2A】第1記憶部が記憶している作業機情報の一例である。
図2B】第2記憶部が記憶しているレンタル情報の一例である。
図3A】第3記憶部が記憶している作業機情報の一例である。
図3B】発行部による特定情報の割り出しを説明する図である。
図4】他のレンタルシステムの概略図である。
図5】バックホーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る作業機の動作システムについて、適宜図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
作業機の動作システムは、作業機の動作を管理するシステムで、例えば、作業機のレンタルシステムに適用することができる。作業機の動作システムの説明の前に、作業機のレンタルシステムについて説明する。なお、作業機の動作システムは、作業機のレンタル以外にも適用は可能であり、後述する作業機のレンタルシステムに限定されない。
【0011】
図1は、作業機のレンタルシステムの概略図である。
作業機のレンタルシステム1は、建設機械(例えば、バックホー)、農業機械(例えば、トラクタ、コンバイン、田植機)等の作業機のレンタルシステムを行うシステムである。
図1に示すように、作業機のレンタルシステム1は、第1管理サーバ2と、第2管理サーバ3とを備えている。
【0012】
第1管理サーバ2は、作業機4のレンタルを管理するサーバであって、例えば、レンタル会社等が所有する。第2管理サーバ3は、作業機4の製造又は販売するメーカ等が所有する。第1管理サーバ2と、第2管理サーバ3とはネットワークNを通じて互いに情報の送受信が行えるようになっている。第2管理サーバ3は、例えば、作業機4の製造、又は、販売に関する様々な情報(部品情報、仕様情報、操作マニュアル、メンテナンス情報等)を第1管理サーバ2に提供することが可能である。一方で、第1管理サーバ2は、後述するように、レンタルに関する情報を第2管理サーバ3に提供することができる。
【0013】
第1管理サーバ2には、ネットワークNを通じて、様々な機器(通信機器という)5が接続可能である。例えば、第1管理サーバ2には、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン(多機能携帯電話)、PDA(携帯端末)、タブレット等の通信機器5が接続可能である。通信機器5を、第1管理サーバ2に接続することによって、作業機4のレンタルに関する処理を行うことができる。
【0014】
作業機4のレンタルを行うには、まず、通信機器5を第1管理サーバ2に接続をする。第1管理サーバ2は、通信機器5が接続されたことを受けて、当該通信機器5に入力画面(例えば、Web画面)を表示させる。通信機器5に表示された入力画面には、レンタルを行うのに必要な事項(情報)が入力することができる。例えば、入力画面には、作業機を借りる者(借方)に関する情報である借方者情報(借方者の住所、氏名、電話番号等)、借方希望情報(レンタルを希望する作業機の機種、当該機種の希望台数、貸出期間等)を入力することができる。
【0015】
第1管理サーバ2は、借方希望情報に基づき、希望する貸出期間中に希望する作業機4が貸し出しを行えるか否かを判断し、希望する貸出期間中に作業機4の貸出が行える場合は、第2管理サーバ3に対して、レンタルの許可の問い合わせを行う。第2管理サーバ3からレンタルの許可がなされると、第1管理サーバ2は、作業機の貸出が行えるように所定の処理を行う。このように、作業機のレンタルシステム1では、第1管理サーバ2と第2管理サーバ3とを連携させることにより、作業機4のレンタルを行っている。
【0016】
以下、第1管理サーバ及び第2管理サーバについて詳しく説明する。
第1管理サーバ2は、第1記憶部(第1作業機情報記憶部)10と、第2記憶部(レンタル情報記憶部)11と、処理部(第1処理部)12と、第1通信部13とを備えている。第1記憶部10及び第2記憶部11は、不揮発性のメモリ等で構成されている。第1処理部12及び第1通信部13は、第1管理サーバ2に組み込まれた電気・電子部品、プログラム等で構成されている。
【0017】
第1記憶部10は、レンタル会社が所有する作業機の情報(作業機情報)を記憶している。第1記憶部10は、例えば、図2Aに示すように、作業機の管理番号、作業機の特定情報、作業機の機種等を記憶している。作業機の管理番号は、レンタル会社がレンタルの管理のために付した番号である。作業機の特定情報は、作業機を特定する情報であって作業機に割り当てられた固有の情報(例えば、製造番号、シリアル番号等)である。作業機の機種は、作業機の仕様、作業機の大きさ等によって、製造メーカが独自に設定した名称等である。
【0018】
第2記憶部11は、作業機のレンタルに関する情報(レンタル情報という)を記憶している。第2記憶部11は、例えば、図2Bに示すように、レンタル情報として、レンタルを行った作業機の管理番号、作業機の特定情報、許可情報、借方者情報、貸出期間等を記憶している。許可情報とは、レンタルを行う際に第2管理サーバ3から通知されたレンタルの許可を示す番号(許可指令情報)等である。
【0019】
第1通信部13は、第2管理サーバ3、通信機器5等と様々な情報を送受信する装置である。第1通信部13は、第1管理サーバ2、第2管理サーバ3及び通信機器5の処理に応じて、所定の情報を送受信する。
第1処理部12は、レンタルに関する様々な処理を行う部分である。例えば、第1管理サーバ2に通信機器5が接続し、当該第1管理サーバ2に対してレンタルを行いたいという要求(入力画面の要求)があると、第1処理部12は、通信機器5に入力画面を表示させる処理を行う。また、第1処理部12は、入力画面に借方者情報、借方希望情報等が入力されると、借方希望情報に基づき、希望する貸出期間中に希望する作業機が貸し出しを行えるか否かを判断する処理を行う。詳しくは、第1処理部12は、第1記憶部10に記憶している作業機の機種を参照して、レンタルを希望する作業機の機種が、何台所有しているかを算出する。即ち、第1処理部12は、レンタル希望の機種におけるレンタル会社の所有台数を算出する。なお、作業機を予め機種毎に整理することで、所持している台数を第1記憶部10に記憶していてもよい。
【0020】
そして、第1処理部12は、第2記憶部11を参照して、貸出期間中において既にレンタルを行っている作業機の台数(貸出台数)を算出し、貸出台数と所有台数とからレンタルが可能な作業機の台数(貸出可能台数)を算出する。第1処理部12は、貸出可能台数が、希望台数以上である場合、希望している作業機に対して貸出が行えると判断する。
なお、例えば、貸出可能台数が3台、希望台数が5台である場合、少なくとも貸出可能台数である3台の作業機は、レンタルすることが可能である。この場合は、第1処理部12は、貸出可能台数を通信機器5に通知し、通信機器5に希望台数の変更を求め、変更後の希望台数が貸出可能台数以下の場合には、第1処理部12は、貸し出しを行えると判断する。
【0021】
第1処理部12は、希望している作業機に対して貸出が行えると判断後、即ち、所定の作業機に対してレンタル予約が行われた場合、第1情報を、第1通信部13から第2管理サーバ3に送信する処理を行う。第1情報とは、所定の作業機、即ち、貸出可能な作業機の情報であって、第1管理サーバ2が管理している情報である。第1情報は、作業機の管理番号、作業機を特定する特定情報、作業機の機種等である。
【0022】
この実施形態では、作業機に対してレンタル予約が行われた場合、第1処理部12は、第1記憶部10及び第2記憶部11を参照し、希望している作業機と同じ作業機の特定情報(第1特定情報という)を抽出する。第1通信部13は、第1処理部12が抽出した第1特定情報を含む第1情報と、レンタル許可要求とを第2管理サーバ3に送信する。
さて、第2管理サーバ3は、第3記憶部(第2作業機情報記憶部)20と、第2通信部21と、発行部22とを有している。第3記憶部20は、不揮発性のメモリ等で構成されている。第2通信部21、発行部22は、第2管理サーバ3に組み込まれた電気・電子部品、プログラム等で構成されている。
【0023】
第3記憶部20は、製造した作業機の情報、又は、販売した作業機の情報を記憶している。製造した作業機の情報、又は、販売した作業機の情報のことを第2情報という。第3記憶部20は、例えば、図3Aに示すように、第2情報として、作業機の特定情報、作業機の機種等を記憶している。
第2通信部21は、第1管理サーバ2等と様々な情報を送受信する装置である。第2通信部21は、第1管理サーバ2、第2管理サーバ3等の処理に応じて、所定の情報を受信したり送信する。
【0024】
発行部22は、まず、第1管理サーバ2から送信された第1情報と、第3記憶部20に記憶された第2情報とを参照して、レンタル許可する作業機(レンタル作業機という)を割り出す。具体的には、第1管理サーバ2が第1特定情報を含む第1情報及びレンタル許可要求を受信すると、発行部22は、レンタル許可要求を受けて割出処理を開始する。発行部22は、第1管理サーバ2が受信した第1特定情報と一致する第2特定情報が、第3記憶部20に記憶されているか否かを判定する。
【0025】
例えば、図3Bに示すように、第1特定情報が「K-RX253200」である場合、発行部22は、第3記憶部20を参照して、当該第3記憶部20の中に「K-RX253200」で示された第2特定情報が記憶されているかを判定する。この場合、第3記憶部20中に第2特定情報として、「K-RX253200」が記憶されているため、発行部22は、第1特定情報と一致する第2特定情報が記憶されている(作業機有り)と判定する。
【0026】
発行部22は、作業機有りの場合、第2特定情報(「K-RX253200」)と一致する第1特定情報(「K-RX253200」)に対応する作業機を、レンタル許可するレンタル作業機として認定し、認定したことを示す指令情報(許可指令情報)を発行する。許可指令情報とは、第1特定情報の作業機を、レンタル作業機として認定したことを示す情報(レンタル許可を示す情報)であって、数桁の数字等で示される。また、許可指令情報は、予め作業機と関連付けられていて、予め第2特定情報(「K-RX253200」)と許可指令情報とは対応づけられている。即ち、発行部22は、予め第2特定情報に対応付けられた許可指令情報を発行する。
【0027】
したがって、発行部22は、第1管理サーバ2から通知された第1特定情報に対して、対応付けられた許可指令情報を発行することで、当該第1特定情報の作業機に対してレンタル許可を行う。
なお、上述した説明では、発行部22は、第1管理サーバ2から通知された第1特定情報に、レンタル許可を示すフラグ等を許可指令情報(許可情報)とすることで、当該第1特定情報の作業機に対してレンタル許可を行ってもよい。
【0028】
一方、第1特定情報が「K-253800」である場合、発行部22は、第3記憶部20の中に第2特定情報として、「K-253800」が記憶されていないため、発行部22は、第1特定情報と一致する第2特定情報は記憶ない(作業機無し)と判定する。
発行部22は、作業機無しの場合、第1特定情報(「K-253800」)に対応する作業機を、レンタルを許可できない作業機とし、レンタルが不許可であることを示す不許可指令情報を発行する。この場合、不許可指令情報とは、第1特定情報の作業機は、レンタルの許可を発行することができない作業機であることを示す情報(レンタル不許可を示す情報)である。
【0029】
第2管理サーバ3の第2通信部21は、発行部22によって、許可指令情報又は不許可指令情報が発行されると、許可指令情報又は不許可指令情報を第1管理サーバ2に送信する。
第1管理サーバ2の第1通信部13が許可指令情報又は不許可指令情報を受信すると、第1処理部12は、許可指令情報又は不許可指令情報に対応して処理を行う。第1管理サーバ2が許可指令情報を受信した場合、第1処理部12は、借方者が希望している作業機がレンタル可能であるとして、通信機器5にレンタル予約が完了したことを示す情報を通知する。また、第1処理部12及び第2記憶部11は、第2記憶部11の情報を更新する処理を行う。第1処理部12は、管理番号、レンタル許可が下りた作業機(レンタル作業機)の第1特定情報、許可情報(許可指令情報)、借方者情報、貸出期間等を第2記憶部11に送信する。第2記憶部11は、管理番号、第1特定情報、許可情報(許可指令情報)、借方者情報、貸出期間等を記憶する。
【0030】
一方、第1管理サーバ2が不許可指令情報を受信した場合、第1処理部12は、不許可指令情報に対応する第1特定情報の作業機のレンタル許可がなされなかったとして処理を続ける。例えば、第1処理部12は、貸出期間中で貸出可能な作業機を抽出し、当該作業機をレンタルの不許可になった作業機に代わる代替機とし、代替機の第1特定情報を第2管理サーバ3に通知することで、代替機のレンタル許可要求を行う。第2管理サーバ3は、上述した同様の方法で代替機について、レンタル作業機として認定するか否かの処理を行う。代替機に対してレンタル許可がなされる(代替機に対応する許可指令情報を受信する)と、第1処理部12は、借方者が希望している作業機の代わりに、代替機のレンタルが可能であるという情報を、通信機器5に送信する。第1処理部12は、第1管理サーバ2が代替機でも良いことを示す情報を受信すると、通信機器5にレンタル予約が完了したことを示す情報を通知する。
【0031】
そして、第1処理部12は、管理番号、当該管理番号、レンタル許可が下りた代替機(レンタル作業機)の第1特定情報、許可情報(許可指令情報)、借方者情報、貸出期間等を第2記憶部11に送信する。第2記憶部11は、管理番号、第1特定情報、許可情報(許可指令情報)、借方者情報、貸出期間等を記憶する。
次に、レンタル作業機が決定後の処理について説明する。レンタル作業機の決定後の処理は、以下の実施形態に限定されない。
【0032】
まず、作業機4について詳しく説明する。
図5は、作業機4の一例であるバックホーを示したものである。
図5に示すように、バックホー4は、下部の走行装置40と、上部の機体41とを備えている。
走行装置40は、ゴム製覆帯を有する走行体42を有している。走行体42を走行モータで駆動するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。また、走行装置40の前部にはドーザ43が設けられている。
【0033】
機体41は、旋回台44と、作業装置(掘削装置)45とを備えている。旋回台44は、走行装置40上にベアリング58を介して旋回軸回りに旋回自在に支持されている。作業装置45は、旋回台44の前部に備えられている。旋回台44上には、エンジン,ラジエータ,運転席46,燃料タンク,作動油タンク等が設けられている。
作業装置45は、スイングブラケット47と、ブーム50と、アーム51と、バケット52とを備えている。スイングブラケット47は、支持体48に縦軸回りに揺動自在に支持されている。スイングブラケット47は、旋回台44内に備えられたスイングシリンダの伸縮によって揺動する。ブーム50は、スイングブラケット47に横軸回りに揺動自在に支持されている。ブーム50は、当該ブーム50とスイングブラケット47とのの間に介装されたブームシリンダ54の伸縮によって揺動する。アーム51は、ブーム50の先端に横軸回りに揺動自在に支持されている。アーム51は、当該アーム51とブーム50との間に介装されたアームシリンダ55の伸縮によって揺動する。バケット52は、アーム51の先端にスクイ・ダンプ動作可能に設けられている。バケット52は、当該バケット52とアーム51との間に介装されたバケットシリンダ53の伸縮によってスクイ・ダンプ動作される。
【0034】
図1に示すように、バックホーは、作業機の駆動(作動)に関する様々な制御を行う制御装置60を備えている。制御装置60は、例えば、オートアイドル制御(AI制御)、流量制御等の様々な制御を行う。なお、バックホーなどの作業機における制御は、下記に説明するものに限定されない。
制御装置60には、スイングシリンダ、ブームシリンダ54、アームシリンダ55、バケットシリンダ53などの各種アクチュエータを操作する操作部材(例えば、図5に示す操作レバー49や操作スイッチ)の操作量、ガバナセンサからのガバナ角度(ガバナ位置)、アクセルレバーの操作量(角度)、アイドルスイッチ(AI−SW)のオン信号/オフ信号、エンジン回転センサからのエンジン回転数などの各種制御信号が入力される。
【0035】
AI制御は、アーム51(アームシリンダ55)やブーム50(ブームシリンダ54)などを操作する操作部材が操作されているときは、アクセルレバーの操作量に応じてエンジン回転数を増減し、操作部材が操作されていないときは、エンジン回転数をアイドリング状態に固定する。
具体的には、制御装置60によるAI制御では、操作レバー49を中立位置にしてアイドルスイッチのオン信号が入力されると、アクセルレバーの操作量に関わらず、オートアイドルモータにアイドル信号を出力してオートアイドルモータを駆動し、エンジン回転数をアイドル回転数にする。また、制御装置60によるAI制御では、操作レバー49を前後又は左右に揺動してアイドルスイッチのオフ信号を入力すると、アクセル位置の信号に基づきオートアイドルモータに作動信号を出力してオートアイドルモータを駆動する。オートアイドルモータを駆動するとガバナレバーが作動しエンジン回転数が、アクセルレバーに対応した回転数になる。
【0036】
流量制御は、操作部材の操作量に応じてアクチュエータを動作させるものである。
制御装置60による流量制御では、例えば、操作レバー49を中立位置より揺動させると、作業機に設けられた電磁比例弁のソレノイドに、操作レバー49の操作量に対応した所定値の電流(作動信号)を出力する。そうすると、電磁比例弁は電流値(操作量)に応じて開き、アクチュエータに対応する制御弁のパイロット圧が制御され、アクチュエータが動作する。
【0037】
制御装置60は、第4記憶部61と、第3通信部64とを有している。第4記憶部61は、不揮発性のメモリ等で構成され、作業機の特定情報(第3特定情報)を記憶すると共に、第3特定情報に対応した判定情報を記憶している。判定情報とは、後述するように制御装置60で制御を行う際の判定に用いられるもので、例えば、発行部22で発行された許可指令情報と同じ情報である。なお、第3特定情報及び判定情報は、作業機4の製造時や作業機4の販売時等に第4記憶部61に書き込まれる。
【0038】
第3通信部64は、様々な情報を通信することができる。第3通信部64は、例えば、WiFi(R)、Bluetoooth(R)、ZigBee(R)等の無線通信を行う装置である。なお、第3通信部64は、携帯電話通信網に接続可能な通信装置であってもよい。
図1に示すように、作業機の動作システムは、制御装置60と、指令装置30と、書込み装置31とを備えている。指令装置30は、指令情報を記憶可能で且つ時間(時刻)を計時することが可能な装置である。即ち、指令装置30は、少なくとも時刻を計時すると共に所定の処理を行えるCPU等の演算部(処理部)を有するもので、例えば、CPUを有するタグやICカード等である。なお、指令装置30は、CPU等の演算部を有さないRFID等とは異なる装置である。また、指令装置30は、第3通信部64と通信可能な装置である。
【0039】
書込み装置31は、ネットワークを通じて第1管理サーバ2又は第2管理サーバ3に接続可能であり、例えば、許可指令情報を含むレンタル情報をネットワークを通じて取得可能である。所定の作業機(レンタル作業機)のレンタル情報を第1管理サーバ2から取得し且つ、指令装置30に接続すると、書込み装置31は、レンタル情報を指令装置30に書き込む。
【0040】
例えば、書込み装置31は、第1特定情報が「K-RX253200」であるレンタル作業機のレンタル情報を取得した場合、当該第1特定情報を示す「K-RX253200」、貸出期間(9/1〜9/25)、許可指令情報を示す「015501-389761」を指令装置30に書き込む。
指令装置30は、取得部32と、時間算出部(計時部)33と、第4通信部34と、処理部(第2処理部)35とを備えている。指令装置30は、取得部32、時間算出部(計時部)33、第4通信部34及び第2処理部35は、指令装置30に組み込まれた電気・電子部品、プログラム等で構成されている。第2処理部35は、CPU等で構成されている。
【0041】
取得部32は、貸出期間(使用期限)を含むレンタル情報を取得するもので、書込み装置31の書込みによりレンタル情報を取得する。例えば、書込み装置31が指令装置30に対して、「K-RX253200」で示される第1特定情報、「9/1〜9/25」で示される貸出期間と、許可指令情報(許可情報)を書き込むと、取得部32は、「K-RX253200」、「9/1〜9/25」、許可指令情報等を取得する。
【0042】
なお、取得部32は、レンタル情報を書込み装置31を介して取得する代わりに、第1管理サーバ2の第1通信部13から送信されたレンタル情報を、第4通信部34を介して取得してもよい。時間算出部33は、現在の時刻を求めるタイマである。
第4通信部34は、様々な情報を通信することができる。第4通信部34は、例えば、IWiFi(R)、Bluetoooth(R)、ZigBee(R)等の近距離無線通信、或いは、短距離無線通信を行う装置である。
【0043】
指令装置30の第4通信部34と制御装置60の第3通信部64とが通信可能範囲(通信エリア内)入ると、指令装置30は、制御装置60に対して第3特定情報及び判定情報の要求を行う。その後、制御装置60から送信された第3特定情報を、指令装置30が取得する。そして、第2処理部35は、第3特定情報と第1特定情報との認証を行い、第3特定情報と第1特定情報とが一致すると、判定情報と許可指令情報との認証を行う。第2処理部35は、判定情報と許可指令情報の認証が成立すると(判定情報と許可指令情報とが一致する)、現在の時間(時刻)が貸出期間内であるか否かを判断する。即ち、現在の時刻が使用期限に達しているか否かを判断する。
【0044】
第2処理部35は、例えば、特定情報の一致する(認証成立)、及び、許可情報が一致する(許可情報の認証成立)と、時間算出部33で求めた現在の時間(時刻)を参照し、現在の時刻が貸出期間内であるか否かを判断する。即ち、時間算出部33で求めた時刻に基づき、現在の時刻が使用期限に達しているか否かを判断する。
なお、使用期限とは、貸出期間のうち、貸出期間の最後の日であって最後の日を超えない時刻であり、例えば、貸出期間が9/1〜9/25であれば、「9/25,23:59:59」が使用期限となる。
【0045】
第2処理部35は、現在の時刻が使用期限に達していない場合、制御装置60による制御の制限を行わないと判断する。第4通信部34は、第2処理部35が制御の制限を行わないと判断した場合、制御の制限を行わないという許可指令(第2指令)を制御装置60に出力する。制御装置60は、指令装置30(第4通信部34)から送信された許可指令(第2指令)を取得すると、走行系や作業系の制御を制限せずに通常通り制御を行う。
【0046】
一方、第2処理部35は、時間算出部33で求めた現在の時間(時刻)が貸出期間を超える、即ち、現在の時刻が使用期限に達した場合は、制御装置60による制御の制限を行うと判断する。第4通信部34は、第2処理部35が制御装置60による制御の制限を行うと判断した場合は、制御の制限を行うという制限指令(第1指令)を制御装置60に出力する。制御装置60は、指令装置30(第4通信部34)から送信された制限指令(第1指令)を取得すると、走行系や作業系の制御の制限をする。制御装置60は、例えば、AI制御や流量制御を行わないようにして、作業機4の通常制御を制限する。つまり、制御装置60による制御の制限が働くと、作業機4は通常制御が行えなくなり、作業機4の動作を停止することができる。
【0047】
なお、上述した実施形態では、貸出期間が過ぎる(使用期限が切れる)と、作業機4を動かすことができなかったが、これに加え、貸出期間を延長することができるようにしてもよい。貸出期間の延長の変形例について説明する。
管理サーバ2の第1処理部12は、借方が希望する作業機について、貸出期間を経過後も貸出が可能である場合(貸出期間を過ぎても続けて貸し出すことができると推測できる場合)には、第1処理部12は、貸出が可能な範囲で、貸出期間に連続する延長期間を予め設定する。例えば、貸出期間が9/1〜9/25である場合、10日間貸出が可能であれば、延長期間を9/26〜10/5に設定する。
【0048】
第1処理部12は、許可情報(許可指令情報)に対応付けた延長期間を発行する。第2記憶部11は、貸出期間とは別に、許可情報に対応付けられた延長期間を記憶する。また、許可情報に対応付けられた延長期間は、指令装置30(書込み装置31)がレンタル情報を取得する際、即ち、許可指令情報を取得する際に同時に第1管理サーバ2から、指令装置30(書込み装置31)に送信される。
【0049】
指令装置30の取得部32は、許可情報に対応付けられた延長期間を取得可能である。取得部32は、書込み装置31が指令装置30に対して、許可情報に対応付けられた延長期間を書き込むと、書き込まれた延長期間を取得する。指令装置30には、スイッチが設けられている。指令装置30の第2処理部35は、許可情報と判定情報とが一致し且つ、当該許可情報に対応付けられた延長期間が指令装置30に保持されている状態で、スイッチが押されると、延長期間の使用を許可する。即ち、第2処理部35は、使用期限を延長期間の最後の日まで延長する。
【0050】
なお、第1処理部12は、延長期間とは別に、許可情報とは異なるコード(許可コード)を発行してもよい。この場合、第2記憶部11は、貸出期間とは別に、延長期間及び許可コードを記憶する。また、延長期間及びコードは、指令装置30(書込み装置31)がレンタル情報を取得する際、即ち、許可指令情報を取得する際に同時に第1管理サーバ2から、指令装置30(書込み装置31)に送信される。
【0051】
指令装置30の取得部32は、延長期間及び許可コードを取得可能である。取得部32は、書込み装置31が指令装置30に対して、延長期間及び許可コードを書き込むと、書き込まれた延長期間及び許可コードを取得する。一方、作業機4に搭載された表示装置等には、コード(外部コード)が入力可能である。指令装置30に設けられたスイッチ等を入れると、指令装置30の第2処理部35は、制御装置60に外部コードの要求を行う。一方、指令装置30からの外部コードの要求後に表示装置等に外部コードが入力されると、制御装置60は、外部コードを指令装置30に送信する。指令装置30の第2処理部35は、制御装置60から送信された外部コードと、許可コードが一致すると、延長期間の使用を許可する。即ち、第2処理部35は、使用期限を延長期間の最後の日まで延長する。
【0052】
このようにすれば、作業機4のレンタルを開始後には、延長期間が指令装置30に書き込まれているため、延長を行いたいと思った時に、指令装置30を第1管理サーバ2に接続しなくても、オフラインで簡単に使用期限を延長することができる。
なお、書込み装置31は、数字等で示される許可指令情報(許可情報)を指令装置30に書き込んでいたが、数字等で示された「015501-389761」を指令装置30に書き込む代わりに、貸出期間(9/1〜9/25)において、第1特定情報が「K-RX253200」であるレンタル作業機に対してレンタルが許可されていることを示すフラグ(制限なく通常通り制御を行ってもよいという情報)を指令装置30に書き込んでもよい。この場合、指令装置30は、現在の時刻が使用期限に達しておらず且つ許可情報を取得した場合には、制御装置60による制御の制限を行わないと判断する。一方、指令装置30は、現在の時刻が使用期限に達していない場合であっても、許可情報が取得できなかった場合には、制御装置60による制御の制限を行う。
【0053】
以上のように、レンタル会社が所有する第1管理サーバ2と、メーカが所有する第2管理サーバ3とを連携させることによって、レンタル会社による作業機4の管理を簡単にすることができる。例えば、レンタルの許可をメーカが行い、作業機4を駆動するための許可指令情報(許可情報)は、メーカ側から発行されるため、レンタル会社では、所有する多数の作業機4について、駆動するためのキー(許可情報)を管理する手間を省くことができる。即ち、メーカが製造時や販売時に管理している情報(作業機情報)を活用することで、レンタル作業機を作動するためのキーを簡単に生成して、レンタル会社に提供することができる。
【0054】
また、レンタル会社が所有する第1管理サーバ2と、メーカが所有する第2管理サーバ3とを連携させているため、レンタル会社とメーカとの情報共有が行え、作業機4のレンタルをスムーズに行うことができる。
また、指令装置30が時刻を計時し且つ制御装置60においてどのような制御を行うかの権限を有しているため、指令装置30では、貸出期間が経過した状態では、作業機4の制御装置60に判断を行わせずに作業機4を停止することができる。即ち、制御装置60に計時する部分や使用期限が来たか否かの判断部等を設けなくてもよい。
[第2実施形態]
図4は、他の作業機のレンタルシステムを示している。
【0055】
図4に示す作業機のレンタルシステムは、第2管理サーバ3を無くし、許可指令情報(許可情報)の発行を第1管理サーバ2が行うシステムである。上述した実施形態と同様の構成は説明を省略する。
第1管理サーバ2は、発行部23を備えている。発行部23は、第1管理サーバ2に組み込まれた電気・電子部品、プログラム等で構成されている。発行部23は、第1処理部12が希望している作業機に対して貸出が行えると判断後に、貸出が可能とされた作業機をレンタル許可するレンタル作業機として認定し、認定したことを示す指令情報(許可指令情報)を発行する。許可指令情報の発行後は、第1処理部12は、借方者が希望している作業機がレンタル可能であるとして、通信機器5にレンタル予約が完了したことを示す情報を通知する。また、第1処理部12及び第2記憶部11は、第2記憶部11の情報を更新する処理を行う。第1処理部12は、管理番号、当該管理番号、レンタル許可が下りた作業機(レンタル作業機)の第1特定情報、許可情報(許可指令情報)、借方者情報、貸出期間等を第2記憶部11に送信する。第2記憶部11は、管理番号、第1特定情報、許可情報(許可指令情報)、借方者情報、貸出期間等を記憶する。
【0056】
作業機のレンタルを行う場合は、書込み装置31は、ネットワークを通じて第1管理サーバ2に接続して、許可指令情報を含むレンタル情報をネットワークを通じて取得する。そして、指令装置30を書込み装置31に接続すると、当該指令装置30には、レンタル作業機の第1特定情報、貸出期間、許可指令情報等のレンタル情報が書き込まれる。なお、第2実施形態における指令装置30は上述した実施形態と同じである。
【0057】
このように、指令装置30が時刻を計時し且つ制御装置60においてどのような制御を行うかの権限を有しているため、指令装置30では、貸出期間が経過した状態では、作業機4の制御装置60に判断を行わせずに作業機4を停止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上述した実施形態では、第2管理サーバ3側で、作業機の特定情報に対応する許可指令情報を発行する一方で、制御装置60には、作業機の特定情報に対応する判定情報を予め記憶しておくことで、同一の特定情報を有する作業機においては、許可指令情報と判定情報とが一致し、制御装置60による通常制御を制限なく行えるようにしていた。これに代え、制御装置60には判定情報を記憶させずに、制御装置60による通常制御を制限なく行えるようにしてもよい。
【0058】
この場合は、第2管理サーバ3の発行部22が発行した許可指令情報を用いて、第1特定情報を暗号化する。そして、第2管理サーバ3は、暗号化した第1特定情報と、暗号化していない第1特定情報と、許可指令情報を第1管理サーバ2に送信する。書込装置31は、暗号化した第1特定情報、許可指令情報及び貸出期限を指令装置30に書き込む。指令装置30は、第2処理部35は、暗号化した第1特定情報と許可指令情報を用いて暗号化した第1特定情報の復元を行い、第3特定情報と、復元後の第1特定情報とが一致しているか否かを判断する。この場合も、制御装置60に判定情報を書き込まなくても、許可指令情報が正当であるか否かを判断することができる。
【0059】
上述した実施形態では、制御装置60では、制御の制限として、AI制御や流量制御を行わないとしていたが、当然の如くこれに限定されず、例えば、エンジン回転数を低速に固定したり、エンジン始動のそのものを停止(エンジン始動の禁止)したり、その他、様々な制御に対して制限をかけることで、作業機4を通常通り動かさないようにすればよい。
【0060】
上述した実施形態では、第1管理サーバ2から送信された許可指令情報(許可信号)を含むレンタル情報を指令装置30に書き込んでいたが、レンタル情報は、第1管理サーバ2から得られるものでなくてもよい。例えば、指令装置30をパーソナルコンピュータ等に接続して、当該パーソナルコンピュータで、レンタル情報に相当する情報を作成して、作成したレンタル情報を指令装置30に書き込んでもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 作業機
20 第3記憶部
21 第2通信部
22 発行部
30 指令装置
31 書込み装置
32 取得部
33 時間算出部(計時部)
34 第4通信部
35 処理部
60 制御装置
61 第4記憶部
64 第3通信部
N ネットワーク
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5