(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
芯線のない複数の平行な合成樹脂製縦線と、これらの合成樹脂製縦線に交差するものであって金属製の芯線を埋設された複数の平行な合成樹脂製横線とを、それらの交差部にて熱溶着して縦横一体とした振動篩用網を有する目詰まり防止機能付振動篩用網において、
上記振動篩用網の下側に上記合成樹脂製縦線に平行に一定幅の薄板帯状固定板が所定間隔を以って複数固定されると共に、上記振動篩用網及び上記薄板帯状固定板の下側に上記振動篩用網の升目よりも大きな升目の合成樹脂製の叩打用網が配設されており、
上記叩打用網は上記薄板帯状固定板の下側位置においてのみ、当該薄板帯状固定板に固定され、隣接する上記薄板帯状固定板間の範囲においては上記振動篩用網の下側には接続されていないものであって、
上記振動篩用網は、上記合成樹脂製横線の両縁が各々反対方向に伸長された状態で上記合成樹脂製横線の両端側が一対の振動縦板の間に張設し得るように構成され、
かつ、上記振動篩用網は、上記叩打用網における上記各薄板帯状固定板に固定された部分の下側に、上記振動縦板に固定用横杆を以って固定された複数の支持部材が当接状態で設けられることで、上記振動篩用網の中央部が上方に持ち上がった緩やかな円弧状となるように上記振動縦板間に張設し得るように構成され、
上記振動縦板の振動に基づいて、上記薄板状固定板間の上記叩打用網が上下方向に振動されることにより、上記叩打用網を以って上記振動篩用網の下面を叩打し得るように構成されたものであることを特徴とする目詰まり防止機能付振動篩用網。
上記各薄板帯状固定板の長手方向の両側の縁に沿う所定の横幅の各縦方向エリアにおける上記振動篩用網は、熱溶着された上記交差部の中に、複数の連続する上記交差部を非溶着交差部とした非溶着範囲が形成されている請求項1記載の目詰まり防止機能付振動篩用網。
上記各薄板帯状固定板の長手方向の両側の縁に沿う所定の横幅の各縦方向エリアにおける上記振動篩用網は、複数の連続する上記交差部を非溶着交差部とした非溶着範囲と、複数の連続する上記交差部により形成された溶着範囲とが、交互に形成されているものである請求項1記載の目詰まり防止機能付振動篩用網。
上記各薄板帯状固定板の長手方向の両側の縁に沿う一定の横幅の各縦方向エリアにおける上記振動篩用網は、上記各交差部において千鳥状に非溶着交差部が形成されているものである請求項1記載の目詰まり防止機能付振動篩用網。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、振動篩用網の全体は、被篩体流れ方向の上流側から下流側に向けて振動篩用網自体が若干下り傾斜となるように設置されるが、上記従来の振動篩用網では、この傾斜のため、上記球体が低い側(下流側)に偏在することになり、各収納室内において、或いは、振動篩用網の表面において、叩打位置にむらが生じることになり、十分な目詰まり防止効果が得られないという課題がある。
【0006】
また、被篩体の性状によっては、振動篩用網を急傾斜(例えば45度程度傾斜)させて使用する場合もあり得るが、このように急傾斜すると、収納室内の球体の偏在が顕著となるため、急傾斜の振動篩用網の目詰まり防止には適していないという課題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、振動篩用網の傾斜角度の如何に拘わらず、効果的に振動篩用網の目詰まりを防止し得る目詰まり防止機能付振動篩用網及び当該振動篩用網を使用した振動篩装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明は、
芯線のない複数の平行な合成樹脂製縦線と、これらの合成樹脂製縦線に交差するものであって金属製の芯線を埋設された複数の平行な合成樹脂製横線とを、それらの交差部にて熱溶着して縦横一体とした振動篩用網を有する目詰まり防止機能付振動篩用網において、上記振動篩用網の下側に上記合成樹脂製縦線に平行に一定幅の薄板帯状固定板が所定間隔を以って複数固定されると共に、上記振動篩用網及び上記薄板帯状固定板の下側に上記振動篩用網の升目よりも大きな升目の合成樹脂製の叩打用網が配設されており、上記叩打用網は上記薄板帯状固定板の下側位置においてのみ、当該薄板帯状固定板に固定され、隣接する上記薄板帯状固定板間の範囲においては上記振動篩用網の下側には接続されていないものであ
って、上記振動篩用網は、上記合成樹脂製横線の両縁が各々反対方向に伸長された状態で上記合成樹脂製横線の両端側が一対の振動縦板の間に張設し得るように構成され、かつ、上記振動篩用網は、上記叩打用網における上記各薄板帯状固定板に固定された部分の下側に、上記振動縦板に固定用横杆を以って固定された複数の支持部材が当接状態で設けられることで、上記振動篩用網の中央部が上方に持ち上がった緩やかな円弧状となるように上記振動縦板間に張設し得るように構成され、上記振動縦板の振動に基づいて、上記薄板状固定板間の上記叩打用網が上下方向に振動されることにより、上記叩打用網を以って上記振動篩用網の下面を叩打し得るように構成されたものであることを特徴とする目詰まり防止機能付振動篩用網により構成される。
【0009】
このように構成すると、目詰まり防止機能付振動篩用網を、その合成樹脂製横線の両端側を一対の例えば振動縦板等に固定することで振動篩装置に張設し、上記薄板帯状固定板に対応する下側を防振ゴム等の支持部材にて支持した状態で、上記振動縦板等を楕円軌跡等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、各薄板帯状固定板間の叩打用網が弾性によりその中央部を最大ストロークとして上下方向に振動し、振動篩用網の下側を叩打するため、上記振動篩用網の目詰まりを防止することができる。また、振動篩用網に叩打用網が一体に形成されているので、目詰まり防止機能付振動篩用網を傾斜状態で設置しても、支障なく、目詰まり防止機構を発揮し得る。
【0010】
第2に、上記各薄板帯状固定板の長手方向の両側の縁に沿う所定の横幅の各縦方向エリアにおける上記振動篩用網は、熱溶着された上記交差部の中に、複数の連続する上記交差部を非溶着交差部とした非溶着範囲が形成されている上記第1記載の目詰まり防止機能付振動篩用網により構成される。
【0011】
上記所定の横幅は例えば一定の横幅(A1,A1’)とすることができる。このように構成すると、目詰まり防止機能付振動篩用網を、その合成樹脂製横線の両端側を一対の例えば振動縦板等に固定することで振動篩装置に張設し、上記薄板帯状固定板に対応する下側を防振ゴム等の支持部材にて支持した状態で、上記振動縦板等を楕円軌跡等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、各薄板帯状固定板間の叩打用網が弾性によりその中央部を最大ストロークとして上下方向に振動し、振動篩用網の下側を叩打するが、上記中央部に比較して上記叩打用網の振動ストロークの小さい、又は、伝達振動の小さい上記縦方向エリアにおいては、振動篩用網において交差部の非溶着範囲が形成されているので、叩打用網の比較的小さいストロークによる叩打作用、又は小さい伝達振動であっても効果的に目詰まりを防止することができる。
【0012】
第3に、上記各薄板帯状固定板の長手方向の両側の縁に沿う所定の横幅の各縦方向エリアにおける上記振動篩用網は、複数の連続する上記交差部を非溶着交差部とした非溶着範囲と、複数の連続する上記交差部により形成された溶着範囲とが、交互に形成されているものである上記第1記載の目詰まり防止機能付振動篩用網により構成される。
【0013】
このように構成すると、目詰まり防止機能付振動篩用網を、振動篩装置に張設し、上記薄板帯状固定板に対応する下側を防振ゴム等の支持部材にて支持した状態で、振動縦板を楕円軌跡等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、中央部に比較して叩打用網の振動ストロークの小さい、又は伝達振動の小さい上記縦方向エリアにおいては、振動篩用網において溶着範囲と非溶着範囲が交互に形成されているので、叩打用網の比較的小さいストロークによる叩打作用、又は小さい伝達振動あっても効果的に目詰まりを防止することができる。
【0014】
第4に、上記各薄板帯状固定板の長手方向の両側の縁に沿う所定の横幅の各縦方向エリアにおける上記振動篩用網は、上記各交差部において千鳥状に非溶着交差部が形成されているものである上記第1記載の目詰まり防止機能付振動篩用網により構成される。
【0015】
このように構成すると、目詰まり防止機能付振動篩用網を、振動篩装置に張設し、上記薄板帯状固定板に対応する下側を防振ゴム等の支持部材にて支持した状態で、振動縦板を楕円軌跡等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、中央部に比較して叩打用網の振動ストロークの小さい上記縦方向エリアにおいては、振動篩用網の交差部において千鳥状に非溶着範囲が形成されているので、叩打用網の比較的小さいストロークによる叩打作用、又は小さい伝達振動であっても効果的に目詰まりを防止することができる。
【0016】
第5に、上記振動篩用網
の上記合成樹脂製横線の両縁
を各々反対方向に伸長
した張設状態で上記合成樹脂製横線の両端側
を各々固定する上記一対の振動縦板
と、上記振動縦板に上記固定用横杆を以って固定されたものであって、上記一対の振動縦板間に張設された上記振動篩用網において、当該振動篩用網の上記叩打用網における上記各薄板帯状固定板に固定された部分の下側に
当接されて上記振動篩用網を上方に持ち上げ、上記振動篩用網の中央部が上方に持ち上がった緩やかな円弧状となるように上記振動篩用網を上記一対の振動縦板間にさらに張設するための上記複数の支持部材と、上記振動縦板を振動させるためのバイブレータ及び上記バイブレータを駆動するためのモータとを具備し、上記モータにより上記振動縦板を振動させることにより、上記薄板状固定板間の上記叩打用網を上下方向に振動させ、これにより上記叩打用網を以って上記振動篩用網の下面を叩打し得るように構成されたものである上記第1〜4の何れかに記載の目詰まり防止機構付振動篩用網を使用した振動篩装置により構成される。
【0017】
上記支持部材は、例えば上端に防
振ゴム(10)が固定された支持棒(11)により構成することができる。このように構成すると、振動縦板を楕円軌跡等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、各薄板帯状固定板間の叩打用網がその中央部を最大ストロークとして上下方向に振動し、振動篩用網の下側を叩打するため、上記振動篩用網の目詰まりを効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、目詰まり防止機能付振動篩用網を、その合成樹脂製横線の両端側を一対の振動縦板等の固定部材に固定することで振動篩装置に張設し、上記薄板帯状固定板に対応する下側を支持部材にて支持した状態で、上目詰まり防止機構付振動用網を振動させると、各薄板帯状固定板間の叩打用網がその中央部を最大ストロークとして上下方向に振動し、振動篩用網の下側を叩打するため、上記振動篩用網の目詰まりを効果的に防止することができる。
【0019】
また、振動篩用網と叩打用網が一体であるので、目詰まり防止機能付振動篩用網を振動篩装置に傾斜して設置しても、従来のように球体が偏在することがなく、目詰まり防止機能が低下することはない。
【0020】
また、叩打用網の中央部に比較して振動ストロークの小さい薄板帯状固定板両側の縦方向エリアにおいては、振動篩用網の交差部に非溶着範囲が形成されているので、上記縦方向エリアにおいては叩打用網の比較的小さいストロークによる叩打作用、又は、小さい伝達振動であっても効果的に目詰まりを防止することができ、振動篩用網の略全面に亘り高い目詰まり防止効果を発揮することができる。
【0021】
また、叩打用網の中央部に比較して振動ストロークの小さい薄板帯状固定板の両側の縦方向エリアにおいては、交差部において千鳥状に非溶着範囲が形成されているので、叩打用網の比較的小さいストロークによる叩打作用であっても効果的に目詰まりを防止することができ、振動篩用網の略全面に亘り高い目詰まりを防止効果を発揮することができる。
【0022】
また、振動縦板を楕円軌跡等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、各薄板帯状固定板間の叩打用網がその中央部を最大ストロークとして上下方向に振動し、振動篩用網の下側を叩打するため、上記振動篩用網の目詰まりを効果的に防止し得る振動篩装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る目詰まり防止機能付振動篩用網を詳細に説明する。
図1(a)は目詰まり防止機能付振動篩用網1の平面図、同図(b)は(a)の側面図であり、振動篩装置に設けられた防振ゴム10を固定した支持棒11を二点鎖線にて記載している。尚、同図において、上下方向(矢印A方向)を「縦方向」、縦方向に直交する方向を「横方向」といい、振動篩装置に設置されたとき縦方向(矢印A方向)に被篩体が移動するものとする。
【0025】
本発明に係る目詰まり防止機能付振動篩用網1は、上側の方形の小さい升目の振動篩用網2と、下側の方形の大きい升目の叩打用網4と、該叩打用網4を上記振動篩用網2の裏面側に接続するための薄板帯状固定板5から構成されている。従って、以下の説明において網の全体を示すときは「目詰まり防止機構付振動篩用網1」といい、上側の振動篩用網2のみを示すときは「振動篩用網2」といい、下側の叩打用網4のみを示すときは「叩打用網4」という。
【0026】
ここで、上記振動篩用網2の横方向の線を「合成樹脂製横線2a」といい、合成樹脂製横線2a内部の中心部には金属製の芯線3が埋設されている(
図3参照)。上記振動篩用網2の縦方向の線を「合成樹脂製縦線2b」といい、合成樹脂製縦線2bには芯線は埋設されていない。また、上記叩打用網4の上記横方向の線を「合成樹脂製横線4a」といい、上記叩打用網4の縦方向の線を「合成樹脂製縦線4b」という。
【0027】
また、上記合成樹脂製横線2a,4a、上記合成樹脂製縦線2b,4bは何れもウレタンにより構成されており、上記薄板帯状固定板5も同じくウレタンにより構成されている。
【0028】
また、
図1において、構造をわかりやすくするために、分解図のように上側の振動篩用網2の面積より下側の叩打用網4の面積を広く描いているが、実際には、1枚の目詰まり防止機能付振動篩用網1としては、振動篩用網2と叩打用網4とは同一の面積であり、上記振動篩用網2と上記叩打用網4の間に、縦方向に平行に、横方向に一定間隔t2を以って(
図4参照)、複数の上記薄板帯状固定板5(横幅t1)が配置されている構成である。上記薄板帯状固定板5の縦方向の長さは、目詰まり防止機構付振動篩用網1の縦方向の長さと同一の長さに形成されている。
【0029】
図1に示すように、上記振動用篩網2は、芯線のない複数の平行な合成樹脂製縦線2bと、これらの合成樹脂製縦線2bに交差するものであって金属製の芯線3を埋設された複数の平行な合成樹脂横線2aとを、それらの交差部2’にて熱溶着して縦横一体とした網から構成されている。
【0030】
上記振動篩用網2の下側には、上記合成樹脂製縦線2bに平行に一定幅t1の薄板帯状固定板5が所定間隔(実施形態では間隔t2、
図4参照)を以って複数固定されている。より具体的には、この薄板帯状固定板5は、厚さ約2mm〜3mmのウレタン製の柔軟な板であり、その上面5a側が上記振動篩用網2の合成樹脂横線2aに熱溶着により固定されている。この薄板帯状固定板5は、合成樹脂製縦線2bに平行に固定されており、上記振動篩用網2の横方向に上記間隔t2を以って、互いに平行に複数設けられるものである(
図5参照)。
【0031】
よって、
図1においては、薄板帯状固定板5は2枚しか現れていないが、実際には
図5に示すように、上記振動篩用網2の横方向に沿って間隔t2を以って複数設けられるものである。尚、
図5の実施形態では、防振ゴム10の支持棒11の位置の3か所に上記薄板帯状固定板5が各々設けられている。この防振ゴム10は、
図1に円形破線で示すように、薄板帯状固定板5の下面に沿って、縦方向に複数設けても良いし、防振ゴム10自体を上記薄板帯状固定板5に沿った縦長形状に形成し、上記薄板帯状固定板5の下面を支持するように構成しても良い。尚、
図1に示すように薄板帯状固定板5の下面に、さらに薄いウレタン製の固定板5’を高さ調整のために設けても良い。
【0032】
上記振動篩用網2及び上記薄板帯状固定板5の下側には、上記振動篩用網2の升目よりも大きな升目の目詰まり解消用の叩打用網4が設けられている。
【0033】
この叩打用網4は、上記振動篩用網2の合成樹脂製横線2aに平行な合成樹脂製横線4aと、上記振動篩用網2の合成樹脂製縦線2bに平行な合成樹脂製縦線4bとから構成され、上記合成樹脂製横線4aと上記合成樹脂製縦線4bとの交差部4’は全て熱溶着により固定され、これにより叩打用網4が構成されている。この叩打用網4の各線4a,4bの直径は上記振動篩用網2の縦横線2a,2bの直径よりも大きく、直径は上記振動篩用網の約2倍〜約2.5倍の太さを有する。また、上記叩打用網4の1個の升目は、上記振動篩用網2の1個の升目の約16倍の大きさを有するように構成されている。
【0034】
このような叩打用網4は上記薄板帯状固定板5の下側位置においてのみ、当該薄板帯状固定板5の裏面5bに固定されており、隣接する上記薄板帯状固定板5,5間の範囲においては上記振動篩用網2の下側には接続(固定)されていない。より具体的には、上記薄板帯状固定板5の下側に位置する叩打用網4の合成樹脂製縦線4bが上記薄板帯状固定板5の下面に熱溶着により固定されており、その他の合成樹脂製縦線4bは、上記振動篩用網2の下側において、当該振動篩用網2に接続されておらず、フリーの状態となっている。即ち、上記振動篩用網2の合成樹脂製横線2aと上記叩打用網4の合成樹脂製縦線4bとの間には一定の隙間が形成されている。
【0035】
従って、当該目詰まり防止機能付振動篩用網1を、
図5に示すように、振動篩装置7(後述)に張設して、装置を振動させた場合、上記薄板帯状固定板5,5間の叩打用網4は、上下方向に振動し、上方に振動したときに上側の上記振動篩用網2に下側から当接、叩打し、その結果、上記振動篩用網2の目詰まりを解消し得るものである。
【0036】
さらに、上記各薄板帯状固定板5,5の長手方向の両側の縁5c,5c’に沿う一定横幅A1,A1’(
図1参照)における上記振動篩用網2の縦方向エリアS,S’(
図5、
図10参照)は、
図9に示すように、熱溶着された上記交差部2’の中に、複数の連続する上記交差部を非溶着交差部2”とした方形の非溶着範囲E1が形成されている。
【0037】
即ち、上記薄板帯状固定板5,5の長手方向の両側の縁5c,5c’に沿う一定(所定)の横幅A1,A1’(
図1参照)における上記振動篩用網2の上記縦方向エリアS,S’(
図5、
図10参照)は、複数の連続する上記交差部を非溶着交差部2”とした非溶着範囲E1と、複数の連続する溶着された上記交差部2’により形成された溶着範囲E2とが、交互に形成されるように構成する(
図10参照)。尚、
図9において、ハッチングで示した交差部は熱溶着した交差部2’を示し、ハッチングのない交差部は熱溶着していない非溶着交差部2”を示す(
図8も同じ)。
【0038】
又は、上記薄板帯状固定板5,5の長手方向の両側の縁5c,5c’に沿う一定(所定)の横幅A1,A1’(
図1参照)における上記振動篩用網2の縦方向エリアS,S’(
図5、
図10参照)は、
図8に示すように、上記各交差部において千鳥状に非溶着交差部2”が形成されるように構成しても良い。
【0039】
上記振動篩用網2の上記一定の横幅A1,A1’の上記縦方向エリアS,S’は、上記叩打用網4の振動ストロークが、叩打用網4の中央部分に比べて小さいため、又は上記中央部における叩打用網4の叩打による振動が上記縦方向エリアS,S’にも伝達して当該エリアS,S’の振動篩用網も振動するが、中央部に比べて叩打による伝達振動が小さいため、叩打による目詰まり防止効果が低下する。従って、上記縦方向エリアS,S’において、非溶着範囲E1又は千鳥状の非溶着交差部2”を設けることにより、当該縦方向エリアS,S’においても、目詰まりが容易に解消されるように構成されている。
【0040】
上記目詰まり防止機構付振動篩用網1は、
図5に示すように、上記合成樹脂製横線2aの両縁2a’,2a’が各々反対方向(矢印B,B’方向)に伸長された状態で、振動篩装置7の一対の平行な振動縦板6,6’間に張設され、上記叩打用網4における上記薄板帯状固定板5,5に固定された部分の下側に、支持棒11上の防振ゴム10が当接した状態となっている。尚、
図5において8は上記支持棒11を固定するための固定用横杆である。尚、上述のように上記防振ゴム10は縦方向に複数個設けても良いし、縦方向に長い1条の防振ゴムでも良い。また、上記支持棒11も、上記防振ゴム10に対応して複数本設けても良いし、縦方向に長い板状の部材(支持柱11)であっても良い。
【0041】
上記振動篩装置7は、
図7に示すように、地面Gに設置された固定機枠21に、支持装置12,12によって、上記振動縦板6,6’が振動可能に支持されている。上記地面G上にはモータ用の固定機枠13が設置され、該機枠13上に駆動用のモータMが固定されている。上記振動縦板6,6’上にはバイブレータ14が設けられ、上記バイブレータ14の回転体14aと上記モータMのプーリPとは駆動ベルト15が掛け渡されている。
【0042】
上記バイブレータ14の回転体14aのドライブ軸には偏心錘(図示せず)が固定されており、上記モータMを駆動して上記回転体14aを回転することにより、バイブレータ14が振動し、その結果、上記振動縦板6,6’が振動することで、上記振動縦板6,6’間に張設された上記目詰まり防止機能付振動篩用網1(
図7中二点鎖線で示す)を振動させることができる。
【0043】
振動の方向は、例えば、
図7に矢印Cにて示すように、鉛直に対して45度傾斜した中心軸Pの周りの楕円軌道に沿った振動であり、この楕円軌道に沿って上記目詰まり防止機能付振動篩用網1が振動することになる。
【0044】
上記目詰まり防止機能付振動篩用網1の左右両端部は
図6に示すように、上記振動縦板6,6’間に固定される。尚、上記目詰まり防止機能付振動篩用網1の左右両側縁の固定構造は左右対称なので、
図6により左側の固定構造のみを説明する。同図において、振動縦板6,6’の内側にはL型アングル19が固定され、当該L型アングル19の上部にはクラッピングバー16がその上端部16aを支点として、下端部16bを上記アングル19上に向けて配置され、かつテンションボルト17が上記クラッピングバー16の内側から斜め方向に設けられ、当該テンションボルト17の端部は上記振動縦板6を貫通して該振動縦板6の外側にてナット18にて固定されている。
【0045】
かかる構造において、上記目詰まり防止機能付振動篩用網1の左右両側縁にはフック20が固定されており、上記フック20を上記クラッピングバー16の下端部16bに係合し、上記テンションボルト17をねじ込むことにより、上記フック20を上記下端部16bと上記L型アングル19の上面19aとの間に挟持することにより、上記一対の振動縦板6,6’の間に上記目詰まり防止機能付振動篩用網1を張設する。そして、上記テンションボルト17をねじ込むことにより、上記振動篩用網1に、矢印B,B’方向のテンションをかけるように構成する。
【0046】
そして、
図5に示すように、上記目詰まり防止機能付振動篩用網1に反対方向(矢印B,B’方向)のテンションをかけた状態で、上記振動篩用網2の下側に位置する固定横杆8に、当該振動篩用網1の下側から上記薄板帯状固定板5の対応位置に複数の支持棒11を立設し、各支持棒11の上部に各々防振ゴム10を固定し、上記各防振ゴム10を上記目詰まり防止機構付振動篩用網1の上記薄板帯状固定板5の下側の叩打用網4に下から当接する。そして、中央の支持棒11を両サイドの支持棒11より若干長く形成することにより、上記振動篩用網1の中央部を若干持ち上げ、全体として中央が若干持ち上がった緩やかな円弧形(上に凸)となるように張設する(
図5参照)。
【0047】
上記振動篩装置7においては、入口7aから骨材等の原材料が投入され、当該装置7内においては、二点鎖線で示すように目詰まり防止用振動篩用網1を設置する。そして上記入口7aから投入された原材料は上記目詰まり防止機能付振動篩用網1にて篩動作が行われ、当該網1上の原材料(被篩体)は矢印I方向に進んで出口7bから矢印F方向に排出されるように構成されている。
【0048】
本発明の目詰まり防止機能付振動篩用網1は上述のように構成されているので、本発明に係る目詰まり防止機能付振動篩用網1を
図5に示すように振動篩装置7の振動縦板6,6’間に張設し、上記モータMを駆動して上記振動縦板6,6’を矢印C方向の楕円軌道に沿って振動させる。すると、
図4に示すように、目詰まり防止機能付振動篩用網1の上側の振動篩用網2が上記楕円軌道に沿って振動すると共に、叩打用網4は、上記防止ゴム10と防振ゴム10との間において、中央部を最も大きな振幅(ストローク)を以って上下方向(矢印D方向)に振動し、上記振動篩用網2の下側の略全体に亘り、叩打を繰り返し行う。尚、目詰まり防止機構付振動篩耀網1の振動の軌道は、上記の楕円軌道に限らず、円軌道、上下方向の直線軌道に沿う振動、斜め上下方向の直線軌道に沿う振動等、各種の振動が考えられる。
【0049】
この状態で、振動篩装置7の投入口7aから例えば骨材を投入する。上記振動篩用網2の上側から当該網1に投入された骨材は、振動篩用網2上に落下すると共に、当該振動篩用網2の楕円軌道に沿う振動により、篩動作が行われる。即ち、上記振動篩用網2の升目より小さい骨材は当該振動篩用網2を通過して下方に落下して集積され、上記升目より大きい骨材は上記振動篩用網2の上を矢印I方向に移動して出口7bから矢印F方向に移動して図示しない搬送用コンベア等により移送される。かかる動作により、上記振動篩用網2にて篩分けすることができる。
【0050】
ここで、振動篩用網2の下面には、叩打用網4が常時上下方向に振動することにより、当該叩打用網4の上面が上記振動篩用網2の下面の広範囲を常時叩打しているので、上記振動用網2の升目に細かい粒子が付着して升目を塞いだとしても、当該升目は、直後に叩打用網4により下側から叩打されるので、上記升目を塞いだ粒子は上記叩打の振動により、直ちに当該升目から離脱して下方に落下集積する。
【0051】
上記叩打用網4の升目の大きさは、上記振動篩用網4の升目より大(例えば16倍の大きさ)なので、上記振動篩用網2の升目から離脱した粒子は、叩打用網4の升目を容易に通過して下方に落下集積することができる。
【0052】
上記振動篩用網2の上記薄板帯状固定板5の両側の縁に沿った縦方向エリアS,S’の部分では、上記叩打用網4の上下方向のストロークが小さい、又は振動篩用網2の中央部から伝達される振動が小さいため、叩打による目詰まり防止の効果が中央部に比べて低下するが、上記縦方向エリアS,S’において、
図10に示すように、非溶着範囲E1が上記薄板帯状固定板5の両側に沿って縦方向に、溶着範囲E2と交互に設けられている。
【0053】
従って、上記非溶着範囲E1において、非溶着交差部2”は熱溶着されていないので、この範囲E1内において、升目を粒子が塞いだとしても、非溶着交差部2”における合成樹脂製横線2aと合成樹脂製縦線2bは容易に上下に離間し得る。よって、叩打用網4のより力の弱い叩打、又は振動篩用網2の中央部の振動に比べて弱い振動によっても、上記升目を塞いだ粒子を下方に容易に落下させることができる。
【0054】
即ち、
図9に示すように非溶着範囲E1においては、非溶着交差部2”が熱溶着されていないので、複数の非溶着交差部2”において、複数本の合成樹脂製縦線2bに対して、それに交差する複数本の合成樹脂製横線2aが全体として下方に離脱し得て、実質的に1つの升目の面積が広がるような効果を発揮し、非溶着範囲E1において、より弱い叩打力により、骨材(小さい粒子等)を容易に下方に落下させることができ、効果的に目詰まりを防止することができる。
【0055】
このような効果は、
図5において、複数の薄板帯状固定板5に沿う横幅A1,A1’の複数の縦方向エリアS,S’において、各々発揮し得るので、目詰まり防止機能付振動篩用網1としては、叩打用網4のストロークの小さい薄板帯状固定板5の両側の横幅A1,A1’の縦方向エリアS,S’部分を含めて、振動篩用網2の略全体に亘って、目詰まりを効果的に防止、解消することができる。
【0056】
また、
図8に示すように、上記一定の横幅A1,A1’の縦方向エリアS,S’部分の交差部において、千鳥状に非溶着交差部2”を形成した場合も、同様に、効果的に目詰まりを防止することができる。千鳥状に非溶着交差部2”を配置した場合は、
図8に示すように、その部分の升目が実質的に略4倍に広がることになるため、より弱い叩打力によっても、又は中央部よりより弱い振動であっても、容易に升目を塞いだ粒子を下方に落下させることができる。即ち、千鳥配置の場合も、
図10に示すように横幅A1,A1’の縦方向エリアS,S’においては、交差部が千鳥状に熱溶着されていないので、升目が実質的に略4倍に広がった効果を発揮して、上記エリアS,S’において、より弱い叩打力により、又はより弱い振動により、効果的に目詰まりを防止することができる。
【0057】
このような効果は、
図5において、複数の薄板帯状固定板5に沿う縦方向エリアS,S’の範囲において、各々発揮し得るので、目詰まり防止機能付振動篩用網1としては、叩打用網4のストロークの小さい薄板帯状固定板5の両側の縦方向エリアS,S’の部分を含めて、振動篩用網2全域の目詰まりを効果的に防止することができる。
【0058】
しかも、従来の球状の叩打ボールを使用する場合に比べて、目詰まり防止用振動篩用網1を傾斜させて配置しても、叩打用網4による叩打作用には何ら影響はないため、振動篩用網を傾斜状態で使用する場合であっても、何ら支障なく使用することができる。
【0059】
本発明は、以上のように、目詰まり防止機能付振動篩用網1を、その合成樹脂製横線2aの両端側を一対の振動縦板6,6’等の固定部材に固定することで振動篩装置7に張設し、上記薄板帯状固定板5に対応する下側を支持部材にて支持した状態で、上記目詰まり防止機構付振動用網2を振動させると、各薄板帯状固定板間5の叩打用網4がその中央部を最大ストロークとして上下方向に振動し、振動篩用網2の下側を叩打するため、上記振動篩用網2の目詰まりを効果的に防止することができる。
【0060】
また、振動篩用網2と叩打用網4が一体であるので、目詰まり防止機能付振動篩用網1を振動篩装置7に傾斜して設置しても、従来のように球体が偏在することがなく、目詰まり防止機能が低下することはない。
【0061】
また、叩打用網4の中央部に比較して振動ストロークの小さい薄板帯状固定板5の両側の縦方向エリアS,S’においては、振動篩用網2の交差部に非溶着範囲E1が形成されているので、上記縦方向エリアにおいては叩打用網4の比較的小さいストロークによる叩打作用、又は、振動篩用網2の小さい伝達振動であっても効果的に目詰まりを防止することができ、振動篩用網2の略全面に亘り高い目詰まり防止効果を発揮することができる。
【0062】
また、叩打用網2の中央部に比較してストロークの小さい薄板帯状固定板5の両側の縦方向エリアS,S’においては、交差部において千鳥状に非溶着範囲E1が形成されているので、叩打用網4の比較的小さいストロークによる叩打作用、又は小さい伝達振動であっても効果的に目詰まりを防止することができ、振動篩用網2の略全面に亘り高い目詰まりを防止効果を発揮することができる。
【0063】
また、振動縦板6,6’を楕円軌跡等を含む上下方向又は斜め上下方向に振動させると、各薄板帯状固定板5間の叩打用網4がその中央部を最大ストロークとして上下方向に振動し、振動篩用網2の下側を叩打するため、上記振動篩用網2の目詰まりを効果的に防止し得る振動篩装置を実現することができる。
【0064】
上記目詰まり防止機能付振動篩用網の材質はウレタンとしたが、合成樹脂であれば他の材料であっても差し支えない。また、縦方向エリアS,S’は縦方向に一定の幅(横幅A1,A1’)で設けたが、必ずしも縦方向エリアの幅は一定でなくてもよく、例えば縦方向の位置に応じて、横方向に広いエリア、狭いエリアを設けても良い。
【解決手段】 芯線のない複数の平行な合成樹脂製縦線2bと、合成樹脂製縦線に交差し金属製の芯線3を埋設された複数の平行な合成樹脂製横線2aとを、交差部2’にて熱溶着して縦横一体とした振動篩用網2を有する目詰まり防止機能付振動篩用網1であって、振動篩用網2の下側に合成樹脂製縦線2bに平行に薄板帯状固定板5を所定間隔を以って複数固定し、振動篩用網2及び薄板帯状固定板5の下側に合成樹脂製の叩打用網4が配設されており、叩打用網4は薄板帯状固定板5の下側位置においてのみ薄板帯状固定板に固定され、隣接する薄板帯状固定板5間の範囲においては振動篩用網2の下側には接続しないように構成し、叩打用網4にて振動篩用網2を叩打し得るように構成する。